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神様「神様だっ!」 神使「神力ゼロですが・・・」 5社目
1
:
◆8YCWQhLlF2
:2019/12/06(金) 02:57:25 ID:f1i/L8eQ
巫女「ごめんなさい・・・ ごめんなさい・・・」グスッ
??「ありがとう」
巫女「なんで・・・ なんで謝ったりするの・・・?」
??「私はずっとこの村を・・・ そして・・・ これからもあなたを見守り続けます」ゴボッ
巫女「いや・・・ うそ・・・ いやだ・・・」
??「辛い思いをさせて・・・ ごめんね」ウッ
巫女「いやだ・・・ お願い・・・ 嫌だよ!」
??「笑って・・・ 笑顔を見せて・・・ そしたらまた私は・・・・・・」ニコッ
巫女「嫌ー!!!」
――――
―――
――
652
:
◆8YCWQhLlF2
:2021/02/23(火) 23:59:15 ID:VjDBbCrg
神様「人は見たことないものは想像なんて出来ない」
神使「今回のように結界の歪みで偶然モノノケさんを見た人がいたのでは?」
神様「そのレベルなら、見たことのない人は存在の想像は難しいだろうなぁ」
神使「なるほど。 確かに私も見たことはありませんでしたが姿形の想像は何となく出来ました」
神様「つまり、全員モノノケ自体の概念は多少なり持っていたという事」
神使「巫女さんの結界が完全ではなかったという事でしょうか?」
神様「さぁね〜 そうかも知れないし、わざとかも知れない・・・」
神使「存在自体はみんなに知ってもらいたかったのかも知れませんね」
神様「巫女ちゃんは私よりも年上だし、あまり深追いは出来ないけどな」
653
:
◆8YCWQhLlF2
:2021/02/24(水) 00:00:13 ID:I1CEslkQ
神使「でも、それだけのヒントで良くそこまでたどり着けましたね」
神様「まぁ私は凄いって事だよ。 褒めて称えて牡蠣を献上せよ!!」カッカッカッ
??「神ちゃん様〜」タッタッタッ
神様・神使「?」クルッ
狐娘「お久しぶりです」ペコリ
神使「狐娘さん!?」
狐娘「ご無沙汰しております神使先輩///」モジモジ
神様「・・・・・・」
654
:
◆8YCWQhLlF2
:2021/02/24(水) 00:00:58 ID:I1CEslkQ
狐娘「神ちゃん様、先日は電話で失礼しました」ペコリ
神様「・・・・・・。 お、おう」
神使「どうして狐娘さんがこちらに?」
狐娘「結界維持の御柱の最終調整です」
神使「それはそれはご苦労様です」ニコッ
狐娘「はうっ!」ポッ
神様「んじゃ、私はちょっと向こうに用事があるんで」
狐娘「モノノケさんの暗示結界は上手く解けましたか?」
神様「!」ビクッ
655
:
◆8YCWQhLlF2
:2021/02/24(水) 00:01:58 ID:I1CEslkQ
神使「え? もうこの国全体の結界を解かれたんですか?」
狐娘「いえいえ、そんな事をしたら大騒ぎですから」
神使「でも、今結界を解いたと」
狐娘「神ちゃん様にだけ結界を解いたんです」
神使「それはどういう事でしょうか?」
狐娘「凄爺様と結界解析をしていた時に強大な暗示結界を確認しまして、テスト的に神ちゃん様に暗示解除をしたんです」
神使「へぇ〜 神様にだけ暗示解除を。 そうだったんですか」ジー
神様「ま、まぁ暗示解除なんか無くても私には全てお見通しだったんだけどね」アセアセ
神使「へぇ〜」
656
:
◆8YCWQhLlF2
:2021/02/24(水) 00:03:10 ID:I1CEslkQ
神様「何ていうか・・・ そう、考察の補強をしただけ!」
神使「・・・・・・」ジー
神様「すいません、暗示解除がなければ全く分かりませんでした」ドゲザ
神使「謝れる子は良い子です」
神様「ありがとうございます!」
狐娘「?」
657
:
◆8YCWQhLlF2
:2021/03/02(火) 01:49:49 ID:bFVw9rEY
神使「狐娘さんは今日はゆっくりしていけるのですか?」
狐娘「それが、調整を終えたらすぐに戻らないといけなくて・・・」
神使「今日中に終わるのですか?」
狐娘「徹夜で作業して明日の夕方の新幹線に間に合えばと言う感じです」
神使「相変わらず狐娘さんは頑張り屋さんですね」ニコッ
狐娘「はぁ〜」ウットリ
神様「狐娘ちゃん? 口から涎垂れてるけど・・・」
狐娘「!? あ! すみません!!」ジュルリ
神使「体調良くないのですか?」
狐娘「いえ! その・・・ お、御柱はどちらでしょうか!」
神使「向こう側のようですが、ご案内しましょうか?」
狐娘「大丈夫です! 一人で行けます!!///」タッタッタッ
658
:
◆8YCWQhLlF2
:2021/03/02(火) 01:50:25 ID:bFVw9rEY
神使「狐娘さん顔が赤かったですが大丈夫でしょうか?」
神様「放っておきゃ治るだろ」
神使「りんごちゃん神宮のお二人が結界維持をされるのであれば安心ですね」
神様「まぁね。 結構大変そうだけど」
神使「今まで巫女さんは一人でこなしていたなんて、凄い神力量なんですね」
神様「流石パイセン、どうやったらそんな量の神力を得られるのか教えて欲しいわ」
モノノケ「教えてあげようかぁ〜」
神様「?」
659
:
◆8YCWQhLlF2
:2021/03/02(火) 01:50:56 ID:bFVw9rEY
モノノケ「巫女ちゃんには神力の神さまが付いてるからだよ」
神様「なにそれ! そんな奴いるの!?」
モノノケ「何を隠そう私が神力のモノノケなのだ!」エヘン
神様「マ・ジ・で!?」
モノノケ「マ・ジ・で!」
神様「ほぉ。 アヒルっぽいかわゆい姿なのに中々のお力をお持ちのようで」ゴクリ
モノノケ「巫女ちゃんにならいくらでも神力を補充しちゃうも〜ん」
神様「ねぇ〜 巫女ちゃんから私に鞍替えしない?」
モノノケ「嫌だよ〜だ」
660
:
◆8YCWQhLlF2
:2021/03/02(火) 01:51:32 ID:bFVw9rEY
神様「そう言わずにさぁ〜 ちょっと私とお話ししな〜い?」ワナワナ
モノノケ「ちょ・・・ ちょっとそれ以上近づかないで・・・」
神様「私についてくれたら生牡蠣いっぱい食べさせてあげるからぁ」
モノノケ「生牡蠣はお腹壊してピーピーになるから嫌・・・」
神様「大丈夫だよ。 一緒にドキドキを味わおうぜ〜」
モノノケ「嫌だー!!」タッタッタッ
神様「あっ! 逃げないで! 待って〜」タッタッタッ
モノノケ「きゃ〜」
神様「おら! まてやー!」タッタッタッ
神使「神様・・・」
661
:
◆8YCWQhLlF2
:2021/03/02(火) 01:52:48 ID:bFVw9rEY
巫女「何かございましたか?」テクテク
神使「あっ、巫女さん。 神様が神力のモノノケさんを・・・」
巫女「神力? あの子は“おまる”のモノノケですが」
神使「おまる!?」
巫女「いたずら好きで困りものです」ハァ
神使「そうでしたか・・・」
巫女「でも、とても楽しそう」
662
:
◆8YCWQhLlF2
:2021/03/02(火) 01:53:54 ID:bFVw9rEY
神使「見学の方は終わったんですか?」
巫女「一通り。 今は少女が結界維持装置の操作方法を教えてもらっているところです」
神使「今回は神様が勝手なことをして申し訳ございませんでした」ペコリ
巫女「そんな事はありません。 こちらに戻れたことは感謝しています」
神使「・・・・・・。 一つお伺いしてもよろしいでしょうか?」
巫女「私に答えられることでしたら」
神使「どうしてモノノケの世界へ行かれたのですか?」
巫女「・・・・・・。 私、神ちゃん様を利用したんです」
神使「え?」
663
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2021/03/02(火) 17:15:37 ID:aSBjk.lc
おつ
664
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2021/03/03(水) 02:53:54 ID:n71A6alY
結局内宮神ってどうなったの?
