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( ・∀・)親指夢のようです
22
:
同志名無しさん
:2013/04/21(日) 10:48:00 ID:0U9c32P20
川 ゚ -゚) もし次の中間テストで。モララーが一位を取ったら?
( ・∀・) ……そうだな。お前を指差して笑う
川 ゚ -゚) 二位を取ったら?
( ・∀・) お前以外のクラスメイトを見渡して、優越感に浸る
川 ゚ -゚) 三位は?
( ・∀・)
川 ゚ -゚)
川 ゚ -゚) 四位
( ・∀・)
川 ゚ -゚)
23
:
同志名無しさん
:2013/04/21(日) 10:49:29 ID:0U9c32P20
川 ゚ -゚)
川 ゚ -゚) お前、沸点高いな
( ・∀・)
( ・∀・) はあ
24
:
同志名無しさん
:2013/04/21(日) 10:50:06 ID:0U9c32P20
川 ゚ -゚) そんなんじゃ。本当の幸せは見つからんぞ
( ・∀・) 本当の幸せ
川 ゚ -゚) そうだ
川 ゚ -゚) モララーのような小市民は、ブーンたちとは違って
川 ゚ -゚) 小さな幸せを噛み締めて生きるべきだ
( ・∀・)
25
:
同志名無しさん
:2013/04/21(日) 10:50:50 ID:0U9c32P20
川 ゚ -゚) それゆえ
川 ゚ -゚) 幸福の沸点は低めに設定しておけ
( ・∀・)
( ・∀・) 肝に銘じちゃお
川 ゚ -゚) よし
26
:
同志名無しさん
:2013/04/21(日) 10:51:24 ID:0U9c32P20
川 ゚ -゚) 朝の光がまぶしいとか、手のひらを太陽に透かして見れば
川 ゚ -゚) 真っ赤に流れる僕の血潮とか
川 ゚ -゚) そういうことに幸せを感じろ
( ・∀・)
( ・∀・) じゃあさ
( ・∀・) 内藤ホライゾンたちはどうなの
川 ゚ -゚)
27
:
同志名無しさん
:2013/04/21(日) 10:53:16 ID:0U9c32P20
川 ゚ -゚) ブーンたちのはちょっとリスクが伴うから
川 ゚ -゚) 沸点が高い低いの話ではないのかもな
川 ゚ -゚) けれど、幸せの感じ方っていうのは人それぞれ
川 ゚ -゚) それだけの話だよ
( ・∀・)
( ・∀・) ほんとに?
川 ゚ -゚)
28
:
同志名無しさん
:2013/04/21(日) 10:54:06 ID:0U9c32P20
( ・∀・) ……
( ・∀・) 幸福の沸点ね。なるほど面白みのある発想だよ
( ・∀・) でもさ
( ・∀・) 俺が話したかったことと違わない?
川 ゚ -゚) すまんな
川 ゚ -゚) 勝手に持論をひけらかして
( ・∀・) いいよいいよ別に
( ・∀・) じゃあさ。じゃあ、だよ
川 ゚ -゚)
( ・∀・) クーにとっての、幸福の沸点はなんだ?
29
:
同志名無しさん
:2013/04/21(日) 10:54:46 ID:0U9c32P20
川 ゚ -゚) わたしか?
川 ゚ -゚) ……そうだな
( ・∀・)
川 ゚ -゚) お前と、一緒にいることかな
( ・∀・)
川 ゚ -゚) 私はそういうことに幸せを感じるよ
30
:
同志名無しさん
:2013/04/21(日) 10:55:55 ID:0U9c32P20
( ・∀・)
川 ゚ -゚)
川 ゚ -゚) なんて言うと思ったか
( ・∀・) 死ねよ
川 ゚ -゚) ふざけろ
( ・∀・) ハゲ
川 ゚ -゚) ごちそうさまでした
( ・∀・) ガリ勉
川 ゚ -゚) モララー。昼休みの間だけWRのForest貸して
( ・∀・) 自分で持って来いよ
川 ゚ -゚) 鞄に入れると重たいよなこれ
( ・∀・) 元ソフト部がよく言うよな。ほれ
川 ゚ -゚) ありがとうな
31
:
同志名無しさん
:2013/04/21(日) 10:57:07 ID:0U9c32P20
川 ゚ -゚)φ
昼休みの喧騒から逃れるように。
クーは耳にイヤフォンを取り付けた。
教室に。音楽機器の持ち込みは校則違反だったけれど。
誰もクーを咎めるでもない。当たり前だ。
これぐらいのこと、誰だってするんだ。
赤信号、みんなで渡れば怖くないのだ。
外部とのシャットアウト。
ひとりで勉強に励むクーの後姿を。
モララーはぼんやりと見つめた。
自作のお弁当をつつきながら。
モララーは腹の底から突き上げてくるような怒りを感じている。
32
:
同志名無しさん
:2013/04/21(日) 10:57:49 ID:0U9c32P20
クーの精神分析によると。
モララーの"幸福の沸点"は高いらしい。
些細なことに幸せを見出せないらしい。
反面、モララーの"怒りの沸点"は低かった。
くだけた笑い、無為な時間、怠惰に堕したクラスメイト……校則違反。
ついでに。
事あるごとにテストの順位を競い合うことになった目の前の女子高生。
現状、モララーは0勝4敗。
これもモララーを苛立たせた。
33
:
同志名無しさん
:2013/04/21(日) 10:58:35 ID:0U9c32P20
モララーは自分があまりに短気な人間だと認識している。
直したいと思う。でも、いけない。
自分が強い自己中心主義者であるために。
どんなに小さな悪意も見逃せない。
まるで自分が正義のヒーローだと錯覚するばかりに。
何もかもが未解決のまま。
ただただ時間だけが過ぎていく。
そんなことでさえモララーには腹立たしいのだ。
( ・∀・)
空になった弁当箱に。
モララーはごちそうさまでしたと手を合わせた。
34
:
同志名無しさん
:2013/04/21(日) 10:59:10 ID:0U9c32P20
川 ゚ -゚)φ
気付いていた。
クーの"幸福の沸点"に。モララーは気付いていた。
言葉が通じないために、忠誠心を目で訴えるしかない飼い犬のように。
モララーを見つめるクーの瞳はずっとそう。
ずっとそうだ。
今朝から。授業中から、ペアの英会話から、昼食から……。
モララーを透かして、ずっと。
その瞳は。モララーではない別の人影をずっと追っていた。
その人影こそ。クーの"幸福の沸点"だった。
35
:
同志名無しさん
:2013/04/21(日) 10:59:56 ID:0U9c32P20
寡黙に日々を生き抜いているクーのような女性が。
いかに男性を強く愛するか。知らないモララーではない。
モララーと頬と頬をよせ合うことで、クーは幸せを感じたりなんかしない。
痛烈な皮肉めいた、笑えないジョーク。あれはそういう種類。
誠実に響く言葉を並べられたから。騙されてあげた。
罪を知らないクーに騙されてあげたモララーはやさしい。
( ・∀・)
クーの"幸福の沸点"の名前を、モララーは知っている。
それはドクオという名前の男だ。
モララーが仲を引き裂いたはずのドクオに、クーはまだ恋をしている。
36
:
同志名無しさん
:2013/04/21(日) 11:00:49 ID:0U9c32P20
−放課後
( ФωФ) 気を付けて帰れよー
( ФωФ) あとソフト部は我輩の部会があるから遅れるなよー
ミセ*゚ー゚)リ あははっ! いっつも先生が遅れてるじゃーん!
