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【そんなもの効かぬ!】模擬戦施設@民間開放【これならばどうだ!】

100???(サクヤ):2012/11/30(金) 13:42:22 ID:Iu/A6zvY
>>99
「そうだね。アタシがアンタの相手みたいだ。一般人に期待しないでくれよ」
こちらも人懐っこいが不気味な笑み。傍から見れば微笑ましいかもしれない。

「もちろんさ。最後まで諦めない姿勢は大事だと思うよ。
こちらにとっては死ねば意味はないけれど、その考え方自体は嫌いじゃない」

サクヤはゴム弾を使っていなかった。ただでさえ攻撃力に欠けるサクヤは、相手を殺すことでしか無力化できない。
ここは戦場。殺すか殺されるか。サクヤにとってはそれだけだった。

青年の様子にサクヤも構える。両腕をだらんとして、一見したら無防備に見えるだろう。
しかし足はいつでも動けるように化勁をし、対極針を取り出して一瞬で投げるためにわざと緩ませているだけ。
―――後の先を取るのが、サクヤの戦い方だった。

101三門 陽 チンピラ高校生 装備:メリケン×2:2012/11/30(金) 13:49:59 ID:T8QAEjlQ
>>100
「――っし、行かせてもらうぜ、姉ちゃん」

に、といい笑顔を浮かべつつ、青年はその場でしゃがみ込む。
その手には、手のひら大の小石が握られている。
日本には古来から印地と呼ばれる投擲の殺傷の技法が有るように、小石ですら武器になる。
ましてや、この青年は能力者だ。小石といえど油断できる物ではない。

「……ピッチャー、第一球、投げましたァ!」

腕を振り上げ、振りぬけば青年の手の元でばしゅう、と高い音が響き渡る。
相手に向かって一直線に迫っていく、小石。
速度で言えば、プロ野球選手のストレート並には出ているだろうか。

その速度は、落ちるどころか相手に近づいていく中でより加速していく。
普通の投擲とは違う軌道、違う加速によって迫る石は投擲を武器にする相手にとってはどう映っただろうか。
石の狙いは腹部。しかし、それは牽制とばかりに青年はその場で手をぱん、と叩いてクラウチングスタートの体勢に入ろうとしていた。

102???(サクヤ):2012/11/30(金) 14:05:28 ID:Iu/A6zvY
>>101
「お好きなように」
油断無く相手を見やる。相手の戦力は未知数。分かっているのは高速で移動できること、方向転換がうまくできないこと。
相手が小石を拾うが、舐めて掛かったりはしない。
物体の投擲は時に拳銃を凌駕することを、サクヤは経験として知っていた。能力者なら尚更だ。
賢い上に優しい、素敵な馬鹿だという思考はさておいてサクヤは小石を振りぬく前に動いていた。
速度が分からない攻撃は、速度が発揮される前に直線上から離れるのがベター。
右に軽く跳躍し、無駄の無い動きで回避しようとするが、石は不規則な軌道だった。
咄嗟に跳躍の勢いを利用し、右足で着地して右に一回転。腹部への攻撃からは逃れた。

基本的に投擲は、一時的に動きを止めるか体勢を崩すことが目的だ。
追加攻撃、距離を離す、撤退。様々な使用法がある。
――――まだ序盤。この場合は、追加攻撃か?
左手と右手が、回転しながら同時にポケットの中にもぐりこんだ。
――――来る!

103三門 陽 チンピラ高校生 装備:メリケン×2:2012/11/30(金) 14:27:39 ID:T8QAEjlQ
>>102
「……ッ、し」

だぁん。
地面を強く叩く音と同時に、三門は姿を消す。
相手の正面から一直線に迫り来る速度は、先程より幾分か遅い。
どうやら、自分で制御できうる最高速度に速度を制限して、相手に接近していくようだ。

彼我の距離はおおよそ10m。
三門の速度を持ってすればその距離を詰めるのは、0.5秒程度だろう。
拳を振り上げ、サクヤの顔面に対して拳を振るおうとする、青年。
その動作は、日々の喧嘩で慣れているのか、大ぶりながらも力を感じさせる構え。

しかし、相手に比べれば練度は当然低く、速度は速いながらも、隙は決して無いわけではなかった。

104???(サクヤ):2012/11/30(金) 14:42:38 ID:Iu/A6zvY
>>103
サクヤが回転という方法を取ったのは、二つの理由があった。
一つは不規則な軌道の攻撃には、単純に面積を小さくする方が回避しやすいと踏んだため。

―――――もう一つは、左手で引き抜いて投擲する太極針の威力を上げるためだった。

一瞬で一本太極針を引き抜いた左手が、右回転によって威力と速度を増す。
さっきの青年が見せた振りかぶりを、サクヤは回避と同時に行った。
そのままの勢いで、針を加速した相手に投擲する。もとより15〜18cmのステンレス製の針、脳髄を貫く威力。それがさらに加算されて青年に迫った。
同時に右手で3本太極針を引き抜いて指に挟み込み、攻撃に備える。
右手で振りかぶれば右側が、左手で引き抜けば左側に一瞬の隙ができる。
サクヤにとっては、その一瞬在れば対応は不可能ではなかった。

姿勢を低くして、相手の振りかぶりと同時に振りかぶった懐に飛び込む。
相手の視界から外れたサクヤは、右手で胴体を突き刺しにかかった。

105三門 陽 チンピラ高校生 装備:メリケン×2:2012/11/30(金) 14:50:49 ID:T8QAEjlQ
>>104
「――や、っべ」

己に迫る、針。
それを前に青年は、動作を止めることを選択しなかった。
加速の力を横に叩きこむと同時に、上半身からも力をブーストし、姿勢制御。
振り子の様におおよそ人類ができうる動きではない動作で、針の直撃を回避し、接近。

耳に針が掠り、一部がちぎれて激痛が襲うも、青年は相手が視界を低くしているのを認識していた。
強い、素直にそう思う。ちょっと能力持って、近所の不良どもをブチのめしている時の感覚とは全く異なるそれ。

「い、ま、必要、なのは――ッ、加速ッ!」

青年は、己に飛び込んでくる相手を前に迷いなく加速を選択した。
懐にサクヤが飛び込んだ時点で、そこには青年は居ない。
直後、サクヤの背後からどごん、という轟音が響き、ぱん、と手を叩く音が続く。

後ろを振り向けば、そこには三門が立っていた。
異様な加速によって内臓に負担がかかり、青い顔をしているものの、相手の攻撃を回避し、構えを取り直していた。
ぱちん、と指を鳴らせば砕け散った壁面の瓦礫達が急激に加速し始める。

「悪ィな、どうもアンタと近くで闘うのは不利っぽい」

十数個の瓦礫が、砕け散りぶつかり合いながら横に広がって飛翔する。
各瓦礫の隙間は狭く、全部を当てるのではなく、一つだけでも当てる事を目的としていた。

106???(サクヤ):2012/11/30(金) 15:11:29 ID:Iu/A6zvY
>>105
サクヤは手の鳴る音と共に振り向いた。

「アンタ強いねえ。能力に頼りきりの能力者なら、ここで終わってる」

右手の針が目標に当たらない。そう簡単に行くとは元より思っていなかった。
ここで加速する相手の度胸。並大抵の物ではないだろう。喧嘩慣れ――と言うより、戦いのセンスがあるとサクヤは思った。
瓦礫を作った相手に対して、先ほど投擲して空いている左手から取り出すのは、破片手榴弾。
ピンを抜くと同時に相手の背後に投げる。今は多少瓦礫が当たったとしても、攻撃をして相手を負傷させなければいずれこちらがやられると踏んだ。
太極針は貫通力に優れるが破壊力はそれほどない。
銃を引き抜く暇も無い。

サクヤは前を向いたまま左後ろに走る。

後退すれば、瓦礫が攻撃する必要のある面積は増える。
隙間があれば、多少の負傷は無視して切り抜けるつもりだ。
破片手榴弾の大きな爆風と破片でコントロールが狂う操作型ならば、もっと避けやすい。
体に瓦礫の一部が当たり、傷ついていくのを無視して左手でPx4 Stormを引き抜いた。
さて、この考えは吉と出るか、凶と出るか。
結果的に遠距離戦に持ち込まれるという相手の思惑通りとなった訳だ。

107三門 陽 チンピラ高校生 装備:メリケン×2:2012/11/30(金) 15:25:14 ID:T8QAEjlQ
>>106
「――ッ、アレは、なんか漫画で見たことあんぞ!?」

自分の背後に投げ込まれた、破片手榴弾。
それは、青年であっても、映画や漫画で見たことのあるもの。
映画では格好良く蹴り返していたが、そんな事をできると自惚れられる程幸せな頭を青年はしていない。

大きく手を開いて、高い音を立てて手を鳴らす。
手のひらから生まれでたのは、大量の星型のシール。
それを全身に満遍なく張り付けると、青年の姿はまた消える。

しかし、爆風の起きた時点で破片は食らっていたようで、血霧をその場に残していた。
傷口には既にシールが貼り付けられているのか、青年の動作に血の痕跡は残されない。
そして、瞬間。サクヤの周囲でずざざ、と何かが地面をこする音が響くと同時に、サクヤを囲むように大量の土煙が舞い上がる。
視界を覆い隠し、相手の投擲や銃器などの狙いをつかなくするのが目的だろう。

速度を高める以外には使いようの無い能力、それがこの青年のそれ。
そして、足を踏み込んでも直ぐには止められず、土煙を巻き上げて居場所を教えてしまう。
だが、自由な発想によって、それを生かして地面を摺り足で動く事で煙幕で周囲を満たすという思考が生まれたのである。

……煙幕の向こう、現在のサクヤの右では壁に背を預け、静かに深呼吸をする青年の姿があった。
右脇腹からは血が滲み、左耳も裂けており、ぽたりぽたりと断続的に血を零していた。
負傷は慣れっこで、ヤッパを出す相手がいても、これだけの負傷はいまだかつて、無い。
だからこそ、全力を出せる。自分の限界の先が、ある気がして。そこに相手がたどり着かせてくれるような、予感がしていた。

サクヤの周囲には、移動しながらばら撒いた、シールを貼りつけた小石が地面に数十個埋められている。
当然、青年の前にも、幾つか埋められていた。
相手の様子を読み、何時撃つかの機を、青年は待ち続けていた。

108さくやはおたのしみでしたね:2012/11/30(金) 15:38:30 ID:Iu/A6zvY
>>107
一面土煙。隙をついて瓦礫が襲ってくるかもしれない。無能力者の自分にとっては万事休す、と言った所か。
――――こんな時、師匠ならどうするのだろうか。
ゆっくりと眼を瞑るとサクヤは無表情、無感情になる。
全ての感覚に敏感になり痛みが増すが、それはどこか遠い所で起こっているようにサクヤは感じた。
自分の意思のまま、何にも縛られずに行動できる。静かで在りながらどことなく感じられる激しさ。
これは太極拳の極みなのだろうかと思考のどこかでぼんやり思った。


サクヤは眼をつぶって自分から土煙の中に飛び込んだ。
右手には三本の太極針、左手には拳銃を持って。
――――今なら、敵が攻撃する瞬間の殺気と言うものが分かる気がする。

109三門 陽 チンピラ高校生 装備:メリケン×2:2012/11/30(金) 15:42:52 ID:T8QAEjlQ
>>108
「――ぶ、ち、のめ、すッ!」

意思を猛らせ、暴れ狂う意志は行き場を求めて吹き上がる。
その叫びは、無数のシールがその身を燃やして加速を産み、無数の瓦礫による飽和攻撃を開始する合図。
殺気を読むまでもない、そもそも自分の戦意を隠すなどという発想、この青年が思い浮かべるはずは無かった。

四方八方から襲いかかり、土煙にまぎれて相手の体を穿とうとするのは、小石。
小さい小石だが、勢いは十分で当たればかなり痛いであろうそれが、波濤となって襲いかかる。
総勢数十個の石の弾丸。

その石の洗礼を飛び越えねば、青い顔をして壁に背を預ける三門にはたどり着けない。
ふらつく足を地面に張り付かせ、拳を握り締める三門。
初の有効打を、相手に叩きこむことはできるのだろうか。

110さくやはおたのしみでしたね:2012/11/30(金) 15:56:20 ID:Iu/A6zvY
>>109
「――――殺す」

こちらは無表情、無感情。どこまでも冷静だった。意思を敏感に感じ取ってサクヤは青年の方に走り出す。
いくつもの石が体にめり込むが、其れを無視して青年に走りながら左手の拳銃を殺気の方向にフルオートで乱射。

イタイイタイイタイイタイ―――――でも体はこんなにも動く!
元より痛みには慣れている。
石が腹にめり込み、胸骨にひびを入れ、足に響き動きを鈍らせ、顔面の眼に直撃して左眼が潰れる。
しかしサクヤは走る、走る。17発の銃弾を撃ちつくした拳銃を捨て、今はただ右手の太極針を突き刺すことのみを考えた。
体はボロボロ、しかし執念と相手を殺す意思は固い。
無限のような苦痛を乗り越えて、サクヤは青年に到達した。

111三門 陽 チンピラ高校生 装備:メリケン×2:2012/11/30(金) 16:12:18 ID:T8QAEjlQ
>>110
「――勝ってやるよ」

撃ちつくされる、17の凶弾。
石の波の隙間を縫った、二発の弾丸を確実に防ぐ術は、三門には無い。
だからこそ、三門は肘につけたシールを点火し、拳を振りぬいた。

出鱈目我武者羅に振り回す腕。
一発はメリケンと衝突し弾き飛ばすも、もう一発が左腕に命中し、二の腕に盲管銃創を作った。
吹き上がる血液、激痛に視界がチカチカと輝き、それを食いしばり嘔吐感と争った。

そして、それの果てに三門は笑った。
豪放な笑い声を、己の戦略をその身で乗り越えた相手への号砲として。
全身に貼り付けられたシールを、もはや止められない程の速度で点火。

小細工はしない。
ただ、全力で加速し、全力で拳を足を振り上げ振り抜き叩きこむだけ。
内臓が掛かるGによって引っ掻き回されて鼻からは鼻血が溢れだした。

「で、ェりァアァアァアァァァァアァァァ――――ッ!!」

前進。肉薄。
拳足は既に自力ではまともに動かせないほどに疲弊していたが、知ったことではない。
自力で動かせなくとも、青年には四肢を動かす術が有る。ならば、何一つ恐れることは無い、何一つ問題はない。
必要なのは、勝つこと。意志を通すこと。そして、通したい意志の道筋には、通れない壁が有る。
ならば、越えればいい。何のための加速だ、何のための拳だ。振るわずしてなにが力か、行使せずにして何が心か。

魂に火がついた。後は燃え尽きるまで燃え上がるだけ。
暴れ牛を乗りこなすなど、つまらない。暴れ牛の尻を叩いて馬鹿笑いする馬鹿であれ。

放つ、拳、足、拳、拳、足、足、拳、拳、足、拳、拳、拳、足、足、足、拳、足、足、拳、拳、拳、拳、足、拳、拳、足、拳、拳、足足足
足、拳拳、拳拳足足足拳、足足足足拳拳拳足足拳拳拳拳足足足足拳拳拳拳拳拳拳足足足拳拳拳拳拳拳拳拳拳足足拳!
血を吐きながら成される連打、乱打、連打連打、乱打、強打、爆打、連打乱打、連打乱打、連打乱打連打乱打連打乱打連打乱打連打乱打連打乱打!!

絶命するか、1秒が経つか。
その何方かの条件を満たさなければ、この攻撃密度は止まらない、止まれない。
最後の衝突が、始まる。

112さくやはおたのしみでしたね:2012/11/30(金) 16:36:13 ID:Iu/A6zvY
>>111
「この、馬鹿、が。さっさと、くたばれ」
喉にも石が当たり、満身創痍だったため、かたことの話し方になる。
無表情だが、口は笑みの形に浮かんでいた。
サクヤの隠れたバトルジャンキーとしての側面に火が付いた。
無能力?相手が早い?知ったことか。感覚で捕らえればいい。
最後の力を振り絞って全てを受け流して攻撃を当てる!

「――――――!!!」

後退、肉薄。
腕にも足にも石はめり込んでいる。しかしそれでも無理やり動かす。執念だけはある。
殺すために命をかける。負ければ意味が無い。殺す。勝つ!
サクヤの思いはそれだけだ。

無能力者が能力者に勝って何が悪い?最弱が能力者を殺して何が悪い。

払い、後退、右半身、跳躍、左半身、後退、前進、右、左、肩、右、右、右
回避防御回避回避防御回避回避回避防御防御防御防御!
受け流しは終わらない。その間に化勁を練りこみ、連打の間に体の弱点で受け吸収。蓄勁で力を溜め込む。
そして、最後の超高速連打に、初めてサクヤが動く。
一つの拳が、複数の拳に立ち向かった。


――――――アタシに複数の拳を叩き込め。アタシは一撃で決める。

例え体が砕けても相手を殺す、勝つ!

113三門 陽 チンピラ高校生 装備:メリケン×2:2012/11/30(金) 16:46:36 ID:T8QAEjlQ
>>112
(押しきれるか――、いや押し切る!)

そう決めて、青年はブラックアウトしかける意識を無理やり気合で引き上げ、1秒に自分の総てを詰め込もうとした。

残り0.4秒

拳にかかる負荷で、拳の骨に罅が入り始めた。
とっくのとうに四肢の筋肉はところどころが断裂していたし、倒しても無事とはいえない状態だ。
だが、そんなことは知ったものか。
勝たなきゃ意味は無い、勝てば意味は有る、意地を通せば格好いい、意地を通せないのは格好悪い。
自分が不良をやっている意味を思い出せ、己の意地を気炎に込めろ、込めた気炎を加速に叩き上げろ。

(まだ、俺には――早さが、早さが足りないッ!
 もっと、もっともっともっと、速く、一秒なんかじゃない、コンマでいいから速くッ!)

残り0.2秒

視界が、開ける。
向かい風がふと消えて、青年の加速は自己の限界値を超え始めた。

「う、ゥ、お、ァアァアアァアア゛ア゛アァ゛゛ア゛ア゛ア゛ァ゛ァ゛ア゛ア゛ア゛ア゛ァ゛ァ゛ァ゛ッ゛!!」

雄叫ぶ、青年。
雄叫べ、青年。
感情の強い動きこそが、何よりもの力の解放を招くのだから。

残り0.1秒

奇跡の果てに得たのは、さらなる加速。
残された0.1秒に、己の総てを叩きこまんとする。
0.1秒に叩き込まれる、10発の拳、足。

残り0.01秒

最後の一撃は、右拳。
砕けた拳を振りぬいたのは、なにを隠そう青年が馬鹿だから。

届く、か?

114さくやはおたのしみでしたね:2012/11/30(金) 16:57:50 ID:Iu/A6zvY
>>113
相手はどんどん加速し、どんどん早くなる。
―――受け切れるか?いや、受けきる!


と思いつつもサクヤは、0.2秒の時点で自分の体の限界を悟っていた。
早すぎる。10発の攻撃。これは避けられない、受け流すことはできない。
しかし一撃で倒せば関係ない。
重い一発は、相手に当たるが相手は止まらず、相手の10発の攻撃は自分に当たる。
お互いの意地が同時にぶつかり合った瞬間だった。
相手の右拳によってサクヤは吹き飛ぶ。

―――――立ち上がろうとするも、不可能だった。
相手はどうだろうかと確認する力も残っていない。

115三門 陽 チンピラ高校生 装備:メリケン×2:2012/11/30(金) 17:03:00 ID:T8QAEjlQ
>>114
「――――か、ハ……ァ」

最後の十発を叩きこむと同時、数mは吹き飛び地面に叩きつけられる三門。
仰向けに倒れこみ、そのまま気絶しかけるも、吐血と激痛で覚醒。
ごす、と腕を無理やり地面に押し付けるも、粉砕した腕で体を支えることなど、出来なかった。

「……強かったぜ、姉ちゃ……ん。
 外で会えたら、また喧嘩しよーじゃねぇの」

そう言うと同時に、前進し続けて全身粉々のチンピラは、気絶するのであった。

/乙でした!

116さくやはおたのしみでしたね:2012/11/30(金) 17:09:02 ID:Iu/A6zvY
>>115
「なんだい、相打ちってやつか。―――悪くないね」

「また喧嘩、しようねえ」

矛盾の矛と盾。相対すれば共に砕ける。
受け流し続けて全身目茶苦茶な賞金首は、そう言うと同時に意識が無くなるのであった。

/乙です!

117テストキャラ 能力は検査スレ【夜闇歩獣】を参照:2012/11/30(金) 21:32:28 ID:4TgDkxFU
普段様々な力を持つ者達に扱われる模擬戦施設は今宵、静寂に包まれていた。
襲撃され死の気配を漂わす……のでは無く誰も居ないからこその静けさである
かような攻撃を防ぐ為の分厚い門の先を覗いてみれば中には薄闇が満ちていた。
やはり誰も居ない、闘志が満ちた戦士もケラケラ嗤う道化も見守るスタッフすら
風に冬の気配が濃厚に彩られた一日、だからこそスタッフすらも帰っただろう場

だからこそ、そこに其れは出現した。だからこそ、それは其処に現れる事が出来る

初めは広場の中心に湧き出るように広がり始めた粘着質な液体の様な物であった。
時間をかけて其れは広がっていく、ゆっくりと次第にそれは広がり模様を描いた。
円の模様である上空から見れば完璧な円、広場に空いた一点の奈落の様でもあった。
そして次にコポリと液体に波紋が走る、水面が揺れて揺れて水面が押し上げられて


押し上げたそれは

人の手の形をしており、人の腕の形をしており、それは肩、それは頭が、胸が
胴体が、尻が、太腿が、脛が、最後に足が、つまり人がゆっくりと湧き出した。


「…………………………」


奈落より産まれた人、いや既に最初に広がった液体は存在せず、液体が人と成ったか
兎も角、ただ黒色の布で人を象った様な容姿をしたそれはおもむろに立ち上がると
再び全身がコポコポと湧き始め、粘土を捏ねる様に新たな人を形成して行った。
細身の身体であり、薄い唇と薄い頬、一重の瞳である狐の様な容姿をした男だ。
服装は黒色のジーパンと黒色のタートルネック、靴は黒色の動きやすい運動靴
人と成ったそれはパチリと、指を鳴らす、一瞬で全て電灯付きが明かりに包まれた。


酷く地味な男が、人混みに紛れる事があれば直ぐに見失う様な男がそこにいた

118霧崎菖蒲&霧崎菫:2012/11/30(金) 22:36:24 ID:Y4Z1nAbg
>>117
人気のない閑散とした広場で。

「また知らない場所に飛ばされちゃったわねー」

[……見たところ、何か巨大な施設の中みたいよ、姉さん]

その場の雰囲気とは不釣合いな、二人組みの少女の能天気な声が響き渡る。

「あら、明かりが点いたわね。人影にセンサーが反応した……ってわけじゃないみたいよ、どうやら」

[……何だか、不気味なひと]

光が灯された室内。二人が対峙したのは酷く地味で不気味な雰囲気を放つ男だった。

119テストキャラ 能力は検査スレ【夜闇歩獣】を参照:2012/11/30(金) 22:44:19 ID:4TgDkxFU
>>118

「……う………あ……」

酷く乾燥したぎょろりとした瞳が二人の姿を捉える、それの口は開くが呻き声のみ
何かを喋ろうとするが、パクパクと声は形にならなくてしばらくそれは続く、

「……こ………ん……に…ち……わ」

そして次第に言葉が生まれる、音色は調律が狂ったピアノの様だが、ちゃんと言葉だ

120とあるロールプレイヤー:2012/11/30(金) 22:49:26 ID:Y4Z1nAbg
>>119
不気味な人影から発せられた、案外普通な一言に、二人は思わず脱力した。

「こ、こんにちはー」

[……こんにちは]

しかし、警戒だけは怠らず。相手の得体が知れないという事実は、それが人語を発したとしても変わらない。
二人はやや引きつった笑顔で応えつつ、少々後ずさる。

121テストキャラ 能力は検査スレ【夜闇歩獣】を参照:2012/11/30(金) 22:54:06 ID:4TgDkxFU
>>120

ギチギチとぎこちなく彼は表情を変える
それはよくみれば分かる、逆に言えばよく見なければわからない、笑顔であった

「……わ……た…し……は……アリス……だ…………きみ…の……なは?」

全身から漂う雰囲気に沿わずあくまで彼は交友的であった。親しみを与えようとしていた。

122とあるロールプレイヤー:2012/11/30(金) 23:05:48 ID:Y4Z1nAbg
>>121
二人は追われる身ということもあって、洞察力という点においてはそれなりに優れた力を持っていると言えるだろう。
相手が発する感情を汲み取ることもそれなりには出来る。敵意がないことも、理解し始めている。
しかしそれでも警戒を解けないのは、二人が追われる身であり、決して油断の出来ない立場に居るせいだ。

「初めまして、アリス。あたしは霧崎菖蒲」

[……私は霧崎菫]

故に、簡単に距離を詰めることは叶わない。仮に親しみを感じても、それを疑わずにはいられないのだ。

123テストキャラ 能力は検査スレ【夜闇歩獣】を参照:2012/11/30(金) 23:16:28 ID:4TgDkxFU
>>122

「……霧崎……菫……菖蒲……良い名だ……よいなま…えだ」

かくり、かくり、それは紡ぐ、声を編み込み事の葉を作り出す先ほどよりも鮮やかに
産まれたての子鹿が、起き上がり立ち上がり歩き出す様に、自然とそれは人となりて
笑顔は先程よりも柔らかくなっていく、一瞬一瞬でそれは完成へと近づいてゆくのか

「霧崎……の.…お嬢さん…がた………君達は……この時代の……ものか?」

124とあるロールプレイヤー:2012/11/30(金) 23:22:53 ID:Y4Z1nAbg
>>123
「たぶん違うわね。あたし達はもっと遠い、他の所から来たの」

徐々に変貌していくアリスに対して、二人はやはり警戒せざるを得ない。
彼が異常から正常へと姿を変えても、しかしその行為自体が異常なのだ。

[……そういう貴方は、どこから?]

故に言葉も、意図せずに突き放した言い方になってしまう。

125テストキャラ 能力は検査スレ【夜闇歩獣】を参照:2012/11/30(金) 23:32:26 ID:4TgDkxFU
>>124

「さぁ……どこ…だろうな」

それは僅かに眉を潜めて困ったような顔をした既にそれが出来るまでに成長した
声には僅かに考え込んだ形跡があった、口調には何かを隠した意図が僅かにあった

「宇宙の果てで……眠りにつく、白痴の…神の夢の中からなのか……」

「熱せられたマグマが……ながれる……それ程の昔から……なのか」

「もしくは……ただ…絶望にとらわれた…愚か者の…力なのか……」

ははは、と乾いた笑い声

「何も…わからない……が……ここにいる…理由は…わかるさ……」

それの指先からはいつの間にかポタリと血が滴り落ちていた

126とあるロールプレイヤー:2012/11/30(金) 23:37:09 ID:Y4Z1nAbg
>>125
「ふぅん……あたしは難しいことわかんないけどさ」

[……]

困惑するような、同情するような。菖蒲は思わずそんな曖昧な笑みを浮かべて。

「此処に居る理由は、何なの?」

人懐っこい響きを漂わせ、そう問いかける。

127テストキャラ 能力は検査スレ【夜闇歩獣】を参照:2012/11/30(金) 23:47:59 ID:4TgDkxFU
>>126

「……………それは」

ポタリ、ポタリ、ポタリ、ポタリ────ポタリ

「……戦う為………らしいな」

指から滴る鮮血は次第にその量を増して行き、地面には紅い汚れが染み付いて行く
だが何故かそれは広がる事無く積み重なって行く液体は、次第に手に届く高さになり
それは紅い棒を握り腕を引いた、凛と言う澄んだ音が聞こえる棒は細身の剣であった

「私は、戦ってなにかを探したいらしい……何かを解放したいらしい……」

「その何かの正体はわからない、でもそれは私の大切なもの…どうやらそうらしい」

「これは本能的な…いや、一番の願望なのか…殺す事はない…とおもう、……強制はしない……」


「…………いやなら逃げても…いい…」

128とあるロールプレイヤー:2012/11/30(金) 23:57:43 ID:Y4Z1nAbg
>>127
「あちゃー……結局こうなるか」

[……姉さん、どうする?]

お互いに敵意はないだろう。しかし、それは相手にとって本能であり、生存のため残された唯一の手段。
仮に二人がそれを拒んだら、他の誰かが代償を支払うことになりかねない。それならば彼女たちの選択は――。

「もちろん、やるしかないでしょ!」

[……言うと思った]

戦う。それ以外に残されてはいない。
すでに覚悟は決まった。一度白い光に包まれて、二人の少女はすでに戦闘態勢に入っている。

129テストキャラ 能力は検査スレ【夜闇歩獣】を参照:2012/12/01(土) 00:07:45 ID:4TgDkxFU
>>128

─────ダン

「………すまないな……ありがとう」

純白の光波が電灯の明かりを押し退け世界を支配した瞬間にも既に彼は走り出した
されどその動きは鈍重にて三歩目までは歩いたのかと言わんばかりのものにて、
少女達の正面に辿り着いたのは既に光は明け二人の戦闘準備は整った後であった。


「……よろしく……たのむ」

紅い緋い剣が地面を僅かに削り細かい音が嫌に響いた勢いのままに右半身引いた姿勢
振りかぶった状態とも言える、それはポツリと例を述べると右から剣を薙ぎ払った。
目標は並んでいたのだろう二人の腹部、だが動きはまだ鈍く、容易に避けれる程度だ

130とあるロールプレイヤー:2012/12/01(土) 00:21:41 ID:Y4Z1nAbg
>>129
「そういう礼儀正しい所、結構好きかも」

いつから其処にあったのだろう。アリスが放った一薙ぎを受け止めたのは、微かに発光する棒状の物体。
中央部から先端に向けて徐々に膨らみを帯びたその形状はまさに――。

「でもね、あたし達の場合、始まりの合図はそうじゃないのよ。ねえ、菫?」

[……プレイボール]

野球のバット、そのものだ。

[……強振(フルスイング)]

自身で開始の合図を述べた菫が、両手の平で握ったバットを構えて。
そしてそれをアリスに向けて、思いきり振りぬく。

131テストキャラ 能力は検査スレ【夜闇歩獣】を参照:2012/12/01(土) 00:32:19 ID:4TgDkxFU
>>130

突然現れたバットにそれは驚いた様に目を開けばほぼ反射的な動きと言っても良いか
前に踏み込んだ足を踏み締めて後方に飛び跳ねるが、僅かにバットの領域から出ずと
僅かに胸元を濃する、僅かだが振りかぶった一撃は重たくそれは僅かに咳き込んだ。

「…………ゴホッッ」

「……重い…一撃だなと…良い武器だ……だが……一人だけ持っていても」

そして、彼は反撃に転じた。再び剣を握り締め構えるのは刺突の構え、細める瞳を
何も持っていないであろう姉妹の片割れ、姉の方に向ければそのまま剣は彼女の足へ

風を斬る

132とあるロールプレイヤー:2012/12/01(土) 00:51:21 ID:Y4Z1nAbg
>>131
「っとぉ……ポジションチェンジ!」

その言葉に続いて、菖蒲の左手には野球のグローブを模した防具が出現・装着される。
しかし、そのまま防具で刺突を受けることは危険と判断したらしい。
菖蒲は体をアリスに向けたままの状態で大きくバックステップで後ずさる。

[……姉さんに近付かないで。ポジションチェンジ!]

同じように、菫の左手に野球のグローブを模した防具が出現・装着される。
しかし、菖蒲の時と違うのは、そのグローブの中にボールが収められている点だ。

[……牽制球!]

菫はすぐさまそのボールをアリスに向けて投げつける。球速は140km/hほど。
回避姿勢を取った菖蒲への追撃に対する牽制。菖蒲を深追いをしなければ回避するのは難しいことではないはずだ。

133テストキャラ 能力は検査スレ【夜闇歩獣】を参照:2012/12/01(土) 01:33:16 ID:4TgDkxFU
>>132

「…………ッッ」

接近戦にて全力で迫るボール、されど接近戦だからこそその挙動はよく見えて……
構えた少女の手からは今にも発射為れそうになるボールが有りて乾いた眼は其れを捉え
姉へ伸びていた剣は腕は手首のしなりを利用してしゅっと赤の一筋が間に過ぎった。

乾いた音がなり投げられんとしたボールは剣が変化した緋い鞭により弾かれて、

「……姉への攻撃が…妹よ、君に関しての弱点か」

それはゆっくりと直線上にいる姉へと空いている片手を掌を見せつける様に向けた。
そして次の瞬間、皮膚を突き破り姉の体へ向かうのは先端の尖った細き三本の緋い触手であった。…狙いは首、右手首、足、絡みつかんとす


/遅れてごめんなさいっ

134霧崎菖蒲&霧崎菫:2012/12/01(土) 01:55:16 ID:Y4Z1nAbg
>>133
[くっ……避けて姉さん!]

「無茶言わないの!」

人間離れした予期せぬ動き。そこから発せられる技はリーチと柔軟性、両面に優れた攻防一体の型。
それら全てを同時に回避するだけの技量は今の菖蒲には無いと言って良いだろう。ならば……。

「真っ向勝負よ!姉を信じなさい!」

ならば、元を断つ。シンプルに、それを使役する術者を叩く。それが菖蒲の出した答え。

「ポジションチェーンジ!」

先ほどの菫と同じく、グローブに収められたボール。菖蒲はそれを力の限り強く握って。

「行くわよ一球入魂!魂の剛速球!」

そして大きく振りかぶって、こちらに手のひらを向けるアリスの元へ、全力でボールを投げ込む。

/大丈夫ですよー。というか、遅いのはむしろ自分の方なので気になさらず

135テストキャラ 能力は検査スレ【夜闇歩獣】を参照:2012/12/01(土) 01:59:38 ID:4TgDkxFU
>>134
/おっと、絡みつく触手はどうなりましたかい?

136霧崎菖蒲&霧崎菫:2012/12/01(土) 02:07:08 ID:Y4Z1nAbg
>>135
/書いてなかったですね。申し訳ない
/回避行動はせず、しかし触手が到達して動きが封じられる前に反撃、という具合でお願いしまーす

137とあるロールプレイヤー:2012/12/01(土) 02:33:15 ID:4TgDkxFU
>>134
轟く叫び、迫る触手を見つめる眼には諦めなくいや更なる闘志をくべる薪となったか
その構えから移行する動作、正面から望むその動作は優雅かつ無駄も無し、極み

「────………こい」

このまま進めばボールが命中し致命傷を浴びるのは必須。されど其れは唇を歪めた
エミだ、笑みだ、嗤みだ、これまでで完璧なる微笑みだ、その理由は更に溢れる血が語る

どぷりと、掌から、ダムが崩壊したように血が溢れ出る
それらは一瞬で形を作り上げるそれは野球のグローブの形をしていた

「……うけとめて……やる、から」    ばしん!!

渾身の力により放たれた魂の宿る剛速球が、血液により作られたグローブに吸い込まれ
まるで火薬を爆発させた様な音がし、それの苦悶の声が零れる、がボールは受け止められ

そして放たれた触手は姉の肌を蹂躙する数ミリ前まで近づいていた。絡みつかれるまで
後一瞬である、もし捕まればピーと言った展開は特にない妹目掛けて投げつけられるだけだ

138霧崎菖蒲&霧崎菫:2012/12/01(土) 02:45:59 ID:Y4Z1nAbg
>>137
「んなっ!?」

菖蒲の放った渾身の1球は見事に炸裂――ということにはならず。
投球後の彼女には守りの意識など残ってはいない。そのままなすすべも無く触手に捕縛されてしまう。

[……だから避けてって言ったでしょう。いま助けてあげるから大人しく待ってて!]

