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王様「おお勇者よ!魔王を倒してきてくれ!」少女「は?」
43
:
◆UO0HO7RAyE
:2015/10/11(日) 20:02:29 ID:jRkbIsGk
ーアポロ地方・オルドビス国周辺ー
勇者「おっ、今日中には着きそうだな。あっちの方に見えてきたぞ?」
少女「ルーラ出来ないのー?」
勇者「行ったことない場所だし無理だろ」
少女「…………」
少女「役立たずめ」
勇者「今なんつったオイ」
44
:
◆UO0HO7RAyE
:2015/10/11(日) 20:07:32 ID:jRkbIsGk
少女「あ、宝箱」
勇者「宝箱?」
少女「ほら、あれだよ」
勇者「……毒の沼地の真ん中か…」
少女「わたし無効化できるよ」
勇者「ホントか?それなら、早速やってくれ」
少女「ポイズン」
勇者「!!?」ドクドクッ
45
:
◆UO0HO7RAyE
:2015/10/11(日) 20:11:39 ID:jRkbIsGk
勇者「何してくれてんだ!?トラマナとかだろ普通!!」ドクドク…
少女「最初っから毒ならためらわずに取りにいけるよ?」
勇者「人の命なんだと思ってんだ!?」ドクドク
少女「大丈夫?」
勇者「大丈夫じゃねーよ!!…チッ、もういいや!とにかく取ってくる!!」ドクドク
<こいつミミックじゃねーか!!
少女「……あーめん」
46
:
◆UO0HO7RAyE
:2015/10/11(日) 20:16:35 ID:jRkbIsGk
勇者「……何とか倒せた……強ぇなミミック……」ドクドク…
少女「やっぱり勇者ってタフだね」
勇者「一応昔から訓練はしてたからな……って、いいから毒を消してくれ…」ドクドク…
少女「ザメハ」
勇者「……」ドクドク…
少女「まちがえた。リレミト」
勇者「……」ドクドク…
少女「あれ?」
勇者「……早く思い出してくれ…死ぬ…」ドクドク…
47
:
◆UO0HO7RAyE
:2015/10/11(日) 21:23:25 ID:jRkbIsGk
勇者「結局、どくけし草食うハメになったぜ……苦ぇ…」
少女「我慢しなさい」
勇者「誰のせいだと思ってんだ」
少女「あ、もう少しだよ」
勇者「…ったく、話をそらしやがって…」
48
:
◆UO0HO7RAyE
:2015/10/11(日) 21:27:08 ID:jRkbIsGk
ーオルドビス国・城下町ー
勇者「……なんか…アレだな…」
少女「廃れてるね」
勇者「昔、親父と来たときはもっと活気があって、カンブリア国に負けず劣らずって感じだったが……」
少女「何があったのかなー?」
勇者「王に聞くのが手っ取り早いな。城に行くぞ」
49
:
◆UO0HO7RAyE
:2015/10/11(日) 21:32:13 ID:jRkbIsGk
ーオルドビス城ー
兵士「…む、何者だ?」
勇者「一応、今までに何度か訪れてるんだが……」
兵士「……!」
兵士「こ、これは失礼しました!カンブリア国王の御子息様でございましたか!」
勇者「この国で起きてることや、魔王について聞きたい。王に会えるか?」
兵士「ははっ!今すぐ案内致します!」
勇者「……」
少女「勇者ってすごいんだね」
勇者「あんまりこの権力は使いたくねえけどな。こういう場合、しょうがない」
50
:
◆UO0HO7RAyE
:2015/10/11(日) 21:37:35 ID:jRkbIsGk
オルドビス王「よくこられた、カンブリア国の王子よ」
勇者「お久しぶりです。まあ、オレは王子にはなってないんですけどね」
オルドビス王「ああ、そうであったな」
勇者「……それで、この国、どうしたんですか?」
オルドビス王「……うむ、実はな…」
オルドビス王「ある魔族のグループに目をつけられてしまい……」
オルドビス王「いわゆる、植民地にされてしまったのだよ」
勇者「……なるほど…」
51
:
◆UO0HO7RAyE
:2015/10/11(日) 21:45:53 ID:jRkbIsGk
オルドビス王「毎日、食べ物や金、労働力を、ギリギリ国が潰れない程度に要求してくる」
オルドビス王「王も、ワタシのままにしておくことで、魔族が直接統治するより反乱を起きにくくしているのだろう」
オルドビス王「本当に頭が良い連中だ……」
勇者「……」
勇者「……あの、そいつら、どこにいるんですか?」
オルドビス王「……北の洞窟にアジトがあるようだが……」
オルドビス王「…!もしかして、キミは行くつもりなのか!?」
勇者「…もちろんです」
オルドビス王「だ、だめだ!奴らはとても強い!キミでも勝てるかどうか……」
勇者「色々お世話になったこの国を見捨てられませんよ」
オルドビス王「し、しかし……」
勇者「……それに…」
オルドビス王「……?」
52
:
◆UO0HO7RAyE
:2015/10/11(日) 21:50:08 ID:jRkbIsGk
勇者「オレには、コイツがいるんで」
少女「はじめましてー」
オルドビス王「……その子は…?」
勇者「『勇者』です。本物の」
オルドビス王「……勇者様!?そんなに幼い少女が……?」
勇者「信じられないでしょうが、本当です。俺が保証します」
少女「えっへん」
勇者「あんま調子のるなバカ」ペシッ
少女「あ。幼女虐待」
勇者「…その言葉はめちゃくちゃ効果的だな……」
53
:
◆UO0HO7RAyE
:2015/10/11(日) 21:56:19 ID:jRkbIsGk
オルドビス王「……本当に…救っていただけるのでしょうか…」
勇者「もちろんです。…だよな?少女」
少女「倒したらあんこください」
勇者「こんなときにもまだ言ってんのか!?」
オルドビス王「…お願いします!この国の民のため、あの魔物たちをうちとってくだされ!!」
少女「よーし、いこー」テクテク
勇者「ノリ軽いな!」
54
:
◆UO0HO7RAyE
:2015/10/11(日) 22:00:49 ID:jRkbIsGk
ーオルドビス国・城下町ー
勇者「……もう日が暮れてきたな…」
少女「宿やー?」
勇者「……そうしたいとこだが…」
勇者「明日んなったら、また魔物共がこの国に来ちまうだろうからな」
勇者「国内で戦闘になったら、人々が巻き込まれる」
少女「どるまどん放ったら…」
勇者「常人は即死だな」
少女「おそろしや」
勇者「お前がな」
少女「それを受けて生きてる勇者は」
勇者「……まあ、確かにタフだなオレ…」
55
:
◆UO0HO7RAyE
:2015/10/11(日) 22:10:41 ID:jRkbIsGk
ー北の洞窟(アノマロ洞窟)ー
勇者「ここら辺で洞窟つったら、ここしかねーな」
少女「暗いね」
勇者「確かにな……ランプ出すか」ガサガサ
勇者「よっと」カチッ
少女「これで探索できるね」
勇者「もしかしたら、捕らえられてる人がいるかもしれないから、迂闊に大技放つなよ?」
少女「おもいっきり、まひゃでどす放とうとしてました」
勇者「危ねぇ…!」
56
:
◆UO0HO7RAyE
:2015/10/11(日) 22:17:56 ID:jRkbIsGk
ーアノマロ洞窟・内部ー
勇者「……一体どんな魔物共がいるのか…」
少女「ここでゲームオーバー?」
勇者「縁起でもないこと言うな」
少女「…何かの気配がしてくるよ」
勇者「ああ……魔物か人かはわかんねえけどな」
少女「……」
勇者「……」
コウモリ「キキー」バサバサ
勇者(!!)ビクッ!!