( ФωФ) 我輩はいろいろあるのー
川 ゚ -゚)φ カリカリ
( ・∀・)
川 ゚ -゚)φ 図書室
( ・∀・) いいわ。このまま帰る
川 ゚ -゚)φ そうかじゃあな
( ・∀・) おう
37
:
同志名無しさん
:2013/04/21(日) 11:01:22 ID:0U9c32P20
( ・∀・)
川 ゚ -゚)φ
川 ゚ -゚)φ ?
( ・∀・) や、何でもない
川 ゚ -゚)φ 変なヤツ
( ・∀・) それよく言われる
川 ゚ -゚)φ
川 ゚ -゚)φ ばいばい
( ・∀・)
38
:
同志名無しさん
:2013/04/21(日) 11:02:09 ID:0U9c32P20
テクテク
( ・∀・)
( ・∀・) (しまっ)
( ・∀・) (たForest返してもらうの忘れて)
( ・∀・) (たまあ良い)
( ・∀・) (か今日はスクランブルやろ)
( ・∀・) う
( ・∀・) あ?
39
:
同志名無しさん
:2013/04/21(日) 11:02:57 ID:0U9c32P20
( ^ω^) ξ゚⊿゚)ξ
( ・∀・)
( ・∀・) (何でアイツら学校いんの)
( ・∀・) (お?杉浦先生だ)
('A`) ( ФωФ)
( ・∀・) (ありゃあ保健室登校の)
( ・∀・) (誰だっけかな)
( ・∀・)
40
:
同志名無しさん
:2013/04/21(日) 11:03:47 ID:0U9c32P20
( ^ω^) ξ゚⊿゚)ξ ペコリ
( ・∀・) は
( ・∀・)
( ・∀・) は?w
( ・∀・) (何で頭下げてるの?www)
41
:
同志名無しさん
:2013/04/21(日) 11:04:37 ID:0U9c32P20
('A`) (ФωФ )
(;^ω^) ξ;゚⊿゚)ξ ペコペコ
( ・∀・) (ああねwww)
( ・∀・) (はいはいwwwww)
( ・∀・) (色々あんのね。まあでもたぶん)
( ・∀・) (退学するにあたって、イジメの後始末を付けにきたってところ?)
42
:
同志名無しさん
:2013/04/21(日) 11:05:36 ID:0U9c32P20
('A`) (ФωФ )
('A`) (ФωФ ) フゥ
('A`) ( ФωФ) シッシッ
(;^ω^) ξ;゚⊿゚)ξ
(;^ω^) ξ;゚⊿゚)ξ ペコリ
トボトボ......
( ・∀・)
( ・∀・) 良いモン見た!
( ・∀・)
( ・∀・) (……謝って済む話?)
43
:
同志名無しさん
:2013/04/21(日) 11:06:45 ID:0U9c32P20
( ・∀・) (そうだドクオだ。いじめられっ子のドクオ)
( ・∀・) (内藤ホライゾンは。ドクオをいじめていたのか?)
( ・∀・) (ますますクズだな)
( ・∀・)
( ・∀・) (仲良かったはずなのにな。アイツら。なんでこうなったんだろ)
( ・∀・)
( ・∀・) (なんてね)
( ・∀・) (全部俺のせいなんだけどね)
(#`ω´) ('A`#) (・∀・ )
44
:
同志名無しさん
:2013/04/21(日) 11:07:23 ID:0U9c32P20
( ・∀・)
( ・∀・) (あ……?)
( ・∀・) (変だな。記憶のワンシーンしか思い出せない)
( ・∀・) (あれ? なんで俺のせいなんだっけ?)
( ・∀・) (よく思い出せんわ)
( ・∀・) (いいやもうはやく帰ろっと)
45
:
同志名無しさん
:2013/04/21(日) 11:09:29 ID:0U9c32P20
モララーは帰った。
同じ顔を何棟も並べた集合団地に。住宅団地に。
暗い、どす黒い、窮屈な箱庭のなかに。モララーの家はあった。
一号棟の二階。一号棟はいちばんはじめに建てられた。
壁に走る亀裂から。
灰色のうすっぺらな幽霊が出てくる悪夢にうなされた夜もあったっけ。
古ぼけたフェンス。
錆びた赤が傷跡のように覗いている針金。を編み合わせてつくった外界との強い境界。
そんなフェンスにある一点の抜け穴をモララーはくぐった。
それは別名トトロのトンネルと呼ばれる。モララーの帰り道。
( ・∀・)
モララーは重たい鉄の扉の、鍵をまわした。
ここに生まれ落ちて育ち、雲のごとく集まった人間たちと同じ時間を共有した。
ここはクズのバーゲンセール三割引き。
抜いたばかりの歯の跡からドクドクと血が湧き出るような。
そんな嫌悪感をコルトに装填して団地のクズ人間たちの脳天を撃ち抜いてまわりたいモララー。
46
:
同志名無しさん
:2013/04/21(日) 11:10:36 ID:0U9c32P20
午後四時半に両親は仕事に出ていた。モララーは一人っ子だ。
ふたりが帰って来るまで。
英語の予習をして。
今夜の献立は麻婆豆腐で。
そうだ。洗濯物も取り込まなきゃいけないな。
でもでもその前に。
モララーは夢想する。
願いを包んだあまいあまい夢を。
( ・∀・)
( ・∀・) つーちゃん
(*゚∀゚) あ?
