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('A`)怪人のようです

1同志名無しさん:2014/05/22(木) 02:05:30 ID:OdCDLix2O
どうやらうちの倉庫に忍び込んで
変わったイタズラをしていった奴がいたようだ

壁面に大きくぶちまけられた赤い塗料。おそらくはバケツ一杯分くらい

それは生臭い匂いで、ペンキではなく血であると分かる

('A`) 「コスタバワーでも来たのかな?」

俺は久しぶりに、本当に久しぶりに微笑った

('A`) 「面白いな。これは」

110番なんかするものか
この件を、髄まで楽しませてもらおう

521同志名無しさん:2014/10/31(金) 05:23:01 ID:GO0nzkvEO
**……おかしい……**

**ドクオにやらせるはずだったのに**

**……なんでこうなった……**

522同志名無しさん:2014/10/31(金) 07:40:30 ID:J2r1KDSs0
安価でひよった奴がいたから……

523同志名無しさん:2014/11/01(土) 09:34:02 ID:x6zXhfZAO
血みどろフルチンで笑いながら街中疾走って
完全にヤバい人としてネットでネタにできるレベル

524同志名無しさん:2014/11/03(月) 00:38:36 ID:.k6oLU5sO
('A`)「ぼちぼち現れる頃合いだと思ってたっす」

街頭募金をしながら、ドクオはある人物を待っていた

果たして待ち人来たり

(,,゚Д゚)「小金集めのエセ募金活動とはな……セコすぎるぜ」

ギコはバスツアーを追ってきたのであり、ドクオには用はないのだが
ドクオのあまりのセコさについつい声をかけてしまう

('A`)「この間はどうも。俺、あなたを待っていたんすよ。ギコさん」

(,,゚Д゚)「俺を?」

('A`)「ええ。またちょっと揉んで貰えたら……と思ってて」

(,,゚Д゚)「俺とサシで博打をやろうってのか?」

('A`)「そっすね」

525同志名無しさん:2014/11/03(月) 00:52:34 ID:.k6oLU5sO
(,,゚Д゚)「俺はギャンブラーじゃあないんだぜ?それでも勝負をふっかけるのか?」

ドクオはへらへら笑う

('A`)「だからっすよ。素人ってえんなら好都合だ」

('A`)「今日の所は……ギコさんの有り金全部で勘弁しときますわ」

(,,゚Д゚)「大した自信だな?内藤の腰巾着が」

('A`)「勝負の方法は選ばせてやるよ?オッサン」

ギコはふと、留置場にいるモララーとの面会を思い出す
モララーは、ドクオを特別扱いしていた

(,,゚Д゚)「なるほど。何か吹っ切れたようなツラしてやがるな」

(,,゚Д゚)「いいぜ。なら、一丁やってみるかい……」

ギコもギャンブルは嫌いではない

526同志名無しさん:2014/11/03(月) 02:17:51 ID:.k6oLU5sO
('A`)「すでに俺は、勝っているんす」

(,,゚Д゚)「なに?」

ギコにはドクオのいう事の意味が掴めない

ぽつりと、しかしはっきりとドクオは疑問に答える

('A`)「ギコさんがここに来るかどうかという」

('A`)「一番根本のギャンブルにです」

('A`)「俺はその大事な勝負に勝った」

(,,゚Д゚)「ほほう?だが、俺にまた凹まされる結果になるぞ?」

('A`)「……」

ドクオはへらへら笑いを止め、冷たい目をしてギコを見つめる

('A`)「始めましょうか」

('A`)「消化試合を」

527同志名無しさん:2014/11/07(金) 23:27:22 ID:iZsXTie2O
( ´∀`)

人間、辛抱が肝要モナ
それは重々分かった上で、ならぬ辛抱はやはりならぬ

引っかけられ、死にかけたのはいい
まさしく博徒の有り様だモナ
俺ィいらが我慢ならないのは
無様に生き延びてしまったこの身……

外道、極道、はぐれ道
野垂れる果てを探してうつろうその淵は
この身を焼いた火焔よりも、まだまだもっと地獄でなきゃならん。と……

つまりそういう事かモナ……

( ´∀`)「ククク」

地獄。地獄。この世は地獄
俺ィらの末は地獄待ち
素っ単単騎、地獄待ち

ひたすら末は、ただ地獄……

( ´∀`)「外道の行方その道連れに」

( ´∀`)「地獄を見せてやるモナ……」

528同志名無しさん:2014/11/07(金) 23:42:36 ID:iZsXTie2O
車椅子にもたれながらモナーは笑う

その両足は、既に動かない
満足な治療を受けられるような蓄えなどないし
保険も入っていない

何の後ろ楯も持たず、人生に保険をかけず、日々を喰うために博奕を打つ……

そうやって生きてきたし、死ぬまでそうあるつもりのモナー

だから足が動かない事にも関心はなく……

頭にはただ、博奕のみ

狂人と言っていい。だがしかし
モナーが博奕の人生を真摯に生きている事だけは
誰にも否定できないだろう

( ´∀`)「待っていろ……モナ……」

529同志名無しさん:2014/11/07(金) 23:56:52 ID:iZsXTie2O
(,,゚Д゚)「コイントスでどうだ?」

(,,゚Д゚)「シンプルかつ、短時間で勝負できる」

ドクオに異論はない

('A`)「ルールは?」

(,,゚Д゚)「俺がコインを投げる。着地する前にお前が裏表を予想して、当てる」

(,,゚Д゚)「それだけさ。簡単だろ?」

('A`)「いいっすよ。分かりやすいし」

(,,゚Д゚)「賭けるのは、有り金全部。でいいな?」

ドクオは嘲笑する

('A`)「みっともねえなwwwwギコさんwwさすが素人だ」

(,,゚Д゚)「なにがおかしい?」

530同志名無しさん:2014/11/08(土) 00:08:46 ID:SBfjy8WYO
('A`)「あなたが今持っている金なんて、たかが知れてる」

('A`)「仮に負けて有り金無くしても、どうって事はなく」

('A`)「少し悔しい出来事だった。で終われる」

('A`)「ギャンブラーじゃないからねwwwwww」
('A`)「そこいくと、俺は違う。本当に全財産っすからね」

('A`)「金の重みが違うんすよ?」

ギコは言われるがままだ

(,,゚Д゚)「そういうこった。汚いと思うか?」

(,,゚Д゚)「だが、俺はお前の挑発には乗らない。賭けるのは今現在の有り金だけだ」

開き直りも板についたギコの言葉

('A`)「やるなあ。さすが元公務員。堅いっすね」

(*'A`)「ダッセwwwwwww」

531同志名無しさん:2014/11/08(土) 08:15:15 ID:SBfjy8WYO
(,,゚Д゚)「ま、気にしない事だな」

('A`)「え?」

軽くいなすギコ

(,,゚Д゚)「お前の正しさを押し付けられても困る。俺には、俺の生き方がある」

正論である。ドクオの言い分には主観が多すぎている
しかも、ギャンブルジャンキーの主観だ

('A`)「……そうっすね。なるほど」

('A`)「それでも、俺は俺の理屈を押し付けるっす」

(,,゚Д゚)「とりあえずは、俺に勝って。か?」

('A`)「ええ」

532同志名無しさん:2014/11/08(土) 11:07:12 ID:SBfjy8WYO
無造作にポケットを探り、500円硬貨を一枚取り出すギコ

(,,゚Д゚)「ご託はいい。始めようぜ?」

('A`)「……すね。やりますか」



読者諸兄はもちろんご存知だろうが、一応念を押す
常識では硬貨は500と書いてある方が裏と定まっている
今回のギャンブルは、その常識に従う

(,,゚Д゚)「じゃ、いくぜ?」

コインが弾かれる前にドクオは宣言する

('A`)「表」

(,,゚Д゚)「……せっかちな野郎だなw」

ピィィィーン!

533同志名無しさん:2014/11/08(土) 12:34:33 ID:SBfjy8WYO
澄んだ音色が響き渡る
陽光を受け、白銀に輝くコイン……



さて、勝負の行方は?

1・表

2・裏

3・お前のいう通りの事が起きる



ただし、言っておくが
お前らの予想はおそらく裏切られる

534同志名無しさん:2014/11/08(土) 13:28:02 ID:GFYDVj620
3.コインの行方がわからなくなる

535同志名無しさん:2014/11/08(土) 14:44:37 ID:SBfjy8WYO
('A`)「ご協力……」

(*'A`)「ありがとうございまあああああああすッ!!」

ドクオは素早い

募金箱を差し出し、落下途中の500円硬貨を見事にキャッチ

(,,;゚Д゚)「お、おい?」

理解する間など与えず、ドクオは募金箱を抱え走り出す

ダッ≡(*'A`)「ばーかバーか!騙されてやんの!」

(,,゚Д゚)「え……?」


まんまと500円をせしめ、とんずらこいたドクオの背を
ギコはぽつねんと見送っている

(,,;゚Д゚)「え?」



しばらくして状況を把握したギコは
まんまとドクオに乗せられた自分に腹を立て、えらく悔しがっていた。という

(,,#゚Д゚)「ふざけやがってあの野郎!」

536同志名無しさん:2014/11/08(土) 14:45:17 ID:SBfjy8WYO
(*'A`)ニヤニヤ「してやったり!」

537同志名無しさん:2014/11/08(土) 14:50:43 ID:SBfjy8WYO
もしコインのギャンブルで有り金全て無くしても
ギコはこうまで怒りはしなかったろう