少女「こうもりだー」
勇者「……」ドクンドクン…
57
:
◆UO0HO7RAyE
:2015/10/11(日) 22:24:59 ID:jRkbIsGk
勇者「…そろそろ本拠地に着くな」
少女「たくさんの気配があるよ」
勇者「……」
<さっさと働けェ!
<命が惜しければ、早く運べ!!
勇者「……これは…魔物の声か!」
少女「他にも、いろんな声が聞こえてくるよ?」
勇者「……急ぐぞ!」
58
:
◆UO0HO7RAyE
:2015/10/11(日) 22:32:16 ID:jRkbIsGk
ーアノマロ洞窟・採掘場ー
アークデーモン「人間風情が休むんじゃねぇ!さっさと掘って運べ!!」
人々「もうダメだ……」
人々「耐えられない……」
勇者「ここは……採掘現場か。見たところ、休む間もなく働かされてるみたいだな……」
少女「魔物もわんさかいるね」
勇者「……あんだけ人がいると、お前の呪文で一掃できねえし……どうするか…」
少女「できるよー」
勇者「……!本当か!?」
少女「ただ、ちょっと問題が」
勇者「…問題?」
59
:
◆UO0HO7RAyE
:2015/10/11(日) 22:36:08 ID:jRkbIsGk
アークデーモン「掘れ!運べ!掘れ!運べぇ!」
アンクルホーン「サボった者は、生きて帰れないと思え」
人々「ハァ…ハァ…」
勇者「すいませーーん!!魔物の方々はいらっしゃいますかーー!!」バーン!
人々「……!?」
魔物たち「……?」
アークデーモン「…なんだアイツは……」
60
:
◆UO0HO7RAyE
:2015/10/11(日) 22:43:21 ID:jRkbIsGk
勇者「あの、オレちょっと…その……実はさぼってたんですけど…」
アンクルホーン「…何……?」
勇者「あ、いや!聞いてください!!」
勇者「実は、そこら辺うろついてて、すごいの見つけたんですよ!!」
アークデーモン「何だ?言ってみろ」
勇者「……あーっと、その、そこにいる人たちに聞かれるとマズイことです」
アークデーモン「ん?何故だ?」
勇者「……人間は、今からオレがいう言葉に貪欲で、下手したら、それを欲しがって反逆を起こすかもしれないからです」
アークデーモン「お前もそう……反逆を起こしたいと思ってるってことか?」
勇者「いえ、オレ一人ではどっちみち無理じゃないですか」
勇者「だから、これ以上人数が増えないように、人間たちには耳を閉じててほしいんです」
アークデーモン「なるほど……人間ども!!耳を閉じろ!!殺されたくなかったらな!!」
勇者「……」
アンクルホーン「……よし、言ってみろ」
勇者「……少女…」
アークデーモン「ん?」
61
:
◆UO0HO7RAyE
:2015/10/11(日) 22:47:00 ID:jRkbIsGk
勇者「……少女ォ!!今だっ!!」
少女「……すー…」
勇者が合図すると同時に、隠れていた少女は息を大きく吸い込み
少女「にふらむっっっ!!!」
そこにいた魔物共を消し去った
62
:
◆UO0HO7RAyE
:2015/10/11(日) 22:52:54 ID:jRkbIsGk
〜次の日の朝〜
ーオルドビス城ー
オルドビス王「本当に……本当にありがとう!!二人とも!!」
勇者「いえ、日頃の恩返しです」
少女「ひかえおろー」
オルドビス王「本当に感謝しています、勇者様。…最初はバカにしてしまい、申し訳なかった…!」
勇者「ああ、オレも最初はバカにしてたんで、しょうがないと思いますよ」
少女「見た目は子供。頭脳は大人」
勇者「頭脳も子供だろ」
63
:
◆UO0HO7RAyE
:2015/10/11(日) 23:00:36 ID:jRkbIsGk
勇者「…あ、王様、魔王について何か知ってますか?どんな些細なことでもいいんです」
オルドビス王「そうだな……魔王の場所は知らないが……」
オルドビス王「私が聞いたところでは、この隣の大陸に、恐ろしい魔物が到来したらしい……」
オルドビス王「…なんでも、ひとつの国がたった半日で滅んだというのだ」
オルドビス王「聞いただけで恐ろしい……」
勇者「…そんな魔物が……。教えてくれてありがとうございました」
オルドビス王「何か、私たちで力になれることはないかね!?」
勇者「いえ、そんな……」
オルドビス王「できることなら、何でもする!お礼をしたいのだ!」
勇者「……なら…」
64
:
◆UO0HO7RAyE
:2015/10/11(日) 23:08:00 ID:jRkbIsGk
勇者「こいつに、あんこをやってくれますか?」
少女「あんこっ!」
オルドビス王「…そんなことでいいのかい?」
勇者「あ、でも、この国のあんこ全部食い尽くされますよ?」ハハハ
オルドビス王「構わない!いくらでも食べてくれ!」
少女「わぁい!」
勇者「それと、できたらもうひとつ…」
勇者「うちと……カンブリア国と、今後も仲良く通商を続けていってくれますか?」
オルドビス王「ああ、当たり前だ!」
勇者「ありがとうございます。…んじゃ行くか、少女」
少女「なんかむず痒そうだね」
勇者「感謝されるのに慣れてねえんだよ……」
65
:
◆UO0HO7RAyE
:2015/10/11(日) 23:15:09 ID:jRkbIsGk
ーオルドビス城下町ー
勇者「…あんとき俺、自分の耳塞ぐのギリギリまで忘れててよ……」
少女「消えちゃうところだったね」
勇者「危なかったぜホント……」
少女「でも、そうなってたら、わたしが生き返らせてたよ」
勇者「ニフラムにザオリクとか効くのか?」
少女「ゾンビ召喚の儀式とか」
勇者「人として生き返らせてくれ!!」
ーオルドビス国・お菓子売り場ー
少女「あんこあんこ」
勇者「好きなだけ食え。オレのじゃねーけど」
少女「このあんこ、カンブリア国のと味が全然違うけど、これもこれで美味しい」
勇者「熱弁されても、あんま分かんねーよ……」
66
:
◆UO0HO7RAyE
:2015/10/11(日) 23:19:21 ID:jRkbIsGk
勇者「…さて、情報は手に入れたが…」
勇者「隣の大陸までどう移動するか……」
少女「ルーラ」
勇者「だから行ったことねーっつーの」
少女「でも、結局勇者はオルドビス国来たことあったよね」
勇者「……あ…」
少女「じー…」ジー…
勇者「う、うるせえな!忘れてたんだよ!それに俺はどっちみちルーラ使えねえから!!」
少女「じー…」ジー…
勇者「見んな!!」
67
:
◆UO0HO7RAyE
:2015/10/12(月) 07:59:06 ID:/E24C9y.
