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ママデュラハン「アナタ!この子首が据わってるわ!」
1
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/10/29(木) 10:45:22 ID:SzbjR9rw
パパデュラハン『病院だよゥッッ!』
ママデュラハン『もう産まれて一年近く経つのに一向に首が取れる気配がないんです!!』
医者『お母さん、よく聞いてください。この子は先天性頸椎癒合症です』
ママデュラハン『ああ、なんてことなの…』
医者『とはいえ、首が繋がっているだけで命に別状はありません』
パパデュラハン『デュラハンなのに首が取れないなんて…』パコッ(首を取る音)
医者『息子さんは、人間界で人間に近い暮らしをさせた方がいいかもしれませんね』
ママデュラハン『人間界で…』
……
寺山「そうして産まれたのが僕」
俺「いくらハロウィン近いからって嘘が雑すぎない?」
2
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/10/29(木) 10:45:57 ID:SzbjR9rw
第一話 寺山君と俺
3
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/10/29(木) 10:46:39 ID:SzbjR9rw
寺山「本当だよ!!」
俺「それが本当ならここは異世界でしょ」
寺山「信じてないね?」
俺「そりゃウイイレやりながらデュラハン宣言されてもジョークにしか聞こえないよ」
寺山ママ「うふふ、俺くんいらっしゃい」
俺「あ、どうもお邪魔して…」
寺山「お母さん、首取って!!」
寺山ママ「あら? 別にいいけどどうして?」パコッ(首の取れる音)
俺「まままままままままままま…!!!」ガクガク
4
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/10/29(木) 10:47:11 ID:SzbjR9rw
寺山「ほら、ね?」
俺「病院だよゥッッ!!」
寺山ママ「あらあら、俺くんデュラハンは初めて?」
俺「キエエエ喋ったァァアァァ!!」
寺山「そりゃ喋るでしょ」
俺「喋らないでしょ! 首無いのに喋らないでしょ!!」
寺山ママ「お菓子とジュース、ここに置いていくわね」
俺「ありがとうございます!!」(条件反射)
寺山「ありがとー」
5
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/10/29(木) 10:47:43 ID:SzbjR9rw
俺「……? は…? えっ何これ? ひょっとしてウイイレのバグお母さんに感染った?」
寺山「どうもこうも、今見た通りだけど?」
俺「今見た通りだったらお母さん故人でしょ!?」
寺山「別に珍しいことじゃ無いと思うけどなあ…」
俺「えっ、何これ俺はいつ異世界転生してきたの? お前のお母さん敏腕マジシャン? 引田天功?
寺山「誰それ?」※分からない人はオッサンに聞いてみよう
6
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/10/29(木) 10:48:15 ID:SzbjR9rw
俺「いくらなんでもこんな身近に妖怪の類がいてたまるか。絶対ドッキリに決まっ」
寺山「お母さん首ー」
寺山ママの首「もう、お友達に見せたってしょうがないでしょ?」
俺「マァアァァアァァァァアァァ!!!」ガクガク
寺山ママの胴「ほら、ビックリしちゃってるじゃない」
俺「キエエエ喋ったァァアァァ!!」
寺山「だから喋るって」
7
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/10/29(木) 10:48:45 ID:SzbjR9rw
……
俺「…どうしよう。ビックリしすぎてちょっと漏れちゃったかもしれない」
寺山「人の部屋でやめてよ…」
俺「まさかこんな身近に、人外の友人がいただなんて…」
寺山「うちの学校結構人間じゃない子いるけど?」
俺「そんなB級ホラーみたいな学級ある?」
8
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/10/29(木) 10:49:28 ID:SzbjR9rw
俺がこの街に越してきて、初めて友達になったのが寺山君だった。
彼は新しい学校に戸惑っていた俺に声をかけてくれ、同じサッカーが趣味ということで仲良くなったのだった。
彼と出会ってから、もう1年が経とうとしていた。
9
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/10/29(木) 10:50:01 ID:SzbjR9rw
寺山「そんなに怖がらなくても…」
俺「いや怖いよ…デュラハンがサッカー趣味とか、それもう意味合いがちょっと違ってきちゃうじゃん…絶対ボールの代わりに人の生首使うやつじゃん…」
