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男「え?俺一年後に死ぬの?」天使「うん」
100
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/07/14(火) 02:44:27 ID:JhAn.7BM
天使「クリスマスって……悪くないですね」
男「そうだな」
天使「……」
男「天使がいてくれてから、楽しいんだと思う」
天使「あのっ」
男「楽しいって感じる度に少し胸が苦しくなるけど」
天使「っ……」
男「それでもさ、なんていうか……ありがとう」
天使「男……君……」ギュッ
男「ッ!?おい手なんて握ったら」
天使「平気です」ギュッー
101
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/07/14(火) 02:47:45 ID:JhAn.7BM
天使「不純ではありませんから」
男「……」ギュッ
天使「(周りの幸せなカップルも、また来年幸せが訪れるのに……)」
天使「(なのにこの人は……)」
男「ありがとな」
天使「……」
男「天使のおかげで毎日一生懸命生きていけてる」
男「母さんとも仲直りできてるし」
男「毎日が楽しいよ」
天使「……はい」
男「帰ろーぜ」
天使「……はい」
102
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/07/14(火) 05:10:42 ID:JhAn.7BM
男「俺はさ、決して不運だとは思っちゃいないよ」
天使「……」
男「まあ、心の準備が追い付いてないってだけよ」
天使「……はい」
男「そっちの手違い?ミス?そのものが運命だったのかもしれないし」
天使「男君は優しいですね」
男「よく言われます」
天使「すぐ調子に乗りますが」
男「あい」
天使「フフフ」
103
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/07/14(火) 05:16:19 ID:71UMYZE6
男「ある意味『この日に死ぬ』って知ってるって幸運だとも思ってるよ」
天使「そう……なんですか?」
男「明日が普通に来ると思ってる中で死ぬってのが嫌かも」
男「ましてや俺は元々種も残せずのらりくらり死んでくワケだったし」
男「もしかしたら生まれた時から死ぬ運命だったんじゃないかな?って思ってる」
天使「そんなこと無いです!貴方は確かに生きるべき存在でした!」
男「生きるべきかなあ?」
天使「……」ギュッ
男「死ぬのかぁ……」ギュッ
104
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/07/14(火) 05:20:09 ID:JhAn.7BM
男「天使ちゃん帰らなくて平気なん?」
天使「……」コクン
男「そっか」
天使「……」
男「ココア作るから待っててね」
天使「はい……」
男「(これは)」
男「(性の6時間に突入するわけですが)」
男「(相手は天使ですよ!)」
男「(いやだめだなら俺は賢者でないと!)」
天使「……」
男「顔赤いけど……風邪?」
天使「ひいてません」
男「はい、ココア」
天使「どーも」
105
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/07/14(火) 21:11:20 ID:JhAn.7BM
ふう
106
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/07/14(火) 22:08:30 ID:JhAn.7BM
男「俺さ」
天使「?」
男「天使ちゃんのこともっと知りたい」
天使「とのととととと言うのは」
男「天界でどういう生活してるのかとか」
天使「……なるほど」
男「なんだと思ったん?」
天使「い、いえ……」
男「生まれて初めての、最期の彼女のことだし」
天使「……」
男「聞かせてよ」
107
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/07/15(水) 19:38:45 ID:jrdDY2zc
やるのか?
108
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/07/15(水) 20:38:04 ID:joFB9roE
・
・
・
天使「と、言うわけです」
男「へぇー、天使にも試験だのあるのか…」
天使「まぁ私のような優秀な天使には落第など無縁でしたけどね」
男「今まさに転落中だが」
天使「コホン、なんとかしてみせます」
男「うん……なんとかしなきゃな」
天使「……」
男「そもそも幸せバロメーターってなんだ?」
109
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/07/15(水) 20:51:20 ID:oK90Idek
天使「天使学校ではその人が納得いく過程や成果を感じるほど上がると教わりました」
男「納得…」
天使「早い話、死を選択していても本人が納得さえすれば幸せバロメーターは上がってしまうんです」
男「なるほど……」
天使「そんな人はほとんどいません」
男「自殺とかは?」
天使「あくまで苦悩から逃れるための手段にすぎませんよ……」
男「やっぱそうか」
110
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/07/17(金) 21:31:28 ID:ZAwzwzxE
男「(そもそも幸せって何なんだろ……)」
天使「……」
男「(俺にとって幸せって何なんだ…)」
天使「あのっ」
男「?」
天使「私たち、恋人ですよね?」
男「う、うん……」
天使「……」
男「俺は……そう思ってる……」
天使「私もですよ」
111
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/07/17(金) 21:36:45 ID:ZAwzwzxE
天使「私、あなたと過ごしていると落ち着きます」
男「そう……なん?」
天使「あなたの願いのせいではなく、私の本心に芽生えた気持ちです」
男「うん」
天使「後ろめたさ、感じてますよね?」
男「そりゃね…彼女欲しいなんて言ったから」
天使「あなたの死期を早めた当人に対して後ろめたさを感じるのも変な話ですが」
男「いやぁ……まあ」
112
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/07/17(金) 21:40:13 ID:ZAwzwzxE
天使「……なんで私がまだ帰らないか、理由わかりますか?」
男「えっ……」
天使「イヴの夜に」
男「童貞にそんな質問する?」
天使「私、減算されませんよ」
男「えぇ!?」
天使「だって、れきっとした恋人同士ですもん」
男「いやいやいやいやいやいや……この前と言ってることが」
天使「実はかくかくしかじか
>>89
」
男「と、言われても」
天使 「そんなに魅力ないですか?私」
113
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/07/17(金) 21:42:12 ID:ZAwzwzxE
男「いやいやあるよ、ありますありまくり」
天使「ですよね」
男「高飛車なところもいい」
天使「そんな私がこうしてOK出してるのに」
男「キスもしてないのに?」
天使「ッッ、キ、キ、キスだなんて破廉恥な!!」
男「??!!!????」
天使「もうっ……」
男「え?えっ?」
114
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/07/17(金) 21:48:06 ID:4dN3VzYE
男「今合体するかしないかの流れだったよね?」
天使「……///」
男「キスするかしないかでそうなるの!?」
天使「っさいですね…!」
男「(基準がよくわからん)」
天使「キスってあれですよね、壁ドンの顎クイのやつですよね」
男「ん?う、うん…(そういう趣向好きなのかな……)」
天使「し、したいんですか??」
115
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/07/17(金) 21:56:25 ID:ZAwzwzxE
男「いやべつに」
天使「ふーん」
男「……したいけど」
天使「ふっーん……しゃうでしゅか……」
男「いや顔あかっ!」
天使「そうでもないです……」
男「……?ちょっとオデコかせ」
天使「ふえっ?」
男「(熱…!)」
天使「男くん……?」
男「風邪ひいてるよっ天使ちゃん」
116
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/07/17(金) 21:58:07 ID:ZAwzwzxE
天使「風邪……」
男「熱すごいもん!」
天使「人間風邪をひいてしまったのでょうか」
男「ぼーっとしない?」
天使「むあ、クラクラするくらいですかね」
男「してますね」
天使「まあ、でも大したことないですよ」
男「あるよっ!!」
天使「ッ」ビクッ
117
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/07/17(金) 22:07:08 ID:ZAwzwzxE
男「ほら、横になろ?」
天使「あぅ」
男「(こんな形で俺のベッドに彼女が寝るとは……) 」
天使「ボーっとひます……」
男「天使ちゃん、天界には帰れないの?」
天使「なんか……力が入らなくて……」
男「めっちゃ風邪のせいやん」
天使「聞いたことあります……人間風邪ひくと厄介らしくて……」
118
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/07/17(金) 22:09:48 ID:ZAwzwzxE
男「そうなんか…」
天使「ケースによっては命を落とす場合もあるそうです……」
男「急に具合悪くなってきたな」
天使「なんか急に力が……」
男「助け呼べないの?」
天使「呼ばないです……」
男「よ、よべないの?よばないの??」
天使「……」ハァハァ
男「(すげぇ熱……)」
119
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/07/17(金) 22:13:39 ID:ZAwzwzxE
男「(天使……きっと精神的に追い詰められてたんじゃねーのかな)」
男「(……)」
天使「……」ハァハァ
男「すぐ治してやるからな」サッ
天使「……‥??」
男「(これで……)」
天使「……あれ、なんだか……」
男「(残り三回か)」
天使「身体が軽くなったような気がします……」
男「すぐよくなるよ」
120
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/07/17(金) 22:16:24 ID:ZAwzwzxE
天使「……これって、まさか……」
男「ん、使った」
天使「……」
男「かなり有意義な使い方だと思う」
天使「でも」
男「大切な存在のために使える力ほど幸せなもんはないよ」
天使「でも……」
男「お、顔色良くなってきたな」
天使「ありがとうございます」
121
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/07/18(土) 04:07:59 ID:q1royRSA
優しいな
122
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/07/18(土) 07:32:32 ID:3WhQZ5L.
男「天使ちゃん、無理してない?」
天使「……無理?」
男「こうさ、俺との事で精神的に」
天使「……」
男「だからきっと体調崩しちゃったんじゃないかな?」
天使「男……君……」
男「どした?」
天使「えっと、その、天使ちゃんじゃなくて天使がいいです…」
男「え?あ、うん」
天使「それと、あの……」
123
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/07/18(土) 07:35:00 ID:3WhQZ5L.
男「?」
天使「……ギューしてみたいです……」
男「牛……?ぎゅー?」
天使「ぎゅーです」
男「……!抱き締めるってこと?」
天使「ってことです」
男「減算は平気なんだよね?」
天使「はい」
124
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/07/18(土) 07:38:48 ID:3WhQZ5L.
男「立って」
天使「……ん」
男「えっと……(これでいいのかな……?)」
天使「…………」
男「(もっと力強くていいかな……?)」ギュッ
天使「…………」ギュッ
男「いいな……これ……」
天使「……」コクン
男「もう少しいいか?」
天使「……」コクン
125
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/07/18(土) 08:09:22 ID:3WhQZ5L.
