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神様「神様だっ!」 神使「神力ゼロですが・・・」 5社目
1
:
◆8YCWQhLlF2
:2019/12/06(金) 02:57:25 ID:f1i/L8eQ
巫女「ごめんなさい・・・ ごめんなさい・・・」グスッ
??「ありがとう」
巫女「なんで・・・ なんで謝ったりするの・・・?」
??「私はずっとこの村を・・・ そして・・・ これからもあなたを見守り続けます」ゴボッ
巫女「いや・・・ うそ・・・ いやだ・・・」
??「辛い思いをさせて・・・ ごめんね」ウッ
巫女「いやだ・・・ お願い・・・ 嫌だよ!」
??「笑って・・・ 笑顔を見せて・・・ そしたらまた私は・・・・・・」ニコッ
巫女「嫌ー!!!」
――――
―――
――
550
:
◆8YCWQhLlF2
:2020/12/21(月) 23:26:06 ID:Lm68JRd2
モノノケ「傘は持たなくても良いの?」
神様「かさ? っていうかピグミン?」
巫女「その子は雨のモノノケです。 たぶん雨でも降るんじゃないでしょうか」
神様「へぇ〜 便利じゃん。 明日は晴れる?」
モノノケ「分かんないよ〜」タッタッタッ
神様「あっ、行っちゃった・・・」
巫女「雨のモノノケは雨のことしか分からないですから」
神様「ん〜・・・ ちょっと不便だな」
巫女「ちなみに、先程から主神さまに纏わり付いているのは牛乳のモノノケです」
神様「あいつ牛乳好きだからな。 お似合いじゃん」
巫女「神使様に付き纏っているのは・・・ あれは狛犬のモノノケかと」
神様「ふ〜ん。っていうか、狛犬?」
551
:
◆8YCWQhLlF2
:2020/12/21(月) 23:27:36 ID:Lm68JRd2
巫女「はい。 モノノケはこの世に存在する生命・モノ、一つ一つに存在します」
神様「もしかして“ピザ”のモノノケとか“牡蠣”のモノノケもいるの!?」
巫女「もちろんです。 それこそ八百万」
神様「それはモノノケと言うより・・・」
巫女「言葉を借りれば八百万の神といった方が良いかもしれませんね」
神様「そういう事か」
巫女「?」
神様「いやさ、昔先代に私らの系に属さない神が無数にいる土地があるって聞いたことがあって」
巫女「神ちゃん様の先代・・・ それって随分と昔の話ですよね」
神様「冗談かと思ってたんだけど・・・ こういう事だったのか」
552
:
◆8YCWQhLlF2
:2020/12/21(月) 23:28:34 ID:Lm68JRd2
巫女「そういえば、神ちゃん様は先代様の面影がありますね」ジー
神様「もしかして、幼女・・・ というか、あのクソ女と会ったことあるの!?」
巫女「はい、何度か。 もう何千年も前ですけど」
神様「・・・巫女ちゃんって今お幾つ?」
巫女「覚えていませんが、神ちゃん様の先代様よりは古いですよ?」
神様「パイセンですね。 偉そうにしてすんません」ペコリ
巫女「そんな! お願いですから今までと同じように気さくに接して下さい」オロオロ
神様「何というか領地を勝手に荒らしてしまったみたいで、ごめんなさいパイセン!」ドゲザ
巫女「そんな事はないです。 正直言いますと限界でした」
神様「?」
553
:
◆8YCWQhLlF2
:2020/12/21(月) 23:29:19 ID:Lm68JRd2
巫女「神社を追い出され、モノノケ達の管理も上手くいかず・・・ それに」
神様「少女ちゃん」
巫女「」コクリ
神様「この子は何?」
巫女「お察しかとは思いますがモノノケです」
神様「やっぱそうか。 ちなみに何のモノノケ?」
巫女「この子は、人のモノノケ」
神様「人・・・ って事は人の神?」
巫女「はい」
554
:
◆8YCWQhLlF2
:2020/12/21(月) 23:29:58 ID:Lm68JRd2
神様「それは、私みたいな神の存在とは違うの?」
巫女「それは私にも分かりません」
神様「・・・・・・」
巫女「私の考えですが、あまりそこは重要でない気がします」
神様「同意。 深追いは止めよう」
巫女「」ニコッ
神様「それより、少女ちゃんはモノノケの記憶を押さえ込まれているみたいだけど」
巫女「この子は、自分の存在を受け入れることが出来なかったんです」
神様「なるほどね。 だから少女ちゃんにはモノノケが見えないようにしてた訳か」
巫女「精神的に受け入れることが出来るようになったら話すつもりでした」
神様「それまではモノノケであることは隠して、人として育てようと」
巫女「はい」
555
:
◆8YCWQhLlF2
:2020/12/21(月) 23:31:10 ID:Lm68JRd2
神様「もしかして、モノノケの世界と人の世界を分けたのもそれが原因?」
巫女「いいえ、時代の流れです。 この地だけ特別扱いすることが出来なくなったので」
神様「いつ頃?」
巫女「平安の末期頃だったと記憶してます」
神様「あの時か・・・」
巫女「最初のうちは特に問題は無かったのですが・・・」
神様「結界の揺らぎ」
巫女「どうしても結界に綻びができて、モノノケが人の世界で見られることが・・・ 当然その逆も」
神様「それを修正するのが巫女ちゃん・・・ いや、土地神の仕事」
巫女「はい。 少女にはそのサポートをお願いしていました」
556
:
◆8YCWQhLlF2
:2020/12/21(月) 23:31:49 ID:Lm68JRd2
神様「で、この海ノ神社は結界維持のための要っていう認識でOK?」
巫女「その通りです」
神様「ちなみに、どうしてここは閉鎖になったの?」
巫女「それは・・・」
神使「神様ー!!」
主神「助けて下さーい!!」
神様「うるせーな〜」
巫女「そろそろお二人を助けてあげましょうか」
少女「・・・・・・」
557
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/12/24(木) 20:22:54 ID:VguUgGT2
ふむふむ
558
:
◆8YCWQhLlF2
:2020/12/29(火) 20:35:42 ID:wpt9dUKs
――― 海ノ神社・旧宝物庫
ギー
巫女「ここならモノノケ達も寄りつかないので大丈夫です」
主神「しかし驚きました。 まさかモノノケの世界があるだなんて」
神様「主神さぁ、お前は何で海ノ町を管轄するようになったんだ?」
主神「こちらの神社が税金滞納で破産したので」
神様「破産!?」
巫女「うっ」ドキッ
神様「マジ?」
巫女「お恥ずかしいですが3年前に・・・///」モジモジ
主神「元々ここは神宮とは関係のない神社だったので、破産後に競売にかかっていたんです」
神様「それを神宮が買ったと?」
559
:
◆8YCWQhLlF2
:2020/12/29(火) 20:37:03 ID:wpt9dUKs
主神「そうです。 でも老朽化が進んでいたので閉鎖してうちが管理することになりまして」
神様「あ〜 それで巫女ちゃんは山ノ神社にバイトに出稼ぎか・・・」
巫女「お金の件はもちろん、神社運営の知識を一から身に付ける必要もありましたので・・・」
神様「私よりも長く生きてるんだし、それくらいの知識はあるんじゃないの?」
巫女「だったら良かったのですが、その結果がこれなので」
神様「あっ、うん。 そうね・・・」