665
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2021/03/04(木) 18:49:51 ID:tfqxc.yc
お留守番?
666
:
◆8YCWQhLlF2
:2021/03/05(金) 04:04:30 ID:LG8HH0XE
永遠のお留守番?
667
:
◆8YCWQhLlF2
:2021/03/05(金) 04:05:53 ID:LG8HH0XE
巫女「モノノケの管理は私の力では無理でした」
神使「でも、今までは守ってこられたのですよね?」
巫女「崩壊するのは時間の問題だったと思います。 ですから・・・ 私は神ちゃん様に進退を預けたんです」
神使「進退?」
巫女「私が必要か、不必要かを」
神使「不必要なんて事は無いと思いますが。 モノノケさん達にとって巫女さんはとても大切な存在なのですよね」
巫女「・・・神使さんは今の世界が好きですか?」
神使「?」
巫女「人がいて、神使がいて、神がいて・・・ 多種多様な生物が共存する今の姿のことです」
神使「それが普通だと思っているので、好き嫌いという事は考えたことなかったです」
668
:
◆8YCWQhLlF2
:2021/03/05(金) 04:06:46 ID:LG8HH0XE
巫女「とても素晴らしい回答です。 きっと神ちゃん様も喜ぶと思いますよ」
神使「神様が? どういう関係があるのでしょうか」
巫女「昔は全て別の世界だったんです」
神使「え?」
巫女「現在の生物学的に言うところの“科”や“目”くらいの分類で世界が分断されていたのです」
神使「そんな・・・ はじめて聞きました」
巫女「太古の昔のことですから」
669
:
◆8YCWQhLlF2
:2021/03/05(金) 04:07:20 ID:LG8HH0XE
神使「それがどうして現在の姿に?」
巫女「神ちゃん様の先代様が統一をしていったのです」
神使「幼女神さまが?」
巫女「当然それぞれの管理者は反対し全力で抵抗しました。 私も反対派でしたから」
神使「それが崩れて今の姿になっているという事は・・・」
巫女「はい。 私が管轄するモノノケの世界以外は全て統一されてしまいました」
神使「巫女さんだけが残ったという事ですか!? それは凄いですね・・・」
巫女「少しは見直して頂けましたか? 私、こう見えて武闘派なんです」フフッ
670
:
◆8YCWQhLlF2
:2021/03/05(金) 04:08:35 ID:LG8HH0XE
神使「神様ともやり合ったのですか?」
巫女「私は直接ないですが。 でも、神ちゃん様は一人で別の統一の仕方を模索されていました」
神使「別の・・・ それはどういった方法でしょうか」
巫女「神使」
神使「?」
巫女「神と人、そして動物を統一して神使という存在を作りました」
神使「・・・・・・」
巫女「驚きましたか? あなた達“神使”という存在は神ちゃん様の理想型なんですよ?」
神使「えっと・・・」
巫女「どうしてそんな事をしていたのか、その時は私にも理解できなかったですが・・・」
671
:
◆8YCWQhLlF2
:2021/03/05(金) 04:09:14 ID:LG8HH0XE
神使「スケールが大きすぎて私にはついて行けそうにないお話です」
巫女「ごめんなさい、混乱させるつもりはなかったのですが」
神使「まさに“神の戦い”といった時代ですね」
巫女「当時は大変な時代と思いましたが、今に思えば一番楽しかったかも知れません」
神使「やはり神という存在は凄いのですね」
巫女「神ちゃん様と先代様はとくに強い力を持っていました」
神使「その二人に対抗した巫女さんも十分凄いと思いますが」
巫女「確かに神の力という事だけで言えば私の方が勝っていると思います」
神使「では、どうして身を引くようなことを・・・」
巫女「神ちゃん様と神使様にお会いしてようやく気付いたんです」
神使「?」
672
:
◆8YCWQhLlF2
:2021/03/05(金) 04:10:02 ID:LG8HH0XE
巫女「完全に私の負けだって。 私の役目は終わったと」
神使「しかし、神様も今回は随分と苦戦していたみたいですが」
巫女「そうですね・・・ 追い返すだけであれば簡単に勝敗は着いたと思います」
神使「どうして、そうなさらなかったのですか?」
巫女「その考えが間違っていたからです」
神使「?」
巫女「神の力は強すぎるんです。 神ちゃん様はそれに気付き、私は気付けなかった・・・」
673
:
◆8YCWQhLlF2
:2021/03/05(金) 04:10:40 ID:LG8HH0XE
巫女「・・・・・・。 神ちゃん様には力が無かったんです」
神使「力・・・ 神力の事でしょうか?」
巫女「はい。 この国を治める最高神の神力がゼロだったなんてビックリしました」
神使「お恥ずかしい限りです・・・」
巫女「でも、それが正しい力の使い方だったんです。 いえ、それが神ちゃん様が辿り着いた道」
神使「道?」
巫女「私は守る為には力が必要だと思っていました」
神使「間違っていないような気もしますが」
巫女「私が使っていた力は、モノノケの存在を抑え込むための物」
674
:
◆8YCWQhLlF2
:2021/03/05(金) 04:11:15 ID:LG8HH0XE
巫女「私は、誰にも頼ることをしなかった。 なまじ力がある事に自惚れていたんです」
神使「・・・・・・」
巫女「こんな簡単な事、どうして気付かなかったんでしょう。 学ぶ機会は沢山あったのに・・・」
神使「神様は他人に頼りすぎのような気もしますが」
巫女「そうなんですか?」
神使「毎日大変ですよ。 アレやれコレやれって、自分で出来ることすらやらないんですから」
巫女「ふふっ」クスッ
神使「“巫女服着させろ”、“足袋履かせろ”、“あ〜んで食わせろ”とか」
巫女「・・・・・・」
神使「歩挙げ句の果てには歩くのが面倒だからおんぶしろって」ハァ
675
:
◆8YCWQhLlF2
:2021/03/05(金) 04:12:02 ID:LG8HH0XE
巫女「・・・・・・。 私からも神使さんに一つ質問しても良いですか?」
神使「私にですか?」
巫女「神使さんは、神ちゃん様とはどういう関係なのですか?」
神使「は!?」
巫女「どういう関係なのですか?」ズイッ
神使「じょ・・・ 上司と部下。 神とお付きの神使な関係です」
巫女「・・・・・・」ジー
神使(もしかして、私の心を読まれて・・・)ゴクリ
巫女「・・・・・・」ジー
676
:
◆8YCWQhLlF2
:2021/03/05(金) 04:12:33 ID:LG8HH0XE
神使「え〜と・・・ 正直、恋い焦がれております///」