そんな姉の姿を前にして、菫はやや憤慨したような口調で呟いた。
そして今度は、捕縛された菖蒲に変わって彼女が大きく大胆なフォームで振りかぶり――。
先ほどの菖蒲と同じくボールと投げ込む。
相違点があるとすれば、菖蒲の時よりも球速がやや低下していることくらいだろう。
先ほどは見事にキャッチされてしまったボールだが、今度は球に性質変化を加えてある。
捕球しようとして触れれば、その瞬間にボールが爆破されるだろう。

/触手に捕縛されちゃった……コレカラドウナルノカシラー

139テストキャラ 能力は検査スレ【夜闇歩獣】を参照:2012/12/01(土) 03:18:23 ID:4TgDkxFU
>>138
姉の躰に触れた三本の触手は先ず相手の行動を封じる為にゆるりと蠢き始めた。
触手が初めの獲物に選んだのは彼女の手首の白くほっそりりとした両手首を締め上げ
彼女の攻撃力を奪い取るだけでは足らず、僅かな躊躇の後に選んだのは右太腿で
足の付け根、際どい部位をぎちりと締めた
そして、二本とも彼女の躰を持ち上げた、両腕は、右足は無理矢理、挙げられる。
即ちサンドバッグの状態に近い、スカートがずれて下着が見えそうなのは気のせいだ

そして、爆発が起こったのはその瞬間であった


「…….………」


ハァァァァアと言う痛みに強引に耐える息が妙に広場の中に木霊しそれは手を見る
瞬間、鞭を手袋状に変化為せたがそれの手は無残な状態であった一部は炭化していた
遅れてきた痛みがそれの躰を走り抜けて、それは連動して三本目の触手を揺らした。
コントロール不能、何処を封じようかと悩んでいた触手は代わりに少女の躰を打つ
打ち始めるだろうべちん鞭のしなる一撃は容易に衣服を破り捨てる程の威力をもつ

「………く、ぅ………おもし………いた……くくくく」

僅かに零れた涙と荒い吐息は確かにダメージが入っている証拠とも言えるだろうか
一度かぶりを降り瞳を妹へ向けたそれはぐちゃぐちゃに鳴った手をそちらへ向けると
一気にそれは弾け、爪や指、骨がついたまま血の触手は妹を目標に加えたのだった


するどき骨や爪がついた触手が、がむしゃらに


/遅れてすまぬ!…あ、このノリのロールが嫌だったら言ってくださいよ?すぐ書き直しますので

140霧崎菖蒲&霧崎菫:2012/12/01(土) 03:43:45 ID:Y4Z1nAbg
>>139
「ちょっとー!パンツ見えてるってば!パンツ!!」

現在の処遇に対しておもむろに不満の声を上げる菖蒲。その身に迫る触手に対してはやはり為す術もない。
腹部を叩いた鞭が衣服を破り、紅く腫れ上がった臀部とその周辺が露になる。
少女は露骨に顔をしかめて抵抗するも、動きを封じられた状態ではそれも無意味に終わる。


[……言ったはずよ。姉さんに近付くなって]

今の菫の状態を感じ一文字で表現するならば、それは迷うことなく「怒」という字が宛てられることだろう。
彼女は元々、姉の菖蒲に対する依存の度合いがかなり大きい。完全に逆鱗に触れたと思っていいだろう。
元々は具現創造の範疇に属する彼女たちの能力は、感情の爆発で簡単にその外枠を失う。怒りとて、例外ではない。

[……ポジションチェンジ。千本ノック]

瞬間、彼女が具現化したのはバットと、そして数え切れないほど多くのボール。
空中を浮遊するそれらを、菫は超高速の動作でアリスとその触手に向けて打ち込んでいく。
もちろん、自身に接近する触手も例外ではない。姉の菖蒲の身体を除いた空間の全てに分け隔てなく降り注ぐ。
その光景はまさに千本ノックと呼ぶに相応しいだろう。それぞれが個別に意思を持ったボールの群れが襲い掛かる。

/ノリは平気ですよー。ただ、時間が微妙です……
/そしてインフレしそう。まだ模擬戦だと言うのに

141テストキャラ 能力は検査スレ【夜闇歩獣】を参照:2012/12/01(土) 04:16:16 ID:4TgDkxFU
>>140

「……………そうか、……面白いな」

迫り狂う無数の凶弾には一つ一つに妹が握りしめた其れへの怒りが込められていた
世界は一瞬にして白に染まりて、全てを無にする純白を眼にして要約それは……力を

死を目前とし本来の己と言うものを取り戻す


「─────────鮮血の宴」


そして純白の世界は不純な紅に飲み込まれる

妹へ向かってた触手が一気に弾けて霧の如く空間を占領して行く、緋い侵攻軍は
霧で有りながら壁、白球が触れし瞬間に固定とし鉄の硬さを用いて脅威を弾いていき
連続してまるで篠突く雨の鳴き声の様に重い音がなり響けば地面にボールが降り注ぐ
それは短くとも永劫の時間にも思えた、されど明ける時、紅き霧の中にはそれはいる

「……はぁ….…はぁ….…ま、まだ….…私は….….…いきてる….….…」

全身より血を吹き零すそれ、肩と片足の形に違和感があるのは無理矢理に繋げた後だ
ただ満身創痍と言える、だが生きている、それは緋い霧の中で妹へこう述べた….くかり、嗤って

「君の感情は……面白いな……それ程の姉が大切なのかか( ……ふふ」

前に縦にする様に動かした捉えた姉、嫌に緩慢にその躰を三本の触手にて撫でながら
ときよりびりと音がなるのは軽々と衣服が千切られる音色、テラテラと彼女の躰に後がつき、触手は彼女の全身を撫で続ける

「……助けに来い、姉を。この緋い霧を超えて。わが領土を超えて……」

ぴりぴり、胸の方の布が、スカートが破られはじめた

142テストキャラ 能力は検査スレ【夜闇歩獣】を参照:2012/12/01(土) 04:17:10 ID:4TgDkxFU
/じかんどーしましょ?このまま夢オチでもよかですし夜改めてでもよかですし
あと、インフレに、ついては…し、死なない様にがんばりますよはい

143霧崎菖蒲&霧崎菫:2012/12/01(土) 04:43:24 ID:Y4Z1nAbg
>>141
菫が放った打球は、紅き霧に飲まれて潰える。もはやこの状況を打破する術は無いようにも思えたが……。

[……私は姉さんと違って、真っ向勝負が好きなわけじゃないの]

その声はアリスのすぐ隣、菖蒲の元から。
彼女の放った打球は全て目くらまし。元から敵を撃破する意図で放たれた技ではない、いわゆる弾幕。
一瞬でも、相手の注意が惹ければそれで良かった。

[……姉さんと貴方には悪いけど、勝敗に興味はないわ。大事なのは姉さんだけだから]

菖蒲の身体を拘束していた触手は、既に切断されている。そのまま菖蒲を抱えて、菫は駆け出す。
この紅い霧の中であれば別だが、大量の出血で緩慢になった思考と動作では、アリスといえど逃走する姉妹を再び捕らえることは難しいだろう。

「わーん!ばかー!何で逃げるのよ!戦いなさい男らしく!」

[……姉さんが捕まったのが悪いわ。それがなければ真っ向勝負でも何でもしていたけれど]

「ぐぬぬ……あんたって子は」

姉をお姫様だっこで抱えたまま、少女は駆ける。施設内の様々な部屋を抜け、がむしゃらに走り回り。
しかし何時かは出口に辿り着くだろう。少なくとも、アリスに追い付かれるよりは早く……。

/という感じで、今回はここまででお願いします
/最後は無理やり締めてしまってごめんなさい。また機会があれば、今度は本スレでお会いしましょう!

144テストキャラ 能力は検査スレ【夜闇歩獣】を参照:2012/12/01(土) 04:57:59 ID:4TgDkxFU
>>143


追いつかれる事は無い、これは一夜の奇妙な夢なのだから……


月光と闇が混じる宵の時の幻、何処から夢で何処から現か、全ては儚く溶けて消える
彼女達が出口に辿りていたならばそれは夢の終わり眼を覚ませば黄金色の光が指す朝
誰も居ない寂しい夜では無い、鳥は唄い風は奏で子供が笑う楽しい一日の始まりだ。


でも。もしかしたら覚えてるかもしれない
逃げゆく彼女を見つめていた瞳の事を、闇に産まれた奇妙な怪物の事を….…もしかしたら


/ありがとうございましーた!

145サクヤ:2012/12/05(水) 21:47:47 ID:Iu/A6zvY
午後の9時30分、お風呂時だろうか。サクヤは、変装せずに模擬戦場にいた。
この相手に、変装する意味はない。この街で完全に自分から正体を明かした友達は、彼方が初めてだった。
そんな相手を模擬戦闘とはいえ傷つけたくないという気持ちもあったが、勝負は本気で掛かるのがサクヤの信条である。
それに、手を抜くのは失礼に値する。この相手の『強さ』は、サクヤがよく知っていた。
もし戦闘力が優れていなくとも、サクヤは手を抜かないだろう。


有体に言えば、サクヤはわくわくしていた。ずっと前からこの模擬戦は楽しみだったのだ。
今はただ、そのままのサクヤとして彼方に相対できることを嬉しく思う。

146彼方(キャスケット帽の少女) -Tarot Master- E:タロットカード一式:2012/12/05(水) 21:58:43 ID:rB9sjoGU
>>145
「……こんばんは、サクヤ」

向かい側から、彼女の良く知る声がする。
歩いてくるのはキャスケット帽がトレードマークの少女。
何時もと変わらない表情、そして何時もと変わらない服装。何もかもそのままだった。

模擬戦。……初めての戦闘が死合いだったために、戦闘というものの怖さは分かっているつもりだった。
しかしながら、ほんの少しだけ……少女はその戦闘というものに興味を抱く。

少女は知らなかった。自分の家族がほぼ、戦闘のプロだということに。
そしてそれが少女にも、芽生えつつあるのかもしれない。

相手は、友達だ。しかし、手を抜いては此処に来た意味が無い。
自分は全力で友達と戦うために、此処に来たのだから。

適当な距離を取って、少女は軽く深呼吸した。

147サクヤ:2012/12/05(水) 22:12:56 ID:Iu/A6zvY
>>146
「こんばんは、彼方」

軽く微笑して手を挙げる。

彼方は、いつも不思議な雰囲気を漂わせている少女だ。
いつも思うことだが、彼女の傍に居て話していると不思議と居心地が良い。
自分は、彼方のその雰囲気が大好きだった。

改めて見ると、雰囲気も相俟ってどこか油断できない。
戦闘は慣れていないように見えるも、自分が敗北する可能性がはっきり見える相手だった。
サクヤも深く深呼吸した。手をだらんとさせ、いつでも動ける体勢を取る。

「いつでも来ていいわ」

そもそも先手を取るのは、好きではない。

148彼方(キャスケット帽の少女) -Tarot Master- E:タロットカード一式:2012/12/05(水) 22:27:21 ID:rB9sjoGU
>>147
彼女の呼びかけに応じるように、少女も軽く手を上げた。

さて、彼女は「どんなの」だろうか。
異能攻撃? 身体強化? 魔術? ……何もわからない。
だったら、とりあえずは相手に手を引き出させることが大事だと素人なりに考える。

あまり大掛かりなのは出したくない。秘密兵器として取っておこう。少女は、一枚カードを取り出した。
彼女も見たことがあるだろう。少女が何時も使っているタロットカードだ。

「じゃあ、その言葉に甘える。……いくよ、サクヤ」

そのカード――剣を持った騎士が描かれたそれ――を突き出し、唱える。

 ソードのナイト、その意味は「高速移動」
「  S    K    I  M I " F M 〟」

突き出したカードから、サッカーボールほどの塊が彼女に襲い掛かる。
正体は風の塊。高速移動の名に恥じず、時速は160km程度。
プロ野球選手のストレート並みだが、彼女の身体能力ならば避けることが可能かもしれない。

149サクヤ:2012/12/05(水) 22:47:13 ID:Iu/A6zvY
>>148
サクヤがいつも先手を取らない理由は、はっきりしている。
拳銃はしっかりした体勢で撃たなければ当たりずらい。しかし集中すれば狙いやすい。
自分の腕で当たりずらさは無くなっているが、多少意識を裂かなければならないことは明白。
初見で使うのは、好ましくない訳だ。軽装で防御の手段がないサクヤなら、尚更である。
かと言って、最初に自分の唯一の範囲攻撃のカード、破片手榴弾を最初に使用するのは好ましくない。

となると最初は待ちの一択。相手の攻撃手段を見ればある程度拳銃に意識を裂く余裕ができて楽になるし―――
相手の攻撃と合わせて一瞬で終わる上に不意を付ける太極針を投擲すれば、回避するのは困難だ。

カードを出し始めた時点で、サクヤは右に跳躍していた。そのまま懐から左手で出した太極針を、彼方の足に投擲する。
偶然にもこのボール攻撃は、以前に自分が模擬戦で戦った能力と酷似していた。
回避している間に、相手の能力に辺りを付ける。

――――恐らく万能型だねえ。
アルカナをモチーフにした能力なら、様々な効果が発揮できるかもしれない。
サクヤは、実はこんな万能型が一番苦手なのだ。相手の弱点を突ける特化型は、自分の距離に持ち込めるサクヤにとっては戦いやすい。
厳しい戦いになりそうだ。さて彼方はこの太極針を、どう対処するのか?

それによってサクヤの動きも変わってくる。

150彼方(キャスケット帽の少女) -Tarot Master- E:タロットカード一式:2012/12/05(水) 23:03:20 ID:rB9sjoGU
>>149
避けられたと思う前に、彼女が針を投擲する前に、少女は既に新たなカードを出している。
……そもそも、当たるとも思っていなかった。
攻撃した後は、相手の攻撃が来る。少女が出したのは、4つのコインを持った男のカード。

(硬貨の4、その意味は「堅い守り」)
「 P  F、 I  M  I  T  D 」

その瞬間、突き出したカードから大きなコインが飛び出す。中央に星の描かれたそれは、針を弾いた直後に崩れ去った。

(……針使い……?)

弾いて地に落ちたそれをチラリと見る。鋭そうなそれは頭でも貫通してしまいそうだ。
流石にそれは避けたい少女は、また新たに1枚引き抜く。8本の棒が描かれていた。

(棒の8、その意味は「電気」)
「 W E、 I  M  I  E 」

バチバチと、漫画のような電撃が彼女に向かって直進する。
しかしそこも補正が掛かっているらしく、ギリギリ避けられる速度。当たったとしても、ビリビリと痺れる程度だ。

151サクヤ:2012/12/05(水) 23:17:38 ID:Iu/A6zvY
>>150
――――うん、やっぱり厳しいねえ。
自分の予想が当たっていたことを悟り、まずいと思う。

相手の電撃攻撃に合わせて、左手から二本目の太極針を投擲。
電気の真ん中を通るように投げ、いくらか吸収される。
吸収された電気を纏って針が彼方に直進した。

電気ほどかわしずらく、厄介な攻撃をサクヤは知らない。
回避するのが困難、一瞬の攻撃。しかし万能型なら、それほど威力は高くないと踏んだのだ。
その予測は当たっており体に電気が奔るが、ショックは吸収されたせいか軽いものだった。

多少痺れながらも右手でPx4 Stormを取り出そうとする。

152彼方(キャスケット帽の少女) -Tarot Master- E:タロットカード一式:2012/12/05(水) 23:37:47 ID:rB9sjoGU
>>151
針を使って電撃の威力を弱め、さらに針の威力も上げる……
少女がそう分析したのは、針が少女の腕を掠め、切り裂いた後だった。

一瞬の痛みと自分の放った電撃の一部が少女の体を襲う。
少し顔を歪めるが、膝をつく程度ではない。まだ行ける。

彼女の方向を確りと見て、――そこで何かを取り出そうとする仕草に気付き、――カードを抜き出す。
巨大な手が1本の棒を握っているそのカードには、こんな意味もあった。

(棒のA、その意味は「爆発」)
「W  A、 I  M  I  E っ!」

そう唱えてから、裂かれていない右手で手裏剣のようにカードを投げ飛ばした。
意外とその速度は速い。そしてそれは彼女のすぐ手前で地に刺さり、1秒に満たない時間でカードを中心に半径3mの魔法陣が描かれる。
……刹那、その魔法陣の内側が激しく爆発する。膨大な熱エネルギー。陣の外にもそれが伝わるだろうが、微々たるものだろう。

投げ、そして魔法陣が描かれ、爆発する。僅かだが、ラグは有る。

153サクヤ:2012/12/06(木) 00:03:11 ID:Iu/A6zvY
>>152
基本的に彼方の攻撃はワンテンポ遅れるというデメリットがあるものの万能のようだ。
その万能というのは、サクヤにとってはかなり不利なことだ。
サクヤは範囲攻撃に対しては弱い。しかも今は電撃で痺れていて全体の動きは鈍い。

彼方に一発発砲した所で相手がカードの効果を発揮させずにカードそのものを投げてくるのを見て、サクヤに悪寒が走る。
慌てて2発ほどカードに発砲しながら後方に跳躍するも、命中しなかった上に遅くて―――
爆発に飲み込まれて吹っ飛ぶ。全身に火傷を負い、内臓のいくつかを損傷した。

サクヤは血を吐き出した。明らかに今までと威力が違う範囲攻撃。
それを回避が困難な攻撃で相手の動きを鈍らせてから行う。
――――恐ろしい。今まで戦ってきた誰よりも戦い方、能力の運用方法が上手すぎる。
定石手段ではある。基本ではある。しかし基本というのは有効だからこそ基本なのだ。
今の少女が戦闘に慣れていないなどと、誰が思うだろうか。

154彼方(キャスケット帽の少女) -Tarot Master- E:タロットカード一式:2012/12/06(木) 00:23:06 ID:rB9sjoGU
>>153
乾いた発砲音。まだ戦闘慣れしていない少女には、避けることなど出来なかった。
その銃弾は、先ほど針が掠めた少女の左腕を正確に貫き、噴出す血。そして、苦痛に少女の顔が歪む。
しかし、どうやら銃を出させる前に爆発によって後退させる作戦は、別の意味で成功したらしい。
左腕に走る激痛の中、そう考えた。

「……サクヤ、行くよ」

呟き、まだ動く右手でカードを引く。出てきたのは地に落ちた5本の剣を拾い集める男のカード。
突き出し、今までと同じ様に唱えた。

(剣の5、その意味は「破壊」)
「S Fi 、 I  M  I  D 」

追い討ちをかけるように、カードから出てきたのは大きな風の刃だ。全長は縦に2mほどだろうか。
先ほどの風の塊と同じ様に半透明で、見ることは一応出来る。 その外見に反せず、当たれば大きな切り傷と共に吹っ飛ばされるだろう。
だが、先の風の塊のような速度は出ていない。避けようと思えば、避けることも可能だ。

155サクヤ:2012/12/06(木) 00:42:27 ID:Iu/A6zvY
>>154
全身が激痛に苛まれる。しかしその痛みが、サクヤを気絶から遠ざけてくれた。
左に跳躍してかわそうとするもかわしきらずに右足を掠め、傷とともに血が噴出す。しかし吹き飛ばなかった。

力を振り絞れば回避できたかもしれないが相性が致命的に悪いのなら、攻めを優先したかった。残りの体力を攻撃に使いたい。全神経を集中させる。
万能型なら防御は、実はそれほどでもないのかもしれない。隠し玉はあるかもしれないが―――――右手でPx4 Stormを乱射する。
そもそもPx4 Stormは銃弾の装填数に関して、威力が普通の銃弾で17発。さっき3発消費したため14発も残っている。それを乱射、フルオート。全て放出する。

しかし防御に関しても、さっきみたいな攻撃の切り札はあるかもしれない。

―――――そう。この銃弾は囮だ。

右手で発砲しながらポケットの中の破片手榴弾を意識する。
左手でいつでも投げられるように。

156彼方(キャスケット帽の少女) -Tarot Master- E:タロットカード一式:2012/12/06(木) 01:11:25 ID:rB9sjoGU
>>155
(……乱射……ッ!)

右手でカードを引き抜く、そしてその効果を使うまでに、既に銃弾は発射されていた。
無論それは少女の脇腹を裂き、左腕に追撃をかけ、左足から血を迸らせる。
しかし、乱射と気付いた時点で少女が行使するカードは決まっていた。……ここで防御に徹しなければ、負ける。

防御に関しての秘密兵器。それは確かに少女の手の内に有り、棒が4本立てられているカードだった。

   (棒の4、その意味は「安全地帯」)
「……W F、  I  M  I  S  P ……!!」

4発目の弾丸がさらに左足に襲い掛かり、赤色が足を染める。だが、5発目以降の弾丸が少女に届くことはなかった。
何か不思議なオーラのような、そんな物が少女の周りを包む。そしてそのまま、10発の弾丸から少女を守りきり、溶けるように消え去った。
時間制限有りの防壁、乱射してくれたのは、助かったと言える。

しかし、受けた弾は4発。体のそこらじゅうで痛みが走り、少女の意識を圧迫させていく。もう足を使うことすらままならない。
だが、全力を出すと誓った少女は決して意識を途切れさせることなく、次のカードを取り出した。
彼女も相当なダメージを食らっている……次で決めるらしい。

(悪魔のカード、その意味は「破壊」)
「  T   D 、  I  M  I  D 」

先ほどと同じ意味をとる悪魔のカードは、大きな火の玉だ。動きは先ほどの風の刃ほどか。
当たれば大きな火傷を負うだろう。……しかし、そのカードを使うときこそが、少女の最大の隙なのだ。

157サクヤ:2012/12/06(木) 01:29:46 ID:Iu/A6zvY
>>156
サクヤは、動かない。否、動けなかった。
銃のフルオートの反動。それは火傷した体には堪え、右腕はもうまともに動かない。
今まで観察しておいて、気づいたことがある。
きっと彼方は、カードの効果を両立することはできない。

――――これで、最後だ。

こっそりピンを抜いた破片手榴弾が、最後の力を振り絞って左手から彼方の背後に放たれる。
正確に投げた爆弾、爆発すれば大きな爆風と破片が彼方を襲うだろう。
そしてサクヤの体に火の玉が包み込まれ、火達磨になる。
絶叫するとその口の中にまで火が入っていき――

サクヤは呟く。

「楽しかったよ」
自分の捨て台詞としては、最低の部類に入るだろうなと考えながら、意識を失った。

自分らしくない言葉だが、それが心地よかった。

158彼方(キャスケット帽の少女) -Tarot Master- E:タロットカード一式:2012/12/06(木) 01:40:25 ID:rB9sjoGU
>>157
「……しまっ……!」

た。まだもう一つ武器を隠し持っているとは、あの乱射から予想もしなかった。
背後に放たれた破片手榴弾を避けることは到底間に合わない。というより、先ほどの銃弾で歩くことすら危うい。

……そう、安全地帯を使うのが早かった。
しかしあれがなければ、14発の弾丸で蜂の巣にされていただろう。
初戦など勝ちより、引き分けとか負けの方がいい。

「―――――私も」

彼女の言葉に答えたのか、短く呟いた少女。


きっと少女は、それが彼女にとって最低な言葉であることなど思いもしていなかっただろう。


そして、無数の破片と爆風に貫かれた少女は夥しい失血をしながら倒れ伏した。
引き分け。判断するならば、そうなるのだろう。

159サクヤ:2012/12/06(木) 01:53:25 ID:Iu/A6zvY
>>158
友人との戦闘、意識を失う時の言葉。それはらしくなくともサクヤにとっての本音の一部だったのだろう。
死ぬ前は罵倒すると決めていたのだが、今回は当てはまらなかったらしい。
それほどまでに彼方が大事だった。

―――お疲れ様。本気で戦えて良かったよ。
模擬戦場から出た時にサクヤは彼方にこう言うのだが、それは大分後のことになりそうだった。

/お疲れ様でした。

160彼方(キャスケット帽の少女) -Tarot Master- E:タロットカード一式:2012/12/06(木) 02:00:35 ID:rB9sjoGU
>>159
/お疲れ様でしたー!

161クリオネ 人形使い 生成中の人形:0体 E:投擲用ナイフ×3:2012/12/22(土) 20:09:16 ID:IClMGqVA
「……ふふっ」

模擬戦会場に入ったクリオネは笑っていた。こんな面白い施設があるなんて知らなかったと。
今日の模擬戦は対人戦である。対人戦をまともにやるのは久々である為、クリオネは高揚している。

「さて、模擬戦ってことは相手を殺しても良いんだよね」

相手を待つ間、相手をどうやって殺してあげようかを考えている。
以前の小競り合いや霧の調査、雪合戦で自分の能力がまだ完璧ではないと考えていたクリオネはこの模擬戦で何か今後のヒントを得たいとも思っていた。
クリオネは待つ。戦うべき相手が来るその瞬間を。

162ジャンク E:ウィルディ・ピストル 、『アドラステイア』 、銃弾数種:2012/12/22(土) 20:22:09 ID:T8QAEjlQ
>>161
(――……、私。弱くなっちゃった。
 これじゃ、私は。……私は、私を、取り戻せない。
 強く、ならないと。前みたいに、躊躇わないで人を殺せる――、私に)

自己の思考に埋没しながら、目元にくまを作った少女が歩いて行く。
コートの裾が翻り、軍靴の音が地面を叩く。灰色のロングヘアも、灰色の瞳も、不安定に揺れる光を宿す。
彼女の名は、ジャンク。姓は無く、唯一持つ名前すらも彼女が本来持っていたはずのものではない。
人形として目的のために動く機械であった少女は、芽生え始めた自我に翻弄され、実力の全てを発揮できない状態にあった。

ここに来たのは、弱くなってしまった自分をもう一度機械のようだった己にする、という目的。
背負う斧を左手で握り、ベルトポーチに手を突っ込み、6発の銃弾が付けられたムーンクリップを引きぬいた。
黒と灰色で構成された彩度の低い少女は、模擬戦場へと足を進め、クリオネの前に現れた。

ジャンクの事をしる者ならば、このジャンクの姿はあり得ないものとしか映らないだろう。
迷いを宿し、不安に震える表情は、平時の無表情や、機械の様な判断力を欠片も感じさせていなかったのだから。
それでも、ジャンクは顔を上げて、斧を肩に担いで銃弾を指で弾き飛ばした。
浮遊する6発の弾丸。肩に背負うのは長尺の斧が一振り。

「……始めよう、か。クリオネ。
 私は、全力で行くから。クリオネも、全力で」

ぽつりと呟いた言葉は、努めて冷たい色を含ませているような、無理を感じさせる声色。
瞳も、感情を押し込めたような、灰色の揺らめく瞳であった。
それでも、不安定な感情を必死に押さえつけて、戦意を表に解き放っていた。

163クリオネ 人形使い 生成中の人形:0体 E:投擲用ナイフ×2:2012/12/22(土) 20:34:31 ID:IClMGqVA
>>162
(以前会った時の無機質さが随分弱まってる……これは)

ジャンクが現れ、その姿を見た時の印象がこれだ。初めて会ったときの印象ではなく、むしろ別れ際に感じた印象が強い。
まだ立ち直ってないということか。

「そうだねー初めよっか。……って言ってもさ」

コートのポケットから投擲用のナイフを出す。

「ジャンク、キミ私に勝てると思う? キミの能力は完全に防御向きで攻撃はその銃弾によるところが殆ど。
 私の無尽蔵に出せる兵隊の前に通じるとは思ってないよねー? 火力不足なんだよ」

戦うために来た人物の台詞とは思えないが、クリオネの戦いはすでに始まっている。
相手の弱点と思われるものと自分の能力との相性を指摘し、相手の頭に一瞬でももしかしたら勝てないかもしれないと言う負けのビジョンをチラつかせるのが目的。
実際には無尽蔵にドールを作るなんてことは出来ない。

「だから……キミは私の実験台になるか今すぐ帰るかした方が良いよっ!」

手に持つナイフをジャンクに向かって投げる。モーションは決して早くない上、ナイフ自体の速度も並以下。
ナイフを当てることが目的ではなく、武器の投擲と言う選択肢があるということを相手に知らせる為だ。
クリオネが生成した武器は投擲できない。この事を隠すためだが、その内バレる。早ければ一瞬でバレる。

164ジャンク E:ウィルディ・ピストル 、『アドラステイア』 、銃弾数種:2012/12/22(土) 20:44:42 ID:T8QAEjlQ
>>163
「――人を一人、殺すのに。
 軍隊は、要らない。大魔法も、必要ない。
 一発の銃弾か。一振りの刃物を、通すことが出来れば。
 それで人は死ぬ。私も――貴方も」

相手の問いに、ジャンクは努めて平静を保つようにして、返答を返す。
この言葉は、ジャンクの経験則。人は頭を潰せば死ぬし、心臓を突き刺しても死ぬし、体を真っ二つにされても死ぬ。
銃弾一発で、人間は死に至る。ならば、大切なのは高い攻撃力などではない。必要なのは、防御力。
自分を守って守って、確実な一撃を当てて相手を仕留めれば、それで十分なのだから。

(……それを。知ってしまったから、私は。
 殺すのも。死ぬのも。怖く……な、っちゃった、けど。
 でも、乗り越えなきゃ、いけない。簡単に。人を殺せる、元の私に)

生きているものは死ぬ。
思っているよりもいとも簡単に、生き物は死んでしまう。
そして、自分がその死を恐怖していることを感情で理解した時、その恐怖を他者に振りかぶる事を考えた。
……そう思うと、引き金が引けず、斧が振り下ろせなくなった。
いつも通りに銃弾で相手の攻撃を潰し尽くし、いつも通りに壁を粉砕して敵陣に踊り込んでも、誰一人殺すこと無く任務を失敗させてしまう。
弱くなった、心の底からジャンクはそう思う。それでも、強くならなければならない。
やらねけねばならない任務の数は、残り837回。弱いままの己では、それを成すことなど、出来ないのだから。

飛翔するナイフ。
それを視界に収めた瞬間に、それを危機とジャンクは認識。
弾丸が一発ナイフを迎撃するように激発し、飛翔。ナイフの軌道を逸らして、吹き飛ばした。

同時に、ジャンクの一歩目もまた激発。
鍛えぬかれた四肢を駆動させ、斧を担いだ少女は、一直線にクリオネへと距離を詰めていく。
間合いを詰め切ることが出来れば、ジャンクは斧を左腕で全力で横薙ぎに振りぬくことだろう。
しかし、軌道に迷いが有り、かつ動作も不安の裏返しなのか大ぶり。隙とも言える状態だろう。

165クリオネ 人形使い 生成中の人形:0体 E:投擲用ナイフ×2:2012/12/22(土) 21:13:40 ID:IClMGqVA
>>164
「そうさ、死ぬんだよ。でもね、キミの攻撃は私に届かないし私のドールを防ぎきることはキミにできないよ」

流石にいろんな場面を潜り抜けてきたジャンク。そうそうこっちの口車なんかには乗らない。
しかし、それで私のスタイルが変わるわけではない。何時だってそうしてきた。

直進してきたジャンクに対し、クリオネは前方へ踏み出した。

(ジャンクのスピードが速い……間にドールを作るのはかなりギリギリになる。それなら)

クリオネはスクトゥムの盾を生成し、左手に持つ。そうして前方ややジャンクの左腕の方へ向けて構えたまま盾を相手にぶつけようとする。
まともに防御すれば盾を持っていても衝撃が通るが、斧を振り切る前に腕の動きを止めれば問題は無いと判断したのだ。
そして相手は大振り、クリオネの中では成功率が高いと思っている。

相手がバランスを崩せば即座にバックステップで距離を取り、正面に西洋甲冑に身を包み、中型の盾と剣を持ったナイトのドールを生成する算段だ。

166ジャンク E:ウィルディ・ピストル 、『アドラステイア』 、銃弾数種:2012/12/22(土) 21:21:19 ID:T8QAEjlQ
>>165
「――、こ、こ、で、前にッ。
 進めなきゃ、私は――――ッ!!」

横薙ぎに斧を振り抜き、しかし、盾によって防がれるジャンク
全身に力を込め、灰色の瞳に時折赤い色をチラつかせながら、叫ぶ。
斧を受け止められた瞬間に、腕を引き戻して斧を手元で回す。

(……迷いを、捨てろ。私。
 人も、殺せなくて。自分を危険に晒して。
 それで、何も、何も為せず、何も出来ない私なんて――只の、こわれもの(ジャンク)でしかない!
 私は、私は――――!)

「――――ジャンクに、成り下がるつもりなんて無いッ!」

真紅に染まりつつ有る瞳で、ジャンクは相手の盾を全力で蹴り飛ばそうとする。
そのまま、距離を相手が離せば、前へと一歩を踏み出し、両手で斧を握りしめて振り下ろすはずだ。
動作の大ぶりはあいも変わらずだが、速度と力だけは十二分。
ある意味では、銃弾に自己を守られているからこそ可能となる、戦闘スタイルだろう。

167クリオネ 人形使い 生成中の人形:0体 E:投擲用ナイフ×2:2012/12/22(土) 21:32:36 ID:IClMGqVA
>>166
「っ!!」

さらに攻めてくる姿勢を増すジャンクに防戦を強いられるクリオネ。

(あれは……なるほどね)

接近したことで分かったジャンクの眼。あれはあの時のジャンクになろうとしているのか。

「ははっ。でもね、キミはジャンクになるんだよ。今から私の手でね」

元よりナイトを生成する予定だった為、場所は違えどすぐに生成することが可能。

「ほらっ! ドール・ナイトっ」

ジャンクの左手側にナイトを生成する。そのまま右手でジャンクの斧、左手でジャンクの首を掴もうとする。緊急的に生成したため武器を作れなかった。
生成はジャンクの蹴りの直前。そして掴みかかるのはジャンクの蹴りとほぼ同時である。

「まだ効かないよ、それ」

ジャンクの蹴りは直撃したが、数歩後退するだけでバランスは維持できた。

168ジャンク E:ウィルディ・ピストル 、『アドラステイア』 、銃弾数種:2012/12/22(土) 21:42:20 ID:T8QAEjlQ
>>167
「――いや、だ。
 ジャンクに、ジャンクになってたまるか。
 私は! 〝私〟を取り戻すまで――負けられないんだァ!!」

斧を握る両腕に力を込めて、赤い瞳の少女は叫びをあげる。
時折体から黒い霞が漏れだし、そして霧散しているが、その反動で体の随所から血が滲み始めていた。
強い情動をトリガーとして発動する異能のようだが、目覚めたばかりの自我を操縦する術をジャンクは持たない。
それ故に、不安定に揺れ動く心に、精神も異能も翻弄されているのだ。

左側に展開された、ドール。
それがジャンクの首と腕に延びる前に、ジャンクの異能が発言する。

「砕け落ちろ、アーチ・エネミー!!」

真紅の瞳を襲い来る人形に向け、銃弾を激発する。
その際に、銃弾に黒い霞が纏わりつき、その威力を上昇させた。
黒い軌跡を残して駆ける二発の弾丸は、ナイトの人形の両腕を根本から引きちぎろうとするだろう。
ネメシスとアーチ・エネミーの境目にある不安定な状態が、攻撃的な防御を生み出した。

ジャンクの背後には、半透明の黒い翼の女神が真紅の髪を振り乱し、前髪の隙間から紅玉の瞳を向けて顕現。
赤い瞳を無慈悲にクリオネに向けながら、背後からジャンクを抱きしめている。
ネメシスとは、義憤の女神。現代においては復讐と同義に扱われているが、ジャンクの能力は、己を傷つける者への復讐によるものなのだろうか。

169クリオネ 人形使い 生成中の人形:3体 E:投擲用ナイフ×2:2012/12/22(土) 22:00:14 ID:IClMGqVA
>>168
「これはっ……!」

ジャンクのアーチ・エネミーが放った2発の弾丸はナイトの両腕の付け根に直撃。その両腕は吹き飛んだ。
ちょうど脆い関節部に当たったとはいえ、一発で腕を飛ばすとは。

(覚醒しつつある……まさかこれほどとはね。でも……)

両腕を失ったナイトは残しておく必要は無いので、消す。
だが、一瞬でもジャンクの意識と攻撃がナイトに向かったことでジャンクとの距離を取ることが出来た。

「あっはははは! ジャンク! 今の攻撃を私に向けなかった事がキミの敗因だよ」

そう、あの至近距離であの威力の弾丸をこちらに向けられていたらあそこで終わっていた。

「ほら行って! ドール・アサルト、ナイト!」

生成したのは3体のドール。2体は重い甲冑を着けずに巫女服を着せた機動力と攻撃力に富むメイデン。もう一体は先ほどのナイトに盾プラスショートソードを持たせたもの。
ナイトはクリオネの正面で盾を展開。
メイデン2体は生成と同時にジャンクの右手側と左手側から同時に薙刀を横なぎに振ろうとする。右手側の狙いは首、左手側の狙いは太ももだ。

「キミの目的は果たされないんだよ。ここでジャンクになって朽ちればいいよっ」

覚醒しきる前に決めなければならない。クリオネの中でそんな考えがよぎる。

170ジャンク E:ウィルディ・ピストル 、『アドラステイア』 、銃弾数種:2012/12/22(土) 22:11:52 ID:T8QAEjlQ
>>169
ナイトの両腕を吹き飛ばし、クリオネに向き直るジャンク。
だがしかし、既にクリオネは次の策を発動し、ジャンクを追い詰めつつあった。
展開された二体の巫女服と、一体の重騎士。両脇の二体が一気にジャンクに攻撃を叩き込む。

「――――ッ、間に合わな、ぎ……ィ」

残る銃弾は三発、それらを即座に激発させるも、防御が間に合わない。
首への攻撃はギリギリ逸らしたものの、太ももへの攻撃が逸らし切れず、左足から鮮血を吹き出して、ジャンクた倒れこむ。
地面に倒れ、痛みに顔を歪ませて息を荒くする、ジャンク。
心のなかでは陰鬱とした感情が膨らみ、その負の感情によってジャンクの中の獣が唸りを上げ始めた。
ジャンクの背後に浮かぶ女神が体を両腕で掻き抱き、涙を流しながら嘆き苦しみ始める。

「……ッ、く、そ――――。
 ジャンクに、なって。朽ち果てる、なんて――――ッ!」

これまで、痛みに悶えることなどそう無かった。
感情を認識してから、良いことなど一つもない。
なぜ、こうなってしまったのか。痛みで朦朧とする頭で、思考を巡らせていた。

(……なんで……ッ、なんで、私は。
 人を、殺さなきゃ。人を、斃さなきゃ。いけないの。
 なんで――私は、何も、何もないの。
 なんで、私は、私は――――ッ、こんなに、寂しくて、空っぽで、弱くて、小さくて……ッ!
 憎い……ッ、私を。私を、こうした、全てが、全てが――ァ!!)

