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神様「神様だっ!」 神使「神力ゼロですが・・・」 5社目
291
:
◆8YCWQhLlF2
:2020/05/19(火) 22:26:14 ID:hRNH.azU
タッタッタッ
神使「盗人の足が速くこの姿で追いかけて捕まえた物で、すみません」
神様「お前、いくら何でも口に咥えて連れてこなくても・・・」
神使「誰にも見られていないのでご安心を」
神様「んじゃ、ご褒美にそいつを餌にして良いぞ」
少女「まさか食べるの!?」
神使「食べません」
ボンッ
継姫「お〜 姿が戻った也や」
少女「驚いたわね・・・」
292
:
◆8YCWQhLlF2
:2020/05/19(火) 22:27:17 ID:hRNH.azU
神様「盗人は気絶してるな」
神使「流石にあの姿を見たので・・・ ビックリしたんだと思います」
神様「まぁ良くやった」
神使「この盗人はどうされます?」
少女「日本刀ならすぐ持ってくるけど」
継姫「我にもやらせてくれ也。 長年の恨みがある故、細切れにしたい也」
神様「まあ待てって。 コイツの件は後回し、取りあえず木に括り付けておけ」
神使「分かりました」
293
:
◆8YCWQhLlF2
:2020/05/19(火) 22:28:22 ID:hRNH.azU
神様「さてと、んじゃ次の計画に移りますか」
継姫「おい、その前に少女の件について詳しく話をする也」
少女「私殺されたみたいなんだけど、どうして生きているの?」
神様「そんなの決まってんじゃん、人じゃないからだよ」
少女「あら、とうとうゾンビになっちゃったのかしら。 まぁ悪くはないわね」
神様「少女ちゃんて人間辞めたいの?」
継姫「勿体を付けずにさっさと言うなり」
神様「少女ちゃんは神になったのでした」
一同「え!?」
294
:
◆8YCWQhLlF2
:2020/05/19(火) 22:29:33 ID:hRNH.azU
少女「ちょ、どういう事? 私が神に!?」
継姫「おい、貴様はやって良い事と悪いことの区別もつかぬ也か? あ?」
神様「ちょ、ツグちゃんマジ切れはダメだって・・・」
神使「きちんと説明して下さい」
神様「いや、さっきツグを実体化させるときに神力が少女ちゃんにも流れ込んだんだよ」
少女「あの時に?」
神様「ま、こうなることを予見した私の先見の明ってところだね」ウヒャヒャ
神使「そういえば、少女さんが仲介すると言った時に神様一旦止めようとしてましたね」
神様「・・・・・・」
295
:
◆8YCWQhLlF2
:2020/05/19(火) 22:30:34 ID:hRNH.azU
神使「まさか・・・」
神様「思惑通りだよ? 最初からこうなることを確信してたの」アセアセ
継姫「貴様・・・ そんなヘマのせいで我の大切な少女を」ワナワナ
神様「ヘマじゃないし! 運が良かっただけだし!」
継姫「もっとタチが悪い也!」
少女「まぁ、結局助かったんだし結果オーライって事で良いんじゃない?」
神様「さすが少女ちゃん。 話が分かる」
少女「ツグもお礼を言ったら? これで時間を戻さなくても済むんだし」
継姫「ありがとう也。 お帰りはあちらとなります、さようなら」
神様「私も帰りたいんだけどさぁ、ここで終わったら色々とマズいんだよ」
神使「どういう事です?」
296
:
◆8YCWQhLlF2
:2020/05/19(火) 22:31:36 ID:hRNH.azU
ギー
一同「?」クルッ
忍神「う〜・・・」ヨロヨロ
神様「お〜 忍神、復活したか」
忍神「何とか・・・ 神力の方は回復させましたが・・・」
神様「どうやって? ほとんど吸い取ったと思うんだけど」