兵士「お二方!ここにいましたか!」
勇者「…ん?どうしたんですか?」
兵士「隣の大陸まで、お二方を船でお送り致します!」
少女「おー」
勇者「本当ですか?ありがたいです」
兵士「ではこちらへ。船着き場まで案内します」
68
:
◆UO0HO7RAyE
:2015/10/12(月) 08:04:03 ID:/E24C9y.
ーオルドビス国・船着き場ー
兵士「では、こちらでお待ちください。只今、船員を呼んできます」
勇者「わかりました」
少女「船だねー」
勇者「船だな」
少女「おっきいよ。いかだの20倍くらい」
勇者「いまいち分かんねえな」
少女「探検してくるね」テクテク
勇者「おい待て」ガシッ
少女「はなせ」バタバタ
69
:
◆UO0HO7RAyE
:2015/10/12(月) 08:10:06 ID:/E24C9y.
勇者「そこら辺うろついて何か壊したらどうすんだ」
少女「そんなドジ踏むように見える?」
勇者「めちゃくちゃ見えるわ」
兵士「お待たせしました」
船長「勇者様、王子殿、快適な船旅になるよう尽力しますので、どうぞおくつろぎくだされ」
少女「じゃあ、くつろいでます」
勇者「ありがとうございます。あと、オレまだ王子じゃないんです」
船長「そうだったのですか?自分で道を決めるとは……すごいですね」
勇者「いや、そんな大したことじゃないですよ」
少女「確かに」
勇者「おい」
70
:
◆UO0HO7RAyE
:2015/10/12(月) 08:17:22 ID:/E24C9y.
兵士「それでは、いってらっしゃいませ!無事を祈っています!!」
勇者「あなたたちも、どうかご無事で」
少女「カンブリア国と一緒にあんこ生産頑張ってねー」
勇者「……」
ーバージェス海ー
船長「隣の大陸に着くまで、2日ほどかかりますので…その間、お暇かと思われますが、ご容赦ください」
勇者「いえ、送ってもらえるだけでありがたいですから」
船長「では、失礼します」ガチャ
勇者「しっかし、こんな広い部屋が備えられてるとはな」
少女「ふかふかのベッドだー」ポヨーン
勇者「早速トランポリンにして遊ぶな!」
71
:
◆UO0HO7RAyE
:2015/10/12(月) 08:31:10 ID:/E24C9y.
〜夜〜
勇者「……魔王ってのはどんなヤツなんだろーな」
少女「見たことないからわからないけど……」
少女「勇者みたいな顔の人だよきっと」
勇者「遠回しに悪人面っつってんだろそれ!ってゆうか、オレ自分でいうのもアレだけど結構イケメンだぞ!?モテんだぞ!?」
少女「イケメン(笑)」
勇者「てめえ!!許さねえ!!」
72
:
◆UO0HO7RAyE
:2015/10/12(月) 10:52:44 ID:/E24C9y.
少女「緊張感のない旅だね」
勇者「ああ。全くもって同感だ」
勇者「命かかってんのに、全然プレッシャーも何もねえ」
少女「死亡フラグかな」
勇者「縁起でもねーこと言うな」
少女「そういえば、死んだらどうするの?」
勇者「……お前、復活呪文とか覚えてねえのか?」
少女「『おはらい』なら」
勇者「さっそく成仏させようとしてんじゃねえよっ!!」
73
:
◆UO0HO7RAyE
:2015/10/12(月) 11:00:12 ID:/E24C9y.
勇者「回復呪文が使えないのはキツイな……」
少女「瀕死のときに大ダメージ受けたり、死んでからある程度時間がたつと、生き返らなくなるんだよね?」
勇者「ああ。ちなみにオレもベホイミ程度しか覚えてねえ」
少女「最初はそれで充分じゃない?」
勇者「……まあ、ここまで奇跡的にノーダメージだからな」
少女「なんとかなるさー」
勇者「…ま、いずれ回復役を探すとするか……」
少女「んじゃー、おやすm」zzZ…
勇者「……せめて言い終わってから寝ろよ……」
74
:
◆UO0HO7RAyE
:2015/10/12(月) 11:15:09 ID:/E24C9y.
船員たちも寝静まった真夜中
その衝撃は、突如船を襲った
ズガアアアァンッッ!!!
勇者「……っ!?なんだっ!!?」グラッ…
少女「……いだっ」ゴロゴロ……ガンッ
75
:
◆UO0HO7RAyE
:2015/10/12(月) 11:36:17 ID:/E24C9y.
勇者「……大丈夫か?凄い音したぞ…」
少女「頭が……」ズキンズキン
勇者「…多分、甲板だな。行くぞ!」
少女「頭が割れる……」ズキンズキン
ー船内・甲板ー
勇者「……魔物か……!」
ドルマゲス「……ふむ…貴様が『勇者』とやらか」
少女「頭がぁ……」ズキンズキン
勇者「……まだ治んねーのか…」
ドルマゲス「魔王様に歯向かおうなんて馬鹿げている。今すぐに引き返せ」
勇者「……」
少女「それはできません」
勇者「少女…!」
ドルマゲス「……仕方ない。本物の馬鹿だったようだな」
ドルマゲス「船ごと沈め」ゴゴゴゴゴ…
勇者「……なっ…!」
少女「…………」
76
:
◆UO0HO7RAyE
:2015/10/12(月) 11:39:39 ID:/E24C9y.
今更ですが、モンスターや呪文はドラクエから拝借しています。
77
:
◆UO0HO7RAyE
:2015/10/12(月) 13:49:03 ID:/E24C9y.
ドルマゲスの両手に魔力が集中する
右の手には炎、左の手には冷気が集まり
ドルマゲスが両手を合わせると、相対する2つの性質が合体し、一つの塊となった
ドルマゲス「……メドローア…!!」ギュインッッ!!
