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仮投下スレ

188 ◆1WOpAbkgRc:2013/03/03(日) 01:57:26 ID:QUuUB0ls0
中年の女性、畜生マッマと同行する戦車、チハはやる夫と名乗った怪我人を保護してチハの中で情報交換を始めた。
まず戦車チハが参加者の一人であることを伝え、やる夫からこれまでの経緯を聞きだす。
しかしやる夫の説明を聞いている途中から、すでにマッマのやる夫に対する印象は最悪だった。

「ええと、やる夫はまずおにゃのこをレイ…じゃなくて、おにゃのこを助けてお礼にセクロ…でもなくて」

要するにこの男、ただの暴漢である。
ああだこうだと誤魔化そうとしてはいるが、ところどころに本音が見え隠れ。
その身に負った怪我も付着した血も、全て自業自得だった。

「…どうやらあんたを助けたのは間違いだったみたいだね…」
「そ…そんな言い方酷いお!た、確かにやる夫もちょっとどうかしてたとは思うお…
 でももうむやみやたらに襲ったりなんかしないお。
 それよりも、やる夫が逃げてきた方には行かないほうがいいお。
 二人も参加者を殺した黄色い化け物がいるんだお」

やる夫の弁明を半ば聞き流していたマッマだが、思わぬ情報に驚きを見せる。

「ちょっと待った!黄色い化け物が二人も殺したって…?」
「そ、そうだお…それを見てやる夫は逃げてきたんだお」
(黄色い化け物って…お姉さん…)

「黄色い化け物」。数刻前に看取った一等自営業が、仇と言って憎んでいた参加者。そして…
もし二人の殺人者が同一人物だとするならば、その犯人は野球場の方面へ向かっている事になる。
マッマは少し考え込み、やる夫に向き直った。

「ちょっとその現場まで案内してもらえないかしら」
「は、はあ!?あんた何言ってんだお!?話聞いてたかお!?
 やる夫はもうあんな殺人鬼のいるところに戻りたくないお!!」

それを聞いて今度はやる夫が驚く番だった。
たった今その現場から逃げてきたというのに、再び戻されるというのがやる夫は不満だった。

「ゴチャゴチャ言ってんじゃないの、粗末なモノ付けてても男でしょ。もっとシャキッとする!」
「ふざけんじゃねえお!もうあんた達には付き合ってられないお!やる夫は降ろしてもらうお!」

やる夫がハッチから体を乗り出し外に出ようとしたところで、マッマに引っ張られ再びハッチの中に引き摺り込まれた。

「ちょ、何するんだお!離せお!」
「うるさいね、私だってあんたみたいなダメ男どっかに捨て置きたいところだけど、仕方なく嫌々連れ添ってるのよ。
 わかったらさっさと案内する、ホラ!早くしないとこいつであんたの愚息を叩き潰すよ!」
(ちょっと二人とも、僕の中で暴れないでよ…)

苛立ちを高まらせたマッマは、支給品のハンマーを取り出しやる夫の前にちらつかせる。
そうして泣き叫ぶやる夫を強引に殺人現場まで案内させた。
複雑に逃げ回っていたわけでもなかったので、やる夫も漠然とではあるが道順を覚えていた。

「ううう…やっぱりここの参加者みんな怖いお…あ、そこの角を左だお」
(でもしょうがないよやる夫君…僕だって怖いけど、隠れてたって何にもならないし。
 それに、ついさっき出会った人が僕らに遺言を残して亡くなったんだ。
 『黄色い化け物を殺して仇を討ってくれ』って。
 殺すかどうかはともかく、 あの人の想いを無視するなんてできないよ)
「そんなこと言ってるけど、チハだってこのおb…お姉さんが怖くて従ってるだけだお?」
(い、いや…そんなことは…痛っ!お姉さん、床を叩かないでよ…!)

やる夫の証言の中にも出てきた「黄色い化け物」。
マッマがそのフレーズに過敏に反応を示しているのにチハは気づいていた。
もしかして、何か心当たりがあるのではないか…?
それはまさかよく文句と共に口にする、彼女の息子の事ではないかとも思ったが、
一等自営業ややる夫の証言からイメージされるそれと現在自身に乗ってる女性が、血縁ましてや親子関係だとはとても思えなかった。

とにもかくにもマッマはその黄色い化け物なる人物の正体を確認したがっていると推測し、
消極的ながらも捜索を手伝おうと思っていた。
加えて一等自営業から想いを託されたという使命感もまた、少しばかり彼の恐怖心を抑える手伝いをしていた。


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