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SSスレッ!!!!!!!!!!
207
:
さくや
:2015/05/07(木) 01:51:28 ID:???
カナが学校に到着し、様々な雑談の声をかき分けながら教室に入ると、いつもよりも騒がしめな声が響いてくる。
騒がしく教室ではしゃぐ女子達。それを遠巻きに優等生達が眺め、委員長が声を窘める。
そんないつもの光景が、今日はどこか崩れているようだった。
「オハヨー」「オハヨー、カナ=サン」挨拶とともに席につくと、駆け寄ってきたのは同級生のリン・アマドキだ。
リンは淡い黒茶の三つ編みを揺らしながら、いつもは大人しめな表情をほころばせて、スマート端末を差し出してくる。
「コレ!すごいよね!今日もみんな、この話題で盛り上がってるよー」「……カナ=サン?」
スマート端末を見せられたカナの表情はこわばっていた。写っているのは……昨日の激闘の様子。
「ア、ゴメンナサイ、なんでもないよ」「?」咄嗟に笑顔を取り繕うカナだが、リンは何処か不思議そうにカナを眺めている。
「昨日のアレ、ドッキリ!?」「映画みたいだったね!」「アニメイシヨンの宣伝?」様々な教室内を巡っていく。
「ネ、レイ=サンから聞いたんだけど、この映像を生で見たってホント!?」「エッ!?」そのリンの声に、教室内の人々が集まってきた。
電波ジャックがジャックされ、この映像が流されたのは夜の12時近くのこと。故に生徒のほぼ全ては寝ていて、生では見ていなかったのだ。
「ホント!?カナ=サン!」「この謎の少女の素顔、見た!?」「やっぱりカワイイだった!?」
矢継ぎ早に突き付けられる質問に困惑しつつも、嘘をいう理由もないので事細かに説明し、素早い解放を願う。
だが無情!その答えに更に教室内は沸き立ち、その騒動を聞いて隣のクラスの者も集まってくる始末。
カナは栗色の癖っ毛を揺らしながら、丁寧に質問をいなしていく。この会話術はカチグミである両親から学んだものだ。
「おーいお前ら、さっさと席につけ」十数分に渡る質問攻めはやってきた教師によって打ち止められる。
(助かった)心の中でほっと安堵の息を漏らし、壇上に立つ初老の男性……ムスビ先生の姿に目を移す。
「ま、静めても意味は無いだろうけどな……今日は転校生を紹介する」ムスビ先生の言葉は当たった。転校生という言葉に、また教室が湧き上がる。
「ヤッター!」「転校生?珍しいね!」「テンキン・グループ?」騒然とする教室を一旦静め、先生は手招きをした。
すると……やって来た少女の姿を見て、カナはまた、こわばった表情を見せる。
「ドーモ、皆さん。サキ・カミヅキです。エイコク・カントリーから来ました」そう、現れた少女は、あの日見た少女だったのだ!
しかし少女の容姿を知っている者は少ない。カナを除けば、この学校でも知っているものは両手の指で足りる程度だろう。
とは言え他の生徒達はそんなことも関係なく盛り上がる。「ワー、チッチャイ!」「胸が平坦!」「エイコク紳士!?」
エイコク・カントリーと言えば、この時代で有数の中立国だ。住人は皆常に正装し、朝には紅茶とスコーンを欠かさず食べるという。
ネオヤミセカイでは憧れの国として知られていて、このマッポーめいた国とは真逆とも言うべき世界なのだ。
しかしカナは、直感的な勘でこれを嘘だと看破する。確証はない、ただ本能が「嘘だ」と告げていた。
一瞬で生徒の人混みに紛れて見えなくなるサキの姿。教室内のほぼ全員が、サキの周りを意気揚々と取り囲んでいる。
その光景を少しばかり唖然としながら見つめていると……人混みの中から垣間見えたサキが、こちらを見つめているように見えた。
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