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SSスレッ!!!!!!!!!!
220
:
闇の名無しさん
:2015/08/03(月) 20:06:28 ID:.Y/mN5V.
煽りは火蓋と成って切り落とされた。溢れ燃え上がる憤怒と激情を以って、彼女――リリアンは私へと駆け出した。
迷い無き走り。その姿を見ただけでも感じ取れる。この女性は、此処に蔓延っている有象無象とは一線を画す―――!
星一つ浮かばぬ帳に数個、煌めく火花が散って行く。ギリギリと音を立てる刃、其の音は互いの視線のぶつかり合いにも似ていて
包み隠さぬ殺意が私を射抜く。数秒の間の鍔迫り合い、互いの力量を見抜くには十分過ぎる凌ぎ合いだろう。
短い火花が散った後、リリアンは兎の如く飛び跳ね距離を取る。浮かぶのは汗、けれどこの私を前にしても、その戦意に揺らぎは無い。
訪れるのは沈寂。何方かが動けば勝負は決す、誇張も無く、あと僅か一撃で。
それを理解しての事だろう、頬を伝う冷や汗を拭い、リリアンは息を呑んで私の様子を窺い続けるのみ。
怒りと勢いだけではどうにもならぬ相手だと、先の剣戟で悟ったか。ならばこの試合の行く末も理解している事だろうに。
「貴女は……何者ですか」
「ふふ、自ら冥土の土産を求めるのは欲張りよ……でも、そうね、貴女の畏怖に免じて答えてあげる」
私は光でも無く、闇でも無い。月夜に揺らぐ灰銀の髪を指差し、紛うこと無く事実を突き付けて見せた。
ただこの世界に導かれたから殺す。一片の理屈など無く、ただ殺したいから殺すのだと。殺すことに理由はいらないと。
だから殺した。メイドを殺した。勿論お前も殺す。お前の主も殺す。この世界の住人を、一人残らず殺す。そんな異常な殺戮者だと。
そうして抱かれたのは驚愕、そして納得の感情。生まれるのは僅かな戸惑い――だがそれも、燃える闘志に投げ込まれ
「ならばなおのこと、此処を通すわけには行きません。貴女はこの世界の均衡を崩す者だ……!」
「本当にソレでいいの?貴女ほどの実力者なら、この私には敵わないと理解しているでしょうに」
一迅の風が凪ぐ。答えに詰まるリリアン、微かな震えは隠せても、抱く躊躇いだけは隠せない。
事実、彼女には私を殺せない。いや、それどころかこの外套に傷を付けることすら叶わぬだろう。
覆しようの無い宿命というものだ。例え人がどれだけ速く走ろうとも、野良猫には絶対に追いつけないのと同じように。
彼女とは根本的に“性能”が違い過ぎた。彼女は強い、だが私には及ばない。こうして相まみえている事自体が異常なんだ。
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