巫女「えっ? そうなんですか!? それは意外です」キョトン
神使「は!? 私の心を読まれたのでは!?」
巫女「そんな事はしませんよ。 私は“良きパートナー”という言葉を期待していたのですが」
神使「今のは忘れて下さい。 本当にお願いします」ドゲザ
巫女「どうしようかなぁ〜」ニタニタ
神使「神様とは良きパートナーです!」
巫女「私、これでも性格がかなりひん曲がっているんです」
神使「・・・・・・」
677
:
◆8YCWQhLlF2
:2021/03/05(金) 04:13:13 ID:LG8HH0XE
巫女「冗談ですよ。 今のは聞かなかったことにしておきます」フフッ
神使「ありがとうございます」ホッ
巫女「でも、私が神ちゃん様だったら・・・ その言葉を早く聞きたいと思いますけどね」
神使「・・・・・・」
巫女「すみません。 ちょっと意地悪でした」クスクス
神使「え〜と・・・ あっ、神様が抱きついている“おまる”のモノノケさんを助けないと!」
巫女「そうですね」ニコッ
678
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2021/03/05(金) 17:14:54 ID:HcJ7m4FE
跨っているのか?
679
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2021/03/05(金) 20:16:16 ID:xlJzV0u6
やっとおまるの話が明らかになるのか
680
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2021/03/07(日) 02:38:42 ID:plSTXTZQ
赤い洗面器がどうたらこうたら
681
:
◆8YCWQhLlF2
:2021/03/08(月) 23:58:40 ID:lR3s7dcY
墓まで持っていく所存
682
:
◆8YCWQhLlF2
:2021/03/08(月) 23:59:47 ID:lR3s7dcY
――― 翌日・学校
ガラガラ
神様「おはよーさん」トテトテ
生徒A「あっ、神ちゃん様おはようございます」
神様「おはよ・・・ ん? 様?」
生徒A「今日は良い天気だよね」
生徒B「テストじゃなければなぁ〜・・・」
神様「私は今日のテスト楽しみですわ」カッカッカッ
生徒B「相当自信があるようで・・・」
神様「勿の論の助よ。 で、私の隣の席にいるのはどちら様ですかな?」
少女「・・・・・・」
683
:
◆8YCWQhLlF2
:2021/03/09(火) 00:00:32 ID:blfqc9ws
神様「おや、少女ちゃんでしたか。 昨日まで空席だったから転校生かと思ったよ」
生徒B「空席? 2年になってから少女ちゃんの席って変わってないよね」
少女「そうね。 まさか、神ちゃん痴呆? まぁその歳じゃ無理もないけど」ニヤッ
神様「あ?」
生徒A「相変わらずだね・・・ そんな事を面と向かって言えるの少女ちゃんくらいだよ」ハハハ
先生「おーい、席に着け。 テスト始めるぞ〜」
神様「正々堂々、どちらが上か決着をつけようぜ」
少女「そんなのやる前から分かってるのに。 アホくさ」プイッ
神様「何を!? その腐った性根、コテンパンにへし折ってやる!」
684
:
◆8YCWQhLlF2
:2021/03/09(火) 00:01:05 ID:blfqc9ws
――― テスト中
神様「う〜ん・・・ ここってどうやって解くんだっけ?」ウーン
生徒「先生ー」
先生「どうした?」
生徒「黒板にモノノケが張り付いていてテストに集中出来ません」
先生「モノノケ?」クルッ
モノノケ「あたいもテスト受けたーい」
先生「・・・・・・」
685
:
◆8YCWQhLlF2
:2021/03/09(火) 00:01:42 ID:blfqc9ws
神様「うお! モノノケやんけ!」
生徒「うわ〜 かわいい〜」
生徒「あのモノノケ初めて見た〜」
先生「おい、少女。 これ何とかならないか?」
少女「・・・・・・」
先生「っていうか、これ何のモノノケだ?」
少女「その子は電子黒板のモノノケです。 最近生まれたばかりの新米ちゃんです」
神様「電子黒板!? ニッチすぎだろ・・・」
686
:
◆8YCWQhLlF2
:2021/03/09(火) 00:02:19 ID:blfqc9ws
モノノケ「少女ちゃ〜ん。 やっほ〜」
少女「学校が終わったら遊んであげるから、今日はお帰りなさい」
モノノケ「わかったー」スー
先生「おっ、消えた・・・」
神様「ほぉ、これはこれは」
少女「モノノケは人にとって身近な存在。 驚くことでもないわ」
神様「へぇ〜」
少女「神ちゃんの責任でこういう世界構造になったんだから、少しは責任を感じて欲しいんだけど」
神様「結界解除の効果か。 良きかな良きかな」
少女「おめでたいわね」ハァ
先生「よーし、テスト再開だ。 おしゃべり禁止な」
687
:
◆8YCWQhLlF2
:2021/03/09(火) 00:02:53 ID:blfqc9ws
―――放課後
生徒A「テストどうだった?」
生徒B「最悪。 あれ問題意地悪すぎでしょ」
神様「まぁ多少クセはあったよねー」
生徒A「ねぇ、少女ちゃん。 気分転換に今日モノノケランドに行っても良い?」
少女「え?」
生徒B「あっ、わたしもモノノケちゃんと触れ合いたい!」
少女「構わないけど・・・」
688
:
◆8YCWQhLlF2
:2021/03/09(火) 00:03:36 ID:blfqc9ws
神様「いいねぇ〜 私も一緒に行く〜」
生徒AB「・・・・・・」
神様「?」
生徒A「もちろんです。 是非ご一緒に」
神様「敬語流行ってるの?」
生徒B「え〜と・・・ 一度家に帰ってからモノノケランドの入り口集合で良い?」
少女「今日は施設点検で臨時休業なんだけど、特別入場チケット用意しておく」
生徒A「やったー! 貸し切り! じゃ、また後でね〜」タッタッタッ
生徒B「ばいばーい!」タッタッタッ
神様「さようなら〜」フリフリ
生徒AB「!?」ペコリ
689
:
◆8YCWQhLlF2
:2021/03/09(火) 00:04:24 ID:blfqc9ws
少女「はぁ〜・・・」グテッ
神様「ねぇ、少女ちゃん?」
少女「なに」
神様「モノノケランドってもうオープンしてるの?」
少女「そういう風に暗示を付加したの。 その方が都合が良いし」
神様「ふ〜ん。 あ、あともう一つ聞きたいんだけど」
少女「なによ。 私、昨日狐娘さんと徹夜で暗示補正してたから疲れてるの」
神様「いやさ、なんか皆さんの私への接し方に距離を感じるんですけど気のせいでしょうか?」
少女「・・・・・・。 気のせいじゃない?」
神様「そうかなぁ?」ウーン
