鹿島「提督さんに媚薬を盛ってやります！」 - 1604350979

1： ◆1nspp/W0HA：2020/11/03(火) 06:02:59 ID:8GnYSsHs: 鹿島「提督さんが私に手を出してきません！」

鹿島「どれだけ思わせ振りなことを言っても全然そんな気配がありません……」

鹿島「なので媚薬を盛ろうと思います！」

提督「うーん……誰に？」

鹿島「提督さんにです！」

提督「君はおバカさんなのかな」
2： ◆1nspp/W0HA：2020/11/03(火) 06:04:59 ID:8GnYSsHs: 提督「薬盛ろうって相手に計画バラしたら意味無いだろ！！」

鹿島「確かに……！！鹿島、一生の不覚です！」

提督「不覚もクソも無いわ」

鹿島「それより今日のお昼はカレーだそうですよ」

提督「うん、美味しそうだね」

鹿島「カレーにはスパイスが付き物です」

提督「うん」

鹿島「なのでこの粉をスパイスとして入れ……」

提督「待て待て待てっ！！」
3： ◆1nspp/W0HA：2020/11/03(火) 06:06:10 ID:8GnYSsHs: 鹿島「え？どうしたのですか？」

提督「今の流れを聞いて入れさせる訳にいかないだろ！？」

提督「いやっ……！そもそも盛るなら俺の目の前で入れるな……！」

提督「そういうのは隠れてやるものだろう」

鹿島「はっ……！流石は提督さん！」
4： ◆1nspp/W0HA：2020/11/03(火) 06:08:01 ID:8GnYSsHs: 鹿島「では後ろを向いて……」

ｻｰｯ

提督「それも違うんじゃ……まあいいか」

鹿島「出来ました！特製カレーです！」

鹿島「どうぞお召し上がりください！」

提督「わ、わー。おいしそーだなー」

提督（今更ながら何でこいつに付き合ってんだろ……）
5： ◆1nspp/W0HA：2020/11/03(火) 19:37:52 ID:8GnYSsHs: 提督「……」

鹿島「あ、あれ？どうなされたのですか？スプーンが止まってますよ？」ｱｾｱｾ

提督（今の流れで食えるか）

提督（目の前で訳の分からん薬が盛られてるってのに食えるか！！）

提督（しかもカレーの上に不自然なピンクの粉が盛り塩みたいに乗っている）

提督（あいつ……一遍に全部かけたな……）
6： ◆1nspp/W0HA：2020/11/03(火) 19:39:24 ID:8GnYSsHs: 鹿島「っ」ｵﾛｵﾛ

提督（中々食べないから焦り始めたな）

提督（仕方ない……せめて粉が乗ってないところを食べよう）ﾊﾟｸｯ

鹿島「！」

鹿島（これで提督さんは私にメロメロに……！）

提督「うん、旨い」

鹿島「あるぇ？」
7： ◆1nspp/W0HA：2020/11/03(火) 19:40:15 ID:8GnYSsHs: 鹿島「一口食べたら提督さんは私にメロメロになる筈じゃ……」

提督「種が分かってるんだから薬の部分を避けて食べるに決まってるだろ」

鹿島「ぐぬぬ……！」

提督「それより鹿島も一口食べてみろ。今日のカレーは一段と美味しいぞ」ﾋｮｲ

鹿島「わーい！いただきまーす！」ﾊﾟｸｯ

鹿島「あ」

鹿島「にゃああああああぁっ！？」ﾍﾟﾀﾝ
8： ◆1nspp/W0HA：2020/11/03(火) 19:44:24 ID:8GnYSsHs: 鹿島「酷いですよぉ！？び、媚薬が混じったカレーを食べさせるなんてえぇ……！」

鹿島「何だか身体が段々熱くなってきて……んぅっ！♡」

提督「自分で仕掛けた罠に掛かる奴がいるか」

提督「少しはそこで反省しろ」

鹿島「はぁはぁ……おにょれえぇぇぇ……♡」ﾓｼﾞﾓｼﾞ
9： ◆1nspp/W0HA：2020/11/03(火) 19:45:41 ID:8GnYSsHs: 鹿島「前回は提督さんに計画がバレて惜しくも作戦失敗でしたが……」

提督「あれ惜しかったの？」

鹿島「ですが今回はそうはいきませんよ！」

提督「また自滅すんなよ」

鹿島「もうしませんっ！」
10： ◆1nspp/W0HA：2020/11/03(火) 19:47:23 ID:8GnYSsHs: 鹿島「ところで今日のお昼ご飯は如何致しましょう？」

提督「そういえばもうそんな時間か」

鹿島「よろしければ、鹿島特製サンドイッチなんて如何でしょうか」

提督「へぇー、それはいいね。いただこう」

鹿島「はい！丹精込めて作った鹿島のサンドイッチをどうぞ召し上がれ♪」
11： ◆1nspp/W0HA：2020/11/03(火) 19:48:06 ID:8GnYSsHs: 提督「カツサンドにベーコンとチーズのサンドイッチ、こっちはタマゴサンドか」

