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182萌黄リヱコ:2016/03/04(金) 20:14:50
ヒツジ飼いの少年とオオカミ 最初で最後の本当 (イソップ童話より)

嘘つき少年の悲劇

村はずれで、ヒツジの番をしているひとりの少年がいました。

「たいへんだ、たいへんだ!オオカミが来るぞ!」

ある日、この少年の叫び声が聞こえるので、村人たちは急いで少年の元へ駆けつけました。

しかし、人々が来てみると、オオカミなどどこにもいません。そこには、少年がひとり笑いころげていました。

「アハハハハ。うっそだよ〜だ」

村人たちは少年をこっぴどく叱りましたが、とにかくヒツジも少年も無事だったので安心し、戻っていきました。

何日かして、再び少年の叫び声が村に響き渡りました。

「たいへんだ、たいへんだ!オオカミが来たぞ!」
 
村人じゅうの人々が急いで駆けつけましたが、そこには同じく少年が笑い転げているだけでした。

「アハハハハ。また、だまされてやんの」
 
この後も少年の叫び声が何度か聞こえ、その度に村人たちは駆けつけましたが、すべて少年の狂言なのでした。
 
ある日、少年がいつものようにヒツジの番をしていると、村のはずれに本当に一頭のオオカミがやってきました。少年はギョッとしましたが、オオカミのほうはまだ少年に気付いていません。少年は冷や汗をかきながら、オオカミに気づかれないようにそっと後ずさり、くるっと向きを変えて駆けだすと、村の中心まで来て大声で叫びました。

「たいへんだ、たいへんだ!オオカミが来たぞ!!」
 
ところが少年の声は聞こえているはずなのに、誰も本気にせず出てきてくれません。少年は半分泣きそうになりながら絶叫しました。

「本当だよぉ!オオカミが、あ・・・・・・・」
 
そこまでいって、少年は恐怖のあまり口がきけなくなりました。目の前の家屋の上に、何匹ものオオカミが鋭い目で少年をにらみ、とがった牙をむいて唸っていたからです。

「ぎゃああああああ!」
 
少年の悲鳴は村じゅうに響き渡り、あとには無残に食いちぎられた、誰とも判別のつかない肉のかたまりが転がっていました。


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