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241闇の名無しさん:2015/10/03(土) 02:50:48 ID:UUKA7IGQ
百年に一度の大嵐、一夜去って風も雨も雲も月も見えぬ夜。
小柄な少女は道に迷う。避難の最中、家族と逸れてしまった哀れな娘。
一寸先は闇、足音だけが響く夜道。幼い少女は恐怖に震える。

「おかあさん、おとうさん……」

歩き疲れた少女はしゃがみ込む。響く遠吠え、梟の囀りが、縋るような言葉を掻き消す。
震える姿も闇に囚われ覗くことは叶わない。逃げ場のない現実から目を背けるように顔をうずめる。
そんな時、遠くから漏れる小さな灯火。木々から漏れる橙の明かりは、まるで差し伸べられた蜘蛛の糸。
少女は立ち上がり歩き出す。あの明かりに希望があると信じて、汚れた足で走り出す。
辿り着いたのは古びた館。錆びついた門は少女を歓迎するように、人一人通れるほどの隙間が開いている。
彼女が見た光はその先、館へと続く庭に並べられたロウソク達。道にそって隙間無く並べられ、微かな灯火を揺らす。
風など無いのに揺れる灯火。それでも少女は門をくぐり、朽ち果てた館へ歩き出す。優しげな光に導かれながら。

誰も居ないと分かっていながら、少女は風化した扉を叩く。二度、三度。乾いた音が辺りに響く。
もし誰も居なければ、朝が来るまでこの館の中で過ごそう。そう安堵の気持ちが浮かび始めた矢先


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