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SSスレッ!!!!!!!!!!
271
:
闇の名無しさん
:2015/11/19(木) 14:55:24 ID:nVpxcsjo
「ああ、そういった話じゃなくてだな。傾向として天使と同じだと言ってるんだ。他人と自分の天秤があべこべ、端的には利他主義者だな」
……う。そこは否定出来ない。否定しようにも昨日の出来事で証明されてしまっている。自分の命よりも他人の命のほうが重い、と。
そういった価値観も天使と似ている。m2は間髪入れずに続け、欠伸混じりに言葉を並べ立てていくと、懐から札の束を取り出した。
アレは―――タロットカード。昔彼に師事を仰いでいた時、度々使用した馴染みのある魔術道具の一つ。それをこちらへ向けて差し出すと
「一枚引け。このタロットは特別製でな、引き手の魔力に反応して「種族」を当てるオリジナルのものだ」
つまり、このタロットで私の種族が明確になる、と。静まり返る廊下、差し出された札を前に、私は思わず躊躇してしまった。
もし天使だったら。私は闇であることを諦めなければならないのだろうか。それ以前に目の前の彼は、私の存在を許すだろうか。
動悸が高まる。冷や汗が頬を、腕を、脚を伝う。天使であるはずがない、そう断言したばかりなのに、自分の言葉に自信が持てない。
それも当然、自分ほど信頼出来ない者はいないのだから。裏返しの札を目にしたまま手が震え、たった一枚捲ることすら叶わない。もし、もし天使だったら。
日を雲が覆い、朝焼けの廊下に影が差す。込み上げる寒気と慟哭。闇であって欲しい。けど、闇であると断言はできないまま、その札に手を伸ばして。
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