[
板情報
|
カテゴリランキング
]
したらばTOP
■掲示板に戻る■
全部
1-100
最新50
|
1-
101-
この機能を使うにはJavaScriptを有効にしてください
|
独り言 その3
98
:
('A`)@15周年
:2025/03/17(月) 05:40:35 ID:dk9GBN4g0
「毛織物の服は恥ずかしいかい? けど、世の中のほとんどの人はそれを着てる。誰もそれを恥じねえのは、それが自分の手で働いて得た最上のものだからなんだよ。そりゃ、働かないで絹を着てる連中もいるさ。けど、そういう連中は恨まれる。自分ががんばっても手に入らないものを、なんのがんばりもなしに手に入れてる連中が持ってりゃ恨めしい。――そんなの、当たり前のことだ。祥瓊だって、自分がなくしたものを、なんの努力もなしに持ってる人間がいたら恨めしいだろ?」
「なんの努力もなしに与えられたものは、実はその値打ち分のことをあんたに要求してるもんだ。祥瓊はそれを分かっていなかった。だから、憎まれる」
「でも――」
「祥瓊は贅沢な暮らしをしてきたろう? それに見合うだけのことをしてきたのかい?」
「でも!」
祥瓊は床に手を突く。
「――だったら、全部私のせいだというの? 全部私が悪かったって!」
それは認められない。認めたくない。
「お父さまが何もしなくていいとおっしゃったのよ! お父さまもお母さまもそう言えば、私に何ができると言うの! 大学に入れていただいたわけでもないわ。何を知る機会もなかったわ。それが全部、私のせいなの!? そんな人間なんていくらでもいるわ。それでも贅沢な暮らしをしている人だっていくらでもいるわ。――どうして私だけが責められるの!?」
「責任を果たさずに手に入るものなんか、ねえんだよ。あったとしたら、それは何か間違ってる。間違ったことを盾にとっても、誰も認めちゃくれねえんだ」
「――でも!」
「あんた、絹の着物を山ほど持ってたろ? 絹の着物のことならよく知ってるよな? けど、それがどうやってできたものか知ってるかい? 考えてみたことがあるかい? 奚が毛織りの服を着て自分が絹を着てるのはなぜか、考えてみたかい? そういうものを全部知って初めて、本当に分かってるって言うんだと思うよ、おいらは」
新着レスの表示
名前:
E-mail
(省略可)
:
※書き込む際の注意事項は
こちら
※画像アップローダーは
こちら
(画像を表示できるのは「画像リンクのサムネイル表示」がオンの掲示板に限ります)
スマートフォン版
掲示板管理者へ連絡
無料レンタル掲示板