忍神「忍びに伝わりし秘伝の回復薬がございますので」
神様「ナイス! さすが忍びは違うねぇ〜」
忍神「何やら悲鳴が聞こえた気がしましたが、今はどのような状況で?」キョロキョロ
神様「これから少女ちゃんを神にするところ」
一同「は?」
297
:
◆8YCWQhLlF2
:2020/05/19(火) 22:32:53 ID:hRNH.azU
神使「あの、神様? 先程少女さんはすでに神になったと仰いましたよね」
少女「ちょっと言っていることが矛盾しているわね。 頭大丈夫?」
継姫「どさくさに紛れ小賢しい手段で神にしたと言ってた也。 頭大丈夫也か?」
神様「おっと、総攻撃ですね」
神使「当然です」
神様「まぁ何というか、少女ちゃんに入っている神力はツグ寄りの力だから」
少女「どういう事?」
神様「さっき神体から放出した神力はツグの力に合うように波長を変換して流し込んだ物なんだわ」
神使「それは、少女さんが継姫様と同じ人守になったという事ですか」
神様「大体そんな感じ」
少女「なるほどね。 何となく理屈は分かったわ」
継姫「では少女は神にならずとも良いではない也か! 少女は我と同じ也〜」
298
:
◆8YCWQhLlF2
:2020/05/19(火) 22:33:46 ID:hRNH.azU
神様「いやダメだ。 私もそれで良いとさっきまでは思ったんだけど」
一同「?」
神様「ツグに付く元になる人間がいなくなる」
継姫「あっ」
神様「このままだとツグちゃん消えちゃうの」
継姫「・・・・・・」
神使「だとすると、少女さんも消えてしまうのでは?」
神様「少女ちゃんは私の握らせたお守りの効力で、すぐに消えることはないと思うけど」
少女「ツグが消えるのは困るわね。 それだけは絶対避けないと」
継姫「少女・・・」
299
:
◆8YCWQhLlF2
:2020/05/19(火) 22:34:57 ID:hRNH.azU
神様「神宮から補助金も下りなくなるね」
少女「それが一番困るわね」
継姫「少女・・・ 我よりも補助金の方が大切とか酷い也・・・」ウルウル
少女「冗談よ」フフッ
神使「では、早く少女さんを神にしないといけませんね」
少女「でも、神力とやらを供給するものがないといけないんでしょ?」
神様「あるじゃん、そこに」
一同「あ!」クルッ
忍神「?」
300
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/05/20(水) 06:46:49 ID:hjhYxDKQ
忍神ちゃん逃げて〜
301
:
◆8YCWQhLlF2
:2020/05/20(水) 21:36:22 ID:gMb2CiJA
神様「忍神、回復して早々悪いがおまえに新たな仕事がある」
忍神「どのような内容で」
神様「手を出せ。 お前にしか出来ない任務だ」キッ
忍神「仰せのままに」スッ
神様「少女ちゃん、私の手を握って」
少女「これで良いかしら?」ギュッ
神様「は〜い、歯を食いしばって〜」
忍神「?」
神使「またですか・・・」
302
:
◆8YCWQhLlF2
:2020/05/20(水) 21:37:42 ID:gMb2CiJA
神様「秘技! 神力譲渡!!」
ポワポワ
忍神「神様! ちょ、待っ!! ウギャギャギャギャー!!」ビリビリ
神様「大丈夫! 私の知ってる忍びはそんなにヤワじゃない!!」
ポワポワ
神様「は〜い、終わりナリ!」
忍神「ふへっ・・・」フラフラ
303
:
◆8YCWQhLlF2
:2020/05/20(水) 21:38:27 ID:gMb2CiJA
神様「やっぱお前すげーよ。 忍びすごい」
忍神「お役手に立てて・・・ 光栄・・・ です・・・」バタリ
神使「忍神様・・・」
少女「ねぇ、忍神さんが干からびてるけど大丈夫?」