乗せられ釣られ、コケにされた事が無性に腹ただしく一人吠える

(,,#゚Д゚)「こんの、ろくでなしがあああああああ!!」



今回はドクオの勝ち。であろう

538同志名無しさん:2014/11/08(土) 20:27:09 ID:SBfjy8WYO
0時

( ∀゚キ)「さあて。今夜も出発するぜぇ」

バスには来たときと同じ面々が、(ちゃっかりと)乗り込んでいる

(;`・ω・´)「も、モラン……脱落したんじゃ?」

( ・∀メ)「え?どうしてです?」

(;`・ω・´)「お前、カードでおけらになって逃げたんじゃ?」

( ・∀メ)「勝ちましたよ?差し引き5万だけ……顔の治療費でパアですけどね」

そうである。モランは勝った分はしっかり持ち逃げしていたのだ

(#`゚ω゚´)「お、おま、ふざけんなー!」

(;・∀メ)「ふざけてませんけど……」

( ∀^キ)「男前になったもんだな?モラン?キシシ」

(*・∀メ)「いやはは」

(#`゚ω゚´)「ドクオまで残ってるじゃねーか!」

('A`)「親切な人からカンパをもらったんすwww」

539同志名無しさん:2014/11/08(土) 20:48:06 ID:sGS1p62Y0
そりゃあ確かにギコのコインの行方は分からないわ

540同志名無しさん:2014/11/09(日) 00:11:42 ID:JR8AfLIA0
表だろうと裏だろうと持ち逃げすれば関係ないわな

541同志名無しさん:2014/11/09(日) 01:00:01 ID:zgODFmK20
安価とは一体…
いやそもそも別に安価とも言ってはないか

542同志名無しさん:2014/11/11(火) 06:45:22 ID:WMcCswXsO
( ・∀メ)「運転手さん」

( ∀゚キ)「あんだ?」

モランは運転手に念を押す

( ・∀メ)「もしかしたら忘れてるかも知れませんけど……実は」

( ・∀メ)「僕、あと2日でバスツアー達成なんです」

( ∀゚キ;)「……ええ!?そうだっけか?」

本気で忘れていたのか、しらばっくれているのか
どっちともつかない表情の運転手

(`・ω・´)「……」

( ・∀メ)「そうなんです。賞金の準備をよろしくお願いしますね」

( ∀゚キ)「おう。見事に達成してみせな?モラン」

( ∀゚キ)「そうか。そうだったか……早いもんだな。一月なんてよ」

('A`)「案外簡単なんすね?達成するの」

( ∀゚キ)「そりゃおめえ、簡単に達成できるなあモランの実力の賜物さぁ」

543同志名無しさん:2014/11/11(火) 07:13:20 ID:WMcCswXsO
( ∀゚キ)「そうさな。だったら……」

( ∀゚キ)「今日のギャンブルバスの行く先は変更して」

( ∀゚キ*)「モランの送別会としゃれこむかい!キシシ」

(;'A`)「なんすかそのいい加減ぶり」

( ∀゚キ)「バァカ。楽しむべき時は楽しむ。こうでなきゃ博打打ちなんてやってらんねえぜよ?」

(`・ω-´)「ふむ……?」
シャキンは一人考えこんでいる様子

(*・∀メ)「送別会?なんか学生時代の飲み会を思い出すなあ?ねえドクオ君」

('A`)「いや……おれ、ハブられてたから……」

(;・∀メ)「え、あ、そうなの?……ゴメン」

('A`)「ええ……いや……」

( ∀^キ)「いよーし!今日はギャンブル中止だ!カラオケ行くぞカラオケ!」

(`・ω-´)「読めたぞ」

( ∀^キ)「何を神妙な面してんだぃシャキンよ?歌は苦手か?」

(`・ω・´)「ギャンブラー対抗……」

( ∀^キ*)「賞金争奪歌合戦よ!」

(;`・ω・´)(;・∀メ)(;'A`)「やっぱりか!」

544同志名無しさん:2014/11/13(木) 22:20:47 ID:QyjPi8ZYO
ギャンブルバスはゆっくりと駐車場に停まる

ここは郊外のアミューズメント複合施設だ
温泉、インターネットカフェ、ラクロスコート、カラオケ、ボウリング場、ゲームセンター、パチンコ店、バーにレストラン街、ダーツ、ビリヤード、おまけに大観覧車とサーカステントといった
客から金を巻き上げる事しか考えていない集団の作った一大レジャー施設である

こういう華やかな場所には不似合いな……ただし不似合いの意味は違うだろう運転手とドクオ
こういう華やかな場所にこそ居そうな……ただし居る意味は違うだろうモランとシャキン

性格も歳も生活スタイルも違う四人だが
なぜか一同となり、ここに降り立つことになった

ギャンブルが結びつけた、奇妙な縁……

四人は決して仲がいい訳ではない。どころか敵同士なのだが

実に、楽しげであった

545同志名無しさん:2014/11/13(木) 22:38:08 ID:QyjPi8ZYO
現在午前11時

( ∀゚キ)「一杯やりながらカラオケ……にゃあまだ早い時間だし、20時にカラオケ屋前に集合ってことにして……」

(*・∀メ)ウズウズ「それまでは自由時間でいいですよね!」

モランは明らかにこの場を嬉しんでいる

(;'A`)「またゲーセンで景品全部さらう気っすか?」

(`・ω・´)「モンティーカルロの店があるな。僕はソコに行くから」

シャキンはレストラン街に、一際高級な店を見つけたようである

( ∀゚キ)「ああ自由時間でいいぜ。俺ぁうるせえトコはパスだ。ちょっくら長風呂してくらあ」

(;'A`)「え、と。俺は……」

こういう必要以上に明るい場にはあまり来た事のないドクオは、行き場にちょっと困るのだ

(;'A`)「パチンコ店は有名ボッタクリチェーン店だしなぁ……」

( ∀゚キ)「悪ィがバスは空けねえぜ?適当に時間潰してきな」

さて、どうしたものか

546同志名無しさん:2014/11/13(木) 22:46:31 ID:QyjPi8ZYO
ドクオ選択

1・>>544のいずれか(お前が指定した場所)に行く

2・どこにも入らず、時間まで広大な敷地内を歩く

3・お前の言う通りにする

ちなみにドクオの現在の所持金は3万強しかなく
バスツアー継続の為にも、あまり無駄使いは出来ない事を先に述べておく

547同志名無しさん:2014/11/13(木) 23:01:52 ID:QyjPi8ZYO
(,,゚Д゚)ニヤニヤ「スカンピン野郎め……相変わらずとんでも無いことを思い付くもんだぜ」

バスツアー一行に遅れる事、約一時間
愛車のカタナを駐車場に着けるギコ

ヘルメットを取ったその顔には、ニヤニヤ笑いが貼りついている

(,,^Д゚)ニヤニヤ「さあて、お仕事お仕事……ってな!」

この男もまた、どうしようもないゲスなのである

バスの四人よりは倫理が分かる人間

では、一応あるのだが……

548同志名無しさん:2014/11/13(木) 23:59:52 ID:6ktlUhuA0
安価だったらサーカステントで

549同志名無しさん:2014/11/14(金) 02:52:25 ID:OAjdRRUUO
作者にとってサーカスと言えば、まずは華やかで、見物客も多い……というイメージがある

しかし、このサーカステントには付近に客もおらず
どことなく古ぼけていてこじんまりとした風情

('A`)「……」

テントの小ささから考えて、せいぜい一家でやっている程度の規模と見受けられる

「夢のショータイムは13時〜!大人も子供も5000円持って集合!」

入り口にいくつか立っている看板に、いかにも胡散臭い案内がしかも手書きで書かれている

「火吹き男」だの「腹話術師」だの「ナイフ投げ達人」だの「未来を読む少女」だのと……

昭和、あるいは大正の時代に戻ったかのような看板絵

('A`)「5000円持って集合……って……もろ金じゃん……夢のショータイムとかじゃないじゃん……」

ドクオはあまりの退廃的な光景、雰囲気に少々たじろぎながら
それでも好奇心に勝てず、テント外周をぐるりと一周する

そして、出会う

550同志名無しさん:2014/11/14(金) 03:06:16 ID:OAjdRRUUO
('A`)

♪ 空気女と、小人を連れて
♪ 街にサーカスが来る前に
♪ 僕ら終わろう。お別れしよう
♪ 夏の、来る前に……

夜のカラオケに備えてというのではないが
何となく空を見上げ、懐かしい歌を口ずさみながらテントの裏まで歩くドクオ
よそみをしているつもりはなかったが

ずさっ……

「ああっ!」

地面に倒れるか細い女性。いや、女の子

(;'A`)「え、えうっ?」

ぶつかったか?いや、ぶつかったかな?