ネメシスが司るのは、義憤。決して復讐心ではない。
だが、今のジャンクの心を満たしているのは、復讐心に他ならず。
燃え上がる復讐の炎は、ジャンク自身を焼きつくしながら、燃え上がっていくしかない。

飛び散る血が、黒い炎のように黒い霞へと代わり、ジャンクの体にまとわりついていく。
赤い髪は、最初の発動とは似ても似つかない、赤錆びた血の様なドス黒い赤へと変化していき。
霞はジャンクの体にまとわりつく中で、ジャンクの肉を引き裂き、鮮血を周囲に吹き散らしていった。

171クリオネ 人形使い 生成中の人形:3体 E:投擲用ナイフ×2:2012/12/22(土) 22:29:07 ID:IClMGqVA
>>170
「流石に仕留められないか」

足をやっただけ上等だろう。これでこの先の行動は鈍るはず、先ほどの様な近接戦には付き合いたくない。

「キミはここで終わりだよ。 この模擬戦で死んでも体は死なないけど、キミの心はどうかな」

地面に倒れるジャンクにとどめを刺そうと一体のメイデンをジャンクに近づけ、薙刀を振り上げる。

「じゃあね。キミのことは嫌いじゃないけど勝つのはわた……っ!!!」

その瞬間、ジャンクの異変に気付く。

(なっ! あそこまでのモノを体に飼ってたって言うのかい)

全身から汗が噴き出す。これはマズイとクリオネの脳内で信号が発せられる。
ジャンクにとどめを刺そうとしていたメイデンをつい一歩下がらせてしまう。

「くっ! 何の能力かは知らないけど、終わりだよ」

思い出したかのように一歩下がらせていたメイデンを再び動かし、ジャンクに切りかかる。
同時にもう一体のメイデンをナイトの少し前において薙刀で防御の姿勢を取る。
攻撃のために生成したメイデンの一体を防御に回すというのはこれまでで初めてだった。それだけ今のジャンクとは距離を離したかった。壁を一枚でも多く配置したかったのだ。

172ジャンク E:ウィルディ・ピストル 、『アドラステイア』 、銃弾数種:2012/12/22(土) 22:43:20 ID:T8QAEjlQ
>>171
己の前に振り下ろされんとする、切っ先。
それを前にして、ジャンクの心の獣が次第に鎖を引きちぎり、雄叫びを上げ始めた。
憎め、殺せ、滅ぼせ。憎しみこそが力を呼ぶ。憎しみの赴くままに、全てを滅ぼせと、心に染み入るような言葉で、獣の本性が鎌首をもたげ始める。
だが、獣と同居する、心のなかの女神が居た。背後から、ジャンクを抱きしめる力を感じる。

(――正しき怒りを掲げて進め、愛し子よ。
 貴方は、ジャンクなんかになり得ない。
 何も持たず、何も必要とされないもので有りたくないのならば。
 怒るのではなく、正しき怒りを抱えなさい。それが、貴方の――――――)

ジャンクの盾になるように、ジャンクを抱きしめながらジャンクに覆いかぶさる、女神。
そして、女神はジャンク以外には聞こえぬ声を発して、次第にその姿を薄め始める。
女神に切っ先が突き立ち、次第にジャンクの体に穂先が突き刺さり始めた。
だが――その最中、薙刀を腕で払いながら、立ち上がる者が居た。――ジャンクだ。

「――――ッ、嫌だ。
 私は、こんな私が。
 弱い私を、進めない私を、くよくよする私が――嫌い。
 何が、人を殺せないだ。何が、ジャンクに成り下がりたくない、だ。
 壊れた心よりも孤独な心が良い、そんな事――認めてたまるか。
 私は、私の憎しみを、私に――求める。
 私は、変わりたい。苦しみながらでも、泣きながらでも!
 私の心を抱えて、私の喜びで、怒りで、哀しみで、楽しさで! 前にすすめる――〝人間〟になりたい!」

人形だった少女は、人間のような叫びを上げて、人間になりたいと泣き叫んだ。
赤い涙を流す少女の姿は、いつしか消えた黒い女神と同じ装束を纏っている。
足元の影や全身の傷から黒い霞を流し、吹き始めた風に色素を失った純白の髪を散らし、赤い瞳を輝かせる。

「私は――空っぽだろうが、迷おうが、弱かろうが!
 もう、助けを待つ灰かぶり(サンドリヨン)じゃない!
 私は、私の意志でクリオネ――、君を倒す!」

斧を振り上げ、目の前のメイデンに向けて全力で振り下ろすジャンク。
黒い霞は、これまでの発動の中で最も制御された状態となり、異様な攻撃力は発揮しないものの、攻撃範囲を拡張し一撃に重みを与えていた。
限界状況での抑圧、絶望を前に、未発達な自我が一つのルートを歩み始めたのである。

173クリオネ 人形使い 生成中の人形:2体 E:投擲用ナイフ×2:2012/12/22(土) 23:02:50 ID:IClMGqVA
>>172
薙刀を払われた上、防御の事をほぼ考えていないメイデンではジャンクの斧を防げずに大破する。

「なっ!」

決まったと思った。薙刀を振り下ろすまで相手のアクションが無かった為に、もう反撃の気力は無く、仮にあったとしても間に合わないと思っていた。
だが、現実はジャンクを仕留められずにこのざまだ。

「人間になりたいだって? そんな希望を抱く時点で終わってるんだよ!
 自分は自分の為だけに生きればいい! 誰の許可も必要ない。 初めから自分は自分だと思ってればいいのさ!」

初めて本当の意味で目の前の少女と対面した気がした。

「だったらジャンク! キミはキミにふさわしい相手と戦えばいいよ。 ドール!!」

全てのメイデンを消し、新しいドールを一体生成する。
そのドールはジャンクと全く同じ容姿でウォーキングアックスを持つ。

「そら、自分自身の手でジャンクに戻されるといいよ!」

ジャンクのドールはジャンクに向かい走り出す。

『私はジャンクだよ? どうしてそれ以上を望むの?』

ジャンクの声でジャンクに話しかけながら、その斧を振り下ろそうと、斧を持ち上げる。

174ジャンク E:ウィルディ・ピストル 、『アドラステイア』 、銃弾数種:2012/12/22(土) 23:14:39 ID:T8QAEjlQ
>>173
「ああそうだ――、私はジャンクだ。
 記憶を取り戻せば、今の私は消えてなくなって、汚点として忘れ去られる存在かもしれない。
 だけど――、私が私を助けるために頑張ったって証拠は、無くならない。
 いつか無くなる私なら、せめて。私が居た証を残して生きていきたい。
 捨てられて、忘れられて消えちゃうジャンクでなんか、居ていいはずは無いんだ」

目の前のドールを見て、ジャンクは静かな笑みを浮かべて、斧を振りかぶる。
ドールの斧を振り上げる動作と同じ軌道――しかし、わずかに早い――を描きながら、構えて振りぬく。
自己の意志を知り、人間らしい感情を得た今のジャンクは、人形ではなかった。

だから――、人形の様に何を言われても揺さぶられないことはない。
だが、揺さぶられたとしても、心の強さで立ち向かうことが出来る。
拮抗する、斧と斧。黒い少女同士が向かい合い、押し合った。

「…………ッ」

深く、深く息を吐き、全身に力を入れて口を開く。
感情の爆発の矛先を、叫びと攻撃に叩きこむために。

「ッ、オオ゛オ゛オ゛オ゛オ゛オ゛オ゛オ゛オ゛オ゛オ゛オ゛オ゛オ゛オ゛オ゛ァ――――――――ッ!!」

背から吹き上がる、黒い力の発露。
それは、一対の翼を思わせるように顕現し、ジャンクに加速を与える。
斧はその刃の部分を厚く、広く進化させていき、ドールの斧を押し返しながら、相手を両断するように力を掛けていく。

175クリオネ 人形使い 生成中の人形:1体 E:投擲用ナイフ×2:2012/12/22(土) 23:35:55 ID:IClMGqVA
>>174
「はっ! この世に生きた証の無い人間がどれだけ居ると思ってんの? 存在すら知られずに消えていく奴らを腐るほど見てきた!
 綺麗言なんだよそんなの!」

証を立てる為に生き抜く。まさに今のクリオネの生きる理由だ。
だがあえてその言葉を他人から聞くとたまらなくイラつく。

「はぁああああ!」

斧の拮抗。思わず右手を前に出し、力を込める。
……が

「くうぅ」

斧が砕ける。さらにドールも砕ける。
ジャンクが接近してくるのを感じる。最早ナイト一体では防ぎきれない。

(……こんな。こんな事で負ける訳にはいかない。撤退はあっても敗北は無い! 負ければ死ぬ!
 死んだら……死んだらお姉様の願いが……!)

「ドール……アテナ!!」

クリオネの奥の手。2mの巨大な人形。縦にも然ることながら、全身の西洋甲冑のせいか横にも少し大きい。
さらに身の丈ほどもあるショテルと言う刀剣を2本、片手に1本ずつ持っている。
そしてアテナの背面が観音開きになり、そこからクリオネが中に入る。

「『私は負けない。相手にどんな事情があろうとも、私は私の道を行く』」

五感すべて、痛覚までもリンクさせたアテナでジャンクに接近し、右手のショテルで切りかかろうとする。
アテナの能力は今までのドールと比べ全ての性能が上。ただしこれを出すまでに消耗しすぎた。
早々に決着をつけなくては。

176ジャンク E:ウィルディ・ピストル 、『アドラステイア』 、銃弾数種:2012/12/22(土) 23:45:53 ID:T8QAEjlQ
>>175
「私は、私の正しさを抱いて前へ行く。
 理不尽に憤り、大敵の大敵であるのが――私の力……大敵(アーチ・エネミー)だ!」

目の前に展開された、巨大、強大な人形――アテナ。
小柄なジャンクとは比べ物にならない程巨大で、強大な存在だ。
だが、逃げることはないし、怯えることもない。勇気を抱いて、歩みを進めていく。

斬りかかるショテルを斧で受け止めるも、その勢いでジャンクは吹き飛んだ。
空中で翼状のエネルギーを噴射させて体勢を整えて、着地するジャンク。
制御されたことにより安定しているとはいえど、ネメシスの力は未発達なジャンクの体には大きな負担となる。
皮膚の所々に内出血による青あざが浮かび始め、口の中では血の味を感じる。

クリオネに後がないように、ジャンクにも後が無い。
そろそろ、決着をつけよう。
意志を通し、前へと進むために。

「……、勝ちに行くよ、クリオネ」

一言そう呟いて。
ジャンクは両手で斧を握り、腰を落として構えを作った。
吹き上がる黒い霞を斧と背部に圧縮するように纏っていき、小さな黒い翼と小さな穂先の斧を作り出す。
生まれたのは、静寂。痛いほどの沈黙が、模擬戦場の中に広がっていた。

177クリオネ 人形使い 生成中の人形:1体 E:投擲用ナイフ×2:2012/12/22(土) 23:58:37 ID:IClMGqVA
>>176
(パワーでは負けてない。このまま……)

こちらは傷を負ってはいないが、魔力が尽きれば動けなくなって負けは確定。
決して優勢ではない。
もともとクリオネの能力は燃費が非常に悪い。戦闘を行う場合、ドールの生成・保持・運用の三か所プラス武具の生成・保持がある為、長期戦が出来ないのだ。

「『誰に言ってんの、ジャンク』」

いつもの煽り文句を出している余裕はない。

…………

「『はぁああああ!!』」

先に動いたのはクリオネ。保持だけでも魔力を喰う以上、いつまでもにらみ合いは出来ない。
ショテルを正面でクロスさせながらジャンクに一直線に接近する。
接近が完了すれば、両手のショテルを同時に大きく振り上げ、ジャンクの頭上から振り下ろす渾身の一撃を与える算段。
全力で動けるのはこれが最後か……

178ジャンク E:ウィルディ・ピストル 、『アドラステイア』 、銃弾数種:2012/12/23(日) 00:07:08 ID:T8QAEjlQ
>>177
「う、お…………ッ、だぁあああああああああああああああああああああああああああああッ!!」

眼の前に来る、危機。
それは、間違い用もなく、自分にとっての大敵にほかならない。
大敵を前に、ジャンクがスべきことは一つ。大敵に対する大敵として、己の力の総てを賭けて迎撃することだ。
ふた振りのショーテルが振り下ろされる瞬間に、ジャンクは地面を蹴り、跳躍した。

背中の小さな翼がその箍を外したように吹き上がり、ジャンクを高速で舞い上がらせる。
腰溜めに構えた斧を全力で振り抜き、ジャンクは己の力の名を叫ぶ。

「――――ネメシス・アドラステイア!」

逃れることの出来ない裁きの影。
それがジャンクのネメシスの司る意味。
その意に恥じない力を示すように、斧が意識の枷を外されて変化していく。
有機的な意匠を感じさせる、大斧へと形を変えた斧は、真正面からショテルにぶつかり合う。

轟音を響かせながら、拮抗し、そして拮抗する二つの力。
数瞬の後に、ジャンクはその拮抗の点から姿を消し、次の瞬間には壁に半ばまでめり込んで絶命していた。
だがしかし、壁にめり込むジャンクは笑みを浮かべているのであった。

179クリオネ 人形使い 生成中の人形:1体 E:投擲用ナイフ×2:2012/12/23(日) 00:20:58 ID:IClMGqVA
>>178
「『っ!!!!!』」

その一瞬だった。大斧がショテルを砕くのにはその一瞬でよかったのだ。

「『こん……な……』」

ジャンクは拮抗から姿を消した事をクリオネは気づいていない。
ジャンクの技はショテルを砕いただけでなく、アテナ本体にまでその力の余波を飛ばしたのだ。
一か所に入ったひびは全身に広がっていく。

「『私が…………・お姉様……』」

崩れていくアテナ。クリオネとアテナは完全に一体化している為、実際にクリオネの体に傷はついていなくとも、アテナが砕かれればクリオネは全身を砕かれたかのような激痛に襲われる。
アテナがその形を維持できなくなり、その姿を消す。
放り出されるクリオネの意識はすでに無く、ジャンクの様子も見ることも無く地面伏したのであった。

//とってもありがとうございました!!
//まさかここまでになるとは。色々と勉強になりました。

180ジャンク E:ウィルディ・ピストル 、『アドラステイア』 、銃弾数種:2012/12/23(日) 00:21:44 ID:T8QAEjlQ
>>179
/乙でしたのよーう!

181カラミティ・ジェーン:2012/12/30(日) 20:08:24 ID:T8QAEjlQ
(――偶には、こうした場で相手を待つのも悪くはない。
 鬼が出るか蛇が出るか。望むらくは、私の血を滾らせる強者が現れん事を)

模擬戦場。
ローマの闘技場を思わせるような、朽ち果てた作りのその場に佇む、一人が居た。
風が吹き、細身のシルエットは風を喰って膨らんだ。
乱れる裾、袖の中でもそのシルエットの核は動かない、只々佇むのみ。
それは黒い衣服の上に、白いフード付きマントと腰巻を巻いた、時代錯誤な魔術師か。
フードから覗く顔の作りは極めて怜悧で、かつ研ぎ澄まされた刃の様な緊張感を他者に否応なく感じさせる、そんな女だった。

「――た、s」「黙れ敗北者」

足元で蠢く男の頭を足で踏み砕き、蹴り飛ばす。
見てみれば、周囲には既に死屍累々の山が築かれている。
死したとしても生き返る場とは言えど、この状況は正直異質と言えただろう。
飛び散った無数の血で大地が満たされているというのに、女の衣服には一片の染みすら見当たらなかったのだから。

女は、敗北者には目もくれず。
次なる敵の到来を、只々待っているのであった。

182しんら:2012/12/30(日) 20:31:41 ID:79d52clw
「ふはは! 懐かしきかな...遥か故郷のコロッセオ」
「普段ならば余が舞台(ステージ)に立つことなぞ無いが......」

「だがまぁ、愚民どもに余の美貌を魅せ憑ける善き機会よな」


其の者は天より堕ちてきた

遥か天空より優雅に舞い降り
敗者と勝者 双方の頭上四尺程に浮遊し
未だ立ち続ける 勝者を見下す


「天より地上を見下ろせば 何やら蛆虫と蛆虫が争っていたが」
「貴様が 未だに地を這う虫けらか」


其の姿はさながら堕落した使徒である
黒衣より白の聖域を肌蹴させ
大小二対の黒翼は、はたはたと 揺らめきながら 黒い羽毛を散らしていた
その背後には 身の丈程の刃
彼の能力なのだろう
雑作もなく 宙に浮いていた



「我こそは死の偶像(アイドル)」
「蠅にも成れん蛆虫よ」
「その力、余にみせるがよい」

183カラミティ・ジェーン:2012/12/30(日) 20:39:30 ID:T8QAEjlQ
>>182
『――いい度胸。
 お前も円環に立つものの様だし――少々もんでやろうか』

舞い降りた堕天使に、念話が叩きこまれた。
表情を何一つ変えず、悠々と佇むだけのローブの女は、円環の楽園の構成員であった。
構成員の間でも、偶に話題に上がるもの同士だったろうが、直接の面識はない。
その為、新入りか何かだと思い、少々殺してやろうと思考がたどり着いた。

「ジェーン・ヴェロニカ・ファニーホウ。
 今からお前の最後に刻まれる名だ。覚えておけ」

ローブ姿の女は、名を名乗ると半身の体勢となる。
そして、その直後。大地が割砕し、女の姿が消えた。
現れたのは真正面、既にマントを翻して女は右拳を振りかぶって――そのまま顔面へと振りぬいていく。

特別なことはしていない。
ただ単純に、凄まじく速い速度で、凄まじい威力の打撃を叩きこむだけの動作。
だが、その動作の一つ一つから無駄をそぎ落とし、かつ全てを洗練していったのならば。
変哲も無い右拳こそが勝負を終わらせる必殺の一撃にすらなり得るのだ。
技に名など無い、いうなれば打撃、それのみ。必殺技など彼女には存在しない。
なぜなら、何をしようと殺すことが出来るのだから、必ず殺す技などジェーン・ヴェロニカ・ファニーホウには必要ないのだ。

184クラウン 物質浮遊&変幻自在武装:2012/12/30(日) 21:10:38 ID:79d52clw
>>183

「......余を有象無象の輩と括るとはな」
「余程死に急いでるのか、良い 多少は慈悲をくれてやろうかと思ったが」

ーーーーーー女が消えた

彼には紛れも無く『消えて』見えたのだ
余りにも速すぎる一撃は 常人の肉体を持つ彼には視認すら出来なかった

しかし


「ほう..... 貴様、蛆虫では無く飛蝗であったのか」
「だが、所詮は虫けら」



「王(われ)に届くと思うなよ」


しかしだ
仮にも円環の楽園 第九の柱

相手が出現した瞬間
自らも背後の武装を変換させ対応した

『鎖鎌』刃渡り8尺 の鎖鎌だ
その側面にて相手の一撃
を防ぎ


「貴様には 地を這う姿がよく似合う」

そのまま 地面へと叩きつけようとする
無論 女の肉体が其れを許すとは思えないが

185カラミティ・ジェーン:2012/12/30(日) 21:20:48 ID:T8QAEjlQ
>>184
「――無為だな、その防御」

ジェーンの打撃は、確かに鎖鎌の側面にて防がれた。
そう――防げはした、間違い様もなく、防ぐことは。
しかしながら、そこで終わるはずがない、そこで叩き落される筈が無い。

相手が女を地面に叩きつけようとした瞬間に、ジェーンがそれに同調する様にしゃがみ込む動作を取る。
勢いを殺し、前傾を取った相手の体勢が崩れた瞬間に、魔力を足先から噴射し、空中で錐揉み回転。
遠心力を加えた膝蹴りを相手の顎に叩きこみ、逆に地面に叩きつけようとするだろう。

それらの動作も、やはり早くそして体に一挙一動を染め抜いたかのように流麗で鮮やかに再生される。
この女の強い点は、素早い点か、一撃の重さか、判断力か、動作のムダの無さか。
彼女の強さの根源は――――

(いい判断力、並の戦士ではないのは理解できた――が、まだ私に剣を抜かせてはくれんのか。
 早く抜かせなければ――、白刃を見る間もなく終幕だが。はてさて、どうなるか)

――――素早くて一撃が重くて判断力が高く動作に無駄が無いから強いというだけ。
空間を引き裂くわけでもない、固有結界や強力な魔術を使えるわけでもない。
ただ、非常識なまでに常識的な強さを極めた果ての無骨な強さが、この女の力の形だった。

186アイーシャ ◆lQlUj8Oqx2:2012/12/30(日) 21:43:24 ID:f/ie./X2
顎(チン)への一撃とはこれまたエグいよねぇ。
脳震盪を食らったらすぐ終わりだよ。ラッシュ! 後は西部劇みたいに……西部劇みたいにさ。アハハハハッ

まぁそうはならないよねー。
だってこいつらあたしと同じ位強くって、神サマに愛されてるんでしょ?

187アイーシャ ◆lQlUj8Oqx2:2012/12/30(日) 21:43:57 ID:f/ie./X2
/ヒイッ誤爆!見なかった事にしてくだしあ!

188クラウン 物質浮遊&変幻自在武装:2012/12/30(日) 21:44:45 ID:79d52clw
>>185


何をされた......?
理解が追い付かない

ただ ただ 自らが地に叩き付けられた
王が、人々に崇拝されるべき『あいどる』が
その紅顔に傷を付けられ
地に這わされた...... その事実が 結果のみが
ただ、ただ無情に彼の脳内を支配する


「貴様ァ...!
よもや此処から... 生きて帰ろうとは想うなよ......!」


ゆらり ふわり と 彼は 地に沈んだ其の肉体を今一度宙に浮遊させ 体制を立て直す

彼の力が有れば 其の命が果てるまで
立ち上がり 虫けらどもを踏み潰す

その行為に 支障は無い


「蹂躙せよ...<千の魔を刈る魔剣>」


彼と共に堕ちた刃
其の真名を<千の魔を刈る魔剣>と云う

ーーーーーー其の力 単純至極
ーーーーーー其の力 変幻自在


剣と呼ぶには 余りに巨大(はかく)過ぎる規模
天を突く刃 聳え立つ摩天楼

斯くして刃は降り下ろされた
圧倒的質量により軌道上に暴風を撒き散らしながら

彼女を呑み込まんと、迫り逝く......

189カラミティ・ジェーン:2012/12/30(日) 21:58:57 ID:T8QAEjlQ
>>188
膝から感じる衝撃は、彼女の脳髄に完備な感覚をもたらした。
確実な手応え、何時だって相手を倒すときに感じてきた感覚が、彼女の膝から体に広がっていく。
地面に叩き落された相手を無感動に目で追いながら、ジェーンは地面に着地。
この程度ならば、どこにでも居る。確かに強いが――、彼女の血を滾らせはしない。

「――強者だと、思ったんだがな」

嘆息しつつ、倒れた相手に目線をやり――、犬歯をむき出しにして笑む。
そうだ、そうだ。これを待っていた。
何時だって私が求めるのは、泥に塗れようとも、傷だらけになろうとも私に立ち向かってくる強者だ。
立ち上がった相手を前に、恋焦がれる乙女の様に高揚した心境で、恥じらう乙女の様に緊張した面持ちで、一歩を踏み込んだ。

「待っていた。
 そうだ、それでいい。誇りを捨てろ、驕りを置いていけ。
 誇っている限り、驕っている限り。お前の全ては私に届かん。
 飾らず、虚飾らず――ありのまま、持てる全てで向かって来い。今のお前相手ならば――」

眼前に迫る異様なサイズの刃、振り下ろされるそれは武威のみで並の人間ならばショック死してもおかしくはない。
刀身が迫る。人類一人を殺すには明らかに過ぎた力が、彼女の前に。
しかし、ジェーンは笑っている。心の底から楽しそうな、童女の笑顔で、歓喜の表情で。

「――剣を抜いても良さそうだ」

ごうん。
衝撃音が響いた。そして――異様なサイズの剣は、あろうことか一人の人間の手によって止められている。
右手に有ったのは、軍刀の様にも見える西洋剣の拵えの片刃の刃。刀身は、日本刀のそれであったが。
脇差程度のそれは、相手の刃に比べれば小枝にも劣る存在感だったろう。
だが、折れず、曲がらず、砕けず、切れず。眼前に現前と小枝はビルを止めてそこにある。

「なあ骨喰[ホネバミ]。少し遊んでやるか」

彼女の持つ魔剣の内の――〝ひとつ〟。魔剣骨喰。
短尺の片刃剣であり、脇差程度の長さであるがその堅牢さは異様といえるもの。
ごう、と衝撃を放てば、一瞬拮抗が崩れ骨喰と千の魔を刈る魔剣の間に隙間を作り、動く余地を作り出す。
右足を斜め前に降り出し、魔力を叩きこみ、加速。
地面が爆発したかのような衝撃の後には無音を続け、異様な速度の前傾姿勢の摺り足で、相手の左脇腹を魔剣で引き裂こうとする。

190クラウン 物質浮遊&変幻自在武装:2012/12/30(日) 22:22:51 ID:79d52clw
>>189

「く.....くくく......」
「虫けら虫けらと呼んでいたが」

「悔しいな。 存外強者で在ったか」


己の必殺の一撃
其れを かくも容易く防がれるとは

しかし
王が ただ無下に敗れる訳にはいかない
風穴の空いた脇腹より溢れた 生暖かい何かが
彼に語りかけるのだ
気高き王族の血が 誇り高き覇王の闇が

まだ、殺れる

と、語りかけるのだ


「貴様は速い 貴様は強い」
「故に 傲ることを辞そう」


「千の魔を刈る魔剣......」

「【邪悪之樹】<クリフォト>」


彼女の背後で 巨大な剣が変貌を遂げる
剣は 無数の枝分かれを行い
文字どおり 千の刃と成って 王もろとも貫かんと迫るのだ

その姿はさながら大樹

生命を司る大樹の鏡像
邪悪なるモノ<クリフォト>である

/千の刃は無論比喩ッ
避けることもでけますよっ

191カラミティ・ジェーン:2012/12/30(日) 22:40:56 ID:T8QAEjlQ
>>190
「お前も。剣を抜かずに遊んで悪かったな。
 殺すに値する価値を見出した。だから私はお前を殺すよ、今からな」

淡々とした口調だが、言葉尻が時折跳ねる。
この女、ギリギリの生死の境、一撃当たれば死にかねないこの状況を楽しんでいた。
死は怖くない、負ける事も怖くない。ただ、刺激を失うのが怖い、高みを目指せないのが怖い。
困難は乗り越えるために存在しており、どんな困難でもそれに挑戦する事が許されるならば、ジェーンに取ってそれはアトラクションに過ぎない。
円環の楽園に所属する者の例に違わず、この女も普通の悪とは異なるベクトルで壊れきっている人間だ。

相手の本気を、感じる。
血霧を引きずりながら相手の脇腹を引き裂き駆け抜けるジェーン。
己の一撃を受けて尚立ち、さらにここから先を見せる相手に素直に感銘を覚えた。
強者を求め、高みを目指してやまない獣の狂奔が目覚め始める、らんらんと輝く瞳に、弧を描く口元。
死の予感すら今の彼女は歓喜のスパイスの一つとしてしか捉えられなかった。

「こ、はァ――――」

息を吐き出し、身に魔力を一瞬で巡らせる。
全身がうっすらと金色の光を帯びて、右手の剣がカチカチと震え始める。
相手のように変形するでもなし、巨大でもなし。出来ることといえば、距離を離すこと位が関の山の魔剣骨喰。
だがしかし、その強度だけは異様といえるほどに高く、また剣を通して魔力を流すことで所持者自体も堅牢な肉体と成る。

「奥義は要らん、必殺も要らん、秘伝も要らん。
 私は、私に出来ることでお前を倒すだけだ」

包み隠す事など相手を嘲るのと同じだ、どっちにしろ殺すか死ぬのだから必殺など要らぬ、自力で掴みとったものを誰に秘め、誰に伝えるのか。
故に、名も肩書きも彼女の振るう力にはない。言うなれば、カラミティ・ジェーン。それが彼女の技。
全身全霊を尽くした剣戟に、歩法に、打撃に優劣は無く、全てに名をつければ一生が終わってしまう。
故に、全て平等に必殺で奥義で秘伝。無名の兵法が開帳される。

「――――シャァラァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!」

千に相対するのは――〝ふたつ〟。
右手の小太刀サイズの軍刀に、左手の大太刀サイズの軍刀の二刀流。
迫る無数の刃を前にジェーンが選択したのは――己に迫る全てを叩き落としながら前進し、相手を殺害すること。
黄金の軌跡を残してジェーンの姿が消え、千を超える刃の群れに輝く数百の火花が生まれていく。
一秒立つごとに切っ先が幾つか吹き飛び、折れ、へしまがる。それらは全てジェーンがなしていること。
異様な速度で二つの刃を正確に振り抜き、己に迫る剣閃の一つ一つを剣閃で殺していく。
砕き切れぬ攻撃が次第にジェーンの体を貫き傷を作っていくが、笑みは崩さず、遅くなるどころか剣閃を加速させて相手に徐々に迫っていく女が居た。

――相手がこちらを殺すのが先か、こちらが相手を殺すのが先か。勝負の決着は、誓い。

192クラウン 物質浮遊&変幻自在武装:2012/12/30(日) 22:57:14 ID:EDDtKqRM
>>191

「貴様が相手なら此処でのも本望か」


砕かれる 捻曲がる
己の必殺の千撃が、儚く 消えて行く
まるで己そのモノでは無いか

砕かようと ねじまがろうと 未だにその刃を煌めかせる心意気や好し

折れど砕けど 散れ舞えど

眼前の敵を滅ぼさんとする臣下が居るのならば
王は思いに答えよう


「共に 共に死に逝こうぞ! 我が盟友よ!」
「たとえ我等が一撃届かずとも」

「奴にほふられるのなら本望であろう! 」


塵となった刃を 其の右の手にかき集め
女に向けて 跳躍......


背後から其の身を 打ち砕こうと 降りおろす



ーーーーーピシャリ


「カハッ...... と、どかぬか......」

「だが... 不思議と、悔いは 無いものよな......」


然れど届かず...
女が弾いた刃が彼の身を改めて貫き
天を支配する王が、力無く 地に堕ちる


今を以て彼は...真(まこと)の堕天使になったのであろうか......

193カラミティ・ジェーン:2012/12/30(日) 23:06:18 ID:T8QAEjlQ
>>192
倒れ伏す相手の前に、血だらけの女剣士が立つ。
右目を潰され、足や脇腹、前進に幾つもの大穴を開けた女は、間一髪で死を越えた。

「――――いや、届いたさ。
 ……本気を出して、死んだならば本望だ」

――夢幻泡影。
それがジェーンの持つ固有の能力。
自己と自己の領域内のすべてのものの防護や強度をゼロにするというピーキーな異能だ。
それによって、容易く相手の剣を砕き折っていたのだが、当然としてジェーンの防護もまた最弱となる。
振り向き、一振と骨喰を鞘に収め、ため息を吐いた瞬間。

ジェーンの体が縦に分かれ、そのまま地面に臓物をまき散らして死亡した。
あっけない、あまりにもあっけない終わり。
だが、剣閃の世界とは斯様なもの。何時死んでも、何時終わってもおかしくない。
引き裂かれた顔は、つなげてみればきっととてもいい笑顔を浮かべていたのだろう――。

/おつでしたー!

194クラウン 物質浮遊&変幻自在武装:2012/12/30(日) 23:12:25 ID:EDDtKqRM
>>193
ありがとうございました!
楽しかったッス!