継姫「なんたる鬼畜・・・ 恐ろしい也」ゾッ
神様「少女ちゃん、気分はどう?」
少女「あまり変わらない気もするけど・・・ でも」ジー
神様「?」
304
:
◆8YCWQhLlF2
:2020/05/20(水) 21:39:46 ID:gMb2CiJA
少女「なるほど。 やっぱり神宮の神さまって凄いのね」フッ
神様「よせやい、そんな面と向かってかわゆいなんて言われたら照れちゃうって」
継姫「そんな事、一言も言っていない也」ジトー
少女「それにツグも・・・ 驚いたわ」
継姫「?」
少女「あなたも凄いのね。 今まで神の力なんて見えなかったから」
継姫「そんな面と向かって立派だなんて言われたら照れる也よ///」
神様「そんな事、一言も言ってないナリ」
継姫「だからいい加減に真似をするのを止める也!」
305
:
◆8YCWQhLlF2
:2020/05/20(水) 21:40:42 ID:gMb2CiJA
神様「まあ神の力が認識できるって事は少女ちゃんは神になったって事さね」
継姫「我の力を神の力と一緒にするでない、穢らわしい」プイッ
神様「おや〜 神になった少女ちゃんにそんなこと言ったら可哀想だと思うけどな〜」
少女「ツグ・・・ あなた私のことが嫌いになっちゃったのね・・・」
継姫「ち、違う也! そういう意味で言ったのでは・・・」オロオロ
少女「ふふっ、冗談よ」
継姫「貴様! いつか必ずその座から蹴落としてやるから覚悟しておく也よ!」
神様「何で私に八つ当たりするんだよ・・・」
306
:
◆8YCWQhLlF2
:2020/05/20(水) 21:42:31 ID:gMb2CiJA
神様「ま、これで一件落着ですな」
神使「いささか順番が逆だった気もしますが」
少女「神にしてくれって頼んだのは私だし、順番なんて問題にもならないわ」
神様「やっぱ少女ちゃんは話が分かる。 神の素質ありすぎ」
継姫「少女、此奴はおだてて自分の失敗を帳消しにしようと考えるだけ也。 真に受けるでないぞ」
神様「おっと、やっぱツグには神の素質はないな」
継姫「こちらから願い下げ也。 だれが神なぞ相手にするか」プイッ
少女「ツグ・・・ 何だかんだ言ってやっぱり私のことが嫌いなのね・・・」
継姫「ち、違っ! あー! もーイラつく也!!」ジタバタ
少女「面白い」フフッ
継姫「貴様! 絶対耳を齧りに行くから覚えておく也よ!!」
神様「だから何で私に矛先を向けるんだよ・・・」
307
:
◆8YCWQhLlF2
:2020/05/20(水) 21:43:48 ID:gMb2CiJA
少女「流石に少し疲れたわね」
神様「そうね、んじゃ戻りますか」
神使「その前に、あの盗人はいかがすればよろしいでしょうか」
神様「あ〜 忘れてた。 食べても良いけど証拠は残さず全部食えよ」
神使「ですから食べませんってば」
神様「ってか何でアイツは土器なんか盗もうとしてたんだ?」
少女「あの土器はちょっと変わった物で出来ているの」
神使「粘土とかではないのですか?」
少女「今では絶滅したとされる植物が含まれていて、それが目的らしいわ」
神使「人の命を奪うほど希少な植物なのですか?」
少女「幻覚作用の強い・・・ 麻薬と同じ作用があるの」
神様・神使「はい!?」
308
:
◆8YCWQhLlF2
:2020/05/20(水) 21:44:52 ID:gMb2CiJA
少女「絶滅した植物だから厳密には違法ではないんだけどね」
神使「つまり法に引っかからない新たな麻薬が作れる可能性があの土器にはあると」
少女「そうね、ちなみにその植物の種も壺の中に入れてあったの」
神様「マジかよ・・・」
少女「たぶんその男が持ってるんじゃない? さっき見たら種を入れておいた袋が空だったし」
神様「犬ころ、調べて」