勇者「……くっ…!!」
勇者(あんなんくらったら、マジでひとたまりもねえぞ!!)
勇者(避けようにも避けらんねえし……やけくそでぶった斬るか!?)
勇者「畜生……!少女、相殺できるか!?」
少女「どるまどんっ!!」ドドドドッ!!
シュンッ
勇者「……!?…かき消された……」
少女「……頭が痛くて力がでない」ズキンズキン
勇者「まだ痛かったのか!!」
78
:
◆UO0HO7RAyE
:2015/10/12(月) 13:55:14 ID:/E24C9y.
勇者「他に手は……」
少女「……」スッ…
勇者「……手なんか差し出して…何するつもりだ?」
少女「協力技というものがあるのです」
勇者「協力技…?」
少女「説明してると死んじゃうから、早く握った方がいいよ」
勇者「…信じるぜっ!!」ギュッ
ドルマゲス「諦めて死ねぇ!!」
巨大な塊が目の前に差し迫った瞬間
少女「ミナデインっ!!」バチバチバチバチッッ!!
一筋の閃光がその塊を貫いた
79
:
◆UO0HO7RAyE
:2015/10/12(月) 14:17:30 ID:/E24C9y.
ドルマゲス「……バ、馬鹿な……人間ごときに私の呪文が……」
少女「……ふぅ…」
勇者「……す…すげぇ……」
少女「一人じゃ放てないけど、強力な協力わざだよ」どや
勇者「上手いこと言った。みたいな顔してんじゃねー」
ドルマゲス「……」
勇者「次はお前を狙うぜ?」
少女「命中率悪いけどね」
勇者「余計なこと言わなくていい」
ドルマゲス「……悪魔召喚ッ!!」ビュンッ!!
空中に描かれた魔法陣から、多数の魔物たちが召喚される
勇者「……まあ、そう簡単には終わんねえよな…」
少女「頭いたいのに……」
80
:
◆UO0HO7RAyE
:2015/10/12(月) 14:22:18 ID:/E24C9y.
勇者「まあ、数増やしたって変わんねーよ」
少女「そーだそーだ」
ドルマゲス「……確かに貴様らを倒すことはできないかもしれんが……」
ドルマゲス「常人なら容易く殺せる」
勇者「……まさか!!」
そう言い終えると、ドルマゲスは船内へと滑空しながら侵入していく
勇者「あいつ……船員たちを殺すつもりだ!!」
少女「この魔物たちは時間稼ぎ?」
勇者「ああ……くそっ!!」
勇者(こんなやつら倒してたら間に合わねえ!!)
81
:
◆UO0HO7RAyE
:2015/10/12(月) 14:31:17 ID:/E24C9y.
少女「行ってらっしゃーい」
勇者「……は?」
少女「ドルマゲス追いかけなくていいの?」
勇者「…でも、お前、この量は……」
魔物はざっと見たところ50体程度いた。
ニフラムには準備時間がかかるようで、この前のようにはいかないだろう。
勇者「…大丈夫なのか……?」
少女「わかんない」
勇者「……」
少女「でも、船員さんたちを助けるんでしょ?」
勇者「……ああ」
少女「わたしは大丈夫だよ。勇者だもん」
勇者「……」
勇者「……任せたぜ…!!」ダッ!!
少女「……」ノシ
82
:
◆UO0HO7RAyE
:2015/10/12(月) 14:35:02 ID:/E24C9y.
ー船内ー
勇者「……アイツ、そこら辺破壊しながら進んでってやがる…」タッタッタッ…
勇者「放っといたら、これだけでも転覆するな……」
ガシャーーンッッ!!
勇者「……あっちか!!」ダッ!
83
:
◆UO0HO7RAyE
:2015/10/12(月) 16:55:18 ID:/E24C9y.
船員1「うぅ……」
勇者「無事かっ!?」
船員1「わ、私は大丈夫ですが……船員2が…!」
船員2「……」
勇者「…!ひどいケガだな……」
勇者「応急処置程度にしかならないが……ベホイミ!」
船員2「…う……」ヒュインッ
勇者「これだけじゃ危ないから、なにかしら手当てしてやってくれ」
船員1「はい!」
勇者「急がねえとな…!」ダッ!
84
:
◆UO0HO7RAyE
:2015/10/12(月) 17:01:15 ID:/E24C9y.
ドルマゲス「……ここが動力炉か…」
船長「……この先には入れさせん」
ドルマゲス「…貴様ごときに止められるとでも?」
船員3「船長!危ないです!!」
船員4「俺らが変わります!!逃げてください!」
船長「船員を守るのは船長の務めだ。お前たちは逃げろ」
船員たち「……」
船長「早く!!」
船員たち「……どうかご無事で…!!」タッタッタッ…
船長「……」
ドルマゲス「…まあ、貴様を殺したあとでアイツらも殺すがな」
船長「……そんなことは絶対にさせん」チャキッ…
85
:
◆UO0HO7RAyE
:2015/10/12(月) 17:12:00 ID:/E24C9y.
ー船内・甲板ー
魔物たち「ウガアアァァッ!!」
少女「メラミっ、ヒャダルコっ」ゴウッ!
少女(…あんま強いの唱えると船壊れちゃうしなー)
少女(でもこの程度の威力だとジリ貧だし)
少女(どうしよー)
魔物たち「ウガァッ!!ギュアッ!」ババッ!!
少女「……っと、ぎりぎり…」ヒュンッ
少女(避けるのも疲れてきた…)
ベリアル「ウガアァァッ!!」ビュンッッ!!
少女「……っ!!」
86
:
◆UO0HO7RAyE
:2015/10/12(月) 17:17:10 ID:/E24C9y.
ー船内・操舵室ー
勇者「…ここも損傷がひどいな……」
船員たち「……ゆ、勇者様!」
勇者(……船員は合わせて4人……とりあえず船員は全員無事だったか)
勇者「どこか部屋に隠れてろ。それと、ドルマゲスはどこに行ったかわかるか?」
船員3「船長が……私たちの変わりに……」
船員4「ドルマゲスと……戦闘を…!!」
勇者「なっ…!」
87
:
◆UO0HO7RAyE
:2015/10/12(月) 17:23:40 ID:/E24C9y.
ー船内・動力炉ー
船長「……くっ…」ガキンッ!ガキンッ!!
ドルマゲス「防ぐだけでは私は倒せないぞ?」ガキンッガキンッガキンッ!!
船長「……それはわからないぞ?」カンッ!
ドルマゲス「……負け惜しみを。…飽きたから、そろそろ死ね」ギュルルル…
船長「…………」
勇者「魔神斬りッッ!!!!」ズバアッッ!!
ドルマゲス「……がはァッ!!?」ドサッ!!
88
:
◆UO0HO7RAyE
:2015/10/12(月) 17:33:43 ID:/E24C9y.
