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仮投下スレ

276 ◆shCEdpbZWw:2013/06/17(月) 23:09:31 ID:3NVYLIzY0
そこまで言って、ファヌソがずい、と一歩前に踏み出る。
ファヌソとA-10神の距離、およそ十数メートル。

「あなたがお探しの、ひろゆきを跡形も無く吹っ飛ばせるような武器……心当たりがありましてね」
「なにぃ!?」

もし、A-10神に表情というものがあるのならば、まさしく目を丸くしていただろう。
概ね想像通りの反応が返ってきたことで、ファヌソはますますその笑みを濃くしていく。

「よーし、キサマの話は分かった。それではさっさとその武器とやらを……」
「おっと、その前に」

身を乗り出すようにわずかに車輪を前に進ませたA-10神をファヌソが手で制する。
そして、次に放った言葉が二人が決して手と手を取り合うような関係でないことを浮き彫りにした。



「誰かに物を頼む態度というものを示していただけませんかねぇ?」



ファヌソとしてはA-10神の軍門に下る気などさらさらない。
むしろ、A-10神を自分が乗り回して、この下らぬ催しにさっさとピリオドを打ってしまってもいいと思っていた。
しかし、神の子としてのプライドにかけて軍門に下るどころか、対等な関係すらも拒絶する。
ファヌソからしてみれば、自分以外の参加者はすべからく自分の意のままに動くものと考えている。

神の子ファヌソとA-10神。
互いに神の名を冠する者同士は、似た者同士である故に激しく反発しあう。
まるで磁石の同じ極を近づけた時のように。



「……ふざけるなよ」

A-10神はその怒りの限界をついに突破した。

「この俺に頭を下げろだと? 俺がいなければ戦場で戦えない人間風情が!? 舐めるなッッ!!」
「この私を人間風情と同列に扱うとは、戦闘機風情が大した度胸ですね。
 所詮弾薬の尽きたあなたは鉄屑に片足突っ込んでるようなものだというのに……」
「鉄屑……!? キサマ、許さんぞ……上官命令に背いたものに命があるとでも思ったか!!」
「自分の立場もわきまえずに命令などと……しかるべき罰を加えてやる必要がありそうですねえ」


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