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484('A`)@板開設10周年:2019/07/26(金) 21:12:49 ID:51HvuRgU0
 山中で県警の機動隊員に発見され、任意同行を求められた1分後、彼の愛犬は突然に心臓発作で死亡している。不思議な偶然と言っていいだろう。名前はオリーブ。犬種はゴールデンレトリーバーだった。
 私はオリーブの墓前に食べ物や花、たっぷりの水を供えて線香をあげた。そして保見死刑囚に送ろうと写真を撮った。見ると線香の煙の中にオリーブの輪郭がくっきりと現れていた。心底驚かされた。心霊写真の類であり、目の錯覚と言われれば返す言葉はない。
 それでも拘置所の面会室で、私たちを遮るアクリル板越しに写真を見せると、保見死刑囚は滂沱の涙を流した。私もつられて泣いた。何と“監視役”として面会に立ち会っていた拘置所職員でさえ、その目にはうっすらと涙がにじんでいた。
 保見容疑者は、両親の介護に半生を捧げた。独身で、妻も子供もいない。愛犬が我が子そのものだった。そして彼は裁判で「愛する犬を集落の人間に毒殺された」と主張していた。オリーブの前に飼っていた犬で、名前をチェリー。本当に毒殺されたのなら、保見死刑囚が復讐を誓った心情は理解できる気もした。
 裁判では他にも「草刈り機を燃やされた」、「母親の介護でおむつを交換していると、自宅の中に入ってきた住民に『うんこくせーな』と暴言を吐かれた」といったイジメの事実を主張した。自分だけでなく、母親も侮辱されていた。しかし保見死刑囚は、介護に集中しようと、嫌がらせや暴言に耐えていたという。
 こうした保見死刑囚の訴えを、裁判は「妄想」と一蹴した。だが私の取材では、同じ集落の中でもイジメの事実を認める証言が多数ある。
 例えば、都会で施錠しない家は稀だ。しかし田舎では、カギをかけないどころか、窓をカーテンで覆っただけで不興を買う。「カギなんかかけやがって」、「カーテンなんかしやがって」と強烈な陰口を叩かれる。
 戸締まりを厳重にし、カーテンでプライバシーを保護することは、田舎では「隣人を信用していないサイン」と見なされてしまう。だから、他人が突然、無施錠の玄関を勝手に開けて家の中に入り、居間に出現することは決して珍しくない。
 保見死刑囚の「自宅に勝手にあがりこみ、おむつの件で母親と自分に暴言を吐いた」という証言は、だからこそ私は信憑性を感じる。だが、おそらく都会で生まれ育った裁判官は、そんな状況は想像すらつかなかったのだろう。
 面会に訪れた私に、保見死刑囚は「死刑になるのは、さほどこだわってはいません。ただ、負けるわけにはいきません」と繰り返し語っていた。
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