少女「いつも通りだって」ニヤッ
690
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2021/03/11(木) 17:15:01 ID:nsQGBePE
おつ
691
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2021/03/13(土) 14:09:20 ID:EaAwyj5o
いじわるな子好きくない
692
:
◆8YCWQhLlF2
:2021/03/18(木) 23:27:08 ID:NJZRwtQs
――― 山ノ神社
ガラガラ
神様「たでーまー」トテトテ
神使「あっ! 神様! 大変な事がおこっ―――」
神様「私モノノケランド行ってくる。 戻り遅くなるから夕ご飯は遅くて良いや」タッタッタッ
神使「ちょ、神様!」
神様「牡蠣フライでよろしく〜」タッタッタッ
神使「・・・・・・。 私、知りませんよ?」
693
:
◆8YCWQhLlF2
:2021/03/18(木) 23:28:02 ID:NJZRwtQs
――― 海ノ町・商店街
神様「う〜ん・・・ 何かお土産でも買っていくかなぁ」キョロキョロ
和菓子屋「いちご大福特売だよ〜」
神様「おっ、いちご大福良いねぇ〜 あれにしよ」トテトテ
神様「おっちゃん、いちご大福6つ頂戴」
和菓子屋「いらっしゃ・・・ !?」ビクッ
神様「お土産だから包んでくれる?」
和菓子屋「は、はい! すぐにお包みします!!」ゴソゴソ
神様「?」
694
:
◆8YCWQhLlF2
:2021/03/18(木) 23:28:35 ID:NJZRwtQs
和菓子屋「お待たせしました」
神様「いくら?」
和菓子屋「お代なんて滅相もない。 どうぞお持ち下さい」スッ
神様「え? いいの?」
和菓子屋「勿論です。 今日は大安吉日、どうぞお納め下さい」
神様「ラッキ〜 んじゃもらっていくね。 あんがと」トテトテ
和菓子屋「・・・・・・。 はぁ〜・・・ 緊張した」
695
:
◆8YCWQhLlF2
:2021/03/18(木) 23:29:20 ID:NJZRwtQs
神様「いや〜 儲けた儲けた!」トテトテ
通行人「・・・・・・」ペコリ
神様「?」ペコリ
神様「知り合いだっけか? まぁいいか」トテトテ
通行人「!?」フカブカ
神様「・・・こんちは」
神様「・・・・・・」トテトテ
通行人「」ペコリ
通行人「」ペコリ
神様「・・・・・・」ペコリ
神様「これって・・・ !! もしかして、私の人徳に皆が気付いた!?」ニヘエ
696
:
◆8YCWQhLlF2
:2021/03/18(木) 23:30:07 ID:NJZRwtQs
――― モノノケランド(旧海ノ神社)
神様「お待たせ〜」トテトテ
生徒A「あっ」
神様「ちょっと遅れちゃった。 ごめ〜んね」
少女「ちょっと? 20分も遅刻しておいて」
神様「いや〜 お土産買ってきたからさぁ」
少女「お土産?」
神様「超高級いちご大福!!」
生徒B「私大好物!」
生徒A「私も!」
神様「うむ。 皆、我に感謝し崇め奉るが吉と知り給え! 頭が高いぞ!」カッカッカッ
697
:
◆8YCWQhLlF2
:2021/03/18(木) 23:30:58 ID:NJZRwtQs
生徒A「!! もっ、申し訳ございません!」ドゲザ
生徒B「生意気な言葉使い大変失礼しました!!」ドゲザ
神様「え!? ちょ、何? なんで土下座!? やめてって・・・」オロオロ
少女「流石この国を治める最高神様は下々の者にも寛大ね」ニヤッ
神様「・・・ちょっと少女ちゃん、こっち来て」グイッ
少女「な、何よ。 制服伸びちゃうから引っ張らないで」ズルズル
698
:
◆8YCWQhLlF2
:2021/03/18(木) 23:31:49 ID:NJZRwtQs
――― 建物裏
神様「説明プリーズ」
少女「何の?」
神様「いやいや、おかしいでしょ。 なんか皆の私への接し方がいつもと違うし」
少女「それが普通の態度じゃない?」
神様「・・・・・・。 もしかして、私の正体バレてる?」
少女「神ちゃんはこの国の最高神。 何か間違いでもある?」
神様「ない。 でもね、それ隠してるの。 内緒なの。 シーなの」
少女「昨日まではそうだったみたいね」
699
:
◆8YCWQhLlF2
:2021/03/18(木) 23:32:27 ID:NJZRwtQs
神様「どういう意味?」
少女「さて問題。 昨日と今日、何が変わったでしょうか」
神様「モノノケの存在がオープンになった」
少女「厳密に言えば暗示結界を緩めた。 まだ完全に解除はしてないけど」
神様「それが何か?」
少女「ここまで言っても分からないの?」
神様「全く」
少女「神ちゃんは神の存在を今までどうやって隠してたの?」
神様「ん? え〜と・・・ 何となく? 強いて言うなら私の努力の賜」
700
:
◆8YCWQhLlF2
:2021/03/18(木) 23:33:08 ID:NJZRwtQs
少女「努力だけで隠せるの? だったら地神様も苦労しなかったのに」
神様「・・・・・・。 まさか、私が張ってた暗示結界も一緒に解いたりとかしてないよね?」
少女「その結界の事って他に誰か知ってる?」
神様「誰にも言ってない。 他の神にも話していない」
少女「あら。 それは大変」
神様「・・・・・・。 まさか・・・」
少女「一緒に解除されちゃったみたいね」クスクス
神様「何て事してくれとんねん!」
少女「暗示結界を解除したのは私じゃなくて、そちら側の方よ?」
神様「んが!」
701
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2021/03/19(金) 17:11:27 ID:33Mo9NRA
あちゃー
702
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2021/03/19(金) 20:07:09 ID:gknxCt0k
やってしまったなw
703
:
◆8YCWQhLlF2
:2021/03/22(月) 00:20:30 ID:Y4qvqDtg
――― モノノケランド・中庭
狐娘「ふわ〜・・・ ようやく終わりました。 結局貫徹になるなんて私の力もまだまだですね・・・」フラフラ
神様「狐娘ちゃーん!」タッタッタッ
狐娘「神ちゃん様?」クルッ
神様「お願いが! お願いがあるのです!」ガシッ
狐娘「え!? ちょ、どうされたんですか?」
704
:
◆8YCWQhLlF2
:2021/03/22(月) 00:21:12 ID:Y4qvqDtg
神様「結界を! 結界を張って欲しいの!」
狐娘「結界ですか? どの位の規模でしょう」
神様「大きいの!」