寺山「偏見〜」
俺「凡そ常識の範疇でないことに遭遇して俺は今混乱のあまりこのチョコパイの味も分からんよ…!」ガサガサ
寺山「それは包装ごと食べてるから」
俺「俺は今までこんな恐るべきモンスターと交友関係を築いていたのか…」
寺山「なんか傷つく言い方だなぁ…」
10
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/10/29(木) 10:50:34 ID:SzbjR9rw
俺「…とりあえずちょっと落ち着いてきた」
寺山「まさかそんなにビックリされるとは思わなかったよ」
俺「何ならさっきよりパンツ濡れてるもん」
寺山「やめてよ…トイレ行ってよ…」
俺「もう怖くて一人でトイレ行けない!!」(半ギレ)
寺山「大丈夫だよ〜」
11
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/10/29(木) 10:51:19 ID:SzbjR9rw
その夜…
俺(まさかアイツがデュラハンだったなんて…今考えても信じられん…)
俺(でもお母さんの首取れてたもんな…もうトリックなんて言い訳ができないくらいのレベルで取れてたもんな…)
俺(デュラハン…そもそもデュラハンってどんな存在なんだ…?Wikipediaで調べてみよ…)
Wikipedia「デュラハン(Dullahan, Durahan, Gan Ceann)は、アイルランドに伝わる首のない男の姿をした妖精 [1]。 」
俺「妖精なんだ…」(シンプルな驚き)
Wikipedia「コシュタ・バワー(Cóiste-bodhar)という首無し馬が引く馬車に乗っており、片手で手綱を持ち、もう一方の手には自分の首を持ち、ぶら下げている[2]。 バンシー(banshee)と同様に「死を予言する存在」であり、近いうちに死人の出る家の付近に現れる。 そして戸口の前にとまり、家の人が戸を開けるとタライにいっぱいの血を顔に浴びせかける。」
俺「」
12
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/10/29(木) 10:51:55 ID:SzbjR9rw
Wikipedia「『首なし騎士』とも呼ばれ、文字通り首の無い騎士の姿をして、首無し馬に跨ったアンデッドとして描かれる[3]。 デュラハンは家の戸口の前で家族ひとりを指さしてその死を予言する。 そして、一年後に再び現れて予言した相手を殺害する[3]。」
俺「やだあああああああ!!! どっちかっていうと悪霊寄りの存在じゃん!!!!」
俺「俺そんな奴とウイイレしてたの!? 怖っわ!! もう夜中にトイレ行けない!!」(全ギレ)
<ピンポーン…
俺「ヒイッ!!」ジョロッ
13
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/10/29(木) 10:52:27 ID:SzbjR9rw
寺山<俺くんいるー?
俺「あわわわわわ…」ガクガク
寺山<スマホのケーブル忘れてったよー
Wikipedia「自分の姿を見られる事を嫌っており、姿を見た者はデュラハンの持つ鞭で目を潰される。 だが、コシュタ・バワーは水の上を渡る事が出来ないので、川を渡ればデュラハンの姿を見ても逃げられる」
俺「目がああああああああ!!!!」ブルブル
妹「お兄ちゃんお友達来てるよ」
俺「いないって言って!!」
妹「今開けます」ガチャ
寺山「あ、どうもー」
俺「やだあああああああああああああ!!!!!」
14
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/10/29(木) 10:53:08 ID:SzbjR9rw
寺山「はいこれー…女の子の声がすると思ったら妹さんか〜」
妹「はい。兄がいつもお世話になってます」
寺山「いえいえこちらこそ」
俺「あわわあわわ…」ガクガク
妹「わざわざ家までありがとうございました」
寺山「ううん、いいよいいよ。散歩のついでだし気にしないでー。じゃ、おやすみなさい」
妹「はい。おやすみなさい」
俺「ヒィ!!!」ヘタリ
15
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/10/29(木) 10:53:50 ID:SzbjR9rw
妹「お兄ちゃん何やってんの?」
俺「あいつ人間じゃないの!!」
妹「はぁ」
俺「デュラハンなの!!」
妹「私先お風呂入るね」
俺「お願い今夜は一緒に入って!!」
妹「変態」
俺「一緒じゃなくてもいいからせめて風呂の近くにいて!!」
妹「変態」
16
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/10/29(木) 10:54:23 ID:SzbjR9rw
つづく
17
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/10/30(金) 13:35:28 ID:m38iRw4M