47
:
同志名無しさん
:2013/04/21(日) 11:11:28 ID:0U9c32P20
( ・∀・) やろっか
(*゚∀゚) ああ?
( ・∀・)
(*゚∀゚) やるのか?
( ・∀・) やろっか
(*゚∀゚) ああ?
48
:
同志名無しさん
:2013/04/21(日) 11:12:12 ID:0U9c32P20
( ・∀・) 今日も疲れたよ
(*゚∀゚) ああ?
( ・∀・) まったく
( ・∀・) クーは俺の思い通りになってくれないよ
(*゚∀゚) ああ?
( ・∀・) さ、はじめてよ
(*゚∀゚) ああ?
( ・∀・) 聞いてる?
(*゚∀゚) アヒャ
( ・∀・) あのさあ……
(*゚∀゚) アヒャアヒャヒャ!
( ・∀・) 良い? じゃあ今日もまずはコイツからで
( ФωФ)
49
:
同志名無しさん
:2013/04/21(日) 11:13:36 ID:0U9c32P20
( ・∀・) (*゚∀゚) ( ФωФ)
モララーは胸中に一匹の仔猫?少女?を飼っている。
それは想像が生み出した。仔猫。夢のなかでしか飼えない仔猫。
少女?仔猫?それは分からない。
しかし。少女の頭には仔猫の耳がはえている。
人格はころころと態度をひるがえす忘恩の徒。
少女になったかと思えば仔猫になってじゃれて来たり。
靴は泥ひとつない清楚なストラップシューズ。肉球がとってもキュートで可愛い。
わが妄想の所産物でありながら。
モララーはその容姿・人格の奇妙奇天烈さに失笑を禁じえなかった。
紅い唇と頬をして、ひやひやと狂ったようにあざけり笑う少女。
仔猫の名前をつーと言う。
50
:
同志名無しさん
:2013/04/21(日) 11:15:31 ID:0U9c32P20
つーは猟奇的な殺人鬼。モララーが養う夢のなかで、つーは、
( ФωФ):::*゚∀゚)
人を殺す。
51
:
同志名無しさん
:2013/04/21(日) 11:23:24 ID:q7zfPkEg0
ごめんなさい数時間ぐらい離席します
52
:
同志名無しさん
:2013/04/21(日) 11:46:40 ID:Okbv/NuU0
面白いな、期待
53
:
同志名無しさん
:2013/04/21(日) 13:47:57 ID:Iaa5YmaE0
ふむ 面白い
54
:
同志名無しさん
:2013/04/21(日) 16:07:32 ID:MxGQToyo0
(*゚∀゚) アヒャ♪
あまい嬌声をあげて。
つーは口許まで飛び散った血飛沫を、舌先で舐め取る。
杉浦先生の太い首。頸動脈まで噛み千切られていた。
血、血、血。赤色のあぶくを吹きながら流れ続けた。
髪を切れば。切った髪が自分の髪ではなくなってしまうように。
所有者がファジー。になってしまうように。
杉浦先生の血であったものが。杉浦先生の血ではなくなっていく。
ただの血になっていく。
ぽたぽたと垂れる血だまりには。薄い黄色の斑点がうかんでいた。胃液だ。
55
:
同志名無しさん
:2013/04/21(日) 16:08:58 ID:MxGQToyo0
( ・∀・) 杉浦先生。俺は杉浦先生を許しません
( ・∀・) 俺はソフトボール部の、エースピッチャーとしてのクーを愛していたのに
( ・∀・) ただの利口な、俺より頭の切れる
( ・∀・) クーを俺には手に負えない女してしまった
( ・∀・) 子供っぽい癇癪と言われたって構わない。俺は許しません。クーの退部を認めた杉浦先生を
( ФωФ)
56
:
同志名無しさん
:2013/04/21(日) 16:09:37 ID:MxGQToyo0
( ・∀・) さてと……次行こうか
(*゚∀゚) ああ?
(*゚∀゚)
( ・∀・) まあ、セオリーで行くと。こうだよな
ξ゚⊿゚)ξ
57
:
同志名無しさん
:2013/04/21(日) 16:10:37 ID:MxGQToyo0
(*゚∀゚) アヒャ♪
津出麗羅の両脚をつーは噛み千切った。
津出麗羅がもう何処にも行かないように。非行に走らないように。
愛情を注ぐように。いたわるように。噛んで、噛んで。
つーはモララーの指示するとおりに動くだけ。
そんないつに変わらぬルーチンが。今日はどこかしら違って見えたのは何故だろう。
それは津出麗羅が退学処分を受けてしまったから。
モララーの手にはとどかない。自由の翼をひろげて。青い鳥が出立するように。
津出麗羅がはるか彼方まで飛んで行ってしまったから。
58
:
同志名無しさん
:2013/04/21(日) 16:11:15 ID:MxGQToyo0
( ・∀・) あんな白豚と根暗の
( ・∀・) キモメン童貞でゲッツーの男子に囲われているきみが気に食わなかったんだ
( ・∀・) きみはあまりに美しいから
( ・∀・) でも、ついにきみは俺のもとには来なかったね
( ・∀・) 残念だよ
ξ゚⊿゚)ξ
59
:
同志名無しさん
:2013/04/21(日) 16:11:47 ID:MxGQToyo0
( ・∀・) 次は……コイツらか?
(*゚∀゚)
( ・∀・) 正直言ってもう何とも思ってないんだけどね
(*゚∀゚)
( ^ω^) ('A`)
60
:
同志名無しさん
:2013/04/21(日) 16:14:07 ID:MxGQToyo0
(*゚∀゚) アヒャ♪
今しがた。判決を言い渡された死刑囚のような顔をして。
ふたりの男はつーを見つめている。
たちまちつーに歯型を刻まれていく体。両うで、両あし。あたま、耳……。
群がる蠅のように赤色の血。噛み跡に赤色の血がぷくりと膨らんでいく。
白豚のほうは噛み応えがありそうだ。
つーは人肉嗜食(カニバリズム)を究極の愛情表現と誤解しているふしがある。
となれば。自然。骨と皮ばかりで覇気がない根暗のほうにつーは見向きもしない。
根暗は。戦わずしてつーに嫌われていた。
モララーは笑った。
根暗も噛み殺せとモララーは笑った。つーは眉間にしわを刻んだ。可愛い。
この将来が不安になる可愛さはきっと明日の朝刊に載る。『つー、眉根を寄せる』。
モララーは野菜も食べなさいと夕食の席で娘を叱るやさしい父親の気持ちであった。
61
:
同志名無しさん
:2013/04/21(日) 16:15:30 ID:MxGQToyo0
( ・∀・) お前らはクズだからさ
( ・∀・) あんな美人ふたり連れてるのがそもそもの間違い
( ・∀・) 白豚はそのまま少年院にでも行ってらっしゃい
( ・∀・) 根暗は首吊って死ねよ
( ^ω^) ('A`)
62
:
同志名無しさん
:2013/04/21(日) 16:17:14 ID:MxGQToyo0
( ・∀・)
(*゚∀゚)
( ・∀・) ハァ。スカッとするなあ
(*゚∀゚)
(*゚∀゚) あのよお
( ・∀・) ?