主神「それでしたら素性なんか隠さずに、初めから言って頂ければ良かったのに」
巫女「そう上手くいかないんです。 海ノ町以外の地では私には何の力もありませんし・・・」
神使「何か良い方法はないでしょうか」
神様「巫女ちゃんはこの先どうするつもり?」
巫女「万策尽きたので、モノノケの世界側から強力な結界を張ってこちらの世界と断絶させようかと」
神様「巫女ちゃんの拠点をモノノケの世界に移すって事?」
巫女「はい」
560
:
◆8YCWQhLlF2
:2020/12/29(火) 20:37:45 ID:wpt9dUKs
主神「それは海ノ町から出て行くという事ですか?」
巫女「モノノケが出なくなった後は、神宮の方でこの地を管轄して頂ければと」
主神「それって解決策になるのでしょうか? 私達よりも長くこの地を守ってきたのですよね?」
巫女「・・・・・・」
主神「本来であれば、私達神宮側が海ノ町から出て行く立場ですし」
巫女「そんな事はございません。 これも時代の流れなのでしょう」
主神「少女さんはどうされるつもりなんですか?」
巫女「・・・・・・」
神様「まぁまぁ、その位で。 って、少女ちゃんは?」キョロキョロ
巫女「少女でしたら少し夜風に当たってくると外に出ました。 たぶん裏手かと」
神様「向こうの意見も聞いてみますかね」
561
:
◆8YCWQhLlF2
:2020/12/29(火) 20:38:42 ID:wpt9dUKs
――― 宝物庫裏
ワチャワチャ
少女「・・・・・・」ボー
神様「しかし、色々なモノノケ達がいますなぁ〜」トテトテ
少女「」チラッ
神様「となり座ってもいい?」
少女「できれば一人にし―――」
神様「嫌だって言っても座っちゃうけどねぇ〜」ヨイショ
562
:
◆8YCWQhLlF2
:2020/12/29(火) 20:39:18 ID:wpt9dUKs
少女「なに?」
神様「全部聞いてたんでしょ?」
少女「白々しい・・・ 私に聞かせるために話してたくせに。 神ちゃんは演技派だね」
神様「お互い様でしょ。 気絶した振りまでしちゃってさぁ」
少女「・・・・・・」
神様「どこまで知ってた?」
少女「地神さまって、意外と抜けてるところがあるの」
神様「?」
少女「地神さまが海ノ町を離れると、私に掛けられていた封印が緩くなる」
神様「ん?」
少女「結構前から正体に気が付いていたわ」
神様「あ〜 それって・・・」
少女「私も演技派だって事」
563
:
◆8YCWQhLlF2
:2020/12/29(火) 20:40:02 ID:wpt9dUKs
神様「もしかして、“初めてモノノケを見た!”って下りも演技?」
少女「・・・半分演技で半分は本当。 モノノケが見られない封印はかなり強力だったから」
神様「じゃぁモノノケさん達を見て驚いたのは本当だったと」
少女「そうね。 姿形を認識できたのは私の記憶では初めて」
神様「どうして自分の正体に気が付いていたことを巫女ちゃんには隠してるの?」
少女「地神さまがそう願ってるんだし。 心配させたくなかった」
神様「健気だねぇ〜」
少女「うるさい」プイッ
神様「私の見立てだと、巫女ちゃんは人の心が読めるっぽいけど気付かれてんじゃないの?」
少女「神ちゃんは地神さまのことを分かってないわね」ハァ
神様「?」
564
:
◆8YCWQhLlF2
:2020/12/29(火) 20:40:58 ID:wpt9dUKs
少女「地神さまがそんな力を使うはずないじゃない」
神様「でも、私の好物とか話してもいないことを知ってたけど」
少女「全部山ノ神社のダメ神さんが地神さまに言った事よ。 情報ダダ漏れ」
神様「あのクソ主神・・・ あとで〆て三枚におろしてやる」グヌヌ
少女「地神さまは本当にに立派で、尊敬できる方」
神様「ふ〜ん。 で、これからどうするつもり?」
少女「決まってるでしょ。 今まで通り地神さまに合わせるだけよ」
神様「巫女ちゃんがこの世界から離れるって言ったら?」
少女「付いていく」
神様「少女はこちらに残れって言ったら?」
少女「・・・従う」
神様「うへ〜 面倒くせ」
565
:
◆8YCWQhLlF2
:2020/12/29(火) 20:41:44 ID:wpt9dUKs
少女「・・・・・・。 やっぱり私、神ちゃんは好きじゃない。 嫌い」
神様「ストレート拒絶はキツいっす」
少女「ごめんね、言い直す。 神ちゃんとは分かり合えない」
神様「何故にそこまで私を嫌うわけ? 私ってとっても気さくでかわゆいじゃん」
少女「はぁ?」
神様「私を嫌いになる理由が分からない! みんな大好き神ちゃんだよ?」
少女「簡潔に言えば同業者だからよ」
神様「同業?」
少女「神ちゃん達は神宮側の神、私達も規模は違えどモノノケ側の神」
神様「神同士じゃん。 仲良くいこうよ〜」
少女「人は自分のテリトリーを荒らす者は許せない性格なの。 特に私は人のモノノケだしね」
566
:
◆8YCWQhLlF2
:2020/12/29(火) 20:42:48 ID:wpt9dUKs
神様「なるほど。 本家に嫉妬する分家ってことか」フム
少女「だれが分家よ! 私達から見たらそっちが分家なんだけど」
神様「大企業の社長に嫉妬する中小企業の社長、っていう例えの方が分かりやすい?」
少女「神ちゃん最低。 信じられない。 幻滅した。 私から3メートル離れて」
神様「冗談だって・・・ マジ言葉の選択がキツいっす」
少女「話は終わり? すぐに帰れとは言わないけれど、なるべく早めにこの町から出て行って欲しいな」
神様「私がすぐ出ていくと思う?」
少女「思えない」
神様「分かってんじゃん。 ま、出て行く前に落とし前だけは付けさせてもらうわ」
少女「何? 私と勝負でもするつもり?」
神様「いやいや。 その発想はどういう思考で導き出されたわけ?」
567
:
◆8YCWQhLlF2
:2020/12/29(火) 20:43:19 ID:wpt9dUKs
少女「勝負を売られたからには全力で買うわよ? 神vs神の頂上決戦ね」
神様「血の気が多いなぁ。 落とし前っていうのはそういう意味じゃないんだけど・・・」
少女「前の小テストでは体調不良で負けたけど、万全の状態なら神ちゃんなんて相手にならないし」
神様「はぁぁぁ!?」
少女「もしかして、私と勝負するのが怖い?」ニヤッ
神様「言ってくれますなぁ〜 悪いけど、私はこうみえて学問の知識は凄いよ?」
少女「じゃ、こういうのはどうかしら。 来月ある期末試験の総合点で勝負をつける」
神様「いいぜ〜 ちなみに負けた方の罰ゲームは?」
少女「負けた方は勝った方の指示に従うってのはどうかしら」
神様「望む所よ!」
568
:
◆8YCWQhLlF2
:2020/12/29(火) 20:43:51 ID:wpt9dUKs
少女「ま、神ちゃんなんか私の足下にも及ばないと思うけど」フッ
神様「上等だコラ! 全力でぶっ潰してやる!」
少女「それはコッチのセ・リ・フ」
神様「分家が本家に敵わないって事を教え込んでやらぁ!」
少女「だから、なんで私が分家なのよ・・・」
神様「精々私に負けないように勉学に勤しむことですな! ばーか!」タッタッタッ
少女「あれが神? 私達あんなガキんちょに負けたの?」ハァ
少女「・・・でも。 そうか、私達はすでに・・・」ボソッ
569
:
◆8YCWQhLlF2
:2020/12/29(火) 20:45:01 ID:wpt9dUKs
今年はここまで
良いお年を!
