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仮投下スレ

126 ◆i7XcZU0oTM:2012/11/24(土) 21:29:00 ID:gVHJHdVs0




「……随分大きな建物ですね」
「どうやら、近鉄百貨店のようね。……ああ、百貨店って言うのは、まあ、色んな物がある場所ね。
 ……もしかしたら、その物資目当てに誰かがいるかもしれないわね。調べてみましょう」
「はい、分かりました! ……って、あそこにあるのって……」

 鬼子ちゃんの指差す方向を見ると……何かが、月明かりに照らされている。
 それは、地面にべったりと広がって、赤い色をしていて……。
 この真っ赤な液体は、もしかして?

「血……!?」

 思わず、息を呑む。
 急に、寒気と恐ろしさが、私に襲い掛かってくる。
 ……ここで、誰かが襲われたのだろうか?そして……殺されたのだろうか?
 でも、ここに残っているのは、この大量の血の痕だけ。
 ――――遺体は、どこにもない。

「どうして、こんなところに?」
「……私にも、分からないです」

 2人とも、ここに来てからほんの少ししか経っていない。
 そんな状態なのに、分かる訳ない。

「……とりあえず、これは後から調べませんか? 先に、中の方を調べましょう」

 コクリ、と小さく頷いて答える。
 入り口に歩を進めると、小さな音を立てて自動ドアが開く。
 ……中は真っ暗なくせに、こんなところには電気が通ってるんだね。
 ここに電気通すんなら、ついでに中の明かりもつけてくれればいいのに。
 最悪の店ね…………って、今はそんなこと言ってる場合じゃなかった。
 とにかく、店内は真っ暗だった。
 明かりと言えば、ショーケースの中の明かりと、非常口の緑の光くらいのものだ。
 足元くらいは照らせるが、あくまでその程度しか照らせない。
 結局、主な明かりは自分たちの持つランタンくらいだ。

(……無気味なくらい静かね)


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