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【そんなもの効かぬ!】模擬戦施設@民間開放【これならばどうだ!】
55
:
ミヒャエル・リントヴルム
:2012/11/18(日) 21:25:47 ID:T8QAEjlQ
>>54
「ミヒャエル・リントヴルムと申します。
以後、お見知りおきを、お嬢さん」
はにかんだ笑みを浮かべて、深々と頭を下げるミヒャエル。
顔を上げ、構えを取れば相手もまた剣を抜いていた。
黒煙に塗れ、黒煙を突き破り現れるのは――獣。
「はは、手芸は苦手なのですが。
……よろしくお願いしますね?」
全身に赤黒い光が巡り、右腕の布がはためくと同時に、少年もまた虎と同じく地面を駆ける。
真正面から迫る虎の口、顔に向けて右腕を一直線に叩きこもうとする、ミヒャエル。
その速度は見た目の幼さには見合わない練達の技法であり、全身運動により突き込まれる突き手は、槍と同種の威力を持つ。
「光輝の剣よ、我が前の障害を払いたまえ」
突きこむ際の一言を契機に、ひときわ右腕の光が増し、威力を強化した。
56
:
アナスタシア【傭兵】──青長髪不規則発言女
:2012/11/18(日) 21:38:14 ID:A9qEocr2
>>55
暗闇に紛れてよく見えなかったが、夜目が効いてきたのか少年の顔立ちがはっきりと見える様になる
一直線上に佇む青年の能力は一体なんだろうか、宗教に関連するものであれば様々なパターンが思考されるが
クソ野郎もそうだ、鬱陶しい物ばかりで功績を上げ続けている
ならば相手の出方を見るのが最適な手段であろう、ということで先程の灰虎に突進をさせた
灰虎の効果は大きく分けて3つ一つは
「ただ単純に一直線上に飛び、質量で押す」
故に少年の手が穿った瞬間に虎は霧散した
しかし、この少年。力量が分かっていない未知の物質に何の遠慮も無く手を突っ込むとは──死んでも良いと思っているのか
アナスタシアは黒煙を刀で薙ぐと、霧散した虎を収束するかのように、手を流れるように動かし、再び握りしめる
「質量を持ったのならば、掻き毟りを行うのは虎故の行動」
丁度少年の背後、感じるだろうか
虎の鋭利な牙が、掻き毟るように近づいている事に
破壊することは容易い。だが、触れた場所は斬撃が理不尽な形で行われるだろう──例え如何なる防御をとっても
57
:
ミヒャエル・リントヴルム
:2012/11/18(日) 21:45:20 ID:T8QAEjlQ
>>56
少年は、未だに己の真価を見せつけては居ない。
己を能ある鷹と嘯く積りは無いが、牙も爪も振るわぬに越したことはない。
少なくとも、今時点では刃を抜くほど危険な状況にはこの少年は置かれていなかった。
「……ん、む。なるほど、結構応用が効きそうで。
僕は、基本的に手数が少ないものでしてね、ははは」
霧散した虎、その直後にしかしながら背後から迫る虎。
苦笑を浮かべる少年は、地面を蹴って、直接アナスタシアに向けて駆け出すことを選択した。
一端虎を振り向き右腕を振りぬくと同時に、転身した少年は地面を蹴る。
赤黒い光が空中を飛翔し、虎の牙を切り落とさんと襲いかかる。
今使用したのは、斬撃の飛翔。
三日月型の斬撃は、燕の様に一直線に虎を迎撃する。
「――せァっ!」
そして、数歩でアナスタシアへと間合いを詰めると、半身の体勢を作ると同時に左手を掌底の形にして叩きこもうとする。
小柄な体を生かして懐に入り込むことによって、刀の性質上必要な距離を作らせず、一気呵成に攻めこむつもりだ。
58
:
アナスタシア【傭兵】──青長髪不規則発言女
:2012/11/18(日) 21:58:58 ID:A9qEocr2
>>57
正直少年の発言に付き合ってられる程こちらには余裕がない
虎を使役するに当たって虎が行動する範囲を抑えなければ大きさのアジャストが効かなくなり、最悪自分を巻き込んでしまう
しかし、受け答えした方が相手に好印象だろうか、戦闘に愛想を求める人間が居るだろうか
「ほぅ」
一言で済ませてしまおう
つい最近日本に来たばかりなのに早速影響を受けている
少年の動きは精錬された物で、無駄がないと言える、玄人らしい動きだ
だからこそ、見える性質がある
少年の動きにあわせ虎が再び霧散したかと思えば、少年はアナスタシアの至近にいる
次に取る行動は恐らく
「ぐっ」
敢えて腹部で少年の攻撃を受けた
しかし間髪を入れる事なく、歯奥を噛み締めて堪え、少年の伸びる腕を刀を持たぬ左手でしっかりと掴み品やかに引き寄せようとした
それは抱きかかえる様な動きで、暖かい抱擁でもあり、そして時が経てば違う性質を纏うこととなる
静かに右手で霧散した虎を再召喚し、緩慢な動きで優しく、柔らかく少年のカソックを剥ぎ取る積りだ
59
:
ミヒャエル・リントヴルム
:2012/11/18(日) 22:08:17 ID:T8QAEjlQ
>>58
少年が、雑談じみた発言をするのは、単に性格上の問題である。
まだ余裕があったからこの様な雑談ができていただけであり、此処から先、戦いが激化すれば流石に話している暇はない。
少なくとも今、この状況で話す事が出来るような人間は、そう居ないことだろう。
少年の動作の基本は、大陸系の武術の動きを取り込んだもの。
全身運動を生かし、攻撃を文字通り叩きこむ、攻撃的な動きは、しかしながら無駄をそぎ落とされた老成した物。
少なくともその動作は一朝一夕で学べるものではなく、この外見の少年が使うには不適当な練度ではあったろう。
「……厄介、ですねぇ」
叩き込んだ左腕を優しく掴み、引き寄せようとする相手。
だが、この動作が来るならば、引く積りは全くない。
地面を強く叩くと同時に、少年は左腕を引きこむ動きに対応し、転身。相手の左半身側に移動し、足払いを仕掛けようとする。
「キェァ――ッ!」
その動作は、相手の死角側にもっとも早く動く為の動作だったが、相手の右の手から召喚される虎から距離を離す選択でもある。
虎と少年の間には、アナスタシア。術者自らが障害物となる状況を、少年は創りだしたのである。
60
:
赤髪髭面
◆0HlAobfrD.
:2012/11/18(日) 22:25:58 ID:A9qEocr2
>>59
天と地が倒錯したかと思えば、アナスタシアは自らの位置を今頃ながらに悟った
足払いをされた、だがこれは一種のチャンスである。
性質を活かした一撃、それは
「こんなこともありなのよ」
虎が、先程の体格からは思えないほどに小柄な、猫になった
猫は緩慢に倒れこむアナスタシアの上を飛び越え、少年に飛びかかるであろう
しかし、猫といえど掻き毟りを行うには同じ──果たして、先程と同じ結果になってしまったのだ
61
:
ミヒャエル・リントヴルム
:2012/11/18(日) 22:34:14 ID:T8QAEjlQ
>>60
「――サイズも自由自在、という事ですか」
なるほど、と感心した表情を浮かべながら、己に飛びかかる猫を右腕で振り払う。
振り払った動きで掻き毟りを受け、右腕の拘束が外れ、布と鎖がはじけ飛んだ。
拘束の内から現れたのは、腕。
カソックの布地の一部が裂け、右腕は肘から先を顕としていた。
その腕には、びっしりと傷跡が刻み込まれており、肘から手の甲にかけて十字架を象った文様が浮かんでいる。
手首から先の皮膚は変色し、皮膚自体が黒い布でできているかのような不思議な質感を持っていた。
威圧感、と言ったものを感じたことがあるだろうか。
または、その感情を畏怖と言っても何ら問題はない。
少なくとも、右腕の拘束を剥がれた少年は、先程までとは明らかに違う気配を放っているのは間違いない。
「――Amen」
祈りの言葉を口にすることで、右腕の十字架が光を放ち始める。
吹き飛んだ拘束布が首に巻き付きマントの様に体に被さり、左腕の手首に鎖が巻きついた。
左腕を振るえば、鎖が鞭の様に空中を駆け抜け、少女の足を絡め取ろうとする。
もし絡めとる事が出来れば、小柄な体格からは予想もできない膂力を持って相手を放り投げようとするだろう。
62
:
とあるロールプレイヤー
:2012/11/18(日) 22:45:37 ID:fKwKEKrM
>>61
やはり宗教関連は苦手だ、どうしても汎用性が効きすぎて相対すると苦手になってしまう
気分でここに来たものだから相手に不快感を与えてしまうのは仕方のないことだと思っていたがこの国ではそうはならないだろう
本気を出す、といっても本気を出せるときは脳みそに存在する枷を吹き飛ばす、つまりイカれなければならないのだ
それは少女にとって致命的――なぜならば愛する兄上にあっても感情を得ないからだ
ならば――どうするか
少年から迸る神の雰囲気はこの鎖から来ていたのか、服装がそうであるからか
理解しかねないが、これは相当に危険だ
鎖に絡め取られてしまえば身体の自由が効かなくなるつまり、刀を使うに使えないし、虎を使役することができない
背後を見せて逃げるとそれこそ死んでしまうし、だからといって真っ向から勝負を挑めば絡め取られる
――否
「そうね、そうよイカれてしまえばいいんだわ。私って天才。そうよ、ちょっとだけ
ちょっとだけ、おかしくなりましょう」
鎖に向かって駆け出したかと思えば、黒煙をまとった等身が、姿を見せる
風になびく青い髪は揺れ、アナスタシアの視界を阻害した
それに構うことはなく、鎖に向かって刀を打ち込んだ
正確には鎖の間にある空間に、ほぼむりやりねじ込んだのだ
そして、駆け出しは続き、鎖の上を一直線上の機動で走り抜ける。そして続けるようにして飛び蹴りを行うだろう。
ここからは、体術での相対だ
63
:
ミヒャエル・リントヴルム
:2012/11/18(日) 22:56:57 ID:T8QAEjlQ
>>62
「偽物の聖遺物にも神がご加護を与えなさるのであれば。
僕の右腕は、本物の聖槍にも劣らない力を得られるだろう。
神よ、僕に七難八苦を与え給え――――!」
黄金の瞳に僅かに過ぎる狂気の色。
絶望の果てにたどり着いた意思は、狂信で。
神の代理人となるために作られた少年は、文字通りに神の力の一端を代理する力を得ている。
聖遺物そのものの少年の肉体は、文字通りの不朽体。耐久性は言わずもがな、歳も取らぬし、負傷以外では寿命は来ない。
「推手、崩拳!」
鎖を引き寄せ、相手の体勢を崩そうとしながら左腕を相手の蹴りの延長線上に割り込ませる少年。
腕に足がめり込むと同時、推手という技法で腕を捻り相手の軌道を逸らし、地面を強く蹴り、跳躍。
右腕を振りぬき、相手の腹部に向けて強い光を纏った拳を叩きこもうとする。
ミヒャエルの戦闘法は、聖術をバックアップとした近接戦闘である。
遠距離で使用出来る攻撃は斬撃の飛翔程度だが、近接に於いてはその肉体は間違いなく脅威。
特にその右腕に関しては、拳と言うよりも槍や斧といった形容がふさわしい威力を持っている。
64
:
アナスタシア【傭兵】──青長髪不規則発言女