勇者「……ふぅ、ギリギリ間に合ったな……」
船長「勇者殿、信じておりましたよ」
勇者「こっちこそ、時間を稼いでくれててありがとうございました」
勇者「お陰で運良く命中しました」
ドルマゲス「ゲハッ!……ハァ…ハァ………き…さま…!!」ヨロッ…
ドルマゲス「このワタシが……」ヨロ…
ドルマゲス「このワタシがああぁぁぁっっッ!!!!」ゴオッッ!!
勇者「……」チャキッ……
89
:
◆UO0HO7RAyE
:2015/10/12(月) 17:37:32 ID:/E24C9y.
勇者「無心斬」ズシャッ
ドルマゲス「ガッ……」ドサッ
勇者「…ふぅー……」
90
:
◆UO0HO7RAyE
:2015/10/12(月) 17:41:28 ID:/E24C9y.
船長「……本当に倒してしまうとは」
勇者「運が良かっただけです。…それより、早く甲板に戻らねえと…」
ドガアアァァン!!!
勇者「……甲板の方からだ!!」
91
:
◆UO0HO7RAyE
:2015/10/12(月) 17:45:10 ID:/E24C9y.
船長「……そういえば、勇者様は?」タッタッタッ…
勇者「…甲板で大勢の魔物を引きとめてるんです!船に入ってこないように!」タッタッタッ…
船長「なんと……」タッタッタッ…
勇者(無事でいろよ…少女!!)タッタッタッ…
ー船内・甲板ー
勇者「……な…」
船長「……これは……」
92
:
◆UO0HO7RAyE
:2015/10/12(月) 17:50:30 ID:/E24C9y.
少女「おかえりー」ノシ
勇者「……ハァ…いらねー心配だったな……はは…」
船長「この数の魔物を、一人で倒されるとは……」
勇者「……そういえば、さっきの轟音は何だったんだ?」
少女「えーと」
少女「順を追って説明しますとー…」
93
:
◆UO0HO7RAyE
:2015/10/12(月) 20:03:06 ID:/E24C9y.
〜〜〜〜
ベリアル「ウガァッ!!」ビュンッ!
少女「……っ!!」
少女(この姿勢から避けるには……)
少女(勢いよく右方向に体をひねって)
少女(そのあと、そこにいる魔物からの攻撃をよけるために、すぐにしゃがんで)
少女(で、そこに剣を持って待ち構えたのがいるから、とんで避けて……)
少女(めんどくさい)
少女(避けるのめんどくさい)
少女(でも避けなきゃ痛いし……)
少女(……)
94
:
◆UO0HO7RAyE
:2015/10/12(月) 20:19:14 ID:/E24C9y.
ベリアルのもつ三つ又の槍が、少女の体にあと僅かまで迫っていた
少女(……あ、そっか)
しかし
少女(こっちから当てればいいんだ)
心臓を貫く寸前まで差し迫ったところで、
少女「アタックカンタ」ガキイィンッ!!
ベリアル「グバァッ……」ドスンッ…
逆に、ベリアルの体が八つ裂きにされることとなった
95
:
◆UO0HO7RAyE
:2015/10/12(月) 20:32:38 ID:/E24C9y.
〜〜〜〜
少女「それでー、ずっとアタックカンタとマホカンタかけて、入り口に座ってました」
勇者「……最高に楽な方法を考えたな…」
少女「最後のほうにはそれがバレて、ブレス攻撃してくる魔物とかとか、近づいてこない魔物とかがいたから…」
少女「ちょっとだけおっきな呪文うちました」
勇者「……それが轟音の正体か……。何放ったんだ…?」
少女「ジゴスパークうちました」
勇者「……そこらじゅうの焼け跡はそれか…」
少女「一応一番船が沈みにくそうなの選んだんだよ」
勇者「まあ、そこは偉いな」
少女「ほめろほめろ」
勇者「調子のんな」
96
:
◆UO0HO7RAyE
:2015/10/13(火) 16:54:37 ID:.hlTxElw
船長「いやはや、流石ですな!ふたりの勇者様!」
少女「でしょー」
勇者「……ったく、コイツは」
船長「船員も、怪我をしたものはいましたが、とりあえず無事でしたし、御二人のお陰です」
勇者「怪我の具合は…?」
船長「出血も止まっていますので、薬をぬって包帯をまけばもう大丈夫でしょう」
勇者「よかった…」
船長「また魔物が来るかもわかりませんし、今日中に着くように速度をあげます。しっかりつかまっててくだされ」
97
:
◆UO0HO7RAyE
:2015/10/13(火) 17:01:26 ID:.hlTxElw
ーキュリー大陸・海岸ー
船長「お待たせしました」
船長「ここが、隣の大陸。『キュリー大陸』です」
勇者「キュリー大陸……」
少女「なんか、ジメジメしてるね」
船長「ここは、我々の国の周辺よりも強力な魔物が住んでいるようです」
船長「どうかお気をつけてくだされ」
勇者「はい。ここまで、ありがとうございました」
98
:
◆UO0HO7RAyE
:2015/10/13(火) 18:20:21 ID:.hlTxElw
少女「……でー、どうするのー」
勇者「とりあえず、魔物に滅ぼされた国まで行ってみるか。何か手がかりがあるかもしんねーからな」
少女「場所わかるの?」
勇者「……正直、知らねえ。この大陸には来たこともねえ」
少女「……」
少女「どうするの?」
勇者「どうすっか……」
99
:
◆UO0HO7RAyE
:2015/10/13(火) 18:25:31 ID:.hlTxElw
少女「船長に聞けばいいんじゃない?」
勇者「あっ」
〜〜〜〜
船長「それでしたら、ここから西に進んでいけば国があるので、そこだと思いますよ」
勇者「ここからどれくらいですかね」
船長「少し遠いですが、4日程で着くと思います」
少女「げ」
勇者「そうですか。ありがとうございます」
船長「いえいえ」
100
:
◆UO0HO7RAyE
:2015/10/13(火) 18:26:06 ID:.hlTxElw
少女「船長に聞けばいいんじゃない?」
勇者「あっ」
〜〜〜〜
船長「それでしたら、ここから西に進んでいけば国があるので、そこだと思いますよ」
勇者「ここからどれくらいですかね」
船長「少し遠いですが、4日程で着くと思います」
少女「げ」
勇者「そうですか。ありがとうございます」
船長「いえいえ」
101
:
◆UO0HO7RAyE
:2015/10/13(火) 18:30:59 ID:.hlTxElw
連投ミス
少女「あー、また歩くんだね」
勇者「お前、その魔力で浮いたりできねーのか?」
少女「……ハァ…」チラッ
勇者「だからその『分かってねーなコイツ』みたいな顔やめろ!」
少女「魔力は万能じゃないんだよ」
勇者「…そーなのか?」
少女「そこら辺にいる、ぐんたいアリでも分かるよ」
勇者「てめえ」
102
:
◆UO0HO7RAyE
:2015/10/13(火) 18:39:07 ID:.hlTxElw
少女「あ」
勇者「どうした?今度こそ宝箱か?」
少女「死体」
勇者「……死体…?」
女性「」
勇者「……っ!!」ダッ!
