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天秤に乗せこぼれ落とさぬよう歩むがようです
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◆MxHvQqijkA
:2019/12/09(月) 03:27:05 ID:Alp47kEQ0
二人で歩き始めて数歩、一本道の突き当たりを右に曲がる。
二度曲がったところで足が止まった。
うつ伏せの半透明な人型が現れたと思ったら、耳の尖った薄茶色の人型の何かが。
悪魔と形容してもいいようなものが半透明の上に乗って踏んでいる。
半透明の人型は苦しそうだ。
「これは力を求める乾いた魂」
「貴様が名前を呼べばこいつは目を覚ますであろう」
「さあ 名前を呼ぶのだ」
また透明な人型の顔を観察してみると、幼稚園だか小学校の頃まで一緒だった友達にどことなく似ていた。
「ドクオ」
「こいつをドクオと呼んだな?こいつにはまだまだ力がある」
フッと悪魔のような人型が消えると、重石のなくなった透明人型がゆっくりと体を起こす!
「・・・」
「何故!俺を起こしたッ!」
「せっかくいい夢を見ていたのに・・・」
「クソッ、とにかくここから連れ出してもらうぜ」
ドクオはショボンの隣に並び、三人揃って歩き始めた。
途方もない時間をずっと直進していくと、唐突に扉が現れた。
勝手に扉が開くと、岩肌に囲まれた青い泉が目の前に広がった。
これが現実ならひたすら歩いた後だから喉が渇いて泉に飛びついていただろう。
足が止まっていたのもあるが、泉のもっと近くに寄れない理由はあった。
一糸纏わぬ女が、尻が少し見えるくらいまで泉の水に使って髪をとかしているのだ。
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