:2012/11/18(日) 23:15:10 ID:A9qEocr2
>>63
足場を崩された、苦し紛れで膝蹴りを行っているので防御され、体制を崩すこととなるだろう
昔、兄である髭面に体術を仕込まれたときは世界にある数々の流派の多さに驚いたものだ
髭面はその度に結局、結果は同じことになるのだからどれだけ足掻いてもどこかに共通する場所はある、とそう言っていた
戦闘において経験や勘は大切なものとなり得るだろう、しかし
予測はその中でも特に重大なものとなり得る、その下にあるのが支えである経験や慣れであり
どこかのクソ野郎と同じ考えを持っているのは皮肉だが、それが髭面の教えであるから仕方がない
駆け抜ける鎖の上、アナスタシアの正面にいる少年から溢れ出した声は、何かの詠唱だろう
宗教関連ならば付け加えの聖術と判断できる。何故ならばそれも結果に従順して得た結果だ
相手が攻撃する体制であるから、自らを強化し、守り、そして自らも動きを見せる
対処法はしっかりと仕込んである、だからこそ、今膝蹴りを行っている途中であり
「あら、何を言っているのかしらこの子。もしかして私にいってたり?」
挑発するような一言は少年の行動にかき消された
空中間における戦闘は回避が一度しかできない、だが、もしそれが何かの支えがあったとしたらどうだろうか
宙に投げられたと同時にて腕をおもいっきし振り下げると、倒立の形となる
先ほど少年が撓ませた鎖を、取り、そのまま少年の方向へと倒れこむと、少年を巻き込むだろう
しかし、拳はアナスタシアの腹部に到達し
「あら」
鎖をとったままに吹き飛んだ
65
:
ミヒャエル・リントヴルム
:2012/11/18(日) 23:26:31 ID:T8QAEjlQ
>>64
「――汝が身を汚すものを弾き飛ばせ、聖者よ!」
拳を叩きつけ、真上へと吹き飛ばした少年は、相手の動作を追いかけながら、鎖に魔力を叩き込む。
基本的にミヒャエルはそれほど多様な聖術が仕えるわけではなく、鎖の操作と魔力の武器化、防具化が関の山だ。
そして、今展開した術は鎖の表面に拒絶の意を持った防性の魔力を展開する事で、鎖を掴む相手の手を弾く目論見である。
手元で鎖を繰るミヒャエルは、何方にしろ鎖を引き戻そうとするはずだ。
同時に、地上に立つ少年は、右腕に魔力を込め、落下してくる相手を待ち受ける。
空中と地上であれば、動作の安定性は地上のほうが明らかに高い。
「……こ、ッ。はァ――」
息を吸い、吐く動作で全身に気力がみなぎっていく。
心が落ち着けば、見えないものも見えるようになってくるのは自明の理。
全身に意識を巡らせ、視線の先はアナスタシア。
腰を落とした状態で、右腕を引き、左腕には鎖を巻き付けている。
このまま落下すれば、アナスタシアは少年の迎撃を受けることとなるだろう。
66
:
アナスタシア【傭兵】──青長髪不規則発言女
:2012/11/18(日) 23:39:30 ID:A9qEocr2
>>65
手が弾かれた、魔力の収束発散か
「貴方、カトリックでしょ──」
詳しくは無いが拒絶するのならプロテスタントだろう
否、クソ野郎は言っていた、宗教とは神格化しすぎて拒絶する事があると。ならば道理が合う
鎖に弾かれたアナスタシアは空中と言う回避不能の空間に放り出され
「──ッァ!!」
腹部に一撃が入り込み、吹き飛んだ
肋骨だけでは済まない、全身の骨が、軋み、揺れ、砕けたのだ
再起はできない、きっと刀を捨てた時点で勝敗は決していたのだろう
最初の判断で相手が体術を得意としている事が理解できていれば対処できていたものを
アナスタシアは全身を脱力し、地に倒れた
67
:
ミヒャエル・リントヴルム
:2012/11/18(日) 23:51:13 ID:T8QAEjlQ
>>66
「……そうならざるを得ませんからねえ」
苦笑を浮かべ、落下してくる相手を待ち受ける。
迫る、相手。容赦はしない、容赦はこの場に於いて必要とされている行いではない。
息を吸い、魔力を込めた右腕を純粋に頭上に叩き上げる。
「――天王托塔」
右足を踏み込みながら、右腕を叩き上げる技を天王托塔と言う。
大地を踏む力をダイレクトに伝える事が出来る、剥き出しの破壊といえる技だ。
ずん、と全身に衝撃が帰ってくるが、その結果として相手は宙高くへと吹き飛んでいく。
そして、落下。
地面に叩きつけられたアナスタシアに転身し、残心。
僅かの間を於いて、抱拳礼をした後に頭を下げるのだった。
68
:
鴉
:2012/11/22(木) 23:47:24 ID:Bo8fzEnY
白髪で赤眼の少年が模擬戦場に辿り着く
右手にはナイフが握られ、腰には銃がぶら下げてある。
「さて、アホ上司はまだか?」
そう辺りを見渡す
69
:
アラ
:2012/11/22(木) 23:58:06 ID:MwyaMZEc
>>68
かちゃん、とやけに澄み渡った金属音。それは装具がこすれる音であり、銃火器と弾薬が擦れ合う音。
障害物に乏しい決闘用の模擬戦場に入ってきたのは、長身の男だった。ひざ下まである長い防弾装衣のコートと適当に毛を削いだだけのセンスのかけらもない髪形は、どういったわけか鋭敏さを際立たせている。ネクタイも、ジャケットも、スラックスも黒。全身黒ずくめの男だが、ただ唯一、模擬戦場の照明を受けて輝く青い瞳だけが異彩を放っている。
「…………さて」
やれやれといった様子で、アランは装備を確認する。40S&Wを16発つめたパラオーディナンスP16.40は右腰と左脇に1挺ずつ。ベルトにはいくつかの弾倉と、近接戦闘用のナイフが3本。あとはこれといって装備はないが、装衣に組み込んだ呪式は耐衝撃と防弾防刃。どこまで役に立つかはさておき、効果が期待できないわけでもない。
「やるかね?」
長年愛好している『スモーキンジョー』のフルフレーバーを咥え、片手で器用にマッチを取り出しこれまた器用に火をつけると、マッチ棒をへし折って投げ捨てた。立ち上る紫煙が揺らめき、うまいんだかまずいんだか、はっきりしない能面を鴉へ向ける。
70
:
鴉
:2012/11/23(金) 00:05:52 ID:Bo8fzEnY
>>69
鴉はそれなりに武装している上司に目を向ける
「来たか」
そう言うと、ナイフを片手で弄ぶ
そして、自分はいつでもOKと言わんばかりの表情で
「あぁ、いつでも構わないぞ」
獲物を狙う獣のような眼で、上司であるアランを見据える
71
:
アラン・J・ロックウェル
:2012/11/23(金) 00:14:37 ID:MwyaMZEc
>>70
首をしっかりと回し、肩をほぐし、屈伸までする。わざわざ丁寧に筋肉をほぐして下準備を終え、戦闘が始まる前に深く深く、肺いっぱいに紫煙を吸い込んで満足げに吐き出すと、腰からP16.40を抜いて、スライドを引く。
「どちらが先攻? って、まあ関係ないか」
薬室へ初弾を送り込んで準備完了とばかりに盛大に紫煙を吐き出す。眼前で滞留し、薄れていく煙を何の気なしに見つめるアランは、どこかぼうっとしているように見えた。
「んじゃ、はじめよか」
ゆら、と右手が持ち上がり、それを追うようにして持ち上がった左手が右手ごとグリップを握りこむ。まるでポケットからハンカチを取り出すような、あまりに自然で流動的な所作はしかし、素早くそして正確に鴉へ40口径の銃口を向ける。
ぱんっ、とあまりにもちゃちな発砲音が、戦端を開いた。
72
:
鴉
:2012/11/23(金) 00:25:17 ID:Bo8fzEnY
>>71
「んなガラかよ…」
どちらが先攻?と聞いて来た上司に対して一瞬苦笑するが
アランが、関係ないか…と直ぐに訂正する様を見て
「まぁそうだよな」と納得する。
そして、再びアランを見据える
「っ!」
アランが素早く銃を抜くのを確認すると、自分の腕に【強化】を前方へ振る。
振った腕が銃弾に当たり、銃弾が弾かれる
「ふっ!」
そして鴉は銃弾を弾くと同時に、前方へ駆け出しながら
アランに向けて右手に持っていたナイフを投げつける。
73
:
アラン・J・ロックウェル
:2012/11/23(金) 00:34:37 ID:MwyaMZEc
>>72
(戦力査定、奴の能力に関して俺が知り得るのは強化魔術のみ……弾丸が防弾服の強化で弾かれるのは想定済みだ。身体強化からの急速接近と、膂力に物言わせた投擲が現状の脅威……!)
駆け寄る速度からして、まだ足の強化はしていないなと冷静に判断しつつ、1発目が弾かれたことにめげずに2発、3発、4発と連射する。6条右回りの銃身が火炎と弾丸を吐き出す中、一閃された鴉の腕から放たれたナイフが、一直線に飛来する。
(遠距離武装は投げナイフ……拳銃は使わない、か)
防刃繊維に守られた左手を振るい、投げナイフを弾き飛ばす。とはいえ無傷とはいかぬもので、ぶち当たったナイフの鉄らしい硬質さと重量に左手がジンとしびれる。
(再装填の間はないっ! 近接戦か……)
74
:
鴉
:2012/11/23(金) 00:45:32 ID:Bo8fzEnY
>>73
「ちっ!」
更に銃弾を撃ってくる事に舌打ちしつつ
強化した腕で追加の銃弾を弾いて前に進む
「っ⁉」
感覚で振り回して弾いていただけなので、流石に全弾弾ける訳もなく、一発右足を掠めてしまう。
……が、足を掠めた事は気にせず鴉は、微妙に距離が縮まった所で【脚を強化】
そして、アランとの距離を一気に詰め、強化した腕で攻撃に掛かる。
75
:
アラン・J・ロックウェル
:2012/11/23(金) 00:55:20 ID:MwyaMZEc
>>74
ぐんっと縮まった距離に、鴉が足を強化したのだと思い至る。その間に適当にばらまいていたP16.40が弾切れし、後退しきったスライドをちらりと見やりつつ、アランは肉薄した鴉が殴りかかるモーションに入るのを視認していた。距離にして一間もない至近、対処が遅れれば一撃でダウンしかねない。
「ForgingCircuit-ON! Accel!」
きぃん、と大気が微細に振動し、自分を取り巻く時間の流れが遅滞する。いや、遅れているのは空間ではなく、自己の体内が加速したのだ。何しろ叫んだのはそういう呪文であって、そういう『奇跡』のかけらが起動したのだから。
見れば、唱える間にも鴉は懐へと浸透していて、ギリと奥歯をかみしめたアランは姿勢を落とし、目一杯のばねを利かせてよこに転がる。
76
:
鴉
:2012/11/23(金) 01:02:26 ID:Bo8fzEnY
>>75
「⁉」(躱された⁉)
自分の攻撃を避け、横へ転がるアランに驚く。
「っ!」(フェイントが破られるとは)
鴉は奥歯を噛み締めると、懐から《刀身の無い剣の柄》を即座に取り出し
アランの方へ踏み込む
両手に《刀身の無い剣の柄》を持って…
77
:
アラン・J・ロックウェル
:2012/11/23(金) 01:09:57 ID:MwyaMZEc
>>76
(刃のない……柄?)
