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仮投下スレ

300 ◆m8iVFhkTec:2013/08/05(月) 10:50:51 ID:7kSsahpA0
ぼやきながらも足を止めず、オフィス街を歩くポルナレフ。
レストランを飛び出してから2時間、誰かしら他の参加者に会えないか期待して片っ端から探索をしていた。
他者にもスタンド使いにもスタンドが見えるかどうか知りたかったのと、承太郎たちの誰かを見つけたかったのがその理由だ。
しかし結局、路地裏やコンビニ、果ては公衆トイレに至るまで回っても、誰かがいる様子は無かった。

「チッ… 太陽が出る前に誰かに会えりゃ良かったんだがな…。
 まぁ仕方あるまい。おれ一人でも吸血鬼の相手くらいなら何とかなるだろう」

吸血鬼のいるであろう工場へと戻るべきかと考えた。
しかし、その前に少し気になっている施設に立ち寄っておきたかった。

「これがテレビ局か…。この目立つ外観、地図に書いてあるだけのことはあるな」

鏡のように磨かれたガラス張り、近未来的な形状、屋上から空へ伸びる電波塔。
他のオフィスビルとは一線を画くような巨大な建造物。
あれだけのデカさなら、きっと誰かしらいるに違いない。
彼は数秒ほど悩んだ末に、先にそこへ向かうことにした。



ぐるりと囲まれたフェンスに沿って歩き、空いている入口があったのでそこから敷地内に入る。
さらにそこから階段を上り、正面玄関から中へと入る。

ロビー。
受付があり、革製のソファと小さなガラステーブルが並び、観葉植物が置かれている。
壁には番組の宣伝ポスターがいくつも掛けられており、いくつかのテレビモニターが設置されてるところにテレビ局らしさを感じる。
モニターには番組が放送されておらず、誰もいないニューススタジオのみが映っていた。
電灯は全て消えており、何故か周囲全てのカーテンが閉められているため非常に薄暗い。
テレビや非常灯は点いているため、おそらく電気は通っているだろう。
ポルナレフはキョロキョロと周囲を見回し、歩きつつ声を張り上げる。

「おい、誰かいないのか!?」

案の定返答はどこからも来ない。声は虚しく響き渡るだけ。
よく見ればガラスが粉々に割れている箇所がある。
誰かいるのは間違いない。どこかに潜んでいるのだ。

「フン! ま、これだけの広さだ。地道に探っていくしかねぇ…」

そう言って1階をうろうろと歩き回る。
受付の裏側……パソコンや書類が積まれている事務所のようなもの。誰もいない。
社員食堂……木製の座席が多数。調理場の冷蔵庫には食料が保管されている。
そして窓ガラスが一枚、破壊されていた。少なくとも闘争があったことが裏付けられる。
守衛室……彼は扉に手をかけた。

するとその瞬間、バンッと勢いよく扉が開いた。

「うおぉっ!?」

吸血鬼田代は素早い身のこなしで逃走を図る。
一瞬呆気に取られたポルナレフだが吸血鬼の姿を見るやいなや、すぐさま追いかける。

「てめー、待ちやがれッ!!」

田代は吹き抜けとなっているロビーの2階まで飛び上がる。
あいにくポルナレフにそこまでの身体能力は無く、エスカレーターを駆け上がるしかなかった。

「逃げやがって! チクショー」

舌打ちをする。
テレビ局ならおそらく誰かいるとは思ったが、まさかあの吸血鬼が逃げ込んでいたとはな。
建物内のカーテンが片っ端から閉められているのはコイツの仕業だろう。
ならば、吸血鬼を倒す術は決まっている。

『シルバー……』

銀の鎧を纏いし騎士が姿を現す。
騎士は風を切り裂くかの如くレイピアを振り回し。

『チャリオッツ!!』

カーテンを次々と貫いていく!
紙のように容易き引きちぎられ、朝の日差しが差し込んでいく。
これで吸血鬼は1階ロビーに立ち入ることは出来ない。
そう、このままじわじわと追い詰めてやればいい!!


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