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面会に行くと、私に手紙を送った理由を「あなたの本を読んだ。真面目な人だと思った」などと説明した。それからの3年間、私の元には多くの手紙が送られてきた。段ボール箱から溢れるほどの量になった。
事件のことだけでなく、内容は多岐にわたった。幼少期の回想、集団就職で東京に出てからの自分史。初恋や、その後の恋愛……。彼の手紙には、彼の人生が丸ごと記されていた。面会だけでなく、私が返事の手紙を書くことで、無数の“対話”を積み重ねてきた。
最高裁に上告するまでは、保見死刑囚が他の報道関係者と連絡を取った形跡はなかった。唯一の例外が私だった。
だが、弁護人と意思疎通が難しい状況に業を煮やしたのだろう。最高裁への上告を前に、それまでの沈黙から一転、地元山口県のテレビ局から、在京の週刊誌まで、一方的に自分の主張を書き連ねた手紙を送り始めた。
保見死刑囚は、びっしりと主張を書き込んだ直筆の手紙を、私に送ってきた。「これをコピーして送り返してほしい」と枚数も指定した。マスコミ1社1社に手紙を書く時間が惜しかったのだろう。“基本形”となる手紙を書き終えると、後はコピーを各社に送付しようとした。
私は何度も「メディアは決して、あなたの思惑通りには動かない」と忠告した。だが、保見死刑囚の決心は固かった。孤独な獄中で、それで少しでも心が落ち着くのなら、と私は協力することにした。手紙を複写し、ノートや封筒を差し入れた。
最高裁が上告を棄却すると、ネットメディアも含め、保見死刑囚の手紙や面会の内容を元にした多くの記事が掲載された。粗野で乱暴で、頭の中は“妄想”で満ちている――。そんな人物像を一部のメディアやジャーナリストは書きたてた。そうした記事を保見死刑囚に送ると、後悔の念や嘆きが手紙に記されて送られてきた。
私は、こうした報道を否定するつもりはない。保見死刑囚が5人の命を奪った事実はあまりに重い。彼を擁護するつもりもない。
とはいえ、保見死刑囚が持つエキセントリックな一面を、まるで全人格の象徴であるかのように取り扱った報道が行われたのは事実だ。それは正確な報道ではない。この原稿で私は、3年間の文通や面会で知った、保見容疑者の素顔を丁寧に記してみたい。
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