奇妙だな、と感じる間にも体は動き、弾薬を撃ち尽くしたP16.40を捨てて、腰からコンバットナイフを引き抜く。グリップを手のひらの上でくるりと回して逆手に持ち替え、素早く体制を立て直す。加速したアランの動作は傍から見ると異様になめらかで、同時に素早い。
(近接装備なのは間違いない、が)
刃のない柄が、アランの警戒心を煽る。間違いなく何かあるとわかってはいたのだが、距離を置いて様子を見るにはあまりにお互いが近すぎ、そしてアランと鴉の行動速度は素早すぎた。もはや離脱も予備拳銃の牽制も間に合わないと踏み、瞬時に腹をくくって、鴉の正面からのくようにサイドステップを踏み込みつつ、逆手のナイフを右手で振るう。
78
:
鴉
:2012/11/23(金) 01:23:06 ID:Bo8fzEnY
>>77
アランの右手のナイフが、素早く鴉に向かってくる
「!」
瞬時に反応した鴉はそれを防ぐ為、左手にある刀身のない剣の柄を振る…
……すると、刀身のなかった筈の柄から刀身が現れ、細身の長剣になる。
そして、その長剣(以下・粛剣)でアランのナイフを受けながら
残りの右手にある粛剣の刀身を出し
無防備なアランの腹部に向けて突きを放つ。
79
:
アラン・J・ロックウェル
:2012/11/23(金) 01:33:27 ID:MwyaMZEc
>>78
(柄から剣が!? しまっ……)
ぎゃりっ、と耳障りな刃鳴りと火花を散らしたナイフはもはや意識の埒外で、突き出された剣先と腹部の距離を推し量る。どうあがいてもガードは間に合わない。ならばと足を踏ん張って、ナイフを振りぬこうとした右手の勢いに上体を任せる。
「ぬぅっ!」
鴉に対して半身にした上体、その腹部を刃が掠め、シャツと腹部を幾分切り裂く。腹を氷で撫でられるような寒気に身震いするより前にこれ以上の近接は危険と判じた本能が、次の攻撃が来る前にバックステップへと移行していた。
(加速は限界……次は身体強化で対応するしかない)
「TimeCircuit-OFF、reinforce!」
もう一度、きぃんと大気が鳴る。加速を切って身体強化へ切り替えたアランはしかし、息をつく前に、体内を絞られる痛みにふらりとよろめく。加速の代償、時空のよじれ。脂汗の浮かぶ手でナイフを鴉へ投げ、拳銃と新たなナイフを引き抜く。
80
:
鴉
:2012/11/23(金) 01:50:09 ID:Bo8fzEnY
>>79
「っ!…浅いか」
アランの腹部を掠めた長剣を見て呟き、更に攻撃に転じようとした所で
アランにバックステップを許してしまう。
「くっ!」
逃がす訳には行かないと、また距離を詰めようとした所で
物凄い速度で、鴉に向けてナイフが飛んでくる
「つっ⁉」(速い!)
即座に回避したかに思えたが、ナイフは鴉の頬を深く抉る。
鴉の頬から血が滴り落ち、痛みが走る。
鴉は、このまま攻めるのは危険と判断し
粛剣を構えたまま一度バックステップをする。
81
:
アラン・J・ロックウェル
:2012/11/23(金) 01:57:14 ID:MwyaMZEc
(距離はとれた……これは幸い、か)
体内が絞られる激痛が徐々に引いていき、強化を受けた肉体が体制を整える。右手にかまえた2挺目のP16.40を、ナイフを握った左手を添えてしっかり構えなおす。
(しかし……これで向こうも体勢を立て直せる。次か、その次のやりあいが限界か)
目立った損害はないが、時間加速の代償はやはり痛い。自殺覚悟ならあと1度は行けるだろうが、勝つならもう封じる以外ないわけで、そっと深呼吸してサイトをしっかり覗き込んでおく。
「…………ふぅ」
さて、どう来るか。身構えて、次手を待つ。
82
:
鴉
:2012/11/23(金) 02:10:55 ID:Bo8fzEnY
>>81
(勿体無いが…)
鴉は、更に2本の粛剣を取り出す
そして両腕を強化し、両手に2本づつ粛剣を構え
「うらぁ!」
アランに向けて思い切り投げつける。
更に懐から1本の粛剣を取り出し、左手に構える…
「ふっ!」
その後、予め強化していた脚でアランに突っ込む
83
:
アラン・J・ロックウェル
:2012/11/23(金) 02:16:46 ID:MwyaMZEc
>>82
(きたっ!)
予期通りの攻撃。こちらの射撃の脅威を減らすには向こうも遠距離攻撃をするしかない。となれば投擲物だろう、と呼んでいたがしっかりあたってくれてことに安堵しつつ、4本の剣のうち、右の2本へ弾丸を撒く。もとより拳銃でけりがつくとは思っていない。狙いを定めたらあとは運任せに乱射し、一弾倉丸々撃ち尽くして2本を叩き落とす。
(これで挟撃を排除し、退路を確保。そして、ここからが勝負)
弾倉を排出し、片側がクリアになった剣の軌道から横っ飛びにどいて、迫る鴉に正面から相対する。
84
:
鴉
:2012/11/23(金) 02:23:12 ID:Bo8fzEnY
>>83
叩き落された粛剣を見て、鴉の表情が歪む
「なっ⁉」
ギリッと奥歯を噛み締め、強化した脚で
相対しているアランに向かいながら左手の粛剣の刀身を出し、アランに斬りかかる。
ちゃっかり粛剣を持つ左腕を強化しながら…
85
:
アラン・J・ロックウェル
:2012/11/23(金) 02:29:20 ID:MwyaMZEc
>>84
斬りかかってきた鴉をまえにしっかり踏ん張り、振り下ろされる剣をナイフで迎えうつ。ぐんっと強く押し込まれたのは鴉の身体強化のせいで、たたらを踏んで後手に回ってしまう。
ぎっと奥歯をかみしめ、しっかり踏ん張りる。押し切られれば後はない。ただ切り刻まれるだけだろうとわかっているからこそ、ここで押し返さねばならなかった。
「くたばれ……」
片手で握った拳銃を自分の腰に引き寄せ、鴉めがけてでたらめにばらまく。
86
:
鴉
:2012/11/23(金) 02:41:43 ID:Bo8fzEnY
>>85
数発の弾丸が、防御体制に入っていなかった
鴉の左肩や腹部に命中する。
「ぐっ!」
…しかし鴉は止まらずに、粛剣でアランのナイフを弾き、アランを仰け反らせ
右腕を構えアランの腹部に放とうとする
アランに放とうとしているその右腕は《禍々しいオーラ》を放ち、物凄い速度でアランに襲いかかる。
87
:
アラン・J・ロックウェル
:2012/11/23(金) 02:57:59 ID:MwyaMZEc
「reinforce!」
再度強化の符号を叫ぶ。魔力を通すは拳銃を握る右手と防弾服、そして腹部周りの筋肉。鴉の『禍々しい』腕が腹部に肉薄し、ぶち当たればどうなるか。異能を宿しているであろう一撃をもろに受けるつもりもなく、申し訳程度の防御態勢を整えたアランは、鴉のこぶしと自身の体の間に強化を重ねた右手を挟み込む。
めきり……みしっ
筋肉と骨がきしみ、ガードに使った腕が奇妙にゆがむ。殺しきれない衝撃が内臓を伝播して体内を突き抜け、アランの体が大きく震える。
「…………かはっ」
88
:
鴉
:2012/11/23(金) 03:07:19 ID:Bo8fzEnY
>>87
鴉の必殺の切り札である《禍々しい腕》の攻撃に、アランが耐えたことに驚愕する。
「っ⁉」(何⁉殺り損ねっ)
そう思考すると同時に、鴉が突然吐血する。
「ごぶっ⁉」
「ぐぅ!!」吐血後、身体中から血が噴き出し、鴉の表情が苦痛に歪む。
これがこの技の…この威力の代償である。
しかし、吐血や出血を繰り返そうが、鴉の眼は死んではいない。
89
:
アラン・J・ロックウェル
:2012/11/23(金) 03:11:59 ID:MwyaMZEc
防弾装衣に組み込んでいた防御呪式の耐笑劇面が命を救った。意外に役に立つじゃないか、と笑んではみるものの、口の端から血が滴るとあってはもはや余裕などなく、殴りつけられた腕の骨が粉砕し、内臓器官のいくつかが停止している事実に眉をひそめる。
(意外に痛いな)
半ば他人事じみた被害評価を下し、生き残った左手でナイフを構えなおす。ふらり、ふらりと揺れながらも、鴉へ踏み出してナイフを振るう。
90
:
鴉
:2012/11/23(金) 03:17:31 ID:Bo8fzEnY
>>89
自身の技で満身創痍になった鴉は
眼が虚ろになりながらもアランに殴りにかかる、そのパンチはフラフラで先程までの威力の面影はない。
「がっ⁉」
こんな状態で防御体制に入れる訳もなく、
ナイフを胸に貰ってしまう。
が傷を気にする様子もなく、鴉は諦めずアランに蹴りを入れようとする。
91
:
アラン・J・ロックウェル
:2012/11/23(金) 03:24:56 ID:MwyaMZEc
「ぐぅっ!」
こぶしを受けたのとは別方向をけりへの供物へ差し出し、鴉の胸に刺さったナイフをさらに押し込む。生々しい肉の感触、その抵抗を刃先で切り分け、ぐいとひねりあげてやる。
すでにその姿に余裕はない。にじんだ脂汗と唇の端から垂れた血がぱたぱたと地面に滴り、腹部と腕の傷も紫に変色し始めている・
92
:
鴉
:2012/11/23(金) 03:29:16 ID:Bo8fzEnY
>>91
「ぐぅ」
刺さったナイフで胸を抉られ、鴉は虚ろな眼で表情を歪ませる。
それでも…アランの顎に拳を叩き込む、フラフラでもう力が出ているかどうかもわからない拳を…
93
:
アラン・J・ロックウェル
:2012/11/23(金) 03:34:59 ID:MwyaMZEc
「……ってぇ」
顎を殴られて体がのけぞる。それなりに痛いし頭に響いたけど、倒れる前にけりをつけないといけないから
ぼやける目を鴉へ向け、アランは握ったナイフを思い切りひねり、鴉の胸から引き抜く
94
:
鴉
:2012/11/23(金) 03:38:48 ID:Bo8fzEnY
>>93
ナイフを引き抜かれた瞬間、鴉の身体が痙攣し、無抵抗のままその場に倒れる。
倒れた瞬間、辺りに血が飛び散り床は血塗れになる。
倒れた鴉が起き上がる気配はない
完全に力を使い果たしたようすだ。
95
:
アラン・J・ロックウェル【治安機関職員】E:SW1911PD 、 SIG P210
:2012/11/23(金) 03:40:59 ID:MwyaMZEc
>>94
「……やった……か……?」
倒れこんだ鴉に近寄ろうとして足元がくずれ、折り重なるように倒れこむ
限界を迎えた身体が意識を手放した
/おつかれー
96
:
鴉
:2012/11/23(金) 03:41:27 ID:Bo8fzEnY
>>95
/お疲れ様でした〜♪
97
:
三門 陽 チンピラ高校生 装備:メリケン×2
:2012/11/30(金) 13:21:26 ID:T8QAEjlQ
「ひゃー、ここが模擬戦施設かよ、でけーなおい」
素直に驚いたような声を周囲に響かせるのは、背丈の高い細身の青年だ。
着崩した学生服に、脱色し過ぎて白に近いほどの金髪オールバック。
しかしながら、顔立ちは案外気さくそうで、そしてバカっぽそうでもあった。
「んー、とりあえず走ってみる、か?」
広いところで全力で走ってみたい。
そんな欲求が不意に湧き、青年は両手をぱん、と叩く。
いつの間にか現れていた二枚のシールを足に貼り付けると、三門は一歩を踏み出し、砂埃を残して消えた。
「ひぃぃいひゃっはぁ――!」
砂埃の軌跡が、三門の移動の軌道を堂々と晒し、周囲はもうもうと砂埃が舞い上がっていた。
数秒後、きぃ、とブレーキ音を響かせるも、普通のスニーカーではグリップが効かず、ドリフトをする形で停止しているのであった。
98
:
さくやはおたのしみでしたね
:2012/11/30(金) 13:27:11 ID:Iu/A6zvY
>>97
「さて、初めての模擬戦だねえ」
そこに居たのは紫のショートヘアに、黒い眼をしているみすぼらしい格好の女だ。帽子は被っていない。
髪を染めて黒いコンタクトレンズをはめている。普段帽子を被っているため、逆に顔を公開したほうがいいと踏んだ。
「アタシはさあ、今から寒気がとまらないんだ。なんたって『最弱』だからねえ」
不気味にヒヒヒヒヒと笑う。サクヤだと隠す気があるのか、無いのやら。
「最弱なんだからさあ、どんな手段を使っても勝とうとするわけだ。負けるけどねえ」
「――――そこで走り回ってるアンタは、どう思うのかい?」
元気だなあと眼を細めて、青年を暖かく見守った。
99
:
三門 陽 チンピラ高校生 装備:メリケン×2
:2012/11/30(金) 13:33:14 ID:T8QAEjlQ
>>98
「あー、姉ちゃん、俺の相手かい?」
へらり、と人懐っこい笑みを浮かべて、脳天気に相手に問いかける。
そして、どう思うのか、そんな問いを受けて、青年は僅かに思考。
「勝つとかよりも、俺ァ俺の意地を通すだけだわなあ。勝てれば越したこたねえけど。
泥に塗れても、卑怯って罵られようと、どんなに格好悪くてもよ。