570
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/12/30(水) 10:09:19 ID:2fAGWcTs
乙
良いお年をお迎えください
571
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/12/31(木) 14:39:25 ID:9Y/XnX7o
よいお年を
572
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2021/01/01(金) 02:56:38 ID:vjYenKtM
明けましておめでとうございます神ちゃん!!
573
:
◆8YCWQhLlF2
:2021/01/05(火) 00:16:57 ID:Ejl.vlV.
――― 宝物庫
ギー
神使「あっ、神様」
主神「少女さんの方はどうでした?」
神様「ん? あ〜 モノノケ達を見て興奮してる」
巫女「・・・・・・。 そうですか」
神様「良い子だよ。 人のかわゆいところを凝縮したみたいだ」
巫女「?」
574
:
◆8YCWQhLlF2
:2021/01/05(火) 00:17:43 ID:Ejl.vlV.
神様「取りあえず今日の所は帰ろうぜ。 眠くなってきた」
主神「そうですね。 よろしければ巫女さん達も山ノ神社へ来ませんか?」
巫女「え?」
主神「今後のこともありますし、よろしいですよね神様?」
神様「私はOKよ。 部屋もいっぱいあるし」
巫女「ありがとうございます。 でも今日は二人で自宅に帰ります」
神様「近いの?」
巫女「はい。 ここからですと歩いて5分くらいですので」
神様「んじゃ、途中まで一緒に帰ろ?」
巫女「その前に、モノノケ達を戻してきます。 流石にこのままではマズいので」ニコッ
575
:
◆8YCWQhLlF2
:2021/01/05(火) 00:18:17 ID:Ejl.vlV.
――― 帰り道
テクテク
少女「―― それで、マシュマロのモノノケがね――」キャッ キャッ
巫女「そうなんですか?」フフフ
テクテク
神使「巫女さんと少女さんはとても仲が良いようですね」
神様「少女ちゃんはツンツンしないで普段から笑顔でいれば良いのにな」
576
:
◆8YCWQhLlF2
:2021/01/05(火) 00:18:50 ID:Ejl.vlV.
巫女「それでは皆さん、私達はここで」
主神「土日はゆっくり休んで頂いて、週明けはいつも通り神社に来て頂けますよね?」
巫女「ありがとうございます。 週明けは時間通り出勤します」ニコッ
神様「少女ちゃんも、また来週学校で」
少女「そうね」
神様「なんか冷たくね?」
少女「そう? いつも通りだけど」
神様「・・・・・・。 そうだ、良いもの上げる」ゴソゴソ
少女「?」
577
:
◆8YCWQhLlF2
:2021/01/05(火) 00:19:42 ID:Ejl.vlV.
神様「はい、これ」スッ
少女「お守り?」
神様「まぁ、御利益無いんだけど持ってて欲しいなぁ〜って」
少女「・・・・・・」
神様「もらってよ〜」スリスリ
少女「わ、分かったよ」
巫女「それでは、失礼いたします。 今日はありがとうございました」フカブカ
テクテク
神様「バイバ〜イ!」
578
:
◆8YCWQhLlF2
:2021/01/05(火) 00:20:14 ID:Ejl.vlV.
神様「さてと、私達も帰りますかね」
主神「この後はどうするつもりなんですか?」
神様「あ?」
主神「流石に巫女さん達をモノノケの世界に、って事はないですよね?」
神使「ご安心を。 神様が首を突っ込んで起こした事態を放っておくはずありません。 ね、神様?」
神様「良く分かってんじゃん。 ここはパイセンの為に一肌脱ぎますかね」ニヤッ
神使「うっ・・・」
神様「うっ! って何だよ!」ゲシッ
主神「ちなみに、どんな作戦なんです?」
神様「主神さぁ、ちょっと教えてもらいたい場所があるんだけど」
主神「?」
579
:
◆8YCWQhLlF2
:2021/01/05(火) 00:21:01 ID:Ejl.vlV.
ことよろ!