男「なぁ天使」
天使「……何ですか?」
男「俺、君に出逢えてよかった」
天使「……」
男「心の底からそう思ってる」
天使「でも」
男「ありがとう」
天使「……」ギュッ
126
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/07/18(土) 22:41:19 ID:pW1bQgzc
・
・
・
年末
男「もう今年も終わりか」
天使「クリスマスムード、ホントにすぐ終わるんですね」
男「26日には門松出す文化ですから」
天使「忙しいんですね」
男「天界って新年どうこうないの?」
天使「んー、特に無いですよ」
男「そうなんだ」
天使「まあ基本的に幸せムードが継続するので天界としては仕事がしやすいんです」
男「へぇー」
127
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/07/18(土) 22:52:28 ID:pW1bQgzc
男「人生最後の年末だけど……特に何がどうこうってワケにもいかねえな」
天使「行きたい場所とかないんですか?」
男「んー?んーまあ色々あるけど」
天使「色々あるんかい」
男「あるよそりゃ」
天使「何処ですか?」
男「え?天界」
天使「ッ、なるほど」
男「行けないもんかな」
天使「無理……じゃないですか?」
128
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/07/18(土) 22:54:54 ID:pW1bQgzc
男「俺の願い使えば!」
天使「使って行くほど大した場所じゃないですよ」
男「えぇ……」
天使「別に雲の上にあるわけでもないし」
男「でも神様ってのに会ってみたいな」ゴキゴキ
天使「指ゴキゴキ鳴らしながら言う台詞じゃないですよ」
男「天使ちゃんのお父さん神様なんでしょ?」
天使「ええ、まあ……神の1人と言いましょうか」
129
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/07/19(日) 15:37:53 ID:.BLl16H2
男「神ってたくさんいるんだ……」
天使「神なんて概念というか役職みたいなものです」
男「天使仲間とかはいないの?友達みたいな」
天使「いることはいますが……今の時期みんな忙しいので……」
男「ポイント集めですか」
天使「まぁ……」
男「でもどーしたら390ポイントしか稼げないわけよ」
天使「うっ……それは……」
130
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/07/19(日) 15:41:46 ID:.BLl16H2
過去
天使『はー早く転生したいなぁー』
天使『どっかに幸せを生みそうな芽は無いかな?』
天使『あっ!告白してる!』
男子「す、好きですっ!」おっぱいおっぱいおっぱいおっぱいおっぱい
天使『頭の中胸のことだけだなぁ……』
天使『ボッシュートで!!』
女子「ごめんなさい!」
男子「ぐはぁ!」
天使『これで良しッ……!』
131
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/07/19(日) 15:47:00 ID:.BLl16H2
天使『バレンタインねぇ』
女子A「あ、あのっ……これ!」
男子「えっ……俺に……?」
天使『おーおーいい感じ』
天使『でも何か刺激欲しいな……あ、そーだ』
女子B『待って!私のチョコも』
女子C『受け取ってよ!!』
天使『んー、モテ期……いや修羅場かな?』
男子「えっ?えっ??」
女子A「男くん……」
天使『しーらない、帰ろ』
132
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/07/19(日) 15:55:11 ID:.BLl16H2
男「貴方それでよく390ポイントも貯めましたね」
天使「それほどでも……」
男「それで目指してる10000点は現実味あるの??」
天使「厳しいですね」
男「まあでも大分貯まってるんじゃないかな」
天使「いや……マイナスぶっちぎってますよ」
男「でも俺はこれで幸せなわけだしマイナスってことはないと思うよ」
天使「……」
133
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/07/19(日) 18:40:12 ID:7WrG59W.
おつ
134
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/07/19(日) 20:50:12 ID:WNBTrV7I
男「ここまで1日1日を真剣に生きられるなんて一生無かったと思う」
天使「でも貴方死ぬんですよ」
男「まあ……しゃーないよ」
天使「これから生きる20代30代40代が無いんですよ?」
男「んー……まあどういう人生になったかは知らんけど結局独り身ってんなら」
天使「そういう問題でしょうか……?」
男「知ってるか知らないかは大きいよ」
天使「……」
135
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/07/19(日) 20:59:40 ID:1iPyzMuA
男「なんて言えばいいかわからないけど……それでもこういう人生になったことに不思議と悲しくないんだ」
男「悲しくなれない人生を送ってたってだけだけど」
男「……」
天使「……」
男「……ちょっと」
天使「?」
男「やっぱり……ちょっと死ぬのは怖い……かも……」
天使「あのっ」
136
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/07/19(日) 21:40:53 ID:1iPyzMuA
天使「あの……」
男「何??」
天使「あの……1つ……お願いしていいですか?」
男「お、お願い?」
天使「その……何て言えばいいのかわからないんですけど、えっと……」
男「遠慮せずに」
天使「……強がらないで、ほしいです……」
天使「私に気を使ったりしないで、思ってることを伝えてほしいです」
天使「私のせいでこんなことになっているのに……こんなこと言うのもおこがましいですけど……」
137
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/07/19(日) 21:55:40 ID:1iPyzMuA
男「わ、わかった……」
天使「私、貴方の恋人なんですよね?」
男「はい……」
天使「男くんって」
男「?」
天使「尻に敷かれるってやつなんですね」
男「そ、そーかな」
天使「きっと家庭を持ったらそうなります」
男「まあ持つ事なかったわけだが」
138
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/07/19(日) 22:17:24 ID:1iPyzMuA
天使「いいえ、きっといつか持ちますよ」
男「でも俺死ぬわけで」
天使「貴方は、生まれ変わりって信じますか?」
男「んぁー輪廻転生みたいな?」
天使「えぇ」
男「正直……まあ、信じてはないけど」
天使「まあ普通はそうですよね」
男「でも天使にはあるんだよね」
139
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/07/19(日) 23:23:54 ID:WNBTrV7I
天使「ケースはあれど人間にもありますよ」
男「そうなんだ……ってもだから何って感じだなあ」
天使「まあそうなりますよね」
男「俺であって俺じゃないし」
天使「……ですよね」
男「ごめん、励まそうとして言ってくれたのに」
天使「いえ、きっといい家庭を持てると思います」
天使「(きっと……そのために私がポイントをとにかく集める)」
天使「(男くんの来世のために)」
140
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/07/20(月) 22:10:44 ID:Gl8CP2M6
大晦日
夜中
男「もうすぐ年越しだな」
天使「人多いですね」
男「天使が天満宮にいるとかすごい図だよな」
天使「確かに」
男「寒くないか?」
天使「大丈夫です……でも……」
男「?」
天使「右手が、寒いですかね……」
男「……」 ギュ
141
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/07/20(月) 22:21:17 ID:Gl8CP2M6
天使「フフフ」
男「天使、変わったよな」
天使「……まぁ、自分でも思います」
男「高飛車の世間知らずお嬢様みたいな感じだったのに」
天使「うぐっ……否定できませんっ……」
男「まあ俺が願い使ったせいなんだけど」
天使「違います」
男「そうかなぁ…」
天使「スタート地点はそうであれ、私が変われたのはあなたのおかげです」
142
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/07/20(月) 22:26:21 ID:Gl8CP2M6
ゴーン ゴーン
10!9!
天使「わっ、な、なんですかっっ」
男「カウントダウン」
天使「あぁ……」
男「俺が死ぬときもやる?」
天使「やりません」
2!1!ゼロー!!
男「はい、おめでと」
天使「何もおめでたくないんですけどね」
ゴーン ゴーン
143
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/07/20(月) 22:32:12 ID:Gl8CP2M6
男「恋人と年越しできるなんて思ってなかった」
天使「人生最期の年越しですね」
男「んー、うん」
天使「……」
男「…………みんなお参りしてるなぁ」
天使「しますか?」
男「俺はいいけどさ……天使はいいのかよ」
天使「しておきましょう、お手並み拝見ですよ祀り神様と」
144
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/07/20(月) 22:34:36 ID:Gl8CP2M6
天使「なんてお参りするんですか?」
男「んー…………」
天使「?」
男「明日も価値のある1日でありますようにってお願いしとくか」
天使「明日のことですか」
男「うん 1日1日が大切だし」
天使「確かに……そうですよね」
145
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/07/20(月) 22:37:05 ID:Gl8CP2M6
男「天使は?」
天使「私ですか?私はお願いしませんよ」
男「天使のプライドか」
天使「もちろんです」
男「ま、神頼みはそこらへんにして」
天使「?」
男「屋台で何か食おうぜ」
天使「待ってました!私きりたんぽの串のやつがいいですっ」
男「急に元気になるな」
146
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/07/20(月) 22:39:08 ID:Gl8CP2M6
1月
男「ねえ母さん」
母「あら、なあに?」
男「俺、今年の夏から海外に行くことにると思う」
母「えぇっ!?」
男「遠く離れると思うんだ」
母「海外ってどこなの?話せるの?天使ちゃんは知ってるの?」
男「心配しなくていいよ」
母「でも」
男「大丈夫」
147
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/07/20(月) 22:45:19 ID:Gl8CP2M6
男「天使も一緒だから」
母「そ……そう……」
男「まあそういうことだからさ」
母「二人は結婚するの?」
男「うん、結婚前提にお付き合いしてるよ」
母「そうっ……!」
148
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/07/20(月) 22:49:25 ID:Gl8CP2M6
夜
天使「お義母さまは夜勤なんですね」
男「あれなんかお義母呼びしてる」
天使「結婚を前提にと言われてしまったので……」ポッ
男「人間風邪か?」
天使「むぅ あの言葉は嘘なんですか?」
男「言うて半年後に死んでるし」
天使「嘘だったんですね……」グスン
男「おら泣き真似やめろ」
天使「やん」
149
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/07/20(月) 22:56:24 ID:Gl8CP2M6
男「(なんか今日ちょっと露出度高くねーすか??)」
天使「暇なんで夜だけど来ちゃいました」
男「(誘ってません?これ)」
天使「どうしたんですか?」ジーッ
男「どうもしてないけど……」
天使「顔赤いですよ?」
男「(クッ!コイツの術中にハマるわけには……!!)」
天使「男くーん?」ジーッ
男「な、なに」
150
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/07/21(火) 18:27:10 ID:tXGTOMOg
よし早くやれ
151
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/07/21(火) 21:31:56 ID:JXgOgUew
天使「なんで避けるんです??」
男「おめー誘ってんな……」
天使「ッ……フフフ、だったら何なんです?」
男「否定せずに開き直るとは!」
天使「結婚だなんて……」
男「いやあれは」
天使「嘘なんですか?」
男「いや、いや……」
152
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/07/21(火) 21:42:40 ID:JXgOgUew
天使「嬉しかったのに」
男「でも俺死ぬから」
天使「子作りしましょうよ」
男「おいおいどうした」
天使「可能性はあるんですから」
男「しない」
天使「何でですか?」
男「何でもかんでもしない!」
天使「したくないんですか?」
男「しッ……たい……けど……」
天使「ふぅん……」
153
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/07/21(火) 21:48:38 ID:JXgOgUew
男「どうしたんだよ」
天使「……ちょっと、暴走してみました」
男「かなりしてるぞ」
天使「そうですかね」
男「子作りってお前……」
天使「う……自分で言ってて恥ずかしくなってきました……」
男「なぁ天使さ」
天使「?」
154
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/07/21(火) 21:52:11 ID:JXgOgUew
男「俺は天使のこと好きだよ」
天使「ッ……」
男「愛してる」
天使「……」
男「だからこそ幸せになってほしい」
天使「……」
男「俺はもう半年後にはいないから」
天使「だから何なんですか」
155
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/07/21(火) 21:54:28 ID:JXgOgUew
男「え、いやだから俺のことは」
天使「忘れろっていうんですか?」
男「そうは言ってないけど」
天使「愛してるとかかっこつけた事言うなら」
男「??」
天使「……」プイッ
男「……(こんなん俺にもわかるってーの……)」
天使「フン……」
男「ほら、天使」クイッ
天使「っ……」
156
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/07/21(火) 21:58:17 ID:JXgOgUew
天使「ん……」
男「天使」ギュッ
天使「ひゃっ!?」
男「……」ギュッー
天使「男くん……??」ギュッ
157
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/07/21(火) 22:01:10 ID:JXgOgUew
男「まあ残り半年ちょい気ままに生きるよ」
天使「気ままになんですか?」
男「気負いせずにってこと」
天使「……」ギュッ
男「今はそんなこと言ってるけどさ、多分俺……」
天使「最期まで隣にいさせてください」
男「かなり取り乱すと思う」
天使「隣にいさせてください」
男「……うん」
158
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/07/21(火) 22:04:23 ID:JXgOgUew
・
・
・
・
二月
天使「なんでチョコレートなんですか?」