最後まで意地とかプライド折んなかった奴が、一番格好いいだろ、なあ?」
学生服のスラックスから、二つのメリケンを取り出して。
くるりと回し拳に装着すると、青年はかつん、と金属部分を打ち合わせる。
この青年にとって、大切な事は試合に勝つことではなく、勝負に勝つ事だ。
そして、青年にとっての勝利の意味は、己の意思を曲げないこと、それに尽きる。
そのシンプルな思考、シンプルな生き方だからこそ、バカに見えるかもしれないが、この青年のあり方は力強いだろう。
100
:
???(サクヤ)
:2012/11/30(金) 13:42:22 ID:Iu/A6zvY
>>99
「そうだね。アタシがアンタの相手みたいだ。一般人に期待しないでくれよ」
こちらも人懐っこいが不気味な笑み。傍から見れば微笑ましいかもしれない。
「もちろんさ。最後まで諦めない姿勢は大事だと思うよ。
こちらにとっては死ねば意味はないけれど、その考え方自体は嫌いじゃない」
サクヤはゴム弾を使っていなかった。ただでさえ攻撃力に欠けるサクヤは、相手を殺すことでしか無力化できない。
ここは戦場。殺すか殺されるか。サクヤにとってはそれだけだった。
青年の様子にサクヤも構える。両腕をだらんとして、一見したら無防備に見えるだろう。
しかし足はいつでも動けるように化勁をし、対極針を取り出して一瞬で投げるためにわざと緩ませているだけ。
―――後の先を取るのが、サクヤの戦い方だった。
101
:
三門 陽 チンピラ高校生 装備:メリケン×2
:2012/11/30(金) 13:49:59 ID:T8QAEjlQ
>>100
「――っし、行かせてもらうぜ、姉ちゃん」
に、といい笑顔を浮かべつつ、青年はその場でしゃがみ込む。
その手には、手のひら大の小石が握られている。
日本には古来から印地と呼ばれる投擲の殺傷の技法が有るように、小石ですら武器になる。
ましてや、この青年は能力者だ。小石といえど油断できる物ではない。
「……ピッチャー、第一球、投げましたァ!」
腕を振り上げ、振りぬけば青年の手の元でばしゅう、と高い音が響き渡る。
相手に向かって一直線に迫っていく、小石。
速度で言えば、プロ野球選手のストレート並には出ているだろうか。
その速度は、落ちるどころか相手に近づいていく中でより加速していく。
普通の投擲とは違う軌道、違う加速によって迫る石は投擲を武器にする相手にとってはどう映っただろうか。
石の狙いは腹部。しかし、それは牽制とばかりに青年はその場で手をぱん、と叩いてクラウチングスタートの体勢に入ろうとしていた。
102
:
???(サクヤ)
:2012/11/30(金) 14:05:28 ID:Iu/A6zvY
>>101
「お好きなように」
油断無く相手を見やる。相手の戦力は未知数。分かっているのは高速で移動できること、方向転換がうまくできないこと。
相手が小石を拾うが、舐めて掛かったりはしない。
物体の投擲は時に拳銃を凌駕することを、サクヤは経験として知っていた。能力者なら尚更だ。
賢い上に優しい、素敵な馬鹿だという思考はさておいてサクヤは小石を振りぬく前に動いていた。
速度が分からない攻撃は、速度が発揮される前に直線上から離れるのがベター。
右に軽く跳躍し、無駄の無い動きで回避しようとするが、石は不規則な軌道だった。
咄嗟に跳躍の勢いを利用し、右足で着地して右に一回転。腹部への攻撃からは逃れた。
基本的に投擲は、一時的に動きを止めるか体勢を崩すことが目的だ。
追加攻撃、距離を離す、撤退。様々な使用法がある。
――――まだ序盤。この場合は、追加攻撃か?
左手と右手が、回転しながら同時にポケットの中にもぐりこんだ。
――――来る!
103
:
三門 陽 チンピラ高校生 装備:メリケン×2
:2012/11/30(金) 14:27:39 ID:T8QAEjlQ
>>102
「……ッ、し」
だぁん。
地面を強く叩く音と同時に、三門は姿を消す。
相手の正面から一直線に迫り来る速度は、先程より幾分か遅い。
どうやら、自分で制御できうる最高速度に速度を制限して、相手に接近していくようだ。
彼我の距離はおおよそ10m。
三門の速度を持ってすればその距離を詰めるのは、0.5秒程度だろう。
拳を振り上げ、サクヤの顔面に対して拳を振るおうとする、青年。
その動作は、日々の喧嘩で慣れているのか、大ぶりながらも力を感じさせる構え。
しかし、相手に比べれば練度は当然低く、速度は速いながらも、隙は決して無いわけではなかった。
104
:
???(サクヤ)
:2012/11/30(金) 14:42:38 ID:Iu/A6zvY
>>103
サクヤが回転という方法を取ったのは、二つの理由があった。
一つは不規則な軌道の攻撃には、単純に面積を小さくする方が回避しやすいと踏んだため。
―――――もう一つは、左手で引き抜いて投擲する太極針の威力を上げるためだった。
一瞬で一本太極針を引き抜いた左手が、右回転によって威力と速度を増す。
さっきの青年が見せた振りかぶりを、サクヤは回避と同時に行った。
そのままの勢いで、針を加速した相手に投擲する。もとより15〜18cmのステンレス製の針、脳髄を貫く威力。それがさらに加算されて青年に迫った。
同時に右手で3本太極針を引き抜いて指に挟み込み、攻撃に備える。
右手で振りかぶれば右側が、左手で引き抜けば左側に一瞬の隙ができる。
サクヤにとっては、その一瞬在れば対応は不可能ではなかった。
姿勢を低くして、相手の振りかぶりと同時に振りかぶった懐に飛び込む。
相手の視界から外れたサクヤは、右手で胴体を突き刺しにかかった。
105
:
三門 陽 チンピラ高校生 装備:メリケン×2
:2012/11/30(金) 14:50:49 ID:T8QAEjlQ
>>104
「――や、っべ」
己に迫る、針。
それを前に青年は、動作を止めることを選択しなかった。
加速の力を横に叩きこむと同時に、上半身からも力をブーストし、姿勢制御。
振り子の様におおよそ人類ができうる動きではない動作で、針の直撃を回避し、接近。
耳に針が掠り、一部がちぎれて激痛が襲うも、青年は相手が視界を低くしているのを認識していた。
強い、素直にそう思う。ちょっと能力持って、近所の不良どもをブチのめしている時の感覚とは全く異なるそれ。
「い、ま、必要、なのは――ッ、加速ッ!」
青年は、己に飛び込んでくる相手を前に迷いなく加速を選択した。
懐にサクヤが飛び込んだ時点で、そこには青年は居ない。
直後、サクヤの背後からどごん、という轟音が響き、ぱん、と手を叩く音が続く。
後ろを振り向けば、そこには三門が立っていた。
異様な加速によって内臓に負担がかかり、青い顔をしているものの、相手の攻撃を回避し、構えを取り直していた。
ぱちん、と指を鳴らせば砕け散った壁面の瓦礫達が急激に加速し始める。
「悪ィな、どうもアンタと近くで闘うのは不利っぽい」
十数個の瓦礫が、砕け散りぶつかり合いながら横に広がって飛翔する。
各瓦礫の隙間は狭く、全部を当てるのではなく、一つだけでも当てる事を目的としていた。
106
:
???(サクヤ)
:2012/11/30(金) 15:11:29 ID:Iu/A6zvY
>>105
サクヤは手の鳴る音と共に振り向いた。
「アンタ強いねえ。能力に頼りきりの能力者なら、ここで終わってる」
右手の針が目標に当たらない。そう簡単に行くとは元より思っていなかった。
ここで加速する相手の度胸。並大抵の物ではないだろう。喧嘩慣れ――と言うより、戦いのセンスがあるとサクヤは思った。
瓦礫を作った相手に対して、先ほど投擲して空いている左手から取り出すのは、破片手榴弾。
ピンを抜くと同時に相手の背後に投げる。今は多少瓦礫が当たったとしても、攻撃をして相手を負傷させなければいずれこちらがやられると踏んだ。
太極針は貫通力に優れるが破壊力はそれほどない。
銃を引き抜く暇も無い。
サクヤは前を向いたまま左後ろに走る。
後退すれば、瓦礫が攻撃する必要のある面積は増える。
隙間があれば、多少の負傷は無視して切り抜けるつもりだ。
破片手榴弾の大きな爆風と破片でコントロールが狂う操作型ならば、もっと避けやすい。
体に瓦礫の一部が当たり、傷ついていくのを無視して左手でPx4 Stormを引き抜いた。
さて、この考えは吉と出るか、凶と出るか。
結果的に遠距離戦に持ち込まれるという相手の思惑通りとなった訳だ。
107
:
三門 陽 チンピラ高校生 装備:メリケン×2
:2012/11/30(金) 15:25:14 ID:T8QAEjlQ
>>106
「――ッ、アレは、なんか漫画で見たことあんぞ!?」
自分の背後に投げ込まれた、破片手榴弾。
それは、青年であっても、映画や漫画で見たことのあるもの。
映画では格好良く蹴り返していたが、そんな事をできると自惚れられる程幸せな頭を青年はしていない。
大きく手を開いて、高い音を立てて手を鳴らす。
手のひらから生まれでたのは、大量の星型のシール。
それを全身に満遍なく張り付けると、青年の姿はまた消える。
しかし、爆風の起きた時点で破片は食らっていたようで、血霧をその場に残していた。
傷口には既にシールが貼り付けられているのか、青年の動作に血の痕跡は残されない。
そして、瞬間。サクヤの周囲でずざざ、と何かが地面をこする音が響くと同時に、サクヤを囲むように大量の土煙が舞い上がる。
視界を覆い隠し、相手の投擲や銃器などの狙いをつかなくするのが目的だろう。
速度を高める以外には使いようの無い能力、それがこの青年のそれ。
そして、足を踏み込んでも直ぐには止められず、土煙を巻き上げて居場所を教えてしまう。
だが、自由な発想によって、それを生かして地面を摺り足で動く事で煙幕で周囲を満たすという思考が生まれたのである。
……煙幕の向こう、現在のサクヤの右では壁に背を預け、静かに深呼吸をする青年の姿があった。
右脇腹からは血が滲み、左耳も裂けており、ぽたりぽたりと断続的に血を零していた。
負傷は慣れっこで、ヤッパを出す相手がいても、これだけの負傷はいまだかつて、無い。
だからこそ、全力を出せる。自分の限界の先が、ある気がして。そこに相手がたどり着かせてくれるような、予感がしていた。
サクヤの周囲には、移動しながらばら撒いた、シールを貼りつけた小石が地面に数十個埋められている。
当然、青年の前にも、幾つか埋められていた。
相手の様子を読み、何時撃つかの機を、青年は待ち続けていた。
108
:
さくやはおたのしみでしたね
:2012/11/30(金) 15:38:30 ID:Iu/A6zvY
>>107
一面土煙。隙をついて瓦礫が襲ってくるかもしれない。無能力者の自分にとっては万事休す、と言った所か。
――――こんな時、師匠ならどうするのだろうか。
ゆっくりと眼を瞑るとサクヤは無表情、無感情になる。
全ての感覚に敏感になり痛みが増すが、それはどこか遠い所で起こっているようにサクヤは感じた。
自分の意思のまま、何にも縛られずに行動できる。静かで在りながらどことなく感じられる激しさ。
これは太極拳の極みなのだろうかと思考のどこかでぼんやり思った。
サクヤは眼をつぶって自分から土煙の中に飛び込んだ。
右手には三本の太極針、左手には拳銃を持って。
――――今なら、敵が攻撃する瞬間の殺気と言うものが分かる気がする。
109
:
三門 陽 チンピラ高校生 装備:メリケン×2
:2012/11/30(金) 15:42:52 ID:T8QAEjlQ
>>108
「――ぶ、ち、のめ、すッ!」
意思を猛らせ、暴れ狂う意志は行き場を求めて吹き上がる。
その叫びは、無数のシールがその身を燃やして加速を産み、無数の瓦礫による飽和攻撃を開始する合図。
殺気を読むまでもない、そもそも自分の戦意を隠すなどという発想、この青年が思い浮かべるはずは無かった。
四方八方から襲いかかり、土煙にまぎれて相手の体を穿とうとするのは、小石。
小さい小石だが、勢いは十分で当たればかなり痛いであろうそれが、波濤となって襲いかかる。
総勢数十個の石の弾丸。
その石の洗礼を飛び越えねば、青い顔をして壁に背を預ける三門にはたどり着けない。
ふらつく足を地面に張り付かせ、拳を握り締める三門。
初の有効打を、相手に叩きこむことはできるのだろうか。
110
:
さくやはおたのしみでしたね
:2012/11/30(金) 15:56:20 ID:Iu/A6zvY
>>109
「――――殺す」
こちらは無表情、無感情。どこまでも冷静だった。意思を敏感に感じ取ってサクヤは青年の方に走り出す。
いくつもの石が体にめり込むが、其れを無視して青年に走りながら左手の拳銃を殺気の方向にフルオートで乱射。
イタイイタイイタイイタイ―――――でも体はこんなにも動く!