580
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2021/01/06(水) 09:33:49 ID:sBGqRnSM
よろこと
581
:
◆8YCWQhLlF2
:2021/01/10(日) 23:41:38 ID:Uv.i5s9o
――― 翌日朝
神使「おはようございます」テクテク
主神「おはようございます神使さん。 ゆっくり眠れましたか?」
神使「お陰様で。 神様の姿が見当たらないのですがご存じありませんか?」
主神「神様でしたら朝一で神宮に行きましたよ」
神使「神宮!?」
主神「神宮資産管理銀行に用があるとか」
神使「そういえば、昨日主神さまに場所を聞いていましたね」
主神「新幹線を使えば片道2時間ですし、明日には戻ると言ってました」
神使「神様は新幹線に乗るほどお金は持っていないと思うのですが」
582
:
◆8YCWQhLlF2
:2021/01/10(日) 23:43:09 ID:Uv.i5s9o
主神「そうなんですか? グリーン車の切符をクレジットカードで買ってましたけど」
神使「グリーン車!? クレジットカード!?」
ゴソゴソ
主神「?」
神使「・・・・・・。 私のクレジットカードがない」
主神「神様は自分のカード使ったのでは?」
神使「神様のカードはすでに限度額を超えているので使えません」
主神「でも、クレジットカードって他人の物は使えないですよね?」
神使「それが私のカードの暗証番号がバレているんです」
主神「あ〜・・・ それで窓口でなく不慣れな券売機で買ってたんですね」
神使「悪知恵ばかり覚えて・・・ バレたら捕まりますよ」ハァ
583
:
◆8YCWQhLlF2
:2021/01/10(日) 23:44:16 ID:Uv.i5s9o
――― 神宮・地下特別個室
神様「ほぇ〜 神宮の地下にこんな場所あったんだ・・・」トテトテ
守衛「こちらの部屋となります」
ギー
神様「ここ? ただの応接室みたいだけど、本当に銀行?」キョロキョロ
守衛「私も詳しくは知らされておりませんので。 こちらにご案内するようにと」
神様「ふ〜ん。 そうなんだ」
守衛「それでは失礼致します。 すぐに係の者が参りますので」
バタン
584
:
◆8YCWQhLlF2
:2021/01/10(日) 23:45:02 ID:Uv.i5s9o
神様「何か思ってたのと違うな」
コンコン
神様「? どうぞ〜」
ガチャッ
「失礼致します」フカブカ
神様「A子ちゃん!?」
A子「あっ、神ちゃんだ」
神様「こんな所で何してんの・・・ あっ、飲み物ならコーラでお願い」
A子「そんなの自分で買ってきなよ」
神様「・・・本当に何しに来たの? ここは神宮の巫女でも立入禁止っぽいけど」
585
:
◆8YCWQhLlF2
:2021/01/10(日) 23:45:41 ID:Uv.i5s9o
A子「え? 資産管理銀行のお客さんが来てるって聞いたんだけど」
神様「それ私」
A子「合ってんじゃん」
神様「まさかとは思うけど、A子ちゃんが銀行の人?」
A子「そだよ。 私が掛け持ちで神宮資産管理銀行の担当してるの」
神様「またまた〜 A子ちゃんが銀行の管理? 冗談でしょ、しかも掛け持ちって」
A子「失礼だなぁ。 前の大宮司が辞める前に引き継いだんだよ」
神様「なんでA子ちゃんなんかに・・・」
A子「だって顧客は一人しか居ないし、やることないから楽だって。 月1500円の手当も付くし」
神様「安っす!」
586
:
◆8YCWQhLlF2
:2021/01/10(日) 23:46:26 ID:Uv.i5s9o
A子「銀行のたった一人のお客さんって神ちゃんだったんだ」
神様「そうなの? 私だけの銀行ってなんか凄くね!?」
A子「で、何の用?」
神様「銀行に来たんだから目的は一つ! お金を下ろしたいの」
A子「いくら?」
神様「逆に残高っていくらあるの?」
A子「いくらでも言って!」
神様「さすがA子ちゃん! 格好いい〜」
A子「ドヤサッ!」フンスッ
神様「じゃ、じゃぁ取りあえず10億円くらい下ろそっかなぁ〜」クネクネ
587
:
◆8YCWQhLlF2
:2021/01/10(日) 23:47:08 ID:Uv.i5s9o
A子「それは無理だよ。 何言ってんの?」
神様「だ、だよね〜 んじゃ1億円くらいならどう?」
A子「無理無理」ハァ
神様「そっか〜 その位はいけると思ったんだけど・・・ んじゃ1千万円で!」
A子「だから無理だって」
神様「え? その位は流石にあるでしょ。 明治時代までの資産を全部入れてあると思うんだけど」
A子「そうじゃなくて、現金は1円もないんだって」
神様「?」
A子「実際の現金はないから、振り込みだけで対応するの」
588
:
◆8YCWQhLlF2
:2021/01/10(日) 23:47:55 ID:Uv.i5s9o
神様「つまり・・・ どういう意味?」
A子「どういう意味だろ?」
神様「何かマニュアルとかそんな感じの書類はない?」
A子「これ」ドサッ
神様「おう・・・ 結構あるね」
A子「資産表と売却先のリストだって」
神様「売却?」
A子「資産管理銀行で必要になったお金はここに載ってる資産表の中から売却して現金化するらしいよ」
神様「あ〜 そういう事ね」
589
:
◆8YCWQhLlF2
:2021/01/10(日) 23:48:45 ID:Uv.i5s9o
A子「どれ売る?」
神様「うわっ、神宮本庁とかあるけどこれって売っていいの?」
A子「売却先は日本国政府のみだって。 でも売ったら3兆円だよ!」
神様「さんちょう・・・」ゴクリ
Aこ「でも、これはダメだよ? 売っちゃったら私無職になっちゃうし」
神様「だよね〜 私も無職になっちゃうか。 あっ、これなんかどう?」
A子「参伍報告文書? なにこれ」
神様「通称みこ書」
A子「巫女書?」
590
:
◆8YCWQhLlF2
:2021/01/10(日) 23:49:20 ID:Uv.i5s9o
神様「そう。 昔、悪代官から没収した金銀財宝を保管してある場所が記載された報告書」
A子「埋蔵金のありかが書いてある文書って事? なんで巫女書なの?」
神様「私が率いる巫女軍団が起こした反乱だから。 巫女で参伍、なんちゃって」ウヒャヒャ
A子「ふ〜ん。 うわっ! 資産見積もり20〜50億だって!」
神様「いいね〜」
A子「こんな大金何に使うの?」
神様「ちょっと古い神社を建て直したくてさぁ」
A子「今の時代に神社なんて立て直さなくても。 元取れないよ?」
神様「まぁね〜 そこも悩みの種でさ」
A子「これだけのお金使うなら少し変わった神社がいいなぁ」
神様「変わったって?」
A子「例えば―――」
591
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2021/01/11(月) 10:47:13 ID:ixq.DUuI
あちゃー
592
:
◆8YCWQhLlF2
:2021/01/18(月) 22:29:29 ID:hmERLUJs
――― 翌日・山ノ神社
ガラガラ
神様「たでーま〜」
神使「・・・・・・」
神様「おや神使君。 出迎えご苦労」
神使「返して頂けますか?」スッ
神様「?」
神使「私のクレジットカード」
神様「っ!」ビクッ