(;'A`)「だ、大丈夫っすか?す、すんませ……すんません」

……お決まりのパターンに入ったようである

551同志名無しさん:2014/11/14(金) 03:26:07 ID:OAjdRRUUO
レストラン・モンティカルロ店内

(`・ω・´)「……オススメで!」

('e')「畏まりました」

!(`・ω・´)Ψ「……」

どうでもいいことなのだが、作者は思うのである

シャキンというAAほど、ナプキンを下げてナイフとフォークを構えたポーズが似合う者もそうなかろうと

(`・ω・´)←この表情である

いかにも「もりもり食べるよ!」と言わんばかりに見え
萌えが大嫌いな作者にしては珍しく、可愛らしく思えるのだ


閑話休題

552同志名無しさん:2014/11/14(金) 03:38:39 ID:OAjdRRUUO
('e')「本日のコースには少々お時間を頂く料理がございますので、よろしければお暇潰しに」

!(`・ω・´)Ψ「ん。ありがとう」

ナイフとフォークを一旦下ろすシャキン

ウェイターが差し出したのはパンフレット
この施設の案内が書かれたものだ

(`・ω-´)「これは……ふむう……」

マップにざっと目を通したシャキンは、ある事に気づく

(`・ω-´)「……いや、まさか、な」

(`・ω・´)「でも一応、頭には入れておこう……」

一人何かを考えている様子

シャキンは、頭を使うとより美味しく食事ができるタイプなのだ

553同志名無しさん:2014/11/14(金) 04:22:24 ID:YvzhWaA6O
サンフランシスコだっけ?
ドクオが筋少だと他の選曲も気になるな
特にシャキン

554同志名無しさん:2014/11/16(日) 00:01:19 ID:pxP.c0uMO
( ・∀メ)ロンロント

予想通りというか、モランはゲームセンターにいる
しかし、プレーしているのはプライズ機ではなく

(,,゚Д゚)「通信対戦麻雀ゲームか……お前、こういうのもやるんだな」

プレーしているモランの背に声をかけるギコ

( ・∀メ)「なんでもやりますよ。広く浅くかな?」

浅くはあるまい。上位ランクの対戦、12連勝中の表示がある

( ・∀メ)「何か僕にご用ですか?ギコさん?」

(,,゚Д゚)「ビリー・ザ・キッド・モラン。その顔はどうした?」

(*・∀メ)「ちょっと顔面が大爆発しましたwww」

(,,゚Д゚)「そうか。ちょっと大爆発したか……」

( ・∀メ)「何かご用ですか?とさっき聞きましたよ?」

(,,゚Д゚)「ああ。用は二つ」

( ・∀メ)「手短にどうぞ?」

モランはゲームに熱中しているようで、あまりギコに気を向けていない

555同志名無しさん:2014/11/16(日) 00:13:08 ID:pxP.c0uMO
(,,゚Д゚)「スカンピン野郎から……あっと、ギャンブルバスの運転手から連絡があってな?」

(,,゚Д゚)「お前、間もなくツアー達成だってな?」

(*・∀メ)ロンロント「そりゃ出るよなあ中は……え?ああ。そうですが?」

モランは話を半分しか聞いていない

(,,゚Д゚)「お前、あのスカンピン野郎がまともに500万も払うと思うのか?」

( ・∀メ)「そんなの関係ありませんよ」

(,,゚Д゚)「関係ない?どういう事だ?ごまかされずに達成の賞金を得るうまい手があるのか?」

( ・∀メ)「ふう……麻雀も飽きたな。次はどのゲームをやろうかな?」

(,,゚Д゚)「おい、聞いてるのか?」

556同志名無しさん:2014/11/16(日) 00:26:23 ID:pxP.c0uMO
( ・∀メ)「僕がバスツアーに参加してる理由、分かりますか?」

(,,゚Д゚)「だから賞金目当てだろ?」

モランは笑顔を作らす笑う

( ・∀メ)ククク

(,,゚Д゚)「違うのか?」

( ・∀メ)「金目当てなら……500万じゃ安すぎますよ」

( ・∀メ)「そんな金、僕が自由にかつ本気にやれば、一週間で稼げる額です」

(,,゚Д゚)「大した自信だ。それはギャンブルでか?」

( ・∀メ)「僕はギャンブラー。トレジャーハンター・モランです」

( ・∀メ)「僕の一挙手一投足が全てギャンブルです」

( ・∀メ)「呼吸すら。まばたきですら。です」

(,,゚Д゚)「ほう……」

この兄弟にはどうやら誇大妄想癖があるようだな。とギコは思う

557同志名無しさん:2014/11/16(日) 00:37:00 ID:pxP.c0uMO
( ・∀メ)「ギャンブルは楽しいからやる。楽しいからです」

( ・∀メ)「あ、でも、やるからには徹底的に勝つつもりもあるので」

( ・∀メ)「僕のやり方で、賞金はきっちり頂きますよ」

(,,゚Д゚)「そこまで言うんなら、俺が口を挟む必要はなさそうだな」

(*・∀メ)「お、懐かしいー!あれをやろう」

ギコにはまるで興味がないモラン

向かうのはもぐら叩きゲーム

(,,゚Д゚)「もう一つの用はな」

(*・∀メ)「一回50円かぁ。なかなか良心的だなあ」

(,,゚Д゚)「俺と、ゲームで勝負してくれ」

(・∀メ;)「はい?ゲームで?ギコさんが?僕と?」

(,,゚Д゚)「勝負はそのもぐら叩きゲームでいい」

(・∀メ;)「ゲームで僕に勝てるつもりですか?」

(,,゚Д゚)ニヤリ「まあな」

558同志名無しさん:2014/11/16(日) 01:03:09 ID:pxP.c0uMO
( ∀-キ)「極楽、極楽と」

超巨大露天風呂のど真ん中、運転手は大の字になり
海月が如くぷかりのたりと浮かんでいた

完全なリラックス状態は、妄想がはかどるものである

( ∀-キ)(……)

( ∀-キ*)(ボインボインのヒッチピチ……)

( ∀^キ*)「うへへ……」

どうやらこのおっさん……結構だめなやつのようである


辺りに人のいないのを良いことに、ついには歌いだしている

( ∀-キ)

♪好きだよと言えずに、初恋はァ〜

♪振り子細工の心ォ〜

♪放課後の校庭にィ〜

しかしその歌は馬鹿にしたものではない
つまりカラオケにも自信はあるのだろうか

( ∀-キ*)

♪ダッダッダダダダダダ星のォ〜


……地球強奪ロボット軍……
ジャンルもあらゆるものに通じている……ようである……

559同志名無しさん:2014/11/16(日) 15:15:57 ID:pxP.c0uMO
(,,゚Д゚)「単純明快に、1ゲームずつプレーして得点の多い方が勝ち。ってことでどうだ?」

( ・∀メ)「おっけー。賞金は?」

(,,゚Д゚)「10万」

( ・∀メ)「まあそんなとこかな……いいですよ」

モランには勝算がある。このもぐら叩きゲーム勝負、負けるはずはない

( ・∀メ)「知ってます?出たり引っ込んだりするもぐらは、ランダムじゃなく法則性があるって」

(,,゚Д゚)「知らん。スピードで何とかする」

ダメだこりゃ。つまらない勝負になりそうだ。と、モランは思う

(;・∀メ)ハァ「じゃ、僕が先手でやりますから、よく見て覚えてくださいよ?」

(,,゚Д゚)「お前の手際、期待してる」

560同志名無しさん:2014/11/16(日) 15:36:08 ID:pxP.c0uMO
( ・∀メ)ポコポコ「スタートから10分が勝負なんです」

先読みでハンマーをもぐらの出現箇所に「置いておく」モラン

パターンを知っているからこそできる技であり
動体視力ではどうにも追い付かないもぐらをも得点にしていく

( ・∀メ)ポコポコ「10分を過ぎると、永久パターン防止のためにもぐらの同時出現数が5以上になるから……」

(,,゚Д゚)「永久パターン?」

( ・∀メ)ポコポコ「百円で1日遊ばれたら、売り上げさっぱりでしょ?」

( ・∀メ)ポコポコ「ゲーム機は店の儲けの為に、インカムをあげる必要がありますから」

話しながらでも、完璧なパターン化によって1ミスもなくポイントを積み上げるモラン

( ・∀メ)ポコポコ「プレー時間が10分を越えると、ハンマー一丁で叩ける限界以上にもぐらが出てきて、ほぼ強制終了。と」

( ・∀メ)「まあそういうわけですよ」

モランは10分でゲームを放棄。ハンマーをギコに渡す
モランの言う通り、大量のもぐらが出始め、叩くのをやめたモランはゲームオーバーとなる

ポイントは敢えて書かない。10分までのノーミス最高得点だからだ

561同志名無しさん:2014/11/16(日) 15:45:15 ID:pxP.c0uMO
(,,゚Д゚)「なるほど。さすがトレジャーハンター・モランだな」

( ・∀メ)「パターンは覚えましたか?」

(,,゚Д゚)ニヤリ「いや?」

ギコは不敵に笑う

(;・∀メ)「あのね?はっきり言うけど無理ですよ?体力でどうこう出来るモンじゃないんだから」

(,,゚Д゚)「……」

モランを無視しギコはライダージャケットを脱ぐ

(;・∀メ)「うわ……」

タンクトップ一枚になったギコの上半身を見て、モランは思わず声をあげる

とんでもなく鍛えあげられた筋肉……ボディービルダー真っ青な身体
ムキムキにも程がある

(,,゚Д゚)「へのつっぱりは」

(,,*゚Д゚)「いらんですよ!」

562同志名無しさん:2014/11/16(日) 16:06:17 ID:pxP.c0uMO
15分後

(;・∀メ)「ば、馬鹿な!こんな、ことが!?」

(,,゚Д゚)「10万。貰っていくぜ?」

ギコが圧勝。モランは完敗を認め
財布から10万をギコに差し出す

何があったかを書こう



ゲームスタート直後、ギコはボソリと呟いた

(,,゚Д゚)「ゴルディオン・ハンマーアアアアアアア!!!」

ドグワッシャアアアアアアン!

最初に出てきたもぐらを
台も割れんばかりのパワーで一撃

その一撃で、そのもぐらは即死……というか
ぶっ壊れ、二度と頭を出せなくなったのだ
機械はもぐらを出そうと動くが押し込まれている、つまり叩かれている状態にすでになっているので自動的にポイントが加算されていく

全てのもぐらがギコの「ゴルディオン・ハンマー」によってそうなった時……

(,,゚Д゚)フウ「永久パターン……だ」

(;・∀メ)「何だってえ!?」

563同志名無しさん:2014/11/16(日) 17:02:41 ID:pxP.c0uMO
(;・∀メ)「まいりましたよ。でもそれスピードって言うか」

(,,゚Д゚)「スピード」

(,,゚Д゚)「×(かける)」

(,,゚Д゚)「握力」

(,,゚Д゚)「×(かける)」

(,,゚Д゚)「体重」

(,,゚Д゚)「=(イコール)」
……破壊力。である。本当か?