元より痛みには慣れている。
石が腹にめり込み、胸骨にひびを入れ、足に響き動きを鈍らせ、顔面の眼に直撃して左眼が潰れる。
しかしサクヤは走る、走る。17発の銃弾を撃ちつくした拳銃を捨て、今はただ右手の太極針を突き刺すことのみを考えた。
体はボロボロ、しかし執念と相手を殺す意思は固い。
無限のような苦痛を乗り越えて、サクヤは青年に到達した。
111
:
三門 陽 チンピラ高校生 装備:メリケン×2
:2012/11/30(金) 16:12:18 ID:T8QAEjlQ
>>110
「――勝ってやるよ」
撃ちつくされる、17の凶弾。
石の波の隙間を縫った、二発の弾丸を確実に防ぐ術は、三門には無い。
だからこそ、三門は肘につけたシールを点火し、拳を振りぬいた。
出鱈目我武者羅に振り回す腕。
一発はメリケンと衝突し弾き飛ばすも、もう一発が左腕に命中し、二の腕に盲管銃創を作った。
吹き上がる血液、激痛に視界がチカチカと輝き、それを食いしばり嘔吐感と争った。
そして、それの果てに三門は笑った。
豪放な笑い声を、己の戦略をその身で乗り越えた相手への号砲として。
全身に貼り付けられたシールを、もはや止められない程の速度で点火。
小細工はしない。
ただ、全力で加速し、全力で拳を足を振り上げ振り抜き叩きこむだけ。
内臓が掛かるGによって引っ掻き回されて鼻からは鼻血が溢れだした。
「で、ェりァアァアァアァァァァアァァァ――――ッ!!」
前進。肉薄。
拳足は既に自力ではまともに動かせないほどに疲弊していたが、知ったことではない。
自力で動かせなくとも、青年には四肢を動かす術が有る。ならば、何一つ恐れることは無い、何一つ問題はない。
必要なのは、勝つこと。意志を通すこと。そして、通したい意志の道筋には、通れない壁が有る。
ならば、越えればいい。何のための加速だ、何のための拳だ。振るわずしてなにが力か、行使せずにして何が心か。
魂に火がついた。後は燃え尽きるまで燃え上がるだけ。
暴れ牛を乗りこなすなど、つまらない。暴れ牛の尻を叩いて馬鹿笑いする馬鹿であれ。
放つ、拳、足、拳、拳、足、足、拳、拳、足、拳、拳、拳、足、足、足、拳、足、足、拳、拳、拳、拳、足、拳、拳、足、拳、拳、足足足
足、拳拳、拳拳足足足拳、足足足足拳拳拳足足拳拳拳拳足足足足拳拳拳拳拳拳拳足足足拳拳拳拳拳拳拳拳拳足足拳!
血を吐きながら成される連打、乱打、連打連打、乱打、強打、爆打、連打乱打、連打乱打、連打乱打連打乱打連打乱打連打乱打連打乱打連打乱打!!
絶命するか、1秒が経つか。
その何方かの条件を満たさなければ、この攻撃密度は止まらない、止まれない。
最後の衝突が、始まる。
112
:
さくやはおたのしみでしたね
:2012/11/30(金) 16:36:13 ID:Iu/A6zvY
>>111
「この、馬鹿、が。さっさと、くたばれ」
喉にも石が当たり、満身創痍だったため、かたことの話し方になる。
無表情だが、口は笑みの形に浮かんでいた。
サクヤの隠れたバトルジャンキーとしての側面に火が付いた。
無能力?相手が早い?知ったことか。感覚で捕らえればいい。
最後の力を振り絞って全てを受け流して攻撃を当てる!
「――――――!!!」
後退、肉薄。
腕にも足にも石はめり込んでいる。しかしそれでも無理やり動かす。執念だけはある。
殺すために命をかける。負ければ意味が無い。殺す。勝つ!
サクヤの思いはそれだけだ。
無能力者が能力者に勝って何が悪い?最弱が能力者を殺して何が悪い。
払い、後退、右半身、跳躍、左半身、後退、前進、右、左、肩、右、右、右
回避防御回避回避防御回避回避回避防御防御防御防御!
受け流しは終わらない。その間に化勁を練りこみ、連打の間に体の弱点で受け吸収。蓄勁で力を溜め込む。
そして、最後の超高速連打に、初めてサクヤが動く。
一つの拳が、複数の拳に立ち向かった。
――――――アタシに複数の拳を叩き込め。アタシは一撃で決める。
例え体が砕けても相手を殺す、勝つ!
113
:
三門 陽 チンピラ高校生 装備:メリケン×2
:2012/11/30(金) 16:46:36 ID:T8QAEjlQ
>>112
(押しきれるか――、いや押し切る!)
そう決めて、青年はブラックアウトしかける意識を無理やり気合で引き上げ、1秒に自分の総てを詰め込もうとした。
残り0.4秒
拳にかかる負荷で、拳の骨に罅が入り始めた。
とっくのとうに四肢の筋肉はところどころが断裂していたし、倒しても無事とはいえない状態だ。
だが、そんなことは知ったものか。
勝たなきゃ意味は無い、勝てば意味は有る、意地を通せば格好いい、意地を通せないのは格好悪い。
自分が不良をやっている意味を思い出せ、己の意地を気炎に込めろ、込めた気炎を加速に叩き上げろ。
(まだ、俺には――早さが、早さが足りないッ!
もっと、もっともっともっと、速く、一秒なんかじゃない、コンマでいいから速くッ!)
残り0.2秒
視界が、開ける。
向かい風がふと消えて、青年の加速は自己の限界値を超え始めた。
「う、ゥ、お、ァアァアアァアア゛ア゛アァ゛゛ア゛ア゛ア゛ァ゛ァ゛ア゛ア゛ア゛ア゛ァ゛ァ゛ァ゛ッ゛!!」
雄叫ぶ、青年。
雄叫べ、青年。
感情の強い動きこそが、何よりもの力の解放を招くのだから。
残り0.1秒
奇跡の果てに得たのは、さらなる加速。
残された0.1秒に、己の総てを叩きこまんとする。
0.1秒に叩き込まれる、10発の拳、足。
残り0.01秒
最後の一撃は、右拳。
砕けた拳を振りぬいたのは、なにを隠そう青年が馬鹿だから。
届く、か?
114
:
さくやはおたのしみでしたね
:2012/11/30(金) 16:57:50 ID:Iu/A6zvY
>>113
相手はどんどん加速し、どんどん早くなる。
―――受け切れるか?いや、受けきる!
と思いつつもサクヤは、0.2秒の時点で自分の体の限界を悟っていた。
早すぎる。10発の攻撃。これは避けられない、受け流すことはできない。
しかし一撃で倒せば関係ない。
重い一発は、相手に当たるが相手は止まらず、相手の10発の攻撃は自分に当たる。
お互いの意地が同時にぶつかり合った瞬間だった。
相手の右拳によってサクヤは吹き飛ぶ。
―――――立ち上がろうとするも、不可能だった。
相手はどうだろうかと確認する力も残っていない。
115
:
三門 陽 チンピラ高校生 装備:メリケン×2
:2012/11/30(金) 17:03:00 ID:T8QAEjlQ
>>114
「――――か、ハ……ァ」
最後の十発を叩きこむと同時、数mは吹き飛び地面に叩きつけられる三門。
仰向けに倒れこみ、そのまま気絶しかけるも、吐血と激痛で覚醒。
ごす、と腕を無理やり地面に押し付けるも、粉砕した腕で体を支えることなど、出来なかった。
「……強かったぜ、姉ちゃ……ん。
外で会えたら、また喧嘩しよーじゃねぇの」
そう言うと同時に、前進し続けて全身粉々のチンピラは、気絶するのであった。
/乙でした!
116
:
さくやはおたのしみでしたね
:2012/11/30(金) 17:09:02 ID:Iu/A6zvY
>>115
「なんだい、相打ちってやつか。―――悪くないね」
「また喧嘩、しようねえ」
矛盾の矛と盾。相対すれば共に砕ける。
受け流し続けて全身目茶苦茶な賞金首は、そう言うと同時に意識が無くなるのであった。
/乙です!