男「知らねーよ」
天使「私チョコレートなんて作っ」
男「いや天使は台所にたたなくていい!」
天使「何でですか?」
男「天使ちゃん?チョコレートにタバスコは必要ないんだよ?」
天使「タバスコ美味しいじゃないですか!」
159
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/07/21(火) 22:06:01 ID:JXgOgUew
男「もう俺が作るから」
天使「本当ですか!?楽しみですっ!」
男「ぎゃくじゃね?逆じゃねーのこれ?」
天使「バレンタインチョコ……」wktk
男「(まぁいいか……)」
天使「甘めでお願いします!」
男「はいはい」
160
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/07/21(火) 22:41:51 ID:JXgOgUew
そして
6月
男「雨か……」
テレビ「再来週には梅雨明けの模様」
男「……」
男「もうすぐか」
男「……」
天使「男くん」
男「ん?いたのか」
天使「えぇ」
男「雨、やまないな」
天使「そうですね」
男「……」グゥー
天使「ご飯食べないんですか?」
161
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/07/21(火) 22:43:49 ID:JXgOgUew
男「んー……んー、腹減ってない」
天使「お腹鳴ってるのに?」
男「食欲がないのかな?」
天使「昨日のお昼からほとんどなにも食べてないですよね?」
男「まあ」
天使「最近、痩せましたね」
男「……」
天使「ご飯作ります」
男「すまん」
162
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/07/21(火) 22:46:21 ID:JXgOgUew
天使「どうぞ、召し上がれ」
男「なんつーかほんと」
天使「フフフ」
男「ここまで料理上達するとはな」
天使「愛の力です」
男「えぇ……」
天使「男くんやお義母さんがたくさん料理教えてくれたから」
男「……美味い」
天使「そうでしょう」
男「変わるもんだな」
163
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/07/21(火) 22:48:12 ID:JXgOgUew
天使「昨晩もそんなに寝れていないんでしょう?」
男「うん……」
天使「食べたら少し横になってください」
男「いや」
天使「顔色も悪いし……ね?」
男「……ん」
天使「ねぇ男くん」
164
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/07/21(火) 22:54:47 ID:JXgOgUew
男「どうした?」
天使「男くんは生まれ変わったらまた人間になりたいですか?」
男「えぇ?……まあ、そうだなぁ」
天使「…」
男「人間じゃなくても……大切な存在と一緒にいれる一生なら」
男「それこそ幸せなんだろうなぁ」
天使「……」
男「天使?」
天使「私、用事思い出したので戻ります」
男「??!」
165
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/07/21(火) 22:57:38 ID:JXgOgUew
天使「では!」シュバッ
男「お、おいっ!」
男「……???」
神「本気なのかい」
天使「ん、本気」
神「それはあまりにも……」
天使「彼の命を授かるにはもう時間が無いの」
神「人の子を授かるとは……」
天使「なに?勘当でもする?」
神「下界に降りるのかね……天使ちゃん」
天使「上も下も無いから、こんな世界」
166
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/07/21(火) 23:02:27 ID:JXgOgUew
神「リスクが大きすぎる……!」
天使「でも」
男「ここが天界か」
神「!?」
天使「!?」
男「わ、この人天使ちゃんのお父さん?」
天使「なっ」
神「願いを使ったか……」
男「使わせていただきました」
天使「男くん……」
男「天使と話したいって願ったら」
男「ここにいた」
男「天界だけにまさかの展開」
167
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/07/21(火) 23:04:59 ID:JXgOgUew
天使「私と話したい……ってだけ?」
男「うん」
天使「ッッ、そんなんで願い使うなんて……本当に馬鹿ですねあなた」
男「てっきり俺の部屋に天使ちゃんが戻ってくるもんだと思ってた」
天使「……」
神「ふむ……」
男「はじめまして……」
天使「あーもういいです話しかけないでくださいよこんなハゲに」
神「ぐっ」
男「ハゲいうな」
168
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/07/21(火) 23:07:04 ID:JXgOgUew
男「天使ちゃん、話は聞いたけどさ」
天使「……」
男「ありがとね、色々かなり考えててくれて」
天使「……これが最善です」
男「不確定すぎるっぽいし」
天使「……でも」
男「ありがとね」
169
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/07/21(火) 23:08:52 ID:JXgOgUew
天使「男くん」
俺「ん」
天使「私、必ず貴方を幸せにしてみせます」
神「……」
男「天使ちゃん」
天使「私のポイント、あなたの来世のために」
神「天使ちゃんそれは」
天使「あうっ」
男「(……、)」
170
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/07/22(水) 23:31:34 ID:89YDor7I
男「俺生まれ変わるんですか?」
神「何とも言えんの……」
天使「……」
男「天使」
天使「な、何ですか……?」
男「……、帰ろうよ」
天使「……」
男「いや帰ろうって言い方もおかしいな」
天使「でもまだ」
171
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/07/22(水) 23:38:07 ID:89YDor7I
男「天使……ちゃんさ、その、自分のポイント犠牲にして俺を助けようとそんな感じの事考えてるでしょ」
天使「それは……」
男「ありがとね。でもそういうのは望んでない」
天使「貴方が望んでいなくても私は」
男「そんな方法望んでないし願ってない」
天使「でも、でも……!」
男「俺の家に戻ろ?アイス食べるんでしょ?」
神「天使ちゃん……」
天使「わ、わだ、わだし……」
172
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/07/22(水) 23:40:51 ID:89YDor7I
男「今俺にとって幸せな時間は君との何気ない時間なんだよ」
天使「……はい」
男「戻ろ?」
天使「……はいっ」
神「……」
男「あの、それともう一度だけここに来てもいいですか?」
神「もう一度?」
男「はい」
神「……」
男「……」
神「構わんよ。一度だけ許可しよう」
天使「一度だけとかケチくさいこと言ってんじゃねーよハゲ」
神「ぐふっ」
男「(娘に弱すぎだろ)」
173
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/07/22(水) 23:42:42 ID:89YDor7I
・
・
・
男の家
男「あれ、そんな時間経ってない!?」
天使「まあ天界とは少しラグがありますから」
男「はぇー……」
天使「にしても天界に来るとは驚きました」
男「こっちが驚いた」
天使「そんなに私に会いたかったんですか?」
男「うん……なんとなく」
天使「何となくで願いを使うなんて……」
174
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/07/22(水) 23:47:02 ID:89YDor7I
男「何でかな?……なんか……うん、よくわかんないけど」
天使「ねぇ男くん」
男「?」
天使「あと一ヶ月足らずで死ぬんですよ?」
男「知ってる」
天使「怖くないんですか?」
男「いやまあ怖いよ」
天使「そんな風に見えませんが」
男「現実的な話ってわけでもないじゃん?」
175
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/07/22(水) 23:49:51 ID:89YDor7I
男「それにちょっとなんかミラクル期待してたりさ」
天使「そ、そのミラクルが例えば私がににににんにに、にんしん……とか……」
男「しても俺が死んだら?」
天使「うっ」
男「天使はどうするの?子供はどうなるの?」
天使「……」
男「もっと悲しい結果になるかもしれないじゃん……さすがにそこに賭けたくない」
天使「はい……」
男「君の事が好きだからね」
天使「はい」
176
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/07/22(水) 23:51:25 ID:89YDor7I
男「ぷっ、何キザなセリフ言ってんだ俺」
天使「自分で笑わないでください」
男「誰かに好きだなんて言える人生」
天使「……」
男「その言葉を受け止めてくれる人がいる幸せ、普通に生きてたら無かったと思う」
天使「それはわからないですよ」
男「いーや、ない」
177
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/07/22(水) 23:57:47 ID:89YDor7I
男「残り短いけれどよろしくね」
天使「本当に…いいんですか?」
男「うん」
天使「私のせいで死ぬんですよ」
男「違うよ」
天使「違くないです」
男「きっとこうなる運命?だったと思う」
天使「私がもっと……真面目であればこんなことにならかった……!」
178
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/07/23(木) 00:01:30 ID:8w.jVfu2
男「えーでもそれじゃ天使に会えないじゃん」
天使「でも貴方にはきっと残りの100年で素敵な出会いや体験があったはずです」
男「いいよそんなん 童貞なんだし」
天使「結婚や異性関係だけが幸せではありません」
男「まぁそうだろうけどさ」
天使「私が奪ったんです」
男「奪ったっていうほど人生じゃないと思うけど」
天使「貴方は優しいからそういうことが言えるだけです」
179
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/07/23(木) 00:03:57 ID:8w.jVfu2
男「それでも天使に会えなかったのを考えると俺はこっちの人生選ぶけどね」
天使「……」
男「まあ天使の方は乗り気じゃないだろうけどさ……」
天使「んーん」フルフル
天使「貴方のおかげで変わりましたもん私」
男「確かに」
天使「もっと別の形でお会いしたかったです」
男「んー……そうだよなぁ」
180
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/07/23(木) 06:49:50 ID:0fpzMV3U
おつ
181
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/07/23(木) 21:22:34 ID:I4rxbDqM
ふう
182
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/07/24(金) 06:29:22 ID:Wcsag89I
ジュワー
183
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/07/25(土) 09:32:45 ID:fkhfD3dk
天使「男くん、お腹空いてません?」
男「まあ少し」
天使「夜食作ります」
男「それじゃあ、お言葉に甘えて」
天使「〜♪」
男「(料理ドドド下手だったのに)」
天使「フンフンーン」
男「(ここまで手際よくなるんだもんなあ)」
男「(きっと天界でもいいお嫁さんになれるな)」
184
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/07/25(土) 09:37:40 ID:fkhfD3dk
・
・
・
男「美味しかった」
天使「フフフ、それほどでも」
男「もうこんな時間か……」
天使「そうですね」
男「戻らなくて平気なの?」
天使「む……帰したいんですね」
男「い、いやいやそうじゃなくて」
天使「フーン」プイッ
男「いつも戻ってる時間だからさ」
185
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/07/25(土) 09:40:35 ID:fkhfD3dk
天使「冗談ですよ。でも、帰りたくはないです」
男「う、うん……」
天使「ちょっと戻らなきゃいけないので、また明日」
男「うん、また明日な」
天使「……それじゃぁッーん……」
男「……また明日な」
天使「口にケチャップつけたままキスしないでくださいよ」
男「えッ!? ンムッー」
天使「…………、もうとれましたよ」
男「……」ドキドキドキドキ
186
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/07/25(土) 09:44:41 ID:fkhfD3dk
天使「フフフ、ではっ」ファサッ
男「うん」
男「……」
男「ありゃ小悪魔だろ」
男「なんかもうこの流れだと我慢できそうにもない……」
男「あれか?死に間際に子孫を残そうとするあれか??」
男「…………」
男「俺、死ぬんだよな……」
男「寝よ……」
187
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/07/26(日) 19:30:17 ID:9jFU2Aug
天界
悪魔「おっひさー」
天使「悪魔ちゃぁぁん!」ガバッ
悪魔「あんっ 節操無い子」ヨシヨシ
天使「グスン」
悪魔「んで、どったの?」
天使「実はね……」
かくかくしかじか
悪魔「うげっ!天使ちゃんも鬼だね」
天使「いや、まあ……うん……」
188
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/07/26(日) 19:33:11 ID:9jFU2Aug
悪魔「親子喧嘩で人間の余命一年にしちゃうとか、あーしでもやらないわ」
天使「これ内緒だからね皆には」
悪魔「んもー、そゆことあんまりペラペラ喋っちゃ駄目だっつーの」
天使「悪魔ちゃんは信用してるから……」
悪魔「やん」キュン
天使「どうにか方法無いかなって……」
悪魔「にゃるほどねぇ」
天使「その、一応賭けとして私が……彼のね……」
悪魔「エッチしたの?」
189
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/07/26(日) 19:35:54 ID:9jFU2Aug
天使「してないっ!」
悪魔「あん、怒んにゃいで」
天使「でも彼はそれを望んでいないし…」
悪魔「ふーん……天使ちゃん前にして欲情しないとかホモなんじゃない?」
天使「あ、でもキスは……した……」
悪魔「キスなんて挨拶でしょーそんなん」
天使「うぅ」
悪魔「やん顔真っ赤」
190
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/07/26(日) 19:38:19 ID:9jFU2Aug
悪魔「んで、あーしにも何か方法無いか調べて欲しいって事ね」
天使「うん……魔界にも何か策はないかと思って……」
悪魔「任しといてよっ!」
天使「ありがとぉー!!」
悪魔「……」キュン
天使「悪魔ちゃん?」
悪魔「ほんと天使だわ」
天使「???」
191
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/07/26(日) 19:44:04 ID:9jFU2Aug
男 残りの願いは2つ
男「……」
男「(天使が訪れたのは7月7日……)」
男「(俺はその日に死ぬ)」
男「(どうやって死ぬんだろ)」
男「(デスノートみたいに心臓麻痺かな?)」
男「(痛いのかなあ……死ぬって……)」
天使「男くん」
男「ウオッー」