195レオンハルト 【円環の楽園】 <バアル>:2013/01/04(金) 17:29:29 ID:ypjcAgT2
模擬戦会場

古代の戦士たちが武を競ったコロッセオ
それを思わせるような建造物は暴嵐に埋もれていた

壁は削れ落ちるように崩れ粉塵と化し、柱は軋みを上げ大きく揺れる
その暴風に乗った砂と砂利は、砂嵐のように視界を奪い、気を抜けば肌を切り裂く

もう既に、此処は個人の武を競う戦場ではない
化物に立ち向かう、勇者の戦場へと姿を変えていた

災害という名の化物へ、立ち向かわなければならない


「―――ク、クカカ、カカ、カハ、ッハッハッハ!」


笑い声が、響いいている
この嵐を巻き起こす、その存在が笑っている

崩れる世界が美しいと、砕けける世界が甘美だと

「此処で死んでも、生き返れる?
 下らねぇ、下らねぇ、下らねぇ下らねぇじゃないか!
 嗚呼、なんて下らない物なんだ……そうだ、壊そうじゃないか!」

逆立つ金髪の男は、叫ぶ

――――そうだ、それが良い、と

身に纏うのは、ただスーツを一着のみ
武器も見当たらず、防具も見当たらない

人の戦いを愚弄するかのように、人の武を汚すかのように
只々、その場には男の笑い声が響いていた

196千早 氷華 E:ナイフ、拳銃:2013/01/04(金) 17:41:36 ID:IClMGqVA
>>195
「なるほどここが模擬戦が出来ると言う場所ですね」

今後の為になるかと思い、最近知った模擬戦をしてみようかと足を運んだ千早。
研究所で戦闘訓練も受けているので心得は十分にある。

「これは……酷く荒れていますね」

中に入ると、まるで砂漠の中にある遺跡にでも来たかのような有様。
これは個人で成せることなのだろうか。

「あなたが私(わたくし)の相手をして下さる方ですか?」

嵐の中に立つ一つの影。今日の相手だとしたら強大な相手だ。

197三門陽:2013/01/04(金) 17:47:56 ID:T8QAEjlQ
>>195
「おいおいおいおいおい……、ちょいと以上に異常にやばいんじゃねェのこれ!」

そんな馬鹿っぽい怒声が、レオンハルトに投げかけられる。
そこに立っていたのは、金髪オールバックに、着崩した学ランといういかにもなヤンキーだ。
風に煽られ腰ほどまで有る長髪はばさばさと踊り、邪魔そうに三門は取り出した髪ゴムで一本結びに括りつけた。

「俺、ちょくちょくここで喧嘩やってっから、ここ壊されると困るんだけどよォ!
 やめてくれね!? やめてくれねーとぶん殴るけど!」

案外理性的なのかなんなのか、止めなきゃ殴ると口にする。
だが、なんとなく青年は相手は言葉ひとつで止まらない気を感じた
だからこそ、ポケットに手を入れ、愛用のメリケンサックを引きぬき、腰を落として構えを取った。

>>196
「なんか、このおっさんここぶっ壊そうとしているっぽいからよ。
 ちょいと以上に強そうだし、なんなら協力でもしねーかい?」

いつも通りの人懐っこさで、千早に話しかける三門。
いい笑顔でメリケンを構えている姿は、プロの軍人や何かではなく、文字通りどこにでも居る只のヤンキーにしか見えなかったろう。

198美崎千代乃/茶髪赤眼鏡女子 感情爆撃 E:短刀2本:2013/01/04(金) 17:48:29 ID:2KsqbFWw
女――美崎千代乃は模擬戦場に立っていた。
古代ローマのコロッセオにも似た形状のそこには、今嵐が吹き荒れていた。

「なに―――、何なの」

その異様なまでの暴風に千代乃は思わず目を眇め掌を双眸の上に翳す。
この嵐の中心にいるのは男、確かに男であった。
吹き荒れる暴風に飛ばされた砂煙で見えにくいが、スーツを着た男が確かにこの戦場に存在するのだ。

耳をつんざくような風の音の中から響いてくる笑い声。
哄笑にも似たそれに一瞬背筋が寒くなる。

これは――――、なんだ。
今までに戦った事のない相手の出現に千代乃は唇を噛み締めながら考える。
勝機はどこにあるか、――――と。

「みーくん、わたし…負けないからね」

ぐっと拳を握るとそう呟く。

199レオンハルト 【円環の楽園】 <バアル>:2013/01/04(金) 17:57:59 ID:ypjcAgT2
>>196
「相手をしてくれる…?
 思い上がりも、此処までくりゃあ立派なもんだなァ!」

戦場へと足を踏み入れた千早に振りかかる怒声
嵐の中心にいる男から発せられているのだろう、その声は嵐の中で反響するように響きわたっている

「テメェさんは、巻き込まれるだけさ
 ――――この<暴嵐>に」

男が、大きく左手を振り上げた
その動きに合わせるかのように、地面の砂が大きく舞い上がった
いや、違う
その砂は『副作用』に過ぎない

地を這うように疾走する、疾風
風の塊、風の銃弾の如く、拳大のソレは千早に向かい疾走した


>>197
「喧嘩?
 それは残念だな、だけどよ」

――もっと、面白いモン教えてやるよ

男は振り上げた右手を力強く握りしめる
空を掴む、まさにそんな様子だった

「殺し合い、っつうんだけどな!」

その拳を胸元まで引き寄せれば、陽の背後から何かが軋む音が聞こえ始める
背後を確認すれば、石作の柱は根本でひび割れ今にも倒れそうではないか

その柱は、風に揺れ、徐々に徐々にとそのひび割れを増していく
柱の直撃を受ければ、人など一溜まりもないだろう

>>198
「ハハハ、クカ、カカカッ!」

狂ったような笑い声が、その場に響きわたっていた
とてもではないが、正気とは思えない
そんな声とともに、千代乃へと向かったのは瓦礫

壁より崩れ落ちたのだろう、石の塊は千代乃の拳よりも一回りも大きい
それが風の勢いに押され、隕石のように降り注ぐ

その数は5

広範囲に散らばったそれは、全て千代乃へ向かっている訳ではないが
避けようと動けば、他の物へ
動かなければ迫るソレにぶつかりそうだ

何か、手を打たなければ直撃は避けられない

200千早 氷華 E:ナイフ、拳銃:2013/01/04(金) 18:09:24 ID:IClMGqVA
>>197
「そうですね。ルール上問題ないでしたら共闘致しましょう」

あの相手はとても一人で勝てるとは思えない。

「私は、Xシリーズ、タイプ005、コードネームchihayaと申します。千早で結構です」

共闘する以上名前くらいは知っておいていいただろうと思い簡単に自己紹介

>>199
挨拶もする間もなく千早に放たれる風の弾丸。
千早はその場から動こうともせず、見ている。

「巻き込まれるだけでは訓練になりません……氷壁」

突如分厚く、千早の身長よりも高い氷の壁が千早の前に出現した。
如何に協力とて、風の弾丸の貫通力ではこの厚い氷の壁を抜くことは出来ない。

「挨拶位はしたかったのですが、仕方ありません。……受けていただきます、氷柱舞」

ゆらりと右手を前に出したかと思えば、レオンハルトの立つ地面の周りが4か所凍りつく。
レオンハルトを中心に四方に出現した氷の地面からは、次の瞬間に氷柱がレオンハルトの胸辺りを狙って飛び出すだろう。

201三門陽:2013/01/04(金) 18:10:42 ID:T8QAEjlQ
>>199
「あぶねーな、この……ッ、柱落ちると係の人が困るだろうがァ!」

そう叫ぶと、三門は両手を高い音を立てて打ち鳴らした。
そして、手を離せば、手の間に色とりどりに光り輝く星が煌めき始める。
だが、それは本物の星ではなく、ラメ加工された大小様々な星型のシールだ。

「あと――、喧嘩はばっちカモンだけど、殺し合いは嫌だっての!
 この俺、三門陽は宇宙飛行士志望ッ! 断じて軍人とかそういうんじゃねーからよォ!」

ぐらりと傾ぎ、三門へと倒れこんでいく柱。
だがしかし、轟音を起こして落下した柱の場所には、既に三門は居ない。
空中、7m程の高さに三門は飛び、そして重力を無視したようなふわりとした動きで着地する。
バアルの動体視力如何では、体に貼り付けた星のシールから力を噴射させて、三門が跳躍し回避したことが分かるだろうか。
三門の周囲にはまだ十数枚のシールが舞っており、どうやらシールは三門の支配下にあるようだ。

「あと、戦えそうにねェ女の子に暴力振るってんじゃねーよ」

そう言うと、シールを千代乃の方へ飛ばし、シールを飛んでくる石の固まりに貼り付ける。
風の操作に拮抗する様に、シールに秘められたエネルギーを噴射させて、千代乃へ迫る岩塊の軌道を逸らそうとする。
シンプルだが、それゆえに無限の可能性を持つ三門の異能、フリークキッチンが暴風渦巻き、隕石降る場に星明を生み出していた。

>>200
「俺は三門、三門陽だ――!
 ってか、千早の姉ちゃんかなーっり強いのな、俺の3倍はつえー!
 撹乱はまかせときなァ!」

かっけー、と氷を作り出す千早をキラキラした目で見つつ、自己紹介をした。

202美崎千代乃/茶髪赤眼鏡女子 感情爆撃 E:短刀2本:2013/01/04(金) 18:15:07 ID:2KsqbFWw
>>199
何が楽しいのだろう――――、哄笑を響かせる男に千代乃は眉を寄せる。
恐らく、彼にとってはこの戦場が楽しくて仕方だ無いのであろう。
暴風の範囲は彼の間合いだ。しかし千代乃は遠距離攻撃に長けてはいない。
どうするか――――、そう考えていたとき、何かが迫る気配にハッと息を飲む。

吹き飛んでくる瓦礫を視界にいれ、しかし千代乃は落ち着いていた。
右手に爆弾を生成し、迫りくる瓦礫に投げつける。
ぶつかった時点で爆破するようになっていた爆弾が炸裂し、瓦礫は礫と砂となって千代乃を襲う。
両手を顔の前で交差させ顔への被害を納めた千代乃は、瓦礫が自身の背後へと飛んでったのを確認して嵐の中心に向かって駆け出していく。
ついでに、男に向かって生成した爆弾を投擲する。

203美崎千代乃/茶髪赤眼鏡女子 感情爆撃 E:短刀2本:2013/01/04(金) 18:20:59 ID:2KsqbFWw
/>>202後半にこれを付け加えます、すみません!

>>201
ふわり、と瓦礫の軌道が変わる。
自分が爆弾を投擲したのは変わらないが、何者かの意思が働いたのが見て取れる。
とすると、柱を躱した彼だろうか、何やら自分の事について言っていたようだし……

「ありがとうございます、わたしは美崎と申します。」

そっと三門に近寄るとそう礼を言う。

「わたしは戦えます、大丈夫」

そう言うとキッと嵐の中の男を睨み付けると、爆弾を生成し嵐の中の男に向かって投げつける。

204レオンハルト 【円環の楽園】 <バアル>:2013/01/04(金) 18:32:18 ID:ypjcAgT2
>>200
「クカッ、カカカ、良いねェ良いねェ!
 そうやって、命狙って来てくれよ!」

迫る氷柱は、先端より等間隔に輪切りへと変わり砕かれる
荒ぶる暴風は風の刃へと変化し、氷柱を巻き込みながら、厚い氷の壁を削り始める

「さあ、『抉れ』
 風は、ただ吹くだけじゃねぇぜ」

風の刃は、組み合わさる様に一つの球体へと姿を変える
小規模の嵐の様に乱回転の風の刃は、円状にその壁を刳り、削り
勢いを劣ろえさせながらも、真っ直ぐ千早へと向かっていく


>>201
「望む望まざるじゃねぇんだよ
 理不尽ってやつは、よォ!」

陽の動きを目で追いながら、男は嬉しそうに目を細めた
この惨状の中、誰かを救おうと前に踏み出す

嗚呼、英雄の素質がある、その男には

「そして、理不尽に立ち向かえる者こそ……」

だが、空中へと飛翔したのは悪手だ
遮蔽物のない空中は、嵐の独壇場だろう

「俺様の、求める、存在!」

大きく両手を広げ、天を仰ぐように身を逸らす
生み出されるは、激しい上昇気流

陽の足元で発生した局部的は気流は、陽の体制を崩し
そして、先程倒れた柱の破片を巻き上げる

迫る、破片、破片、破片

周囲を囲むように飛翔したその破片たちに阻まれ、逃げ場は上のみだろう

>>202-203
陽の能力の発動により、瓦礫の一部は千代乃より消え
爆弾の爆破により、その瓦礫も粉砕される

数が減ったせいだろうか、砂と礫の数も少ない
行動を妨害するほどの量は、降り注がない

「向かってくるか、お前も!」

男へと向かう爆弾は、何かに阻まれたかの様に空中で爆発
その爆風は、男へとは届かない

「面白ェ、面白ェじゃねぇか!
 ハハハハ、何が目的だよお前ら
 こんな場所、守る必要もねぇだろ!」

嵐の中心へと向かう千代乃
一歩、一歩進む毎に、風の重圧は益して行く

其処に壁があるかのように、体全体へ重圧がかかっていく
いや、風だけではない
千代乃はその躰が少しづつ濡れていくのに気付くかもしれない

砂と礫の嵐が、少しづつ姿を変化させていく

205千早 氷華 E:ナイフ、拳銃:2013/01/04(金) 18:43:15 ID:IClMGqVA
>>204
「氷壁を削るのも良いですが、いつまでも私がこの場に留まっている訳もありません」

千早は横へ移動し、氷壁を貫通したとしても当たらない位置へ行く。
氷壁から身を出すと同時に、ほかの2人に当たらないように攻撃を仕掛ける。

「氷塊弾、これは如何ですか」

こぶし大の4つの氷塊がレオンハルトへ向かい放たれる。
同時に先ほど氷柱舞を出したときに凍らせた地面がその氷結範囲を広げていく。その場に立ち続ければ、やがて地面に付いている足まで凍らせて行く。
先ほどの氷柱舞の様にその場に立ったまま対処をされてはかなわない。

206三門陽:2013/01/04(金) 18:46:11 ID:T8QAEjlQ
>>203
「おう、よろしくなァ美崎ちゃん。
 ――戦えるならそれでいい、但し無茶はすんなよ。
 無茶は俺の特技だから、俺に任せとけ」

いい笑顔でサムズ・アップしつつ、爆弾を投げる美崎から視線を外す。
相対しているのは楽園の最強格、そうとは知らなくとも別格である事だけはよく分かった。

>>204
「ちょーっと、厄介すぎんぞオイ」

引きつった顔で、目の前に舞い上がる無数の破片達を見て、笑う。
上昇気流に異能で抗うも、この数秒後にはガス欠が襲いかかるのは間違いない。
ならば、どうする? 決まっている――先に進むのだ。

(――殴りとばして意識落とせば俺の勝ち、だよなあ。
 破片は、確かに早いし多いが――俺よか遅いし、俺よか弱い。だからどーでもいい)

頭は悪いのに回転速度だけは早い頭脳がクロックを上げる。
生命の危機を感じて、アドレナリンが過剰分泌され、五感が研ぎ澄まされ、高い集中状態に陥った。
どちらかと言うと動物的な本能を持っている類の三門、本能で動くのが本領だ。

「いいぜ。殺し合いはお断りだが、てめェみたいに気合入ったヤツは嫌いじゃねェ。
 〝かかって来な、相手をしてやるよ〟」

不良の面子を掛けて、三門は遥か上位に堂々とメンチを切った。
相手をしてやる、かかって来い。どう考えても、相手をしてもらうのがこちらで、掛かっていくのが此方だというのに。
それでも三門は、喧嘩として、不良としての流儀を捨てず、相手に相対しぶつかり合う気でいた。
空中で手をぱん、と叩く。体に張り付いたシールのエネルギー残量は後1秒と少し、それだけあれば十分だ。

「男は度胸だろうが、ここでビビってどーすんだっての――!」

直後、流星が空に輝き、破片の壁が粉砕した。
逃げ場が無いなら、挑めば良い。三門が居るのはいつでも逃げ場ではなく挑む場だ。
壁を文字通りに打ち破り、流星の尾のようなエネルギーの線をひきながら加速する三門は、右拳を振り抜き、バアルに迫りゆく。
右腕の肘にはシールが張られ、近づけば速攻で加速をし、相手の土手っ腹に勢いづいたままで拳を叩きこむつもりだ。
技量は無い、相手のように万能の異能も無い、体はがれきの破片で傷だらけだ。だが、三門には度胸と勇気だけが有って、それだけで三門は十分だったのだ。

207レオンハルト 【円環の楽園】 <バアル>:2013/01/04(金) 19:03:14 ID:ypjcAgT2
>>205
軽く、左手を振るえばそれに合わせるように風の刃が発生
氷塊はその刃に砕かれ、男の後方へと消えて行く

だが、その間も迫る地面の氷結は、その男の靴も、スーツの裾までも凍らせ
その場へと、その両足を拘束していた

「……嗚呼、素ン、晴らしい
 ちっと、周りが見えちゃいなかった」

乱気流の球体は、先程千早の居た場所
つまり、現在の千早の横まで到達していた

このまま直進すれば、どう足掻こうと当たるはずが無い

「でも、甘ェな
 周りが見えちゃいないのは、俺だけじゃないってなァ!」

その乱気流は、風の刃の集合体
風の刃が、複合し、生み出された球体だ

だから、パチン、と軽い音が響いた
嵐の中心にいる男が、指を鳴らしたのだろう

瞬間、球体は刃へと変わる、いや、戻った

砕けたガラスのように、爆弾の爆発のように
無造作に、無差別に、散り散りに破裂した風の刃は、当然その横にいる千早にも迫っていく

>>206
その男は、恋をする少女のように
頬を赤らめ、微笑んでいた

この嵐に、立ち向かうか
嗚呼、素晴らしい
誰かが、蛮勇などと貶そうとも、この男だけはその行為を賞賛する

周囲の風が、喝采を浴びせるように唸っていた

「嗚呼、かかって来いよ相手してやる!」

いつしか、その風も止んでいた
いや、止んでいたのではない、その男の右手に握られる黒の刃

日本刀の柄も鍔もなくしたかのような、唯、刃だけの存在
『ヤグルシ』
嵐を集結させ、稲妻を集め、その磁力によって周囲から砂鉄を調達した
その砂鉄の集合体、嵐を掌握した刃

それを握り、構える

流星のような陽の一閃
それを受け止めるように、刃とメリケンサックはぶつかり合い
キィーン、と高音の金属音と激しい火花を響かせた

それが、唯の刃ならばへし折れていただろう
だが、それは粒子の集合体
折れれば、磁力を持ってそれを繋げる

「嗚呼、御馳走だ
 上手に貪りな『ヤグルシ』」

そして、蠢く黒は、その振動によってメリケンサックを削り落としていく

208美崎千代乃/茶髪赤眼鏡女子 感情爆撃 E:短刀2本:2013/01/04(金) 19:04:58 ID:2KsqbFWw
>>204
「ありがとう、一緒に頑張りましょう!」

そう三門に言い返してはニコリと笑む。
相手が円環の楽園、その一員とは此方も知らなくても、
この場所を無為に破壊されるのだけは千代乃も避けたかった。


「わたしは……愛の無い悪を滅ぼすだけ……」

ぎっと歯を食いしばって千代乃は前へ前へと進んでいく。
身体ごと押し返されるような重圧にじりじりと後ろに踏ん張る足がずれていく。

砂と礫に肌を切り裂かれながらも進んでいく。
進まなければ活路は見いだせない。
だから進む、それだけだった。

気が付けば服が、髪が、肌が濡れていた。

「雨――?」

双眸を見開いては、自身の様子を確認する。
ピタリと張り付く服に髪、うっとうしそうに額に張り付く髪を払えば爆弾を生成、自身の足裏に設置すると爆発の推進力で一気に男、バアルに接近しようとする

209千早 氷華 E:ナイフ、拳銃:2013/01/04(金) 19:15:57 ID:IClMGqVA
>>207
「……!?」

突如風の球体が爆ぜ、周りに刃をまき散らす。
それを確認すると、千早は地面へ伏せた。同時に氷壁を作る。
しかし、この一瞬で作れるのは壁と言うよりも小さな山。細長い山を作り、それに隠れるように地面に伏せたのだ。

「その足で回避が出来ますか? 氷龍」

伏せたまま手をかざし、作り上げるのは氷でできた龍。それは千早の手元から延びるようにして長さを伸ばし、レオンハルトへ襲いかかる。
この氷龍の氷の牙を防げるか。

210レオンハルト 【円環の楽園】 <バアル>:2013/01/04(金) 19:18:14 ID:ypjcAgT2
>>208
「ふは、はは、アッ、ハッハッハッハ!
 あ、愛……だってよォ!
 愛がない、愛にあふれた俺様にそれを言っちまうのか!?」

その躰を、髪を、服を濡らす雨と風は突如、なんの予兆もなく消え去るように止む
それが爆発による推進を更に加速させる結果になった

其処には、陽の拳と男の刃が火花を散らし、刃鳴りを響かせている光景がある
男の足は氷結し拘束を受けているように見える、千早の氷だと言うことが前頭に参加している千代乃には理解できるはずだ

「俺は愛しているのさ、全てを
 これは、世界に対する俺のアプローチなんだからなァ!」

211レオンハルト 【円環の楽園】 <バアル>:2013/01/04(金) 19:26:57 ID:ypjcAgT2
>>209
「やるねェ、足止めして大技
 セオリー通りの教科書通りっつうのかァ?
 お利行ちゃんじゃ、足りねぇんだよォッ!」

剣を構える右手から、左手は離さえれる
そして、先程と同じく集結する黒

それは刃ではない、例えるなら杭
槍というには無骨過ぎるそれは
バチリ、バチリと紫電を蓄え、放たれる

それは磁力による加速
反発する磁力が投擲のモーションもなく弾丸のようにその螺旋を加えながら杭を押し出す

氷で出来た龍の牙を砕き、串刺しにするかのように喉を貫き、地面へと拘束した

「俺が求めてんのは、無茶苦茶の中で輝く小さな光なんだ
 消えちまいそうなそれが、堪らなく愛おしいのさ」

212三門陽:2013/01/04(金) 19:33:07 ID:T8QAEjlQ
>>207
寒気がした。
目の前の相手の強さに、などではない。相手の存在そのものに、薄ら寒さを感じた。
甲高い音を立てて、相手の手に握られる方なとぶつかり合う、メリケンサック。
だがしかし、悲しいかな。

「て、め――俺の、相方をォ!!」

三門の武器は、通販で2つセット5000円のメリケンサックでしかない。
相手の強力な武器とは比べ物にならないほどに、粗悪な安物だ。
それでも、こっそり自分の枕を刻み、クッションを付けて扱いやすくしたり、日々磨いて手入れをしてきたそれは、三門にとっての相棒。
一瞬で両断されたメリケンごと、三門の拳も削り落とされて、鮮血と白骨と赤肉を飛び散らせた。

痛みに顔を一瞬歪め、落下していく三門だが、その瞬間三門の表情が変わる。
その表情は、強いていうならば怒り。
餌などにするか、この俺を。俺は喧嘩をしに来たのであって、お前に貪られる為に来たわけではない。
握ることもかなわぬほど崩れた右拳を無理やりに動かして、三門は絶叫しながら両手を叩く。

「フリークキッチンッ!! ジャンク・トゥ――――――ッスゥゥゥゥウゥゥゥゥウゥ!!」

重力に従って落下していく最中、三門の周囲で星が舞う。
星が舞い、相手の周囲で渦巻く風すらも喰らい尽くし、三門は――飛んだ。

「潰す――ッ、てめェのそのなめくさった態度が気に入らねぇ、だから殴る潰す張ッ倒す!!
 殺しゃあしねェ、ただきっちりテメェとそのヤグルシとやらには、俺の相方の落とし前を、けじめを付けてもらおうかァ!!」

四肢に星の意匠が所々にあしらわれた具足と篭手が装着され、顔にはトンボを思わせる大きなサングラスが装着されている。
フリーク・キッチンの本来の力を引き出した、〝第一形態〟。ジャンク・トゥースが三門の怒りに答えて具現した。
空中で力を放出しながら、三門は血肉を滴らせる右手にあえて左手のメリケンを装着し、握りしめさせた。
服を引き裂き、右手に布を巻きつけ無理矢理に拳を作り、右腕を引く。

「喰らえやァ! ジ・モンスター・ヒットォ!」

背後に火炎を従えるような、異様な加速。
虹色にトンボの意匠を感じさせるサングラスが煌めき、右腕に加速に使うエネルギーが収束していく。
狙いは、顔面。殺意は無く、ただぶちのめす意志だけを携えて拳を振りかぶった。

技量は無い、拳を振るう動作は大ぶりでどう見ても素人で、ぽっと出の異能は三門には制御しきれていない。
理由は浅い、大事にしていたメリケンを壊され、面子を潰されただけで傷ついたのは自分だけだ。
だから、命をかける価値は無い。それは普通の人間の発想だ。
それでも、命をかける価値が有る。それが、三門陽、ヤンキーの生き様だ。
意地の拳は流星の尾を引き――――駆ける。

213美崎千代乃/茶髪赤眼鏡女子 感情爆撃 E:短刀2本:2013/01/04(金) 19:38:50 ID:2KsqbFWw
>>210
ふっと、唐突に嵐が止んだ。
砂埃が、瓦礫が、礫が飛翔をやめ、地に落ちる。

その中で変わらないもの、それが男の哄笑だった。

爆発によって得た推進力、それは止まることは無くそのまま男へと突っ込んでいく。
その勢いを利用して空中でコートの下から取り出した短刀を男の腹に向けて投擲する。

バアルと相対する三門、散る火花は何によるものだろう、直ぐにはわからずに千代乃は目を眇める。

「では、あなたの愛と私の信じる愛は違うということです、残念ながら、分かり合えませんね」

もう一本、コートの下から短刀を取り出すと千早の氷によって身動きが取れないバアルの
武器を握るその腕に向かって踏込と同時に突き出した。

「悪はすべて、滅びるべきです」

214レオンハルト 【円環の楽園】 <バアル>:2013/01/04(金) 19:50:12 ID:ypjcAgT2
>>213
迫り来る短剣
だが、それは投擲をを終えた左手が掴み取るようにそれを弾いた

手の平が切り裂かれ、血が溢れるが、腹部へのダメージを考えれば軽症だろう

「分かり合えない?
 それこそ、愛がないじゃぁないか!」

そしてその隙をつき陽と男の鍔競り合いに割って入る少女の刃は
正確にバアルの右の手首を切り裂き、黒の刃をその手から溢れさせる

「その通り、悪は滅びるべきだ
 だったら、滅ぼしてみな、英雄になってでも」

その瞬間、刃は砂鉄へと戻り、地面へと撒き散らされた


>>212
貪る、と表現されたその攻撃は削り落とすようにメリケンサックも、手の肉も削いでいた
だが止まらぬか、この猛攻は

「―――――アハハハ、そうか、それは素敵じゃないか」

耳を駆け抜ける怒りが心地良い
身を震わせる熱気が、愛らしい

「唯只管の怒りが、美しい
 やってみろ、それで俺を貫いてくれ」

狂気に、笑みに歪んだ男の頬に、陽の拳が突き刺さる
そして、氷の拘束をも打ち砕き
その針金細工のような肢体は、吹き飛び、コロッセオの壁へと叩きつけられるように吹き飛んだ

(//行動を続けますので、もう1レスお待ちください)

215レオンハルト 【円環の楽園】 <バアル>:2013/01/04(金) 19:56:02 ID:ypjcAgT2
崩れ落ちる石壁に埋もれた様に見えたその男だったが
風が一吹きしたかと思えば、その瓦礫も一瞬にして吹き飛び、その姿は健在

ただ、その表情は狂気に狂った笑みではなく
のっぺりと張り付いたような薄ら笑い

「素晴らしい、素晴らしいですよ皆さん
 そうですか、この場所ではこのような英雄が生まれるのですね!」

口調も、先程のそれではない
まるで、?人なのではないか、と思うほどには

「壊すなんて、とんでもない
 ああ、私は私の愚行が許せない」

ちらり、と3人を見渡すように視線を向け、恭しく一礼

「自己紹介が遅れました、私はレオンハルト
 【円環の楽園】 序列第一位、バアルの名を関する者」

そして、彼の周囲に風が集結する
彼を掻き消す、砂嵐を生み出すように

「……また、会える日をお持ちしています、英雄殿」

そして、その砂嵐が止む頃には男の姿も消え去っていた

//コレにて終了です
//時間長引いてしまってすみません

216三門陽:2013/01/04(金) 20:01:28 ID:T8QAEjlQ
>>214>215
「――ち、ィ。
 次はぶっ倒す、張り倒すぞこの野郎が……!」

地面に着地すると、片膝を付いて肩で息をして。
消えていく男に、中指を立てて見送るのであった。

217千早 氷華 E:ナイフ、拳銃:2013/01/04(金) 20:03:09 ID:IClMGqVA
>>215
「随分雰囲気が変わりましたね」

立ち上がり、埃を払う千早。目の前にいるのは本当に先ほどまで戦っていた相手なのか。

「円環の楽園……昨日の円環様が言っていたものですね、有名なのでしょうか」

今世間をにぎわせている円環の楽園を知らない人間は千早以外に居るのだろうか。

「ともあれ良い訓練になりました。帰るとしましょうか」

この戦いで強者との戦い方を一つ学んだ千早は模擬戦場を去っていく。

//お疲れ様でした。

218美崎千代乃/茶髪赤眼鏡女子 感情爆撃 E:短刀2本:2013/01/04(金) 20:22:59 ID:2KsqbFWw
>>215
「英雄―――そうなればあなたを倒せるの?それとも、あなたを倒せば英雄に?」

吹き飛んだバアルを見ながらそう一人ごちる千代乃。
聞けば相手は円環の楽園の第一位だという。
そんな強者を相手取っていたことに千代乃は知らず口の端をつり上げる。

「円環の楽園、バアル、忘れない……私の倒すべき、悪――――」

砂嵐が収まれば男の姿はそこにはない。
彼の手を傷つけた短刀から血がこぼれる。
それをうっとりとなぞれば血の付いた指先を舐める、その顔はとても、嬉しそうだった。

/遅れてしまいましたが、お疲れ様でした!

219フレデリーク=ルヴィエ(灰髪黒ローブの少女):2013/01/04(金) 23:25:02 ID:rB9sjoGU
「―――はぁー、つまんなーい……」


模擬戦場。その中に居たのは1人の少女だけ。
何かを積み重ねた山の上に居たその少女は、本当につまらなそうにため息をつくと、黒いローブと灰色の長い髪をたなびかせて下に飛び降りた。
手に持っていたのは50cmほどの棒。それをクルクルと回しながら、少女を入り口を見据える。

来るものは、積まれた物が全て人間"だったもの〟なのが分かるだろうか。
赤に塗れ、最早何処が頭で何処が体だったのか分からないが、分かる部分は有るだろう。
そんな山もすぐに除去され、次の相手がやってくる。

「ふふ……誰が来るのかなー♪」

相手が生き返る以上、結晶集めは出来ない。
棒で背中を叩きつつ、次はあの山のように詰まれた挑戦者のような、弱い相手が来ないことを祈る。
出来れば、自分の血液が沸騰するような、燃える相手……。自分が殺人鬼とか、そんなことはどうでもよく。


少女はただ、血に飢えていた。

220クリオネ 人形使い 生成中の人形:0体 E:投擲用ナイフ×3:2013/01/05(土) 00:17:11 ID:IClMGqVA
>>219
「さて今日は誰が相手なのかな」

最近戦闘を行うことが多くなった気がする。円環の楽園と言う組織に属した以上、これは必然なのだが、今後に備えて模擬戦で訓練するのも悪くない。
両手をコートのポケットに突っ込んだまま歩いて模擬戦場に入る。
すると、多くの肉塊と幼い少女が一人。

(あの棒……いや、あの棒だけでやったとは考えにくいね)

入った直後から相手の武器がなんなのか観察する。
戦いにおいて情報は多いに越したことはない。

「キミが私の相手? ちっちゃい女の子相手にするなんて気が引けるなー」

実際少女が相手だから気が引けるなんて性格をしていたらクリオネは今まで生き残って居ないだろう。

221フレデリーク=ルヴィエ(灰髪黒ローブの少女):2013/01/05(土) 00:31:44 ID:rB9sjoGU
>>220
相手が……彼女が入ってきた瞬間、少女は口を歪ませてアハハッと軽快に笑う。
その笑みは、ただ戦闘が出来る事への喜びだけではない。彼女を瞬間的に強い者と見た事で、自然と笑みが零れだしたのだ。

「うん、私が相手だよ。……フフッ、分かるよお姉ちゃん。お姉ちゃんはそんな人じゃないって……」

血がベタ塗りされたローブから、倒した人数が分かるだろう。そしてそれに躊躇もないも無い事を。
実際、多くの相手を瞬殺している少女。あの山が築かれるまで、そう時間は掛からなかった。

彼女の口から出る嘘を、笑う。少女には分かる、悪人ゆえの言葉遣いというものが。自分もそうだから。

そして、背中を叩いていた棒を持つ手を一旦休めると、

「―――Boule Rouge」

それだけで、棒の先端から白い光が浮かび上がる。数秒後には、高さ3m、横幅1m、厚さ50cmほどの黒い塊が棒の先端に付く。
……非常識なほど巨大なその黒い塊を、少女は一寸の苦しさを見せず、担いでいたのだった。

「潰されないようにしてね、お姉ちゃん♪」

222クリオネ 人形使い 生成中の人形:1体 E:投擲用ナイフ×3:2013/01/05(土) 00:47:43 ID:IClMGqVA
>>221
「あははっ、何それ? もう私の事分かったつもり?」

意外にもクリオネと少女の笑い方は良く似ていた。割と近い性格をしているのかもしれない。
しかしその残虐性はクリオネ以上かもしれないこの少女。どう戦うか……

(やっぱりただの棒じゃ無かった訳ね。てか、あれ大きすぎでしょ……私のインペリアル位あるよ)

出現した巨大な武器。その大きさを見るやクリオネは内心驚いている。
クリオネの奥の手は、巨大なドールと武器で相手を圧倒するスタイルだが、この相手は素の状態でそれをやると言う事。
自分が奥の手として使っている手だ。その強力さは誰よりも知っている。

「確かにそんなので叩かれちゃったら潰れちゃうよねー」

未だポケットから手を出してもいないクリオネは動かずに笑っている。
一拍置いて再びクリオネがしゃべり始める。
ところでさー、と

「私と話すのも良いけど、いつまでもこっち見てて良いの?」

ニヤッとクリオネの口元が歪んだ途端、フレデリークの背後に一体のドールが出現する。ドールとフレデリークの距離は3歩ほどと言ったところ。
フレデリークと全く同じ容姿をしたドールで、手に持つのは今フレデリークが持っている武器の二回り位小さくなったものだ。
そうして背後からフレデリーク目がけて武器を振り下ろす。

223フレデリーク=ルヴィエ(灰髪黒ローブの少女):2013/01/05(土) 01:05:42 ID:rB9sjoGU
>>222
「そうじゃないの? そうだと思ったけどなぁ・・・」

一転、キョトンとした表情で彼女を見つめる。その瞳は、普通の少女のよう。
純粋さ故の残虐性。よく言われる言葉だが、少女をそれを真の意味で備えていた。

え? と、彼女の言葉と自分に落ちる影で、後ろにある何かの存在に気づく。
少女は反射的に、自分が持つ元々の異能の名を叫んぶ。

「Renforcer le corps! ―――Lion!」

人形が少女の頭目掛け武器を振り下ろす前に、少女には獅子の様な素早さが与えられていた。
塊を担いだまま少女は身体を右へと振り、その瞬間、ドールの武器が先ほどまで少女が居た所を通過する。

そしてドールに振り向きざま、担いでいた塊を振り下ろす。
少女の腕力といえ、500gの棒を前に振るのは容易だ。少女相当の加速度で、塊は少女そっくりのものを襲うだろう。
塊の重量は300kg。だが振り下ろされたそれの衝撃は、それ以上の破壊力を誇る。

ドールが避けるか、それ相応の防御力をもって居ない限り、破壊されるのは火を見るのより明らかだろう。

224クリオネ 人形使い 生成中の人形:2体 E:投擲用ナイフ×2:2013/01/05(土) 01:24:34 ID:IClMGqVA
>>223
(あの武器での攻撃……防ぐ手段は無い。だから全力かつ速攻で終わらせてあげる)

あそこまでの質量を持つ武器をガードした所で吹き飛ばされた上、ガードの上からでも破壊されるのは目に見えている。
だから避けないし防御もしない。相手に攻撃が当たったと思わせ、とりあえずは一時的にでもそこに意識を向けさせればそれでいい。
そうして最初に作ったドールはあっけなく粉砕される。

「アサルトっ! 行って」

クリオネの前に2体の巫女装束のドール、メイデンを生成。2体はそれぞれ日本刀を1本ずつ持ち、左右に膨らみながらフレデリークへ向かって走り出す。
さらにクリオネは投擲用のナイフをポケットから出し、フレデリークの足に向かってそれを投げる。
2体のメイデンがフレデリークに到着する直前にナイフが当たるくらいの速度だ。
フレデリークから見て右側のメイデンが狙うのは右足の太もも辺り。そして左側のメイデンは左腕を狙う。

