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仮投下スレ

159 ◆m8iVFhkTec:2012/12/27(木) 12:26:12 ID:YW3ObjZ60
ぼーっと甲板で横になり、夜空を見上げる
漆黒の空間に星々が強く輝き、月が冷たく照らしている
都会で見えるような、紫がかった空とは大違いだな…

って、俺はなんだ? ポエマー気取りかよ
やらない夫はため息をつく
まぁ…不安な時に限って妙に冷静になるものだし…

やる夫…あいつはどうしてるんだろうな…
まさか気が触れた奴に襲われて、早々にあぼーんなんてことは無いだろうな?
あいつのことだ、こういう事態じゃ、怯えて隠れてるに違いないだろうな、常識的に考えて…

勿論やらない夫はこの時、やる夫がハイヒール片手に妄想しながら走り回ってるとは知る由もない

何度目かのため息を着いたところで、加賀の声が聞こえた

(目的地が見えてきましたよ)
「何っ、もう着くのか?」
(これでも普通よりもだいぶ遅いですよ、3ノット程度ですかね)
「…すまん、そういう単位とか詳しくないからわからないな…」
(1ノットは1時間で1海里進む早さ…1852mですね。わかりやすく言えば3ノットは時速5.5kmくらいです)
「なるほど、把握した。1時間もあれば流石に着くわけだな」
(距離的には1時間かかりませんけどね。方向を変えるのが大変なんですよ、船は)

やらない夫は身を起こして、陸地を眺めた
街頭の白い明かりが水面に反射してキラキラと光っている
だが、建物等の灯りは点いていないようで何が建っているのかはよく見えない
さっさと夜明けが来ないだろうか…こう暗いと物騒で仕方がない

ようやくたどり着く…と思った時だった
ンガガガガガッ!!!と鋭い音が響き、船が大きく揺れた

「な、なんだ…!? 今の…」
(………座礁してしまいました…これでは動けません…)
「マジかよ! どうにかならないのか?」
(私自身の力ではどうにも…あぁ、パラオ港以来ですよ、座礁なんて…)

緊急事態じゃないか…これでは陸地にたどり着けないぞ…
海に飛び降りるとしても、結構な高さだぞこれ…
飛び込みなんてやったことないし、長い間泳ぎなんてしてないし…どうするよ

「この船にボートとか付いてたり…」
(してませんね…空母ですから本来ならば航空機なんかも置かれているんですが…
 完全に空っぽです。スカスカ過ぎて淋しいくらいです)

マズイな…このままじゃ二人共動けねぇぞ…
なにか打開する策はないのか…?ロープか何かあれば…

…そうだ、支給品! 支給品をうまく使えば…

やらない夫はデイバックの中身を思い出す…
薙刀、「ZUNビール」と書かれたビール瓶、プレイステーション3だったかな…

「…ってダメだわ…使えそうなものがない…」
(わたしのデイバックには何か入ってませんかね)
「…探さないとダメだよな…」
(そうですね。船内は閑散としてるので、すぐ見つかるんじゃないでしょうか)

まぁ…な。と思いつつもやらない夫は周囲を見渡してげんなりする
やれやれ、結局このだだっ広い船を探索することになるのか…
全長は200mくらい…階数は未知数…こいつは相当骨が折れるな…

「よし、さっさと探してくる」

そう言ってやらない夫はランニングで船内へと向かっていった


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