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仮投下スレ

362 ◆i7XcZU0oTM:2013/12/02(月) 23:28:06 ID:cKg5QjWc0
「――――何を考えてるんですか、あなたは!!」

 ……気がつけば、僕の口から、怒号が飛び出していた。
 川越さんは……人として、越えてはならないラインを越えている。
 この状況でどうにかなったにしろ、そうじゃないにしろ……赦されることじゃない。
 しかも、川越さんの口ぶりから察するに、既に一度――――。

「……うぷっ……」


 不意に、酸っぱい物がこみあげてくる。
 その不快感に耐え切れず、僕はこみあげて来たものを地面へと吐き出した。


「うえ……っ」
「照英さんも随分と失礼ですね。人の話を聞いておいて吐くなんて……まあ、いいでしょう。それよりも、
 そろそろカタを付けないといけませんね。下準備の必要もありますから……」

 頭がクラクラする。
 川越さんの言っている事が、理解できない。
 ……いや、"理解したくない"と言った方が、正確かもしれない。
 とにかく、今の川越さんは、おかしい。こんな状況でさえ、いつもの笑顔を崩していない。
 だけど、目だけは違った。
 "狂気"と形容するのが正しいくらいに、ギラギラと……輝いている。

「さぁ、大人しくしてください。暴れられても――――困りますからねッ!!」
「くぅッ!!」

 キィン、と鉄同士がぶつかり合う音が辺りに響く。
 ……恐るべき速度で振るわれる包丁を、僕はただ金属バットで防ぐことしかできない。
 そんな僕の様子を嘲笑うかの様に、川越さんは攻撃を続ける。

「どうしたんです照英さん、その程度ですか?」

 じわじわと、僕の体に細かい切り傷が刻まれて行く。
 ……どうして、この期に及んで僕は、川越さんを攻撃できないんだろうか?
 川越さんを、傷つけてしまうのを、恐れているから?
 今現在、命を狙われているのに、どうして僕は……。
 僕は、守らなければならないんだ。
 自分を、お姐さんを、T-72神を……。
 その為に、僕がやらなければならない事は。
 川越さんを――――。

「……うおおぉぉぉぉッ!」


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