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仮投下スレ

230 ◆i7XcZU0oTM:2013/05/05(日) 21:03:58 ID:izeT9O/s0




「……15もの命が奪われていたなんて……」
「……」

 PDAを見ながら、悲しげな表情を浮かべるいわっち。
 だが、それ以上に悲しげで、かつ恐れた目でPDAを覗くしぃ。

「それなのに、私と来たら……情けないものです」

 肩を竦め、溜息を突く。
 いわっちの言う通り、あれから……ギコ猫と別れてから、誰にも出会えていない。
 時折、何処かから銃声のようなものも聞こえて気はしたが、それ以外は、何も無い。
 ただ、人がいないかどうか確かめながら、ここまで歩いてきたが、結果はこの有様であった。
 誰にも出会う事はなく、ただここまで辿り着いたのみ。
 だがこれは、同時に危険人物にも出会わなかったと言う事にもなる。
 その点では、ある意味幸運だったのかもしれない。
 しかし、情報を訊きたいと思っているいわっちにとっては、あまり好ましいことではなかった。

(…………それに)

 "異世界"の可能性……。
 本当に異世界から人が招かれていたり、自身の知らぬ世界から物が持って来られているのか。
 ……それを感じさせる事象に何度も遭遇はしているが、未だ半信半疑な状態だ。
 それを完全に裏付け出来る程の"何か"が、現時点では欠けている……。
 "停戦"を持ちかける前に、できればそれもはっきりさせたい……。
 そんな考えが、いわっちの頭の中に変わらず有った。

「……?」

 どうしたのだろう、と言った目線で、いわっちの顔を見るしぃ。

「あっ、いいえ、何でもありませんよ。少々、考え事をしていただけですよ」

 ……こんなところで、思い悩んでも仕方が無い。
 今は、立てた目標目指して、進むしか無いのだ。
 緩みかけた意思を再度引き締め、いわっちは歩き出した。

(……)


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