117
:
テストキャラ 能力は検査スレ【夜闇歩獣】を参照
:2012/11/30(金) 21:32:28 ID:4TgDkxFU
普段様々な力を持つ者達に扱われる模擬戦施設は今宵、静寂に包まれていた。
襲撃され死の気配を漂わす……のでは無く誰も居ないからこその静けさである
かような攻撃を防ぐ為の分厚い門の先を覗いてみれば中には薄闇が満ちていた。
やはり誰も居ない、闘志が満ちた戦士もケラケラ嗤う道化も見守るスタッフすら
風に冬の気配が濃厚に彩られた一日、だからこそスタッフすらも帰っただろう場
だからこそ、そこに其れは出現した。だからこそ、それは其処に現れる事が出来る
初めは広場の中心に湧き出るように広がり始めた粘着質な液体の様な物であった。
時間をかけて其れは広がっていく、ゆっくりと次第にそれは広がり模様を描いた。
円の模様である上空から見れば完璧な円、広場に空いた一点の奈落の様でもあった。
そして次にコポリと液体に波紋が走る、水面が揺れて揺れて水面が押し上げられて
押し上げたそれは
人の手の形をしており、人の腕の形をしており、それは肩、それは頭が、胸が
胴体が、尻が、太腿が、脛が、最後に足が、つまり人がゆっくりと湧き出した。
「…………………………」
奈落より産まれた人、いや既に最初に広がった液体は存在せず、液体が人と成ったか
兎も角、ただ黒色の布で人を象った様な容姿をしたそれはおもむろに立ち上がると
再び全身がコポコポと湧き始め、粘土を捏ねる様に新たな人を形成して行った。
細身の身体であり、薄い唇と薄い頬、一重の瞳である狐の様な容姿をした男だ。
服装は黒色のジーパンと黒色のタートルネック、靴は黒色の動きやすい運動靴
人と成ったそれはパチリと、指を鳴らす、一瞬で全て電灯付きが明かりに包まれた。
酷く地味な男が、人混みに紛れる事があれば直ぐに見失う様な男がそこにいた
118
:
霧崎菖蒲&霧崎菫
:2012/11/30(金) 22:36:24 ID:Y4Z1nAbg
>>117
人気のない閑散とした広場で。
「また知らない場所に飛ばされちゃったわねー」
[……見たところ、何か巨大な施設の中みたいよ、姉さん]
その場の雰囲気とは不釣合いな、二人組みの少女の能天気な声が響き渡る。
「あら、明かりが点いたわね。人影にセンサーが反応した……ってわけじゃないみたいよ、どうやら」
[……何だか、不気味なひと]
光が灯された室内。二人が対峙したのは酷く地味で不気味な雰囲気を放つ男だった。
119
:
テストキャラ 能力は検査スレ【夜闇歩獣】を参照
:2012/11/30(金) 22:44:19 ID:4TgDkxFU
>>118
「……う………あ……」
酷く乾燥したぎょろりとした瞳が二人の姿を捉える、それの口は開くが呻き声のみ
何かを喋ろうとするが、パクパクと声は形にならなくてしばらくそれは続く、
「……こ………ん……に…ち……わ」
そして次第に言葉が生まれる、音色は調律が狂ったピアノの様だが、ちゃんと言葉だ
120
:
とあるロールプレイヤー
:2012/11/30(金) 22:49:26 ID:Y4Z1nAbg
>>119
不気味な人影から発せられた、案外普通な一言に、二人は思わず脱力した。
「こ、こんにちはー」
[……こんにちは]
しかし、警戒だけは怠らず。相手の得体が知れないという事実は、それが人語を発したとしても変わらない。
二人はやや引きつった笑顔で応えつつ、少々後ずさる。
121
:
テストキャラ 能力は検査スレ【夜闇歩獣】を参照
:2012/11/30(金) 22:54:06 ID:4TgDkxFU
>>120
ギチギチとぎこちなく彼は表情を変える
それはよくみれば分かる、逆に言えばよく見なければわからない、笑顔であった
「……わ……た…し……は……アリス……だ…………きみ…の……なは?」
全身から漂う雰囲気に沿わずあくまで彼は交友的であった。親しみを与えようとしていた。
122
:
とあるロールプレイヤー
:2012/11/30(金) 23:05:48 ID:Y4Z1nAbg
>>121
二人は追われる身ということもあって、洞察力という点においてはそれなりに優れた力を持っていると言えるだろう。
相手が発する感情を汲み取ることもそれなりには出来る。敵意がないことも、理解し始めている。
しかしそれでも警戒を解けないのは、二人が追われる身であり、決して油断の出来ない立場に居るせいだ。
「初めまして、アリス。あたしは霧崎菖蒲」
[……私は霧崎菫]
故に、簡単に距離を詰めることは叶わない。仮に親しみを感じても、それを疑わずにはいられないのだ。
123
:
テストキャラ 能力は検査スレ【夜闇歩獣】を参照
:2012/11/30(金) 23:16:28 ID:4TgDkxFU
>>122
「……霧崎……菫……菖蒲……良い名だ……よいなま…えだ」
かくり、かくり、それは紡ぐ、声を編み込み事の葉を作り出す先ほどよりも鮮やかに
産まれたての子鹿が、起き上がり立ち上がり歩き出す様に、自然とそれは人となりて
笑顔は先程よりも柔らかくなっていく、一瞬一瞬でそれは完成へと近づいてゆくのか
「霧崎……の.…お嬢さん…がた………君達は……この時代の……ものか?」
124
:
とあるロールプレイヤー
:2012/11/30(金) 23:22:53 ID:Y4Z1nAbg
>>123
「たぶん違うわね。あたし達はもっと遠い、他の所から来たの」
徐々に変貌していくアリスに対して、二人はやはり警戒せざるを得ない。
彼が異常から正常へと姿を変えても、しかしその行為自体が異常なのだ。
[……そういう貴方は、どこから?]
故に言葉も、意図せずに突き放した言い方になってしまう。
125
:
テストキャラ 能力は検査スレ【夜闇歩獣】を参照
:2012/11/30(金) 23:32:26 ID:4TgDkxFU
>>124
「さぁ……どこ…だろうな」
それは僅かに眉を潜めて困ったような顔をした既にそれが出来るまでに成長した
声には僅かに考え込んだ形跡があった、口調には何かを隠した意図が僅かにあった
「宇宙の果てで……眠りにつく、白痴の…神の夢の中からなのか……」
「熱せられたマグマが……ながれる……それ程の昔から……なのか」
「もしくは……ただ…絶望にとらわれた…愚か者の…力なのか……」
ははは、と乾いた笑い声
「何も…わからない……が……ここにいる…理由は…わかるさ……」
それの指先からはいつの間にかポタリと血が滴り落ちていた
126
:
とあるロールプレイヤー
:2012/11/30(金) 23:37:09 ID:Y4Z1nAbg
>>125
「ふぅん……あたしは難しいことわかんないけどさ」
[……]
困惑するような、同情するような。菖蒲は思わずそんな曖昧な笑みを浮かべて。
「此処に居る理由は、何なの?」
人懐っこい響きを漂わせ、そう問いかける。
127
:
テストキャラ 能力は検査スレ【夜闇歩獣】を参照
:2012/11/30(金) 23:47:59 ID:4TgDkxFU
>>126
「……………それは」
ポタリ、ポタリ、ポタリ、ポタリ────ポタリ
「……戦う為………らしいな」
指から滴る鮮血は次第にその量を増して行き、地面には紅い汚れが染み付いて行く
だが何故かそれは広がる事無く積み重なって行く液体は、次第に手に届く高さになり
それは紅い棒を握り腕を引いた、凛と言う澄んだ音が聞こえる棒は細身の剣であった
「私は、戦ってなにかを探したいらしい……何かを解放したいらしい……」
「その何かの正体はわからない、でもそれは私の大切なもの…どうやらそうらしい」
「これは本能的な…いや、一番の願望なのか…殺す事はない…とおもう、……強制はしない……」
「…………いやなら逃げても…いい…」
128
:
とあるロールプレイヤー
:2012/11/30(金) 23:57:43 ID:Y4Z1nAbg
>>127
「あちゃー……結局こうなるか」
[……姉さん、どうする?]
お互いに敵意はないだろう。しかし、それは相手にとって本能であり、生存のため残された唯一の手段。
仮に二人がそれを拒んだら、他の誰かが代償を支払うことになりかねない。それならば彼女たちの選択は――。
「もちろん、やるしかないでしょ!」
[……言うと思った]
戦う。それ以外に残されてはいない。
すでに覚悟は決まった。一度白い光に包まれて、二人の少女はすでに戦闘態勢に入っている。
129
:
テストキャラ 能力は検査スレ【夜闇歩獣】を参照
:2012/12/01(土) 00:07:45 ID:4TgDkxFU
>>128
─────ダン
「………すまないな……ありがとう」
純白の光波が電灯の明かりを押し退け世界を支配した瞬間にも既に彼は走り出した
されどその動きは鈍重にて三歩目までは歩いたのかと言わんばかりのものにて、
少女達の正面に辿り着いたのは既に光は明け二人の戦闘準備は整った後であった。
「……よろしく……たのむ」
紅い緋い剣が地面を僅かに削り細かい音が嫌に響いた勢いのままに右半身引いた姿勢
振りかぶった状態とも言える、それはポツリと例を述べると右から剣を薙ぎ払った。
目標は並んでいたのだろう二人の腹部、だが動きはまだ鈍く、容易に避けれる程度だ
130
:
とあるロールプレイヤー
:2012/12/01(土) 00:21:41 ID:Y4Z1nAbg
>>129
「そういう礼儀正しい所、結構好きかも」
いつから其処にあったのだろう。アリスが放った一薙ぎを受け止めたのは、微かに発光する棒状の物体。
中央部から先端に向けて徐々に膨らみを帯びたその形状はまさに――。
「でもね、あたし達の場合、始まりの合図はそうじゃないのよ。ねえ、菫?」
[……プレイボール]
野球のバット、そのものだ。
[……強振(フルスイング)]
自身で開始の合図を述べた菫が、両手の平で握ったバットを構えて。
そしてそれをアリスに向けて、思いきり振りぬく。
131
:
テストキャラ 能力は検査スレ【夜闇歩獣】を参照
:2012/12/01(土) 00:32:19 ID:4TgDkxFU
>>130
突然現れたバットにそれは驚いた様に目を開けばほぼ反射的な動きと言っても良いか
前に踏み込んだ足を踏み締めて後方に飛び跳ねるが、僅かにバットの領域から出ずと
僅かに胸元を濃する、僅かだが振りかぶった一撃は重たくそれは僅かに咳き込んだ。
「…………ゴホッッ」
「……重い…一撃だなと…良い武器だ……だが……一人だけ持っていても」
そして、彼は反撃に転じた。再び剣を握り締め構えるのは刺突の構え、細める瞳を
何も持っていないであろう姉妹の片割れ、姉の方に向ければそのまま剣は彼女の足へ
風を斬る
132
:
とあるロールプレイヤー
:2012/12/01(土) 00:51:21 ID:Y4Z1nAbg
>>131
「っとぉ……ポジションチェンジ!」
その言葉に続いて、菖蒲の左手には野球のグローブを模した防具が出現・装着される。
しかし、そのまま防具で刺突を受けることは危険と判断したらしい。
菖蒲は体をアリスに向けたままの状態で大きくバックステップで後ずさる。
[……姉さんに近付かないで。ポジションチェンジ!]
同じように、菫の左手に野球のグローブを模した防具が出現・装着される。
しかし、菖蒲の時と違うのは、そのグローブの中にボールが収められている点だ。
[……牽制球!]
