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仮投下スレ
127
:
◆i7XcZU0oTM
:2012/11/24(土) 21:29:27 ID:gVHJHdVs0
辺りに響くのは、私たちの足音だけ。
それ以外は……まるっきり静かだ。シーン、と静まり返っている。
そんな静寂を、鬼子ちゃんの声が打ち破った。
「鬼女さんは、何も持たなくても大丈夫なんですか? 確か、鞄の中に……」
「……大丈夫よ。必要な時に出すわ」
「でも、もし急に襲い掛かられでもしたら……!」
「――――大丈夫。きっと、ね」
根拠なんてない。
でも、そう信じていないとやってられない。
少しでも、後ろ向きに物事を考えてしまうと、それに思考が引きずられそうで、怖くて。
私、この状況を、まだ現実じゃないと、心の中で、思ってたのかもしれない。
今まで、誰かに襲われることもなかったし、命の危機に晒された事もなかった。
そんな状況じゃ、やっぱりぼんやりとした「現実」しか見る事はできない。
そんな所に、さっきの血の痕だ。それで、私は一気に現実まで引きずられた。
いや、ようやく目が覚めたと言った方がいいのかな……。
「まあ、何があるか分からないから……一応、持っておくわ。心配してくれてありがとう」
「どういたしまして……」
道端に鞄を置き、片膝立ちで鞄を開ける。
そして、中から……細長い円筒状の物体を取り出す。私の鞄を調べた時に見つけた、唯一の武器。
――――閃光手榴弾。
(いくら殺傷力がないからって……いざ持って見れば、あまりいい気分じゃないわね……)
とりあえず、1つポケットに仕舞っておこう……。
「……待たせちゃったわね。さあ、行きましょう」
探索に戻る……とはいえ、特に変わった事なんてない。
依然として静かだし、誰かの足音が聞こえてくる訳でもない。
(……この辺りは贈呈品ばかりね。のりだったり、ハムだったり……変わり映えしないものばかりね)
ふと、ある疑問が浮かぶ。
……ひろゆきは、一体どうやって「ここ」を用意したんだろうか?
こんな建物1つ用意するだけでも、かなりの額のお金が必要だろうに。
どこから、そんなお金を用意したのだろうか。
……と言うか、こんなことをお金だけでできるのだろうか?
「禁止エリア」なる場所に入ると爆発する首輪。鞄に入っている武器。この街や、建物。
どれも、ただお金を用意したからと言って、出来る事じゃない。
技術力、科学力……その他もろもろの力がないと、こんなこと……。
そもそも、「記憶を消す」って時点でとんでもないじゃない。
そんな権力を、ひろゆきは持ってるって言うの?
……私が思ってる以上に、敵は強大だ。だけど、これくらいで挫ける私じゃない。
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