(あれだけの物を軽々と扱うと言うのは、筋力を強化しているからなのかそれとも……いずれにしても足をやればそのデカい得物は振るえないよね)

あんなものに近づきたくないと言わんばかりにクリオネは最初の位置から動いていない。
フレデリークがあそこまで巨大な武器を持ちながらドールを掻い潜って高速で接近してくるとは考えにくいと判断したのだ。故に最初からこれだけのドールを攻撃に割いている。

225フレデリーク=ルヴィエ(灰髪黒ローブの少女):2013/01/05(土) 01:47:09 ID:rB9sjoGU
>>224
人形の生成、操作を扱う能力。
1体目の人形を潰し終えた後瞬時にそう判断した少女は、少女とは思えないほど気味悪く、にたりと笑う。

沢山潰せる。少女の頭の中はその思考が殆どだ。

そう考えているうちに、新たな人形が現れる。2体。どちらも、来る速度は同じ。
少女に複雑な戦術は存在しない。2体とも同じ動きを持って自分を攻撃して来るなら、まずはどちらか仕留めるのが常識だ。

「―――……ッ!」

しかし少女にも弱点はある。単純な思考ゆえ、複雑な処理が出来ない。
2体の人形に気をとられ、脚に向かって飛来するナイフに気付かなかったのだ。そのナイフは脚を掠め、一筋、右足に赤い線が出来た。
一瞬顔が歪むも、異能で得た俊敏さで右側のドールに近づくとすかさず塊を斜めに振り落とす。塊の先端部分がドールに当たるだろう。
リーチの差は言うまでもない。

そしてそのドールを潰すことができれば、そんな巨大なものを振ったとは思えないような軽快な動作で振り返り、
振り下ろしている塊を左側のメイデンに向かって、振り上げる。丁度、ドールの右腕の辺りを塊の先端部分が通過するだろう。

226クリオネ 人形使い 生成中の人形:1体 E:投擲用ナイフ×2:2013/01/05(土) 02:06:15 ID:IClMGqVA
>>225
少女が笑った気がした。はっきりとは見えなかったが、その笑みに狂気を知るクリオネ。
普通、この幼さで内包する狂気ではない。

(ナイフ外れちゃった……ナイフ投げの練習でもしようかな)

右側のドールが粉砕されるのを見ながらそんなことを考えていた。実際ドールが粉砕されようがクリオネに痛みは無い。
視覚は常にリンクさせているが、痛覚までリンクさせておく必要はない。
さらにフレデリークの攻撃は、左側のドールの右腕に直撃し、持っていた日本刀諸共消滅し、その場に倒れる。が、まだその一体は残しておく。

「あっははは、凄いねキミ。よくそんな重そうなの振り回せるね」

一旦攻撃の手を緩めるクリオネ。
戦闘中でも相手と話したがるのだ。

「でも全然こっちまで攻撃届かないよ。いつまでもそんな戦い方してると…………死ぬよ?」

右腕を失い倒れていたドールが、這いつくばりながら左手でフレデリークの足首を掴もうとする。
同時にクリオネが取り出すのは一本の槍。そしてその場で大きく突く動作をする。
当然、初めの位置から動いていないクリオネの槍は届くわけがない。が、その槍は伸びる。武具生成の能力で、槍の持ち手の部分を生成し続ければ、伸びる武器を再現することが出来る。狙うは腹部。
当然伸縮する能力は無い為、伸ばしたら伸ばしたままで当たっても当らなくても直ぐに破棄するしかないのだが……

227フレデリーク=ルヴィエ(灰髪黒ローブの少女):2013/01/05(土) 02:25:06 ID:rB9sjoGU
>>226
「"重くない〟よ、こんなの!」

右腕を吹っ飛ばされ、倒れるドールに満足しながらも、彼女の言葉に堂々胸を張る少女。
普通ならば、そんな動作はしないだろう。戦闘中に胸を張るのは完全に無駄な行為でしかないのだから。
だがそれでも少女がそういったことをするのは、ただ単に、褒められたのが嬉しかっただけのことだった。

単純で、純粋で、それだからやる事なす事は残虐で……。それが少女の、全て。

足首を倒したと思っていたドールに掴まれ、一度は驚いて振り返るも、ただの悪あがきだと思うと、


「―――Renforcer le corps、singe……死ぬのは……」

担いでいた塊を翻し、少女の掴まれた足元付近へと塊を振り落とす。狙いはドールの右腕。粉砕できれば、身体は自由なのだから。
枷が外れれば、後は簡単。俊敏さと引き換えに得た身軽さ、跳躍力で持って一気に前方へ飛び上がる。


「……お姉ちゃん、だよ?」

槍を避けると同時に、彼女へと近づいた。着地する前に、少女は振り上げた塊を彼女目掛けて力いっぱい振り下ろそうとする。
少女といえど、その振り下ろしは黒い塊には残像さえ見える。

身体はまだ、彼女に届かない。だが、その塊の先端を彼女の身体へと当てることが出来るのには、距離は十分。
しかし手元が狂ったのか、真正面から当てることが出来ない。彼女が動かなければ、その塊は彼女の右腕を文字通り潰すことになる。

228クリオネ 人形使い 生成中の人形:1体 E:投擲用ナイフ×1:2013/01/05(土) 02:44:02 ID:IClMGqVA
>>227
「へぇ……”重く”ないんだ」

ここで一つの仮説が生じる。彼女の能力は筋力の強化ではなく、武器そのものに何か特殊な仕組みを付与すること。
その特殊な仕組みと言うのが、例えば重さを加減することが出来ると言うもの。振り上げるタイミングでは軽く、振り下ろすときには重くすれば運用に必要な力は少ない。
この仮説が当たっていなくとも、あの武器の重さをそのまま彼女が受けていると言うのはこれまでの言動から考えづらくなった。

(ま、分かったからと言って対処できるような能力でもない。単純かつ強力な能力だね……っ!)

槍を即座に破棄し、フレデリークの攻撃がやや右寄りなのを見て左側に飛ぶ。
飛びながら左手でナイフを一本、フレデリークの右足に投げる。とっさに投げたもので、相手の意識を少しでも自分から逸らすことが目的な為、狙いは悪く、仮に当たっても刃の部分が相手に向いているかもわからないお粗末な投擲。
2,3回転がりながら体制を整え、何とか立て膝の体制まで。いつの間にかクリオネの右手にはサーベル、左手にはラウンドシールドを持っている。
このサーベルは強度と切れ味を最高に保ちつつ、羽のような軽さを備えたクリオネの作る武器で最高傑作の一つ。クリオネが近接戦闘を余儀なくされた場合の主力武器だ。ただし羽の様に軽い為、かち合いにはめっぽう弱いのだが……
しかし、本来この距離はクリオネの距離ではない為、新たなドールを生成する準備をしておく。

「残念だけど、私死にたくないから。そんなので叩かれたら痛そうだし」

229フレデリーク=ルヴィエ(灰髪黒ローブの少女):2013/01/05(土) 03:03:27 ID:rB9sjoGU
>>228
「うん、全然。だって私、これの重さ感じないもん」

これが普通。そんな雰囲気を少女は持っていた。嘘をついている様子は見られない。
実際、少女は嘘をついていなかった。これの重さ300kgは相手だけが感じる。少女には、棒の重さ500gしか感じることが出来ない。
こうやって簡単に能力のことを教えてしまうのも、単純だから、なのだろう。

そう。少女は能力を教えたくらいで負けるとは毛頭思っていないのだ。

左側へと跳躍した彼女を、感じるがままに塊を振り下ろし、追撃しようと試みた。
しかし視界端にナイフを捉え、考えるべき第1目標はナイフへと変更される。……その結果ナイフが右足をまたもや掠り、切り傷が一つ増えた。
そして彼女の方を向くと、いつの間にか剣と、盾を装備している。―――だが。

「……でもさ、お姉ちゃん」

思考をそのまま口に出す。その内容は、自分がまだまだ相手を殺す手段がありうるということの意思表示。
少し脚を曲げ、跳躍で一気に彼女へと近づく。剣も、盾も、そして彼女がまたドールを出すという可能性をも無視し、


「―――――――私は叩くよ? お姉ちゃんが生きている限り、何度でも!」


そんな言葉を発しながら、着地の前に、勢い良く、左上から右下へと振り落とす。
今回は狙いが完璧だった。動かなければそれは彼女の首を千切りながら進むだろう。だが、如何せんモーションは大きい。

230クリオネ 人形使い 生成中の人形:4体 E:投擲用ナイフ×1:2013/01/05(土) 03:20:52 ID:IClMGqVA
>>229
「よくもまぁ自分の能力を喋るね。どうでも良いけど……」

そのトリックを攻撃に用いているわけではない以上、それが分かった所で何もプラスにならない。
結局はその大きな塊を何とかしなければならないのだ。

「そうやって、脳筋な戦い方は迂闊だよっ!……ロンド!」

フレデリークが直進してくる事は想像に難くない。この相手、結局のところクリオネと同じで武器による近接攻撃しかまともな攻撃手段が無い。
そう考えたクリオネが次の一手を読むことは不思議なことではない。
4体のショートソードを持ったドールがフレデリークを囲うように四方に現れる。そうしてフレデリークが攻撃してくることはお構いなしに同時に4体が切りかかる。
ロンドで出したドールの性能は最低クラスで、攻撃する位置もまともに定まらずに脚や腕、胴などそれぞれバラバラに仕掛けている。今回の場合、相手が同時に複数の敵を攻撃する手段が少ない相手だとかえっていい結果を生むかもしれないが。
当のクリオネは立て膝の状態からさらに左へ飛ぶ。大きく左上から振り下ろすなら、結果的に自分の真左が攻撃範囲から外れるはずだからだ。

「ははっ、貰ったよ」

直ぐに体制を立て直し、ドールの攻撃にワンテンポ遅れてサーベルで攻撃を仕掛ける。薙ぎ払いも考慮に含め、体制を低くしたまま左下から右上へ切り上げる。

231フレデリーク=ルヴィエ(灰髪黒ローブの少女):2013/01/05(土) 03:47:22 ID:rB9sjoGU
>>230

「――――私だって、考えるときぐらいある!」

四方を囲まれ、更に前からはサーベルを持った彼女。
端的に言えば、読まれていた。……そんな単純な攻撃、当たり前だが。

しかし、最後まで振り下ろした塊は振り上げない。なぜか。それは少女が考えたこの窮地を抜け出す作戦。


少女は跳んだ。塊を支点に、あたかも棒高跳びのように。
最高到達点は塊の高さ3m。今の跳躍力ならば、ショートソードを持ったドールを飛び越えるのも、難はなかった。
同じ武器による近接攻撃しか出来ない2人。違うのはその武器の大きさだ。


ドール達を飛び越え、丁度彼女の左後ろに着地すればすぐさま振り向き、塊を振り上げて振り落とす。豪、と風が声を上げる。尤も、少女にその影響は無い。
有るのは、今まさに塊が襲いそうな彼女にだけ。真正面から、黒い壁のような剛体が迫る―――。

232クリオネ 人形使い 生成中の人形:1体 E:投擲用ナイフ×1:2013/01/05(土) 04:06:49 ID:IClMGqVA
>>231
「なっ……そんなの有り!?」

全ての攻撃を飛ぶことで躱したフレデリーク。流石にあんなデカい得物を持っている奴が上に逃げるのは想定していなかった。
真正面からの振り下ろし。これを食らう訳にはいかないが、完全な回避行動をする余裕はない。

「なら……行って!」

四体のドールの装備をショートソードからスクトゥムの盾に変更する。
そして全員クリオネの前で盾を展開する。構えは右に坂道を作る様にし、攻撃が当たったらその攻撃が右に流れるようにしてある。
その内にクリオネは左へ退避し、バックステップ。

「あーあ、壊れちゃった」

もとより耐久力も最も低いドールだ。攻撃を逸らして逃げる時間を作っただけで十分だろう。
しかしこのまま消耗戦を続けていれば、燃費の問題からクリオネが不利だろう。仕掛けるしかない。

「あんまり使いたくないんだけどね……アテナ」

言葉と共に現れたのは2mの甲冑を付けたドール。手には身の丈ほどもある2本のショテル。
ドールの背面から中に入り、直接操作する。

「キミみたいなのと正面からやり合いたくないけど、仕方ないよねっ」

一気に加速するドール。そのスピードもパワーもこれまでのドールは比較にならず、一撃受けただけで粉砕などと言うことにもならない。

「はあぁぁっ!!」

高速の接近から両手のショテルを正面でクロスさせるようにして切りつける。

233フレデリーク=ルヴィエ(灰髪黒ローブの少女):2013/01/05(土) 04:27:02 ID:rB9sjoGU
>>232
「避けられた―――」

ドールを盾にして回避。人形使いならではの回避方法だと少女は感じる。
それなら、と新たな攻撃を加えるべく左を向けば、その目には、大きな甲冑が映る。
あれも人形なのかと思うが早いか、その彼女が乗ったドールが自分目掛けて走ってくる。

なるほど、アレが奥の手……ならば、自分も奥の手を出さざるをえない。少女は塊を構え直す。

「Renforcer le corps! ―――Lion!」


切り込んできたドールに対して塊を前に出し、盾とする。鋼鉄級の硬さを誇る塊に傷こそ付くものの、壊れることは無い。
アテナと呼ばれたそのドールのスピード、そして押すパワーに驚きながらも、300kgのその塊は負けてはいない。
詠唱で俊敏さを得た少女は、ショテルが戻りきらないうちに一気に背中へと駆ける。

「――――はぁぁぁっ!」


背中へと回っても、回りきれなくても――――――少女はその塊を、力の限り右から左へと振りぬくだろう。

234クリオネ 人形使い 生成中の人形:1体 E:投擲用ナイフ×1:2013/01/05(土) 04:45:31 ID:IClMGqVA
>>233
「そう簡単には……って訳ね」

この一撃を持ってもやはり砕けない相手の武器。この質量武器自体を崩すのは今は無理だ。
やはりどうしてもその使い手を撃つ必要がある。

「……っ! やっぱ早いねっ」

片足を軸にして体を回転させ、フレデリークを常に正面にとらえる。だが、その攻撃動作事態を未然に防ぐことは出来なかった。
強力な武器と速く、小回りの利く体。非常に厄介だ。
ここで取る行動、それは前進だった。こちらは巨体である以上、スピードが速くともこの至近距離で避けるのは難しい。
ならば、その攻撃が最も速度が乗るタイミングよりも早く受けてしまえばいい。左腕を前に出し、そのまま相手の攻撃に前進しながらぶつける。
強化されたボティにさらに甲冑を付けたこのドールをもってしても耐えきることが出来ない攻撃。左腕の甲冑が砕け、左腕の素体にもひびが入る。アテナは動かす際に痛覚までもリンクするデメリットがある。
つまり操作しているクリオネの左腕も同時に砕けたと言っていい。

「ぐうぅぅぅっ!……まだっ!」

この密着状態でショテルは振れない。ならばと、ショテルを持ったまま右手でフレデリークの腹部目がけてアッパー気味にボディーブローを放つ。
巨体故に大振り感はあるが、今はそれが精いっぱいだ。

235フレデリーク=ルヴィエ(灰髪黒ローブの少女):2013/01/05(土) 05:06:26 ID:rB9sjoGU
>>234
「っがぁ……っ!」


速度が乗る前に止められる。いくら500gしか感じないといっても、その拳より早く塊を動かすことは不能だった。
振りぬかれる右手。しかし、そのまま喰らうわけには行かない。あんなもの喰らえば、吹っ飛ばされる。
だから全力で身体を右に動かす少女。回避というわけではないが、ダメージを軽減することが出来た。

勿論その衝撃も少女を伝わり、左に避けたことで身体は吹っ飛ばされようとしている。
しかし、内蔵をやられたらしく口から血を吐き出す少女はまだ諦めていない。


「……喰ら、えッ!!」

吹っ飛ばされるエネルギーを使ってくるりと1回転すると、そのまま同じ様に塊を薙いだ。ドールの右から左に薙ぐことになるだろう。
しかし今回の狙いはドールの首。ドールの首を折れば、機動の低下は間違いないと。
まだ痛覚のリンクについては知らない少女だが、こんなときだけ勘は働く。

ドールの首から上を刎ね飛ばそうと塊を持ち上げ、フルスイングした。

236クリオネ 人形使い 生成中の人形:1体 E:投擲用ナイフ×1:2013/01/05(土) 05:30:56 ID:IClMGqVA
>>235
「っ! いい加減にっ!!」

しつこくも攻撃を貰いながらこちらの首を狙てくるフレデリークを見て、一歩踏み出す。
同じ攻撃パターンならさっきと同じ方法で防御が出来る。どうせもう左腕は使い物にならないのだから、さらにへし折れようとも問題ない。
そうして踏み出した後に左腕を上げて防御しようとした

「っ……。そう…………」

あっけなく吹き飛ぶ首から上。左腕は上がっていない。痛みや損傷で上がらなかったのではない。
どれだけ痛かろうとも筋肉で動いているわけではない以上、動力さえあれば動くのだ。
なぜ左腕が上がらないか。その動力が無いからだ。

首から上を吹き飛ばされた勢いで後方へやや飛ばされながら仰向けに倒れるアテナ。
中からクリオネが這いながら出てくる。アテナは光の粒子となりながら徐々にその姿を消そうとしている。
幸いなことは、魔力が切れたことによりアテナとのリンクも切れて頭が飛ばされた痛みを感じなかった事か。
とは言え、巨大かつ重いドールの中に居て、そのドールが倒れたのだ。リンクなど無くともそれだけで相当な衝撃がある。

(ぐっ……シートベルトでも付けとけば良かったよ……)

何とか這い出たクリオネは立て膝の体制でフレデリークを見る。

「残念だけど時間切れ……負けたよ」

左腕の痛みと全身の打撲。何よりドールを保つことすらできない魔力残量。
思えば、あれだけの数のドールを出しておいて決定打を与えられなかった時点でこの結果は決まっていたのかもしれない。

「殺す? まぁ模擬戦だしそれも良いよね。模擬戦場の外じゃ絶対にしない選択だし、経験ってことで」

ははっ、っと言葉にするが、その力は弱弱しい。追撃をかければ抵抗どころか回避も不可能だ。

237フレデリーク=ルヴィエ(灰髪黒ローブの少女):2013/01/05(土) 05:53:34 ID:rB9sjoGU
>>236
「……ッ!」

やった、と思った。頭を刎ね飛ばし、更にそのドールすらも消えたのだから。
ドールを維持できなくなったのか、彼女はドールから抜け出してきた。……立て膝で言を発する彼女を、じっと見る。
こうすると、まるで自分が何時もやっていることみたいだ……そう思うが早いか、少女は口から多量の血を吐いた。

ぼんやりとした意識。しかし少女は倒れることなく、彼女を見据え続ける。
そして、彼女の顔面を弾こうと塊を振り上げ―――、少女の動きが止まった。


「……やーめた……お姉ちゃん結晶持ってないし……じゃーね」


それは、ただ単に少女の目が彼女に反応しなかったからなのかもしれないし、そうではないかもしれない。
しかし別に彼女に対して特別な感情が芽生えたわけでもない。
だが少女は振り上げた体勢からその塊を消すと、残った棒をローブの中に仕舞い、その身を翻す。


少女は模擬戦場から出て、何時もの町へと戻っていく。――――――殺人鬼は気まぐれだった。

/ね、眠いのでここらで〆させてくださいませ・・・お疲れ様でした、そしてありがとうございました!

238クリオネ 人形使い 生成中の人形:1体 E:投擲用ナイフ×1:2013/01/05(土) 06:00:58 ID:IClMGqVA
>>237
「……変な奴」

おかしなことを言うだけ言って去っていた。
倒した相手を殺さず、結晶とか言う意味の分からない事を言いだして……

「あーあ。これだから真っ向勝負は嫌」

クリオネは大の字に寝転がり、暫しの時を過ごした。
今日の反省と、今後の事を考えながら。

//こちらこそありがとうございました。私も眠いです

239星の君(小柄な英雄 変声機使用)新物質生成:2013/01/05(土) 21:19:00 ID:z9gD.lO.
今回のテストの内容はこうだ。
追加武装無しでどこまで動けるか。
このテストの結果如何によっては星の君は公式ヒーローを外される。
認められた武装は希ガスレーザーカッターとヒートウィンド。

「模擬戦場をテストの場にするとはな…。
 予算の削減でも食らったか?」

まあ、いい。相手を待って、来れば倒す。それだけの話だ。

240星の君(小柄な英雄 変声機使用)新物質生成:2013/01/05(土) 21:25:48 ID:z9gD.lO.
「追加武装はあとから投下する。
 とりあえず、仕事が出来るところを見せて欲しいというのがマネージャーの意向だ。」
 そんな通信を鼻で笑う。
「つまり星の君を潰せる兵器をそこかしこのカメラで撮影したいだけか。
 僕をピンチにして、新兵器投下の後に相手をぶっ潰す。
 おもしろいコマーシャルだね。」

241矢嶋 浩/スーツにメガネの青年 【ICOD】:2013/01/05(土) 21:28:41 ID:u5M7Lrbk
>>239

「……いっやあ〜、お互い苦労してるようで」
「あ、どもども、ICODの矢嶋でっす」「今後ともよろしくねぇーって」

戦闘の場においても、矢嶋はいつもの、雰囲気にそぐわない軽薄な笑みを湛えていた。
表情に見え隠れする、自嘲の色。
矢嶋もまた、その任務遂行力を疑問視され、上から試されている──という訳だった。


「…言ったって、これから殺し合う身なんだし」「模擬戦だけどさ」
「模擬だのチビッ子だのって言っても、僕も首がかかってるもんで、全力でやらせて貰うよ?」

くい、と眼鏡を押し上げて、口角を釣り上げてみせる。
軽薄さは依然としてそのままに、腰に差していたテイザー銃と警棒を、それぞれ左右の手に握るのだった。

242星の君(小柄な英雄 変声機使用)新物質生成:2013/01/05(土) 21:34:20 ID:z9gD.lO.
>>241
しばらく考え事をしてから矢嶋に質問を投げかける。
「なぜICODの尉官がこんな場所に召喚されている?」
質問をしながら腰の装置のスイッチを入れる。
電磁シールド。だたしこれは念のためのものでしかない。

星の君にはどうしようもない弱点があるが、それが強みでもある。

「矢嶋 浩…25歳…本籍日本国…ICOD少尉…
 このテストは何だ?」

243矢嶋 浩/スーツにメガネの青年 【ICOD】:2013/01/05(土) 21:47:33 ID:u5M7Lrbk
>>242

「……いっやあ、それがさ?」
「…ん?ちょ、ちょっと待ってくれるぅ?なんでキミ、ボクの名前も階級も知ってんのぉ!?」

戦闘の兆候は、未だに無かった。
それどころか、矢嶋は芝居がかったよう仕草で後頭部を掻き、剽軽に慌ててみせる始末。

「…そっちの詳しい事情は知らないけど」
「ボクの場合はお前ホントに強いの?ってお上に思われてる訳」「盆栽のさ、枝の選別と一緒だよねぇ」

けほんと咳払いをして、それから右手に構えていた警棒を収め直す。

背広のポケットから取り出したコピー紙を広げて真っ直ぐに突き付け、それを嫌気に満ちた表情で示した。
そこには噛み砕いて言うと、模擬戦をして自分の価値を証明しろ、といった旨の文書が書かれているようだった。


およそ戦闘とは無縁の愚痴を零す中、両者の丁度中間辺りの地面が波打ったのに星の君は気付けるだろうか。
流体さながらの波紋を刻む、さざ波だった。それはゆっくりと、だが確実に、彼女の方へと近づきつつある────

244星の君(小柄な英雄 変声機使用)新物質生成:2013/01/05(土) 21:57:31 ID:z9gD.lO.
>>243
「素直に言えば私はそんなに強くないぞ。」
 揺さぶりでもなんでもない。平然と言ってのけた。
「AMSスタッフの中でもPASF、とくにICODのメンバーは
 情報の秘匿が殆どなされて…はいるが、できていない。
 矢嶋浩…このポジションでこれほどしか情報がないのが奇跡だ。
 例えばだ、お前の同僚に小寺京太郎がいるだろう。
 そいつは能力の全てまでもが全ての組織に筒抜けだ。
 前線に出る部隊隊員達の宿命だな。」

「なるほど…Z.O.はスタッフの能力の秘匿、隠匿には長けている。
 わたしの力が見たいのか?なら…見せようか。」
 ギャリリリリリ!と耳障りな音が両者の間に鳴り響く。
 ここで星の君は悟る。何かがこちらに向かっていたのだと。

245矢嶋 浩/スーツにメガネの青年 【ICOD】:2013/01/05(土) 22:11:15 ID:u5M7Lrbk
>>244

「え?小宮さんってあれでしょ?特攻野郎だとか、呼ばれてたりするっていう」
「そっりゃあ、アレと比べちゃ目立つもクソも無いって」「…ヤバ、これ、ひょっとして失言?」

けろけろと笑いながら、右手で器用に、用紙を折りたたんでいく。
それを仕舞おうと背広の──〝内ポケット〟に手を入れた、その瞬間だった。

一瞬、これまでの億劫そうな態度を覆す不敵な笑みを零すや否や、
矢嶋は手際良く背広から〝拳銃を握った手〟を引き抜き、星の君の脚部へ向けて実弾を一発、発砲する──
隙は少なかったが、この状況下だ。ポケットに手を入れた時点で警戒できるだろう、精度も低く、回避は容易い。

246矢嶋 浩/スーツにメガネの青年 【ICOD】:2013/01/05(土) 22:12:57 ID:u5M7Lrbk
/
すいません、描写忘れです
件の波は星の君さんへの接近を続けている状態です、遅いので、気付いていれば引き離せます

247星の君(小柄な英雄 変声機使用)新物質生成:2013/01/05(土) 22:17:33 ID:z9gD.lO.
>>245
そんな回避の容易い攻撃に星の君は光る粒子を飛ばしてきた。
「?!ふぅ。。。そういえば試合は始まって…」
 信じられない加速度に乗った速さで目の前に星の君が現れる。
 その星の君はアルゴンガスレーザーナイフの一閃を試していた。
「そういえば試合は始まっていたな。」
 対象温度を7万度に上昇させるレーザーナイフが矢嶋を薙ごうとする。

248星の君(小柄な英雄 変声機使用)新物質生成:2013/01/05(土) 22:18:54 ID:z9gD.lO.
>>246
// ではそこに速く突っ込んでみるとしますw

249矢嶋 浩/スーツにメガネの青年 【ICOD】:2013/01/05(土) 22:34:08 ID:u5M7Lrbk
>>247>>248

「そそ、本当はもうちょっとスマートに行きたかったんだけどねぇ」

星の君が見せた目を見張る加速に内心驚愕しつつも、依然として表情は崩さず。
矢嶋という男は過剰な程の自信家であり、勝算のあるうちは断じて、自らの勝ちを疑わない性格をしていた。


「───〝エージェント・クライシス〟」

「かくしてキミは、僕に指一本触れられずに敗北を喫する訳だ」

なんつって、とほくそ笑みながら、彼の言に反応するかのようにしてさざ波が〝盛り上がる〟。
砂粒を流体のように撒き散らす様は、さながら水中から浮上してきたような光景だったろうか。
地面から露出したのは透明感のある青色をした、丸みを帯びた腕だった。

赤く輝く単眼を備えた頭、そして両肩に次いで胴体、足──急速にその全容を見せる矢嶋の半身、青い人型。
星の君の行く手を遮るようにして出現したそれは、浮上の勢いをそのままに、彼女の顎に拳での一撃を繰り出す。

250星の君(小柄な英雄 変声機使用)新物質生成:2013/01/05(土) 22:46:48 ID:z9gD.lO.
>>249
「わたしの能力と似ている、粒子か何かの使い手?」
 腕か、腕で抑えるのも良いが…
「いや、似ていない。」人型になったそれを知覚して認識する。
 アッパーカットは彼女の力のビジョン、新物質で緩衝する。
 宙高く放り上げられるが、地面に粒子の輪をぶつけて反作用で着地。
「色々試してみるしかないか。」
 星の君は粒子を固めて棘を数十作ると矢嶋に射出した。

 そしてこの時にこっそりヒートウィンドを起動していた。
 たった300℃の熱風もマッハ6の高速で射出されれば、
 その摩擦効果によって標的を最大2800℃まで加熱する。

 まずは異能の棘を使って矢嶋を狙う。

251矢嶋 浩/スーツにメガネの青年 【ICOD】:2013/01/05(土) 23:02:13 ID:u5M7Lrbk
>>250

「棘…か、そんなもんじゃ僕の〝これ〟は破れないよぉっと?」

形成されるその隙に、矢嶋は自らの半身に駆け寄り、その巨体を以て射出された針をやり過ごす。
弾力のある青いボディは、衝撃ごと急襲するようにしてそれらの尽くを防ぐ──のだけれど。
それと同時に矢嶋自身が胸部、ワイシャツに赤いシミを作っていた事に、星の君は気付けるだろうか。


「うぅん、中々潰しの効きそうな能力だこと……ぶっちゃけ弱い僕じゃ、太刀打ちできないかもねぇ」

なんて、心にも無い事を呟きつつも、矢嶋は手にした拳銃を構えて──
──それと同時、傍らに居た彼の半身が一瞬、熔解じみた崩壊を見せてから〝姿を消した〟。

それから間髪入れずに発砲して放たれた銃弾は〝狙い通り、正確〟に彼女の真横の地面を抉ろうとしていた。

252星の君(小柄な英雄 変声機使用)新物質生成:2013/01/05(土) 23:12:52 ID:z9gD.lO.
.>>251
「その棘は陽動だ。避けた所を狙うのが本来の狙い。
 まっすぐ向かってくるとはな。」
 星の君の頭の上に天使の輪、天輪のような物が現れ、
 それが地面に叩きつけられると星の君は反作用で跳躍する。
「認めよう。お前は強い。だから…対峙はしない。蒸発しろ」
 半身を消した矢嶋をみてまゆをしかめる。
 今までいた所の地面の抉れも気にはなるが…。
「ヒートウィンド、射出…」
 一瞬の風射出が矢嶋(?)を襲う。
 矢嶋の星の君に見える部分が2800度まで加熱される。

253矢嶋 浩/スーツにメガネの青年 【ICOD】:2013/01/05(土) 23:27:48 ID:u5M7Lrbk
>>252

「飛ばせないよ───〝エージェント・クライシス〟」

星の君が輪を形成した瞬間に、矢嶋は再び、自らの半身を呼んだ。
エージェント・クライシス第一の能力──〝物体への潜航〟。半身は今、矢嶋が撃った銃弾の中に潜伏していた。

即ち彼女の足元で奇襲の時を伺っていたのだが──跳躍を目前にして、咄嗟に計画を変更して。
先程と同じ要領で地面から半身は、状態だけを露出して彼女の足を掴もうと迫る。
掴んだならば、その巨体と筋力を持って力任せに星の君を地面にたたきつけようとするが───?


子細を知る由は無かったが、明らかに〝マズい〟ものが起動している事には感づいていた。
これが失敗したならば、矢嶋はヒートウィンドの直撃を受ける事に相成るだろう。

254星の君(小柄な英雄 変声機使用)新物質生成:2013/01/05(土) 23:39:15 ID:z9gD.lO.
アクティブ・ディナイアル・システム 。
ミリ波の電磁波を対象物に向けて照射するとで誘電加熱により、表面温度を上昇させる装置。
火傷を負ったように錯覚させる装置がある。ヒートウィンドと称して放ったのはこれだが、
彼は立ち上がってくるだろうか。これで死ぬ生き物はまず居ないわけだが。

電磁バリアと彼女の異能の粒子の作用で叩きつけられることは回避される。

首の横に希ガスレーザーナイフを向ける。
「まだやるかい?」

255矢嶋 浩/スーツにメガネの青年 【ICOD】:2013/01/05(土) 23:57:52 ID:u5M7Lrbk
>>254

「────うぐぅっ!?」

突如として、全身を襲う熱──一応の軍務を経ていた経験から、その正体を察していた。
よもや、法の番人がこれをその身に受けるとは。皮肉めいた思考をしながら、矢嶋は地面に崩れ落ちる。

立ち上がる事は無かった───が。

「まだまだ、勝負はこれからさ───って、言いたい所だけど」

矢嶋のエージェント・クライシスは本体の健康状態にその性能を左右されない、言わば独立した異能だ。
即ち、星の君の傍らにはまだ五体満足で戦闘を行える─尤も、矢嶋自身に戦闘能力は殆ど無い─戦力が居た。


「喉元にそんなもの突きつけられちゃあ、まあ無理だよねぇ」
「完敗だ、僕の負けでいいよ」「…はぁ、減給かはたまた降格か…どちらにせよ、お陰様で忙しない年始になりそうだよ」

行使者である自分が言わば人質に取られているこの状況下において、矢嶋は、半身に攻撃の号令を下す事が出来なかった。
それは、自ら命を絶つようなもので──死の恐怖は矢嶋にとって、どうやら出世欲を凌いでいるようだった。

引き攣った笑顔で力無く皮肉を述べてから、手にしていた拳銃を取り落す。それと同時に、半身もその姿を消すのだった。

/
お疲れ様でしたー!

256星の君(小柄な英雄 変声機使用)新物質生成:2013/01/06(日) 00:07:47 ID:z9gD.lO.
>>255
「効くだろう?わたしも悲鳴をあげた擬似的な火傷だ。
 さて…出血の手当くらいはしてやるさ。」
 包帯を胸ポケットから取り出して巻こうとする。
「いい大人が異能に頼りすぎだ。
 そういうのはわたしのような非力な子供の異能の使い方だ。
 あなたは異能を補助にでも使えばよかったのかも知れない。
 とはいっても、この考えは人の受け売りだが…。
 ん?全身が消えた?!」
 置き去りの星の君は結局は矢嶋の能力の全てを理解できなかった。

// こちらこそお相手感謝です

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330とあるロールプレイヤー:2013/01/08(火) 22:06:13 ID:VhPQPBNA
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331とあるロールプレイヤー:2013/01/08(火) 22:06:14 ID:SyI2RTJA
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332とあるロールプレイヤー:2013/01/08(火) 22:06:14 ID:mthEHmHE
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333とあるロールプレイヤー:2013/01/08(火) 22:06:14 ID:T931dRnk
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334とあるロールプレイヤー:2013/01/08(火) 22:06:52 ID:6dlFNYjk
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335とあるロールプレイヤー:2013/01/08(火) 22:06:52 ID:LTth4XfQ
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336とあるロールプレイヤー:2013/01/08(火) 22:06:52 ID:udQX6MdI
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337とあるロールプレイヤー:2013/01/08(火) 22:06:53 ID:7pGJbO7M
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338とあるロールプレイヤー:2013/01/08(火) 22:06:53 ID:e.lBiKRw
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339とあるロールプレイヤー:2013/01/08(火) 22:07:24 ID:xsnR6ggQ
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340とあるロールプレイヤー:2013/01/08(火) 22:07:24 ID:AF7WqwmE
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341とあるロールプレイヤー:2013/01/08(火) 22:07:25 ID:LrmX7f5I
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346とあるロールプレイヤー:2013/01/08(火) 22:07:57 ID:5q04w4aQ
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347とあるロールプレイヤー:2013/01/08(火) 22:07:58 ID:5t2BNWaI
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350とあるロールプレイヤー:2013/01/08(火) 22:07:58 ID:GBM6iFow
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352とあるロールプレイヤー:2013/01/08(火) 22:07:59 ID:xsnR6ggQ
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353とあるロールプレイヤー:2013/01/08(火) 22:08:36 ID:VhPQPBNA
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354とあるロールプレイヤー:2013/01/08(火) 22:08:37 ID:Rx3ATN3I
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356とあるロールプレイヤー:2013/01/08(火) 22:08:40 ID:5.Ps2ulk
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359とあるロールプレイヤー:2013/01/08(火) 22:09:17 ID:Y3zeAE7w
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361とあるロールプレイヤー:2013/01/08(火) 22:09:17 ID:xsnR6ggQ
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362とあるロールプレイヤー:2013/01/08(火) 22:09:52 ID:9/ufhYnQ
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363とあるロールプレイヤー:2013/01/08(火) 22:09:55 ID:f6hjxLeo
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364とあるロールプレイヤー:2013/01/08(火) 22:10:24 ID:GBM6iFow
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365とあるロールプレイヤー:2013/01/08(火) 22:10:24 ID:PeV3RNhE
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366とあるロールプレイヤー:2013/01/08(火) 22:10:28 ID:XygxKFZo
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475とあるロールプレイヤー:2013/01/08(火) 22:20:22 ID:b56N9LEk
ファッ!?