(;・∀メ)「見事なまでの花山理論ですね……」

真偽はともかくも
とりあえず

ゲーム機破損に気づいた店員が駆け寄ってくる前に
二人共逃げなければならない事は確実だった

564同志名無しさん:2014/11/16(日) 17:18:24 ID:pxP.c0uMO
ズドオオオン!ズドオオオン!ズドオオオン!

グラグラ

!(((`・ω・´)))Ψ

!((;`・ω・´))Ψ「……」

グラグラ

!(;`・ω・´)Ψ「……地震かな?」

立て続けの振動にひっくり返った海亀のスープのカップを見て
シャキンはお預けをくった犬のように、そう呟いた

565同志名無しさん:2014/11/18(火) 15:34:20 ID:L6tMzAuAO
川д川「あ、あの。私のステージは夜からなので……まだ……」

(;'A`)「はい?」

ドクオは少女が何を言ってるのか、すぐには分からず
しかし悟る

('A`)「ああ、もしかしてサーカスの人っすか?」

川д川「あ、はい。まだまだ未熟なので、昼間の部にはステージに立たせてもらえないですけど」

(;'A`)「えっと、ぶつかったのかな?ぶつかっちゃってすんません。怪我ないすか?」

川д川「大丈夫なんです」

('A`)「はあ……」

川д川「お父様が、あ、座長が」

川д川「お客様にぶつかったふりして、わざと転べって。そうしたらそのお客様は私のステージにいらしてくれる。っておっしゃったので……」

ああ……なんだそうか。客引きかよ
胡散臭さを感じるドクオ

('A`)「……」

川д川「夜19時半から、見るだけなら5000円で、プレイしていただけるならもう5000円……なので」

プレイ?
なるほど。ドクオはほぼ全てを察する

('A`)「……君はいくつっすか?15位?」

川д川「歳は分からないんです」

川д川「孤児だったので…」

566同志名無しさん:2014/11/18(火) 16:08:52 ID:L6tMzAuAO
ドクオには
少女の周りに紫色の薄幸オーラがハッキリ見える。気がしている
だが、ドクオは情に流されるタチではない

('A`)「……」

('A`)「せっかくっすけど、俺」

冷ややかな目をしているドクオ

('A`)「今夜は20時から約束があるんで、君のステージへは……」


川д川「そう、ですか」

川д川「でも、もしお時間の都合がよろしくなったら……」

砂を払い、前髪を上げて
小さく微笑む少女
雰囲気がガラリと変わる。薄幸オーラは掻き消え

纏う新しいオーラが橙色にほのめく

注・ドクオのイメージです

从*゚ー゚从「ぜひ、来てください!」

少女はそれだけ告げ、テントに消える

(*'A`)「あ、え、はあ」

あらゆるタイミングが洗練されている、そういうテクニックとも取れ
これも手管なのか?とドクオは思う

ただ

騙されても、いい気も、する

567同志名無しさん:2014/11/18(火) 16:11:45 ID:M47.oMs60
ド、ドクオーー!ww

568同志名無しさん:2014/11/18(火) 22:33:17 ID:L6tMzAuAO
超巨大露天風呂

運転手はドクオの話を聞いている。というか、聞かされている
でもなく、聞いているふりをしている

( ∀゚キ)「ふうん」

('A`)「今時いねぇっすよね?孤児で話が噛み合わないくらい頭が悪くて」

('A`)「サーカスに買われて、体を売らされてる……みたいな不幸少女なんて」

( ∀゚キ)「だなー」

('A`)「テンプレ過ぎて笑っちまいません?」

( ∀゚キ)「笑うよなー。ああ、悪いけどちょっくら背中流してくんな」

(*'A`)ノシ ゴシゴシ「でもねー。なんか、なんかいいんだなーその子の笑顔」

( ∀゚キ*)「そうかいいかー。あ、もすこし力入れてくれ」

(*'A`)ノシ ゴッシゴッシ「ああいうのを無垢、って言うんすかねー?天衣無縫?違うかな?」

( ∀-キ*)「言うんだよなー。……そうそう。そんな感じで頼むぜ」

(*'A`)ノシ ゴッシゴッシ「あんまりなテンプレで、笑えちまってしゃーないから、ちょっと騙されてみても面白いかなー?とか思うんすよwww」

( ∀-キ*)「騙されるのもいいなー。うんいいぜ」

(*'A`)「や、もちろん俺は分かってますよ?そういうのもサーカスの客引きの手なんだって」

(*'A`)「でもまあ、そこまでして来てくれ、ってんなら、ねえ?」

569同志名無しさん:2014/11/18(火) 22:43:15 ID:L6tMzAuAO
(*'A`)「って訳で、ホント申し訳ないんすけど」

(*'A`)「俺は今回はカラオケはパスの方向みたいな?」

(*'A`)「強制参加じゃねえんすよね?カラオケ。なら……」

(*'A`)「ラブコメ的イベントに、ちょっとからかいに行ったりなんかして」

(*'A`)「みんなに笑いのネタを提供しちゃったりなんかしちゃったりして?」

(*'A`)「やだなぁ。ネタっすよネタ。もちろん……wwwww聞いてます?運転手さん?」

(*'A`)「って……」





('A`)「いねえ」

570同志名無しさん:2014/11/18(火) 22:45:33 ID:L6tMzAuAO
('A`)「だーれもいねえでやんの」


カポーン……

571同志名無しさん:2014/11/18(火) 22:55:01 ID:L6tMzAuAO
既に運転手は温泉の仮眠処で、コーヒー牛乳を飲みながら
尻をかきかき横になっていた


( ∀-キ)ボリボリ(……)

( ∀-キ)(さあて。ギコは上手くやってくれるかねぇ?)

( ∀-キ)ボリボリ(……)



( ∀-キ)(うーむ?今夜は何を歌おうかぃ……?)

( ∀-キ)(尾崎豊とか、今の若い者にわかる……のか……)



( ∀-キ)zzz……

572同志名無しさん:2014/11/19(水) 08:39:19 ID:ZGKd0uckO
(;-@∀@)「いやぁもう、散々な目にあったなぁ」

ゲームセンターから逃げたモランは
トイレで手早く変装を済ませた後、ビリヤード場に移動していた

(-@∀@)「顔の傷が目立つから、今後は常に変装してなきゃだね……っと」

あたかもカンフー映画のように
キューを風車の如く華麗にブン回すパフォーマンスで、衆目を集めておきながらのこの台詞である
モランらしいと言えば、らしくはある

一人、ビリヤード台に向かい

(-@∀@)「ハスラーって映画あったなぁ。格好良かったよなあ。あれ」

などと、わざと周囲に聞こえるような一人言

よそ見をしたままのモランのキューの先が白球にかすれば
?Hのボールが魔法のようにポケットに沈む……

(*-@∀@)〜♪

573同志名無しさん:2014/11/19(水) 09:08:45 ID:ZGKd0uckO
(-@∀@)フンフーン♪

♪あなたと描く未来なら!
♪叶うはずよ、showtime!

(*-@∀@)コッ!「♪高鳴るハートにっ!」


歌いながら放つショットは、マッセではなく
言うなればスイング
ちょっと気取った魔法使いが、杖を振るような仕草の
型もへったくれもない一打なのだが

ガコン!!

(*-@∀@)「♪嘘はつけ〜ないー!」

ギャラリーにはもうミラクルな魔法にしか見えない
彼はその魔法の杖で、球を沈める魔法をかけているのだ。と

574同志名無しさん:2014/11/20(木) 14:13:58 ID:6zC5wWyoO
  _
( ゚∀゚)ノシ「よー。あんた上手いな」

(-@∀@)「ん??」

ギャラリーを分けて見知らぬ男が現れる

(-@∀@)「何かご用ですか?」
  _
( ゚∀゚)「一ゲーム一緒させてくれねーかな?と思ってよ」

妙に気さくな男。だがその物腰は爽やかで、馴れ馴れしさは感じない

わざわざモランのテクニックを見てから挑戦してくるあたり、自信があるのか

興味本位だとしても
ただ息を飲み、モランのプレーを見つめるだけのギャラリーとは違う
  _
( ゚∀゚)「俺、ビリヤードのルールはナインボールしか知らねーけど」

(;-@∀@)「……マジで?そんなんで僕と勝負するの?」

つまり、男の知識はあらゆる状況に対応できない。ということ
おそらくは、テクニックも同じなのだろう
つまり、プロでは全然ないと分かる
  _
( ゚∀゚)「そんなんで!」

(;-@∀@)「……い、いいっすけど、ね」

この男、ビリヤードをギャンブルのつもりでなく
普通にゲームとして遊ぼうとしているのだな。とモランは思う

575同志名無しさん:2014/11/20(木) 16:38:42 ID:rl0L6gJs0
怪しすぎる……

576同志名無しさん:2014/11/20(木) 18:40:55 ID:Tj8BMDx2O
そういえばヒモが居たな

577同志名無しさん:2014/11/21(金) 01:24:55 ID:QWqNumtYO
  _
( ゚∀゚)「ナインボールでいいよな?」

(-@∀@)「ええ。別にいいですよ」

値踏みするような目でモランを見つめる男
賭ける金額も決めず、コイントスもなしに一打目……ブレイクショットを勝手に打つ

スコーン!
  _
( ゚∀゚)「あちゃ?一個も落ちねえか。ま、こんなもんかなー」

(;-@∀@)「あ、あのねぇ……」

マナー知らずな男にやや困惑しながらも、キューを構えるモラン

男のショットは極々素直で、上手くはないが下手くそでもない
つまり、ちょっと馴れた素人といった程度の腕前だ
モランには敵うべくもなかろう

(-@∀@)「……まあいいや。さくっと終わらせますよ」
  _
( ゚∀゚)「駄目だよそれじゃ?」

(;-@∀@)「え?」
  _
( ゚∀゚)「さくっとじゃ、金が取れるプレイとは言えない」

(;-@∀@)「???」

男が何を言ってるのか、モランには分からない

578同志名無しさん:2014/11/21(金) 01:41:42 ID:QWqNumtYO
  _
( ゚∀゚)「自己紹介がまだだったなー?俺はこういう者だよ」