少女「……」トテトテ…
103
:
◆UO0HO7RAyE
:2015/10/13(火) 18:55:54 ID:.hlTxElw
勇者「おいっ!大丈夫かっ!」ユサユサ
女性「」
勇者「……」
少女「もう手遅れみたいだね」
勇者「なんでこんな所で……」
女性「お恵みをォオオオォッッ!!!!」ガバァッ!!!
勇者「うわあああぁっっ!!!!??」ガシッ!
104
:
◆UO0HO7RAyE
:2015/10/13(火) 19:58:36 ID:.hlTxElw
女性「食べ物をっ!!何かっ!食せるものをっっ!!お恵みくださいいぃぃぃいいいい!!!!!」ズリッ!……ズリッ!
勇者「こ……恐えよ!!!心臓止まるかと思ったわ!驚かすな!!」
少女「生きてたんだー?」
女性「ギリギリ生きてますがもう死にます!!食べ物を!!食べ物をっ!!あなたを食べていいですか!?」
勇者「ダメに決まってんだろ!?ま、待ってろ、今何か……」
女性「ああ!目の前にステーキが!」ガブッ
勇者「痛ぇっ!!」
女性「……あまり美味しくないですね」ガブガブ
勇者「何噛みついてんだ!?痛え!!離せ!!」ジタバタ
少女「これが……ばいおはざーど…」
105
:
◆UO0HO7RAyE
:2015/10/13(火) 20:11:41 ID:.hlTxElw
モグモグバクバクゴキュゴキュ……
……ゴクンッ…
少女「食料が全部…」
女性「……ふぅ、落ち着きました」
勇者「……そりゃ良かった…」
勇者「で、何でこんなところに?」
女性「……」
女性「……実は…」
106
:
◆UO0HO7RAyE
:2015/10/13(火) 20:26:45 ID:.hlTxElw
女性「記憶喪失でして……」
女性「…分からないんです」
勇者「……記憶喪失?」
少女「何も覚えてないの?」
女性「はい……気づいたらここにいて、歩き回っていたら空腹で倒れてしまい……」
少女「なるほど」
女性「本当に死ぬところでした!助けていただき感謝してます!!」
勇者「…ま、何はともあれ死んでなくて良かったぜ」
女性「あのまま通りすぎてたら、あなたを呪っていたところでした!!」
勇者「!!?」
107
:
◆UO0HO7RAyE
:2015/10/14(水) 00:57:00 ID:yLnuUXNs
勇者「……で、アンタはこの後どうするんだ?」
女性「……どうしましょうか…私が誰であるのかすら分からないですし……」
勇者「家とか……友人とか……何かしら覚えてないか?」
女性「……そうですね…」
女性「魚よりは肉派だったと思います」
勇者「その情報いるか?」
108
:
◆UO0HO7RAyE
:2015/10/14(水) 01:02:06 ID:yLnuUXNs
勇者「弱ったな……家の場所も分からねえんじゃ、送ることすらできねーし…」
少女「運試しのバシルーラ」
勇者「9割くらいの確率で関係無いとこに着くだろ」
女性「…そういえば、お二人は何故こんなところに?」
勇者「…ああ、自己紹介してなかったな」
少女「わたしは勇者だよ。こっちも勇者だよ」
勇者「ややこしい紹介すんな!」
女性「ダ…ダブル勇者!!?」
勇者「アンタは何に驚いてんだ!?」
109
:
◆UO0HO7RAyE
:2015/10/14(水) 01:05:12 ID:yLnuUXNs
女性「お二人をダブル勇者と見込んで、お願いがあります!」
勇者「その呼び名やめろ」
少女「なんだね、いってみたまえ」
勇者「なんだその態度」
女性「私を、お二人の旅に同行させてください!」
少女「おっけー」
女性「ありがとうございます!」
勇者「即決ッ!!?」
110
:
◆UO0HO7RAyE
:2015/10/14(水) 01:10:12 ID:yLnuUXNs
勇者「大体、オレらの旅に同行するって……何のために?」
女性「お二人と色々な国をまわっていれば、記憶が戻っていくかもしれないと思って……」
女性「それに、私の故郷も見つかるかもしれませんし」
少女「ぐっどあいでぃあ、だよね」
勇者「……まあ、お前がいいならいいけどな。ここに置いてくこともできねえし」
女性「精一杯食料整理係を務めさせていただきます!」
勇者「お前は食料には触れるな!!」
111
:
◆UO0HO7RAyE
:2015/10/14(水) 18:34:49 ID:zPTPUZmM
少女「なんて呼ぼっか?」
女性「名前を覚えてないので、『女性』とでも呼んでください」
勇者「……なんか変な感じしねえか?『おい、女性』…とかって」
女性「でもそれを言ったら『少女』とか『勇者』だって」
少女「名前じゃなくて見た目だよね」
勇者「そりゃそうだけどよ……」
112
:
◆UO0HO7RAyE
:2015/10/14(水) 18:38:01 ID:zPTPUZmM
少女「じゃあ、わたしが考えてあげる」
女性「本当ですか?」
勇者「……嫌な予感しかしねえんだが…」
少女「記憶喪失ということで……」
女性「はい」
勇者「……」
少女「ごんべ」
ごんべ(女性)「待ってください」
113
:
◆UO0HO7RAyE
:2015/10/14(水) 18:45:39 ID:zPTPUZmM
ごんべ(女性)「理由を教えてください!」
少女「名無しの」
ごんべ(女性)「まだ『名無し』のほうが良かったです!!」
少女「じゃあ『なし』で」
なし(女性)「色々とおかしいです!!」
勇者「…見事に予感が当たったな……」
114
:
◆UO0HO7RAyE
:2015/10/14(水) 19:40:45 ID:zPTPUZmM
勇者「…『姫』とかはどうだ?」
姫(女性)「姫、ですか?」
勇者「高級そうなドレス着てるし…アンタ、結構高貴な身分だったんじゃねーの?」
姫「分かりませんが……姫と呼ばれて悪い気はしませんね!それでお願いします!」
少女「……」
勇者「自分の案が採用されなかったからって俺を睨むな」
115
:
◆UO0HO7RAyE
:2015/10/14(水) 19:50:12 ID:zPTPUZmM
恐ろしい魔物を撃退し、その先で記憶喪失の女性と出会った二人……