神使「新幹線のグリーン車代と、食費、買い物代の合わせて6万5千円は天引きです」
神様「あい・・・」
593
:
◆8YCWQhLlF2
:2021/01/18(月) 22:32:05 ID:hmERLUJs
――― 本殿
ギー
主神「神様、お戻りでしたか」
神様「うん、今戻ったところ。 何か変わったことは?」
主神「一点、少しマズいことが・・・」
神様「何か問題でもあったか?」
主神「うちのご神体がすり替わっているんです」
神様「っ!」ビクッ
594
:
◆8YCWQhLlF2
:2021/01/18(月) 22:33:07 ID:hmERLUJs
主神「で、神様の部屋から同じ牛さんの象が出てきました。 こんなに沢山」
ゴロゴロッ
神様「・・・・・・」
主神「全部に“予備”ってシールが貼ってあります。 何の予備でしょう?」
神様「ちょっと何を言っているのか難しくて分からないですね」
主神「私の貯めた神力」ボソッ
神様「オーケー。 取り引きしよう」
主神「取り引き?」
神様「実はうまい話があるんだよ」ズイッ
主神「そ、それはどうのような・・・」
神様「聞くか?」ニヤッ
595
:
◆8YCWQhLlF2
:2021/01/18(月) 22:33:54 ID:hmERLUJs
――― 夜・社務所
神様「ん〜・・・」
神使「どうされたんです?」
神様「あ? 勉強してんだよ。 来月試験だし」
神使「神様が勉強!?」
神様「何その失礼なリアクション。 こう見えて私は勉強大好きっ子だぜ?」
神使「はじめて聞きました・・・ でも、どうしてそんなに本気出してるんです?」
神様「負けられない戦いがそこにあるから」キリッ
神使「・・・・・・。 そうですか、まぁ頑張って下さい」
神様「夜食は生牡蠣20個でいいや」
神使「それ夜食で出すメニューじゃないですよね・・・」
596
:
◆8YCWQhLlF2
:2021/01/18(月) 22:34:48 ID:hmERLUJs
――― 週明け・山ノ神社
神様「おっはよ〜」トテトテ
主神「あっ、神様・・・」
神様「お昼のお弁当くれ」
主神「それが・・・」
神様「?」
神使「実は巫女さんが出勤してないようでして、今日はパンでも買って頂ければと」
神様「は?」
主神「携帯にも何度かかけたんですが連絡が取れず」
神使「疲れが溜って寝ているだけならいいのですが・・・」
神様「ん〜 取りあえず学校行ってくるわ。 何かあったら電話してくれ」タッタッタッ
597
:
◆8YCWQhLlF2
:2021/01/18(月) 22:35:18 ID:hmERLUJs
――― 学校
ガラガラ
神様「」キョロキョロ
生徒A「あっ、神ちゃんおはよう」
神様「おは。 少女ちゃんは来てない?」
生徒A「少女ちゃん?」
神様「いつも一番に来てるし、いないって事は今日は休みか?」
598
:
◆8YCWQhLlF2
:2021/01/18(月) 22:36:07 ID:hmERLUJs
生徒B「ねぇ、少女ちゃんって誰?」
神様「え?」
生徒A「別のクラスの子? でも聞いたことない名前だなぁ。 B子ちゃん知ってる?」
生徒B「知らないなぁ」
神様「・・・・・・」
生徒A「それより神ちゃん、今日の放課後サイセリアで―――」
神様「っ!」タッタッタッ
生徒B「ちょ、神ちゃん! どこ行くの!?」
599
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2021/01/19(火) 19:11:58 ID:npM2cJ9Q
わくわく
600
:
◆8YCWQhLlF2
:2021/01/26(火) 02:05:40 ID:FoQtZErI
――― 10分後・海ノ神社
神様「お〜い」タッタッタッ
神使「あっ、神様」
神様「どうだ?」
主神「本殿を中心に強力な結界が張られているようです」
神様「見たことない結界だな」
神使「もしかして巫女さんと少女さんはモノノケの世界に・・・」
神様「間違いないな。 向こうから結界を張ったんだろ」
主神「流石に我々では解除できそうに無いですね」
601
:
◆8YCWQhLlF2
:2021/01/26(火) 02:06:28 ID:FoQtZErI
神使「巫女さん達はもうこちらに戻って来ないつもりなんでしょうか」
神様「どうして・・・ どうして黙って行っちゃうんだよ!!」クッ!
神使「神様・・・」
神様「な〜んてね」ウヒャヒャ
主神・神使「・・・・・・」
神様「お前達二人で取りあえず金目になりそうな物だけ運び出せ」
神使「え!?」
神様「この神社、ぶっ潰すぞ」
神使「ど、どういう事ですか!?」
602
:
◆8YCWQhLlF2
:2021/01/26(火) 02:07:39 ID:FoQtZErI
神様「言ったとおりだよ。 まずは海ノ神社を解体して更地にする」
神使「解体!? 更地になんかしてその後はどうするんですか?」
神様「遊園地にしようぜぇ〜」
神使「・・・・・・」
神様「どちらにしろ解体は必要だし、近くに山ノ神社だってあるんだからここは必要ないだろ」
神使「いくら何でもこのタイミングで解体しなくても。 巫女さんと少女さんはどうするんですか」
神様「どうしようもないだろ。 主神、後は任せたぞ」
主神「え? あっ、はい・・・」
神使「・・・・・・」
神様「大丈夫だよ。 立派な遊園地にするから」
神使「そこを心配しているわけではないのですが・・・」
603
:
◆8YCWQhLlF2
:2021/01/26(火) 02:11:04 ID:FoQtZErI
――― 翌週
ガガガガッ
神使「もうほとんど残っていませんね」
神様「解体って結構早いのな」
神使「神社の隣にあった建物も解体しているみたいですが?」
神様「あ〜 隣の土地を買ったから一緒に潰してる」
神使「え!?」
神様「なんかボロボロの空き家だったし、不動産屋に欲しいって言ったら売ってくれた」
神使「そんなに土地を広くしてどうされるんです? まさか本当に遊園地を作る気ですか!?」
神様「本気も本気、大マジよ。 有言実行、それが神ちゃんのモットー」
604
:
◆8YCWQhLlF2
:2021/01/26(火) 02:11:54 ID:FoQtZErI
神使「そんなお金どこから・・・」
神様「心配すんなって。 私の隠し貯金を使っただけだから」
神使「・・・そのお金の出所は問題ないんですよね? これ以上の借金は本当に洒落になりませんよ?」
神様「大丈夫だよ。 ちゃんと銀行の人が手続きしてくれたんだから」
神使「だったら良いのですが」
神様「今日中に更地にして、明日からアトラクションの建設に入るぞ」
神使「こんな町中にジェットコースターは無理ですよ? 苦情ラッシュになりますから」
神様「そんなありふれたものなんか作らねーよ。 もっと独創的なアトラクションだよ」ニヒヒ
605
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2021/01/29(金) 17:01:06 ID:d8mtPwOk
妖怪ランド
606
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2021/02/04(木) 18:24:21 ID:jl/ObMoo
2月だぞい
607