男は名刺を差し出す

(-@∀@)「フリー・プロデューサー……?ジョルジュ長岡、さん」
  _
( ゚∀゚)「マスコミ関係の仕事をしつつ」
  _
( ゚∀゚)「女にぶら下がって食ってますwwwww」

(;-@∀@)「フリー・プロデューサーってなんです?」
  _
( ゚∀゚)「あんたみたいな才能ある奴を青田買いして、テレビスターにしたてあげる……そんな商売さ」

  _
( ゚∀゚)「あんた、テレビに出てみないか?」

(;-@∀@)

こんな話が現実にあり、そしてそれが自分に回ってくるとは
今まで考えてみもしなかったモランである
  _
( ゚∀゚)「見せて欲しいんだ。とりあえず今、この状況で」
  _
( ゚∀゚)「あんたが、このゲームをどれだけ『面白い』絵面にできるのか。を」

(-@∀@)「テレビウケを意識してプレイしてみろ。と?」
  _
( ゚∀゚)「できねえ。なんて言わせねえよ?」

(*-@∀@)「おもしろい……」

(*-@∀@)「魅せようじゃないの!」

579同志名無しさん:2014/11/21(金) 02:00:51 ID:QWqNumtYO
  _
( ゚∀゚)「あんたの名前は聞かない。プレイを見るまではな」

つまり、一打で自分を売り込んで見せろという訳だ
長岡の眼鏡に叶わなければ、名前を覚える気はないと

(-@∀@)「わかりました。じゃあ、一発録りで」

試されている。試されるのは嫌いなモランではあるが
それ以上に、自分への期待を裏切って背を向けるのは大嫌いなモランだ

僕は
トレジャーハンター・モランだから
トレジャーハンター・モランは
僕のヒーローだから

( ・∀メ)スチャ

無言で眼鏡を外し、キューをそっと撫でる



  _
( ゚∀゚)「腹は決まったみたいだな?なら、行こうか!」

  _
( ゚∀゚)「レディ……」
  _
(*゚∀゚)「アクション!」

580同志名無しさん:2014/11/21(金) 02:19:06 ID:QWqNumtYO
(`・ω-´)cU「……」

食事を終えたシャキンは、エスプレッソを飲みながら自分の考えに没頭していた

(`・ω-´)「もしも僕の考えの通りなら……」

(`・ω-´)「あの運転手は、多分……」

(`・ω-´)「いや、まさか、そんな、馬鹿な」

なにやら彼なりに、重要な事に気づいている様子で

(`・ω-´)「でも、だとしたら」

(`・ω・´)「ギャンブルバスツアーの勝者は……」

(`-ω-´)フゥ

たどり着いた結論が、あまりに馬鹿馬鹿しすぎて
そんな結論を思った自分に、小さくため息をついてしまうシャキンであった

(`・ω・´)「まあいい。や。とりあえず」



(;`・ω・´)「僕は何を歌おうか……」

そちらの方が、彼には難題であり
またずっと現実的なのだった

581同志名無しさん:2014/11/21(金) 17:37:23 ID:QWqNumtYO
(#・∀メ)「僕をあんまりなめるな……」
  _
(;゚∀゚)「え?」

(#・∀メ)「テレビになんて興味はない!」

(#・∀メ)「僕は」

(#・∀メ)「僕はっ!」




(#・∀メ)「ギャンブラーだっ!!」

ズガッッッ!!!

モランの初めて見せるスタンダードスタイルでのショット

繰り出されるショットは、白球に見た目以上のパワーと怒りを乗せて……


  _ グシャ---ッ!
(;>Д<○≡≡≡
 ホゲェ

長岡の顔面に突き刺さった

( ・∀メ)「長岡さん。あなたがカメラを構えていたとしたら」

( ・∀メ)「丁度レンズのど真ん中にぶち当たるように打ってみましたwww」
  _
(;゚∀゚)

( ・∀メ)「迫力ある画は撮れましたか?長岡さん?」

長岡は痛みを忘れ、一言
  _
(*゚∀゚)「ああ!!最高のインパクトを茶の間に届けたぜ!!!」

などとのたまうのだった

582同志名無しさん:2014/11/21(金) 17:57:42 ID:QWqNumtYO
(-@∀@)スチャ

眼鏡をかけ直し、キューを放り出すモラン

(-@∀@)「って訳ですんで。せっかくのお誘いですが、スターにはなりたくありません」

(-@∀@)「ギャンブラーとして生きるのに、顔を売る必要はないですから」



(@∀@)「とっととカエレ!ママのおっぱいでもしゃぶって出直してこいッ!」

  _
( ゚∀゚))コクリ「わかった」

妙に素直にうなずき、長岡はギャラリーに向き直り
そして呼ばわる

  _
( ゚∀゚)「ペニサス!おっぱいだ!」

583同志名無しさん:2014/11/21(金) 18:37:17 ID:QWqNumtYO
('、`*川「はいはい。もー。しょーがないわねぇ。ジョルジュったら……」
  _
(*゚∀゚)モミモミ('、`*川


(;-@∀@)

え、なにこの状況
言ったよ?確かにおっぱいでもしゃぶって出直してこいって言ったよ?

  _
(*゚∀゚)チューチュー


(;-@∀@)

いやおかしくね?おかしくね?
僕は別にそういう意味で言ってなくね?

('、`*川「はい、おしまい」
  _
( ゚∀゚)「サンキュー!」

長岡はペニサスと呼ばれた女性を伴って、モランに改めて近づく
  _
( ゚∀゚)「ねぶってしゃぶってきたぞ。おっぱい」

('、`*川「ごめんなさいね。ジョルジュってこんな奴なのよ」

(;-@∀@)「なんというか……」

開いた口が塞がらないモランである

584同志名無しさん:2014/11/21(金) 19:25:28 ID:llrGLPu.0
サンキューじゃねえよwww

585同志名無しさん:2014/11/21(金) 19:31:26 ID:QWqNumtYO
  _
( ゚∀゚)「あんた、ギャンブラーって言ったよな?」

(;-@∀@)「はい」
  _
( ゚∀゚)「もしかして、ギャンブルバスツアーに参加してたりして?」

(;-@∀@)「してますけど」

ヤバ!口を滑らせた!と後悔するも時すでに遅し

(;-@∀@)(しまった!この人……)
  _
( ゚∀゚)「やっぱりか!俺、ギャンブルバスツアーに参加してる奴らの噂を聞いてさ」
  _
( ゚∀゚)「ツアーをまるごとテレビ番組の企画にしたいと思って、で、参加するつもりなんさ」

(;-@∀@)(やはりそうだったか……)

ギャンブルバスツアーの内容はとてもテレビに映せるようなものではない
  _
( ゚∀゚)「プロのギャンブラー達が凌ぎを削って闘う様……画になるだろうなあ!」

('、`*川「あたしとジョルジュはギャンブルは全然素人だけど、取材陣の形で同乗して……その様子をテレビ放映させてもらうわけ」

('、`*川「そうすれば、ツアーの方々にも局からお金が出るから、お互いにいい話になるでしょ?」

586同志名無しさん:2014/11/22(土) 07:18:54 ID:AVLwt0d.O
(-@∀@)「ここにバスが来る事を、どうやって知ったのですか?」

  _
( ゚∀゚)「タレコミ情報だよ。邪の道は蛇だね」

('、`*川「二人とも半信半疑だったけど、あたしはジョルジュと旅行できるならガセネタでも良かったよ」
  _
(*゚∀゚)「……っとに可愛いこと言うんだから!ペニサスは〜」

('、`*川「あらん。本当だものん」
  _
( ゚∀゚)「wwww」('、`*川

(;-@∀@)

ダメだ頭イタくなってくる……
似た者同士だこのバカっプル

真面目なのか不真面目なのか
曖昧かつ、享楽主義的な生き方が言動からにじみ出てくる二人

(-@∀@)「主催者の運転手さんが、テレビにOK出すかどうかは……」

  _
( ゚∀゚)「まー当たって砕けるぜい!」

('、`*川「砕けちゃダメじゃない」
  _
(*゚∀゚)「そっか〜www」

(;-@∀@)

ノリについていけないモランである

587同志名無しさん:2014/11/23(日) 18:39:53 ID:UTSxViPAO
20時

カラオケにはすでに運転手による予約が入っているようで

「101号室、ギャンブルバスツアー御一行様。モラン様卒業ツアー達成記念会場」

との貼り紙があり
一人を除いて皆が時間通りに集まってくる
  _
( ゚∀゚)「飛び入りOK?」

('、`*川「アポなし突撃は、ジョルジュの良いところじゃないの」

(;-@∀@)「大丈夫だとは思いますが、良いところなんですかね?それは」



( ∀゚キ)「お、主役が来たか。後ろのお二人さんはツアー参加希望者かい?」
  _
( ゚∀゚)「そうだよ。ってか、数レス前から読んでくれ。説明めんどい」

長岡と運転手は作者の都合を考えたやりとりをするいい子である

( ∀゚キ*)「テレビ放映ねぇ。ま、ツアーの中身がテレビ向きかどうかは保証できねぇが、ともかく歓迎するぜ?」

( ∀゚キ*)「騙し騙されの覚悟と、二人合わせて100万の参加費さえあえりゃー誰だって乗せるぜ。俺は」

588同志名無しさん:2014/11/23(日) 18:57:07 ID:UTSxViPAO
ギコとシャキンが到着。シャキンはメンバーを眺め、ちょっと首を傾げて問う