この出会いは、必然かもしれないし、ただの偶然かもしれない
ただ、
この三人の出会いが、後に世界の運命を大きく左右するとは
このときは誰にも分からなかった
116
:
◆UO0HO7RAyE
:2015/10/14(水) 20:02:41 ID:zPTPUZmM
ーーーーーーーー
『………』
『…必ず……』
『……やり遂げてみせる…』
『……オレ一人で…』
『………………オレ一人だけの力で……必ず……』
『……』
ーーーーーーーー
117
:
◆UO0HO7RAyE
:2015/10/15(木) 07:37:16 ID:9LQkucN6
ーテント内ー
勇者「……」
少女「何ボーっとしてるの?」
勇者「んっ?…別になんでもねーよ」
姫「あやしいですね。エロいことでも考えてたんじゃないでしょうか」
勇者「それはねえよ!!」
姫「わっ、私に魅力がないってことですか!この人最低です!!」
少女「ろくでなしー」
勇者「どうすりゃいいんだよ!?」
118
:
◆UO0HO7RAyE
:2015/10/16(金) 16:32:32 ID:d6kITars
少女「おなかすいた」
勇者「急だな」
姫「じゃあ私が何かつくりますよ」
勇者「アンタ料理できんのか?」
姫「多分、つくれる気がします」
姫「全部つまみ食いしちゃうかもしれませんけど」
勇者「座ってていい。オレがつくる」
119
:
◆UO0HO7RAyE
:2015/10/16(金) 22:33:38 ID:d6kITars
勇者「完成…っと」コトッ
少女「あんこじゃない…」
勇者「文句言うな!」
姫「これ、なんて料理ですか?」
勇者「ああ、『シチュー』だ。食ったことないのか?」
少女「あるよ」
勇者「お前に聞いてねえよ……」
姫「そうですね……初めて食べる気がしますね。いただきますっ」モグモグ
少女「いただきあむ…」モグモグ
勇者「言いながら口に入れんな」
姫「…美味しいですね!」
勇者「一応、王宮のコックから料理を学んだからな」
少女「親のスネかじって生活してる方がラクなのに」
勇者「それじゃ意味ねーよ。オレの人生じゃねえ」
120
:
◆UO0HO7RAyE
:2015/10/16(金) 22:40:36 ID:d6kITars
〜夜〜
少女「ねみぃ」
勇者「んじゃ、ライト消すか」
姫「魔物は大丈夫なんですか?」
勇者「ああ、心配いらねーよ。この中に魔物は入ってこれない。多分な」
姫「そうなんですか!安心して寝られますね!」
少女「ここにケダモノが」
勇者「誰がケダモノだこら」
121
:
◆UO0HO7RAyE
:2015/10/16(金) 22:45:25 ID:d6kITars
勇者「…ライト消すぞー。んじゃ、おやすみ」カチッ
少女「おやs…」zzZ……
姫「おやすみなさい……」
姫「…………」
122
:
◆UO0HO7RAyE
:2015/10/16(金) 22:48:30 ID:d6kITars
『……早くこっちにきやがれ…!』
『……殴られてえのか…!?』
『……黙って言うこと聞いてりゃいいんだ………!』
『……嫌…です……』
『……やめてください…』
『……やめて………』
『……助けて………』
姫「…………っ!!」ガバッ!!
123
:
◆UO0HO7RAyE
:2015/10/16(金) 22:52:33 ID:d6kITars
姫「……ハァ……ハァ…」
姫「…………」
姫(……今のは…)
姫(……私の…記憶…?)
姫(…………)
姫(………わからない…)
姫(……)
姫(………ただの…夢……ですよね…)
姫(…………)
124
:
◆UO0HO7RAyE
:2015/10/16(金) 23:00:36 ID:d6kITars
〜次の日の朝〜
勇者「んじゃ、今日もとにかく歩くぞ」
少女「つまんないね」
勇者「仕方ねーだろ……」
姫「……」
勇者「……ん?姫、どーした?」
姫「……やっぱり、私…」
姫「……私が…ついていっても、迷惑じゃないでしょうか…」
勇者「……急にどうしたんだよ…?昨日まではオレらが『来んな』っつっても来る勢いだったろ?」
姫「……」
勇者「……姫…?」
少女「迷惑じゃないよー。ぜんぜん」
姫「……本当…ですか?」
少女「迷惑なのはあいつだよー」
勇者「ああ"!!?」
125
:
◆UO0HO7RAyE
:2015/10/17(土) 08:09:28 ID:UtoIGBMc
少女「適当に旅してるだけだから」
少女「いてもいなくても一緒だよ」
姫「……」
勇者「……どのみち、アンタは記憶を失ってる…」
勇者「そんなやつ、こんな危なっかしいとこに置いてけねーよ」
姫「………ありがとうございます…!」
126
:
◆UO0HO7RAyE
:2015/10/17(土) 08:23:50 ID:UtoIGBMc
勇者「んじゃ、さっさと西の国をめざすぞ」
少女「おぶってよ」
勇者「ふざけんな」
姫「西の国が、私の故郷だといいんですけど…」
勇者「…いや、下手したらそこは滅んでる。そこじゃないほうがいいかもな」
姫「そうなんですか…」
127
:
◆UO0HO7RAyE
:2015/10/17(土) 08:33:38 ID:UtoIGBMc
こうして、3人は
道行く敵をなぎはらいながら
数日間、西の国に向けて歩き続け……
ーキュリー大陸・シルル国ー
勇者「……ここか」
姫「……酷い有り様ですね」
勇者「…ほとんどガレキの山だな。人が住んでる気配なんて、ほとんど感じねえ」
少女「……」
128
:
◆UO0HO7RAyE
:2015/10/21(水) 16:01:11 ID:9tk1dDuE
姫「一応、お城はギリギリ原型をとどめてるみたいですね」
勇者「とりあえず城に誰かいないか確かめに行こう」
少女「行ってらっしゃーい」
勇者「お前も行くんだよ!」
勇者「足の踏み場もねえ…」ガシャガシャ
姫「うっかり転んだらガラスで八つ裂きですね」ガシャガシャ
勇者「…少女、押したりすんじゃねーぞ?」ガシャガシャ
少女「ほい」ドーンッ
勇者「」ドガッシャーーンッ!!
