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仮投下スレ

271 ◆shCEdpbZWw:2013/06/17(月) 22:50:36 ID:3NVYLIzY0
「それにしても……」

ただし、そんなファヌソでもままならぬことがある。
死者と下手人の発表に続いて発表された禁止エリアがそれだ。

「渡し船とやらにいれば無効化はされるようですが……恐らくは私のヘリは対象外でしょうねぇ。
 折角の機動力も今後行動範囲を歪に狭められれば使いづらくなることは間違いないでしょうし……」

ファヌソは先だって台場を調べておいた自分の判断を正しいものだったと再確認する。
台場を取り囲むようにして三つものエリアが禁止エリアに指定されていたからだ。
決して小回りが利くとは言えないヘリコプターでは、風向きの具合一つで禁止エリアに抵触する可能性は否めない。
かと言って、定時カキコで存在が示唆された渡し船が台場に泊まるという保障はどこにもなかった。
少なくとも、台場を探索した時に船を横付けできるような場所は見かけなかったはず、とファヌソは改めて思い返した。

「……さて、あまりグズグズしているのもいけません。そろそろ行かねば……
 何せ、私の力にひれ伏した仔羊はまだ竹安一人だけ……彼一人では八人もの殺人者から全てを救うのは荷が重すぎるというもの。
 なれば、また仔羊を探し出して私が導いてやらねばなりませんしねぇ」

手のかかる子供を相手にしているかのような苦笑をファヌソが見せた。
そして、自らに気合を入れるかのように自分の尻をバチィン、と一発引っ叩いた。
生まれたままの姿で定時カキコを確認していたファヌソが、悠然と白衣を着込む。
そして、颯爽と外に飛び出すと、銭湯に横付けしてあったヘリコプターへと優雅に乗り込む。
けたたましくプロペラが風切り音を立て、神の子が空へと飛び立った。
哀れな仔羊を探し求めて。





 *      *      *





「クソッ……クソッ……クソがぁっ……!!」

思い通りにいかない。
そんな苛立ちがA-10神を支配していた。

先刻はパシリに出来そうな輩をみすみす逃がしてしまった。
苛立ちからぶっ放した貴重な弾薬も使い切ってしまい、イライラを発散できない。
おまけに、自分の武器を探すよう命じた二人のパシリも戻ってくる気配が無い。
いつしか、太陽はずいぶんと昇っており、A-10のその胴体をジリジリと照らしつける。
空はまさに日本晴れ、そんな中を雄大に飛び回ることが出来れば、その苛立ちも少しは抑えられたかもしれない……が。


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