(`・ω・´)「ドクオは?来てないのか?」

( ∀゚キ)「奴はヤボ用ができたとかなんとか言ってたぜ?」

( ∀゚キ)「ま、気にするねぇ。野郎はウチのギャンブルに素直に乗らねえ事が多いじゃねえか。いつものこったよ」

(`・ω・´)「僕の計算では、あいつの所持金はもう少ないはずだから、勝負に出てくると思ったんだが……」


(,,゚Д゚)「スカンピン。約束通り来たぜ?俺はどうすりゃいい?」

( ∀゚キ)「ギコの旦那もご苦労さんよ!あんたにゃ俺達が歌い終わるまで、バスの警護を頼みてえ」

(,,゚Д゚)「数時間で10万の報酬にしちゃ、楽な仕事だな?どんな裏があるんだ?」

( ∀゚キ)「いやぁ、さっきバスにモランの賞金を積んできたんでよ」

( ∀゚キ)「車上荒らしにでも合ったら、目も当てられんのよ」

589同志名無しさん:2014/11/23(日) 19:44:54 ID:UTSxViPAO
などというやり取りを、あえて他のツアー客に聞こえるような大声で交わす運転手とギコ

当然、二人の一計である

( ∀゚キ)「元警官のおめぇさんにうってつけの仕事だろ?」

(,,゚Д゚)「分かった。任せてもらおう」

(`・ω・´)「ちょっと待て」

シャキンが口を挟む

(`・ω・´)「運転手さん。ギコさんのバイクの鍵を預かれよ。ギコさんが金を持ち逃げしないとも限らないじゃないか」

( ∀゚キ)「だな。ギコの旦那。カタナの鍵、預かっていいか?」

(,,゚Д゚)「いいだろう」

特に嫌もなくポケットから鍵を取りだし、運転手に渡すギコ

シャキンの用心深さから来る言葉は、実は二人の策にまんまとはまっているのだが

( ∀゚キ)「シャキン、やはりおめぇは頭が回るな……?」

(,,゚Д゚)「なるほどな。これがシャキンの「先読み」というやつか」

(`・ω・´)「まあね」

得意気なシャキンだが、二人は密かに嘲笑するのだった

(,,゚Д゚)ククク(ハマりやがったか)

( ∀-キ)(キシシ……)

590同志名無しさん:2014/11/23(日) 19:58:07 ID:UTSxViPAO
  _
( ゚∀゚)「俺達にとっちゃ、打ち上げから始まるロケだなあwww」

('、`*川「楽しそうねぇ、ジョルジュ」

( ∀゚キ)「そういうことになるんだなァ」

(-@∀@)「で、今夜のギャンブルカラオケ?はどういうルールなんですか?」

( ∀゚キ)「ま、それは部屋に入ってから地の文で簡潔に説明してやらぁ。さあ、行くぜ?」

つくづく作者思いの運転手である

(,,゚Д゚)「じゃ、俺はバスの前で立哨……」

(-@∀@)「ギコさんも一曲ぐらい歌ってって下さいよ」

( ∀゚キ)「そうだな。一節し唸ってけや。せっかくだしよ」

(,,;゚Д゚)「ま、まあ、そういうなら……一曲だけ……」

591同志名無しさん:2014/11/23(日) 20:12:06 ID:UTSxViPAO
皆が部屋に入るやいなや、ドリンクやスナックの注文を聞くなどしてかいがいしく働く運転手

入り口付近にあるインターホンで一通りオーダーを済ませる

白( ∀^キ*)「おう……おう。ポテトは大盛りで頼まあ!」

(;-@∀@)「注文とりまで……よっぽど好きなんですね。カラオケ……」

( ∀゚キ)「モランよ、おめえ、いいから主役はデンと構えて奥に座っちょれや!」

などと
雰囲気はいたって普通のカラオケパーティーである

立哨に立たねばならぬギコが
さっさと一曲を済ませる事となり
トップバッターとなる

(,,;゚Д゚)「歌、歌か……」
  _
(*゚∀゚)「やんややんや!」('、`*川

( ∀゚キ)「ギコの旦那!一発決めてくんなよ?な〜に、アンタはギャンブルの頭数には入ってねえから、気楽にな」

(,,;゚Д゚)「よ、よし……」

592同志名無しさん:2014/11/23(日) 20:16:43 ID:UTSxViPAO
(,,゚Д゚)「じゃあ……」

ギコの歌選択

1・キン肉マン・Gofight!

2・キン肉マン・Gofight!

3・キン肉マン・Gofight!

4・お前の指定したキン肉マン・Gofight!


ちなみに
心に愛がなければ、スーパーヒーローじゃないのである

593同志名無しさん:2014/11/23(日) 20:40:49 ID:ct/foC9Y0
1

594同志名無しさん:2014/11/23(日) 20:54:35 ID:UTSxViPAO
(,,#゚Д゚)「♪私は!」

  _
(*^∀^)(*-@∀@)('、`*川( ∀^キ*)(*`・ω・´)「♪ドジで!」

(,,#゚Д゚)「♪強い!!」
  _
(*゚∀゚)(*-@∀@)('、`*川( ∀^キ*)(*`・ω・´)「♪つもり!!」

(,,*゚Д゚)「♪キ〜ン〜肉マ〜ン」



(,,#゚Д゚)「♪走る!!!」

  _
(*^∀^)(*-@∀@)('、`*川( ∀^キ*)(*`・ω・´)「♪すべる!!!」

(,,#゚Д゚)「♪見事に!!!!」

  _
(*^∀^)(*-@∀@)('、`*川( ∀^キ*)(*`・ω・´)「♪転ぶっ!!!!」

(,,*゚Д゚)「♪あ〜心にィ〜、愛がな〜ければ〜」

(,,*゚Д゚)「♪スーパー、ヒーローじゃ、ないのさ〜」


とりあえずは、ここにいる全員が
ばか騒ぎが嫌いではないと分かる……

そんな様子である

595同志名無しさん:2014/11/23(日) 22:26:49 ID:UTSxViPAO
ギコはそれなりに場を作り、アイスコーヒーを一気に飲み干して見せてから
カラオケパーティーを後にし、バスの警護に向かう

さて、ここからがカラオケギャンブルである

( ∀゚キ)「説明するぜ?」

得点表示機能にて、点数を表示させ歌唱力を競うのだが
点数がゾロ目だった場合、その点数を倍にする。という特殊ルールを採用
このカラオケの機械は100点満点で評価するものだが
最高得点は100点ではなく、99のゾロ目の倍。つまり198点と言うことになる

( ∀゚キ)「もしかしたら百点は狙える奴もいるかもしれんが、僅かに外した99点は狙って出せるモンじゃあないぜ?」

(`・ω・´)「下手くそでも、ゾロ目の55点を取れば勝ち目が出るな」
  _
( ゚∀゚)「狙い目は普通にちょっと上手ければ取れる、88点あたりか」

(-@∀@)「賭け金は?」

( ∀゚キ)「一番得点の低い奴が総払い……各員に2万でどうだい?」

(`・ω・´)「ずいぶんと大人しいギャンブルじゃないか……?」

('、`*川「ええ〜、結構大きい額だわよ」

( ∀゚キ)「5人だから負けたら払いは八万だな。これを大きいと取るか小さいと取るかは人それぞれだがよ」

(-@∀@)「僕はそれでいいですよ。金額的にはそんなもんかな?って思う」

596同志名無しさん:2014/11/23(日) 22:40:39 ID:UTSxViPAO
( ∀゚キ)「ただーし!だ」

( ∀゚キ)「カラオケ屋への払いは、最高得点を取った奴のオゴリ。って事にするぜ」

(`・ω-´)「ふむぅ。考えたな。運転手さん」
  _
( ゚∀゚)「どういうこった?」

(-@∀@)「つまり、あんまり上手くても金が出ていくから」

('、`*川「ほどほどが一番得な訳ね?」

( ∀゚キ)「こうすりゃ、歌が得意な奴とそうでない奴の差が少しは縮まるからよ」

( ∀^キ)「ま、今回俺は小賢しい算数は抜きでトップ取りに行くんだけどよ」

  _
( ゚∀゚)「歌に自信あんだな。もしその自信が本物だったら」
  _
( ゚∀゚)「俺、運転手さんの歌手デビューをプロデュースしちゃうぜ」

(`・ω-´)「……」

シャキンは一人、また何かを考えている

( ∀゚キ)「じゃあ一丁、やってみるかねぇ。……キシシ」

597同志名無しさん:2014/11/23(日) 22:59:11 ID:UTSxViPAO
計算が合わないじゃないか……
運転手さんは、ギコさんにバスの警護代10万を払うのだから
うまくいってもマイナス8万の赤字だ

このギャンブル、何か裏があるな

まてよ
昼に見たマップ……そしてバスの停車場所……を考えると

導かれる答えは

(`・ω-´)

おおよそわかったよ。このギャンブルの真意が

(;`・ω-´)