63
:
同志名無しさん
:2013/04/21(日) 16:18:47 ID:MxGQToyo0
(*゚∀゚) お前はいったい何がしたいんだ?
( ・∀・) はい?
(*゚∀゚) こんなことしたって。無意味だとは思わないのか?
( ・∀・)
( ・∀・) 思わないね
(*゚∀゚) そりゃまたどうして
( ・∀・) それはね
( ・∀・) 俺は自己中心主義者でありながら
( ・∀・) 完璧主義者でもあるからだ
(*゚∀゚)
(*゚∀゚) ああ?
64
:
同志名無しさん
:2013/04/21(日) 16:19:46 ID:MxGQToyo0
( ・∀・) 俺は最良の高校生活が過ごせるように
( ・∀・) 完璧なプランニングを立てた。ところが
( ・∀・) イレギュラーが数多くある
(*゚∀゚) ああ?
( ・∀・) 白豚と根暗がとんでもない美女を囲ってる
( ・∀・) まあ。これは俺の力で何とか仲を引き裂いたわけだけど結局
( ・∀・) ツンは俺になびかず。クーは俺より成績が良い
( ・∀・) そんな
( ・∀・) そんなじめじめとした不満を晴らす。言わば空気の入れ替え
(*゚∀゚) ああ?
65
:
同志名無しさん
:2013/04/21(日) 16:20:20 ID:MxGQToyo0
( ・∀・)
( ・∀・) つーは俺にとっての通気孔なんだよ
(*゚∀゚)
(*゚∀゚) アヒャ!
66
:
同志名無しさん
:2013/04/21(日) 16:21:03 ID:MxGQToyo0
( ・∀・) 誰だって非効率的な青春時代を過ごすのはいやだろ
(*゚∀゚)
( ・∀・) かと言って。全部が全部、俺の思い通りになるわけではなし
( ・∀・) そんなわけで。つーには一応感謝している
(*゚∀゚)
( ・∀・) ようし! そろそろ洗濯物を取り込まなきゃいけないし
( ・∀・) これで最後にしよ
(*゚∀゚) アヒャ!
川 ゚ -゚)φ
67
:
同志名無しさん
:2013/04/21(日) 16:21:44 ID:MxGQToyo0
(*゚∀゚) だったらよーモモリー
( ・∀・) モララーね
(*゚∀゚) こういうのはどうだ?
( ・∀・)
( ・∀・) へえ
( ・∀・) 包丁?
(*゚∀゚)
川 ゚ -゚)φ
( ・∀・)
( ・∀・) 好きにすれば?
(*゚∀゚) アヒャ!
68
:
同志名無しさん
:2013/04/21(日) 16:22:16 ID:MxGQToyo0
( ・∀・) (*゚∀゚) 川 ゚ -゚)φ
( ・∀・) そうだ
( ・∀・) 親指を切れ
(*゚∀゚) ああ?
69
:
同志名無しさん
:2013/04/21(日) 16:23:14 ID:MxGQToyo0
( ・∀・) 親指がなければ
( ・∀・) 勉強するにもペンが握れないだろう?
(*゚∀゚) ああ?
( ・∀・) やれよ
(*゚∀゚)
( ・∀・) やれ
(*゚∀゚)
70
:
同志名無しさん
:2013/04/21(日) 16:24:09 ID:MxGQToyo0
(*゚∀゚)
(*゚∀゚) 思いは
( ・∀・) ?
(*゚∀゚) 思いが強すぎると……
( ・∀・)
( ・∀・) 何言ってんだお前?
(*゚∀゚)
( ・∀・) さっさとやれよ
(*゚∀゚)
(*゚∀゚) アヒャ
71
:
同志名無しさん
:2013/04/21(日) 16:25:47 ID:MxGQToyo0
川 ゚ -゚)
クーの。両手の。親指。切られた。
桃色のシャープペンシルがクーの手からすべり落ちた。
親指はまるで無名ブランドのポークウインナーのよう。
ひび割れた部屋の壁まで親指は吹き飛んで。
歪んだカーテンレールに音を立てて当たって。
バタリと畳のうえに落ちたクーの親指。
すげー夢の世界ってすごい!
この情景の凄まじさに。
オリエンタルランドグループの筆頭株主は。
アミューズメント施設を設計するうえでの鋭いアイデアを得るはず。
Anarchy in the ( ・∀・) モララー☆
他人の不幸を。怪我を、死を。
夢に託すのはいたって健康な人間のすることだって知る人はすくない。
72
:
同志名無しさん
:2013/04/21(日) 16:27:24 ID:MxGQToyo0
( ・∀・)
モララーはにやにや笑っている。わが悪魔的妄想に酔って。
それだから。
次の言葉はモララーの胸に響かなかった。何も奪わなかった。
川 ゚ -゚) お前たちのせいで
( ・∀・)
(*゚∀゚)
川 ゚ -゚) 私たち四人は楽しくやっていたのに
( ・∀・)
( ・∀・) 知らねえよ
川 ゚ -゚)
73
:
同志名無しさん
:2013/04/21(日) 16:28:13 ID:MxGQToyo0
( ^ω^) ξ゚⊿゚)ξ ('A`) 川 ゚ -゚)
74
:
同志名無しさん
:2013/04/21(日) 16:29:21 ID:MxGQToyo0
−翌日
ガララッ
( ・∀・) モーニン!
川 ゚ -゚) おはよう
( ・∀・) おはよ
川 ゚ -゚)
( ・∀・)
75
:
同志名無しさん
:2013/04/21(日) 16:29:56 ID:MxGQToyo0
( ・∀・) ドクオが交通事故に遭ったって?
