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陽春副管理人(=鄭徒均(チョンドギュン)) 統合スレッドpart32
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第1 問題1 小問1
1 EはC所有の甲土地に対して抵当権を有するか。抵当権が存在しているためには、①被担保債権が存在し、②有効な抵当権設定契約が締結されていることが必要である。
2 まず、EはAに対して2000万円の貸金債権を有しており、被担保債権が存在する(①充足)。
3 もっとも、EA間の甲土地を目的物とする抵当権設定契約は有効か。甲土地はC所有であるため代理契約として有効であることが必要であるが、有権代理となるためには、㋐代理行為㋑㋐に先立つ代理権授与㋒㋐に際して顕名が必要である。
(1) EA間で甲土地抵当権設定契約が締結されている(㋐充足)。また、AはCの法定代理人として上記契約を締結しており、顕名もなされているといえる(㋑充足)。
(2) もっとも、上記契約は利益相反行為(826条1項)にあたり法定代理権(824条本文)の範囲外であるため、㋐に先立つ代理権授与がないのではないか。
ア 利益相反行為にあたるかどうかは、取引安全の見地から、客観的外形的に判断すると考える[1]。
イ 本件では、AがEから資金を借りる際に、EがAの法定代理人として物的担保を提供しているところ、AとCは経済的に利害が対立する関係にある。
ウ したがって、上記契約は利益相反行為にあたり法定代理権授与の範囲外であるところ、上記契約に先立つ代理権授与は認められない(㋑不充足)。
(3) よって、EA間の抵当権設定契約は無権代理として無効である。
4 また、法定代理権においては、代理権授与に対する帰責性というものを本人である子に観念できない以上、表見代理(110条)の適用もない。
5 そうだとしても、Cは無権代理人Aを相続しているところ、Aの上記行為を追認拒絶(113条1項)することは、信義則に反し許されないのではないか。
(1) まず、相続によって無権代理人と本人の資格が融合するかが問題となるが、資格融合説では、悪意の相手方すら保護されることになりかねず、善意の相手方が契約取消権を失うことにもなるため、資格は併存すると考える[2]。
(2) そして、本人が無権代理人を相続する場合には、本人は無権代理人の被害者にすぎないため、追認拒絶権を失う理由はない。
(3) したがって、本人が無権代理人を相続しても、資格融合によって法律行為の効力が生じることはないし、追認拒絶を信義則上禁じられることもない。
6 よって、EA間の抵当権設定契約は無効であり、Cの追認なき限り、EはC所有の甲土地について抵当権を有しない。
7 もっとも、Cは117条による無権代理人Aの責任も相続によって承継する以上、Eに対し損害賠償責任を負う。
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