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仮投下スレ
340
:
◆m8iVFhkTec
:2013/11/13(水) 22:44:46 ID:bf5RQd8w0
そして、赤と白の球。クタタンの持ち物。
「おっさん、これは一体なんだウラ?」
ウラーはロッカールームの扉越しにクタタンに尋ねた。
「そのカプセルですか。フフ、それこそがですね、この殺し合いからの脱出に必要な道具なのですよ」
「モナ!? 今それを話すって、どういう風の吹き回しモナ!?」
平然と答えるクタタンに思わず驚愕の声をあげた。
本来の約束であれば、6時間後に教えてくれるという話だったはずだ。
今それを教えてしまうのは明らかに怪しい。
「ミルコさんには既に話しましたが、それは所謂、収納箱なんですよ」
「収納? こんな小さなボールに入るわけないウラ! いい加減にしろウラ!」
「これは特別なカプセルなんです。大きさとか形状とか、"普通のカプセル"というくくりでは考えてほしくないんです。
もちろん、その中に入っている道具の使い道や、具体的にどうすればいいかの情報は黙秘させてもらいますが」
「ふむ……」
つまり、脱出のためのヒントがこの中に収められているということだ。
クタタンがやけに落ち着いた様子だが、その道具を見ただけで方法がわかるものではない、という自信があるのかもしれない。
「ミルコさんが帰ってくるのがちょっと遅いモナ……。本当に"いざ"という時が来ちゃった、なんてことはないモナよね……?」
「ええ、私もヒヤヒヤしますよ。彼のような力強い人がいないと、私も身の安全が確保出来ませんからね。
お二人も荷物確認はさっさと済ませた方がいいかもしれませんよ」
「そうやって媚を売っても、心を許したりしないモナよ。私はなるべくミルコさんの指示に従うつもりだからモナね」
「媚を売るだなんてそんな。私はあなたがたを信用出来れば、脱出策をお教えるつもりなんですから」
二人の社長がドア越しに言い合っていた。
ウラーはそれを横目に見て、そして赤と白のカプセルを手にした。
「まぁ、ちょっと中身は気になるからなウラ。ちょっと見せてもらうウラ」
「ええ、どうぞどうぞ」
「ウラーさん、あんま勝手なことをしないで欲しいモナ!」
◆
病院の玄関で、ミルコとマッマたちは情報交換を行う。
脱出のために首輪を外す、そしてそのために技術力のある者を探す。
その目的にマッマはおおむね賛同し、さらにそれに対する問題点を指摘した。
少なくとも首輪の構造を把握するために、実験用の首輪が必要だと言うこと。
「流石に人の首に着いてる物を、ぶっつけ本番でいじるわけにはいかないでしょ?
申し訳ないことだけど、既に死んだ人のから調達する必要はあると思うわ」
「あぁ、おそらくそれもやむを得ないだろう。外をある程度探索すればすぐに見つかるかもしれないな」
生きている者を救うためには、既に死んだ者には犠牲になってもらわねばならない。
そしてそれを行えるだけの覚悟は持っていた。
「……おっと、連れを待たせてしまっていた。一旦奥へ来て欲しい」
「他にもいたのね」
「モナーとウラーだ。見た目はちょっと妙だが驚かないで欲しい」
「大丈夫よ、慣れてるわ」
「それなら安心だ」
なんだこの会話、と蚊帳の外にいるやる夫は思った。
……と、その時。
「ひぃぎゃあああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!」
悲鳴、とてつもなく長い悲鳴。
続けて男の声。何かを語りかけるような声。
ミルコ・クロコップはすぐさま駆け出した。
あの悲鳴はウラーのものだった。そして男の声は、クタタン。
今、あの場で最悪のことが起きているのだ。
奥へと走り去るミルコの姿を見て、
「何!? 何なの!? あっちで誰か襲われているの……!?」
あまりに突然の出来事に、マッマは大きく戸惑った。
ミルコの"連れ"が何者かに襲われたのは間違いないだろう。
ではどうするべきか。自分たちも助けに向かうべきだろうか。
いや、自分たちは大した武器を持っていない。
ここで感情に任せてミルコの後を追ったところで、何が出来るというのだろう
相手がとんでもなくヤバイ奴だった場合、きっと自分の命も危機に晒されるだろう。
果たして、出会って数分の者のために、危険を冒してまで助けに出るべきか。
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