天使「間抜けな顔して」
男「びっくりした」
192
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/07/26(日) 19:45:49 ID:9jFU2Aug
天使「何考えてたんですか?」
男「えー?んー、死ぬって痛いのかなって」
天使「どうなんでしょう……」
男「あとさ」
天使「?」
男「俺ってさ死んだらどうなるの??」
天使「それは……言えません……」
男「あ、そうなの?」
天使「ごめんなさい……それは極秘なので」
男「クソッ!めっちゃ知りたい!!」
193
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/07/26(日) 20:51:33 ID:ja1Phxlw
天使「私も詳しくは知らされていません」
男「神のみぞ知るってこと?」
天使「まあ、そんなのころです」
男「そっか」
天使「気になりますよね」
男「いや、んー、ていうかさ」
天使「?」
男「死んでも天使に会える可能性あるのかなーって」
天使「、」
男「いやまあほら天使なわけじゃん?俺は召される側じゃん?」
194
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/07/26(日) 22:25:20 ID:ja1Phxlw
天使「それは……」
男「それは……?」
天使「……グスッ、それは……わがり……ません……」
男「そっか」
天使「……」コクコク
男「会えないんだな」
天使「……グスッ」
男「そんな号泣されちゃ答え言ってるようなもんだよ」
天使「ずみまぜん‥ッ」
195
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/07/30(木) 14:11:33 ID:As3s611Q
乙
今北けどすごく好き
196
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/07/31(金) 18:20:38 ID:ydC8pMLM
ジュワー早く
197
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/08/01(土) 00:03:37 ID:f1CzZAJQ
男「会えないんだな」
天使「……グスッ……」
男「あぁもうそんな号泣すんなよ」
天使「ヒグッ……だっで……」
男「ほらもう可愛い顔が台無しだぞ」
天使「グシュッ」
198
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/08/01(土) 00:07:47 ID:f1CzZAJQ
天使「男くん……」
男「どした?」
天使「……」
男「(……キスしろってこと?)」
天使「……ん」
男「……」
天使「最後まで諦めないでください」
男「え?え、うん」
天使「まだ可能性が残っている以上そこに賭けるしかないんです」
男「可能性?」
199
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/08/01(土) 16:32:01 ID:16bw8OsY
男「なんかそれ危ない賭けだったりしない?」
天使「そ、それは……大丈夫な、はずです」
男「目泳がせながら言うなよ」
天使「あう」
男「危ない方法試そうとしてない?」
天使「……してません、ただ友人に相談したので」
男「そっか」
天使「その方は天界ではなく冥界や魔界の住人なので」
男「すげえの出てきたな」
200
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/08/01(土) 16:36:41 ID:16bw8OsY
天使「あちらの世界に何か手掛かりがないものかと」
男「魔界……」
天使「親友なんです」
男「なんかよくわからん世界だの」
天使「種族は違えど平和なので」
男「ふーん」
天使「……」
男「俺は大丈夫だって」
天使「大丈夫じゃないです」
201
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/08/01(土) 16:38:43 ID:16bw8OsY
男「まあ、大丈夫……じゃないかもだけど」
天使「……」
男「……」
天使「……私、帰りますね」
男「うん」
天使「む 引き留めないんですね」
男「一緒に寝るの?」
天使「い、い、一緒にですか!?」
男「冗談だよ」
天使「ッ、……」
202
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/08/01(土) 16:40:23 ID:16bw8OsY
男「なんやかんやウブというか」
天使「もう帰ります!!!」
男「あ、怒った」
天使「また明日!」
男「うん またね」
男「……」
男「また明日か……」
男「俺、死ぬんだよな…………」
男「そうだよな、俺死ぬんだった」
203
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/08/01(土) 16:45:12 ID:16bw8OsY
・
・
・
TV「今年の七夕はー」
男母「もうすぐ誕生日ねえ」
男「え?あぁ……(命日でもあるけど)」
男母「どこか食べにでも行く?天使ちゃんも一緒に」
男「いや、もうその日には俺海外に出発してるんだよ」
男母「あらそうなの?」
男「うん」
男母「残念ねぇ」
男「もしかしたら、もう日本には戻って来ないと思う」
204
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/08/01(土) 16:47:31 ID:16bw8OsY
男母「そうなのっ?」
男「うん」
男母「そう……」
男「母さんも新しい人と幸せになるんでしょ?」
男母「知ってたの?」
男「息子だよ?わかってたよ」
男母「男君にはすごく悲しい思いさせちゃったからね……」
男「気にしないでよ」
男母「ごめんね、母親失格なのに……」
男「俺の母さんは母さんだけだよ」
男母「男くん……」
205
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/08/01(土) 16:53:03 ID:16bw8OsY
その後男は手当たり次第に
男「今までありがとう」
男「お世話になりました」
男「またいつか会いにくるよ」
数少ない友人やバイト時代の仲間、親族へ挨拶にまわる
男「えっと」
男父「男母から聞いた、海外行くんだってな」
男「うん……」
男父「お前には辛い思いしかさせてない……すまなかった!!」
男「わっー!?土下座とかやめろって!!」
男父「……」
男「ほらもう頭あげてよ!」
206
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/08/01(土) 21:25:00 ID:Vsya3AEU
男「もう過去のことなんていいから」
男父「……」
男「その、母さんに何かあったらよろしくね」
男父「わかってる」
男「父さんも新しい生活あるんだし」
男父「こっちに帰ってきたら顔出してくれ」
男「……うん、でも」
男父「?」
男「もう帰ってこない……かな……」
男父「そうか……達者でな」
男「うん」
207
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/08/01(土) 21:33:11 ID:Vsya3AEU
・
・
・
天使「挨拶まわりですか」
男「うん……疲れた……」
天使「お疲れさまです」
男「もう梅雨あけるなあ」
天使「7月入るころには明けるそうですね」
男「じめじめしてる中死ぬのは嫌だからな」
天使「……」
男「ねえ」
天使「はい?」
男「俺、死ぬんだよね」
天使「……はい」
208
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/08/01(土) 21:36:22 ID:Vsya3AEU
男「これと言って身体に変化無いなあ」
天使「まだ1週間以上あるじゃないですか」
男「いやさ、死ぬ週は病院のベッドで過ごしたりされたら勿体ないじゃん」
天使「まあ確かにそうですよね」
男「だから早めにみんなに挨拶しといたけど」
天使「なるほど」
男「この歳で終活するとは……」
天使「それは何ですか?」
男「手紙、母さんに」
天使「……そうですか」
209
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/08/01(土) 21:43:16 ID:Vsya3AEU
男「預金も全部おろしてきたし」
男「やることやっとかねえとな」
男「突然死が理想なんだけどなあ」
天使「うぅ」
男「何しろそれがわからないからさ」
天使「すいません……」
男「いや謝るなって 教えられないんだろ?」
天使「そうじゃ無くて……そもそも私のせいでモゴッ」
男「はいもうそれ以上は禁句な」
210
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/08/01(土) 21:49:34 ID:Vsya3AEU
今さらだけど
>>55
は「同級生の父親」だわな
211
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/08/01(土) 21:55:32 ID:Vsya3AEU
天使「でも、でも私が壊したんですッッ!あなたの人生……」
男「天使」グイッ
天使「きゃっ」
男「壊れてなんかないよ」ギュッ
天使「……」ギュッ
男「この一年、きっと100年生きててもやり遂げられなかった事全部出来た」
男「100年よりも重い1年なんだよ」
天使「貴方、優しいですよね」
男「そうかな?」
天使「私も随分感化されたと思います」
男「まあ天使ちゃん変わったよね」
天使「はい……」
212
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/08/01(土) 22:04:11 ID:Vsya3AEU
男「最近泣いてばっかだねぇ」
天使「だって……」
男「当の本人は元気なんだし泣くなって」
天使「あぃ…」
・
・
・
・
夜
天使「では、戻りますね」
男「うん また明日」
天使「また明日」
213
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/08/01(土) 22:06:00 ID:Vsya3AEU
男「寝よ……」
男「……」
男「…………」
男「ッ」ガバッ
男「ハァハァ……寝れない……」
男「(あと1週間……?もう……?)」
男「(天使の前ではかっこつけたけど……)」
214
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/08/01(土) 22:13:17 ID:Vsya3AEU
男「(……)」
男「(何で?)」
男「(そもそもなんで俺は死ぬんだ……?)」
男「……ハァハァ 」
男「何で……」
男「…………たくない……」
男「死にたくない…………ッ、……」ブルブル
天使「男君」
男「!?」
天使「戻ってきちゃいました」
男「ッ、……んな時間に……」
215
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/08/01(土) 22:15:58 ID:Vsya3AEU
天使「……一緒に寝ていいですか?」
男「ええっ?」
天使「隣、いいですか?」
男「……うん」
天使「眠れませんか?」
男「ごめん、なんかやっぱ寝付けない」
天使「私の天使の力で脳波を和らげます」
男「ほぁ?」
天使「それくらいはさせてください」
男「んーなんかリラックスしてきた……」
216
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/08/01(土) 22:19:48 ID:Vsya3AEU
天使「死ぬの、怖いですよね」
男「まぁな……色々気になるじゃん」
天使「?」
男「来週からの出来事、全部わからないわけだし」
天使「これから起こる未来ですか」
男「些細な事までも気になってくるんだよ、来週のジャンプの内容すらも」
天使「……そうですか」
男「関係無い事だって割りきっても」
天使「そう簡単には割り切れないでしょう」
男「んー、わかっててもねぇ」ウトウト
天使「眠いですか?」
男「ん……」
217
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/08/01(土) 22:23:59 ID:Vsya3AEU
天使「これからは毎晩私と寝ましょうね」
男「フフフ……なんないやらしいな……そのワード」
天使「いやらしい意味でも大丈夫ですよ」
男「またそういう事を……」ウトウト
天使「おやすみなさい」ギュッ
男「(やわらけ……)」
男「(本当に天使に抱かれてるって感じだな…………)」
男「……zzz……zzz……」
天使「男君……好き……」
男「……」
218
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/08/01(土) 22:28:39 ID:Vsya3AEU
翌日
男「おはよう」
天使「おはようございます」
男「よく眠れた……久々に……」
天使「なら良かったです」
男「すごいんだな天使って」
天使「すごくないです」
男「一応聞くけどこの安眠のためにポイント使ってたりしないよね?」
天使「してないですよ」
男「そか」
219
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/08/01(土) 22:32:20 ID:Vsya3AEU
男「そんでな、俺天界に行きたいんだが」
天使「へ?」
男「一度だけ許可しようって言われてるし」
天使「なるほど……」
男「神様と話がしたい」
天使「ちょっと待ってくださいね」
男「うん」
天使「OKだそうです」
男「うん」
天使「手を」サッ
男「……」サッ
220
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/08/01(土) 22:36:54 ID:Vsya3AEU
ーーー天界
神「ふむ」
男「どうも」
天使「何が ふむ だ」
男「ねぇ天使ちゃん」
天使「何ですか?」
男「俺、この方と二人で話したい」
天使「二人で?」
男「いいかな?」
天使「ハゲと何話すんですか?」
男「ちょっとね」
天使「気を付けてくださいね」
神「何をじゃ」
221
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/08/01(土) 22:39:01 ID:Vsya3AEU
天使「外にいますね」バタン
男「うん」
神「話とは……」
男「この会話、天使には聞かれてませんよね?」
神「安心してくれたまえ」
男「そうですか」
神「私の権限をもって、出来る限りの質問に応えよう」
男「ありがとうございます」
222
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/08/01(土) 22:43:28 ID:Vsya3AEU
男「まず、死因は極秘と聞いたんですが」
神「いかにも」
男「その、死亡時刻までは五体満足?というかピンピンしている状況なのかは教えてもらえますか?」
神「そう思ってくれて構わない」
男「死亡時刻は……」
神「私が捺印してしまった時刻は日本時間7/7の夜22時17分43秒となる」
男「なるほど……ありがとうございます」
神「して、願いがあるんじゃろう」
男「見透かされてましたか」
神「……申してみてくれ」
223
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/08/01(土) 22:46:26 ID:Vsya3AEU
男「はい、願いは二つ」
男「まず一つは……」
・
・
・
・
男「ありがとうございました」
神「しかと聞き入れた」
男「宜しくお願いします」
神「男君」
男「?」
神「これから先も天使を宜しく頼む」
男「いや、支えられてるのはこっちですよ」
224
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/08/01(土) 22:50:44 ID:Vsya3AEU
神「悲しくも運命として受け入れてくれた事、心から感謝している」
男「まあこの一年楽しかったですから」
天使「まだ話してるのっ?」バン!