:
◆8YCWQhLlF2
:2021/02/04(木) 23:14:08 ID:prglVsVw
――― 翌月・山ノ神社
神様「ふぁ〜 おはよ〜」トテトテ
神使「おはようございます。 昨日も随分遅くまで勉強されていたようですね」
神様「まぁね〜 あれ? 主神は?」キョロキョロ
神使「海ノ神社へ行かれました」
神様「そういえば、そろそろ完成だな」
神使「私には今だに何の施設なのか分からないですが」
神様「考えるんじゃない。 感じるんだよ」
神使「そうですか。 私にはまだ早すぎたようです」
神様「んじゃ、学校行ってくる。 帰りに海ノ神社に寄るって主神に言っておいて」タッタッタッ
神使「行ってらっしゃいませ・・・」
608
:
◆8YCWQhLlF2
:2021/02/04(木) 23:14:59 ID:prglVsVw
――― 学校
神様「おはよ〜さん」ガラガラ
生徒A「あっ、神ちゃん・・・」
ガヤガヤ
神様「ん? 何か騒がしいけど、どしたの?」
生徒A「神ちゃんの隣の空いている席を片付けて前に詰めるんだって」
神様「え?」
609
:
◆8YCWQhLlF2
:2021/02/04(木) 23:15:50 ID:prglVsVw
先生「お〜い、空き机の中に入っている教科書は誰のヤツだ?」
神様「先生」トテトテ
先生「おう、どうした? この教科書は神宮さんのヤツか?」
神様「いえ。 あの〜 この席、もう少しこのままにしておいてもらえないでしょうか」
先生「そうは言ってもなぁ」
神様「せめて期末試験が終わるまではこのままに・・・」
生徒A「私からもお願いします」
生徒B「お願いします」
先生「まぁ、そこまで言うのであれば試験まではこのままでも構わないが・・・」
神様「ありがとうございます」ペコリ
610
:
◆8YCWQhLlF2
:2021/02/04(木) 23:17:56 ID:prglVsVw
――― 昼休み
神様「ねぇ」
生徒A「な〜に?」モグモグ
生徒B「お弁当ならあげないよ?」モグモグ
神様「え〜 って、そうじゃなくて・・・ 空き席の件」
生徒A「あ〜 何となくだけどあの机は片付けちゃダメな気がして」
生徒B「私も。 なんか誰か座っていた気がするんだよね」
神様「・・・そう」
生徒A「でも、思い出せないんだよね〜」
生徒B「そうそう。 出てきそうで出てこないモヤモヤした感じ、もしかして神ちゃんも?」
611
:
◆8YCWQhLlF2
:2021/02/04(木) 23:18:31 ID:prglVsVw
神様「私は・・・ 私は覚えてる」
生徒A・B「え?」
神様「ここは、少女ちゃんの席」
生徒A「少女・・・ ちゃん?」
神様「負けず嫌いで、ちょっと短気で生意気な優等生」
生徒B「・・・・・・。 それ神ちゃんの事じゃないの?」
神様「いやいや、私は生意気じゃないし。 負けず嫌いでも短気でもないよ?」
生徒B「えっと・・・ そうなんだ」
612
:
◆8YCWQhLlF2
:2021/02/04(木) 23:19:04 ID:prglVsVw
生徒A「少女ちゃん・・・かぁ」
生徒B「聞いたことあるような無いような〜」ウーン
神様「私と期末試験の得点勝負の約束をしてるんだよ」
生徒A「試験・・・」ウッ
生徒B「明日だね・・・ なんか急に食欲がなくなってきたよ・・・」
神様「食欲がないならそのお弁当食べてあげようか?」
生徒A・B「お気遣い無く」
613
:
◆8YCWQhLlF2
:2021/02/04(木) 23:19:54 ID:prglVsVw
――― 夕方/旧・海ノ神社
神様「お〜い」タッタッタッ
主神「ご苦労様です。 もう下校の時間でしたか」
神様「おう。 犬ころも来てたんだ」
神使「はい。 完成と聞いたもので」
神様「出来はどうだ?」
主神「和をふんだんに取り入れた斬新な建物が良い感じです」
神様「ん〜 私的にはもう少し洋風テイストが良かったんだけど」
主神「施工が神宮建設ですから。 時間もありませんでしたし」
神様「多少は大目に見るか」
614
:
◆8YCWQhLlF2
:2021/02/04(木) 23:20:38 ID:prglVsVw
神使「あの、それでここは一体どういう施設なのでしょうか?」
神様「ムフフ〜 聞きたいか?」
神使「それはまぁ」
神様「ここは“モノノケランド”だ!」ドヤッ
神使「・・・・・・。 はい?」
神様「モノノケと触れ合える斬新な施設」
主神「ちょ、ちょっと待って下さい」
神様「なに?」
主神「私は神様から“モーモーランド”と聞いていたのですが」
神様「モーモー? 何それ」
主神「え!?」
615
:
◆8YCWQhLlF2
:2021/02/04(木) 23:21:24 ID:prglVsVw
神様「それ、ただの牧場じゃん」
主神「牧場じゃないんですか!?」
神様「こんな町中に牧場はないだろ。 常識で考えろって」
主神「・・・・・・」
神使「え〜と・・・ どこからモノノケさん達を連れてくるんですか?」
主神「結界が張られてこちらの世界と分断されているかと思いますが」
神様「そだね」
神使「どうされるおつもりで?」
神様「結界を解除してもらえば良いじゃん」
主神「まぁそうなんですが、問題は私達では解除出来ない結界でして」
神様「張った本人が解除すれば良いだろうが」
主神「それが可能であれば苦労しないのですが」
616
:
◆8YCWQhLlF2
:2021/02/04(木) 23:22:14 ID:prglVsVw
神様「確かに。 んじゃ巫女ちゃんと少女ちゃんを呼び戻しますか」
主神・神使「え!?」
神使「そんな事が出来るのですか!?」
神様「私が何の策もせずにあの二人を野放しにするとでも思った?」
神使・主神「はい」
神様「お前ら、後で電気あんま神ちゃんスペシャル10連ね」
神使・主神「・・・・・・」
神様「まぁ見てろって。 私のずる賢・・・ 神がかり的な力を刮目せよ!」スッ
主神「? 神様・・・ その牛の象って・・・」
617
:
◆8YCWQhLlF2
:2021/02/04(木) 23:23:04 ID:prglVsVw
神様「我が守護の証を召還せし。 我が神力に応えよ!」ポワッ
主神「ちょ、神様! 待って! 私の神力! 待って〜!!」
神様「神力全解放!」
ピカー
神使「あっ」
主神「う〜・・・」
618
:
◆8YCWQhLlF2
:2021/02/04(木) 23:24:11 ID:prglVsVw
もう2月か〜
619
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2021/02/05(金) 13:46:38 ID:EjtrXOQM
はやいものだねぇ
あ、更新さんきゅ
620
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2021/02/05(金) 13:47:30 ID:EjtrXOQM
わくわく
621
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2021/02/07(日) 15:38:45 ID:JkvlZ2jo
言葉が過ぎましたスレ主さま
622
:
◆8YCWQhLlF2
:2021/02/10(水) 01:34:52 ID:QKhM5ujc
