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仮投下スレ
200
:
◆shCEdpbZWw
:2013/03/11(月) 10:54:06 ID:Y9OHWRk60
「……言葉だけじゃ信じてもらえるか分かりませんが……
少なくとも、私たちがそのまま放っておいたら君の命は危なかったでしょう。それは分かりますね?」
「それはまぁ……そうだけどよ」
確かにこのオッサンが居合わせていなかったら、俺は今頃惨めにのたれ死んでいたかもしれないわけだ。
それを思えば、少なくともこのいわっちとやらがさっきの奴と違って殺し合いには乗っていないのかもしれない。
……だけど、それを額面通りに信じていいのか?
俺をしつこく追い回して保護してきたアイツ以外の奴は、皆が皆俺を忌み嫌っていたんだぞ?
そんな俺にアイツと同じような優しさだとか温もりだとかをくれるやつなんてそうそういるわけないじゃねえか。
それこそ、今後は体のいい駒として使われる可能性だって無くは無いんだからな。
「……ともかくギコさん。私たちは殺し合いに乗るつもりはありません。
むしろ、彼のような者たちに対抗し、殺し合いを停めたいと願っているのです。
その為に仲間を集め、時期が来たら……」
「お断りだゴルァ」
俺の言葉に、いわっちがキョトンと目を丸くした。
「大体、さっきから人のことギコだギコだ、ってなぁ……
間違っちゃいねえが、俺にはちゃんとホーリーナイトって名前が……」
「ギ、ギコ君……? なに言ってるノ……?」
「うるせえっ! ちゃんと名前で呼びやがれ!!」
……ったく、一体なんなんだよ。
なんで俺はアイツにギコって呼ばれるだけでこんなにイラついてんだ……?
俺の言葉を受けて、またさめざめと泣くその姿がさらに俺の苛立ちを増していきやがる。
ダメだダメだ、助けてもらったのはありがたいが、このままコイツらといても精神的に保たねえ。
俺はスッと立ち上がって、まだ痛む腹に手を当てながらゆっくりと二人に背を向けて歩き出した。
「待っテ! そんな……そんなケガしているのに歩き回ったら……ギコ君、死んじゃうヨ!?」
「だからそうやって呼ぶなっつってるだろーが!!」
振り向いて俺が怒鳴ると、もう雌猫の口から言葉が発せられることは無かった。
呆然自失、といった具合の表情を見せている。
「……俺だって殺し合いなんてさらさらゴメンだ。
だけどな、俺にゃやらなきゃいけねえことがあるんだよ……だから邪魔するんじゃねえ」
口から出まかせだった。
俺としては独りでいる方がよっぽど楽なんだ、今までそうだったし、これからもそのつもりだ。
だけど、それをそのまま口に出しても、はいそうですか、と納得する連中には見えなかった。
アイツならまだしも、それ以外の奴にあれこれと付き纏われるなんて想像したくもねえ。
だから、適当にやらなきゃいけないこと、なんてことをデッチ上げてみた。
いわっちって奴が、俺の決意がもう揺るがない、ということを悟ったような、そんな表情に変わった。
もうこれで俺に構ってくることもねえだろう、そう思い、もう一度奴らに背を向けて歩き出す。
「……助けてくれたのには感謝するぜ。だけど、もう俺には構うな……分かったな?」
そこまで吐き捨てて、一歩二歩と足を進め始めたその時だった。
「……ギコさん!」
背後からいわっちの声が聞こえる。
もう振り向いて怒鳴るのも面倒になってきたぞ、チクショウ。
一瞬足を止めてしまった俺だが、その声を無視して再び歩き始めようとした。
「……君の言うことは分かりました。
君が何を為さねばならないのか、それを聞くのは無粋というものでしょう」
分かってるじゃねえか。だったら、さっさと行かせてくれや。
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