男「あ」
神「こらっ」
天使「またこのハゲが話長かったんでしょ?」
男「いや、俺が色々文句言っちゃってさ」
天使「もっと言っていいですよこんな奴」
男「いや当たり強いな」
神「昔は可愛かったのに……」
225
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/08/01(土) 22:57:27 ID:Vsya3AEU
男「それじゃ戻ります」
天使「戻りましょ」
神「……」
男「……」ペコ
天使「頭下げなくていいですよ、ハゲますよ?」
神「ぐふっ」
男「(娘に弱い)」
226
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/08/02(日) 03:49:26 ID:gKBQZFHY
夜
天使「何話したんですか?」
男「んーちょっとね」
天使「む」
男「そんな大した話じゃないよ」
天使「ふーん」
男「何だよ」
天使「隠し事するんですね」
男「い、いや別に隠し事ってわけでも……」
227
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/08/02(日) 03:52:36 ID:gKBQZFHY
男「まあ天使のマイナス減算とかについてさ」
天使「……」
男「俺は何も怒っても咎めてもないからそこらへん宜しく頼むって感じの事話した」
天使「そう……ですか……」
男「うん」
天使「やっぱりまだ隠し事してますね」
男「おぇっ?」
天使「フフフ ほら」
男「ってないし!」
天使「男君、浮気とかすぐバレるタイプですね」
男「いやしないし」
228
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/08/02(日) 03:56:59 ID:gKBQZFHY
男「ったく、もう寝る!」
天使「そうですね」
男「……あそっか」
天使「何がです」
男「天使も一緒に寝てくれるのか」
天使「はい」
男「昨日のあれすげえ眠れた」
天使「そんなに抱き締められたいんですか」
男「……まあ、うん」
天使「フフフ」
229
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/08/02(日) 04:03:05 ID:gKBQZFHY
男「(今週死ぬのか……)」
天使「男さんは生まれ変わったら何になりたいですか?」
男「んー?んー……やっぱ日本人かなあ」
天使「そうですか……」
男「次は……」ウトウト
天使「?」
男「誰かを幸せにできる人生……がいい……」ウトウト
天使「……そうですね」ギュッ
男「……zzz」
天使「(その人生、必ず私が……)」
天使「(それがせめてもの償いだから……)」
天使「おやすみなさい、男君」
230
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/08/02(日) 21:37:42 ID:wNAZRm7A
翌日
男「雨か……」
天使「午後からは晴れるみたいですよ」
TV「来週から公開される」
男「あーあの続編やるんだ」
男「そっか」
天使「……」
男「ま、どーでもいいことか……」
TV「本日未明に発生した事故で男女3人が亡くなりました」
231
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/08/02(日) 21:43:04 ID:wNAZRm7A
男「この人たちは」
天使「?」
男「今日自分達が死ぬって知らなかったよな 」
天使「えぇ、まあ……」
男「こういう事故死でも天界で決まってるの?」
天使「まあ、ほとんどはその運命が決まっています」
天使「天使含めて神もその事象には逆らえません」
男「へぇ……」
天使「神は認可を捺すだけでそれに抗う事も基本的には認められていません」
男「なんか神より上がいるみたいな」
天使「まあ似たような存在はいますよ」
232
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/08/02(日) 21:47:10 ID:wNAZRm7A
男「明日死ぬってわかってるのと」
男「何も知らないまま死ぬのって」
天使「…」
男「どっちがいいのかな」
天使「そんなの、どっちも不幸ですよ」
男「まぁねぇ」
天使「……」
男「なぁ」
天使「?」
男「天使は俺が死んだらまた天界に戻るんだろ?」
天使「はい」
233
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/08/02(日) 21:52:09 ID:wNAZRm7A
男「ポイント、貯まってるといいな」
天使「はい……」
バチチチ
男「!?」
天使「!?」
バチチチッッッ!!!
男「な、なに!?何だぁ!?」
天使「これは……!!」
悪魔「やほっー」
天使「悪魔ちゃん……!!」
男「誰っ!?」
234
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/08/02(日) 21:54:45 ID:wNAZRm7A
悪魔「悪魔ちゃん登場だよっ」
男「……誰?」
天使「私の親友です」
悪魔「冥界美少女の悪魔ちゃんです」
男「は、はぁ」
悪魔「びっくりさせて許せぽねっ!」
男「??? そ、そんで何しに??」
悪魔「ンッフッフッ、天使ちゃんの彼ピかあ」
235
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/08/02(日) 21:57:22 ID:wNAZRm7A
悪魔「君がねえ……死なない方法」
男「((近い))」
悪魔「へぇ……童貞なんだ」クンクン
天使「ちょ、近いよ悪魔ちゃんっ」
悪魔「あんっ 怒んないで」
男「て、てか死なない方法??」
天使「……! な、何かあったの!?」
悪魔「あることにはねぇ……ンッフッフッ」
236
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/08/02(日) 21:59:54 ID:wNAZRm7A
天使「ど、どんな!?どんな!?」
悪魔「ニャハハ、天使ちゃんがっつかないでぇ」
男「……」
悪魔「君さぁ、冥界においでよ」
男「?」
天使「!?」
悪魔「人間やめてさ、冥界にくればいいんだよ」
男「???」
天使「そ、それは……」
237
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/08/02(日) 22:02:56 ID:wNAZRm7A
男「冥界?ってのは……天界みたいなところ?」
悪魔「似たよーなもん!可愛い子も多いよ!」
男「いや、まあ、まだちょっと話についていけなくて」
悪魔「悪魔に魂を売るってこと」
男「えぇ……」
悪魔「誤解されてるけど悪い意味でもないんだよぉ?」
男「いゃ……うーん……」
238
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/08/02(日) 22:05:38 ID:wNAZRm7A
悪魔「ただね」
男「?」
悪魔「冥界と天界の異性は接触禁止なの」
天使「……」
男「と、いうことは……」
悪魔「まあ天使ちゃんには会えないねえ」
男「……そっか、いやそもそも冥界に行く気とないけど」
天使「……」
悪魔「死なない方法はそれくらいしかなかつまたからねぇ」
239
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/08/02(日) 22:37:00 ID:wNAZRm7A
天使「で、でも男君」
男「?」
天使「死なない事は死なないんですよ?」
男「二人ともありがとう」
悪魔「そだ!君の願いっての使えば何かと融通聞くんじゃにゃいの?」
天使「!」
男「いや」
悪魔「いや?」
天使「?」
240
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/08/02(日) 22:39:01 ID:wNAZRm7A
悪魔「んーー??」ジーっ
男「いや近いっす」
天使「むぅ」
悪魔「……君、願い使い切ってるじゃん」
天使「ぇ?」
男「……うん」
天使「あれ?男君、あと2つあったはずですよね?」
男「うん、使った」
天使「何に使ったんですか?」
男「んー?んー……秘密」
241
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/08/02(日) 22:41:27 ID:wNAZRm7A
天使「むぅ」ムスッ
男「いや別に大したことじゃないよ」
天使「じゃあ教えてくれていいじゃないですか」
男「それは、……できない」
悪魔「ふーーーん……」ジー
男「ガン見やめて」
悪魔「君、優しいんだね」
男「ッ……」
天使「???」
242
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/08/02(日) 22:44:12 ID:wNAZRm7A
悪魔「ごめんね、天使ちゃん」
天使「謝らないで」
悪魔「死なせないにせよこんな方法しか見つからなかった」
天使「調べてくれてありがとう……」ギュッ
悪魔「ひゃっ」
男「あ、あの悪魔さん」
悪魔「にゃーに?」
男「ちょっといい?」
悪魔「んー?」
243
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/08/02(日) 22:46:44 ID:wNAZRm7A
天使「む、二人でなにコソコソ話すんです?」
男「いやちょっとさ」
天使「むー」
悪魔「大丈夫大丈夫 親友のかれぴには手出さないからっ」
男「その、俺の願いとかわかったの?」
悪魔「うん、あーしには特別な目があるの」
男「そっか」
悪魔「天使ちゃんには秘密にしておくから安心して」
男「……うん」
悪魔「君、冥界来ればいいのに」
244
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/08/02(日) 22:49:49 ID:wNAZRm7A
男「遠慮しておく」
悪魔「あーしの目はね色んなコトが視えるの」
男「?」
悪魔「君は運命って信じる?」
男「勿論……いや、まあ信じてるのは宿命に近いけど」
悪魔「運命ってのはねぇ、ある意味掴みとるものなんだよ」
男「?」
悪魔「二人の運命……視ててあげる」
男「……」
245
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/08/02(日) 22:51:56 ID:wNAZRm7A
天使「何話してたんですか!?」
男「ん、いやちょっと冥界に誘われた」
天使「っ、……行くんですか?」
男「行かないよ」
天使「そうですか……あ、あの別に私のことは気にせずに」
男「それは無理」ギュッ
天使「ッ……」ギュッ
246
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/08/02(日) 22:58:15 ID:2/o5M3TU
男「もう俺の人生、天使でしか廻ってないから」
天使「それはこっちも同じです……」
男「天使、俺が死んだらどうすんのさ」
天使「それは……それは……」
男「絶対に自分の幸せのために生きてほしい」
天使「……」
男「俺に対しての贖罪とかそういうの背負ってほしくない」
天使「それは無理ですよ」
男「無理じゃないよ」
247
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/08/02(日) 23:01:10 ID:2/o5M3TU
悪魔「あーコホン」
天使「っ」
男「っ」
悪魔「んー、今晩は眠れない夜になりそうですな」
男「な、何が言いたいのさ」
天使「……///」
悪魔「それじゃ、あーしは邪魔になっちゃうし帰るね」
男「ありがとう悪魔さん」
天使「ありがとうね悪魔ちゃん」
悪魔「ンッフッフッ!ばいび!」
248
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/08/02(日) 23:02:40 ID:2/o5M3TU
男「雨、止んだな」
天使「ですね」
男「散歩がてら少し出ようと思う」
天使「いいですね」
男「……手繋いでいくか」
天使「はいっ」
249
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/08/02(日) 23:06:26 ID:2/o5M3TU
散歩中
天使「あっ」
男「あっ」
カキーン
天使「イヤリングが……」
男「壊れた?」
天使「んー、少し……壊れてますね……」
男「アンモライトのとこ割れてるな」
天使「ごめんなさい、いきなり落ちたので」
天使「不吉やの……いやまあもう死ぬわけだが」
250
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/08/02(日) 23:08:51 ID:2/o5M3TU
男「これだけ割れてるとなあ」
天使「悪魔ちゃんに修理依頼するので」
男「悪魔さんに?」