川 ゚ -゚)
( ・∀・) 知らなかった!
川 ゚ -゚)
( ・∀・) なんで?
川 ゚ -゚)
( ・∀・) ねえ
川 ゚ -゚)
( ・∀・) なんで?
川 ゚ -゚)
76
:
同志名無しさん
:2013/04/21(日) 16:31:18 ID:MxGQToyo0
川 ゚ -゚)
( ・∀・)
川 ゚ -゚)
( ・∀・) ?
川 ゚ -゚)
( ・∀・) ほんとだよ!
( ・∀・) 嘘みたいな話だけどさ俺
( ・∀・) ドクオとは同じ団地に住んでるんだ
( ・∀・) だから知ってるんだよ!
川 ゚ -゚)
( ・∀・) 今朝はその事故で意識不明の重体が出た
77
:
同志名無しさん
:2013/04/21(日) 16:32:03 ID:MxGQToyo0
川 ゚ -゚)
( ・∀・)
川 ゚ -゚) そうか。ドクオくんが
川 ゚ -゚) 事故に遭ったのか
( ・∀・)
( ・∀・) あれ?
川 ゚ -゚) ん?
78
:
同志名無しさん
:2013/04/21(日) 16:33:06 ID:MxGQToyo0
( ・∀・)
( ・∀・) クーのことだから
( ・∀・) もっとおどろくかと思ってた
川 ゚ -゚)
( ・∀・) あわよくば。クーが泣きじゃくる姿を見られるとも思ってた
川 ゚ -゚) は?
川 ゚ -゚) 馬鹿かお前は?
( ・∀・) えっ
79
:
同志名無しさん
:2013/04/21(日) 16:33:52 ID:MxGQToyo0
川 ゚ -゚) わたしは泣くほどの神経は持ち合わせていないさ。だって
川 ゚ -゚) 同級生が不運な事故に遭って昏睡している
川 ゚ -゚) 言葉にしてしまうといたましい話だが
川 ゚ -゚) 実際。それだけのことだろ
( ・∀・)
川 ゚ -゚) 違うのか?
( ・∀・) 同級生だって?
川 ゚ -゚) そうだろう
( ・∀・)
80
:
同志名無しさん
:2013/04/21(日) 16:34:33 ID:MxGQToyo0
( ・∀・) 違うね!
川 ゚ -゚) !?
( ・∀・) だってきみはドクオのことを……!
( ・∀・) ずっと……!
川 ゚ -゚)
川 ゚ -゚) ずっと?
( ・∀・) ……
( ・∀・) ……ところで
川 ゚ -゚) なんなんだ今朝から?
川 ゚ -゚) 変なヤツだな
( ・∀・) さっきから気になってたんだけど
81
:
同志名無しさん
:2013/04/21(日) 16:35:13 ID:MxGQToyo0
( ・∀・)
川 ゚ -゚)
( ・∀・) なんで両手の親指がないの?
川 ゚ -゚)
川 ゚ -゚) え?
82
:
同志名無しさん
:2013/04/21(日) 16:41:42 ID:MxGQToyo0
投下はここで一区切りです。感想ありがとうございますm(_ _)m
83
:
同志名無しさん
:2013/04/21(日) 20:33:28 ID:Okbv/NuU0
乙
モララー狂ってんな
84
:
同志名無しさん
:2013/04/22(月) 17:21:30 ID:ETe.hx2M0
おぉ!好きだこういうの!乙!
85
:
同志名無しさん
:2013/04/29(月) 00:39:36 ID:4/.iozSk0
なんだこれ言葉選びのセンスがヤバイ好みだわ
乙
86
:
同志名無しさん
:2013/05/02(木) 13:12:08 ID:lCF0kVNMO
いいな、好きだ
おつ
87
:
同志名無しさん
:2013/05/18(土) 20:48:50 ID:6TRr8PO.0
−1年前
オレンジの太陽。強くなる夏の陽射しの部屋から、
ありし日のモララーは、団地の庭先に咲くひまわり見ている。
( ・∀・)
日だまりの庭は、子供たちが集まる広場でもあった。
滑り台。ブランコ。砂場に群がる彼らを見ていると、
そこはさながら、ひとつの村のようでもあった。
子供たちの肌は、ひとりひとり、みな健康的に黒く日焼けしている。
メッキ落ち易く、日に焼けすぎてみな、鼻の皮がめくれて赤い。
勉強部屋にひきこもって、青白い顔をしたモララーとは大違い。
ベランダの柵にもたれて、アイスを舐めながら、モララーひまわり見ている。
('A`) 川 ゚ -゚)
学校帰りだろうか? 下ろしたての夏のポロシャツ。制服姿だ。
黄色いひまわりの傍らにふたりは立っている。花びらは西日を向いてしおれていた。
88
:
同志名無しさん
:2013/05/18(土) 20:49:41 ID:6TRr8PO.0
('∀`) 川 ゚ー゚)
クーが微笑み、そんなひまわりを見て何事かささやいた。
ドクオが下らなそうに笑った。
クーがジェスチャー交えて何事か怒鳴った。
ドクオが下らなそうに頭を下げて謝った。
クーが微笑み、そうして安らかな沈黙が降りた。
ドクオが下らなそうに夕空を仰いだ。
クーが……ドクオが……
クーが……ドクオが……
モララーひまわり見ている。
89
:
同志名無しさん
:2013/05/18(土) 20:50:38 ID:6TRr8PO.0
( ^ω^) ξ゚ー゚)ξ
そんなクーとドクオを冷やかすように。
あの青年男女ふたり組が、トトロのトンネルを潜って現れた。
マックの袋を小脇に抱えて。テリヤキバーガーもぐもぐ噛みつつ。
黒髪で、ピアスも開けていない、無垢だった頃の内藤ホライゾン。
地毛が金髪ドリルツインテールの、目付きが鋭い津出麗羅。
( ^ω^) ξ゚⊿゚)ξ ('A`) 川 ゚ -゚)
ふたりがふたりに合流する。合わせて四人。内藤カルテット。
これが彼らのグループだ。
90
:
同志名無しさん
:2013/05/18(土) 20:51:34 ID:6TRr8PO.0
それは。それはそれは。
あまりに好調で、健全で、幸せで、すべてを優越する綺麗な四角関係で。
( ・∀・)
なあ、おかしいよな、とモララーは思う。
白ピザの内藤ホライゾンと、根暗のドクオがあそこにはいて。
なんでおれはひとりぼっちなんだよ、とモララーは思う。
( ^ω^) ξ゚⊿゚)ξ ('A`) 川 ゚ -゚)
モララーはあの集団にまざりたかっただけ。
ただ仲良くなりたかっただけ。
彼らは都市の為政者で。モララーは貪欲で血なまぐさい遊牧民で。
この両者は、相容れないものなのだと。
世界の戦争の大方の発端は、この両者がおたがいに反目し合うからなのだと。
モララーは知っている。だから、遊牧民たるモララーは。ルサンチマンとそねみで
頭ん中がパンパンに膨らんで破裂しそうなのだ。
91
:
同志名無しさん
:2013/05/18(土) 20:52:16 ID:6TRr8PO.0
そんなとき。
( ・∀・)
(*゚∀゚)
胸のなかに
92
:
同志名無しさん
:2013/05/18(土) 20:52:47 ID:6TRr8PO.0
−昼休み
川 ゚ -゚) 今朝はおどろいたよ
( ・∀・)
川 ゚ -゚) モララーは。変なところで繊細だから
川 ゚ -゚) 私に両手の親指がないことを
川 ゚ -゚) ずっと訊かない気でいたのかと……
( ・∀・)
( ・∀・) 聞かせてよ
( ・∀・) なんで親指がないのか
川 ゚ -゚)
93
:
同志名無しさん
:2013/05/18(土) 20:53:28 ID:6TRr8PO.0
川 ゚ -゚) なんだか、人が変わったみたいだな
( ・∀・)
川 ゚ -゚) ……猫に噛まれてね
( ・∀・) ネコ?