ただ、まだ肝心の部分があやふやなまま掴めていない

運転手さん。この人はさすがにやり手だな……

598同志名無しさん:2014/11/24(月) 00:42:46 ID:zxrwp5nMO
( ∀゚キ)ノシ「さあ、次にうたうなぁ誰だい?」

運転手はリモコンをフリフリしながらそう言う

慎重になった所で意味はないし、また順番がどうであれギャンブルの結果には関係ないと
皆は分かっているがなかなか動けない

そんな中、最も無頓着かつ無警戒な男が手をあげる

  _
( ゚∀゚)ノ「じゃー、俺。いいかな?」

( ∀゚キ)「バッチ来いや長岡さんよ!」
  _
( ゚∀゚)「じゃあっと、12345番入れちくれ」

運転手がリモコンを操作し、長岡の選んだ曲が流れ始めた

599同志名無しさん:2014/11/24(月) 00:59:18 ID:zxrwp5nMO
時間は戻り、19時

サーカスの公演時間はとうに終わっているが、テントの裏口は開いている

('A`)「……」

ドクオは無言で五千円札を、シルクハットを被ったドジョウ髭の男に渡す

( `ハ´)「……入るアル。お客さん、このことダレにも言わないヨロシ」

('A`)「……」

( `ハ´)「夜の部は、後30分で始まるアル。客席で待つヨロシ」

( `ハ´)「プレイ希望なら、もう五千円アルが?するアルか?」

('A`)「いらねっす」

( `ハ´)「そうアルか。ま、楽しむことヨロシ」

ドジョウ髭は奥に消える

('A`)「……くたばれやエセ中国人が」

悪態をつき、客席にどかりと腰を下ろして貧乏ゆすり……
ドクオはすこぶる不機嫌である

600同志名無しさん:2014/11/24(月) 01:42:54 ID:zxrwp5nMO
ステージの幕は下がったまま
客席にはドクオが一人だけ
上映前の映画館のように暗く
しかし静かで

('A`)(俺は、ここで、何をしようとしているんだ……)

自問自答するドクオ

('A`)(あの子のステージを、ただ見に来ただけじゃ、ないことだけは確かだ……)

川д川

(-A-)(あの子は、俺だ)

(-A-)(しょうもないクラブで、しょうもない負けディーラーとして陽の当たらない暮らしをしていた頃の、俺だ)

('A`)(俺は、内藤さんに、あの暗闇から引っ張り出されたんだ……)

(-A-)(人として、生き返れ。と……)

601同志名無しさん:2014/11/24(月) 01:53:32 ID:zxrwp5nMO
('A`)フフフ

ドクオは、笑顔を作らず
小さく笑う

(-A-)(まさか内藤さんの真似をしようと言うのかよ?俺は?)

(-A-)(そんなん、俺にできるわけねえじゃねえか……)

('A`)(俺には内藤さんのような知恵も、技も、度胸もない)

('A`)(ただのゲス、ただのドクズじゃねえかよ)

(-A-)(内藤さん……)



( A )(ねえ……内藤さん。教えてくださいよ……)

( A )(あなたも、あの時、今の俺と同じに)

( A )(うまくやれるなんて自信は、なかったんすかね……?)

( A )(ねえ、内藤さん……)

( A )(教えてくださいよ……)

602同志名無しさん:2014/11/24(月) 02:03:52 ID:zxrwp5nMO
開演10分前

客席の闇の中を、滑るようにステージに向かう
薄いシルクの衣装を纏った少女が現れ

ドクオの席を横切ろうとした

ステージから現れないのは、おそらくそういう演出なのだろう

川д川「今晩は。お客様……」

(;'A`)

(;'A`)

(;'A`)(ええい、ままよ!)

少女の手首を掴み、引き寄せる

川д川「あ、あの、プレイはないと聞いてました……けど……」

('A`)「出よう」

川д川「えっ?」

('A`)「君は、今から」

(*'A`)「人として、甦るんだ!!」

603同志名無しさん:2014/11/24(月) 03:15:25 ID:zxrwp5nMO
長岡の歌う「ズルい女」は、極々普通〜であり
得点は80点となった
  _
( ゚∀゚)「こらまたビミョーだなあwww」

(`・ω・´)「トップにもドベにもならなそうな、いい点だと思うけど」

(-@∀@)「普通なのが今回強みになりますもんね」
  _
( ゚∀゚)「いやこう、もっとインパクトある感じの点が良かったがな〜。高いにしろ低いにしろさ」

( ∀゚キ)「テレビ的にオイシクないって事か?キシシ」

('、`*川「まあ、あたし達は素人だしねぇ……でも、ジョルジュの歌、あたしは好きよん」
  _
(*゚∀゚)「そっかー?でへへ」

マイペースさが、この二人の最大の武器なのかもしれない

604同志名無しさん:2014/11/24(月) 03:34:45 ID:zxrwp5nMO
(#`・ω・´)「♪恋のォか〜らくり〜夢芝居ィ」

(#`・ω・´)「♪台詞〜一つ忘れはしないィ〜」

  _
(*^∀^)(;-@∀@)( ∀゚キ;)('、`*川

コメカミに血管を浮かせ、力強くシャキンが歌い出したのは
なんと歌謡曲「夢芝居」である

(#`・ω・´)「♪ぅおとことぅおんぬぁ〜、操りつらるぇ〜」

(#`・ω・´)「♪古いきずなンぬぉ〜いぃとひき引かァれ〜」
  _
(*^∀゚)「ギャハハハハ!いいぞ!お前最高!」

('、`*川「ジェネレーションギャップで来たわね〜。シブイわよ〜」

ジョルジュとペニサスはシャキンの芸風を絶賛しているが

(;-@∀@)「うまいへたじゃない部分で突っ込みたい!」( ∀゚キ;)

バスツアー組には、そういった感性はないようであった

72点

(#`゚ω゚´)「ば、ばかな!100点だろ!今の歌は!」

点数には誰も触れなかった

605同志名無しさん:2014/11/24(月) 06:25:28 ID:zxrwp5nMO
馬鹿曰く

・おもしろかった!乙!
・腹へったぞ。こんな時間にやるなんて……
・(半年更新のないスレに)待ってる


(`・ω・)ペッ お前ら低脳毒捨は、生きててもいいけどここには来んなよな!


時々こうして脱線しても文句は言われない


ここは「怪人のようです・廃地」です

606同志名無しさん:2014/11/24(月) 21:27:28 ID:zxrwp5nMO
('、`*川「♪あ〜なた〜だけが〜」

('、`*川「♪い〜きがい〜なの〜」

(;、;*川「♪お願い〜お願い〜……」

  _
(*^∀^)(;`・ω・´)(;-@∀@)( ∀^キ*)

(;Д;*川「♪捨て〜な〜い〜でぇ〜……」

重苦しい雰囲気の、何やら古げな歌謡曲を歌い出したペニサスに
若者二人はちょっと引きぎみにひきつり
一方、ジョルジュと運転手のおっさんコンビはニヤニヤしている

だが一拍後、ペニサスは豹変。
なんとも言えない、脱力感溢れる表情で歌を続ける

(゚∀゚`*川「♪ってなこと言われてその気になってェ!」

(゚∀゚`*川「♪三日と空けずにキャバレーへ」

(゚∀゚`*川「♪金のなる木があるじゃなしィ〜」
  _
(*^∀^)「ヒトシ!」

(゚∀゚`*川「♪質屋通いは序の口でェ!」

( ∀^キ*)「ウエキ!」

(゚∀゚`*川「♪退職金まで前借りしィ〜」

(゚∀゚`*川「♪貢いだ挙げ句が!」
  _
(*^∀^)(゚∀゚`*川( ∀^キ*)「♪ハイ、それま〜で〜よォ〜!」

(;`・ω・´)(;-@∀@)「なんちゅう歌だよ……」


(;`・ω・´)「しかも92点……だと?」

この話本編とは関わりはないが
植木等はペニサスの十八番であり
彼女の勤めるスナックでは、笑いの取れるホステスとして
客のおっさん連中の受けがいいらしい……

('ー`*川「失礼しました〜」

607同志名無しさん:2014/11/24(月) 21:48:44 ID:zxrwp5nMO
(-@∀@)「えっと、次は僕ですね」

( ∀゚キ)「おうモラン、今夜の主役の出番の前に、コイツを渡しておくぜ」

運転手は、バスの鍵をモランに放る

( ∀゚キ)「ギャンブルバスツアー達成。おめでとうよ!モラン」

(-@∀@)「バスの鍵?」

( ∀゚キ)「バスに賞金が積んであるから、カラオケが終わったら自分の手で確認してくんな」
  _
( ゚∀゚)「へー。スマートだね。現金じゃなく鍵を渡すのか」

(*-@∀@)「ありがとうございます。運転手さん」

( ∀^キ)「いやいや。一月よく頑張ったぜ?ご苦労さんよ」

(`・ω・´)「……モラン、ちょっと……」

(-@∀@)「騙そうとしてるのは僕にだって分かりますけど」

(*-@∀@)「でも、なんだかやっぱり、嬉しいです。えへへ」

  _
( ゚∀゚)「騙す?」

( ∀^キ)「おいおい……人聞き悪いこと言うなよモラン。とりあえず一曲いけ」

(-@∀@)「じゃあ、みんなともまもなくお別れなので……この曲を」

( ∀゚キ)「よしきた!」

608同志名無しさん:2014/11/24(月) 21:59:35 ID:zxrwp5nMO
眼鏡を外し、マイクを握る
そして、ゆっくりと歌い出す

思えば、モランというギャンブラーは
知恵で勝負するタイプではなく
あくまでも卓越した技術を駆使するタイプだった

( ・∀メ)「……いきます。皆さん。お世話になりました」

その技術は、歌にも現れていた

( ・∀メ)「♪もう振り向かず、歩いて行けるさ」

( ・∀メ)「♪いつか、また会うその日まで〜」

( ∀-キ)