菫はすぐさまそのボールをアリスに向けて投げつける。球速は140km/hほど。
回避姿勢を取った菖蒲への追撃に対する牽制。菖蒲を深追いをしなければ回避するのは難しいことではないはずだ。
133
:
テストキャラ 能力は検査スレ【夜闇歩獣】を参照
:2012/12/01(土) 01:33:16 ID:4TgDkxFU
>>132
「…………ッッ」
接近戦にて全力で迫るボール、されど接近戦だからこそその挙動はよく見えて……
構えた少女の手からは今にも発射為れそうになるボールが有りて乾いた眼は其れを捉え
姉へ伸びていた剣は腕は手首のしなりを利用してしゅっと赤の一筋が間に過ぎった。
乾いた音がなり投げられんとしたボールは剣が変化した緋い鞭により弾かれて、
「……姉への攻撃が…妹よ、君に関しての弱点か」
それはゆっくりと直線上にいる姉へと空いている片手を掌を見せつける様に向けた。
そして次の瞬間、皮膚を突き破り姉の体へ向かうのは先端の尖った細き三本の緋い触手であった。…狙いは首、右手首、足、絡みつかんとす
/遅れてごめんなさいっ
134
:
霧崎菖蒲&霧崎菫
:2012/12/01(土) 01:55:16 ID:Y4Z1nAbg
>>133
[くっ……避けて姉さん!]
「無茶言わないの!」
人間離れした予期せぬ動き。そこから発せられる技はリーチと柔軟性、両面に優れた攻防一体の型。
それら全てを同時に回避するだけの技量は今の菖蒲には無いと言って良いだろう。ならば……。
「真っ向勝負よ!姉を信じなさい!」
ならば、元を断つ。シンプルに、それを使役する術者を叩く。それが菖蒲の出した答え。
「ポジションチェーンジ!」
先ほどの菫と同じく、グローブに収められたボール。菖蒲はそれを力の限り強く握って。
「行くわよ一球入魂!魂の剛速球!」
そして大きく振りかぶって、こちらに手のひらを向けるアリスの元へ、全力でボールを投げ込む。
/大丈夫ですよー。というか、遅いのはむしろ自分の方なので気になさらず
135
:
テストキャラ 能力は検査スレ【夜闇歩獣】を参照
:2012/12/01(土) 01:59:38 ID:4TgDkxFU
>>134
/おっと、絡みつく触手はどうなりましたかい?
136
:
霧崎菖蒲&霧崎菫
:2012/12/01(土) 02:07:08 ID:Y4Z1nAbg
>>135
/書いてなかったですね。申し訳ない
/回避行動はせず、しかし触手が到達して動きが封じられる前に反撃、という具合でお願いしまーす
137
:
とあるロールプレイヤー
:2012/12/01(土) 02:33:15 ID:4TgDkxFU
>>134
轟く叫び、迫る触手を見つめる眼には諦めなくいや更なる闘志をくべる薪となったか
その構えから移行する動作、正面から望むその動作は優雅かつ無駄も無し、極み
「────………こい」
このまま進めばボールが命中し致命傷を浴びるのは必須。されど其れは唇を歪めた
エミだ、笑みだ、嗤みだ、これまでで完璧なる微笑みだ、その理由は更に溢れる血が語る
どぷりと、掌から、ダムが崩壊したように血が溢れ出る
それらは一瞬で形を作り上げるそれは野球のグローブの形をしていた
「……うけとめて……やる、から」 ばしん!!
渾身の力により放たれた魂の宿る剛速球が、血液により作られたグローブに吸い込まれ
まるで火薬を爆発させた様な音がし、それの苦悶の声が零れる、がボールは受け止められ
そして放たれた触手は姉の肌を蹂躙する数ミリ前まで近づいていた。絡みつかれるまで
後一瞬である、もし捕まればピーと言った展開は特にない妹目掛けて投げつけられるだけだ
138
:
霧崎菖蒲&霧崎菫
:2012/12/01(土) 02:45:59 ID:Y4Z1nAbg
>>137
「んなっ!?」
菖蒲の放った渾身の1球は見事に炸裂――ということにはならず。
投球後の彼女には守りの意識など残ってはいない。そのままなすすべも無く触手に捕縛されてしまう。
[……だから避けてって言ったでしょう。いま助けてあげるから大人しく待ってて!]
そんな姉の姿を前にして、菫はやや憤慨したような口調で呟いた。
そして今度は、捕縛された菖蒲に変わって彼女が大きく大胆なフォームで振りかぶり――。
先ほどの菖蒲と同じくボールと投げ込む。
相違点があるとすれば、菖蒲の時よりも球速がやや低下していることくらいだろう。
先ほどは見事にキャッチされてしまったボールだが、今度は球に性質変化を加えてある。
捕球しようとして触れれば、その瞬間にボールが爆破されるだろう。
/触手に捕縛されちゃった……コレカラドウナルノカシラー
139
:
テストキャラ 能力は検査スレ【夜闇歩獣】を参照
:2012/12/01(土) 03:18:23 ID:4TgDkxFU
>>138
姉の躰に触れた三本の触手は先ず相手の行動を封じる為にゆるりと蠢き始めた。
触手が初めの獲物に選んだのは彼女の手首の白くほっそりりとした両手首を締め上げ
彼女の攻撃力を奪い取るだけでは足らず、僅かな躊躇の後に選んだのは右太腿で
足の付け根、際どい部位をぎちりと締めた
そして、二本とも彼女の躰を持ち上げた、両腕は、右足は無理矢理、挙げられる。
即ちサンドバッグの状態に近い、スカートがずれて下着が見えそうなのは気のせいだ
そして、爆発が起こったのはその瞬間であった
「…….………」
ハァァァァアと言う痛みに強引に耐える息が妙に広場の中に木霊しそれは手を見る
瞬間、鞭を手袋状に変化為せたがそれの手は無残な状態であった一部は炭化していた
遅れてきた痛みがそれの躰を走り抜けて、それは連動して三本目の触手を揺らした。
コントロール不能、何処を封じようかと悩んでいた触手は代わりに少女の躰を打つ
打ち始めるだろうべちん鞭のしなる一撃は容易に衣服を破り捨てる程の威力をもつ
「………く、ぅ………おもし………いた……くくくく」
僅かに零れた涙と荒い吐息は確かにダメージが入っている証拠とも言えるだろうか
一度かぶりを降り瞳を妹へ向けたそれはぐちゃぐちゃに鳴った手をそちらへ向けると
一気にそれは弾け、爪や指、骨がついたまま血の触手は妹を目標に加えたのだった
するどき骨や爪がついた触手が、がむしゃらに
/遅れてすまぬ!…あ、このノリのロールが嫌だったら言ってくださいよ?すぐ書き直しますので
140
:
霧崎菖蒲&霧崎菫
:2012/12/01(土) 03:43:45 ID:Y4Z1nAbg
>>139
「ちょっとー!パンツ見えてるってば!パンツ!!」
現在の処遇に対しておもむろに不満の声を上げる菖蒲。その身に迫る触手に対してはやはり為す術もない。
腹部を叩いた鞭が衣服を破り、紅く腫れ上がった臀部とその周辺が露になる。
少女は露骨に顔をしかめて抵抗するも、動きを封じられた状態ではそれも無意味に終わる。
[……言ったはずよ。姉さんに近付くなって]
今の菫の状態を感じ一文字で表現するならば、それは迷うことなく「怒」という字が宛てられることだろう。
彼女は元々、姉の菖蒲に対する依存の度合いがかなり大きい。完全に逆鱗に触れたと思っていいだろう。
元々は具現創造の範疇に属する彼女たちの能力は、感情の爆発で簡単にその外枠を失う。怒りとて、例外ではない。
[……ポジションチェンジ。千本ノック]
瞬間、彼女が具現化したのはバットと、そして数え切れないほど多くのボール。
空中を浮遊するそれらを、菫は超高速の動作でアリスとその触手に向けて打ち込んでいく。
もちろん、自身に接近する触手も例外ではない。姉の菖蒲の身体を除いた空間の全てに分け隔てなく降り注ぐ。
その光景はまさに千本ノックと呼ぶに相応しいだろう。それぞれが個別に意思を持ったボールの群れが襲い掛かる。
/ノリは平気ですよー。ただ、時間が微妙です……
/そしてインフレしそう。まだ模擬戦だと言うのに
141
:
テストキャラ 能力は検査スレ【夜闇歩獣】を参照
:2012/12/01(土) 04:16:16 ID:4TgDkxFU
>>140
「……………そうか、……面白いな」
迫り狂う無数の凶弾には一つ一つに妹が握りしめた其れへの怒りが込められていた
世界は一瞬にして白に染まりて、全てを無にする純白を眼にして要約それは……力を
死を目前とし本来の己と言うものを取り戻す
「─────────鮮血の宴」
そして純白の世界は不純な紅に飲み込まれる
妹へ向かってた触手が一気に弾けて霧の如く空間を占領して行く、緋い侵攻軍は
霧で有りながら壁、白球が触れし瞬間に固定とし鉄の硬さを用いて脅威を弾いていき
連続してまるで篠突く雨の鳴き声の様に重い音がなり響けば地面にボールが降り注ぐ
それは短くとも永劫の時間にも思えた、されど明ける時、紅き霧の中にはそれはいる
「……はぁ….…はぁ….…ま、まだ….…私は….….…いきてる….….…」
全身より血を吹き零すそれ、肩と片足の形に違和感があるのは無理矢理に繋げた後だ
ただ満身創痍と言える、だが生きている、それは緋い霧の中で妹へこう述べた….くかり、嗤って
「君の感情は……面白いな……それ程の姉が大切なのかか( ……ふふ」
前に縦にする様に動かした捉えた姉、嫌に緩慢にその躰を三本の触手にて撫でながら
ときよりびりと音がなるのは軽々と衣服が千切られる音色、テラテラと彼女の躰に後がつき、触手は彼女の全身を撫で続ける
「……助けに来い、姉を。この緋い霧を超えて。わが領土を超えて……」
ぴりぴり、胸の方の布が、スカートが破られはじめた
142
:
テストキャラ 能力は検査スレ【夜闇歩獣】を参照
:2012/12/01(土) 04:17:10 ID:4TgDkxFU
/じかんどーしましょ?このまま夢オチでもよかですし夜改めてでもよかですし
あと、インフレに、ついては…し、死なない様にがんばりますよはい
143
:
霧崎菖蒲&霧崎菫
:2012/12/01(土) 04:43:24 ID:Y4Z1nAbg
>>141
菫が放った打球は、紅き霧に飲まれて潰える。もはやこの状況を打破する術は無いようにも思えたが……。
[……私は姉さんと違って、真っ向勝負が好きなわけじゃないの]
その声はアリスのすぐ隣、菖蒲の元から。
彼女の放った打球は全て目くらまし。元から敵を撃破する意図で放たれた技ではない、いわゆる弾幕。
一瞬でも、相手の注意が惹ければそれで良かった。
[……姉さんと貴方には悪いけど、勝敗に興味はないわ。大事なのは姉さんだけだから]
菖蒲の身体を拘束していた触手は、既に切断されている。そのまま菖蒲を抱えて、菫は駆け出す。
この紅い霧の中であれば別だが、大量の出血で緩慢になった思考と動作では、アリスといえど逃走する姉妹を再び捕らえることは難しいだろう。
「わーん!ばかー!何で逃げるのよ!戦いなさい男らしく!」
[……姉さんが捕まったのが悪いわ。それがなければ真っ向勝負でも何でもしていたけれど]
「ぐぬぬ……あんたって子は」
姉をお姫様だっこで抱えたまま、少女は駆ける。施設内の様々な部屋を抜け、がむしゃらに走り回り。
しかし何時かは出口に辿り着くだろう。少なくとも、アリスに追い付かれるよりは早く……。
/という感じで、今回はここまででお願いします
/最後は無理やり締めてしまってごめんなさい。また機会があれば、今度は本スレでお会いしましょう!