( ・∀・) ネコだって?
川 ゚ -゚) ? ああ
川 ゚ -゚) ずっと昔の話らしい。幼いときで、痛みも覚えていないな
川 ゚ -゚) 付け根から噛み千切られたんだって。私の親指。笑えるだろ
( ・∀・)
川 ゚ -゚) 私はそこまで、猫に酷いことをした覚えはないんだけどな
( ・∀・)
( ・∀・) (どういうことだ……)
94
:
同志名無しさん
:2013/05/18(土) 20:54:02 ID:6TRr8PO.0
( ・∀・) (俺の、)
( ・∀・) (妄想が?)
( ・∀・) (こんな)
川 ゚ -゚)
( ・∀・)
( ・∀・) (ねーよ)
川 ゚ -゚)
( ∀ ) (ねえよねえよねえよねええよねぇぇぇぇえええええええ…………)
川 ゚ -゚) モララー
川 ゚ -゚) モララー?
( う∀ )
95
:
同志名無しさん
:2013/05/18(土) 20:54:38 ID:6TRr8PO.0
川 ゚ -゚) モララー
( う∀ )
川 ゚ -゚) 焦らしてるのか?
( う∀・) えっ
( う∀・) な、な、な、にが?
川 ゚ -゚) 弁当だよ言わせるな
( ぅ∀・) は?
川 ゚ -゚)
川 ゚ -゚) 本当に人が変わったんじゃないかお前?
( ぅ∀・)
96
:
同志名無しさん
:2013/05/18(土) 20:55:18 ID:6TRr8PO.0
川 ゚ -゚) あのな。何度も言いたくないが
川 ゚ -゚) 私には親指がないんだよ
川 ゚ -゚) フォークなら持てるぞ。でも。モララーは私にこうしたいって何度も言ってたろ
( ぅ∀・)
川 ゚ -゚)
川 ゚ -゚) あーんって
( ・∀・)
( ・∀・)
(*・∀・) マジで?
97
:
同志名無しさん
:2013/05/18(土) 20:56:13 ID:6TRr8PO.0
川 ゚ -゚) (・∀・*)
親指がない少女の口まで、箸で卵焼きを運ぶ少年。
「あーん」と口を開かせて、食べさせてあ・げ・る―♥
教室にどよめき。湖面の波紋のようにどよめき、伝播してやがてしずまった。
親指がない少女も、さすがにこれには表情を歪めた。
白い頬に、ほのかな赤みが差した。
だが。頬に羞恥を呼びさませられたのは、むしろ少年のほうであった。
98
:
同志名無しさん
:2013/05/18(土) 20:56:45 ID:6TRr8PO.0
クーが、くちのなかで卵焼きを噛むやわらかな音を聞いた。
クーが、最後まで舐め取った箸の先を見た。
川 ゚ -゚)
クーが、モララーから、視線をそらしているのに気付いた。
クーの、こんな逆説的な愛情表現を、モララーは知らなかった。
(・∀・*)
その瞳はもはやドクオを見てはいなかった!
モララーから視線をそらしながら。その瞳は。モララーしか見ていないのだった!
99
:
同志名無しさん
:2013/05/18(土) 20:57:28 ID:6TRr8PO.0
(*・∀・)
天地創造に際して、神さまは最後の七日目を休んで過ごした。
あんな満ち足りた全能感がモララーに降りかかった。
ここにドクオはもういない! 死んだ!!
恍惚とするあまり。モララーはクーの親指を切り捨てたのが、
ほかならぬ自分であることを束の間忘れた。
あんな深い暗い罪悪感は消えた刹那から、
モララーを゛幸福の沸点゛にとどけるまで燃え盛る火柱となった。
今。モララーの胸中でゆるやかに渦を巻いているのは。
ひとりの女性、素直クールという名の植民地を征服した手応えだった。
それは、とてもとても穏やかな安心感だ。
100
:
同志名無しさん
:2013/05/18(土) 20:57:59 ID:6TRr8PO.0
−放課後
( ФωФ) 気を付けて帰れよー
( ФωФ) あとソフト部は我輩の部会があるから遅れるなよー
川 ゚ -゚)φ カリカリ
( ・∀・)
( ・∀・) (ペン、握れてるじゃん)
( ・∀・) (って言っても。かなり不格好だな)
( ・∀・) (ほとんどグーで握ってるし)
( ・∀・)
( ・∀・) (……よし)
川 ゚ -゚)φ
101
:
同志名無しさん
:2013/05/18(土) 20:58:33 ID:6TRr8PO.0
( ・∀・) なあ、クー
川 ゚ -゚)φ ?
( ・∀・) 図書室、行こうか
川 ゚ -゚)φ ……図書室?