476三門陽:2013/01/12(土) 21:01:02 ID:pk7.u86g0
「――もっと、強くならねぇとなあ。 セイッ!
 とっ! そうでなきゃ、 フッ! 前みたいにボコられて死にかける……ッだりゃッ!」

真っ白な壁と真っ白な床と真っ白な天井に包まれた、正方形の箱のような部屋。
ここもまた、模擬戦施設。トレーニングルームとして、完全に空調や平面なども調整されたまっさらな部屋である。
そこで汗の水たまりを踏み鳴らしながら、拳と足を空中からぶら下げたサンドバッグに向けて叩き込み続ける男が居た。
脱色されたプラチナブロンドの長髪をオールバックにした、細身ながらも鍛えられた体を持つ青年は、如何にもガラが悪そうな、所謂チンピラ。

しかしながら、先ほどからずっと鍛錬を繰り返しているこの青年の瞳には、一点の曇りも見当たらない。
淀みなくひたすら放たれ続ける拳は赤く腫れ上がっているが、それでも三門は修行を辞めていなかった。
ここならばいくら傷ついても元通りになるのだから、限界まで己を追い込むことが出来る。
そして、戦う相手がキタならば、戦って経験も積みたいところだ、と思いながら、三門はひたすらにサンドバッグに攻撃し続けるのだった。

477獣帝 夜鳥(金髪ショートの見かけ20歳)ペットショップの名ばかり店長:2013/01/12(土) 21:11:28 ID:qbDLRsXo0
>>476
「おーおー、やってるねー」

模擬戦には不釣合いなほどのんびりした声と共に入り口から現れたのは、金髪の女。どうやら女が青年の対戦相手のようで。
しかし女がこの施設に不釣合いなのは声だけではない。
まず、武器を持っていない。正確には刀を持っているが、受付で置いてきた。今回は素手で勝負するようだ。
そして服装。パーカーにホットパンツと特に下半身の肌が露出している。明らかに戦闘する人間としておかしいのだが。

「というわけでー、君がアタシの相手みたいだねー。あ、アタシは夜鳥、よろしくー」

だが女は、明確な戦闘の意思を持っていた。刀を置いてきた所から、特に徒手空拳をパワーアップさせたいようで。
相手が見たところチンピラのような格好でも、物怖じしない。理由は2つ。
1つは、そんな格好でもサンドバックをボコしつづける青年の心意気から、ただのチンピラじゃないと確信したから。
そして2つ目は、こんな所に戦いに来た以上、どんな相手でも臆するわけにいかないからだった。

軽く手を上げ、青年に挨拶する。フレンドリーに自己紹介も交えながら。

478三門陽:2013/01/12(土) 21:19:45 ID:pk7.u86g0
>>477
「やほ、あんたが俺の相手かい。
 ……ま、女だからどうこう言うつもりねぇからな。能力者かもしんねえ時点で同じ土俵だしよ。
 こうして此処に来ている以上、容赦するのは失礼ってもんだ。なあ?
 三門陽、まあ、なんだ。――――ヒーロー志望、よろしくゥ」

現れた相手に、にかりといつも通りの人好きのする笑みを見せて。
此方もまた、自己紹介を相手に返す。フレンドリーなのはお互い様だった。
だが、そうしつつも三門はテーピングのされた拳を確認し、もう一度バンテージを締め直す。
先の言葉通りに、青年に油断する気は欠片もなく、手加減する気も欠片もない。
〝喧嘩〟をする以上、そこに手心を加えることなど青年の精神構造は許さないのだ。

「……ふぅ。早速、やるかい?
 ま、準備運動終わるまで待ってもいいんだけどよ。
 俺は完全に温まり切ってるから、フェアじゃねえだろ? そういうの」

動きやすいジャージ姿の青年は、ジャージの紐を引きずり落ちないように締め直し。
ポケットからヘアゴムを取り出すと、腰ほどまである金髪を纏めて括った。
屈伸運動をしつつ、相手もウォームアップが必要かどうかを問いかける。

479獣帝 夜鳥(金髪ショートの見かけ20歳)ペットショップの名ばかり店長:2013/01/12(土) 21:31:57 ID:qbDLRsXo0
>>478
「はは、良いねー。そういう所のある人、アタシは好きだよー。
 ま、ここに来てる時点でそれは承知してるし、能力者に準ずるものってのも当たってるからねー。
 全く同じ意見だよ。手加減無用。誰が相手でもねー。……オッケー、三門君ね。ヒーロー志望なんて、いい夢じゃん」

女でも容赦しない彼の性格に、女はにかりと笑う。模擬戦なので、当たり前と言えば当たり前なのだが。
女も女で、戦闘時は容赦しない性格。もしかして気が合うんじゃないかとも思うけれども、その考えは排除。
とにかく今は、思いっきり戦闘する。勝つか負けるか以前に、全力の戦闘が出来るかが大事なのだから。
人懐っこそうな女の瞳に、闘志の炎が燃える。

「サンキュー、じゃあちょっと準備体操……っと!」

彼は本当にフェアなのだな、何て思いながら言葉に甘えて軽いストレッチを行う女。
本当に軽めなもので、ものの数分で終わってしまったそれ。十分なのも有るが、彼を待たせるのもいかがなものかと思ったのだった。

「さて、終わったよー。何時でも来てね、三門君?」

最後に右手を開き、左の拳で叩く。明らかな戦闘の意欲だ。女はまず、相手の出方を見るようで。先攻を、相手に譲った。

480三門陽:2013/01/12(土) 21:40:41 ID:pk7.u86g0
>>479
「いつでも来い、たぁ中々剛毅な奴だな、夜鳥。
 ま、いいぜ。行かせてもらう。
 フリークキッチン――――」

右手を開き、拳で叩いて構えを取った相手に呼応するように、三門も両腕に力を入れて腰を落とした。
そして、両の拳をごん、と強く打ち合わせるようにして、己の能力名を口にする。
打合せた拳を離していけば、その隙間から無数の星を象ったシールが生まれ、三門の顔と四肢に纏わりついていく。
ばちり、と何か大きな力が弾けるような音が響き、一瞬三門の背後に牛と人の混ざり合う強大な化物の姿が浮かび、消える。

「――――〝ジャンク・トゥース〟!!」

三門の能力、フリーク・キッチンの第一形態、ジャンク・トゥースの発現と同時、三門はオレンジ色の光の軌跡を残してその場から消えた。
相手の顔面に向かって速攻で振りぬかれる右の拳には、黒を基調にオレンジのラインが引かれた篭手が装着されている。
加速を生み出す四肢には同じデザインの具足、相手を見据える顔にはトンボのようなデザインの偏光サングラス。
先手必勝、最初から加速を躊躇いなく使用し、相手の不意を撃つように本気の一撃で、相手の顔面で開幕のゴングを鳴らすと決めたようだ。

481獣帝 夜鳥(金髪ショートの見かけ20歳)ペットショップの名ばかり店長:2013/01/12(土) 21:55:04 ID:qbDLRsXo0
>>480
「ふふーん……じゃ、アタシも……四獣破解―――――ッ!」

素直に相手に褒められたことが嬉しかったのか、頭を掻いて笑いながらも、自分も能力名を口にする。
星のような紙が生まれ、それが彼の顔に張り付いて。
そして一瞬、青年の背後に化け物のようなものが浮かんだような気がするが、当然の如く怖気づかない女。

相手が向かってきたら、そのまま拳を振りぬいてきたら―――なんて、その予想は大方当たっていた。
だが、違ったのはその速度。一点に尽きる。

(早…………ッ!?)

と、思考すら追いつかない状況で顔面に向かって放たれた拳は、掠った感覚をだけを残すだろう。
獣の勘なのか、文字通り間一髪で顔面のゴングを免れた女。だが拳は、掠っただけとは思えないダメージを女に与える。首が少し動く。
素早い相手は苦手だな。心の中で露骨に苦い顔をしながら、女はまたもほぼ反射的に自らの名を口に出す。


「――――― 虎 力 ッ ! ! 」

自ら近づいてきた相手に返す刀で先制を頂こうと、パワー重視。虎柄が手の甲に浮きで、鉄を切り裂く爪が伸びるがそのまま拳をギュッと握り。
コンクリートを破壊するその腕力で顔面に一撃食らわせようとする。ただ、先ほどのパンチの所為か、その拳は顔の下、肩へとずれる。

482三門陽:2013/01/12(土) 22:03:37 ID:pk7.u86g0
>>481
「――ッ、浅いか!」

拳に確とした感覚を得られず青年は舌打ちしつつ、肘に星形のタトゥーを浮かばせ噴射。
前進しながら体を回転させ転身するという離れ業を成しつつ、相手の拳を全力で回避――しない。
右肩に激痛を感じながら、三門は高速で左半身を相手に捻り込むように駆動。

「あた、れやァッ!」

右肩の夜鳥の打撃の命中部分と左肩と左腕の肘に予めタトゥーを浮かばせておいた三門。
相手の攻撃のヒットと同時に、それらを即座に点火させて加速。
打撃をある程度いなしながら、フックの軌道を描いて相手の顔面を至近から横殴りに殴り飛ばそうとする。
加速が強みという事から、ヒットアンドアウェイの戦法を取るのが普通の人間。

だが、相手を殴ったのに、ビビって逃げ出すなど〝格好悪い〟、〝面子が立たない〟。
そして、何よりも――殴られて負けるよりも、殴って勝ったほうが良い。
だったら、殴れる限りは相手を殴る。例え、全力で回避をすれば回避が可能な攻撃が有ったとしても。
後ろに退くくらいならば前に進んで行きたい、生きたいのが三門の思考。

速度以外には何もない。
だからこそ、速度だけをどこまでも活かす戦法を三門は選び続けることにしたのだ。

483獣帝 夜鳥(金髪ショートの見かけ20歳)ペットショップの名ばかり店長:2013/01/12(土) 22:21:37 ID:qbDLRsXo0
>>482
「な……―――――ッ!!」

貼られたシールから加速力が生まれる……その考えに至ったのは良かったが、時既に遅し。
女は自分の拳の威力が減衰されるとは到底思っていなかったようで。
そして先ほどは遠方から近づいてきた為勘で避けられたものであったが、流石に近距離から高速で振られる拳には対応できない。
ましてやフックのように腕の動く距離が短いと、それはどうにもならないことであって。

拳を頬で喰らい、横に吹っ飛ぶも受身を取ってすぐに立ち上がる。
顔を動かすことで最大インパクトの拳には当たらなかったようだが、ほぼ同等のものを喰らった体内の衝撃は凄まじい。
痛い、痛いが……まだ戦闘は始まったばかりだ。それに、痛い"だけ〟。それ以上のものは何も無い。

「―――――― 猿 飛 ッ ! ! 」

言ったと同時、手の甲には先ほどの模様とは違ったものが刻まれる。走り出した女の速度は、彼と同じぐらいの速度だろうか。
真っ直ぐ突っ込んでくる女は、近づくとそのまま右拳を振り上げ、今度こそ顔面へと打ち込もうとした。
腕力は標準だが、その速度から生み出される右拳は、相当に効くものだろう。

484三門陽:2013/01/12(土) 22:31:38 ID:pk7.u86g0
>>483
「――ッシィ!!」

弧の形に伸びていく橙色の軌跡は、三日月の軌道を描いた。
拳を伝わって感じてくるのは、幾度も経験してきた、〝殴った感覚〟。
確実なクリーンヒットの予感が、拳から神経を駆け抜け、脳髄をひりつかせた。

「な、に!?」

だがしかし、三門は驚愕する。
確かに確実に入ったはずの拳を食らって尚、速攻で相手が襲い掛かってくるのだからそれも当然というものだろう。
拳や膝関節から力を噴射させとっさに体勢を整えると同時に、三門は目を眇めてサングラス越しに夜鳥を見据える。
視界の無駄が消えていき、相手の動作を繊細に見据えながら、三門も又相手の迎撃のために覚悟を決めた。

(――顔に来るなら……、そこを潰す)

顔に来る拳を――三門は〝避けない〟。
その代わりに三門が選択したのは、当然のように攻撃であった。
全身運動で己の拳に向かって相手が拳を伸ばし始めると同時に、三門もまた直角に左腕をかち上げる。
相手の肘が伸びきって三門の顔面を捉えたその瞬間に、伸びきった肘関節を粉砕する様に拳が叩きつけられることだろう。

そして、何方にしろ三門は相手の打撃を喰らい、鼻っ面から鮮血を吹き出しながら数歩後ろにたたらを踏む。
鼻の骨が折れて、口の中に血の味がじわりと広がる。
つん、とした感覚が鼻から広がり、頭の中でぐわんぐわんと広がっていく。
だが、その上で三門は――

「……上等だわなァ」

――静かに、相手に向かって笑みを浮かべながら、メンチを切るのだった。
当然痛い、当然効いている。
だが、そこで痛いとのた打ち回るのは、面子が許さない。
だから笑うし、だから不利でも挑発をする。
ヒーローとは又違う意味での正々堂々だったが、それでも三門はそのスタンスを崩すつもりは欠片もなかった。

485獣帝 夜鳥(金髪ショートの見かけ20歳)ペットショップの名ばかり店長:2013/01/12(土) 22:52:39 ID:qbDLRsXo0
>>484
(避けない……ッ!?)

殴る瞬間まで見えていた、彼の身体。それが、避けようともせず、守ろうともしないことに一瞬、戸惑いを覚えるも
その先すぐ分かった、回避しない理由。
それは現代に至るまで女も幾度となくやってきた戦法であり、且つ彼の性格を考えると当たり前に使っているだろう物だった。

「じゃあ、アタシもそれに――――――乗ってやるッ!!」

と、最後は最大の力を込めて相手を殴りつけた。伝わる衝撃、クリーンヒットと言わざるを得ないが、問題が此処からなのを女は予測しきっていた。
直後、女の右肘が大きく跳ね上がる。彼の左拳は、確かに女の肘を捉えていた。
しかし、関節を破壊し、左腕を使えなくするのには至らなかったらしい。とはいえ、伝わる激痛はビリビリと腕を痺れさせるのには十分すぎる。
もしかしてヒビでも入っているんじゃないかと思うほどの痛さに思わず顔を顰めるが、まだ止まっていられない。右肘が痺れている今、使えるのはその反対側。

「虎力……行くよッ、三門ッ!!」

彼の名を呼びながら、今度は利き手とは違う左腕を曲げ、相手に突進する。

挑発行為だとは分かっているが、それが彼のプライドとかスタンスなのだろう。
相手を見下さず、見下されもせず、正々堂々と戦う。それには、ある種尊敬すら覚える。
覚えるからこそ―――手加減しない、いや、出来ない。したら自分が恥をかく。相手ではなく、自分が。

そして女は彼に近づけることが出来たならば、渾身の力を持って左腕を動かし、左から右へ。
青年が先ほど行ったようなフックを再現する。但しそれは大振り。当たれば……、物凄く痛いことは、確かだが。

486三門陽:2013/01/12(土) 23:06:49 ID:pk7.u86g0
>>485
ぽたりぽたりと赤い雫が、真っ白な床に鮮烈なアクセントを加えていた。
鼻の骨は完璧に折れており、きっと今の三門の鼻は良い感じに曲がっていただろう。
眉間に皺を寄せながら、片鼻を抑えて強く息を吹き出し、鼻に溜まった血を抜いた。
地面に血の混ざる痰を吐き捨てて、壮絶ながらも、虚勢とは取れない強い笑みを浮かべて、夜鳥を見据えていた。

(……こいつ、強いわ。
 なんつーか、キマってやがる――良いねェ、最高じゃねぇか。
 やっぱり喧嘩は、こういう奴とやるに限るッ!! 来なァ夜鳥ィ!!」

思考が次第に駄々漏れになりながらも、相手が接近していく姿を見て、名を呼び返す。
ここまで引かずにやってきた。ならば、此処からも本気でやるだけだ。
右肩は激痛で上がらないし、左腕にも強い負担が掛かってじんじんとした苦痛を感じさせる。
だが、それで三門には十二分だ。動かないならば、動かせばいいのだから。

「ココ、だァ――――――ッ!!」

先ほどの己の打撃と変わらぬ軌道を描きながら迫る拳。
風切り音が己に迫ってくると同時、ギリギリまで引きつけてから三門は加速した。
ごり、と相手の拳が〝後頭部〟を掠り長髪の一房を頭皮ごと引きちぎって周囲に鮮血を飛び散らせる。
だが、三門の頭には完全に直撃していない。放つ攻撃は一体なんなのだろうか。
隙を狙ったボディブローか、それとも今度は右の腕を潰すかち上げか、膝を潰すローキックか。

違う。

三門が選択した行動は、一つ。
――――――チョーパンだ。
己の後頭部にタトゥーを浮かばせて、拳が近づく瞬間に超加速。
己の額を相手の鼻っ面に叩きこんで、吹き飛ばさんと体をやじろべえの様に急激に倒しこみながら、頭突きを放ったのだ。
紛れもなくのケンカ殺法、ヒーローがやるには余りにも泥臭い技だが、その威力だけは十二分だ。
頭蓋骨の前部分の特に硬い部分を超高速で鼻っ面に叩きこむのだから、痛くないはずがない。
これは顔面に拳を貰った意趣返し。躱したのではない。三門は顔面で顔面に借りを返しに行ったのだ。

487獣帝 夜鳥(金髪ショートの見かけ20歳)ペットショップの名ばかり店長:2013/01/12(土) 23:27:37 ID:qbDLRsXo0
>>486
(避けられ……拙いッ、腕の範囲外に―――――――)

振りぬいた腕を加速で避けられ、腕の内部へと飛び込まれれば女は窮地に立たされる。
思考こそ彼が迫ってきたことを認識していたが、流石に腕までは、それに追いつけなかったようだ。
長年の経験から即座に自分の失策を反省するも、それが何か助けにはならない。


「――――……狸ぼ――――ッ!!」

彼の身体の何処から技を繰り出しても、女にとっては危機になる。
しかし彼が最も恐ろしい選択をしたことを認めると、女は素早く何か呟く。それが彼にも見えただろうか。

そして、女は彼の頭突きを正面から受け止めることになる。鼻と頬がぶつかる鈍い音。
唯でさえ人の意識を落とすのに十分な頭突きを超加速で行ったのだから衝撃力は日ではない。女も、勿論そのダメージを受ける。
真っ先に衝撃を喰らった鼻の骨は折れ、彼に遅れ、鮮やかな赤色の液体が鼻の下から、口を伝う。
そこだけでは留まらず、女の頭にも重大な影響を与える。頭がグラつき、視界がぼやけ、薄暗くなる。
痛みも相当な物だ。

……だが女は吹っ飛ぶことなく、後ろへと数歩下がったのみに留まった。見れば、女の手の甲には、虎とも猿とも違う、新たな文様が浮き出ている。
肌は衝撃を一部受け止め、辛うじて吹っ飛んで万事休す、などという事態には至らなかったのだ。


「行けェェ――――――っ!!!」

叫びながら、まだ前方にいるであろう彼の腹へと全力を込めた拳を打ち出した。
虎力も猿飛も使っていないそれは成人女性のパンチその物だが、最後の力なのか、真っ直ぐに彼の腹へと飛んでいく。

488三門陽:2013/01/12(土) 23:37:14 ID:pk7.u86g0
>>487
「――――ッ」

頭突きは上手く当てれば、自分はあまり痛くないとは言えど、三門は既に鼻っ面に拳を食らっている。
目眩で揺れる視界は、今の衝撃でより強いふらつきを三門に与える。
そして、己の渾身を受けて尚、相手が立ち向かってくるのを見て、笑った。
来るなら来いよ、受け止めてやる。そう、サングラス越しの瞳が叫ぶ。

「か、……ふ」

防御力自体は、只の鍛えた高校生にすぎない、青年。
さらにそこに満身創痍、という条件が付き、目眩というおまけがついてくる。
その状態で、みぞおちに相手の拳の角がめり込めば、幾らタフとはいえどもはやどうしようもない。
そう、そう思ってしかるべきだし、それが当然の集結だ。

「………………――――――――ッ!!」

だが、結果として三門は倒れなかった。
声にならない雄叫びを上げて、左拳を振り上げた。
振り上げた拳には、びっしりと星の文様が浮かび、オレンジ色の光を周囲に撒き散らしていて。
そのまま――――そのまま、止まる。動かない、三門は、動かないのだ。

覇気はそのままに、体勢もそのままに。
最後まで戦意を失わないまま、三門は拳を振り上げて気絶していた。
全身に巡らせた力は抜けないまま、意識が落ちたことで能力は軛を外されて具足などの装備を空気に溶かしこむように消していった。
すべてが終わって、そこに居たのは。血塗れのまま目を見開いて、そのまま気絶している一人の不良だった。

489獣帝 夜鳥(金髪ショートの見かけ20歳)ペットショップの名ばかり店長:2013/01/12(土) 23:52:39 ID:qbDLRsXo0
>>488
「な―――――……ん……」

なんで彼は倒れないのかと、心の中で疑問が生じたときにはもう彼の左腕は振り上げられていて。
今までは能力の所為もあってダメージをモロに食らうことがなかったとはいえ、今の状況は危険すぎる。
なにせその能力を使うことすらままならない。狸防の紋様は既に消え、女の肌は、全くの無防備となっていた。

(ヤ、バい…………)

彼も気力で立っているのだろう。何の強化も施していない腕でも、鳩尾に入れば相当のものだし、そこに入ったことを女はわかっていた。
だけど彼が倒れない。それは、彼の精神がまだ死んでいないことを意味している。女はそう思った。
そして、そんな彼に一発入れられてしまえば、もう動けないなと、このままでも何れ倒れるだろう身体でそれを受け止めようと。
彼の拳に連動する風の動きで、避けようとするももう無理な話だったのも有り、女は動かなかった。

「……?」

動かない彼の身体。近くに居た女には分かった。立ったまま意識を失っているんだと。筋肉が弛緩せず、そのままの状態で固定されていた。
言うなれば弁慶のような。崩れ落ちることなく気を失っている彼に女は言う。

「―――楽しかったよ、君との戦闘……また、機会があったr―――――――」

そこで女の口が止まり、彼の近くへと身体が崩れ落ちる。身体ももう限界、精神も疲弊。意識を手放す原因としては十分すぎた。
仰向けに倒れる女の顔は血に塗れながらも笑っていた。

この戦闘、勝敗をつけるならドローだろうか。先に失神した彼が負けという見方もあるだろうが、後に起きた女はそれを全力で否定する。
なぜなら彼は精神力で女を上回っていたから。誰が何を言おうが、これは引き分けだ―――そう、提案した。

490三門陽:2013/01/12(土) 23:55:19 ID:pk7.u86g0
>>489
/乙でしたー!

491逆月 誡真/昼寝好きスロースターターの傭兵:2013/01/27(日) 00:18:44 ID:XQyOWsIw0
今日はよく眠れるだろう。月を見上げながら男はそう思った。

眠気はいつもある、が、右手で両目をこすって眠気を払ろうとする。

男は赤いリボンで一つ結びにした長い後ろ髪をかく、それでも眠気はある。

着ている黒と白色のローブのような服を脱いで黒い半袖姿になるも寒さは感じない。

下を見れば白いラインの入った黒のカーゴパンツ、その場で屈伸するがそれでも眠気は感じる。
大剣を背中のホルダーに入れた男は首を左右に傾ける、「こき……こき」と音が鳴る。



「…………眠いな」



それでもやはり眠気は残り続ける。
これはよくない、これから依頼人のところへと足を運ばねばならぬというのに……。

これでは集合場所に着く前にその辺に倒れて眠りこけてしまう、たとえ昼寝好きでもそれは良くない。



誰か眠気を払ってくれる人はいないだろうかと模擬戦場に入ったが、さてさて誰か相手をしてくれないだろうか。

しかし、来るかもしれない相手に失礼だろうが…………。



「興が………乗らないな………」



スロースターターなためか、まったく気分が高揚しない。





//どなたでも大歓迎!

492三門陽:2013/01/27(日) 00:29:35 ID:Y9w/ccZ60
>>491
「うっおー、月よく見えるなァおい」

そんな、なんとも頭の悪そうな、大声を響かせて。
地面を踏みながら、一人の男が模擬戦場に足を踏み入れた。
学生服を着崩し、脱色し長く伸ばした金髪を後ろに撫で付けた姿は、如何にもな不良というもの。
この世界の路地裏に十把一投げで存在しているようなその青年は、しかしそれらとは何処か違う。
人懐っこい表情や、風になびく赤いマフラーなど、何処か不良というにはマヌケな要素が存在していた。

「って、うわ。
 アンタ、大丈夫かよ、すっげー眠そうだけど」

風が吹き、長髪が風に誘われて揺れ動く。
邪魔そうに髪を払うと、ヘアゴムで髪を後ろで括ることにした。
器用に髪を纏めると、眠そうな相手に近づいて、首を傾げて大丈夫かと問いかけた。

493逆月 誡真/昼寝好きスロースターターな傭兵:2013/01/27(日) 00:41:21 ID:XQyOWsIw0
>>492

声のした方を向くと、そこには見た目からして不良っぽい男がこちらへ近づいてきていた。
が、表情を見るに人懐っこさがある。言葉を聞く限りはそこら辺の不良とは違う。

「あぁ、眠い………」

聞かれたので答える、自分で気づいたが少しふらついているようだ、これは深刻だ。
依頼人の相手は知り合いなので待ってくれるだろうが……さすがに早めに向かわねばならない。
模擬戦場を出れば傷自体は治る、眠気だけ払えればそれでいい。

「……すまないが、俺と戦ってくれないか?
 これから仕事に向かわないといけないのだが………これでは話にならないんだ」

首を傾げている相手に聞く、ここは模擬戦場だ、相手も目的を持ってきているはずだ。
それなら相手が断る理由は少ないだろう。

「一応言っておくが………俺はこの状態でも戦える」

494三門陽:2013/01/27(日) 00:50:55 ID:Y9w/ccZ60
>>493
「――眠そうな奴ボコるのはちょいと嫌だけどなあ。
 ま、しゃーねー。俺も俺で、もっと強くなりてぇし。
 アンタ、どー見てもカタギじゃねェだろぉしな、本気でいくさ」

相手の提案を聞いて、本当に眠そうだな、と思いながらも、快諾。
両の手をポケットに突っ込み引き抜けば、そこにはグローブが。
拳の部分に砂鉄を詰めた特注のグローブは、ネットショップで2つセット21000円。
月々のバイト代8万と少しの4分の1を占める支出で手に入れた、三門の相棒だった。

「……っふ、ゥ」

息を深く吸い、酸素を取り込むと同時。
三門は腰を落とし、獣のごとくの前傾姿勢へと移行し、両の手を打ち鳴らした。
瞬間、三門の姿が消え、オレンジ色の軌道が虚空に刻み込まれながら、接近していく。
その軌跡の招待は、三門陽だ。

何らかの異能で加速しているのか、その速度は尋常ではない。
右足にびっしりと張り付いた星形のシールから、オレンジ色の光を吹き上がらせて。
相手の頭部へと、流麗な動作で胴回し回転蹴りを叩きこもうとするだろう。

495逆月 誡真/昼寝好きスロースターターな傭兵:2013/01/27(日) 01:10:52 ID:XQyOWsIw0
>>494

相手の快諾に「助かる」とだけ返し、背中のホルダーから大剣を引き抜いて構える。
眠気が全く取れないので構えも微妙なもの、思考も遅い。
だが、身体から立ち上る殺気だけは本物だ。

『斬る』

単純明快な言葉だが、これがなければこちらが負けるだろう。
殺す必要も、勝つ必要もない。男はただ眠気が取れればそれで十分だ。
だが、相手は男の頼みを聞いてくれた、ならこちらもそれに返すのが礼儀というもの。

『強くなりたい』、目の前でグローブを着け、身体を前に傾かせている相手が言った言葉。
それに応えるためにも………興を乗らせよう。
と、相手の身体が掻き消え、その場からオレンジ色の線が真っ直ぐこちらへ向かって来る。

「くぅ!? 」

反射的に大剣を両手を使って頭部をガードする。瞬間、そこへ相手の回転蹴りが叩き込まれる。
力が入らず、身体が少しだけ傾く。………速い。

加速能力か? 大剣を握り、大剣の腹にもう片方の手を着けてガードしたときに一つのワードが浮かぶ。
相手の急激な加速に額を汗が伝う。が、立ち止まるわけにはいかない。

「てぇあ! 」

ガードに回していた大剣をそのまま前に押し出して叩き斬ろうとする。
速度はそれほどなく、腕にまだほとんど力が入っていない大剣の重さに任せての攻撃だ。

496三門陽:2013/01/27(日) 01:22:04 ID:Y9w/ccZ60
>>495
「ッヒュゥ――ッ! あ、ぶ、ねェ!」

蹴りを叩きこもうとするも、蹴りは大剣によって阻まれてしまう。
ウェイトがそこまである訳でもなく、超人的な身体能力を持つわけでもない三門。
剣で防御をされてしまえば、それを打ち砕ける道理はない。だが、だからと言って戦えないわけではない。
要するに、防御されれば聞かないのならば、防御していない所を殴れば良いし、斬られれば血が出るなら斬られなければ良い。

「シンプルに……ッ、単純が、最速で最強ッ!」

思考は、浅い。だが、それと引き換えに速い。
判断は、不正確だ。しかし、その代わりに速い。
フォームはめちゃくちゃだ、だが慣れている故速い。
三門陽の戦闘スタイルは、全て速度につぎ込まれている。
如何に早く動き、如何に早く相手に辿り着き、如何に早く相手に攻撃を当てるか。
己の強みを理解している三門は、それ以外を眼中から捨て去った戦い方を選択していたのだ。

「――――ヒィャァッ!」

とん、と相手の大剣を蹴って空中に跳ね上がる三門。
ぱん、と空中で破裂音が響き、空中で三門の体は螺旋を描く。
相手が剣を突き出すのと同時に、三門は相手の大剣を持つ拳へと足を付き出した。
刀身が衣服を引き裂き、腹の薄皮を裂き、血を周囲に飛び散らせる。

だが、相手の突き出しの動作に合わせて放たれる蹴りは、相手の突き出しの速度とこちらの加速と相まって高い威力を生み出す。
攻撃に対してすべき行動は、攻撃。防御をすれば、それだけ戦闘は停滞する。
加速させるのだ、戦闘をひたすらに。速度のみが己の武器ならば、速度を必須とする怒涛の展開を作り出せば良い。
喧嘩だ。いつも通りに、度胸を絞って、気合を拳に送り込んで、誇りを足に叩きこむ。

(こええ――ッ! あんなでけー刃物始めてだしよォ!?
 だが……ッ、これでびびってちゃ、正義の味方なんざできねェわな――――ッ!!)

