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仮投下スレ
253
:
◆shCEdpbZWw
:2013/05/21(火) 11:20:34 ID:eKluyms.0
「……とにかく私たちがあの猫野郎のようなクズに立ち向かうにはもっと仲間が必要よ。
きっと三人でもまだ手に余ると思うもの」
「では、誰と接触するかは私にお任せできますか?」
「そうね……そこまで言うなら鬼子ちゃんに任せてもいいかもね。
そこから相手の本音を探るのは私の役目かしら」
クラウドさんとの接触を決めたのも(半ば可愛さに目が眩んだとはいえ)鬼子の意思によるものが大きかったということもある。
それ故に、結局は鬼女も鬼子の進言を容れることとなった。
その相手の真意を見極めるのは、物怖じせずに言葉をやり取りできる鬼女自身が手を挙げた。
「それじゃあ、ボクは何か危ないことがあったら真っ先に立ち向かう役目、かな?」
「……でも、捨て石になろうだなんて考えないでちょうだいよ?
死んじゃったらどうにもならないの、最悪の場合は逃げの一手を選んだって誰も責めやしないわよ」
「……分かってるよ」
そして、結局護衛役には一番腕の立つクラウドさんがなし崩し的に収まることとなった。
護ることに強いこだわりを持つクラウドさんに、鬼女は一抹の不安を感じてはいた。
だが、それ以外の役目をこれといって思いつかなかったばかりに、これも受け容れざるを得なかった。
「とにかく、モララー以外の七人のクズの情報を集めるためにも、人を選んでどんどん接触しないとね」
「そうですね……きっと私たち以外にも同じように集団で行動を共にする人もいるはずです」
「そんな人たちに会えたらいいのかな」
思い思いの考えを口にしながら、三人が短くも濃密な時間を過ごした雑居ビルを出たその時だった。
――見るも無残な左手をした、直垂に袴姿、烏帽子を被った男が倒れているのを見つけたのは。
* * *
ズルズルと、足を引きずるようにして一条三位は夜明けの街中を彷徨い歩いていた。
彼からすれば、見るもの全てが新鮮なこの街を楽しみながらも、ただ無為にふらついているわけではなかった。
「……ひとまずはあの高い塔のようなものを目指すとするかの」
視線の先にあったのは、周囲のビル群より一際存在感を放っていた建物――近鉄百貨店であった。
彼の住まう都では決して存在し得なかったほどの高さで聳え立つ建物に、一条三位はとりわけ心魅かれていた。
「あれだけ大きい建物ならば……籠城できる場所などごまんとあるはずでおじゃる」
実際、その内部は幾度かの抗争により滅茶苦茶になっていることを、一条三位が知る由もない。
ただただ、まるで火に吸い寄せられる夏の虫の如く、一心不乱に一条三位は近鉄百貨店を目指した。
……だが、レベル男とモッピーとの戦いで一条三位が受けたダメージは甚大なものであった。
とりわけ、イオナズンによるダメージは急所こそ外れていたとはいえ、本来ならば行動不能に陥ってもおかしくないものだ。
それでも、勝利への意志……即ち生還しzipの桃源郷を創るという強い意志と、見ず知らずの街並みに対する強い憧憬。
その強い精神力で今の一条三位はどうにか体を動かすことが出来るという状態だった。
必然的にその歩みはのっそりとした重苦しいものへとなっていく。
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