狐娘「この建物の侵入結界くらいでしたら私でも可能だと思いますが」
神様「そんな小さいのじゃなくて、この国全体に!」
狐娘「・・・・・・。 はい?」
神様「日本全土に暗示結界を今すぐ張って!」
狐娘「この国全体!? そんな巨大な結界・・・ しかも暗示結界なんて凄爺様クラスでないと」
705
:
◆8YCWQhLlF2
:2021/03/22(月) 00:21:46 ID:Y4qvqDtg
神様「何でもするから・・・凄爺には内緒で、しかも超特急で・・・ 頼むよ」ガクッ
狐娘「私の力ではとても・・・ それに、そんな事を勝手にしたら凄爺様に大目玉を食らってしまいます」
神様「神使君を1ヶ月りんごちゃん神宮に貸し出す!」
狐娘「!」ピクッ
神様「2ヶ月! 狐娘ちゃん専属で貸すから!」
狐娘「!! お任せ下さい! この狐娘、自分の力を超えて挑む所存です!!」フンスッ
神様「狐娘ちゃんは話が分かるヤツで助かるよ」ウルウル
狐娘「でも、ちょっとだけ寝させてもらっても良いですか?」
706
:
◆8YCWQhLlF2
:2021/03/22(月) 00:22:42 ID:Y4qvqDtg
――― 山ノ神社・本殿
主神「ふんふ〜ん♪ ようやく神力も溜ってきました」キュッキュッ
神使「主神さま、ご神体を磨いている状況ではないのですが・・・」
主神「まぁ私達に出来ることなんて何もありませんからね。 きっと時が解決してくれますよ」
神使「そんな悠長な・・・」
神体『おい』
主神・神使「・・・・・・」キョロキョロ
神体『おい、聞こえないのか?』
主神「あれ? おかしいですね・・・ 私の神体から声が聞こえます」
神使「この声、この状況・・・ 以前、私同じ体験をしたことがあります」
707
:
◆8YCWQhLlF2
:2021/03/22(月) 00:23:13 ID:Y4qvqDtg
神体『お前は相変わらず仕事をしてないようじゃな』
主神「まさか、りんごのじじい!?」
神体(凄爺)『お前、後でりんごちゃん神宮へ一人で来い』
主神「・・・・・・」
神使「凄爺様、ご無沙汰しております」
凄爺『その声は、ガキのお付きか?』
神使「その節はお世話になりました。 今日はどういうご用件で?」
凄爺『ワシ自らが出張る事態、お前も分かっているであろう』
神使「神の存在がオープンになっている件でしょうか・・・」
708
:
◆8YCWQhLlF2
:2021/03/22(月) 00:27:16 ID:Y4qvqDtg
凄爺『全く・・・ あのクソガキはワシに内緒で暗示結界を張っていたとは』
神使「やはりそういう事でしたか」
凄爺『まだ完全には解除されてはおらぬが、張り直さねばならんな』
神使「可能なんでしょうか?」
凄爺『正直厳しいのぉ。 結界自体は張ることは出来るが安定化のために人柱が必要じゃ』
神使「人柱?」
凄爺『簡潔に言えば結界維持を担う生け贄じゃ。 まぁ言うても多少の行動制限が伴う程度じゃが』
主神「でしたら、私がやりましょうか? どうせずっとここにいますし」
凄爺『バカ者、神力で不安定になってしまうわ』
神使「では私が」
凄爺『それも無理じゃ。 人柱は読んで字のごとく“人”またはそれに準ずる物でなければ務まらぬ』
709
:
◆8YCWQhLlF2
:2021/03/22(月) 00:28:01 ID:Y4qvqDtg
主神「それって結構ハードル高いですよね」
神使「どういう事です?」
主神「いや、人の寿命では結界維持に限界もありますし」
神使「確かに言われてみれば・・・」
凄爺『まぁ良い。 その件に関しては少し考える』
神使「お手数をおかけします」
凄爺『じゃが、その前にクソガキに少しお仕置きが必要じゃな』
神使「それに関しては私からも是非お願いします」
凄爺『うむ。 では二人共、ワシに協力せい』
神使・主神「?」
710
:
◆8YCWQhLlF2
:2021/03/22(月) 00:28:34 ID:Y4qvqDtg
――― 数分後・山ノ神社社務所
ガラガラ
神様「うわ〜ん!!」タッタッタッ
神使「お帰りなさいませ。 そんなに慌てていかがされました?」
神様「神使く〜ん! 皆が私を崇め奉ってくるの〜」ウワーン
神使「それは良い事ではございませんか。 なんと言っても神様はこの国の最高神なのですから」ニコッ
神様「し、神使君!?」
主神「お勤めご苦労様です神様。 湯浴みのご用意が出来ておりますが」テクテク
神様「主神・・・ お前までどうした!? お前はそんな気の利いたことするヤツじゃないだろ!」
711
:
◆8YCWQhLlF2
:2021/03/22(月) 00:29:08 ID:Y4qvqDtg
主神「そんな・・・ 私はただ・・・ 最高神様のために・・・ ちょっと首吊ってきます」
神様「待て待て! 怒ってないから! お前の気遣い心から感謝するから!」
主神「有り難き慈悲。 その心の広さ、流石最高神・神様!」ウルウル
神様「マジでそういうのやめて下さいませんか? 気持ち悪い」
主神「気持ち悪い!? ・・・ちょっと首吊ってきます」
神様「あー! もう!!」ジタバタ
神使「神様、そろそろ祭儀服にお着替えになられては?」
神様「は? 何で祭儀服なんかに着替えるの?」
神使「最高神がいつまでもそのような下々と同じ格好もどうかと思いますので」
神様「うわ〜ん! 今日はもう寝る〜! 明日まで起こさないで!!」タッタッタッ
712
:
◆8YCWQhLlF2
:2021/03/22(月) 00:29:44 ID:Y4qvqDtg
神使「だいぶ効いてますね」
主神「よほど最高神扱いされるのが嫌なんでしょう」
神使「普段は崇め奉れと大口を叩いているくせに、いざとなるとヘタレるんですよね」
主神「神様らしいといいますか・・・ しかし神様が最も精神的ダメージを負うお仕置きを思いつく凄爺が怖いです」
主神・神使「ご武運を」パンパンッ
713
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2021/03/22(月) 09:43:28 ID:JqmBe2vk
お仕置きが待ってる
714
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2021/03/22(月) 09:48:04 ID:czlU4Zrg
713と同じ時間に読んでたよわろた
715
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2021/03/22(月) 20:37:43 ID:.XdgRB5k
神ちゃんが実は強かったと聞いて
716
:
◆8YCWQhLlF2
:2021/03/26(金) 00:03:40 ID:qvZH5pe.