天使「冥界に凄腕の修復士がいるんです」
男「ほぉ」
天使「せっかくの男君からの贈り物ですから……きちんと直したいです」
男「……うん(なんか恥ずかし)」
251
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/08/02(日) 23:11:59 ID:2/o5M3TU
夜
悪魔「おっけー、もしかしたら時間かかるかもだけど」
天使「うん、お願いします」
悪魔「アンモライト……」
天使「悪魔ちゃん?」
悪魔「へ?あ、ご、ごめん預かっておくねっ!」
天使「はいっ」
悪魔「……」
悪魔「(都合よく壊れるのも……運命ってやつなのかな?)」
悪魔「……」
252
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/08/02(日) 23:17:47 ID:2/o5M3TU
男の部屋
天使「ねえ男君」
男「ん?」
天使「その……抱かないんですか?」
男「えっ」
天使「意味わかりますよね?」
男「う、うん……合体ってこと?」
天使「……」
男「え?え!?言わせてそれ!?」
天使「うぅ……」
男「顔真っ赤やん」
天使「私にそんな魅力ないですか?」
253
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/08/02(日) 23:21:05 ID:2/o5M3TU
男「いやあるよ!ありまくりだって」
天使「私、男君がいいです」
男「いゃ……俺、死ぬんだよ?」
天使「はい」
男「……」
天使「……」
男「それは……できない……」
天使「どーしてですか?」
男「だって天使はこれから先恋人ができると思う」
天使「できません」
254
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/08/02(日) 23:23:45 ID:2/o5M3TU
男「ちょいちょいモテ自慢してきたくせに」
天使「自慢じゃなくて事実です」
男「それに処女じゃないあーだこーだ言ってたやん」
天使「私の恋人は貴方です」
男「その先は?」
天使「いません」
男「できるよ」
天使「できません」
男「だから」
天使「……グスッ」
255
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/08/02(日) 23:24:38 ID:2/o5M3TU
男「ちょいちょいモテ自慢してきたくせに」
天使「自慢じゃなくて事実です」
男「それに男と付き合うときは処女じゃないといけないとかあーだこーだ言ってたやん」
天使「私の恋人は貴方です」
男「その先は?」
天使「いません」
男「できるよ」
天使「できません」
男「だから」
天使「……グスッ」
256
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/08/02(日) 23:29:37 ID:2/o5M3TU
天使「……何なんですか」
男「天使」
天使「だっだら、だったら……最初から恋人なんてしないでよッ……」
天使「優しくなんてしないでよ……」
男「ごめん」
天使「もういいです……私戻ります」
男「あ、うん……」
天使「……」
男「あのっ」ガシッ
天使「っ、離してください」
257
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/08/02(日) 23:37:14 ID:2/o5M3TU
男「いや、その」
天使「離せってんだろ!」グイッ
男「っ」パッ
天使「父との会話でわかってると思うけど、これが本来の私だから」
天使「恋人ごっこももう終わり」
天使「ふざけた願いで恋人になんてされて……キスまでして……」
天使「ふざけんなッ……!」
男「……(駄目だ……)」
男「(その通りだ……言葉が出てこない……)」
天使「じゃ、帰るから」ファサッ
男「あっ」
258
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/08/02(日) 23:43:33 ID:2/o5M3TU
朝 7/5
男「……寝れねえ」
男「ハァ」
男「(まあでも……これでよかったのか)」
男「ハァ……」
男「どーせ死ぬんだからな……」
男「さてっ」
259
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/08/02(日) 23:46:08 ID:2/o5M3TU
男「母さん」
男母「あら?今日出るんだっけ?」
男「ん、まあ色々あってさ」
男母「天使ちゃんは?」
男「天使は……別れた……」
男母「っ、そう……」
男「ほらやっぱ海外ってなるとさ」
男母「そうねぇ」
男「誕生日になったら机とか整理しといてよ」
260
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/08/02(日) 23:48:33 ID:2/o5M3TU
男母「捨てちゃっていいの?」
男「まあ戻ってこないし……」
男母「……そう」
男「(机の中に手紙とお金は入れておいたから)」
男「母さん」
男母「?」
男「生んでくれてありがとう」
男母「ううん、あなたこそ……生まれてきてくれてありがとう」
男「じゃ、俺行くから」
男母「行ってらっしゃい……!!」
261
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/08/02(日) 23:52:12 ID:2/o5M3TU
電車
男「(ハァ……ほんとは二人で行くはずだったんだけどなあ)」
男「(でもこのほうが天使にとってよかったもんな)」
男「(そもそも俺が天使を恋人にしたせいだ)」
男「(最初から一人で適当に一年過ごして死んどけばよかったんだ……)」
男「……死にたい」
男「(この間までは死にたくない死にたくないだったのに……)」
男「(笑えるな)」
262
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/08/02(日) 23:55:34 ID:2/o5M3TU
>>258
日付間違えた 7/6や
263
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/08/02(日) 23:58:41 ID:2/o5M3TU
宿
女将「いらっしゃいませ」
男「あ、どうも……」
女将「ご予約の方ですか?」
男「はい 7/6に予約していた男です」
女将「本日予約の……2名様一泊二日ですね」
男「あ、それでなんですけど」
女将「こちらへどうぞ」
男「えっ、あの」
天使「早く行くわよ」
男「えっ!?」
天使「何間抜け面してんのよ、ほら荷物持ってよ」
男「いやなんで」
264
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/08/03(月) 00:01:25 ID:wbdOdBB.
女将「こちらになります」
男「あ、どうも」
女将「お食事は食堂でのご利用でよろしかったですか?」
男「あ、は、はい」
女将「個室でのご利用もお気軽にお声かけくださいね」
男「ありがとうございます」
女将「それでは、失礼しました」
男「……」
天使「……」
男「……」
天使「……」
265
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/08/03(月) 00:05:12 ID:wbdOdBB.
男「……あの」
天使「……なに」
男「何故ここに」
天使「悪い?」
男「いや、よくわかったね」
天使「別に恋人の場所くらい把握しててもおかしくないでしょ」
男「……いや、うん」
天使「ねえ」
266
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/08/03(月) 00:08:20 ID:wbdOdBB.
男「?」
天使「……私の記憶、消すんだね」
男「!!!!!!」
天使「……実はね」
267
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/08/03(月) 00:09:41 ID:wbdOdBB.
ーーー
天使『もう知らないあんな奴!』
天使『グスッ……』
神『男くんの元へいてやらんのか?』
天使『もうどうでもいい』
神『しかし』
天使『あんなやつどーでもいい』
268
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/08/03(月) 00:11:54 ID:wbdOdBB.
天使『勝手に死ねばいいし……知ったこっちゃない……』
神『それは許されん』
天使『許されないならどうぞ』グスッ
神『天使ちゃん……』
天使『蛇にでもなんでもしてください』
神『天使ちゃん……男君は……』
悪魔『天使ちゃんっ』
天使『悪魔ちゃん……グスッ』
269
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/08/03(月) 00:14:52 ID:wbdOdBB.
悪魔『あ、はげちゃぴオジ様ちーっす☆』
神『ぐふっ』
天使『悪魔ちゃんあのね……』
悪魔『ねえ天使ちゃん』
天使『?』
悪魔『男君はね、願いの一つを使って天使ちゃんの記憶を死ぬときに消すんだよ』
天使『……え?』
悪魔『内緒にしとくって言ったんだけどねえ』
天使『……』
悪魔『ま、あーし悪魔だし』
270
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/08/03(月) 00:18:08 ID:wbdOdBB.
悪魔『流石にこの状況じゃ秘密にはしておけないからね』
天使『記憶を……?』
神『うむ、その通りじゃ』
天使『ならもう一つは?』
悪魔『単純に……天使ちゃんの幸せを願ってたよ』
天使『……』
悪魔『これから死ぬっていうのに、優しいね彼』
天使『……ん、』
271
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/08/03(月) 00:20:34 ID:wbdOdBB.
天使『私の恋人だもん』
悪魔『ぇぇー?別れたんじゃないの?』
天使『別れてない』
悪魔『今からあーしが思い出作りにでも行こうかと思ったのに』
天使『だめっ!』
悪魔『ンッフッフッ』
天使『私が側にいるから……』ファサッ
悪魔『行ってら』
神『……』
272
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/08/03(月) 00:25:07 ID:wbdOdBB.
ーーー
男「悪魔ちゃんめ……うわぁ!?」
天使「……」ギューー
男「天使?」ギュッ
天使「……」
男「その、記憶を消すことを黙っててごめん」
男「俺は背負ってほしくないし」
男「君にはきちんと幸せに生きてほしい」
天使「……」コクン
男「怒ってるよな」
天使「……」フルフル
273
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/08/03(月) 00:29:33 ID:wbdOdBB.
天使「……好き」
男「俺も天使のこと大好きだから」
男「ここまで好きになるって思ってなかった」
天使「ん……」
男「……」
天使「あと残り1日しかないけど」
男「うん」
天使「全身全霊で本気で私を愛して?」
男「……うん」
274
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/08/03(月) 00:32:32 ID:wbdOdBB.
・
・
・
・
7/7
夜
男「俺ほんとにこれから死ぬのか?」
天使「うん」
男「心臓麻痺かなあ……」
天使「……お股ジンジンする」
男「……そりゃあんだけすればね」
天使「……綺麗な星空」
275
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/08/03(月) 00:34:37 ID:wbdOdBB.
男「この海岸はさ」
天使「?」
男「両親が仲良いころ毎年来てたんだ」
天使「そうなんだ」
男「夜になると星が綺麗でね」
天使「七夕ってやつですもんね、今夜は」
男「……うん」
天使「……」
男「……」
276
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/08/03(月) 00:41:43 ID:wbdOdBB.
男「天使、素敵な一年をありがとう」
天使「やめてください、私は奪ったんです」
男「最高の一年だった」
天使「違う……私のせいで」
男「100年ぽっちじゃ割に合わないくらい幸せだったよ」
男「両親とも仲直りできたし」
男「色んなこと体験できた」
男「やっぱり残念なのは」
天使「……」
男「毎年同じ季節を好きな人と過ごせないってことかな」
277
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/08/03(月) 00:52:30 ID:wbdOdBB.
