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仮投下スレ

166 ◆m8iVFhkTec:2013/01/13(日) 21:51:41 ID:mDpuemQE0
男はデイバックから水を取りだして口に含んでいる
全く気付いていないな…、この隙にずらかるしかあるまい

茂み…腰の高さ程の葉がもっさりと生い茂った小さい木、俺はその下に隠れている
地面には音を立てるような落ち葉は無い、そして頭部と胴体を一切触れずに抜け出す隙間有り…これなら無音で行ける!
イライラ棒の如く、慎重に茂みの小枝の間から頭を出す…

―――ガサッ…

バカ。ご自慢の鍵尻尾の存在を忘れていた。葉を掠めて小さな物音を立ててしまった

いや、大丈夫だ、まだ気がついてないようだ。まだ巻き返せる
さすがに、この程度の物音では警戒されることは無かったようだ

尻尾を引っ込め、頭に続いて胴体、そして後ろ足ゆっくりと出す…
これでよし!あとは歩いて離れれば
ギコは勝利(?)を確信し、物音を立てないようにこっそりと茂みから
「ちくわ大明神」
離れようとする
よし、落ち着け…息を潜めて、一歩ずつ進…

「ちくわ…?」

誰だ今の。なんか意味不明な言葉が聞こえ…


…しまったああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!


流石に男にも聞かれてしまったようで、即座に反応し立ち上がって身構えた

「…これはこれは…そこに誰か居たようですね…」

ひどい、今のは反則だろ! とりあえず、走って逃げれば…

「おっと、驚かないで結構です。それより少しだけ私の話相手をしませんか?」

どうする…?
ギコ猫は思考する

男は何か野球ボール程度の大きさの球体を取り出して手の中で弄っている
あれは爆弾だろうか…? だとしたら下手に逃げると刺激しかねん…
流石に体力のない状態では『華麗に回避』なんて出来ない気がする
相手が話を持ちかけている間は少なくとも攻撃はしないとは思うが…

まぁ、まだこの男が殺し合いに乗ったやつとは限らないが…
摩呂、お断り野郎、そしてモッピー…俺が出会った参加者はいずれも好戦的なやつだった
すなわちこの男も乗っていてもおかしくない、むしろ乗ってる可能性の方が高いんじゃないか?

「ちくわ大明神」

またしても変な声が聞こえる
全く、いったい誰が言っているんだ?
俺以外には男しかいないようだが…こいつじゃないみたいだ…

目の前のスーツの男は、一口だけ水を口にすると話を始めた

「私たちは突然拐われて、ひろゆきと名乗る男に殺し合いを強いられました
 そして訳がわからないままこの街中に飛ばされた…本当に理不尽な話です」

凛とした口調で語る

「ここに飛ばされた直後、私はまず落ち着くことが大事だと思いました
 まずは支給品を調べて、そして自分はこれからどうするべきか、それを考えました
 行動指針も何も考えずにただ『優勝したい』、『死にたくない』、
 または『脱出したい』、だなんて曖昧な思考では生き残るのは難しいでしょう」
「(うっ…俺のことじゃねえかそれ…)」

予想外に痛いところを突かれ、ギコ猫は苦い顔をした
本能的に生きていたい、それは最も自然な思考であり、思考していないことと同じ
…別にいいじゃないか、とは思うが


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