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Gakutya royal 〜本編〜

5彪ちゃん:2013/12/15(日) 11:30:46 ID:E1nwrRH2
http://www.youtube.com/watch?v=oUohITfimp8
↑hを半角にしてURLを打ち込むと音楽が流れます。視聴しながら読んでください。

Gakutya royal 〜episode4〜『安息の地』

暗雲から降り注ぐ無数の雨。
ポタポタ音を鳴らし木の葉へ伝って水滴が溜まり、また落ちていく。
此処のような静かで落ち着きのある場所は指で数えられるくらいだ。
あれから3日。俺にとってはとても長い期間だった。
ずっとハンモックの上で寝そべっていたからだろうか。体感時間も遅くなった。
ここが一番だ。離れたくはない。

しかし、この場所とも別れを告げなければならない。
争いは絶え間なく悲鳴と金属音を叫び続けている。
鬱陶しい。鬱陶しいくらい苦痛の声が聞こえる。

─────此処までよく聞こえる。ということは…。

ついに戦争範囲が此処に及んだのだろうな。
もうゆっくりしてはいられない。今すぐ此処から離れよう。

「おい、いくぞおまえら。」

俺はハンモックから降り、身支度を始める。

「はぁ!?てめぇ此処が一番落ち着くってほざいてたくせに!もう離れるのかよっ!?」

「嫌だよふーたん!ほらっ、赤司様だって嫌だって泣いてるよ!」

めるとシェイクは怒声を上げて反発している。
よほど気に入ってたのか、俺の意見が気に入らないだけか。
だけど、生きる上で別れは必然なことだ。それが今きてるんだよ。

「うるさい。俺はお前たちを心配してるんだよ。
 お前たちが痛い痛いと泣きじゃくって死んでいく姿なんて見たくないんだ。」

「う…」

二人は顔を合わせて地面に視線を落とし、俯いた。
その目には涙が溜まっている。

「分かってんだよ…んなことはよぉ…!でも死にたくねえのはてめぇも一緒だろうが!!
 …リーダー、たまには俺たちの事も頼ってくれよっ…」

そして涙がこぼれ落ちた。
雫が2人の頬を伝って流れ落ちていく。
すまないな、める、シェイク。

「なんだよ。お前には水臭くて、しょうに合わないぞ。
 ほら、ハンカチ。涙拭けよおまえら。」

俺はポケットからすっとハンカチを差し出した。

「ば、バカにすんじゃねぇよクズ!きもちわりぃこと言いやがって!」

だが、その表情は少しはにかんでいた。
シェイクも少し嬉しそうである。

「さ、行くぞお前ら。」

じゃあな。3日間世話になった。
どんなに戦争が続いて、ここが無くなっても、
俺たちの故郷は永遠にここだからな。



─────さらば、ふるさと。




「新しい土地、探しに行くぞ。」


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