天使「私、まだ貴方に伝えきれてない想いがたくさんあるのに」
天使「まだ……たくさん……」
男「天使」
天使「んっ」
男「天使ならきっと素敵な天使になれる」
男「ポイントだって貯まるし素敵な人生になる」
男「だから自分のために生きてほしい」
天使「……」
男「ありがとう」
天使「男くん……好き」
278
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/08/03(月) 00:56:38 ID:wbdOdBB.
ーーープツン
天使「…………???」
天使「はえ?」
天使「ここ……どこだ???」
天使「海岸??ベンチ??」
男「ここは○○県の○○海岸ですよ」
天使「……下界!?」
天使「何で私下界にいるんだ」
男「ベンチで……少し疲れて寝ていたみたいでしたよ」
天使「あ、どうも……」
男「それじゃ、私は行くので」
天使「……」
男「ありがとう」ニコッ
天使「あっ、…………誰……??」
279
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/08/03(月) 01:00:39 ID:wbdOdBB.
・
・
・
>>222
男『その、死亡確定時刻の5分前に天使の記憶を消してください』
神『……わかった』
男『後の事はその、任せるので』
神『本当にいいのかね?』
男『あまりにも重すぎます……俺なんかの事で背負ってほしくないです』
神『……ふむ』
男『きっと、真面目な天使でいると思いますよ彼女』
神『どうかの』
280
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/08/03(月) 01:02:38 ID:wbdOdBB.
天使「なーんで下界に降りてきたんだろ私」
天使「んー、でも星めっちゃ綺麗」
天使「ね、綺麗だね?」
天使「……?」
天使「(何……誰に話かけたの私……??) 」
天使「……???」
天使「うーん……」
天使「…………」
281
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/08/03(月) 01:08:59 ID:wbdOdBB.
天使「心なしかお股がむずむずする」
天使「(天界に帰ろ……)」
天使「…………待って、……」
ピーポー ピーポー
ピーポー ピーポー ピーポー
天使「……(何かとてつもない事を見落としてるような……忘れているような……)」
天使「何だろうこの胸騒ぎ…… 」
ピーポー ピーポー …………
天使「……」
282
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/08/03(月) 01:10:18 ID:wbdOdBB.
神「天使ちゃん」
天使「……ハゲ」
神「帰ろう、天界に」
天使「うん」
神「……」
天使「……待って」
神「?」
天使「さっきの、さっきの人は???」
283
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/08/03(月) 01:13:25 ID:wbdOdBB.
神「はて?」
天使「さっきいた人!!さっきの人どこ!!?」
神「もう……おらんじゃろ」
天使「よ、よくわからないけど……私あの人に会わなきゃ……」
神「……」
天使「え?あれ?なんで泣いてるんだろ?あれっ?ウケるなにこれ」
神「天使ちゃん……」
天使「……グスッ」
神「もう、彼はいない」
天使「でもさっきまでいたもん……グスッ」
神「帰ろう……」
天使「…………」
284
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/08/03(月) 01:17:30 ID:wbdOdBB.
・
・
・
・
・
「天使ちゃんポイントトップだねえ」
「急に目覚めたようにポイント稼ぎだしたもんね」
「一時は落ちこぼれていたとは言え、流石は主席入学だよ」
天使「ねえハゲ」
神「なんじゃ」
天使「私のポイントを言ってみたまえ」
神「10050ポイントじゃ」
天使「つっえぇーい!!」
神「ハァ」
天使「やっぱ私ってすごいのね」
285
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/08/03(月) 01:19:53 ID:wbdOdBB.
天使「なんか生まれ変わったように人助けしちゃうし」
天使「これもひとえに才能ってやつ?」
神「(彼のおかげじゃろ……)」
天使「なんかこうモヤモヤはあるけど」
天使「ついに私の幸せを掴む時がきたわね!!!!」
天使「はぁ、憧れの転生幸せライフ」
天使「想像しただけで笑いが止まらない……!」
286
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/08/03(月) 01:22:17 ID:wbdOdBB.
悪魔「天使ちゃん!」
天使「悪魔ちゃん……!久しぶり!」
悪魔「おめでと!10000ポイント達成したんだって?」
天使「うんっ」
悪魔「そっか……よかったね」
天使「会えなくなるのは寂しいけど」
悪魔「うん……」ギュッ
悪魔「天使ちゃん」
悪魔「これ、持ってきたよ」
287
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/08/03(月) 01:25:33 ID:wbdOdBB.
天使「……イヤリング?」
悪魔「アンモライトのイヤリング、治ったよ」
天使「……これ‥……」
悪魔「(アンモライト……宝石言葉は過去を断ち切る……でも……)」
天使「これ……」
悪魔「私はね、運命だと思って今日持ってきたよ」
神「……」
天使「……とても……とても大切な人から貰った気がする……」
288
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/08/03(月) 01:28:00 ID:wbdOdBB.
天使「あれ?なんでだろ?思い出せない……」
天使「あれ?あれっ……??グスッ あれ?」
天使「グスッ……大切なはずなのに……思い出せない……」
悪魔「天使ちゃん……」
天使「これ……くれたの誰??」
悪魔「それは」
神「もうこの世にいない」
天使「……そっか」
289
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/08/03(月) 01:31:03 ID:wbdOdBB.
天使「その人、死んだの?」
神「亡くなった」
天使「転生は?」
神「未定じゃ」
天使「ねえハゲ」
神「ぐふっ?」
天使「私のポイント、全部その人の転生に使って」
悪魔「えぇ!?」
神「っ」
天使「使えるでしょ?」
神「使えるが……それだと天使ちゃん」
悪魔「天使ちゃんそれじゃあ0で転生になっちゃうんだよ!?」
290
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/08/03(月) 01:34:37 ID:wbdOdBB.
天使「うん」
悪魔「うんって……」
神「本当にいいのか?」
天使「うん、なんかモヤモヤすっきりした」
天使「その人に使ってほしい」
神「頑張って貯めた10050ポイントじゃぞ?」
悪魔「自分の幸せのために貯めたんでしょ?」
天使「うんっ、私の幸せ……この人に使いたい」
天使「それが私の幸せなの」
天使「お願い」
291
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/08/03(月) 01:36:00 ID:wbdOdBB.
悪魔「0ポイント転生って……良くて爬虫類だよぉ?!」
天使「私のことはどうでもいいっていうか」
天使「なんだろ?」
天使「ハゲ、お願いね」
天使「それが私の幸せなの」
神「……」
292
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/08/03(月) 01:39:09 ID:wbdOdBB.
男『それと最後の願いは保険なんですけどね』
神『?』
男『もしかしたら天使が自分のポイントを俺に使うかもしれないんです』
男『何かの拍子に思い出したりとか』
男『でもそんな事言い出しても、天使の幸せのためにポイントはお願いします』
男『多分言っても聞かないだろうし』
男『俺は天使の幸せだけを願ってます』
神『……』
293
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/08/03(月) 01:43:36 ID:wbdOdBB.
天使「その人の幸せが」
男「自分にとって一番大切なんです」
神「あいわかった!!」
神「二人の願い……」
神「一世一代、神の権限をもって実現させよう!!!!!」クワッ
神「我が娘よ……幸せに……!」
・
・
・
・
294
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/08/03(月) 10:25:49 ID:ZYGTy58M
悪魔ぐう聖で泣ける
295
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/08/03(月) 12:56:33 ID:GxQ/fsLE
おつ
296
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/08/03(月) 14:28:37 ID:Jc2tAdHQ
この安定感たる王道
297
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/08/03(月) 18:49:24 ID:xnbYuGnk
おつ
298
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/08/04(火) 00:00:02 ID:kV/DTodk
ロシアのから来たけど他になにかいてるのさ
299
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/08/04(火) 13:26:17 ID:KJl5YZTc
ちょっと哭いちゃったよ
300
:
じゅんじゅわー&
◆r4BoiQ1bWs
:2020/08/04(火) 23:11:07 ID:meU8QzSo
明日で締めます
301
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/08/05(水) 03:00:15 ID:b6oHha1c
じゅわ氏だったのか
通りで好きな雰囲気だと思ったわ
302
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/08/05(水) 21:47:34 ID:nRrgnSS6
・
・
・
・
男「へー」
女「な、なに……?」
男「それって貝?」
女「うん……図鑑……///」
男「見せて見せて」
女「あっ、……うん……」
男「貝ってさー」
女「ん」
男「なんでグルグルしてるんだろうね」
303
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/08/05(水) 21:53:12 ID:nRrgnSS6
女「わ……わかんない……///」
男「あ、これチョココロネみたい」
女「クスッ」
男「っ」ドキッ
女「?」
男「(女ちゃん……笑った顔可愛いなあ)」
「あ、男と女が仲良く本読んでやがる」
「ラブラブだー!」「結婚だー!」「ひゅーひゅー!」
女「ッ……」
男「うっさいなぁ」
304
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/08/05(水) 21:58:15 ID:nRrgnSS6
女「ご、ごごめんなさい……」
男「何で女ちゃんが謝るのさ」
女「私なんかと……」
男「それに僕らまだ小学生だから結婚できないし」
女「しょしょしょういう問題じゃないと思う…」
男「あ、アンモナイトだこれ知ってる!」
女「有名だもんね」
305
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/08/05(水) 22:02:25 ID:nRrgnSS6
男「なんか聞いたことある」
女「うん……私も……」
男「貝ってさー、耳に近づけると波の音聞こえるって本当なのかな」
女「う、うん 本当だよ」
男「やっぱそうなんだ……」
女「正確にはね、波みたいな音……かな……」
男「へぇー」
306
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/08/05(水) 22:08:09 ID:nRrgnSS6
男「しじみからは聞こえなかった」
女「クスッ しじみじゃ無理だよ」
男「やっぱそうなんだ」
女「巻き貝じゃないと」
男「そっかぁ…」
307
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/08/05(水) 22:24:39 ID:nRrgnSS6
女「あ、あ、あの……」
男「?」
女「わ、わわはわ私のね、家にね、……あ、あるけど……」
男「貝?」
女「……うん」
男「すげー!なんで!?」
女「海に行った時に拾ったやつとか……」
男「いいなぁー」
女「み、見に来る?」
308
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/08/06(木) 12:51:15 ID:.fB6D1uM
男「いいのっ!?」wktk
女「う……うん……」
ーーー女の家
男「凄いたくさんあるんだね」
女「う、うん」
男「これとか凄い綺麗」
女「……///」
男「わっ、これ何!?」
309
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/08/06(木) 12:55:43 ID:.fB6D1uM
男「こんな貝いるの!?」
女「こ、これはね……貝に飾りや色つけてるだけで元は白いよ」
男「へぇー じゃあこの写真立ても女ちゃんが?」
女「う、……うん」
男「すごっ!!!」
女「……///」
男「女ちゃんって図工の時もすごく綺麗に作るもんね」
女「そ、っそうかな……」
310
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/08/06(木) 12:59:09 ID:.fB6D1uM
男「あっ」
女「?」
男「これは……?」
女「これ?これはね、私が一番最初に創ったやつだよ」
男「天使の羽?」
女「よ、よくわかったね……お父さんもお母さんもわからなかったのに……」
男「……んー、うん……なんか、うん」
女「天使の羽に見えにくいかな……?」
男「いや、逆だよ」
311
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/08/06(木) 13:01:52 ID:.fB6D1uM
男「なんか……こういうの、見たことある……っていうか……」
女「?」
男「うーん……見たことあるような気がする」
女「クスッ 天使さんを?」
男「まあ見たことあるわけないか!」
女「あ、あのっ」
男「?」
女「これ……あげるっ」
男「えぇ!?」
312
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/08/06(木) 21:30:37 ID:.fB6D1uM
男「ももも貰えないよっ!」
女「貰ってほしい……です……」
男「い、いいの?」
女「……ん」コクコク
男「わぁ……、大切にするね」
女「うんっ」
313
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/08/06(木) 21:37:24 ID:.fB6D1uM
