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SSスレッ!!!!!!!!!!
266
:
闇の名無しさん
:2015/11/19(木) 14:52:27 ID:nVpxcsjo
『あなたには自分が無い』と、誰もが言う。
光国で過ごした時も。中立国で彷徨っていた頃も。師匠と過ごしていた頃も。殺人鬼として暴れていた頃も。
他人からの評価は等しく同じだった。私は私だと自負しているのに、貴方は「自分」という感覚が希薄なのだと。
……でも、それだって別段珍しいことではないはずだ。誰しもが自分の全てを知っているわけじゃない。
というか、私には誇るものが無いんだ。継ぎ接ぎの心。黒と白と灰色のパッチワーク。大それた理想があるわけでもない。
ああ、昔は「正義」を胸に戦ってたっけ。けどその正義も所詮は受け売りだ。自分が見出した思想とは言えないな。
一つ。白い継ぎ接ぎの布を解く。次に灰色の布を解く。最後に残った黒色の布。それは小さな歯切れに過ぎなくて、私の心を埋めるほど大きくはなくて。
「私って、なんだっけ」
大きな姿見の前。目の前に映る裸の“少女”と掌を合わせて独り言ちてみた。
欠けた月の夜、静まり返る部屋で独り。ここに佇む自分が何者なのか、何度も何度も。戯言のように繰り返す。
目の前に映る“少女”は答えない。“少女”の目に映る私も答えない。夜風がカーテンを撫で、殺風景な部屋に涼風を呼ぶ。
ああ、明日は晴れそうだ。込み上げた思いを胸の引き出しにしまい込んで今日という日を終える。
明日、自分は自分で要られるだろうか。なんて、自分らしくない問いかけを抱きながら。
…………でも、自分らしさって、なんだろう。
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