144
:
テストキャラ 能力は検査スレ【夜闇歩獣】を参照
:2012/12/01(土) 04:57:59 ID:4TgDkxFU
>>143
追いつかれる事は無い、これは一夜の奇妙な夢なのだから……
月光と闇が混じる宵の時の幻、何処から夢で何処から現か、全ては儚く溶けて消える
彼女達が出口に辿りていたならばそれは夢の終わり眼を覚ませば黄金色の光が指す朝
誰も居ない寂しい夜では無い、鳥は唄い風は奏で子供が笑う楽しい一日の始まりだ。
でも。もしかしたら覚えてるかもしれない
逃げゆく彼女を見つめていた瞳の事を、闇に産まれた奇妙な怪物の事を….…もしかしたら
/ありがとうございましーた!
145
:
サクヤ
:2012/12/05(水) 21:47:47 ID:Iu/A6zvY
午後の9時30分、お風呂時だろうか。サクヤは、変装せずに模擬戦場にいた。
この相手に、変装する意味はない。この街で完全に自分から正体を明かした友達は、彼方が初めてだった。
そんな相手を模擬戦闘とはいえ傷つけたくないという気持ちもあったが、勝負は本気で掛かるのがサクヤの信条である。
それに、手を抜くのは失礼に値する。この相手の『強さ』は、サクヤがよく知っていた。
もし戦闘力が優れていなくとも、サクヤは手を抜かないだろう。
有体に言えば、サクヤはわくわくしていた。ずっと前からこの模擬戦は楽しみだったのだ。
今はただ、そのままのサクヤとして彼方に相対できることを嬉しく思う。
146
:
彼方(キャスケット帽の少女) -Tarot Master- E:タロットカード一式
:2012/12/05(水) 21:58:43 ID:rB9sjoGU
>>145
「……こんばんは、サクヤ」
向かい側から、彼女の良く知る声がする。
歩いてくるのはキャスケット帽がトレードマークの少女。
何時もと変わらない表情、そして何時もと変わらない服装。何もかもそのままだった。
模擬戦。……初めての戦闘が死合いだったために、戦闘というものの怖さは分かっているつもりだった。
しかしながら、ほんの少しだけ……少女はその戦闘というものに興味を抱く。
少女は知らなかった。自分の家族がほぼ、戦闘のプロだということに。
そしてそれが少女にも、芽生えつつあるのかもしれない。
相手は、友達だ。しかし、手を抜いては此処に来た意味が無い。
自分は全力で友達と戦うために、此処に来たのだから。
適当な距離を取って、少女は軽く深呼吸した。
147
:
サクヤ
:2012/12/05(水) 22:12:56 ID:Iu/A6zvY
>>146
「こんばんは、彼方」
軽く微笑して手を挙げる。
彼方は、いつも不思議な雰囲気を漂わせている少女だ。
いつも思うことだが、彼女の傍に居て話していると不思議と居心地が良い。
自分は、彼方のその雰囲気が大好きだった。
改めて見ると、雰囲気も相俟ってどこか油断できない。
戦闘は慣れていないように見えるも、自分が敗北する可能性がはっきり見える相手だった。
サクヤも深く深呼吸した。手をだらんとさせ、いつでも動ける体勢を取る。
「いつでも来ていいわ」
そもそも先手を取るのは、好きではない。
148
:
彼方(キャスケット帽の少女) -Tarot Master- E:タロットカード一式
:2012/12/05(水) 22:27:21 ID:rB9sjoGU
>>147
彼女の呼びかけに応じるように、少女も軽く手を上げた。
さて、彼女は「どんなの」だろうか。
異能攻撃? 身体強化? 魔術? ……何もわからない。
だったら、とりあえずは相手に手を引き出させることが大事だと素人なりに考える。
あまり大掛かりなのは出したくない。秘密兵器として取っておこう。少女は、一枚カードを取り出した。
彼女も見たことがあるだろう。少女が何時も使っているタロットカードだ。
「じゃあ、その言葉に甘える。……いくよ、サクヤ」
そのカード――剣を持った騎士が描かれたそれ――を突き出し、唱える。
ソードのナイト、その意味は「高速移動」
「 S K I M I " F M 〟」
突き出したカードから、サッカーボールほどの塊が彼女に襲い掛かる。
正体は風の塊。高速移動の名に恥じず、時速は160km程度。
プロ野球選手のストレート並みだが、彼女の身体能力ならば避けることが可能かもしれない。
149
:
サクヤ
:2012/12/05(水) 22:47:13 ID:Iu/A6zvY
>>148
サクヤがいつも先手を取らない理由は、はっきりしている。
拳銃はしっかりした体勢で撃たなければ当たりずらい。しかし集中すれば狙いやすい。
自分の腕で当たりずらさは無くなっているが、多少意識を裂かなければならないことは明白。
初見で使うのは、好ましくない訳だ。軽装で防御の手段がないサクヤなら、尚更である。
かと言って、最初に自分の唯一の範囲攻撃のカード、破片手榴弾を最初に使用するのは好ましくない。
となると最初は待ちの一択。相手の攻撃手段を見ればある程度拳銃に意識を裂く余裕ができて楽になるし―――
相手の攻撃と合わせて一瞬で終わる上に不意を付ける太極針を投擲すれば、回避するのは困難だ。
カードを出し始めた時点で、サクヤは右に跳躍していた。そのまま懐から左手で出した太極針を、彼方の足に投擲する。
偶然にもこのボール攻撃は、以前に自分が模擬戦で戦った能力と酷似していた。
回避している間に、相手の能力に辺りを付ける。
――――恐らく万能型だねえ。
アルカナをモチーフにした能力なら、様々な効果が発揮できるかもしれない。
サクヤは、実はこんな万能型が一番苦手なのだ。相手の弱点を突ける特化型は、自分の距離に持ち込めるサクヤにとっては戦いやすい。
厳しい戦いになりそうだ。さて彼方はこの太極針を、どう対処するのか?
それによってサクヤの動きも変わってくる。
150
:
彼方(キャスケット帽の少女) -Tarot Master- E:タロットカード一式
:2012/12/05(水) 23:03:20 ID:rB9sjoGU
>>149
避けられたと思う前に、彼女が針を投擲する前に、少女は既に新たなカードを出している。
……そもそも、当たるとも思っていなかった。
攻撃した後は、相手の攻撃が来る。少女が出したのは、4つのコインを持った男のカード。
(硬貨の4、その意味は「堅い守り」)
「 P F、 I M I T D 」
その瞬間、突き出したカードから大きなコインが飛び出す。中央に星の描かれたそれは、針を弾いた直後に崩れ去った。
(……針使い……?)
弾いて地に落ちたそれをチラリと見る。鋭そうなそれは頭でも貫通してしまいそうだ。
流石にそれは避けたい少女は、また新たに1枚引き抜く。8本の棒が描かれていた。
(棒の8、その意味は「電気」)
「 W E、 I M I E 」
バチバチと、漫画のような電撃が彼女に向かって直進する。
しかしそこも補正が掛かっているらしく、ギリギリ避けられる速度。当たったとしても、ビリビリと痺れる程度だ。
151
:
サクヤ
:2012/12/05(水) 23:17:38 ID:Iu/A6zvY
>>150
――――うん、やっぱり厳しいねえ。
自分の予想が当たっていたことを悟り、まずいと思う。
相手の電撃攻撃に合わせて、左手から二本目の太極針を投擲。
電気の真ん中を通るように投げ、いくらか吸収される。
吸収された電気を纏って針が彼方に直進した。
電気ほどかわしずらく、厄介な攻撃をサクヤは知らない。
回避するのが困難、一瞬の攻撃。しかし万能型なら、それほど威力は高くないと踏んだのだ。
その予測は当たっており体に電気が奔るが、ショックは吸収されたせいか軽いものだった。
多少痺れながらも右手でPx4 Stormを取り出そうとする。
152
:
彼方(キャスケット帽の少女) -Tarot Master- E:タロットカード一式
:2012/12/05(水) 23:37:47 ID:rB9sjoGU
>>151
針を使って電撃の威力を弱め、さらに針の威力も上げる……
少女がそう分析したのは、針が少女の腕を掠め、切り裂いた後だった。
一瞬の痛みと自分の放った電撃の一部が少女の体を襲う。
少し顔を歪めるが、膝をつく程度ではない。まだ行ける。
彼女の方向を確りと見て、――そこで何かを取り出そうとする仕草に気付き、――カードを抜き出す。
巨大な手が1本の棒を握っているそのカードには、こんな意味もあった。
(棒のA、その意味は「爆発」)
「W A、 I M I E っ!」
そう唱えてから、裂かれていない右手で手裏剣のようにカードを投げ飛ばした。
意外とその速度は速い。そしてそれは彼女のすぐ手前で地に刺さり、1秒に満たない時間でカードを中心に半径3mの魔法陣が描かれる。
……刹那、その魔法陣の内側が激しく爆発する。膨大な熱エネルギー。陣の外にもそれが伝わるだろうが、微々たるものだろう。
投げ、そして魔法陣が描かれ、爆発する。僅かだが、ラグは有る。
153
:
サクヤ
:2012/12/06(木) 00:03:11 ID:Iu/A6zvY
>>152
基本的に彼方の攻撃はワンテンポ遅れるというデメリットがあるものの万能のようだ。
その万能というのは、サクヤにとってはかなり不利なことだ。
サクヤは範囲攻撃に対しては弱い。しかも今は電撃で痺れていて全体の動きは鈍い。
彼方に一発発砲した所で相手がカードの効果を発揮させずにカードそのものを投げてくるのを見て、サクヤに悪寒が走る。
慌てて2発ほどカードに発砲しながら後方に跳躍するも、命中しなかった上に遅くて―――
爆発に飲み込まれて吹っ飛ぶ。全身に火傷を負い、内臓のいくつかを損傷した。
サクヤは血を吐き出した。明らかに今までと威力が違う範囲攻撃。
それを回避が困難な攻撃で相手の動きを鈍らせてから行う。
――――恐ろしい。今まで戦ってきた誰よりも戦い方、能力の運用方法が上手すぎる。
定石手段ではある。基本ではある。しかし基本というのは有効だからこそ基本なのだ。
今の少女が戦闘に慣れていないなどと、誰が思うだろうか。
154
:
彼方(キャスケット帽の少女) -Tarot Master- E:タロットカード一式
:2012/12/06(木) 00:23:06 ID:rB9sjoGU
>>153
乾いた発砲音。まだ戦闘慣れしていない少女には、避けることなど出来なかった。
その銃弾は、先ほど針が掠めた少女の左腕を正確に貫き、噴出す血。そして、苦痛に少女の顔が歪む。
しかし、どうやら銃を出させる前に爆発によって後退させる作戦は、別の意味で成功したらしい。
左腕に走る激痛の中、そう考えた。
「……サクヤ、行くよ」
呟き、まだ動く右手でカードを引く。出てきたのは地に落ちた5本の剣を拾い集める男のカード。
突き出し、今までと同じ様に唱えた。
(剣の5、その意味は「破壊」)
「S Fi 、 I M I D 」
追い討ちをかけるように、カードから出てきたのは大きな風の刃だ。全長は縦に2mほどだろうか。
先ほどの風の塊と同じ様に半透明で、見ることは一応出来る。 その外見に反せず、当たれば大きな切り傷と共に吹っ飛ばされるだろう。
だが、先の風の塊のような速度は出ていない。避けようと思えば、避けることも可能だ。
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