( ・∀・) そう
川 ゚ -゚)φ
川 ゚ -゚)
川 ゚ -゚) わたしはこれから、部活なんだが
( ・∀・)
ミセ#゚ー゚)リ ちょっとちょっとご両人!
( ・∀・) え?
102
:
同志名無しさん
:2013/05/18(土) 20:59:10 ID:6TRr8PO.0
ミセ#゚ー゚)リ モモリーは、放課後もクーちゃんと一緒にいたいのかなあ?
ミセ#゚ー゚)リ お昼休みはあーんなにイチャイチャしてたくせにっ!
( ・∀・)
( ・∀・) ちょ、ちょっとまって……
川 ゚ -゚) ミセリ。そろそろ部室に行こうか?
ミセ*^ー^)リ えへ、合点承知!
( ・∀・) ぶ、部活って?
ミセ*゚ー゚)リ え?
川 ゚ -゚) 女子ソフト部だが?
( ・∀・)
103
:
同志名無しさん
:2013/05/18(土) 21:00:03 ID:6TRr8PO.0
ミセ*゚ー゚)リ クーちゃん。今日は最初っから投球練習らしいよ
川 ゚ -゚) へえ、じゃあ今日はひさびさに義指を付けるかな
ミセ;゚ー゚)リ あんまり速い投球だとわたしまだ捕れないよ!
川 ゚ -゚) クク。頑張ってくれよ私のキャッチャーだろ
ミセ;゚ー゚)リ ふえー
( ・∀・)
ミセ*゚ヮ゚)リ てかクーちゃん。実際モララーと付き合ってる?
川 ゚ -゚) そんなわけないだろw
川 ゚ -゚) モララー、いや、この人はただの……
川 ゚ -゚) ……
川 ゚ -゚) なんだろうな
104
:
同志名無しさん
:2013/05/18(土) 21:00:39 ID:6TRr8PO.0
ミセ*゚ー゚)リ ?どーゆーこと?
川 ゚ -゚) いざ言われてみると……この人との関係が、よくわからなくて
川 ゚ -゚) 恋人ではない…友達、かな
( ・∀・)
ミセ*>ー<)リ もう!友達同士なら「あーん」なんてしないからっ!
川 ゚ -゚) ……んー
( ФωФ) おーいそこのバッテリーども!
( ФωФ) 我輩の部会は、四時半からであるぞ
ミセ*゚ー゚)リ あは、いっつも杉浦先生が遅刻するくせに
川 ゚ -゚) まったくだな
川 ゚ -゚)
川 ゚ -゚) じゃあ
川 ゚ -゚) さよなら
( ・∀・)
105
:
同志名無しさん
:2013/05/18(土) 21:01:12 ID:6TRr8PO.0
−自宅
(*゚∀゚)
(*゚∀゚) おかえりなさいませご主人様!
( ・∀・)
( ・∀・) ああ、うん
(*゚∀゚) おかえりなさいませご主人様!
( ・∀・) わかった、わかったから!
(*゚∀゚) アヒャアヒャ!
( ・∀・) つー!
(*゚∀゚) アヒャ!?
( ФωФ)
106
:
同志名無しさん
:2013/05/18(土) 21:03:25 ID:6TRr8PO.0
(*゚∀゚) アヒャーヒャヒャーヒャ♪ (※推奨BGM 0:38〜 ttp://www.youtube.com/watch?v=3yM3XJZDV0Y)
( ФωФ)
( ・∀・) aya-ya-ya-ya
いつに見慣れた光景が、本日も繰り返された。
狂気じみた鳴き声をあげて、つーは鋭い速度で杉浦先生のもとまで駆けていく。
杉浦先生の手首足首が、つーの歯、舌、口腔にほぐされて、噛まれていく。
つーが顎を閉じる力は、キャットを超えてもはやワニ。
1平方センチメートル辺りおよそ260キログラムを計測。
杉浦先生のはげしい吐血に付随して。
アシッドな花――杉浦先生の胃液だ!――が夕暮れに咲いた。
モララーは思い通りにならない、手痛い恋の涙を拭って隠して。
肉の塊となった杉浦先生に、モララーは惨めな自分を重ね合わせている。
モララーはいたわるように杉浦先生の頬になでた。
涙に濡れた親指の爪の間に、泥みたいな血がしみこんでいくばかりで。
(*゚∀゚)( ・∀・) 推奨BGM終わりっ♪
107
:
同志名無しさん
:2013/05/18(土) 21:04:05 ID:6TRr8PO.0
(*゚∀゚)
(*゚∀゚) これで良いのか
( ・∀・) 結構
( ・∀・) なあ、つー
(*゚∀゚) ああ?
( ・∀・) あの包丁は現実に
( ・∀・) 何らかの影響を及ぼすみたいだな
(*゚∀゚)
108
:
同志名無しさん
:2013/05/18(土) 21:04:40 ID:6TRr8PO.0
( ・∀・) ……しかも。両手の親指がなくなった原因が
( ・∀・) 俺たちにあるなんて
( ・∀・) クーは露ほども知らないみたいだ
(*゚∀゚)
( ・∀・) クーは猫に噛み千切られた、なんて言ってる始末だ
(*゚∀゚)
(*゚∀゚) で?
109
:
同志名無しさん
:2013/05/18(土) 21:05:53 ID:6TRr8PO.0
( ・∀・) わからんか
(*゚∀゚) ああ?
( ・∀・) 俺はひとつの夢をかなえたいだけだ
(*゚∀゚) ああ?
( ・∀・) あの包丁でもって
( ・∀・) 俺はクーを
( ・∀・) 俺好みの女に変えてみせる
(*゚∀゚)
(*゚∀゚) …出来るのか、そんなこと?
( ・∀・) 出来ないのか……?
110
:
同志名無しさん
:2013/05/18(土) 21:06:29 ID:6TRr8PO.0
(*゚∀゚) さあ?
(*゚∀゚) 俺はお前の狂気の具現化と言うか……
(*゚∀゚) お前の一部だから
( ・∀・) ははあ。なるほどな
( ・∀・) 俺に分からないことは
(*゚∀゚) 俺にも分からないよ
( ・∀・) 良く出来てるな
(*゚∀゚)
(*゚∀゚) ちょっと言わせてもらって良いか?