――― 深夜・モノノケランド
少女「こんなもんかな」ガチャガチャ
巫女「遅くまでご苦労様」トテトテ
少女「地神さま」
巫女「結界維持装置の調子はどうですか?」
少女「順調です。 もう少し結界調整のスピードを速めることも出来ますけど」
巫女「悩ましいところですね・・・」
少女「神ちゃんの件ですか?」
巫女「えぇ」
少女「凄爺さんに聞いてみます? 何かアドバイスをもらえるかも」
717
:
◆8YCWQhLlF2
:2021/03/26(金) 00:04:16 ID:qvZH5pe.
凄爺『うむ。 良きタイミングじゃ』
少女「?」キョロキョロ
凄爺『結界維持装置を中継して話をしておる』
巫女「凄爺さま、こんな遅くまでご苦労様です」
凄爺『これがワシの仕事、気にせずとも』
巫女「こんな時間に何か急用でしょうか?」
凄爺『其方達の心配事と同じであろう。 聞いてもらえるであろうか』
巫女「もちろんでございます」
718
:
◆8YCWQhLlF2
:2021/03/26(金) 00:05:37 ID:qvZH5pe.
少女「じゃあ、私は部屋に戻ってるね」
凄爺『お主も一緒に聞いて欲しい』
少女「私も?」
凄爺『話の内容はお主と、クソガキに関わる事じゃ』
少女「私?」
凄爺『相談に乗ってもらえると助かる』
少女「はあ」
719
:
◆8YCWQhLlF2
:2021/03/26(金) 00:06:41 ID:qvZH5pe.
――― 翌日・学校
先生「よ〜し、それじゃぁテスト返すぞ」
ガヤガヤ
少女「」チラッ
神様「・・・・・・」ブルブル
少女「・・・・・・。 今更緊張しても仕方ないと思うけど?」
神様「そっちの意味で震えてるわけじゃないから」
少女「あれだけ自信満々だったんだし、良い点数なんじゃないの? 最高神さ・ま」ニヤッ
神様「それ止めて。 マジで今精神追い込まれてるの」
720
:
◆8YCWQhLlF2
:2021/03/26(金) 00:07:15 ID:qvZH5pe.
先生「次は少女さん」
少女「はい」スタスタ
先生「流石だ。 相変わらずだな」
少女「ありがとうございます」ペコリ
神様「どう?」
少女「100点」
神様「やるじゃん・・・」チッ
721
:
◆8YCWQhLlF2
:2021/03/26(金) 00:08:00 ID:qvZH5pe.
先生「次は、最高神 神宮天上乃御子大御神さま」
神様「あっ、はい。 それ、たぶん私のことですよね」トテトテ
先生「流石最高神様、我が校始まって以来の高得点です」
生徒「お〜」
神様「え? あの・・・ この点数って・・・」
先生「全教科100点超えでございます」
生徒「流石最高神様、素敵」
生徒「100点を超えるなんてまさに神業」
神様「・・・・・・」
722
:
◆8YCWQhLlF2
:2021/03/26(金) 00:08:49 ID:qvZH5pe.
少女「へ〜 流石最高神さま。 下々にはどうがんばっても取れない点数、私の完敗です」
神様「いやいや、こことここ×のはずなのに何で○なの? 後、どうして100点突破してるの?」
少女「だって、神ちゃんはこの国で一番偉い最高神だもの」
神様「偉くないし。 それに神とテストの点数なんて何の関係もないじゃん」
少女「×なんて付けたらどんな神罰をくらうか分からないじゃない」ニヤッ
神様「神罰なんてしないよ・・・」
少女「理由はどうあれ、勝負は私の負け。 何すれば良い?」
神様「こ・・・ こんなの私の求めていた勝負じゃなーい!」タッタッタッ
少女「ちょ、神ちゃん!? まだ授業が―――」
神様「ちくしょー! もう嫌だ〜!!」タッタッタッ
少女「・・・・・・」
723
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2021/03/26(金) 02:10:43 ID:jlnzvT.k
神ちゃん...わざと間違えたんやな
724
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2021/03/27(土) 13:57:51 ID:kE4xIMOw
723と同意見
725
:
◆8YCWQhLlF2
:2021/03/31(水) 22:33:52 ID:1UYvtEMM
――― 夕方・山ノ神社
コンコン
神使「はーい」ガラガラ
少女「こんにちは」ペコリ
神使「おや、少女さんじゃないですか」
少女「あの・・・ 神ちゃんいますか」
神使「いるにはいるのですが・・・」
少女「?」
神使「取りあえず中へどうぞ」
少女「お邪魔します」
726
:
◆8YCWQhLlF2
:2021/03/31(水) 22:34:31 ID:1UYvtEMM
――― 本殿
神使「神様はこちらの本殿の中に・・・」
少女「中に入っても?」
神使「それが・・・」
少女「何か取り込み中ですか?」
神使「え〜と・・・ この穴から中を覗いてみて下さい」
少女「?」コソッ
727
:
◆8YCWQhLlF2
:2021/03/31(水) 22:35:17 ID:1UYvtEMM
神様「怖い・・・ 怖いよ・・・」ブルブル
狐娘「怖い・・・ 怖いよ・・・」ブルブル
少女「・・・・・・」
神使「と、言うような状況です」
少女「神ちゃんが震えている理由は分かるんですけど、どうして狐娘さんまで?」
神使「どうも神様の口車に乗ろうとしたのがバレたようで、凄爺様に大目玉をもらったそうです」
少女「はあ、そうなんですか。 お気の毒に」
神使「こういう状況でして、しばらく表に出てこないと思います」
少女「そのようですね・・・」ハァ
神使「折角ですし、社務所でお茶でもいかがでしょうか」
少女「・・・・・・。 ではお言葉に甘えて」
728
:
◆8YCWQhLlF2
:2021/03/31(水) 22:36:41 ID:1UYvtEMM