神使「はい」
神様「少女ちゃんって、もしかしてそれ栽培してるの?」
少女「私はしてないけど・・・」プイッ
神様「?」
309
:
◆8YCWQhLlF2
:2020/05/20(水) 21:45:54 ID:gMb2CiJA
神使「神様、これを見て下さい」ゴソゴソ
神様「それがタネ?」
神使「男のポッケに入っていたんですが、アサガオの種に似てますね」
神様「・・・・・・。 これって、もしかしてアレ?」
少女「さぁ、何のことかしら? 私は神事用のチョウセンアサガオ似の花しか知らないわ」
神様「まぁそういう事にしておいた方がよさそうだね・・・」
神使「この男は警察に引き渡しますか?」
神様「う〜ん・・・」
少女「出来れば内密にしておいてもらえると助かるんだけど」
神様「あっ! 良いこと思いついた」
神使「・・・それ絶対良いことではないですよね」
神様「神ちゃんショーでも開催しますか」ニヤリ
310
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/05/21(木) 20:36:37 ID:bb1mEZCI
オマルに乗せちゃえ
311
:
◆8YCWQhLlF2
:2020/05/21(木) 20:48:27 ID:985J2PeM
――― 1時間後/深夜・本殿前
モクモク
盗人「・・・ん・・・ ここは・・・ 何だ、この煙は?」ゲホゲホ
少女「あら、お目覚めかしら?」
盗人「!? お前は・・・」
少女「何で生きてるのか、って顔をしているわね」
盗人「くたばってなかったのかよ」チッ
少女「人ごときが私を殺す? そんな事が出来る訳ないじゃない」クスッ
盗人「はぁ?」
312
:
◆8YCWQhLlF2
:2020/05/21(木) 20:49:59 ID:985J2PeM
少女「そうだ、さっきはこの子が失礼したわね」
神使「・・・がう」
盗人「ひぃ!! な、なん何だよソイツは!」
少女「狛犬は初めて? あまり刺激すると、あなたも仲間みたいになっちゃうわよ?」
盗人「仲間? 何言ってんだ、俺は一人で――― !?」
忍神「」グテッ
盗人「おい・・・ 何だよアレ・・・ 干からびてるじゃないかよ・・・」
少女「あら、仲間じゃなかったの? 間違えて殺しちゃった。 可哀想に」クスッ
盗人「どうやったら人があんな風になるんだよ・・・」
少女「精気を吸い取ったの。 干からびるまで、た〜っぷりと」ニヤッ
盗人「!?」
313
:
◆8YCWQhLlF2
:2020/05/21(木) 20:51:12 ID:985J2PeM
少女「神を怒らせた人間は死ぬ定め。 だから殺した」アハハハハハ
盗人「!?」ゾクッ
少女「ねぇ、逃げないの?」ズイッ
盗人「ひぃ!」ブルッ
少女「あなた、美味しそうね。 私が直接食べちゃおうかしら」ニタァ
盗人「た、頼む! 助けてくれ!」
少女「じゃぁ逃げれば? この子が追いかけるより速く逃げられればだけど」
神使「・・・がう」
盗人「た、助けて・・・」ガタガタ
少女「やっぱり私に食べられたいんだ」
盗人「違う! くそっ! 足が震えて立てねぇ!!」
少女「たっぷり悲鳴を上げて、苦しんで死になさい」グワッ
盗人「ひー!!!」バタリ
314
:
◆8YCWQhLlF2
:2020/05/21(木) 20:52:17 ID:985J2PeM
少女「やれやれ」フッ
神様「少女ちゃん怖すぎ。 犬ころは必要なかったな・・・」
神使「お役に立てず、すみません・・・」ボンッ
神様「てか、あれ大丈夫か?」
神使「気絶しているだけですよね? 死んでませんよね?」
盗人「・・・・・・」ブクブク
少女「そこまで脅してないけど? ちょっと焚きすぎじゃないかしら?」