( ・∀・) ? どうぞ
111
:
同志名無しさん
:2013/05/18(土) 21:07:00 ID:6TRr8PO.0
(*゚∀゚) あのなだいたい、
(*゚∀゚) 他人とは思い通りにならないものだろ
( ・∀・)
(*゚∀゚) 「俺の言うことを聞けよ」
(*゚∀゚) 「言うこと聞かないヤツは、要らない。矯正するまで」
(*゚∀゚)
(*゚∀゚) お前がいまやろうとしているのは
(*゚∀゚) そういうことだよな
( ・∀・)
112
:
同志名無しさん
:2013/05/18(土) 21:07:42 ID:6TRr8PO.0
(*゚∀゚)
(*゚∀゚) これほど幼稚な人間はないな
( ・∀・)
(*゚∀゚) 何でだと思う?
(*゚∀゚) いったいなんでお前は周りの人間たちを征服したいと思う?
( ・∀・) それは、
(*゚∀゚) それは、お前の"怒りの沸点"が低いからなんだよ
( ・∀・)
(*゚∀゚) お前は自覚していないだろうがな。お前はとても些細なことで怒っているんだよ
113
:
同志名無しさん
:2013/05/18(土) 21:08:17 ID:6TRr8PO.0
(*゚∀゚) お前は、
( ФωФ)
(*゚∀゚) ただ。杉浦先生に褒められたいだけだろ
( ・∀・)
(*゚∀゚) こんな狭い暗い集合団地で、たったひとりで育って
(*゚∀゚) クーにこそ及ばないが、それでも勉強で良い成績をとって
(*゚∀゚) 両親ではない、誰か他の大人に認められたくって、仕方がないのに
( ФωФ)
(*゚∀゚) 杉浦先生は褒めてくれない
( ・∀・)
(*゚∀゚) だからその怒りのあまり。私に杉浦先生を殺させる
114
:
同志名無しさん
:2013/05/18(土) 21:09:12 ID:6TRr8PO.0
(*゚∀゚) お前は、
( ФωФ)
(*゚∀゚) ただ。杉浦先生に褒められたいだけだろ
( ・∀・)
(*゚∀゚) こんな狭い暗い集合団地で、たったひとりで育って
(*゚∀゚) クーにこそ及ばないが、それでも勉強で良い成績をとって
(*゚∀゚) 両親ではない、誰か他の大人に認められたくって、仕方がないのに
( ФωФ)
(*゚∀゚) 杉浦先生は褒めてくれない
( ・∀・)
(*゚∀゚) だからその怒りのあまり。私に杉浦先生を殺させる
115
:
同志名無しさん
:2013/05/18(土) 21:09:45 ID:6TRr8PO.0
(*゚∀゚) 承認欲求を満たすだけなら。猿にでも出来るさ
(*゚∀゚) けれど、お前はとても閉鎖的だから
(*゚∀゚) 欲望のひとつをとっても、ちゃんと解決されたっていう
(*゚∀゚) 核となる出来事を求めたがる
( ・∀・) ……
(*゚∀゚) お前の"感情の沸点"の高低を定めるもの
(*゚∀゚) その根底には、お前の完璧主義がこびりついてるんだよ
116
:
同志名無しさん
:2013/05/18(土) 21:10:20 ID:6TRr8PO.0
( ・∀・)
(*゚∀゚)
( ・∀・)
( ・∀・) ……さっきからブツブツと
(*゚∀゚)
( ・∀・) 何言ってんだ。お前
( ・∀・) つー、包丁を持て
( ・∀・) 下らないことばっか言ってんなよ
(*゚∀゚) ああ?
117
:
同志名無しさん
:2013/05/18(土) 21:10:59 ID:6TRr8PO.0
( ・∀・) 良いか? お前は俺の狂気の権化なんだろ?
( ・∀・) お前は俺の言うことを聞いていれば、それで良いんだよ
( ・∀・) 頼むから。黙れよ
(*゚∀゚)
(*゚∀゚) アヒャ
( ・∀・) 俺が杉浦先生に、褒めてもらいたいだって?
( ・∀・) ……馬鹿馬鹿しい
(*゚∀゚)
(・∀・ ) そんなわけないだろ……
(*゚∀゚)
118
:
同志名無しさん
:2013/05/18(土) 21:11:34 ID:6TRr8PO.0
( ・∀・)
( ・∀・) 歴史上でさ。民主的な為政者が何かを変えたか?
(*゚∀゚) はあ?
( ・∀・) 何かを変えたか、と訊いているんだ。変えてないだろ
(*゚∀゚) そう? まあ、お前みたいな専制的なリーダーだって
(*゚∀゚) 何かを変えたか、と訊かれれば。疑問だけどな
( ・∀・) 黙れ
(*゚∀゚) しかし。お前が今からやろうとしていることは
(*゚∀゚) 人格の矯正だろ?
( ・∀・) そうだよ
( ・∀・) それは民主的な方法ではダメさ
( ・∀・) それをするには教育者である以前に
( ・∀・) 独裁者でなくてはいけないんだ
川 ゚ -゚)
119
:
同志名無しさん
:2013/05/18(土) 21:12:05 ID:6TRr8PO.0
−翌朝
( ・∀・) ふぁあ
( ・∀・) (まだかな?まだかな?)
( ・∀・)
( ・∀・) (おっとメール返信)
( ・∀・) (「もうすぐ出る」……か)
( ・∀・) (すご……よくメールなんて打てるよな)
( ・∀・)
ガチャリ
川 / -゚) ……おはよう
( ・∀・) おはよう!
120
:
同志名無しさん
:2013/05/18(土) 21:12:36 ID:6TRr8PO.0
( ・∀・) 今朝はよく眠れた?
川 / -゚) ああ……
川 / -゚) っとっと……
( ・∀・) おっと!大丈夫かい?
川 / -゚) すまんな。毎朝、毎朝……
( ・∀・) いいよ、いいよ!
( ・∀・) 僕たちは、トモダチ!でしょ?
川 / -゚) ……
( ・∀・)
( ・∀・) ……さ、学校にいこっか!
121
:
同志名無しさん
:2013/05/18(土) 21:13:06 ID:6TRr8PO.0
川 / -゚) ( ・∀・)
自宅から出て来た素直クールは。右目に白い眼帯を付けていた。
左目にはかろうじて視力が残されていて、どうにか学校には通えていた。
モララーは上機嫌で。
クーの右手(親指がない)を愛おしそうに握って歩いた。
モララーは上機嫌だ。
クーの右目にある白い眼帯について、何も指摘しない。
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