――― 社務所
神使「―――という感じで神様の正体が知れ渡ってしまったようで」
少女「神ちゃんの結界が崩壊したのは知ってます」
主神「そうなんですか?」
少女「はい。 僅かですが地神さまも感じたようで」
神使「流石ですね」
少女「昨日りんごちゃん神宮の凄爺さんから相談もあったので」
主神「りんごのじじいが?」
少女「はい。 その時に、神ちゃんへのお仕置きの件も聞きました」
729
:
◆8YCWQhLlF2
:2021/03/31(水) 22:38:15 ID:1UYvtEMM
主神「元は神様がダマテンで結界を張っていたのが原因ですからね」
少女「神ちゃん相当堪えていましたね」
神使「・・・・・・。 神様のことを気にかけて頂きありがとうございます」ペコリ
少女「わ、私は神ちゃんが凹んでいる姿が見れて嬉しかったというか///」
神使「?」
少女「その・・・ 地神さまが気になるから見に行けって言ったんで・・・ 仕方なく・・・」モジモシ
神使「そうでしたか。 巫女さんにもよろしくお伝え下さい」ニコッ
少女「・・・・・・」
神使「少女さん?」
730
:
◆8YCWQhLlF2
:2021/03/31(水) 22:38:51 ID:1UYvtEMM
少女「あの!」ガタッ
神使・主神「!?」
少女「その・・・ え〜と・・・ごめんなさい!」フカブカ
主神「え!? 急にどうしたんです?」
少女「私、何度も主神さまを怖がらせるようなことをしてしまって・・・」
主神「・・・あ〜 大丈夫ですよ。 ぜ、全然怖くなかったですし。 こう見えて神ですから」アセアセ
少女「神使さんにも嫌な思いをさせたと思います・・・」
神使「私は何も。 気にする必要などございませんよ」
731
:
◆8YCWQhLlF2
:2021/03/31(水) 22:39:34 ID:1UYvtEMM
少女「私、こんな性格で性根も腐ってますし表裏も激しいし・・・」
少女「いろんな人に迷惑をかけたと自覚はしています」
少女「だから・・・ ごめんなさい!」フカブカ
主神「何かあったんですか?」
少女「私、神ちゃんがこの町に来たのはモノノケの世界を壊すのが目的だと思ってました」
少女「でも、蓋を開けてみれば・・・ モノノケの存在とか、地神さまの悩みとか全部解決していて」
少女「それって、全部神ちゃんのお陰なんだって」
神使「・・・・・・」
732
:
◆8YCWQhLlF2
:2021/03/31(水) 22:40:11 ID:1UYvtEMM
少女「凄爺さんから、神ちゃんの過去の話も色々と聞きました」
神使「神様のことを?」
少女「私、神ちゃんがあんなに苦労してきたなんて知らなかったから・・・」
神使「神様はそれを見せないように・・・ いえ、知られないようしていますからね」
少女「私、今日は神ちゃんに謝ろうと思って来たんです・・・」
神使「必要ないですよ」
少女「え?」
主神「そうですね、私もその意見に同意します」
733
:
◆8YCWQhLlF2
:2021/03/31(水) 22:40:55 ID:1UYvtEMM
少女「でも、わたし神ちゃんを相当傷つけたと思いますし。 きちんとお礼もしたいし」
神使「神様が一番喜ぶ方法をお教えしましょうか」
少女「?」
神使「今まで通り、いえ今まで以上に神様を罵って挑発することです」
少女「どういう事ですか?」
主神「神様は敵が欲しいんです。 それも仲良しの天敵が」
少女「仲良しの天敵?」
神使「簡単に言えば、神様は友達が欲しいんですよ」
主神「正直、これが意外と少ないんです」
少女「でも、私にはそんな資格・・・ 最高神と友達だなんて」
734
:
◆8YCWQhLlF2
:2021/03/31(水) 22:41:28 ID:1UYvtEMM
神使「みんな神様の正体を知ると、そう言って距離を置いてしまうんです」
主神「他の神でも神様とは対等に接することも難しいですからね」
少女「・・・・・・」
神使「神様はああ見えても最高神。 少女さんの性格くらい最初から見破っていますよ」
主神「それ込みで神様はちょっかい出してたんでしょうし」
神使「神様は今の少女さんが好きなんです。 表裏があって、でも根っこは優しくて芯の強い少女さんが」
主神「そうですね。 少女さんは神様が大好物な性格だと思いますから」
735
:
◆8YCWQhLlF2
:2021/03/31(水) 22:42:38 ID:1UYvtEMM
少女「神ちゃんてMなんですか?」
神使「難しいですね。 SでもありMでもあります」
主神「両刀使いですね。 私と同じです」
少女「え・・・ それ、言い方がちょっと気持ち悪い」ゾッ
主神「そう。 その顔! 神様が大好な顔です。 もちろん私も」グッ
少女・神使「・・・・・・」
神使「ま、まぁそういう事ですから神様との関係は今まで通りでお願い出来ませんでしょうか」
少女「・・・・・・。 分かりました」
736
:
◆8YCWQhLlF2
:2021/03/31(水) 22:43:42 ID:1UYvtEMM
神使「神様が調子こいてウザくなったら私に相談して下さい」
少女「はい」クスッ
神使「もう一杯、お茶はいかがですか?」
少女「いえ、今日はこれで失礼します」スッ
神使「そうですか。 モノノケランドまでお送りします」
少女「まだ明るいですし大丈夫です」
神使「では、お気を付けてお帰り下さい」
主神「明日から、私も館長としてできる限りは出勤いたしますので」
少女「・・・・・・」
神使「少女さん?」
少女「あの、お二人にお願いがあるのですが」
主神・神使「?」
737
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2021/04/01(木) 02:09:34 ID:rMSTHC2c
書籍化しないの?