乙
いつもすこです
18
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/10/30(金) 14:58:40 ID:jWASIbck
第二話 吸血鬼、夜を駆ける
19
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/10/30(金) 14:59:24 ID:jWASIbck
寺山「おはよー」
俺「アバダケダブラ!!」
寺山「いま何か詠唱したでしょ」
俺「それがお前のコシュタ・バワーか…」
寺山「この自転車のこと?」チリリン
俺「もうダメだぁ…おしまいだぁ…一年後に俺はお前に殺されるんだぁ…」
寺山「だからそんなことしないって。急がないと遅刻するよ」
俺「アバダゲダブラ!アブラカタブラ!!アブラゲダバダ!!!」
寺山「だから効かないって…あと徐々に呪文間違えてきてるよ」
20
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/10/30(金) 15:00:04 ID:jWASIbck
…
寺山「昨日も言ったけど、この学校には人間じゃない子いっぱいいるんだって」
俺「何も知らずに俺はそんな妖怪学級に転校してきてしまったのか…」
寺山「例えばほら、2組の月舘さんは半分ヴァンパイアだよ」
俺「えっ」
寺山「確かお母さんの血筋がそっち系で…」
俺「ヴァンパイア…? マジかよかっこいい…」
寺山「僕の時とリアクション違わない?」
21
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/10/30(金) 15:00:53 ID:jWASIbck
俺「ヴァンパイアっていったら…アーカード枠じゃん!!」
寺山「漫画の話?」
俺「月舘さんか…イメージ通りのクールビューティだ!!」
寺山「確かに可愛いよねえ」
俺「首が取れるうえに死の宣告をしてくる化け物とは大違いだ!!」
寺山「ねえ君の中でデュラハンとヴァンパイアに対する価値観の温度差凄いことになってない?」
俺「夜を統べる者だよ!!」
寺山「なんか納得いかない反応だなぁ…」
22
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/10/30(金) 15:01:35 ID:jWASIbck
…
俺「ただいまー」
妹「おかえり」
俺「何見てんの?」
妹「プリキュア」
俺「そんなお前高1にもなって」
妹「高3にもなって妹にお風呂付き添ってもらった人に言われたくない」
俺「返す言葉もねえや」ホロリ
23
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/10/30(金) 15:02:22 ID:jWASIbck
妹「あーあ私だって、プリキュアになれるもんならなりたいぜ」
俺「何それ。ブスの悲しみ川柳?」
妹「ほんとだ五・七・五になってるじゃん。下の句つけとこ」ブベベベベベベ ブボボボボ
俺「お前年頃の女子がそんな連屁かましてどの口がプリキュアになりたいとかいうの」
妹「最近出てなくて。運動しないと」ポンポン
俺「妹のお通じ事情とか知りたくないから。とりあえず窓開けて地味に臭い」
妹「あら、秋の風が涼やかですわね」ガラガラ
俺「今更淑女ぶっても取り返しつかねえって」
24
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/10/30(金) 15:03:02 ID:jWASIbck
妹「あっやば」
俺「どしたの?」
妹「今日バイトのシフト入ってた」
俺「プリキュア見てる場合じゃないじゃん」
妹「晩ごはんカレーあっためて。冷蔵庫のプリン勝手に食べたら暴動が起きるよ」
俺「じゃあ今のうちに武器と防具揃えとくわ」
妹「食べる前提で話を進めるな」
俺「気をつけて行ってこいよ」
妹「はーい」
25
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/10/30(金) 15:03:44 ID:jWASIbck
…
妹「お疲れ様でーす」←バイト上がり
妹「はー疲れた…もう外真っ暗じゃない」
妹「寒…あっ、月が綺麗」
妹(そういえば今年のハロウィンは満月とか言ってたっけ…)
妹「ハロウィン、か…」
?「キャーーーーーーー!!!」
妹「えっ?」
26
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/10/30(金) 15:04:14 ID:jWASIbck
プリウス「ヴォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!」(急発進HV特有のモーター重低音)
妹(えっ、ちょっ…嘘でしょ…)
妹「お母さ…」
?「危ない!!」
妹「うわあっ!?」
ミサイルと化したプリウス「アアアアアアアアアアアアアアアアア!!!」ギャギャギャドカーン!!