497逆月 誡真/昼寝好きスロースターターな傭兵:2013/01/27(日) 01:44:44 ID:XQyOWsIw0
>>496

「なにっ!? 」

男の大剣を踏み台に、相手は空中へと跳んだ。
その意外な行動に少しだけ眠気が晴れる、がまだ本調子には遠い。

破裂音が響き、相手は空中で回る。相手の行動を予測するが自分の動きを止めることはできない。
剣を止めることができず、剣を持つ右手に相手の蹴りが入った。

「くぅあっ!!」

鈍い痛みが右手に走り、苦悶の表情を浮かべる。が、こちらの攻撃も相手には当たっている。
捨て身の攻撃ではないのだろう、男の攻撃に合わせて打った手のようだ。

「ふふ、くっくっ………」

大剣の柄を握る右手に力を入れ、汗をかきながら、痛みを覚えながら笑う。
防御を捨てているのか、それとも打てる手を考える暇がなかったのか、それはわからないが……

「興が………乗ってきた………」

『アームズ=白離境界』

「来い………サクリファイス」

男の後ろから突如空間を裂き、剣の柄が現れた。男の持つ固有魔術、アームズだ。
剣を収納する異空間、その中に存在する剣をこの場に呼び寄せたのだ。

左手でそれを引き抜くと空間が閉じ、剣の全容がその場に示される。
ハンドガードまですべて刃でできている長剣、X-サクリファイス。

「行くぞ、らぁぁぁぁぁっ!!」

横薙ぎに左手に握ったサクリファイスを振る。
先ほどのように握った手を狙うことはできないだろう、が先と同じくそれほど速さはない攻撃だ。

498三門陽:2013/01/27(日) 01:56:26 ID:Y9w/ccZ60
>>497
相手の拳を潰すように蹴りを叩きこみ、三門はその反動で後ろに飛び、着地。
じんじんと足に振動が来るが、確かな手応えを体に感じていた。
髪を振り乱して、煌々ときらめく瞳を相手に向けて、三門は相手を見据えて立った。
深く息を吐いて、両の瞳を閉じて両の足を大地に確りと固定して、意識を集中する。

「フリーク・キッチン――――」

相手の雰囲気が変わったことを感じ、三門も又構えを取る。
両の腕を大きく開き、力強く両の拳を握りこむ。みしり、ぎちり。
グローブの繊維が軋みを上げて、全身に強く、強く力を込めていく。
ごす。
両の拳を、思い切りぶつける、三門。

「――――ジャンク・トゥース」

ゆっくりと、ぶつけあった拳の間を開いていけば、その隙間からオレンジ色に輝く星が生まれだす。
その星が四肢と頭部に纏わりつき、直後にそれらが弾け飛び。
そこに居たのは、文字通りどこぞのヒーローかと思うような男だった。
顔にはトンボを思わせる大きな偏光サングラス、両の拳には黒地にオレンジのラインが引かれた手甲が装着され、足には同じデザインの具足が有る。
右頬には、ペンキを叩きつけたようなな蛍光色のオレンジ色をした、星のマークが大きく描かれていた。

「しゃらァッ!!」

全身を捻り込み、相手の横薙ぎに合わせるように右腕の甲を真下に叩きこむ。
力の軌道に対して、横から干渉する事で、相手の攻撃を捌く事を可能とし。
そのまま、あろうことか一歩を踏み込み――顎に向けて右の拳を跳ね上げるように振りぬいていく。

その一歩の踏み込みが、早すぎたために腹部に切っ先が掠り鮮血が飛び散る。
だが、それによって、振りぬいた腕の外側――左腕の外側に三門は入り込み、カウンターを放つことを可能とした。
手の甲から肘に掛けてびっしりとオレンジ色の星模様が浮かび上がり、閃光を放ちながら相手の顎へと拳は伸びていく。

動作に躊躇いがないのが、三門の強み。
ここでは引くだろう、ここでは防ぐだろう、ここでは様子見だろう。
そう思わせる所で、三門は動く。なぜなら、そうしたほうが〝格好いい〟、〝面子が立つ〟から。
戦闘のプロとは全く持って違う行動原理は、帰って定石を打ち砕く独特のスタイルを構築するに至っていた。

499逆月 誡真/昼寝好きスロースターターな傭兵:2013/01/27(日) 02:23:20 ID:XQyOWsIw0
>>498

相手の様子が変わる、昔見たようなヒーローのような感じ。あれが本当の能力か?
が、これでわかったことがある。何度か見ているオレンジの煌めき、あれが相手の能力だろう。
ヒーローのような姿になっているのは能力の完全解放のようなものだろう。


横薙ぎの斬撃を振り下ろした右腕の甲に捌かれる。
そして、そのまま、こちらへと相手は迫る。動きの速さのためか、相手の腹部にサクリファイスの切っ先が触れる。
だが、これは危うい。拳がこちらへと向かってくる。

「かっ!」

『アームズ=衝応迫羅』

大地を踏みしめた瞬間、男がその場から掻き消え、相手の前方、十分に離れた場所に男が出現する。
動きを加速させるためのアームズ、衝応迫羅。今の一撃を喰らうわけにはいかない、そう判断しての行動だ。
もしも、あれが当たっていればその凄まじい衝撃に脳が揺さぶられ、行動不能になっていたかもしれない。
額に汗がどっと溢れ、腕や足に服が張り付く。

「はぁ、はぁ…………はは!」

その恐怖、その強さに目を覚ますのも、気分が高揚するのも当たり前といえるだろう。
男は戦闘狂や戦闘を快楽として楽しむ性質ではないが、相手の強さに自分の腕を試したくなる質はある。

誡真の相手を見る目の色が変わり、完全に目が覚める。

「…………すっかり目が覚めた、感謝する。

 お礼として………全力で相手してもらおう」

右手に持つ大剣、C-ガイアヴェルトを前に。左手の長剣、X-サクリファイスを逆手に持つ。
おそらく、相手ならこの距離を一気に駆け抜けてくるだろう。加速能力、もはやそれに疑いはない。

「俺は逆月 誡真。お前の名前、聞かせてくれないか? 」

500三門陽:2013/01/27(日) 02:40:45 ID:Y9w/ccZ60
>>499
「――な、にィ!?」

ごうん。
風をかき回して振りぬかれた、三門の右腕。
しかしながら、その腕は空を殴りつけて体勢を大きく崩して三門は地面に倒れこむ。
即座に腕を地面にぶつけて、跳ね上がるように体勢を戻して、地面を両足で確りと踏みしめた。
幸いと刀傷は内蔵までには達していなくて、血で大きな斑をシャツに浮かべるくらいなものだ。

「……テメェも速いのな。なるほどおもしれェ。
 こうでなきゃヨォ……つまんねぇっての、なァ?」

げははは、と馬鹿笑いをあろうことか響かせる三門。
口元には傲岸不遜に笑みを浮かべ、明らかに負傷が此方のほうが大きいというのに、勝ち誇ったような態度を取る。
目に力を込め、言葉に意志を込め、四肢に誇りを込める。
その上で、相手にガンをつけ、一介のヤンキーは傭兵相手にメンチを切った。

「俺ァ三門陽ッ! ヒーロー志望で、将来の就職希望は宇宙飛行士ッ!!
 んで持って、筋の通らねぇ奴と仁の無ェ、義の無ェ奴らは俺がぶちのめす、んでそれを貫くために俺は強くなりてぇ訳でよ!
 だから俺はテメェをボコるぜ、テメェに勝つぜ、テメェを倒すぜ? だからよ――誡真ァ――――〝相手してやるよ〟」

明らかに相手は格上、経験も段違いだし、基礎的な能力も段違い。
こちらが持つのは、気合と勇気と根性と矜持と――速度だけ。
だから、精神的なもの全部をつぎ込んで、唯一誰にも負けたくない己の強みを貫くことだけを三門は選択する。
妥協はしない。――真っ直ぐ最速、速度しかない己は速度だけでいい。選択肢が一つなら、迷う必要すら有りはしない。

(――いいねェ、分かりやすい。
 全力――見せてやんよ」

そういった直後、三門の全身にびっしりと星形の模様が浮かび上がる。
このオレンジ色の光こそが、三門の力の証。
加速を表す模様を全身に浮かばせたということは、今から三門が発揮する速度は、最高速だということだ。
足を動かせば速く、腕を動かせば速く、躱せば速く、殴れば速く、蹴れば速い。
0から100までコンマで加速する力の噴射と、それと相反する100から0への逆噴射。
何処までその全力が通用するか。三門は、それを試せる相手である事に、感謝して。

一歩を――――踏み込んだ。

「う、ッオァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッ!!」

流星だ。
そう表現する他にない、最速の一発。
右腕を全力で振り上げて、一歩を全力で踏み込んで、全力で振りぬいた。ただそれだけ。
だからこそ、その一つ一つに嘘は無い。その一つ一つに加減はない。
三行程、全てが必殺の気概、決死の全力。

だから、その只のテレフォンパンチは、三門の必殺技だ。

軌道は直線。ストレート以外に撃つ攻撃が有るか? 無いし、それ以外を選ばない。
腹部に向けて一直線に振りぬかれる拳、距離は異様に詰めるため、剣が剣としての威力を発揮する間合いを作るには後ろに引く他にない。
だが、引いた所で、三門はもう一歩を踏み出すだろう、そしてまた拳を振りぬく。
倒す方法のひとつは、この異様な速度に、カウンターを合わせること。
この速度に、少しでもカウンターを当てることが出来れば、己の力で三門は敗北するのだ。

501逆月 誡真/昼寝好きスロースターターな傭兵:2013/01/27(日) 03:12:24 ID:XQyOWsIw0
>>500

「ヒーロー志望で宇宙飛行士が将来、か……面白いな。

 はは、俺をボコって見せろ。言葉の通りにな………」

長剣を地面に叩きつける。自身の過去から現在に至るまでに積み上げてきた力を叩きつけた。
大地には亀裂が走り、相当な力があることを意味した。

力が身体に満ちてくる、心の高ぶりが身体に伝う。手を握りしめれば確かな感触を感じる。
全力を出せる、地面に踏みしめて駆けて行ける。そしてそれを維持する身体のもある。

『アームズ=白離境界』

「ガーディナル、ゲイルギア………出番だ」

空間に再度亀裂が走り、そこから4本の剣の柄が現れる。
だが、誡真はそれを手に取ろうとはしない、周囲に剣の柄があるだけの状態を維持する。

前方を見れば、そこには光り輝く相手、三門陽。
全力の一撃を放とうとしているのだろう。男は息を吐き、そして吸う。

「三門、見せてやる。こいつの本当の姿を」


「さぁ、目覚めろ墓守の断罪剣、リグレイヴウェポン!!
 全力の相手には全力を叩きつける! それでこそ相手を超えたと言えるだろう」

その名を呼んだ瞬間、6本すべての剣が青い霧のようなものに包まれる。
すべての剣は1本の剣、C-ガイアヴェルトに集い、それを覆っていく。
ひとつひとつが自分のあるべき場所へ帰り、青い霧が消えたそこに、本来の姿である一つの剣に成る。

合体剣 リグレイヴウェポン、それがこの件の本来の呼び名。
超重量を誇り、普通の人では持つことすら不可能であろう剣だ。
それを両手で持ち、誡真は相手に呼びかけた。

「行くぞ三門!!」

相手はこちらへ踏み込む、瞬間、目の前には三門が

『アームズ=衝応迫羅』

すかさず、その場から後退する。だが、相手はすぐにこちらへ踏み込むだろう。
それは今までの相手の行動でわかりきっている、なら、相手を倒すには………。
考え付いた方法、それは。

『アームズ=衝応迫羅』

後退した瞬間、前に踏み込む、間隔を開けるのは一瞬だけでいい。
剣を振ることができる間隔を一瞬でもあけることができるなら、振れる!

超重量の合体剣を振りかぶり、前に踏み込んだ相手と真正面からぶつかり合う。
誡真が放ったのは袈裟切り、相手が放ったのは全力のテレフォンパンチ。

「………………が……………!!」

狙ったのはクロスカウンターだ、捨て身に近い攻撃。
相手の全力は誡真の腹をぶち抜いていた、当然だろう。
加速と加速がぶつかり合ったようなものだ、威力はその加速に上乗せされる。
人の身体を貫通しても何らおかしいことではない、が………意識はまだある。
凄まじい痛みに意識を失いそうになるがその痛みに意識が覚醒する、ちょっとした地獄を見ているようだ。

502三門陽:2013/01/27(日) 03:22:18 ID:Y9w/ccZ60
>>501
加速していく世界の中で、非常識なまでに巨大な大剣を三門は目の当たりにしていた。
だが、引かない。そして、――恐れない。
三門陽が、この程度で逃げるはずはない、逃げればそれは三門陽ではない。
只の――臆病風吹かせたどこぞのヤンキーに成り下がる。それを理解できているから、引かない。

「しゃ、ァルァ―――アアアアアアアアアアアアアっ!!!」

交錯していく、二つの力。
相手が後ろに一瞬下がり、また加速を産んで踏み込んでくる。
だが、止まるはずがない、防ぐはずがない。殴りに来ているのだ、防ぐ必要が何処にある。
いや、本来ならば防がなくてはならないだろう。だが、今すべきことは、殴ることだった。

ごしゃり。

相手の腹部に腕を深々とめり込ませて、三門はその感覚を感じた。
だがしかし、不自然な気配を感じる。口からごぼりと鮮血が吹き上がる。
右肩から左腰に掛けて、一閃が駆け抜け、刀身は背中を突き破って三門を二つに分けていた。
要するに、絶命だ。

だが、人間切られて直ぐ死ぬわけではない。
まだ酸素が脳に残っているならば、まだ動けないわけではない、思考を巡らせられないわけではない。

「か、ハ――――――ま、ダ――――」

死んだ後に、三門は動いた。
壮絶な笑みを浮かべながら、上半身を加速させて射出。
額を超高速で相手の顔面に叩きこもうとした後、その成否を確認するまでもなく、絶命し、敗北しただろう。
しかしながら、相手が意識を取り戻すなり、防御した後に三門を見れば分かる。

地面に倒れた体の右手が、中指を立てて相手に向けられていたことが。
敗北はしたが、気概だけはまだまだ前に突き進むつもりであったことが、そこから分かったことだろう。

503逆月 誡真/昼寝好きスロースターターな傭兵:2013/01/27(日) 03:44:28 ID:XQyOWsIw0
>>502

合体剣は三門の身体を抉り、切り裂き、二つに分断していた。
だが、彼は動いた。最後の力を振り絞って自分自身を弾丸に誡真を狙い撃った。
これを避ける術を誡真は持っていない。いや、アームズを使えばそれを避けることができるかもしれない。

だが、それを思うよりも早く、彼が加速した。

「なる………ほど、な」

笑みを浮かべていた彼を見て、誡真も笑った。
身体をどれほど傷付かせようと、身体を二つに分かそうと彼は微塵も諦めないようだ。
疑似的とはいえ、彼は死のうと笑いを浮かべる。

顔面に彼の額がぶつかり、そのまま倒れていく。
倒れ伏す瞬間、先に倒れていた彼の半身、その右手が中指をこちらへ立てているのが見えた。

(身体の半分は俺を倒しに、もう片方は…………)


意識があったのはそこまで、気が付いたら模擬戦場の外だった。
周りを確認するも三門はいない。先に帰ったのか、それともまだ中にいるのかはわからない。

「……………前に突き進み続ける、か」

持っていた合体剣を6本の剣へ 、大剣を背中のホルダーに、残りの5本を別空間に収納する。

目はすっかり覚め、まだ気が高ぶっている。
これなら問題なく依頼を受けられそうだ、目を覚まさせてくれた三門に心の中で感謝する。
できるなら、

「できるなら、また会いたいものだ。今回はDKO、引き分けだ」

明確な決着をつけておきたい。引き分けは、あまり好きではないのだ。


//お疲れさまでした!
//初戦だったため、できれば戦闘評価してくださるとうれしいです

504三門陽:2013/01/27(日) 03:45:57 ID:Y9w/ccZ60
>>503
/*おつでしたー!*/

505髭面【傭兵】──強面総髪能力不明:2013/02/22(金) 22:37:12 ID:3kSpRy2s0
月が翳っているせいか、暗闇に満たされる中で光が相反するように燦然と輝く人口の光
照らされる床につっぷして髭面は肌で冷たさを感じていた
何時もは仮住宅である不法占拠しているビルでこの冷たさを感じているのだが、今回は模擬戦
ということで模擬戦場に来た髭面は、とりあえず相手方を待つために座り込んでいたのだが
微睡む様なその目つきから察するに、待ち合わせの時間を完全に間違えたようだ
時間が経つと同時に段々と大勢が崩れて行ったらしく、もうほぼ寝ているのと同じ──臀部をあげて顔と胴体を床に付けている──だ
偶に髭面の総髪を揺らす風は何処か虚しくもあった

「何で俺一回帰ろうと思わなかったんだろうかなぁ……」

帰ればアナシィの面倒を見なければならないのが嫌だったからだ
もう模擬戦は始まっており、いつ攻撃されてもおかしくない状況であるにも関わらず、仰向けの体勢になる
あたかも殺してくれと言わんばかりの格好でもあるが、それでも髭面は構わず微睡む
そういえば相手方は誰だっただろうかという疑問が頭の内を過った
だが、そんな事忘れてしまう程に髭面は待ちくたびれているようだ──

506クララ(ブロンド美少女)ミミック:2013/02/22(金) 22:48:05 ID:H1d/B3360
>>505
靴の音が近づいてきて、カツンと石を蹴る音が聞こえる。
一対一の模擬戦闘で足音も消さないでやってくるほどだ。
戦闘のプロでも戦争のプロでもないようだ。

現れたのはまだ幼い少女。
小さなブーツにフリルのついた服装、そして手ぶら。

スカートの両手で裾を摘み、肩を落とすお辞儀。
「おまたせしたわね。
 ところでわたしは何をしにここに来たのだったかしら?」

現れたのは立ち振舞の上品な美少女。
さてさてエイプリルフールまではまだ一ヶ月ちょいあったはずだが。。。

// 舞台は屋外ですか?屋内ですか?

507髭面 ◆o9r4YJ5QH6:2013/02/22(金) 23:04:12 ID:3kSpRy2s0
>>506
模擬戦場へとやってきた少女が齎した風は、何処と無く感じる高貴なもので、髭面は微小な変化を感じ取ったのか慌て正座に直った
見上げる少女の姿は幼き頃のアナシィを感じさせるフリフリとした格好で、可愛らしいと言えば可愛らしい
だがしかし、ここは舞踏をする場ではない。否、表現として武闘と舞踏をでかけるのはありなのだが
もしかして逆に自分が間違えたのやも知れぬ、だがここは気を抜くべきではないし
髭面は体制を低くし、保ちながら二重ベルトに刺してあった懐刀を抜き出した

「じょぉぉおうちゃあああああんぅ?あぁそびましぃよう?」

先手必勝、少女の前方から走り、近づいて行く
もし抵抗を見せれば、問答無用で斬りかかる
腹部横一線のバックハンド横薙ぎだ

508クララ(ブロンド美少女)ミミック:2013/02/22(金) 23:14:21 ID:H1d/B3360
>>507
「きゃ!」
 突然斬りつけられ後ろに倒れて尻餅をつく。
 クララの反応が良かったのか、髭面が様子見で浅く斬りつけたのか、
 薄皮にも傷はついていない。そして衣服の胴部分が横に避けている。

「そうだったわ。ごめんなさいね。
 ここに何をしにきたのか思い出せたわ。」

 そう言うクララの瞳孔が開く。思い出せてもこの体勢はよろしくない。
 成人男性が刃物を持って、尻餅をついた丸腰の少女の前に立っているのだから。

「起こして下さる?」
 しかしクララは髭面に右手を差し出す。

509髭面 ◆o9r4YJ5QH6:2013/02/22(金) 23:29:16 ID:3kSpRy2s0
>>508
刃渡りはそれ程長い訳では無いが、人を殺すには十分過ぎる長さである髭面の懐刀
少女の服を掠めただけであったが、少女の感得の仕方によっては後に牽制になるかもしれない
髭面は息も荒げず、ただ走って来た風の残滓を背後に感じながら尻餅をついた少女を見下ろしていた
懐刀を手首の動きで細やかに動かしながら、小技を含みつつもバックハンドから普通の持ち方に直す
視線を下にずらすと、屋内故に足元は綺麗に掃除されており滑りやすく、光が反射して自分の姿を確認する事ができた
再び少女と顔を合わせると、少女の口が動いた

(……何だこいつ……)

戦闘が出来るタイプというのは一瞬で判別つくものではある
例えばその人物特有の雰囲気だとか、ある程度顔を知られている人間であればそれこそ顔を見るだけで分かる
雰囲気というのは殺すことはできない、だがこの少女から感じさせるのは高貴さと──
否、変わった。少女の瞳孔が開くと同時に先ほどの感じ得ていた柔らかさが一気に鋭利な刃物へと変わった
髭面はその一瞬を見逃すことは無かった、視界に意識を高め、見るものだけを信じる
そのためか外界の音声は一切絶っているかのような状態で、髭面はじっと少女の視線を躱す事なく見つめたまま、懐刀を二重ベルトの鞘に仕舞った

「悪かったな、嬢ちゃん……敵かと思ったよ」

緊迫した二人の世界に、髭面は左手を差し伸べて少女に返した
少女の手を取って、立ち上がらせようとしたのだ
だが、何時でも攻撃はできる状態──能力を使用した、相手を惑わす一撃を

510クララ(ブロンド美少女)ミミック:2013/02/22(金) 23:45:51 ID:H1d/B3360
>>509
「クスクス…敵はわたしよ。でもありがとう。
 そういう正々堂々とした人は好きよ。」
 クララは髭面の手を借り起こしてもらう。
 クララが得意なのは戦闘ではない。

「そして… 捕 ま え た わ 。」
 クララが得意なのは狩猟だ。戦うのでなく狩る。
 髭面が取ってくれた掌を変形した指が絡みつく。
 
 彼女の体重は39kg。
 人間相手なら髭面の懐刀すらいらない。
 拳骨だけでも通用しただろう。肩車もおんぶも楽勝の体重。
 しかし39kgと言えば大型テレビ程度の重さである。
 そして重い物は柔らかいものほど持ちにくいものだ。

 クララの重さを体重と表現してはいけない。重量である。

 目の前の美少女は突然足払いをかけてくる、と次の瞬間には球形の塊に変形した。
 左腕を重量物にとられての状態での足払い、通常ならそのまま頭から地面に落ちるものだが髭面はどうか。

511髭面 ◆o9r4YJ5QH6:2013/02/23(土) 00:08:13 ID:w9Avj9Rs0
>>510
長年傭兵をやっていて思うこととは多々あるがその中でも毎回思わせられるのは能力者同士の戦いに意外という言葉は似合わない
相手の能力を知らない限り常に警戒をしなければならない、つまり牽制されている状態で意外何ていう言葉は絶対に使ってはならないのだ
意外と思った時には死んでいるのと同じ、相手の動作に感動すればそれは死を示すのと同じ事
髭面は左手に絡みつく何かを振りほどく為にはどうすれば良いかを試行錯誤で練りならがも、能力の使用を躊躇っていた
髭面の能力とは無駄を行った分だけ、行動の過程を飛ばす能力
髭面の今回の無駄は多大な量あるのだが、相手にこの能力を悟られると非常にいけない
確かにこの能力は一対一を最も得意とする、だがもし相手が見破れば、予想がついてしまうのだ
能力者という幾つもの戦闘を繰り返してきた存在は特に、だ
能力を使用せずとも左手を切り落としてしまえばいいことなのだが、そうは行かない
重量で肩が外れそうになる──片手に米俵を巻きつけられているのと同じなのだ、普通ならば倒れてもおかしくはない
重点を右に置くことによって体制を保っているものの、少女であった何かが足払いを行った
微量な行動の風が先行して髭面の足を薙いだ。このままでは倒れてしまう
恐らく相手の能力は変態か何かだろう、ならば倒れてしまって首に同じように重量技でも掛けられたら一貫の終わり
本当にどうすべきか、髭面は迷いに迷った末、諦めた

「……こりゃぁ残念だったわ」

薙がれ、崩れる髭面の視界は斜めに落ちて行く
まだ相手の能力に不透明な部分がある、そこを明かすまでは能力の使用を禁止しようと自らで戒める
情報戦という文字通りの戦いも、この戦いには含まれているのだ
髭面は崩れ落ち行く最中、重い質量を思いっきりに振り上げて、床に衝突する時勢いづけて振り下ろそうとした
まず知りたいのは、可変した状態でも痛覚はあるのか、ということ
もしこれで痛みを感じているとするのならば、自重と勢いで尋常じゃない痛みが少女であったなにかを襲うはずだ

512クララ(ブロンド美少女)ミミック:2013/02/23(土) 00:36:14 ID:0hLrvF8U0
>>511
 クララは髭面だけを地面に叩きつけるつもりだった。
 その髭面の自爆とも呼べる行動に驚くと拘束を緩めてしまった。

 地面に叩きつけられる二人。

 しかし床に全力で叩きつけられたかのような衝撃は髭面にはない。
 むしろ柔術や柔道でいう引き手を取って貰った時の様な感触。

 一旦クララは髭面の拘束を緩め、転がりながら離れ、そして変形を解く。
 片手をついて立っている少女の姿だ。しかし不敵に笑みを浮べている。
 目の前の少女には大したダメージがなさそうだ。

「無駄よ。わたしは刃物で斬りつけられれば切り傷と同じように変形する。
 槍で突かれても自分で自分の身体に穴を開けるだけ。
 叩かれても鈍器を包み込む。そういう事ができるの。」
 この言葉に嘘臭さはない。演技か詐欺の才能でもあればそれも隠せそうだが。

 次の攻撃手段か、クララの両手の指がすべてナイフのように変形する。
 そしてゆっくり髭面に近づきながら、腕もゆっくり伸びていく。

513髭面 ◆o9r4YJ5QH6:2013/02/23(土) 00:59:23 ID:w9Avj9Rs0
>>512
拘束が緩んだと同時、床に叩きつけられるも痛みを感じずに、直ぐに立ち上がって背後に二回跳躍した
変態の能力の厄介な所は稀に伸びて間合いを詰められる、ということ
間合い程に戦闘に於いて重役を果たすものはないであろう
髭面は無駄を蓄積するためか、懐刀の抜き差しを行っている
相対する少女に外的な傷害は認められないあたり、自分の考えは間違えていた様だ
ならば今後どういった方針でいくか、という事になってくるのだが、と髭面は呑気にも顎鬚を摩り始めた
少女が言うには傷に対して形を変える、という事
つまりどれだけ物理で押しても意味はない、ということだ

(──圧倒的に不利だな……)

髭面の能力は最終的に打撃となってしまう
相手の過程を吹き飛ばすのは難しい、蓄積した無駄を全て消費してもおかしくはない
それを持ってしても完膚なきまでに叩きのめす事は不可能
相性が悪過ぎる、これは逃亡を図るのが懸命な判断だろうか
じりじりと近寄ってくる、今は少女の形をした何かを見据えて、抜き差しを繰り返した懐刀を、腰より低い位置に構えた

(物理で押しとおらないのならば──熱はどうだ?)

抜き差しを繰り返した分、今から行おうとしていた抜き差しの過程を吹き飛ばす事によって一気に懐刀を高温にしたのだ
摩擦による熱の上昇、刀の形が変形してしまうかもしれないが、細かいことは気にしないで良い
相手にはこの事がまだ発見できないはずだ、だが次の行動で能力を知られる可能性がある
髭面は、再び軽く背後へと跳躍を行うと、あろうことか少女である何かの背後へと立っていた
長時間の待機の一部の無駄を使用し、今から行おうとしていた少女の背後への移動の過程を飛ばした
少女は大きな大気の揺れを持って髭面の移動を察知できるだろう
だが、その大気の揺れも一瞬
この一秒とも満たない刹那の勝負は、ほぼ賭けに近い
髭面は右手の高温を伴った懐刀を、押しやる様にして少女の腹部を穿とうとした

514クララ(ブロンド美少女)ミミック:2013/02/23(土) 01:16:03 ID:0hLrvF8U0
>>513
「高速移動?
 で も そ れ で も 遅 い わ よ … 。 」
 彼女の肋骨が、彼女の衣服を引き裂きながら反転する。
 ナイフ状の指のついた腕もありえない角度から髭面を挟もうとする。
 かなり速い変形ができるようだ。ハリネズミの様な姿のクララの攻撃。

 そして懐刀の刀身に合うような穴も同時に腹部に開かれていくのが 見 え る 。
 変形によって造られた孔に咥え込まれた懐刀がクララの肉を焼き始める。
「痛ッ…熱い!熱い!何なのこれは?!」
 この攻撃を受けるまで懐刀が熱を帯びている事に気づいてはいなかった。
 熱も有効だが、彼女の変則的で反則的な回避にはまだまだ秘密がある。

 それでもクララにとっての今の一大事は発熱した懐刀だが。
 内臓が沸騰しそうだ。髭面を牽制するためにハリネズミの針を増やす。

515髭面 ◆o9r4YJ5QH6:2013/02/23(土) 01:38:25 ID:w9Avj9Rs0
>>514
だから化け物は嫌いなのだと、髭面呟きながら普通ならばありえない動きを取る少女に対して感嘆する
空を切ったかのように思えた熱を伴った懐刀は確実に少女の体内を焼いている
だがこちらも熱くてたまらないのだ、だが我慢するに値する価値はある
他に打開策はあるのか、そう思うと同時、髭面は一つのことを思い出した
少女の致命傷、否急所とは何なのか
例えば人間の雄ならば股関が急所で、当たれば一溜まりもない
だがしかしこの様に変態する化け物の弱点は何なのか、まだ仮定の段階だが、もし弱点があるのならばそこを守るように変形する筈だ
という事はつまり、がむしゃらに、そして同時に攻撃して相手の体にどうしようもない位の穴を開けようよする
ならば急所だけは守らんと周りの肉は集まり、それを剥いでいけば、答えは見えるはずなのだ
だが同時に大量の攻撃をするにしても、武器は懐刀だけだ。些か効率が悪いし、非現実過ぎる
相手の変態したナイフを切り落として鹵獲してしまおうか、いや体の一部分だから意味はない
髭面の能力では可能な事なのだが、あえて髭面は、逃げた

(……気づくなよ……?)

髭面が選んだのは建物を支える大きな何本かの柱の影
体制を立て直す仕草の過程を飛ばし、いきなりの跳躍状態で少女の目の前に現れると、手をつき背後へと跳躍
熱懐刀は内臓沸騰が起こる前に抜き取ってしまう──破裂して飛散した物で攻撃も考えられるからだ
距離をとったところで、熱懐刀の熱を冷ます過程を飛ばす、そろそろ溜めてきた無駄が少なくなってきた
能力の乱用は厳しくなってきた所で、建物の柱の影につく
そして攻撃を誘うように、肩を半身出しておいた

516クララ(ブロンド美少女)ミミック:2013/02/23(土) 01:56:30 ID:0hLrvF8U0
>>515
「痛い…痛い…」
 焦げたモンスターの身体の一部が床にボトリと落ちる。
 火傷で破損した身体器官は捨てるものだ。
 焼肉は肉ではない。なんの役にも立たない。

 髭面が何かの能力を使った事はわかる。
 それは発熱と瞬間移動だろうか。
 じっさいにクララが見たのは突然背後に現れた髭面と熱を帯びた懐刀のみだ。
 だが、何か怪物の勘なのか、女の勘なのか、狩猟者の勘なのか違和感を覚える。
 だいたい戦闘中なのに無駄な行動が多すぎる。癖なのか、能力発現のための条件なのか。
 それすらわからない。


 だからクララは相手の正体を探る事は諦めた。
 この模擬戦は主導権を握る事でも勝利する事ができる。ペース争いだ。


 ここでクララは恐ろしい行動に出る。跳躍→変形→反射→反射→反射→反射→反射→…
 刃を帯びたゴムボールのようなものが室内を跳ねまわり、
 凄まじいスピードで髭面の隠れている柱を削り抉るように通過する。
 そして一部が砕ける柱。

517髭面 ◆o9r4YJ5QH6:2013/03/03(日) 22:31:10 ID:eLbFMoMU0
>>516
髭面は幾多もの戦闘と死地を掻い潜って来た結果、パターンをある程度自由が効いたテンプレートに収める事によって行動している
一見して無駄のない行動で、髭面の能力には不向きな所があるようにも思うが、髭面の性格上無駄な事をしてしまう
つまりテンプレートだったとしても何処かで無駄が生じてしまうのだ。その事を自己で理解した上での戦法
敵が跋扈する中でも対応できるのは髭面のテンプレートと性格の混合が故の結果なのだ
その内に、人外と相対する時の教訓をふと思い出した
シニフィが相対した人外を目の当たりにして思った事、それは考えを持っていると思ってはいけない
人間と同じように損得を考え、どういった結果が生じるかという事を思い行動しているのではない、ただ理性のまま行動を起こす
人間の様にモラルなどある訳がない、そこさえ誤らなければどうとでもなる筈なのだが
今回の場合、もしかすると相手は少し頭が良過ぎるかもしれない
単純な攻撃というよりも、相手を如何に困らせる事ができるかをしっかりと考慮した上での攻撃をしている
髭面は影から相手を見据えつつも、呼吸を何度か過剰に増やし、無駄を増やして次の行動に踏み切る

「お嬢ちゃんだった化け物、お前月夜は嫌いかァ?」

言って、相手が自分を柱ごと穿つであろう場所から数歩バックステップを過剰に行って回避する
ゴムボールの様に反射を作用させて速度と破壊力を増す彼女だったものは触れるだけで致命傷となり得るだろう
思う間にも右頬を掠り、切り傷のように浅くなったところから血が滲み出て唇まで伝う
舌舐めずりをして拭うと、前方に空中で一回転を行いつつ跳躍して相手の跳弾を躱した
次に来るのは右脇腹当たりか、回避に余念は無く跳躍の反動を活かして再度バックステップを踏む
月夜のお陰か人口の光とは別に窓から差し込む月光が境界線を作り出しており、髭面が回避を行うのは境界線のギリギリまで追い詰められていた
柱達があるのは人口の光の場所、つまり相手が跳ね続け攻撃力が増して行くのはあそこだけ
髭面はもちろん、相手が柱を攻撃して落盤することを狙っていたが、それと同時に得られる効果を期待していた
元より落盤ごときで倒せる相手だとは思っていないが、万が一倒せたというのならラッキーだ
相手がこのまま跳ね続けてくれることを祈り、脆弱化した柱に向かい、少量の無駄を消費してノーモーションの懐刀の投擲を行った
狙う先は丁度相手が柱と水平になる部分、真っ直ぐに行かないことは読めているので少々ずらしている
もし懐刀の投擲が成功すれば落盤が発生し、一部天井が粉々になり雨のようにして降り注ぐだろう
髭面は動かした気にならない腕を回しながら、口に広がる鉄の味を嫌気のさした顔で味わう

518クララ(ブロンド美少女)ミミック:2013/03/03(日) 23:00:00 ID:0MPVusLE0
>>517
体液中の酸素濃度が下がってくる。
組成した筋肉に疲労物質が溜まってくる。
それは疲れという感覚でクララを襲っていた。
せめて深呼吸がしたい。

だが自分は人間ではない。
マラソンマッチでも人間を追い詰められる。
だが酸欠状態では思考も判断力も鈍ってくる。狙いも甘くなる。
疲れている事を悟られずに体力を取り戻す方法はあるだろうか。
- お前月夜は嫌いかァ? -
そこに男の声がした。「ソコニイル…ノネ!」
今は休憩よりダメ押しの機会だ。"あの柱"を蹴って一気に男に近づき今度は切り刻もう。
ゴムボールから扇風機のファンの様な刃が生え回転を加えて柱を足場に跳ね…られない。
投擲された懐刀の存在に気づいていなかった…。
「キャアアアアアアアアアアアアアアアァ!!」
変身が解ける。右前腕が柱に縫い付けられ出血しはじめる。

>>512
  無駄よ。わたしは刃物で斬りつけられれば切り傷と同じように変形する。
  槍で突かれても自分で自分の身体に穴を開けるだけ。
  叩かれても鈍器を包み込む。そういう事ができるの。 )

しかし確かに柱に縫い付けられていた。
逃げることも出来ずに落ちてきた天井の瓦礫に埋もれていく。

攻め手から受け手へ回ってしまった。これは不味い。
身を守るためにクララは頭上を見上げて破片すら避け、
受けては投げ、それでもどうしようもない分は潰される。
音を立てながら積み重っていく瓦礫の山。

しばらく経つと静かになる。
崩落した瓦礫の下には出血の跡と髭面の懐刀が残されていた。
しかしそこをあらためても怪物の少女はそこにはいない。

「ふぅ…ふぅ…ふぅ…」呼吸音が何処かから聞こえる。
反響のせいで位置がはっきりしない。

519髭面 ◆o9r4YJ5QH6:2013/03/03(日) 23:29:37 ID:eLbFMoMU0
>>518

やったのだろうか、手応えはあったが砂塵が舞って先が良く見えないので、生死ははっきりとは認識できずにある
模擬戦施設は幸運な事に終了すれば何もかもか元通りになるので、被害は弁償しなくても良いのだ
ちょっとした安堵が身体の疲労に堆積し、ゆっくりと融解して行く心地良さを見に感じながらも、気を抜いてはいけないと戒めて砂礫の方へと近づいて行く
相手は狡猾な人外、まだ死んでいるとは思えない
血痕と自分の懐刀が落ちているのが認められたのを期に、髭面は腰を屈めて懐刀を持ち上げる
血痕の跡を辿って行くベキなのか、これは罠ではないのかと髭面の危機感は警戒感となる
終わりに近いからこそ細部までしっかりと考えろ、相手は自らの姿を元通り以下の大きさとなったのだ
質量を圧縮できたとしたら、霧散に近い事だってできるのではないか?
あくまで予測だ、だからこそやるべきことは一つと言っていい

「──Alles klar?」

独逸人の髭面は攻撃時に母国語を使う癖があるが、一々口に出す無駄な行為という意味で使っていた
しかしいつしかシニフィにもそれが浸透して一つの戦闘スタイルの様になってしまったのだ
今回はそんなことを口に出す暇もなかった、だが今は少しばかり余裕がある
大丈夫か?という意味の独逸語を吐く髭面は深い吐息をついた
微かに感じられる吐息の音に耳をひくつかせて、髭面は懐刀を胸元で十時に切って空へと投げる
すると、懐刀が空中で固まった
それにつられる様に、呼応する様に周りの瓦礫たちも宙に舞い、同じく空へ固定された
髭面の無駄を消費して、空中に留めるという行動の過程を飛ばしたのだ
このように能力を使うのはあまり好きでは無いが、化け物でも救いが必要であろう
不意打ちされたならまだ手はあるし、というよりこちらの方が本命なのだが
とにかく、これで彼女の姿は確認できる筈だ、と髭面は目を凝らし始めた
見つければ一応手を差し伸べるだろうが、本当に姿はあるのか

520髭面 ◆o9r4YJ5QH6:2013/03/03(日) 23:31:33 ID:eLbFMoMU0
>>519
/おげふぅう!ちゃう!!一つ一つ瓦礫に触れて行って宙に固定する、です!!