738
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2021/04/01(木) 18:09:48 ID:yI9DIiuA
アニメで見たい
739
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2021/04/01(木) 22:15:05 ID:J6QxOyl2
アニメ化された神ちゃん見たら萌え死ぬ
740
:
◆8YCWQhLlF2
:2021/04/02(金) 22:02:05 ID:t0c7Tl5I
――― 夜・山ノ神社本殿
神様「いーやーだー」ジタバタ
神使「ワガママ言っていないで来て下さい!」グイグイ
神様「お外出たくない! ずっとここでニートしてる!!」
神使「全く・・・」ハァ
神様「それより狐娘ちゃんはどこだよ! さっきお前に連れて行かれたきり帰ってこないぞ!!」
神使「先程凄爺さまから電話があって・・・」
神様「あって?」
741
:
◆8YCWQhLlF2
:2021/04/02(金) 22:02:43 ID:t0c7Tl5I
神使「話をしている途中で意識を失っ・・・ 疲れが溜っていた様で今は寝室で寝ています」
神様「“意識を失って”って言いかけただろ! ぜってーここから出ない!!」
神使「神様は同じ目に遭いたくないですよね?」ニコッ
神様「・・・・・・。 ど、どこに連れて行く気だよ」
神使「モノノケランドです」
神様「モノノケ? 何しに?」
神使「行けば分かりますから」
神様「・・・・・・」
742
:
◆8YCWQhLlF2
:2021/04/02(金) 22:03:25 ID:t0c7Tl5I
――― モノノケランド
神様「こんな遅くに連れてきて、誰もいないじゃないかよ」キョロキョロ
神使「まぁまぁ。 そろそろ時間ですから」
神様「時間?」
少女「ようこそモノノケランドへ!」
神様「?」クルッ
少女「しけた顔してるわね。 それでもこの国の最高神?」
神様「そうですが何か?」
少女「ふっ、私にテストで負けたのがそんなに悔しいの?」
神様「悔しくねーし! それに私の方がテストの点数高かったし! 100点超えだし!!」
743
:
◆8YCWQhLlF2
:2021/04/02(金) 22:04:04 ID:t0c7Tl5I
少女「私は全問正解、神ちゃんは確かミスがあったわよね? 無理矢理正解になってたけど」ニヤッ
神様「うぐっ」
少女「厳密に言えば私の勝ち」
神様「学校では“神ちゃんの勝ち”とか言ってたくせに」ブツブツ
少女「なに?」
神様「何でもないですぅー」
少女「忘れてないでしょうね? 負けた方が勝った方の言うことを聞くって約束」
神様「今回はノーカン、ノ〜カン」
少女「そう。 じゃあ、こういうのはどうかしら?」
神様「あ?」
744
:
◆8YCWQhLlF2
:2021/04/02(金) 22:04:53 ID:t0c7Tl5I
少女「私が神ちゃんの願いを一つ叶えてあげる」
神様「はい?」
少女「最高神ですら叶えられない願いを私が叶える。 それが成就できたら私の言う事を二つ聞く事」
神様「ほぉ」
少女「勝負から少しかけ離れるけど、お互い悪くないと思わない?」
神様「いいねぇ、面白い。 その勝負のった!」
少女「じゃあ、私はこれから祈願成就の準備に取りかかるから明日学校で会いましょう」
神様「うっ・・・ 学校行くの? っていうか、私まだ願いを言ってないんだけど」
少女「私を誰だと思ってるの? そんなの聞かなくても分かるわ」
神様「その生意気な態度、好きだぜ。 よし、あえて聞かずにいておこう」
少女「私は別に構わないけど、本当に聞かなくても良いの?」
神様「その方が面白いし。 外に出るのは嫌だけど明日は我慢して学校行ってやる!」
少女「私の力が凄すぎて腰を抜かさないようにね」クスクス
745
:
◆8YCWQhLlF2
:2021/04/02(金) 22:06:09 ID:t0c7Tl5I
――― 物陰
神使(少女さん・・・)
巫女「こんなに遅くにどうしたんです?」テクテク
神使「?」クルッ
巫女「こんばんは」ペコリ
神使「巫女さんでしたか」ホッ
巫女「神ちゃんさま・・・ と、少女? あの二人は何をしてるんです?」
神使「とても素敵な意地の張り合いです」
巫女「そうですか。 それは喜ばしい事ですね」ニコッ
神使「・・・・・・。 あの」
巫女「?」
746
:
◆8YCWQhLlF2
:2021/04/02(金) 22:06:43 ID:t0c7Tl5I
神使「少女さんを巻き込んでしまって申し訳ございません」フカブカ
巫女「あの子が自分で決めた事ですから。 それにこの役を任せるには適任だと思います」
神使「でも、少女さんの生活を犠牲にしてまで・・・」
巫女「多少の行動制限があるくらいです。 心配には及ばないと思いますよ?」
神使「そう言って頂けるとありがたいです」
巫女「私も少女を見習わないと」
神使「?」
巫女「ふふっ。 では、私はこれで」スタスタ
神使「・・・・・・。 巫女さん?」
747
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2021/04/03(土) 18:55:25 ID:74MY9Cg.
ドキドキ
748
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2021/04/03(土) 22:55:55 ID:TCIUfRVw
(`ФωФ)o-∈))Д´)プスッ
749
:
◆8YCWQhLlF2
:2021/04/08(木) 02:31:22 ID:dsXZiCkc
――― 翌日・山ノ神社
神様「おはよう也」トテトテ
神使「おはようございま―― ぶっ!」ゲホゲホ
主神「神様!? どうしたんですかその格好は!」
神様「あ? 我は最高神也や。 これはその装束也」
神使「どうして継姫様みたいな喋り方を・・・」
主神「まさか、その格好で学校へ行くんですか?」
神様「もう諦めた。 これなら皆ビビって声かけてこないだろうし」
主神「確かに声はかけてこないと思いますね。(色々な意味で)」
750
:
◆8YCWQhLlF2
:2021/04/08(木) 02:32:19 ID:dsXZiCkc
神使「しかし、少々目立ちすぎでは?」
神様「お前、この前は装束着て過ごせって言ったじゃねーかよ!」
神使「うっ」
主神「神使さん、神使さん」チョイチョイ
神使「?」
主神「やはり、神様は暗示結界が再構成されたことに気が付いていないようですね」ボソッ
神使「教えて上げたいところですが、少女さんとの約束もありますし」ボソッ
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◆8YCWQhLlF2
:2021/04/08(木) 02:32:58 ID:dsXZiCkc
神様「おいそこ! 何コソコソ話してんだよ」
神使「いえ、別に」
神様「お前ら、何か怪しいなぁ?」ジー
主神「な、なにがです?」
神様「私への態度がおざなりになってる気がする」
神使・主神「・・・・・・」
神様「もしかして〜 何か隠し事でも・・・」
神使「そ、そんな事はございませんよ」
主神「わ、私達は神様を常に崇め奉り尊敬致しております」
神様「じゃあ、何をコソコソ話してたんだ? 言うてみぃ」
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