<車がコンビニに突っ込んだぞ!!
<怪我人はいないか!!?
ガヤガヤザワザワ…
27
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/10/30(金) 15:04:47 ID:jWASIbck
妹「ひ…ひいぃ…」ガクガク
?「危なかったわね…怪我はない?」
妹「は、はい…」
妹(やだ…この人、おっぱいがついてるけどイケメン…)トゥンク
?「良かった…最近はこういう事故が増えてるから気をつけないとね…」
妹「ど、どうもありがとうございます!」
?「それじゃあ」
妹「あ、あのっ…!行っちゃった…」
妹(あの制服…お兄ちゃんの学校のだ…)
妹「…とりあえず帰ったらパンツ替えよ」←ちょっと漏らした
28
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/10/30(金) 15:05:25 ID:jWASIbck
妹「…というようなことがありまして」
俺「なっ…おまえあの事故の現場にいたのかよ!?」
妹「危なかった」
俺「本当だよ!その話聞いただけで俺もうプリン吐きそうだよ!!」
妹「食ったな」
俺「しかしまぁ、よかったよ…そんな状況でよく助かったな…」
妹「実質プリキュアに助けてもらったようなもの
だった」
俺「助けてくれた人の名前聞かなかったのか?」
29
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/10/30(金) 15:06:07 ID:jWASIbck
妹「うん…すぐに居なくなっちゃったから。でもお兄ちゃんの学校の制服着てたよ」
俺「マジで!? えっ、どんな格好だった?」
妹「えーと、髪が長くて…お団子がついたツインテールの…」
俺「ふむふむ」
妹「おっぱいが大きい…」
俺「…ポケモンBW2のメイ?」
妹「ポケモンやったことないから知らない」
俺(あれ、それってひょっとして…?)
30
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/10/30(金) 15:06:46 ID:jWASIbck
翌日
俺「あのー…月舘さん」
月舘「はい?」
俺「ひょっとして、昨日車に轢かれそうになった女の子を助けたりしませんでした…?」
月舘「ええ…どうしてそれを?」
俺「やっぱり! 実はあれ俺の妹で!」
月舘「あら、そうだったの!」
俺「やっぱり月舘さんだった!! 妹を助けてくれてありがとう!!」
31
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/10/30(金) 15:07:20 ID:jWASIbck
月舘「いえいえ、たまたま通りかかっただけよ」
俺「いやもうホントなんとお礼を申し上げれば良いのやら…」
月舘「妹さん、大丈夫だった?」
俺「はい! まあちょっと、流石にビビってちょっと漏らしてたみたいだけど…」
月舘「そういうのは言わなくていいの。それなら良かった」
俺「なんでも、月舘さんが目にも止まらぬ速さで妹を庇ってくれたとか…」
月舘「あはは、とにかく必死だったからね」
俺「それで、その、いきなりこんなこと聞くのもなんですが…頭おかしいと思わないでくださいね?」
32
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/10/30(金) 15:07:52 ID:jWASIbck
俺「ーー月舘さんって、ヴァンパイアなんですか?」
月舘「うん」
俺「即答ゥー!!」
33
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/10/30(金) 15:08:55 ID:jWASIbck
寺山「ねーだから言ったでしょ?」
俺「デュラ山!!」
寺山「混ざってるよ」
月舘「なるほど。寺山くんから聞いたのね」
俺「うん…最初は俺も信じられなかったんだけど…」
月舘「ふふ、無理もないわね。普段は私たちも人間として暮らしているから」
俺「かっけぇ…人の身となって世を忍ぶヴァンパイアかっけぇ…」キラキラ
寺山「なんでそんなにヴァンパイア推しなの?」
34
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/10/30(金) 15:09:36 ID:jWASIbck
俺「とにかく、何かお礼でも!」
月舘「そんな、別にいいよー」
俺「飯でも奢るんで!! 駅前の二郎系ラーメンとかどうです!?」