・
・
・
ーーー中学生
美術の授業
先生「では今回の課題は皆さんの想い描いたモノを描いてください」
男「想い描いたモノ……」
先生「欲しいモノ 大切なモノ 存在 眼を閉じて浮かんだものをぼんやりとでいいので描いてくださいね」
友「うーん、そういわれると難しいよな」
男「うーん」
友「なんだろうなぁ」
男「……うーん」
314
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/08/06(木) 21:45:06 ID:.fB6D1uM
「なんでもいいんですかー?」
先生「えぇ、何でも構いませんよ」
「じゃあ俺ラーメンにしよ!」「大切なものって言ったらお金だろ」
「犬……」「サッカーゴールにしよ」
「ククク……漆黒の闇を描くとしよう」「黒く塗り潰すだけじゃねーか」
「男君っ」
男「……」
「男君っ」
男「……(あれっ?)」
『男君っ』
男「っ、」
女「男君??」
男「ッッ、女さん……」
315
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/08/06(木) 21:57:30 ID:.fB6D1uM
女「真剣に悩んでるね」
男「えっ?あ、まあ……」
女「何描くの?」
男「んー未定!」
女「ふーん」
男「女さんは?」
女「私?描いてみたけどどうも違くて」
男「早っ!!見せて?」
女「えっとね……」スッ
男「……白子?」
女「雲です」
316
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/08/06(木) 22:07:47 ID:.fB6D1uM
男「な、なんか独特だね」
女「なんかこんな場所に住んでた気がする」
男「ブフッ、雲の上に?」
女「よく夢に出てくるんだもん」
男「夢にかぁ」
317
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/08/06(木) 22:13:26 ID:.fB6D1uM
・
・
・
・
男「描けた」
友「いやうまっ!」
女「これ……天使?」
男「かな?」
友「この天使女ちゃんに似てね?」
男「そ、そそそそうかなぁ」
友「……」ニヤニヤ
女「男君……///」
男「気のせいだって!」
318
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/08/06(木) 22:17:24 ID:.fB6D1uM
中学生 卒業式
男「女さん……俺と付き合ってください」
女「……はい!宜しくお願いしますっ」
男「……ホッ」
女「……」
男「……」
女「……」
男「(なんだこの間は)」
女「男君……は……」
男「?」
319
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/08/06(木) 22:19:11 ID:.fB6D1uM
女「いつから……私のこと……好き?」
男「えっと……」
女「私はね」
男「一目惚れってやつかな?」
女「ッ……」
男「小学生の時から……俺は好きだった……」
女「フフフ、じゃぁ一緒だねっ」
男「……マジすか」
320
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/08/10(月) 07:37:28 ID:zK8mA0zk
高校生
後輩「す、好きですっ!付き合ってください!」
男「ごめん。彼女いるんだ」
後輩「やっぱりぃー!!」
男「ごめんね」
後輩「こちらこそ……」
モブ「えー?ホントに告ったの!?」
後輩「うん……彼女いるって……」
モブ「だから先輩彼女いるって言ったじゃん」
後輩「でも学校ではそれっぽい人見かけなかったもん!」
モブ「あんたが見た事ないだけでしょ?」
321
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/08/10(月) 07:42:03 ID:zK8mA0zk
後輩「えー誰だろ……」
モブ「他校だよ」
後輩「!……そうだったのね……」
モブ「あたし見たことあるけど聖天女子の制服着てたよ」
後輩「よりによって天女ですか」
モブ「あんた可愛いんだから大丈夫だって」
後輩「モブちゃん……!」
モブ「天女の人には負けるけど」
後輩「ファック」
322
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/08/10(月) 07:44:58 ID:zK8mA0zk
ーーー
ギャル「はっ!」
女「わっ、……ど、どうしたの?」
ギャル「男君が告られている気がする……!」
女「ええっ!?」
ギャル「あーしの勘だけど」
女「でもギャルちゃんの勘すごく当たるよね」
ギャル「ま、男君は断ってるし大丈夫っしょ!
」
女「うん……」
323
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/08/10(月) 07:48:32 ID:zK8mA0zk
男「お待たせ」
女「んーん 私も今来たところなの」
女「ね、ねぇ男君」
男「?」
女「……や、何でもないです……」
男「???」
女「(聞きにくい……)」
男「今日はちょっと違う道で帰ろっか」
女「う、うん」
324
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/08/10(月) 07:52:47 ID:zK8mA0zk
女「ここって男君の高校の最寄り駅だよね?」
男「ん」
女「○高の人結構多いね……たくさん……」
男「ん」
女「男君?」
男「俺さ……今日後輩の子に告白されたんだ」
女「!!(ギャルちゃん……すごい……)」
男「前に別の子に……まぁ……」
女「そ、ほ、そうなんだね……」
男「そこで思ったのが俺は彼女がいないと思われているらしくて」
325
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/08/10(月) 07:58:16 ID:zK8mA0zk
男「隠してるつもりも無いんだけどね」
女「(男君、中学のころも小学生の時も人気だったもんなぁ……)」
男「それに何度か断ってるうちに俺がホモなんじゃないかって噂まで出てきて」
女「!?」
男「だからこうして」ギュッ
女「!?」
男「ノロけていればそういうのも無くなると」
女「あ……あい……」
326
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/08/10(月) 21:02:34 ID:x0W7DoAI
クリスマス 高校三年
男「やっぱ夜は寒いね」
女「そうだね」
男「ん?あれギャルさんじゃないか?」
女「ホントだ……」
ギャル「あっ!おーい!!」ブンブン!
男「気付いた」
女「何売ってるんだろう?」
327
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/08/10(月) 21:04:58 ID:x0W7DoAI
男「ギャルさん」
ギャル「よく来たねー!来ると思ってた!」
女「それ、ペロペロキャンディー?」
ギャル「そ!あーしのオジサンの手伝いしてんの!」
ボブ「ヤァ」
男「あっ」
ボブ「?」
男「あっ?い、いや何でもないです……」
ギャル「……」
ボブ「……」
男「す、すいません何か」
328
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/08/10(月) 21:08:01 ID:x0W7DoAI
ボブ「クリスマスイヴに皆に配ってるカラ、ハイコレ」
男「あ……ども……」
ギャル「はい女ちゃん!」
女「ありがとー!」
ギャル「二人とも受験頑張ってね!」
男「ギャルもな」
ギャル「ん!」
329
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/08/10(月) 21:10:51 ID:x0W7DoAI
・
・
・
帰路
男「ペロペロキャンディーねぇ」
女「フフフ」
男「?」
女「男君、小学生のころアンモナイトのことペロペロキャンディーみたいって言ってたの思い出しちゃった」
男「そ、そうだっけ?」
女「それにしても……あのオジさんどっかで見た気がする」
男「やっぱり!?俺も!」
女「どこでだったかなあ?」
男「それがわかんないんだよねえ」
330
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/08/10(月) 21:16:15 ID:x0W7DoAI
大人になって
男「めっちゃ星綺麗だね」
女「うん」
男「つーか今日七夕なんだね」
女「そう言えば……」
男「天ノ川は…………見当たらないな」
女「8月とかだからね、見えるの」
男「そうなんか」
女「……」
男「……」
331
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/08/10(月) 21:21:45 ID:x0W7DoAI
女「……」
男「どうしたの?」
女「何かね……ここにいるとすごく悲しく気分になるの」
男「具合悪い?」
女「そうじゃなくて……なんか……わからないけど……」
女「ごめんね……」
男「……」ギュッ
女「……」ギュッ
男「なぁ女、今幸せ?」
女「え……うん」
332
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/08/10(月) 21:25:34 ID:x0W7DoAI
男「俺さ、たまに女がベンチで一人で泣いてる夢見るんだ」
女「えっ?」
男「ごめんなんかキモい話して」
女「んーん……」
男「その度に何か言い残したことっていうか、何か言わなきゃいけないのにそこで目が覚めるんだよね」
女「……」
男「何度も何度も見るんだけど……俺の方から遠く行っちゃうんだよ」
男「ってごめん、これ夢の話だからね俺女のこと」
女「男君……好き……」
333
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/08/10(月) 21:31:26 ID:x0W7DoAI
男「…………女」
女「……グスッ、ご、ごめんなさい……何か急に……グスッ……」
男「あの夢の日」
女「……」
男「あの日言えなかった事を言うよ」
男「俺と一生一緒に生きて欲しい」
男「最期の時までずっと隣にいてほしい」
男「俺、女と一緒にいるときが一番幸せなんだ。だからッー」
女「ッー、うん、私も幸せだよ」
女「だから来年も再来年も10年20年……笑顔でいさせてください」
男「あぁ……!」
334
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/08/10(月) 21:46:46 ID:x0W7DoAI
つーわけでおしまいね。ちょっと蛇足だったわ
なぜ僕がこのようなSSを書こうと思ったのか……それははだしのゲンを読んだからです
335
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/08/10(月) 22:11:15 ID:VESDK6UE
やっぱりボブは出るのか
乙
336
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/08/12(水) 00:14:02 ID:ldAVcaMA
乙
337
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/08/12(水) 06:02:13 ID:m0WdqnN.
心地良い無常を感じた
乙
338
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/08/12(水) 09:47:42 ID:WB1uJFl2
おつ
339
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/08/12(水) 10:53:31 ID:khw0D.cY
乙
340
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/08/12(水) 14:35:07 ID:Y3NVCQTM
こういうスラッと読める王道SSって何かありませんか?
341
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/08/13(木) 22:15:31 ID:n0lOyjoo
探せ
342
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/08/14(金) 23:37:08 ID:9zhYu/hw
乙ぱい
343
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/08/15(土) 22:54:48 ID:CWKEvYss
お前か
344
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/08/16(日) 06:55:06 ID:hlY5H3G2
願い事6回してんぞ
345
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/08/16(日) 08:13:27 ID:dUuZjpPk
楽しかったです、とても素敵なお話しをありがとうございました。
次回作に期待してます。ぜひ続けて下さい。
ありがとうございました。
346
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/08/16(日) 14:23:12 ID:wfd.xMdc
えぇ話やった号泣
347
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/08/16(日) 17:13:14 ID:.owVCGgQ
最高でした
泣いた
348
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/08/30(日) 23:47:59 ID:0Vk7Ites
ボブの作者?ってかなり久々な気がする。勘違いじゃなければ
349
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/12/30(水) 17:57:31 ID:wDQJF8Uk
乙乙
久々に深夜覗いたけど良いもの見れた
350
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2024/07/26(金) 22:48:16 ID:.NLZ6Skc
https://i.imgur.com/q4CUxf4.mp4
351
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2024/11/07(木) 06:49:01 ID:0X6IcL0g
SS避難所
https://jbbs.shitaraba.net/internet/20196
352
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2025/01/22(水) 23:36:03 ID:HeOoAmy6
泣ける
353
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2025/08/05(火) 23:33:52 ID:5qGQ0/fA
これは歴史に残る神作
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