シュン
少女「―――で、神ちゃんったら私に勝つんだって鼻息荒くしちゃって」
巫女「そうなんですか?」フフフ
少女「だから、私言ってやっ・・・ って、あれ?」キョロキョロ
巫女「?」クルッ
神様「ハロ〜」
少女「神ちゃん!?」
巫女「しゅ・・・ 主神さまと神使さま!?」
主神「どうも、お久しぶりです」ペコリ
神使「ご、ご無沙汰しております」ペコリ
623
:
◆8YCWQhLlF2
:2021/02/10(水) 01:35:37 ID:QKhM5ujc
少女「どうして神ちゃん達がモノノケの世界に!?」
神様「いやいや、逆だよ」
少女「?」
神様「ここ、人間の世界ですが」
少女「え?」
巫女「どうして・・・ 結界が機能していたはずですが・・・」
神様「私の神力を引き寄せて戻しただけなんだけどね」
巫女「引き寄せ・・・ どういう意味でしょうか?」
神様「少女ちゃんにあげた私のお守り」
少女「お守りって・・・」ゴソゴソ
624
:
◆8YCWQhLlF2
:2021/02/10(水) 01:36:24 ID:QKhM5ujc
少女「もしかして、これ?」スッ
神様「そう、それ。 私の持ってるお守りの中で一番強力な神力を入れてあるヤツ」
巫女「まさか、神ちゃん様の神力を少女に持たせて召還したと?」
神様「ザッツライト!」
少女「どうして・・・」
神様「?」
少女「どうして私達を戻したの!」
625
:
◆8YCWQhLlF2
:2021/02/10(水) 01:37:04 ID:QKhM5ujc
神様「決まってんじゃん。 明日は勝負の日だし」
少女「はぁ?」
神様「明日は期末試験だぜ」
少女「期末って・・・ そんな理由で?」
神様「そんなって失礼な。 私は受けた勝負はどんな事をしてでも勝つ!!」
少女「それって結界を壊してまですること?」
神様「すること」
巫女「このままだとまたモノノケがこちらの世界に・・・」
神様「大丈夫。 結界維持は手を打ってあるから」
巫女「?」
626
:
◆8YCWQhLlF2
:2021/02/10(水) 01:38:10 ID:QKhM5ujc
〜〜〜
〜〜
〜
――― 数日前・りんごちゃん神宮
prrr prrr
狐娘「? 凄爺様、携帯が鳴っておりますが」
凄爺「四柱結界の維持で手が離せん。 代わりに出てくれ」
狐娘「わかりました」テクテク
ピッ
狐娘「はい、凄爺さまの携帯です」
神様『あっ、もしもし? その声は狐娘ちゃん?』
狐娘「神ちゃんさま! ご無沙汰しております」
凄爺「ん? クソガキからか?」
627
:
◆8YCWQhLlF2
:2021/02/10(水) 01:38:54 ID:QKhM5ujc
神様『実はお願いがあってさぁ』
狐娘「お願い・・・ どのような?」
凄爺「安請け合いはするでないぞ」
神様『新しく結界維持をお願いしたのがあって』
狐娘「追加の結界維持ですか?」
凄爺「断れ」
神様『ちょっと見たことのない結界で定期的な維持も必要になる案件なんだよね〜』
狐娘「神ちゃん様でも見たことのない結界なのですか?」
凄爺「絶対に断れ」
628
:
◆8YCWQhLlF2
:2021/02/10(水) 01:39:43 ID:QKhM5ujc
神様『凄爺って追加で結界維持お願い出来そう?』
狐娘「」チラッ
凄爺「無理じゃ。 これ以上仕事増やされたら死ぬ」
狐娘「ちなみに、どのような結界なのでしょうか?」
神様『モノノケの世界と人間の世界の次元結界。 しかも結構複雑な術式』
狐娘「モノノケ!? 次元結界!?」
凄爺「ふざけるな! そんなもの扱ったことなど無いわ!」
神様『何とかならないかなぁ。 困っている人とモノノケちゃん達がいてさぁ』
狐娘「それは困りましたね・・・」
凄爺「おい、ヤツの口車に乗せられるんじゃないぞ!」
629
:
◆8YCWQhLlF2
:2021/02/10(水) 01:41:36 ID:QKhM5ujc
神様『頼むよ〜 ちゃんと埋め合わせはするから』
狐娘「・・・・・・」チラッ
凄爺「狐娘! 替われ! ワシと電話を替われ!」
神様『うちの神使君がさぁ、狐娘ちゃんならきっと取り持ってくれるからって』
狐娘「先輩が!?」
神様『神使君がどうしても狐娘ちゃんにお願いしたいって』
狐娘「お任せ下さい! 凄爺さまは完璧にこなすとおっしゃっております!」
凄爺「言っとらん!!」
神様『助かったよ。 ありがと、狐娘ちゃん』
狐娘「困ったときはお互い様です!」
神様『んじゃ、詳細は後でラインするねぇ〜 それと神使君のベスト写真も送るわ』
狐娘「お待ちしております!!」キャッ キャッ
630
:
◆8YCWQhLlF2
:2021/02/10(水) 01:42:14 ID:QKhM5ujc
ピッ
狐娘「ゴホン」
凄爺「おい」
狐娘「私もお手伝いしますので。 がんばりましょう!」フンスッ
凄爺「ワシは助手の選定を間違えたか・・・」ハァ
〜
〜〜
〜〜〜
631
:
◆8YCWQhLlF2
:2021/02/16(火) 06:13:06 ID:1VkqqWC.
――― 旧海ノ神社・裏手
巫女「本当にここが海ノ神社なんですか?」キョロキョロ
少女「面影が跡形もないんだけど」
神様「元・海ノ神社ね。 新しく観光施設に改造したけど」
少女「破産して神社を手放した私達に言う権利はないけど・・・ 神聖さゼロね」
神様「こう見えても神宮最高の最新設備なんですぜ」
巫女「設備?」
神様「まずは、あれ。 結界維持のための柱」
632
:
◆8YCWQhLlF2
:2021/02/16(火) 06:15:03 ID:1VkqqWC.
巫女「随分と高さのある見事な御柱ですね」
神様「あれで青森から結界の維持と次元接続の管理を担うらしい」
巫女「次元接続?」
神様「人とモノノケの世界を柱の下にある小屋を通じて行き来可能」
巫女「まさか結界の解読をされたんですか!?」
神様「らしい」
巫女「そんな簡単には解読できないと思うのですが・・・」
神様「何か、すっげー大変だったって聞いた」
巫女「絶対に解除されないと思っていた自惚れが恥ずかしいです・・・」
633
:
◆8YCWQhLlF2
:2021/02/16(火) 06:15:48 ID:1VkqqWC.
少女「で? それは向こうにある変ちくりんな建物は何の関係があるわけ?」
神様「分からないかなぁ〜?」
少女「分かるわけないでしょ」
神様「商売だよ」
少女「は?」
神様「これ、いくらかかったと思う?」
少女「知らないけど・・・ 1千万くらい?」
神様「ここの整地で1億、結界維持の柱の建設が3億、少女ちゃん達の住居とか合わせたら8億もかかっているのだ!」
少女・巫女「8億!?」
634
:
◆8YCWQhLlF2
:2021/02/16(火) 06:16:38 ID:1VkqqWC.
神様「そんだけつぎ込んだんだから、せめて元は取ってもらわないとね〜」
少女「そんな大金一生かかっても返せないわよ。 一体私達に何させるつもりなのよ」
神様「簡単に言えば遊園地的なアトラクション管理のお仕事」
少女「遊園地?」
神様「まぁ百聞は一見にしかず。 当施設一番の目玉にご案内しま〜す」トテトテ
巫女・少女「・・・・・・」
635
:
◆8YCWQhLlF2
:2021/02/16(火) 06:17:42 ID:1VkqqWC.