神使「いえ、危険なので煙だけで麻薬は焚いておりませんが」
少女「あら、そうなの?」
継姫「少女、格好いい也」キュン
神様「お前、どういう神経してんの? あんなのホラー映画より怖いじゃん」
315
:
◆8YCWQhLlF2
:2020/05/21(木) 20:53:25 ID:985J2PeM
少女「ま、これで少しは懲りたんじゃないかしら」
神使「解放した後で仲間とか連れてきませんかね?」
神様「忍神が起きたら神宮の諜報室に連れて行って処理してもらおう」
神使「・・・・・・。 処理って一体何をなさるんです?」
神様「それは私の口からはちょっと・・・」プイッ
神使「・・・・・・」
少女「それより、忍神さんはあのままで大丈夫なの?」
神様「大丈夫だって。 忍びだよ?」
継姫「我の見た感じでは息をしていないように見える也が」
少女「そうね、もう1時間は止まっているわね」
神様「そんな事ないって・・・ 大丈夫だよ・・・」ハハハ
忍神「」グテッ
神様「・・・・・・。 神使君、私のお守りってまだある?」
316
:
◆8YCWQhLlF2
:2020/05/21(木) 20:58:41 ID:985J2PeM
――― 翌日・社務所
少女「ツグ、書けたの? 神ちゃんさん達が待ってるわよ」
継姫「丁度出来た也。 我ながら会心の出来也よ」
少女「へぇ・・・ ツグって字が下手くそなのね」
継姫「んが! 酷い也よ少女・・・」グスッ
少女「ま、まぁ初めて書いた字にしては上出来かしらね」クスッ
継姫「やっぱりもう一度書き直して―――」
少女「何度やっても同じよ。 早く行くわよ」
317
:
◆8YCWQhLlF2
:2020/05/21(木) 20:59:46 ID:985J2PeM
――― 鳥居前
少女「待たせてごめんなさい」スタスタ
神使「丁度こちらも準備出来たところですので」
忍神「こちらが神宮から寄贈された神額になります」
継姫「神額ってなん也か?」
忍神「鳥居の上部につける神社名が入った飾りです」
神様「随分立派だな。 高そう」
神使「後はこの額に社名の入った額束をはめて鳥居の上に設置すれば完成ですね」
少女「ツグ、神使さんにそれ渡して頂戴」
継姫「分かった也」スッ
318
:
◆8YCWQhLlF2
:2020/05/21(木) 21:00:47 ID:985J2PeM
神様「うひゃ〜 汚ねー字だな」
継姫「お前、マジで殺すぞ?」
神様「・・・だからマジ切れは止めろって、怖いよ」
忍神「趣があって良い字だと思います」
神使「そうですね。 重みのある独特の力強さがございます」
継姫「良く分かっているではない也か」ドヤッ
神様「はいはい、上手い上手い」
忍神「それでは、私が設置いたしますので危ないですからお下がりを」
継姫「あんな高い所にどうやって設置する也か?」
少女「神よ? 忍びなのよ? きっと格好いいわよ」
319
:
◆8YCWQhLlF2
:2020/05/21(木) 21:01:55 ID:985J2PeM
忍神「ヨイショ、ヨイショ」ヨジヨジ
継姫・少女「・・・・・・」
神様「まぁ、あれだよ。 神は飛べないし・・・」
継姫「もっと忍びらしい登り方はできぬ也か?」
少女「せめてピョンピョンって感じで昇る姿は見たかったわね」
神使「ご期待を裏切るような展開ですみません・・・」
忍神「神様、位置はこの辺りでしょうか?」
神様「もうちょい右・・・ そこ! そこでOK」
忍神「では、こちらで固定します!」
ポワポワ
320
:
◆8YCWQhLlF2
:2020/05/21(木) 21:02:54 ID:985J2PeM
継姫「固定するのは力を使う也か・・・」
神様「まぁアレが落ちるとヤバいし。 それに紙で書いてあるから劣化しないように一応ね」
継姫「ふ〜ん」