129
:
◆UO0HO7RAyE
:2015/10/26(月) 18:09:01 ID:fBkkgnZ2
姫「大丈夫ですか?血、凄い出てますけど」
勇者「少女てめえ!!言ったそばから……!!」ドクドク
少女「『フリ』かと思って」
勇者「ちげえよッ!!」ドクドク
姫「……あ、やっと門まで着きましたね」
勇者「開いててよかったぜ。ここまで来て引き返すなんてバカみてーだしな」
少女「閉まっててもこわせるよ?」
勇者「魔物かお前は」
130
:
◆UO0HO7RAyE
:2015/10/27(火) 19:25:20 ID:yROuoeHM
ーシルル国・城内ー
勇者「中は、普通に歩けるみたいだな」
少女「誰もいないんじゃないのー?」
姫「確かに、人影は見辺りませんね…」
勇者「…この国から何か、魔王への情報が得られると思ってたんだがなぁ……」
少女「やくたたず」
勇者「しばくぞ」
131
:
◆UO0HO7RAyE
:2015/10/31(土) 20:28:45 ID:7us.Y9EU
少女「どーするのー、このあと」
勇者「……仕方ねえ、引き返すか…」
姫「あ!この城、地下室もあるみたいですよ!!」
勇者「地下室?」
少女「興味を惹かれるひびきだね」
勇者「そうか、地下室か……。そこに避難してるのかもしんねえな」
姫「行ってみましょう!」
132
:
◆UO0HO7RAyE
:2015/10/31(土) 20:35:24 ID:7us.Y9EU
ーシルル城・地下室ー
勇者「……暗ぇな…」
少女「暗いね」
姫「暗いですね」
勇者「……」
勇者「……分かったよ…オレがランプ出せばいいんだろ…」ガサガサ
勇者「よし」カチッ
少女「おー、明るくなった」
姫「すごいですねー」パチパチ
勇者「……お前らにもランプ渡しただろ…。出すのが面倒くせえからって…!」
少女「はて、なんのことやら?」
勇者「てめぇ……」
133
:
名無しの権兵衛殿
:2015/10/31(土) 21:43:40 ID:7us.Y9EU
少女「…あ、人がいるねー」
勇者「どこだ?」
姫「あ、あそこに……」
石像「」
姫「!!」
勇者「なっ……!?」
少女「……」
勇者「……造り物…じゃねえよな……」
姫「……っ!…奥にも、たくさんあります…」
少女「めでゅーさの呪い?」
勇者「……分かんねえ…見たことも聞いたこともねえ……人が石になるなんて……」
134
:
◆UO0HO7RAyE
:2015/11/15(日) 22:21:46 ID:zruFQzWg
少女「……ん、奥にもでっかい石像がー…」
石像『』
姫「……少し大きすぎませんか?」
勇者「……まて、嫌な予感がする…」
石像『……』
ゴゴゴゴゴ…
石像『……ウ"ンッ!!』ドスンッ!!
勇者「…っ!」
姫「せ、石像が…!!」
少女「…うごいた……」
135
:
◆UO0HO7RAyE
:2015/11/20(金) 22:11:59 ID:vnRBO66w
勇者「…『うごくせきぞう』と呼ばれる魔物を聞いたことがあるが……」
石像「……」ドスンッ
勇者「…アイツのことか……!」
姫「もしかしたら、あの魔物を倒せば皆さんが元に戻るかもしれませんね?」
勇者「そうだな…物は試しだ!」ダッ!!
勇者「真っ二つになりやがれッ!!」ブンッ!!
石像「……」ガキンッ!!
勇者「……っく!固ぇ…!!」
136
:
◆UO0HO7RAyE
:2015/11/25(水) 00:45:50 ID:PBRVkB6I
少女「めらー」ボワッ
石像「……」ブンッ!!
少女「…かきけされちゃった」
勇者「…MPケチってんじゃねえ……」
石像「……」ドスンッ!
勇者「…くっ…ジリ貧だな…」ガンッ!
少女「石に魔法効くのー?」
勇者「知るか!とにかく、つえーの撃て!!」
少女「いおぐらんでっ」
石像「……!」
勇者「あ、おい、俺まで巻きこまr」
チュドーーーンッッ!!!
少女「……」
姫「……」
少女「……あーめん…」
姫「…勇者さん…あなたのことは忘れません……」
勇者「生きてるわッ!!」ガラガラッ…
少女「あ、すごいねー」
姫「ですね」
勇者「魔王よりお前らのが怖ーよ!!」
137
:
◆UO0HO7RAyE
:2015/12/03(木) 22:41:23 ID:WrcgcLc.
少女「石像壊れたー?」
姫「多分、そう思います」
勇者「……にしても、ひでえ損壊だな……よくオレ生きてたな…」
姫「…あ!向こうで石になってた人たちが…!」
勇者「!」
男性「……オレは…一体?」
男性2「あれ…?なんか記憶があまり無いな…ここどこだ?」
女性「……?ここは…」
姫「…救えたんですね?」
勇者「ああ」
勇者「……アイツのお陰でな」チラッ…
少女「そろそろあんこ食べたいなー…」
138
:
◆UO0HO7RAyE
:2015/12/07(月) 22:03:43 ID:N4pXcW8o
勇者「よし、とりあえず……」
勇者「皆さん!もしかしたら壁が崩れてくるかもしれないので、念のため外に避難してください!!」
男性「く、崩れる?」
女性「崩れてくるの!?壁が!?」
勇者「落ち着いてください!念のためです!!見た感じ崩れなさそうだけど、念のためですから!落ち着いて避難してください!!」
少女「みんなドタバタしてるねー」
少女「よけいなこと言うからー」
勇者「うるせぇ……」
139
:
◆UO0HO7RAyE
:2015/12/16(水) 22:40:46 ID:IjBACbFs
ーシルル国・広場ー
姫「みなさーん、こっちが安全ですよー!こっちですー!」
少女「……ふわぁ…」ムニャムニャ…
勇者「アクビしてねーで、お前も誘導しろ」
少女「えー、みんな自力で逃げられないの?」
勇者「お年寄りとか子供もいんだからよ」
少女「わたし子供だけど逃げられるよ」ドヤ
勇者「……」
140
:
名無しの権兵衛殿
:2015/12/27(日) 05:03:59 ID:4PiqYNuI
https://dl.dropboxusercontent.com/u/150482979/2.swf
141
:
名無しの権兵衛殿
:2016/02/13(土) 21:57:21 ID:BQ5HFHHg
キュリー国王女「勇者さん。お久しぶりです」
勇者「…!王女様ですよね?良かった生きてて……」
少女「おーじょさま?」
姫「わっ、この国の王女様ですか!はじめまして!」
王女「皆さん、石になっていた私たちを助けて頂き、本当に感謝します」
王女「…見た通り、この惨状なので何もお返しは出来ませんが……」
少女「あんこは無しか……」
勇者「お前は黙っとけ」
142
:
名無しの権兵衛殿
:2016/02/15(月) 13:14:36 ID:2jgr6sLI
ミス
×キュリー国王女
↓
○シルル国王女
勇者「この国は、なんでこんなことに…?」
王女「石になっていたので、どのくらい時間が経っているのかはわかりませんが…」
王女「今から少し前、この国に一人の召喚師が訪ねてきたのです」
勇者「召喚師が?」
王女「はい…。その者がある取り引きをしに来たのです」
勇者「取り引き……」
姫「一体何を要求してきたんですか?」
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