――― 変な形の建物
主神「ようこそ、いらっしゃいませ!」
巫女「主神さま・・・ 何をしているのですか」
神様「主神にはこのアトラクション施設の館長を任せた」
主神「神様からは、モーモーランドの館長と聞いていたのですが」
神様「思い込みは良くないぞ」
主神「・・・・・・。 まぁ、どうぞ中へお入り下さい」
巫女「では・・・」テクテク
少女「おじゃまします」テクテク
ギー
巫女・少女「!?」
636
:
◆8YCWQhLlF2
:2021/02/16(火) 06:18:47 ID:1VkqqWC.
ワチャワチャ
巫女「モノノケ達が・・・」
少女「いっぱいいる・・・」
神様「ここはモノノケ達とふれあえる“モノノケ友達館”!」
少女・巫女「・・・・・・」
神様「良いアイデアだと思わない?」
少女「いやいや」
巫女「モノノケ達は一体誰と触れ合うのでしょうか・・・」
神様「そりゃ人でしょ」
637
:
◆8YCWQhLlF2
:2021/02/16(火) 06:21:06 ID:1VkqqWC.
う〜ん
もう少し書いたんですけどパソコンが調子悪い……
残りは後で更新します
638
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2021/02/16(火) 20:45:51 ID:zQof97xc
おつ
639
:
◆8YCWQhLlF2
:2021/02/16(火) 21:59:52 ID:1VkqqWC.
少女「神ちゃん、自分で何を言ってるか分かってるの?」
神様「もちろん。 何か問題でも?」
少女「大問題よ! モノノケの存在が世間に知れ渡ったら大騒ぎになる!」
神様「本当にそう思う?」
少女「思う。 逆にそう思わない理由が見つからない」
神様「んじゃ、ここへ遊びに来た人は記憶を操作してから帰ってもらうとか」
少女「あのねぇ・・・ そんな事を一々出来るわけないでしょうが」ハァ
神様「え〜 今までモノノケ見た人の記憶をチマチマと操作してきたくせに〜」
少女「それは・・・ 数が違いすぎるでしょ」
神様「本当に〜?」チラッ
巫女「・・・・・・」
640
:
◆8YCWQhLlF2
:2021/02/16(火) 22:00:53 ID:1VkqqWC.
神使「神様、何を考えているんですか?」
神様「ん? 私が考えるベストな選択肢が二つある」
巫女「それはどのような・・・」
神様「一つは、ここを訪れた人からモノノケの記憶を消してから帰す」
少女「さっきも聞いた。 論外ね」
神様「んじゃ、もう一つの方で」
少女「私達を帰して結界を張り直す。 そして、ここはオープンすることなく閉鎖」
神様「それは私的に論外なのよ」
巫女「ではどのような?」
神様「もう〜 分かってるくせに〜」
少女「勿体つけずに言いなさいよ」
641
:
◆8YCWQhLlF2
:2021/02/16(火) 22:01:56 ID:1VkqqWC.
神様「すでにかけられている暗示を解く」
巫女「!」ビクッ
少女「はぁ? どういう意味?」
神様「太古の昔から現在まで、超強力な暗示結界がかけられているんでしょ?」
主神・神使・少女「え!?」
神様「簡単に言えば、モノノケの存在は本来周知の事実ってこと」
神使「ちょっと待って下さい。 言っている意味が分からないのですが」
神様「分かれよ。 モノノケはこの世に存在しないって暗示がこの国全体にかけられているんだよ」
主神「そんな・・・ それだけの規模の暗示なんてかけられるのですか?」
神様「いや〜 凄いね巫女ちゃんは。 流石パイセン」
巫女「・・・・・・」
642
:
◆8YCWQhLlF2
:2021/02/16(火) 22:02:48 ID:1VkqqWC.
少女「地神さま、こんな妄想に付き合う必要はないですよ。 ハッキリ言ってやって下さい」
巫女「・・・・・・。 神ちゃんさま、良くお気づきになられましたね」
少女「え!? 本当に!?」
巫女「仰るとおり、モノノケの存在は周知の事実です。 私が記憶操作をして封じています」
神様「ほら、言った通りじゃん。 どうよ私の推理は!」フンスッ
神使「正直ビックリしました・・・」
主神「正直ビックリしました・・・」
少女「正直ビックリしました・・・」
神様「正直ビックリしました・・・」
巫女「・・・・・・。 ビックリしました///」
643
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2021/02/16(火) 23:17:05 ID:qKTs4FGI
読んでてビックリしました…
644
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2021/02/17(水) 00:36:27 ID:VSb58K7I
∩ ∧_∧ ビクッ
645
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2021/02/17(水) 02:50:58 ID:VSb58K7I
、ゞヾ∧""'∧
646
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2021/02/18(木) 13:29:54 ID:9IU9XDRQ
ハ,,ハ
( ゚ω゚ )
/ ヽ
|| | |
|| ||:ハ_ハ:
し| i |J ゚ω゚
647
:
◆8YCWQhLlF2
:2021/02/23(火) 23:48:14 ID:VjDBbCrg
主神「でも、どうしてそんな事をしているのですか?」
巫女「それは・・・」
神様「ま、取りあえずはこの施設から少しずつ元の姿に戻していきましょ」
少女「ごめん、神ちゃんの目的が全く分からないんだけど」
神様「あ? 最初に言ったじゃん。 全ては明日のテスト勝負のためだって」
少女「あのね、今更私が学校なんかに行くわけないでしょ」ハァ
神様「何? 勝負するのが怖い? まぁ少女ちゃん負けちゃうもんねぇ〜」
少女「はぁ?」キッ
神様「私、凄いよ? 超勉強したし」ニヤッ
648
:
◆8YCWQhLlF2
:2021/02/23(火) 23:49:04 ID:VjDBbCrg
少女「学校のテストなんて普段の努力の積み重ねよ。 そんな付け焼き刃に私が負けるわけないじゃない」
神様「そんだけ威勢を張るなら勝負せーやー!」
少女「私がそんなベタベタな挑発にのると思ってるの?」
神様「最初に挑発してきたのはそっちだろーが!!」
神使「まぁまぁ、お二人とも冷静に」
少女「私は冷静よ」
神様「私なんて超冷静だし! 感情死滅してんかよ!ってくらい冷静だし!!」ムキー
神使「顔真っ赤ですが・・・」
649
:
◆8YCWQhLlF2
:2021/02/23(火) 23:49:43 ID:VjDBbCrg
主神「えーと・・・ あっ、施設の案内をしますので巫女さんと少女さんどうぞこちらへ」テクテク
巫女「はあ、では。 少女も行きますよ」テクテク
少女「全く・・・ べ〜〜だっ!」テクテク
神様「べーべーべー!!」
神使「神様、そんな無理に白黒付けなくても」
神様「悪いど最初に白黒付けようって言ったのはあっちだからね?」
神使「だからってそんなに無理強いしなくても・・・ 少女さんも色々とあるでしょうし」
神様「そんな安い理由じゃねーよ」
神使「?」
神様「・・・・・・。 犬ころ、コーラ飲みたいから買ってきて!」
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