神様「でも、本当に社名を変えちゃっていいの?」
神使「今までの社名も神秘的でとても良かったと思いますが」
少女「今日からここは本物の神社になるんだし、それに・・・ 新しいスタートの日でもあるわけだしね」
神様「ツグは良いのか?」
継姫「ツグと言うな。 ま、我はそんな小さい心の持ち主などではない也よ」
忍神「固定完了しました! これで嵐が来ても耐え忍ぶでしょう」
神様「お疲れ〜 降りてきて良いぞ」
321
:
◆8YCWQhLlF2
:2020/05/21(木) 21:03:59 ID:985J2PeM
少女「思ったより良い感じね」
神使「神額もさることながら、それに負けないとても綺麗な社名ですね」
忍神「参拝者が最初に見る、まさに神社の顔に相応しき額束にございます」
少女「そういえば、盗人ってどうしたの?」
継姫「今朝早くにそこの忍びがどこかへ担いでいったみたい也が」
神様「盗人って何? そんな奴いたっけ」
忍神「さぁ、私は存じ上げませんね」
神様「この社に盗人は来なかった。 いいね?」
少女「あっ、そういう事にするんだ」
322
:
◆8YCWQhLlF2
:2020/05/21(木) 21:04:36 ID:985J2PeM
神様「そてと。 じゃ少女ちゃん、これからもこの地をよろしく」
少女「私より、ツグに頑張ってもらわないとね」
継姫「我が也か!?」
少女「そうよ? だって・・・」
少女「今日からここは“継姫神社”なんですから」
323
:
◆8YCWQhLlF2
:2020/05/22(金) 02:25:07 ID:UJ8ner7w
〓〓〓修正
神様「そてと。 じゃ少女ちゃん――」
↓
神様「さてと。 じゃ少女ちゃん――」
〓〓〓
神様「高貴な神は“そてと”と言うナリ」
継姫「貴様はもう帰り給え」シッシッ
―――
324
:
◆8YCWQhLlF2
:2020/05/22(金) 02:26:25 ID:UJ8ner7w
――― 帰り道
テクテク
神使「色々と後処理に骨が折れそうですが、無事解決できて良かったですね」
神様「まぁ私にかかれば、どんな難事件もこんなもんよ」ウヒャヒャ
神使「・・・・・・。 あの神様、気になることがあるのですが」
神様「盗人の件は知らないぞ? 諜報室に任せてあるから」
神使「いえ、継姫様の件なのですが」
神様「あのガキんちょがどうした?」
神使「神様、本当に初対面なんですか?」
神様「・・・・・・」
325
:
◆8YCWQhLlF2
:2020/05/22(金) 02:27:14 ID:UJ8ner7w
神使「やっぱり、ご存じだったんですね」
神様「あんなの忘れるわけないだろ、ちゃんと覚えてるよ」
神使「どうして隠してたんです?」
神様「その方がすんなり解決できそうだったし」
神使「過去に何かあったんですか?」
神様「さぁね。 でも・・・ 私の目に狂いはなかったな、って」
神使「?」
326
:
◆8YCWQhLlF2
:2020/05/22(金) 02:29:00 ID:UJ8ner7w
―
――
――― 太古の昔
継姫「痛みはない也か?」
少女の遠いご先祖「継姫の燻してくれた薬草が効いてるみたい」
継姫「それは良かった也」
ご先祖「ごめんね継姫・・・」ゲホゲホ
継姫「我のことなど心配せずとも良い」
ご先祖「この村最後の人守様だったのに、私が病弱でこんなに早く・・・」
継姫「我は主と一緒に過ごせて楽しかった也よ」ニコッ
327
:
◆8YCWQhLlF2
:2020/05/22(金) 02:29:45 ID:UJ8ner7w
ご先祖「ありがとう、継姫・・・ ごめんね・・・」
継姫「謝るでない、我は最後の人守として主に寄り添えた事を誇りの思う也ぞ」
ご先祖「・・・・・・」ニコッ