寺山「ヴァンパイアにニンニクマシマシを勧めるのはおかしいでしょ。そもそも女の子にお礼するのに二郎系ラーメンなのもおかしいでしょ」
月舘「…あ、じゃあちょうど良いから一つお願いしたいことが」
俺「何なりと!!」
35
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/10/30(金) 15:10:11 ID:jWASIbck
その夜
俺「ここは昨日の事故現場…?なんでこんなところに?」
月舘「最近この辺りで事故が頻発してるの、知ってる?」
俺「うーん、知らない。お前は?」
寺山「確か2週間くらい前にもここでバイクの事故があったような…」
月舘「どうやらこの辺に良くないモノが憑いちゃってるみたいなの」
俺「すげぇ!! そんなことも分かるの!? やっぱヴァンパイアってすげえ!!」
寺山「ひょっとして、それで最近ここに通ってたとか?」
36
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/10/30(金) 15:10:50 ID:jWASIbck
月舘「そう。そしたらたまたま俺くんの妹さんが事故に遭って…咄嗟に助けたはいいけど、それで犯人を逃しちゃってね」
俺「ひょっとして、悪霊退治ってやつ!?」
月舘「そんなとこだね」
俺「かっけぇ…マジでプリキュア活動じゃん…」
寺山「俺くんプリキュア見てんの?」
俺「いや妹が」
寺山「なるほど」
37
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/10/30(金) 15:11:41 ID:jWASIbck
俺「それで、俺達は何をすればいいの!?」
月舘「2人には周りで事故が起きそうな気配がないか見張っててほしいの」
寺山「でも、そんなに頻繁に何か起きるものなのかなぁ」
月舘「ええ。昨日はたまたま大きな事故だったけど、小さい事件はここ最近ほぼ毎日のようにここで起きてるわ」
寺山「例えば?」
月舘「誰かが財布を落としたり、極小隕石が降ってきたり…」
俺「事象のブレ幅でかくない?」
38
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/10/30(金) 15:16:33 ID:jWASIbck
月舘「とにかく私一人だと見張りに割くリソースが大きすぎて、犯人を見つけても対応が遅れるっていうのが正直なところだったわけ」
寺山「つまり僕たちが捜索して、見つけ次第月舘さんが即対処するってことだね」
月舘「うん、そういうこと」
俺「協力プレイlか…なんだか俄然盛り上がってきたな」
月舘「とはいえ、昨日みたいな事もあるから無理はしないでね」
俺「とりあえず俺たちはあの歩道橋の上からあたりを監視するのはどう?」
寺山「そうだね。あそこなら見渡しもいいし」
月舘「じゃあ、お願いね」
39
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/10/30(金) 15:17:58 ID:jWASIbck
…
俺「しかし、月舘さんもヴァンパイアとはいえ毎日こんなことしてたのか…」
寺山「こっち側の問題で人間界に悪い影響を与えると、僕らとしてもあまり良くないことだからね」
俺「そんなもんなのか…というか今考えると、当たり引いて隕石降ってきた日にゃなす術ないなこれ」
寺山「月舘さんはああ見えて悪霊退治のプロフェッショナルでもあるからね。噂じゃ使い魔なんかも使役できるとか…」
俺「じゃ使い魔に見張らせれば…ってこんな街中じゃそうもいかないか。ところでそういうデュラ山は何か特技あるの?」
寺山「…」
俺「あっゴメン…お前はほら、えーと…アレよ、ウイイレが…やや上手い…あと家で出てくる菓子盆が豪華…」
寺山「なんか悲しくなってきた…」
40
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/10/30(金) 15:19:08 ID:jWASIbck
…
俺「寒ー…もうかれこれ2時間近くいるけど何も起きる気配がないな」
寺山「月舘さんのお手伝いとはいえ疲れてきたねぇ」
俺「暗くもなってきたし…もうスマホの充電切れそう」
寺山「ちゃんと見張ってなきゃ」
俺「ちょっと、あそこの自販機で暖かい飲み物でも…」
<ギュオオオオオオオオオ!!
俺「ん?」
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