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仮投下スレ
332
:
◆XG.R2oT3cE
:2013/08/12(月) 20:19:38 ID:Pd6dF.8.0
(眼が泳いでいる……しかも、声が震えているな……)
ガーレを持つ男―――キユは少女の正体には気付いてはいなかった。
疲労、恐怖、焦り、怒り、たまりにたまった精神疲労は疑心暗鬼を助長させた。
善意は悪意に見え、疑いは確信に変り、目に映るものを敵に見る。
故に彼は例えそれが純真無垢の可愛らしい少女でも、疑う。
ハルトシュラーは理解した。
(そうか、この男。疑心暗鬼に陥っているな……)
なぜそうなっているかは分からないが、この男は全てを疑ってかかっている。
そうなってくると、あながちハズレでは無さそうだ。
原因をつきとめてそれを解消すれば、仲間になってくれるだろうし、まだ話し合いの余地はあるからだ。
(もっとも、一歩間違えれば死んでしまう可能性もあるのだがな)
「はっ……はっ……来るな、来るんじゃねぇぞ……」
ガーレを持つ男はかなり疲れており、さらに興奮した様子である。
行動、言動、全てに注意をしなければガーレで瞬殺されてしまうだろう。
今の自分の状態は、10代の少女なのだ。当然体力も10代の少女並み。
さらに持っている武器が、全て近距離で使わなければならないもので、どう考えてもコチラが不利であった。
(だが、折角見つけた駒だ。何とかして手に入れたい)
この先、このような殺し合いに乗っていない人物に会えるかどうかは分からないので、ハルトシュラーは早急に駒を手に入れたかった。
まだ、自分を襲った猫がいるのかもしれないのでそれに対する守りが欲しいというのもあるが。
そうと決まれば早速、ハルトシュラーは行動に移した。
「あ、あの……何かあったんですか? そんな疲れた様子で……」
「うるせぇ! てめえには関係ねえだろ! そんなに死にたいのか!?」
「え、えっと……だって、その、困っている様子ですし。あと、凄く震えているので……」
「……!!」
言われて自分の様子に気付いたのか、男は必死に震えを抑えようとする。
しかしその震えは一向に収まることは無く、余計に震えは増していった。
「やっぱり何かあったんですか? 例えば……怖い思いをしたとか……」
「っ……ち、違う……俺は悪くないっ、俺は悪くないんだ!」
急に男が頭を抱え、ぶんぶんと振り出した。
(ふむ? いきなり確信を突いたか? どうやら何かをしでかしたようだが……)
考えうるにこの男は誰かを、ガーレで攻撃してしまったのだろうか。
だとしても、疑心暗鬼になるには薄すぎる。誰かに攻撃されたから反撃をした。その類だろうか?
「あ、あの……「あ、アイツラがっ! 銃を持っているからいけないんだ! だから俺は勘違いしたんだ! 俺は悪くない!」……あの」
男はさらに興奮した様子で、その行動に対する弁明をずっとしていた。
ぐちゃぐちゃした内容であまり分からないが、男は襲われたのではなく襲った側だということが分かった。
(嗚呼、うるさい……。だが、もう一押しかな……)
恐らく、疑心暗鬼の原因は大方これだろう。
ならそれを解消すればいい。相当混乱している様子だから、まずは静めなければ。
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