521クララ(ブロンド美少女)ミミック:2013/03/03(日) 23:50:23 ID:0MPVusLE0
>>519
地面が喋った。
「本当に勝つまで勝利を確信してはいけないわよ。」

クララの能力は変形と変容。霧散はできない。
まるでタコの擬態のように、いやそれ以上だろうか。
身体の色や質感を変えて髭面を待ち伏せていた。

髭面が踏んでいる床はクララの身体の真ん中。
髭面を囲んでいるのはクララの身体の端。
この変形は能力か生態か、それは本人にもわからない。

髭面の足元に伸びる触手と周辺に立ち上がる肉の柱が七本。

足元に伸びる職種は、脚を掴んで逃げるのを阻止するのがその意図だろう。
落下運動を止められた瓦礫はいつまでも空中に制止していられないかもしれない。

周辺の肉の柱は細長いが人間の腕に似ている、掌に当たる箇所には五本の爪。
逃げれば容赦なく引っ掻く。髭面の着衣、装甲が弱ければ引き裂かれるだろう。

「ところでおじ様はどうして瓦礫を止めたの?」

522髭面 ◆o9r4YJ5QH6:2013/03/04(月) 00:07:20 ID:cv0mA9Mo0
>>521
髭面の能力である【不純玲瓏】は何度も言うように無駄にした行動を消費して行動の過程を飛ばす、という物
自分の行動と、触れている物の行動でしか飛ばすことはできないが、ありえない事までできるのだ
だが、例えば過程を飛ばすにしてもその過程の中で相手が干渉する可能性があればその能力は終わった後の感触だけが残るという
強力であるが故に自身でも扱いづらい、だが限りなく自分に合うのだ
髭面の足元に絡みつく幾つかの触手は、不快感を身に宿して止まらない
動けば即死だろうか──これは詰みでもあるし、勝利とも取れる
触れている物の過程を飛ばす能力、つまり今触手が自身を殺す過程を飛ばしてしまえば、相手は殺した感覚を感じ取り、一瞬だけ幻覚に陥るだろう
殺す過程を飛ばしてしまえば、殺すという行動自体は行われない──自分が干渉しているからだ
その一瞬の隙をつけば、逃げ出す事だって可能な筈
だからこそ、ここは交渉でどうにかせねばならない

「瓦礫を止めた理由……?それともどうやって止めたか、訊きたいのか?
……教えてやる、どちらを訊きたいんだ?」

523クララ(ブロンド美少女)ミミック:2013/03/04(月) 00:15:05 ID:efbWBW2s0
>>522
「止めた理由を知りたいわね。」
 髭面を中心に牙の並んだ顎のような物が床から上がってくる。
 足は止められ停止した瓦礫の下。
 今にも髭面をかじろうとする牙。
 そして五本の鋭い爪を持った七本の触手。
「囲んだわよ。これは詰みじゃないかしら?」

524髭面 ◆o9r4YJ5QH6:2013/03/04(月) 00:37:38 ID:cv0mA9Mo0
>>523
四方八方を固められ、これ以上の行動は難しいであろう、髭面は命の危機と言うものに仕方のない生理的な現象を起こして、感じられていないかと胸の鼓動が早くなる
感じ取れる空気の冷たさが漸く感じ取れたのを皮切りに今までの運動の激しさを悟らされ、仕方のない状況を俯瞰するには重すぎる
もし、これが模擬戦でなければ自分の人生が終わりだと思うと、胸の底が抉り取られる様に痛い
まだ諦めている訳ではないが、模擬戦だという皮肉を口の奥で噛み締めると、血の味が再び感じられた
危機的状況で、冷静になると全てが客観的に見える事を知っているであろうか
唐突な死を目の当たりにすると身の毛が竦み、冷や汗と共に笑顔が滲み出るらしい
だが思ってもみれば死とは優しいもので、ゆっくりとしたものは時として鋭利なものではなく優しく柔和に受け止めてくれる
しかし今回の場合はそうはいかないようだと髭面は空中の懐刀を、空を仰ぐと同時に確認した
月がよく見えると思えば雲に翳り、月光は薄まり優しく髭面の目に映えた

「止めた理由ねぇ……お嬢ちゃんは物事に理由をつけたところで、納得しかできないだろ?
ならそれって、無駄なことじゃないかな?俺は思うんだがね、人ってのは無駄を気にして生きているけれども、自分が無意識に起こす無駄ってのは中々気づかないんだよなぁ
そうだな、あえていうのなら、攻撃の布石として。そして演出が派手でカッコいい」

髭面は目を伏せ、右頬に力を込めて笑って見せた
わざと相手に余裕を見せるための物だが、効果は期待してはいないが、髭面的にはカッコ良くて良いのだろう
ゆっくりと、戦意の喪失を表す為に両手を宙に向かって仰ぎ始めた
懐刀に手を付けようとするのならば、ジャンプが必要になってくる
だが怪しい動きは敵に見せることはできないのだ、万が一の場合は身体の繊維を考慮されずどうしようもない痛みを感得しながら死ぬ
惨劇は避けたいが如何にかするにもまだ相手の隙は見れないのだ、どうにかして相手の気を惹かせ、尚且つ糸口を探し出すか
答えは単純明快に相手に興味を持ってもらうこと
あえて自分が変わったことを言えばかならず相手は自分に懐くはずだ
そうなれば直ぐに相手に自分を殺した事にする、だがまだ早い
ここは空気を見る──髭面は加える様に触手に語りかける

「だってよぉ、派手な攻撃っていいじゃん?ポケモンであれば破壊光線とかすっっげぇそそるじゃん?
強そうな技を使いたい、俺の能力は地味だからな」

525クララ(ブロンド美少女)ミミック:2013/03/04(月) 00:52:30 ID:efbWBW2s0
>>524
「かっこいい?
 人間独特というより男の人ほど気にするみたいね。
 馬鹿馬鹿しい。でも、そういう所は可愛らしいとも思うわ。」

 地面から少女の上半身が出てくる。
 表情を見る限りは楽しそうだ。愛くるしい笑顔の怪物は続ける。

「でもわたしは格好良さに興味はないし、そもそも狩りの練習をしにきたの。
 おじ様と戦うつもりはないし、戦っていたつもりはないの。狩るつもりだったの。
 ここまで手こずらされる相手がいるとは思わなかったわ。」

「王手ね。ちょっとした臨死体験をあげる。」
 模擬戦場内での死は現実世界での死ではない。
 段階的に髭面を貫こうとまずは七本の触手が順番に爪を打ち込んできた。

526クララ(ブロンド美少女)ミミック:2013/03/04(月) 01:08:57 ID:efbWBW2s0
複数人でヤンデレキャラを作って、
だれかのキャラを追いかけまわしたい。
そんなロールを思いつきました。

527クララ(ブロンド美少女)ミミック:2013/03/04(月) 01:09:44 ID:efbWBW2s0
//>>526は誤爆です。すみません。

528髭面 ◆o9r4YJ5QH6:2013/03/04(月) 01:14:07 ID:cv0mA9Mo0
>>525
少女の表情を察するに、空隙があるとすればここしかないであろうと、髭面は表情を変えずに足元を動かした
足元を動かす動作は何も移動だけではない、靴を脱ぎ、片方は更に靴下も脱ぎ始めた
何の意味もない、しかも髭面が格好良さを求めていたとするのならばこれは不恰好でいい物とは言い難い
だが髭面の先程までの表情を察するに無駄の貯蓄はもうとっくに尽きていたようだ
今回の戦闘分と決めていた分が無くなっただけで予備を持ってこようと思えば持ってこれる
だが、ここで使うのも微妙だ。敢て使わず、相手を仕留める
相手が狩をしているのならば自分はその的という事になるが、それでも相手を見くびる猟師ほど愚かな者は居ない
髭面が靴を脱ぎ終えると、肉の食い込みがやってきた
捕食対象を喰らい尽くすような肉食植物の様に足元に食い込む
肉の繊維が一つ一つ、縄を断ち切る様な感触が伝うと同時に鮮血が迸る
鈍痛、足元が無くなる感覚に近いそれは足元に痛みの限界、熱を帯びさせて激しく慟哭する
熱は次第に高くなり脳に伝播し、堪えきれず倒れこむが、その衝撃でさえ感じ取るには薄すぎる
叫び過ぎて喉が痛くなって来た、そして段々と熱が引いてきた
死の感覚、柔和に包み込む死──白く淡い光
髭面は、おそらくその様な幻覚を刹那見ているであろう少女を尻目に、高度に宙へと飛んでいた
少女に対して自分を殺す過程を飛ばしたのだ。無駄は彼女の分から引いた
自分は空へと行く過程を飛ばし、途中宙の瓦礫に触れる
鋭利なそれは能力の補助を失い、少女目掛けて落ちて行く──首元を狙い、幾多もの石が何度も執拗に責め続ける

「俺の予想が当たれば……」

相手は変化している、だが何処かに中心となる核が見える筈なのだ
もし、彼女がこの攻撃を甘んじて受けるとするのならば、核を回避して肉の形を変えるだろう
それが単体ならばそうだろうが、複数では対処しきれないであろう
安易だとは思うが、これ以上の良策は考えられない
少女の能力の弱点とは──一体何なのか
空の瓦礫達を踏みながら歩いて行く、髭面が通る道は伴うように石が落ちて行く
行き先は全て少女

529クララ(ブロンド美少女)ミミック:2013/03/04(月) 01:42:11 ID:efbWBW2s0
>>528
 一撃目で髭面の足元を取る。
 二撃目で髭面の胸を貫く。
 三撃目で肺を貫く。ここで髭面は絶命していく。
 四劇目で乱暴に遺体を捕獲しようと…できない。
 髭面が自分が殺された事実を消去したからだ。
 五から七の三本の肉の柱が運動を止める。

 クララが周りをみまわしても髭面はいない。
 彼は彼女の上にいるのだから。
「姿が消えた?」いや、事実が消えたのだがクララには理解出来ない。
 クララは空から降ってきた瓦礫を受けて「うぐっ」と呻き前のめりになる。
 一部の瓦礫は肩から、背中からクララの身体に刺さり出血させる。

「身体を…治さないと…」
 まだ動けるようだ。決まった核など無いのだ。
 恐らくだが身体構造はほぼ人間同様なのだろう。そして確かに傷はついている。
 攻撃にあわせて変形し、回避できる怪物は、その攻撃を認識できない場合に対処できない。

「上ッ!!」
 髭面めがけて肉の柱や触手が爪を立てながら追いかけていく。

 弱点は敢えて言えば速さ。超変形を超える超高速がその一つ。
 そして今も見せた通り、死角や盲点からの攻撃に弱い。
 変形できるから不死身なのではない。
 変形しないと不死身の怪物でいられない、人に近い存在。

530髭面 ◆o9r4YJ5QH6:2013/03/18(月) 22:59:46 ID:3paFkuUY0
>>529
髭面は宙にて歩を進めるごとに思う、少女は何を思い戦っているのかと
たかが模擬戦、されど模擬戦とでも言うのだろうか。異形の物が技を磨きに来るというのは少々聞いた事が無い

若干興味が湧いてきた所で、目下で蠢く何かが自分を穿たんとするのを認められた
髭面は前方にある瓦礫達を前から順に能力を解除する事により階段を作り、そしてそこを走り抜け、回避とする
中途懐刀を振りかざす事によって牽制をしつつ、当たりに来た触手を薙ぎ払う様な動きをとり、前進
空中で滞空できているとするならばメリットは多くあるが、常に滞空できていないのならば話は変わってくるのだ
空隙に身を委ねるのはあまりいい事では無い。傭兵は余裕を持つことは赦されない

地上に足を着けると何処か久しい感触が身を伝う。踵を返して少女の方を向くと、態勢を低く整えた
両足を斜めにずらし、懐刀を持つ右手を腰に当てて、いつでも跳躍できるように、と
髭面は相手の弱点を未だに理解していない。というよりは面倒なので考える事を放棄したのだ
余裕を持つことは赦されない傭兵のくせに、あるまじき行動だ

「嬢ちゃん、今日はなんで戦いに来たんだ?」

髭面は走った後の呼吸を整え、休戦を求めるかのように宙に浮く瓦礫達を全て解除した
少女の頭上にある分は全て落としたので被害はないであろう

531クララ(ブロンド美少女)ミミック:2013/03/18(月) 23:13:58 ID:xV.UnNiI0
>>530
この執拗さは彼女の設計による。ミミックというのは宝物を守るための怪物。
スプリガンの一種。生命に変えても何かを守る事は本能になっている。
それが狩猟本能と直結しているのだ。獲物への執着心は他の肉食獣との比にならない。

「わたくしは、狩りの方法とその矜持を学びに来ましたのよ?」

話しかけられたので答えた。緊張感の欠けた話だがそうすべきだと彼女は判断した。
無茶な変形のおかげで着衣はボロボロだ。

髭面が攻撃を休めた事も不思議そうな顔で見ていない。
まるで人間の戦士のように、休憩だか休戦だかを受け入れる。

「ねえ、おじさま。決着をつけたいわ。でも、おじさまは付き合って下さるのかしら?」

532髭面 ◆o9r4YJ5QH6:2013/03/18(月) 23:35:17 ID:3paFkuUY0
>>531
少女の話に耳を傾け、聞き終えた髭面の顔には笑みという一つの表情一色に塗られていた
愉快な気持ちと、ここに来た理由が一致し、心踊ったのだ。その表情を包み隠さず見せた辺り相手を気に入ったのだ
異形ながらも、限りなく人に近い感情を持つ。だが人では無い力を持ち、韜晦を辞さない辺りが心地よい
遠慮という言葉があるが、遠慮は戦闘に於いて無意識に適応されてしまう。相手を本当に殺して良いのか、という躊躇いができてしまうのだ

「狩り、か……く、くく……」

躊躇うもなく大声を出して笑い出した髭面は、態勢を崩すも直ぐに立て直して相手に畏敬の意を感じる
そうか、そうだな、俺も本来の目的を忘れかけていた──

「遠慮無き殺し合い……韜晦なんてない殺し合い……これがしたかったんだよなァ……」

少女は感じるだろうか、髭面を纏う雰囲気が一転した
首元を掻き切られる様な不安、喉元を獣に噛みちぎられる様な焦燥、胸を抉り取られる恐怖
髭面が発したそれは、殺意

「じゃぁお嬢ちゃん、決着、つけようか」

言った直後の刹那の跳躍は、無駄の消費による物ではない
だがしかし、ほぼ見えない程の瞬発力を目の当たりにするであろう少女の目の前には髭面の姿
斜めに態勢を入れ、左足を軸として回転の捻りをつけて右手のバックハンドにて懐刀を振りかざす
勢いは尋常ではない。髭面が今まで隠してきた物──それは無駄のない行動

533クララ(ブロンド美少女)ミミック:2013/03/18(月) 23:50:23 ID:xV.UnNiI0
>>532
向かってくる髭面を見てクララは立ちながら両手で口を覆う。
その期待の眼差しをまっすぐに髭面に向けて両腕を刃物に変える。
「素敵なステップね。」
髭面が崩した天井からは月光のスポットライト。
月に照らされて戦場の紳士に迷宮の少女はエスコートされるように舞う。

そう人間ならば無駄な動きになる行動がクララにとっては違う意味を持つ。
脚が腕に足が手に手が刃になり、回りこむような髭面の背面から首を狙う。

534髭面 ◆o9r4YJ5QH6:2013/03/19(火) 00:06:56 ID:LOm1.ahA0
>>533
視界に入るものを限定して行動するのではなく、全ての感覚の情報を元に行動する事によって、微々たる変化も逃すことはない
このようなことは器官の疲労を倍加させ、更に使用していない部分も多くなり無駄ができてしまう
この無駄を使用して戦う事も出来るのだが、髭面が取った戦法は使用する感覚の限定を高速で切り替えるということ
無駄が減り、更には疲労も減少する一手となる。つまり髭面は自らの能力を捨てた

「……ッ!」

一回転する時に垣間見えた──否、見えなくとも風が動く感覚で判断する──刀を跳ね返す為にともう一つ回転を行って、刀の腹を蹴った身体の一部となっている刀を蹴ったとすれば、相手の軸もずれるであろう
蹴った後に、刀が自分に当たらないことを前提として少女の首を、右のバックハンドで通り過ぎざまに切ることを試みた
まだ攻撃を終える気はない、連続した攻撃で相手に変化の休息を与えない
もし首を切ったとするならば、髭面は先ほどの休息の無駄を使用して周囲の瓦礫を少女に向かって一斉に放擲する
これで全ての無駄は出し尽くした。今の髭面は、至純の玲瓏だ

535クララ(ブロンド美少女)ミミック:2013/03/19(火) 00:22:33 ID:muOo.3tE0
>>534
他方のクララは相手の状況を想像できるほど成長していない。
だが所謂そういう生き物なので反応は早い、そして実際に周囲を見られる。
「クスクス…弱くなっている…。」
少しずつ少しずつ相手の戦力を削り取っていく。
これは戦術でも戦法でもなく彼女のゴリ押しの結果だ。

単純に人間より強い。

異能が無ければ彼女を駆除する事はほぼ不可能だろう。
死角に髭面が入ると目を作る。その目で髭面を補足し…、

その目に瓦礫のうちの礫を喰らい悲鳴を上げる。
目を作るという事はそこに神経を密集させるという事なのだから、触れられるだけでも痛む。
「きゃあああぁぁぁあ!!」咄嗟にうずくまり、身を守るために無数の刺を体表から生えさせた。

536髭面 ◆o9r4YJ5QH6:2013/03/19(火) 00:42:48 ID:LOm1.ahA0
>>535
全ての攻撃が通じたと判断した瞬間から、髭面は蹴りを何度も叩きつける準備を終えていた
人外の反応速度は決して人間に越えられるものでは無い
ならばどうすればいいか──常に先を急がないければならない
将棋を行う棋士は相手が読む何歩先を上回る事によって勝利を得る
それを自分の経験に物を言わせて連続することによって行われた予測は必死に値する
髭面は、ただ単に運が良かっただけなのかもしれない

「WeinenWeinenWeinen……!undWeinen!undWeinen!」

泣け泣け泣け……そして泣け、そして泣け、そして泣け……髭面は穿つ瓦礫を押すように蹴り続けるだろう
相手を踏みにじるような格好で──突き出でる棘が掠ろうとも、今更痛いとは思わない
棘ごと瓦礫で押し通してしまえばいいのだ
ごり押しにはごり押し、もう終わりが見えてもいい頃合いだ

「Alles kral? 」

とどめの一撃と言ったところか、血塗れの足を押し通そうするが、少女は抵抗の意を見せるのか

537クララ(ブロンド美少女)ミミック:2013/03/19(火) 01:07:50 ID:muOo.3tE0
>>536
 感覚器官を構成する暇もない追い打ちに対抗できる怪物はいない。
 そこから続く執拗な攻撃。ならば身体変形による防御は不可能。
 それが出来ないならばクララに勝ち目はない。
「ありがとうおじ様。わたくしおじ様から色々学ばせて頂きました。
 返し技をお勉強しなくちゃ…がふぁ!」
 髭面に踏まれて吐血する。

「わたくしの負けです。だからお礼におじ様に一つ教えてあげます。
 わたしは一人で何体もの怪物の攻撃も模倣できますが、
 そんな怪物はこちらの世界にもそうそういないでしょう?
 でも相手が数匹いればこうなるのです。」
 いつの間にか釜の様な爪が髭面の首を挟み切るように待機している。

「化物退治に人間の常識は通らないのですわ。
 人間という怪物は自分を過小評価しているのかしら。
 持てる力を使いきらずに他の怪物に狩られる変な怪物なのです。」
 そう言いながら微笑むと髭面の首を挟んでいた刃、爪は脱力して地に落ちた。
 
 ノックアウト。止めを刺すのもありだが、今の勝者は髭面だった。

538髭面 ◆o9r4YJ5QH6:2013/03/19(火) 01:23:10 ID:LOm1.ahA0
>>537
シニフィなら十字を切っている所だが、髭面は神を信じていない
だがしかし、目の前の人外を見る限りでは悪魔という存在を認めざるを得ないのでは無いか
髭面は自嘲の笑みを浮かべ、懐刀を二重のベルトに突き刺すと、懐から煙草を取り出して口に咥える
大きく鼻から息を吸うと、気づけば耳の辺りに刃が突きつけられていた
油断は大敵だな、と思いながらも回避しないのは次に少女が倒れることを知っていたからだ
化物を侮ってはいけない──か

「……ありがとさん、次から気をつけるよ」

少女が倒れることを確認した後、髭面は少女を俯瞰して、しゃがみ込んだ
足が痛むのを堪えて、逆に十字を切る
次あった時は全力で行かしてもらう、と。その前に人外に対してもう少し技を練らねば
久しぶりに勉強でもしようかと、月を仰いでそう思うのであった

/長い期間、ありがとうござうました!!何かすっげぇごり押しな感じしましたけど気のせいです!あーもう考えるの面倒くせぇ!(億泰)

539クララ(ブロンド美少女)ミミック:2013/03/19(火) 01:28:00 ID:muOo.3tE0
>>538
「ねえ、わたしおじ様が好きよ。」
 本気なのかからかいなのか。
 そんな言葉を残して模擬戦場の屋上から跳躍して去っていった。

 月を見上げている髭面からみればそれは月に消える怪物でなくもっと別の何かだった。

// こちらこそ、面白い上に濃密な模擬戦をありがとうございました。

540鬼塚詩音(リーゼントの大男)身体強化と変質:2013/03/25(月) 20:05:32 ID:GPo0u6CY0
月明かりを遮る針葉樹の木陰。
そこに厳つい顔をした大男が丸太のような腕を組み胡座をかいて座っていた。
「そろそろ来るか…。」
気乗りはしない。喧嘩に勝ち負けはつきものだし勝算があるのはありがたい。
が、今日は勝ちに来たという気持ちになれない。
相手を見くびっているだけかも知れないが、
戦って勝つというより襲って潰すような予感。

/ それではよろしくお願いします。

541しんら:2013/03/25(月) 20:34:40 ID:i6Z190Bw0

>>540
不思議な気分であった。 何処からか...無限に力が湧いてくるような感覚も
生命維持のためでなく..純粋な闘争を求めて獲物を探索する気分も…
きっとこれは夢なのだ。力をもとめたゆえに夢を見ているのだ。闘争のなんたるかを知るための…

「みつけた...よろしくね。おにいさん」

そんな夢の中で少年はエモノを見つける
体の底から溢でて滾る力に困惑と喜の思いを馳せて
その背より一対の 幾重にも分岐した枯れ枝を思わせる翼を羽ばたかせ
男に、微笑んで見せた

542鬼塚詩音(リーゼントの大男)身体強化と変質:2013/03/25(月) 20:39:58 ID:GPo0u6CY0
>>541
「ここに来てしまったからには仕方ねえ。」
 穏やかそうな相手だ。
 闘争には似つかわしくないというのが鬼塚のシンラに対する印象。
 しかしここに来た、という事が意味するのはやはり敵なのだろう。
「ゴングはなしだ。インターバルもない。これはスポーツじゃない。
 わかっているな?」
 ゆっくりのっそり立ち上がり、力強い足取りでまっすぐ歩いて近づいてくる。
 戦いはもう始まっている。

543しんら:2013/03/25(月) 20:52:58 ID:i6Z190Bw0

>>542
自分よりも強そうだ…なんて、シンラはどこか夢見心地に考える
まぁ、夢なのだから 自分の中の『強そう』なイメージの象徴なのだろうと
だが恐れてはいけない…恐怖した瞬間、自分の負けは決まってしまうのだから
シンラは男の言葉にゆっくりと相槌を打つと その場で両手を合わせ祈る様な体制にはいる
瞳を閉じて…命の流れを感じ相手の動きを読み…穿つのだ。その命の源流…生物の急所を。

「他人の物まねでも、案外つよいとおもうんだよね…しんじゃったら、ごめんね…? 」

開かれた翼から無数の枝が伸び男の命を穿とうと、放たれる…
回避を行えど追尾する. 命を持つものを無差別に狙う 無慈悲な翼 破壊の翼が

544鬼塚詩音(リーゼントの大男)身体強化と変質:2013/03/25(月) 21:00:52 ID:GPo0u6CY0
>>543
「フッ…試してみないとわからないさ。」
どの程度の威力があるのか?どの程度頑丈なのか?
その翼と持ち主についてはそこが気になるところだ。

鬼塚は身体強化、生来の怪力に加えてのデタラメな腕力で、
一本の杉を「?開戦乃打撃(ファーストインパクト)ッ!!」へし折り小脇に抱えた。
樹齢の高そうな杉を振り回しシンラごと迫り来る翼を横殴りに薙ぎ払おうとする。

545しんら:2013/03/25(月) 21:18:16 ID:i6Z190Bw0
>>544
無数に分岐した枝は 男の豪腕により薙がれた樹木と衝突 次いで拮抗 転じて敗北 
押し切ろうと更なる増殖を試みるも 支えの弱い翼では、男の豪腕など止められず...
輝く粒子を散らしながら崩壊する翼。 しかし、勢いを殺すことには成功し後方へと跳躍
翼は失ったが、男と自分、互いに傷は無い。 やれる まだ勝機はある。
何故なら翼の支えが弱いのならば、自分も男のように豪腕をもてばいいのだから

(夢の中じゃなきゃこわくてできないけど…感覚だけでもつかめれば…)

自身の左腕を拒絶の力へと変換…巨大な爪と、長く大きな腕…華奢な少年に聊か似つかわしくないが、問題は無い。
自分の生み出した力の産物は、自在に操れるのだから。

「ぼくも、いくよ…! 
いっせのーの…しんらいんぱくとーーー!! 」

少年は 巨大な左腕を豪快に薙ぐ。恐ろしい豪腕を魅せた男のように
力の象徴である男のように。高い硬度を持った巨大な爪を 力任せに、ただ強く

546鬼塚詩音(リーゼントの大男)身体強化と変質:2013/03/25(月) 21:38:53 ID:GPo0u6CY0
>>545
「うおぉお?!」
 杉の大木は爪に砕かれ、
 鬼塚の逞しく太い巨躯が横くの字に曲がり一瞬足が浮く。
「これがこいつの能力の片鱗か…。」
 再び足が地につくと、それでも勢いは残っており
 地面を削りながら「ふん!」両脚に力を込め止まる。

 面白くなってきた。
 そうだ、シンラを待っていた時にシンラから感じ取れなかった物が今はある。
 緊張感だ。目の前の穏やかそうな少年の顔は相変わらずだが凄みが出た。
「お前…やるじゃねぇか。
 弱っちそうなのが来そうでさっきまではこの喧嘩に乗り気じゃなかったぜ。
 だが今はお前を認めよう。なあ、お前、パーじゃなくてグーは作れるか?
 さっきお前がやったのは引っ掻きだ。切れ味はある。強い。が、パーは軽い。
 本当に重くて強いのはグー。グー、チョキ、パーのグー。拳骨だ!!」
 そして開戦乃打撃と同じ構えで次はシンラを向く。
「これはできるか?耐えられたら、次はお前が俺にやってみろ。」
 助走の勢いを乗せた真っ直ぐな右ストレート、2つ目の打撃。
「追撃乃打撃(セカンドインパクト)ッ!!」
 
 避けるのが賢い、杉の一薙ぎで吹き飛ばされた時までの
 シンラが受ければ正面から入って背骨に到達しかねない。
 これを受けて立てれば、もうそれは動物ではない。

547しんら:2013/03/25(月) 22:02:38 ID:i6Z190Bw0
>>546

「えへへ…おかしいなぁ…ぼくのゆめなのに、ぼくの知らないことを教えてくれるなんて。
 でも、ぼくの夢だからかな。 とっても強い敵なのに、お友達になりたいと思うのも…」

杉を粉砕し、慣性により振切られた左腕を地面へと抉り込ませ、力強く…大地にしがみつくように拳骨を作り上げ
全身を構成する生命力の密度を上昇させ…全身を拒絶エネルギーへと変換し、肉体の鎧を作り上げ…

─────受ける… 受け止める 進撃の一撃を 命の重みを持って 受け止める

 次いで、シンラのカラダに未知の衝撃が奔る。 感じた事の無い圧力…圧倒的な破壊の力
されど受け止める…そう意気込み、爪と両脚に力を込めて、耐えようとするも…

(無理だっ…! 強過ぎる…! とってもつよいよ…このひと) 

数秒の間を持って、少年は弾け飛ぶ。
拳の破壊力と数メートルの飛翔の応酬、着地時の衝撃、左腕と衝撃を緩和した拒絶の力が無ければ、今頃は粉微塵であったか…
などと脳裏に過ぎる恐怖を払い除け、地に伏したまま…深呼吸…
周囲から、有象無象を問わずに喰らう…森に点在するあらゆる生命を、喰らい癒しに掛かる
追撃を与えるならば、今のうちだろう

548鬼塚詩音(リーゼントの大男)身体強化と変質:2013/03/25(月) 22:19:23 ID:GPo0u6CY0
>>547
 しかし待つ。喧嘩の準備はまだ整っていない。
「足腰が弱い。腰も背中も弱い。肩が中途半端。強くできるのは腕だけか?
 身体の一部だけを強くしても、どこか身体の弱い部分に負荷が集中する。
 そうなると今みたいに必要以上に吹っ飛ぶ事になる。
 そして時には自分の攻撃の衝撃で自分の身体を壊すことにもなる。
 硬いものを殴ったら拳を怪我するだろう?あんな感じだ。

 それから、これは夢じゃないぜ。かといって現実でもないがな。
 説明は面倒だから端折るがここで起こっている事は現実の切れ端だ。」
 それにしても木のエレメントの様子がおかしい。
 精霊の気配が弱くなってきている。(まさかな。)
 鬼塚はシンラの能力、いや生態か。何かに気付きはじめる。

 鬼塚は立ってシンラが回復するのを待つ。
「次はお前の番だ。打ってこい。」

549しんら:2013/03/25(月) 22:56:23 ID:i6Z190Bw0
>>548

「えへ、えへへ…むだな食事は好きじゃないんだけどな…
 夢の世界だから…大丈夫だと思ったんだけどな…
 ふふ…でも、いっか。 きっとこれはむだじゃない…
 だってこんなに楽しいんだから…もっと、もっと楽しくなりたいな」

現実の切れ端 夢では無い 理解が及ばない ならば何故此処に来たときから、こんなにも力が溢れてくるのだろうか
自分の中に満ちていた可能性が一気に開放されたかのようなこの力は、いったい何処から来たのだろうか
シンラはカラだを癒しながら夢想し…やがて考えるのを止めた

「うん。やっぱり無駄じゃない。ここが現実なら 力を使いこなせるようになったなら
 きっと明日からのぼくは…とっても強くなれるんだから。こんなの 言い訳かもしれないけど
 ずるさだって…強さなんだよね? おねーさん」

誰に聞かせるでもなく囁く言葉。 それは喰らわれた命への贖罪か。
はたまた力を求める怪物の咆哮か…小さな小さな怪物の 精一杯の咆哮なのか
いずれにせよ 怪物は立ち上がる。 立ち上がり全身を 本物の怪物へと、変貌させてゆく…

(えへへ…ちょっとだけまねするよ クララ
 キミがいつもみせてくれる…ビルとビルの跳躍…あの脚力があればきっと…
 おねーさんも…あのでっかくなるわざ…少しだけ真似てみるね…
 それと…みとめたくないけど強かった警察官…歪な体でもきっと…大きなささえガあれば)

その両脚と左腕煮に拒絶の力を収束し、思い切り地面を蹴り、殴り 地面と足裏、拳煮に発生する膨大な反発力が、シンラの速度に変換され結果高速での肉迫を果たし
右腕に纏うように大量の生命力を発生させ、装甲のように操り 硬く握り締める
肉体を直接変換させたときよりも聊か制度は落ちるが、それでも変えがたき意味が、装甲化にはあったのだ
装甲の肘部分より放つ拒絶エネルギーの噴出、、、その力により拳は 更なる重みをます
以上の明らかな素人フォームを支えるのが翼。 空気を拒絶し微弱な浮力を発生させ、肉体のバランサーとしての役割を果たす

「いろんなところを補強したんだから…! とってもつよいよ…!
 いっせーのーのー! すーぱーしんらいんぱくとーーーーーーーー!」

相手の言葉 浅すぎる経験 慣れない戦闘により産まれた興奮
それらの不安定すぎる要素が産み出した思いつきの一撃
されど、全力を出し切った怪物の一撃 
果たして どうなるか

550鬼塚詩音(リーゼントの大男)身体強化と変質:2013/03/25(月) 23:26:03 ID:GPo0u6CY0
>>549
 見て思った。これはヤバイ打撃だと。
 受ければただでは済まない。気迫だけでわかる。
「だが、一撃を受けるという約束がある。」
 腰を落とし、身を屈め、腕を腰に構えて胸の真ん中でその突きを受け止める。
 そのままのシンラの突進力で背後に引きずって行かれ胸から乾いた音が鳴る。
 この激痛、骨折しているに違いない。しかも場所は…胸骨?!
 人間同士の殴り合いではまず折れない、先に弱い肋骨を持っていかれるからだ。
 衝撃で内蔵もやられたか吐血する。しかし鬼塚は倒れない。

 この距離ならばまだもう一発打てる。そして打った後は喧嘩から闘争へ…。

 シンラの押し切りが終わると腰に構えた両拳が同時に堅く重ねられ前に突き出される。
「惨劇乃打撃(サードインパクト)ッ!!」
 諸手で放たれる第三のパンチ。最後のパンチを出す前にもう鬼塚の弾は尽きた。
 尽きたが、サードインパクトに耐えられるならばそれはかなりの化物だという事になる。

551しんら:2013/03/25(月) 23:43:33 ID:i6Z190Bw0

>>550
装甲伝えに何かの砕けるような音が響く…決して愉快な音でなく決して心地よい感触でもありはしない
ただ、拳に宿る 不快感 されどそれを塗り潰すほどに 心を支配する快楽は 怪物の持ち合わせた 闘争への欲求から来た悦びであろうか
シンラ・アマツキは あちらこちらで人畜無害との賜われた怪物が はじめて闘争への悦びを感じた瞬間であり、また──── 

(あ…でも、また、まけか… 
ちぇっ… くやしいなぁ。 負けるって、こんなにくやしいものだっけ・・・)

俗に言う カウンターパンチ…というものなのだろうか
シンラの一撃に合わせるように放たれたその一撃は
男の胸骨をへし折りなお余りある速度も過剰して、逃げ場の無い恐ろしい一撃となり、少年の意識をかりにきた・・・
ここで、もし癒しの力を使えば、経つこともできたのだろうが…
そんなずるさは 強さとは違う気がして 少年は 沈むのだった

552鬼塚詩音(リーゼントの大男)身体強化と変質:2013/03/25(月) 23:52:16 ID:GPo0u6CY0
>>551
 ゆらゆらと揺れて膝をつく。
 自分の魔道具に手をかけるが倒れるシンラを見て使用する必要は無いと判断した。
「良いパンチだったぜ。良い喧嘩だった。そう思う…ぜ。ゲフォッ!ゲホゲホ!」
 ゆっくり笑う膝で身体を支えシンラに近づいてその肩に大きな手を乗せた。
「大した男だよ、お前はな。」
 侮っていた。「ごめんな…。」
 それが目の前の少年には失礼な気がしてつぶやいた。

553しんら:2013/03/26(火) 00:15:31 ID:As7gxfvs0

>>552
「えへ、えへへ…ツギはまけないんだからね…
約束だよおにいさん…またあおうね…? 
 またあって、たのしくたたかおう、ね」

男の大きな手の中に溶け込むように
シンラは眼を閉じ 眠りの中に落ちてゆく
幾度目かの敗北。 されどここまで悔しいのは初めてだった。
ゆえに 明日からもまた シンラは 少年は 強くなれるのだ

「おやすみ、つぎは げんじつで…」

なんて、最後までここの存在を信じずに
少年は夢のなかで 眠ってしまった…

554鬼塚詩音(リーゼントの大男)身体強化と変質:2013/03/26(火) 00:18:08 ID:d//cmFpQ0
>>553
「フフッ、いいぜ。
 どこででもかかってきな」
 そのまま緊張のタガが外れ、鬼塚詩音もこの空間から眠りながら消えていった。

// お相手ありがとうございました。

555しんら:2013/03/26(火) 00:19:57 ID:As7gxfvs0
>>554
からみありおつでしたー!

556クララ(ブロンド美少女)ミミック:2013/08/24(土) 22:35:42 ID:PR.Ihy7c0
【約束の日】
 公園のブランコで少女は揺り椅子を揺らしている。
「最低ね、レディを待たせるなんて。
 今日は来ないのかしら…お食事達は。」
 ブロンドの髪に紫の瞳。幼い少女は待ちわびていた。

 こんな都会の中でも星空がよく見える時間にこんな子供がここにいていいのか。
 そこは突っ込んではいけない。
「ああ、お空のお星様が綺麗…。」


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