提督「どれも美味しそうだ」

鹿島「実は前回のカレーでの失敗を踏まえて、今回はちゃんと媚薬を混ぜて入れたんですよ！」

提督「ちゃんと学習したんだな」

鹿島「勿論ですっ！鹿島は日々成長しているのですから」

鹿島「一生懸命混ぜたので、流石の提督さんでもまさか媚薬入りだなんて気付きませんね！」

提督「もうバレてんだよなぁ……」
12： ◆1nspp/W0HA：2020/11/03(火) 19:49:27 ID:8GnYSsHs: 鹿島「3つの内の一つが媚薬入りです！どれか分かりますか～？」

提督「ロシアンルーレット感覚で媚薬を混ぜるんじゃないよ」

鹿島「ささっ！どうぞパクッといっちゃってください！」

提督「……ちなみに混ぜるのに苦労したものはどれか聞いてもー」

鹿島「ひ　み　つ　です！」

提督「ですよねー」
13： ◆1nspp/W0HA：2020/11/03(火) 19:52:57 ID:8GnYSsHs: 鹿島「提督さんが食べないなら私が先に食べちゃいますよ？」

提督「鹿島の分もちゃんと作ってきたんだな」

鹿島「はい♪提督さんと一緒に食べたくて作りました！」

提督（可愛いなぁ……）

提督（俺の為に弁当を作ってくれる健気で優しい女の子……）

提督（そんな娘と一緒にご飯が食べられるなんて幸せな時間だ）

提督（……媚薬さえ入ってなければ）
14： ◆1nspp/W0HA：2020/11/03(火) 19:54:55 ID:8GnYSsHs: 鹿島「あむっ！」ﾊﾟｸｯ

提督（鹿島も同じ物を食べてるって事は、あいつのも媚薬入りのサンドが入っているのでは？）

提督（つまり……今、鹿島が食べたものには媚薬が入っていない）

鹿島「ん～！美味しい♡」ﾆｺﾆｺ

提督（なら鹿島が選んだ種類を食べれば消去法で回避できる）
15： ◆1nspp/W0HA：2020/11/03(火) 19:56:40 ID:8GnYSsHs: 提督（鹿島はカツサンドに手を出した。ならこいつは安全な筈……）ｼﾞｰ

鹿島「んへへ～……///」ﾃﾞﾚﾃﾞﾚ

提督（こちらもカツサンドを食べるのが正解だな）

ｽｯ
16： ◆1nspp/W0HA：2020/11/03(火) 19:57:32 ID:8GnYSsHs: 提督（いや、待てよ……？もし自分のだけに媚薬を入れていなかったら？）ﾋﾟﾀｯ

ザワ…ザワ……ザワ…ザワ……

提督（恐らくこれは相手を安心させる罠……迂闊に手を出せば相手の思うツボ！！）

提督（そうだ！落ち着いて相手の表情を読めば……）ﾁﾗｯ

鹿島「？？」ﾆｺﾆｺ
17： ◆1nspp/W0HA：2020/11/03(火) 19:58:28 ID:8GnYSsHs: 提督（分っかんねぇえええええええ！！！！）

提督（何考えてっか全っ然分かんねぇよ！！）

提督（あれ絶対何も考えてないって顔してるわ）ｼﾞｰ

鹿島（提督さんがじーっと見てくれてる……！
18： ◆1nspp/W0HA：2020/11/03(火) 20:00:38 ID:8GnYSsHs: 提督（まずい……考えすぎて視界が歪んできた）ｸﾞﾆｬｱ

提督（俺だけ一人デスゲーム状態じゃねえかこれ）

鹿島「提督さん？大丈夫ですか？」

提督「え？」

鹿島「先程から料理に手を出されていませんが……」

鹿島「もしや、鹿島のサンドイッチはお気に召されなかったのでしょうか……？」

提督「あっ、いや……そんな事はないっ！」
19： ◆1nspp/W0HA：2020/11/03(火) 20:02:16 ID:8GnYSsHs: 提督「鹿島が作ってくれたから嬉しくて食べるのが勿体無く感じてな」

鹿島「ま、まぁ……！そんな勿体無いだなんて……えへへぇ///」

提督「折角作ってくれたのに悪かった。ちゃんと食べるよ」

提督（何時までも考えていては何も進まない。この状況を打破しなくては……！）
20： ◆1nspp/W0HA：2020/11/03(火) 20:03:09 ID:8GnYSsHs: 提督（取りあえず危険性が薄そうなカツサンドから……）

提督「もぐ……」ﾓｸﾞﾓｸﾞ

鹿島「味は如何でしょうか？」

提督「……旨い」

鹿島「やったぁ！」
21： ◆1nspp/W0HA：2020/11/03(火) 20:05:22 ID:8GnYSsHs: 鹿島「一生懸命作った甲斐がありました！」

鹿島「嬉しくて思わずご飯も進んでしまいます！」ﾓｸﾞﾓｸﾞ

提督「一つ聞くが……」

鹿島「はい、何でしょう？」

提督「このサンド、材料は一緒の物を使ってるんだよな」

鹿島「はい」