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仮投下スレ

231 ◆i7XcZU0oTM:2013/05/05(日) 21:04:14 ID:izeT9O/s0

 辺りも明るくなるころだと言うのに、いわっちの心には、重苦しい暗雲が居座っていた。
 ……人である以上、恐怖からは逃れられない。
 未知の事態への、自身の死への、自身の計画の成否への、恐怖。
 それが、じわりといわっちの心に影響を及ぼして行く。
 微小なウイルスが、徐々に人の体を蝕むように。静かだが、確実に……。



「あッ」

 不意に、しぃが声を上げる。

「どうしました?」
「あれ……もしかしテ……」
「ん……!?」

 少々離れた民家の前の道路。そこには……戦車らしき物が、停まっている。
 ――――何故戦車がこんな所に。まさか、誰かの支給品?
 何となく危険な気がしたので、いわっちはしぃを抱えて物陰から様子を窺う。

(あれって絶対……戦車、だよネ?)
(間違い無く、戦車です…………)

 小声で、会話を交わす。
 それと同時に、いわっちの頭脳が、急に回転しだす。

 何故こんな所に?と言うか、そもそも何故戦車があるのだろうか。
 こんな状況自体が普通じゃないが……あえて普通に考えるならば、誰かに支給された物だろう。
 そして、支給された戦車に乗ってここまで来た、と言った所だろうか。
 だが……今の所、戦車に人が乗っているような気配はない。なら、どこにいるのか?
 流石に、戦車を乗り捨ててはいないだろう。壊れてもいない戦車を、捨てて行く理由はない。
 なら……近くにいる、と考えるのが自然だろう。

(私の考えが正しいならば、戦車に乗っていた人物は近くにいるはずです)
(どうして分かるノ?)


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