( ・∀メ)「♪君の夢がきっと叶うように、あの星に願っているよ〜」

('、`;川「す、すごく上手いわね……ジョルジュ、やっぱり彼は金のタマゴよ!」

609同志名無しさん:2014/11/24(月) 22:12:40 ID:zxrwp5nMO
  _
( -∀-)「シッ……静かに。よく聴くんだペニサス」

( ・∀メ)「♪どんなに遠く二人離れても」

( ・∀メ)「♪ずっと君を思っている〜」

( ・∀メ)「♪この寂しさを乗り越えられたら」

( ・∀メ)「♪きっと、笑顔でまた会える〜」

あまりの上手さに、感極まった者もいるようだ

(`;ω;´)ブワッ

( ・∀メ)「♪も〜うすぐ会えなくなる、君の突然の言葉」

( ∀-キ)

( ・∀メ)「♪何も考えられず、ただ俯いた〜」
  _
( -∀-)「……」(-、-*川

( ・∀メ)「♪夜も眠れずに、涙をこらえて、ずっと答えを探してた」

( ・∀メ)「♪だけど本当に、君が好きだから」

( ・∀メ)「♪信じ続け〜たい〜」

(`TωT´)ブワワ

610同志名無しさん:2014/11/24(月) 22:27:47 ID:zxrwp5nMO
(*・∀メ)「♪もう振り向かず歩いて行けるさ!いつかまた会うその日までェ〜」

  _
( -∀-)「……」(-、-*川
(*・∀メ)「♪君の夢がきっと叶うように、あの星に願っているよ!」

(*・∀メ)「♪どんなに遠く二人離れても、ずっと君を思っている!」

(*・∀メ)「♪この寂しさを乗り越えられたら、きっと笑顔でまた会えるゥ〜……」

(`TωT´)ブワワワワワ……


  _
( ゚∀゚)「得点は、いいよな?」

('、`*川「ええ。必要ないわね」

モランの歌に、皆が感動し、皆が得点表示を拒む

(`;ω;´)「僕が持つ!この場の払いは全部僕が持つよ!」

感極まり、柄にもない事を言い出すシャキン

(;・∀メ)「あ、あいやー、どうもありがとうございます……シャキンさん。皆さん」
  _
(*゚∀゚)「いやあ、やっぱりあんたはテレビに出るべきだよ!タレント性も歌唱力も並大抵のものじゃねえ!」
  _
( ゚∀゚)「なぁ運転手さん。そう思わないか?って……あれ?」


いつの間にか運転手がいない

611同志名無しさん:2014/11/24(月) 22:44:40 ID:zxrwp5nMO
(`-ω-´)「トイレ、だと思うよ」

( -∀メ)「ええ。たぶん、長いトイレですよね」

  _
(;゚∀゚)「トイレ?でももう、次に運転手さんの予約した曲が始まっちまうぜ?」

(`-ω-´)「……トイレ、だよ。多分」

( -∀メ)「そう。ですよね」
  _
(;゚∀゚)「?」('、`;川

部屋に黙ったままの四人に
まるで降り注ぐように
歌い手の居ないまま曲が流れ始めた

(`・ω-´)「……15の夜……モラン、尾崎豊だ。知ってるかい?」

( -∀メ)「はい。兄が大ファンでした。僕も好きな曲です」
  _
(;゚∀゚)「……始まっちゃったけど、止めなくていいのか?」

(`-ω-´)「いいんだ。そのままで」

( -∀メ)「ですね……」

612同志名無しさん:2014/11/24(月) 22:59:21 ID:zxrwp5nMO
バルン……

月夜に排気音

( ∀-キ)「♪落書きの、教科書と」

( ∀-キ)「♪外ばかり見てる俺……」

運転手は
いや、いまや彼は運転手ではない

ハインドは一人、小さく歌いながら
ギコの乗ってきたカタナに跨がり、エンジンをかける

( ∀-キ)「♪超高層ビルの空の下、届かない夢を見てる……」

月夜の闇を裂き、カタナが走り出す

ギャンブルバスの側を通り過ぎれば、ギコがこちらに手を振っているのが見える
ギコは笑っているようだ

片手を上げ、それに応えるハインド



( ∀-キ)「♪盗んだバイクで走り出す」

( ∀-キ)「♪行く先も、分からぬまま……」

613同志名無しさん:2014/11/24(月) 23:10:53 ID:zxrwp5nMO
カラオケボックス内

四人は運転手の代わりに歌っている

(*`・ω・´)「♪暗い夜の帳の中へ〜」

(*・∀メ)「♪誰にも縛られたくないと、逃げ込んだこの夜に」
  _
(*゚∀゚)「♪自由になれた気がした、15の夜〜」('、`*川

モランは小さくシャキンに問う

( ・∀メ)「ねえシャキンさん。こうなること、いつから分かってました?」

(`・ω-´)「昼から。いや、違うな……」

(`・ω・´)「初めてバスに乗った時から。だな」

( ・∀メ)「僕もですよ……」

(`・ω・´)「腹が立つか?」

( ・∀メ)「いえ、ぜんぜん。むしろ……」

( ・∀メ)「いっそ、清々しい……」

モランの言葉に、嘘はないようだった

614同志名無しさん:2014/11/24(月) 23:33:22 ID:zxrwp5nMO
(;'A`)「頑張って走れ!追い付かれるぞ!」

川;д川「も、もう、走れません……」

サーカステントから逃げて来た二人だったが
走りにくい靴をはいた少女は足をくじいてしまう

アミューズメント複合施設を抜け、走ること約1キロ半……
民間と田んぼもまばらな田舎とはいえ、県道であり、外灯が明るい
この位置では、まだ安全とは言えないであろうが

やむを得ずドクオは、道沿いに立つ自販機で
少女と自分の分の飲み物を買おうとした

「よう」

自販機前に立つ男に声をかけられたドクオ

(;'A`)「誰だ!」

男は小さく歌っている

( ∀-キ)「♪闇の中、ポツンと光る、自動販売機……」

( ∀゚キ)「♪百円玉で買える温もり、熱いカンコーヒー握りしめ……ってな?キシシ」

(;'A`)「運転手さん!なんでここに!?」

615同志名無しさん:2014/11/24(月) 23:43:08 ID:zxrwp5nMO
( ∀゚キ)「ドクオ。俺の分もカンコーヒーを奢れや」

ヘラヘラと笑う運転手

( ∀゚キ)「なるほどな。そっちの娘さんがドクオのシンデレラさんって訳かい」
(;'A`)「邪魔しないでくれ運転手さん。俺達追われてて、この子、もう走れなくって……」

川;д川

少女は怯えたように運転手を見、ドクオの背に隠れる

( ∀^キ)「この魔法使いめにコーヒーを奢れや。そしたら、魔法の馬車をあげましょう!キシシ」

(;'A`)川д川「え?」

616同志名無しさん:2014/11/25(火) 00:03:22 ID:QUQg197sO
≡≡川д(;'A`)「♪盗んだバイクで走り出す」

≡≡川д(;'A`)「♪行く先も、分からぬまま……」


( ∀-キ)「♪暗い夜の帳の、中へ……」

カタナに乗って去っていく二人を見送らず
ハインドは指をポキポキと鳴らし

二人を追ってきたサーカス団員に向かい直る

( ∀-キ)「♪誰にも縛られたくないと」

( ∀゚キ)「♪暗闇に、逃げ込んだ」

サーカス団員の中から一名が前に進み出る

( `ハ´)「お前、誰アル!?二十歳位の男と15歳くらいの娘の二人連れを見なかったアルか?」

シルクハットを被りドジョウ髭を蓄えた
おそらくはサーカス団長とおぼしき男の質問……

には、ハインドは返事をせず

( ∀゚キ)「♪自由になれた気がした、15の夜〜」

その代わりに

  ゴッ!
(#;ハ( ∀゚キ#)「ウラァ!!」

頭突きで答えた

617同志名無しさん:2014/11/25(火) 00:07:32 ID:QUQg197sO



そして

618同志名無しさん:2014/11/25(火) 00:20:30 ID:QUQg197sO
0時

いつもならバスが走り出す時間だが、運転手はいない

モランはシャキンとギコに促され、バスのドアを開け
運転席にモラン宛の封書を見つける

それには、こうある

**

モランへ

バスツアー達成は、おめぇより俺の方が先にしていた

俺は半年前からずっと、脱落せずにこのバスに乗り続けていた訳だからな
だもんで、気の毒だが金は俺が貰っていく
あんまり気の毒だから、このオンボロバスと、ツアー主催者の権利はおめぇにくれてやる。好きにしな

他のツアー連中にもよろしく言っといてくれ

じゃあな。あばよ

すべてのギャンブラーに愛を込めて

運転手

**

619同志名無しさん:2014/11/25(火) 00:25:02 ID:QUQg197sO
( ∀゚キ)ギャンブルスカベンジャーのようです

620同志名無しさん:2014/11/25(火) 00:42:18 ID:QUQg197sO
(-@∀@)フウ「ねえ?シャキンさん?」

ため息をつきながら、しかし、晴れやかな表情でモランは言う

(-@∀@)「このバスとツアーの権利、買ってくれませんか?僕は普通免許しかないし」


(`・ω-´)「500万。だよな?」

(-@∀@)「ですね」

モラン、シャキン共に、このオンボロバスには500万の価値などないと分かってはいる

しかし、シャキンは言う

(`-ω-´)「……OK」

(-@∀@)「ありがとうございます」

  _
(;゚∀゚)「助かるぜ!俺達、参加費払い損になるとこだったからな」
  _
( ゚∀゚)「シャキンが繋いでくれりゃ、番組化も夢じゃねえ!」
  _
(*゚∀゚)「シャキンオーナー!ギャンブルバス再開はいつだい?」

(`・ω・´)「テレビ向けに内容を検討しよう。長岡プロデューサー……」

(`・ω<´)「しっかり元は取らなきゃね!」

  _
(*゚∀゚)「オッケー!ボス!」


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