継姫「ありがとう、安らかに・・・」
ご先祖「」
継姫「我も、すぐそちらへ行こう・・・」グスッ
??「最後の人守、継姫というのは其方か?」
―――
――
―
328
:
◆8YCWQhLlF2
:2020/05/22(金) 02:32:21 ID:UJ8ner7w
――― 本殿前
少女「ツグ、そっちの薬草を持ってきてくれる?」
継姫「・・・・・・」ボー
少女「ねぇ、ツグ?」
継姫「え!? な、なん也?」
少女「どうしたの? ボーっとして」
継姫「何でもない也。 少し昔を思い出していただけ也」
少女「・・・・・・。 神ちゃんさんと過去に何かあったの?」
継姫「彼奴は我の宿敵であり―――」
少女「そうじゃなくて」ジー
継姫「・・・・・・」ハァ
329
:
◆8YCWQhLlF2
:2020/05/22(金) 02:33:25 ID:UJ8ner7w
少女「聞きたいな」
継姫「我ら一族は落第だった也」
少女「?」
継姫「人を導く役を、我らは上手く果たせなかった・・・」
少女「神ちゃんさんはツグより後に生まれたって言っていたわね」
継姫「我らは任を解かれ、神と名乗る存在が後を継ぐ事になった也よ」
少女「じゃあ、ツグ達の一族はそれで消滅したと言う事?」
継姫「そう也。 人守は共にした人間が亡くなると一緒に消え、新たな人守は生まれてこなくなった」
少女「そうなんだ」
継姫「遠い昔のつまらぬ話也よ」
330
:
◆8YCWQhLlF2
:2020/05/22(金) 02:34:24 ID:UJ8ner7w
少女「次いでだし、前から気になっていたことがあるんだけど聞いても良いかしら?」
継姫「なん也か?」
少女「何でツグだけは消えなかったの?」
継姫「・・・・・・」
少女「人守ってその人専用なんでしょ? ツグは私より前の先祖からずっと付いているのって変じゃない?」
継姫「忌々しき話也よ・・・」
少女「?」
継姫「・・・・・・。 消える直前に、ヤツが我の前に現れたのだ」
少女「それって、神ちゃんさんの事?」
継姫「そう也」フッ
331
:
◆8YCWQhLlF2
:2020/05/22(金) 02:36:20 ID:UJ8ner7w
―
――
―――
神様「最後の人守、継姫というのは其方か?」
継姫「・・・お前は我の姿が見える也か?」
神様「初めてご挨拶します。 我はこの地を新たに任されることになった神様と申す」
継姫「・・・そうか」
神様「早速ですが、あなた様一族の任はこれで終わりとなります」
継姫「分かっている。 じきに我も消えるであろう」
神様「申し訳ございませんが、それを阻止させていただきます」フカブカ
継姫「なに?」
神様「狭い地ではございますが、この場所を継姫様にお預けいたします」
継姫「どういう事也や?」
332
:
◆8YCWQhLlF2
:2020/05/22(金) 02:37:08 ID:UJ8ner7w
神様「いや〜 私めんどいこと嫌いでさぁ、上手くこの地を導けたら私に手柄頂戴よ」ニヤッ
継姫「おま・・・ ちょ、何を申して―――」
神様「子子孫孫の人守になる何か良い感じのおまじない〜」
ポワポワ
継姫「うぐっ!」
―――
――
―
333
:
◆8YCWQhLlF2
:2020/05/22(金) 02:38:26 ID:UJ8ner7w
少女「ぷっ! 神ちゃんさまらしい」フフフ
継姫「笑い事ではない也!」
少女「なるほど、それでツグはず〜っとこの地にいるんだ」
継姫「いい加減疲れた也よ」ハァ
少女「神ちゃんさんに感謝しないとね」
継姫「少女は神になって頭まで毒されてしまった也か?」
少女「そうかもね」クスッ
継姫「彼奴め・・・ やはりコテンパンにのしてやるべきだった也」グヌヌ
少女「ありがとう」
継姫「いきなりどうした也?」
334
:
◆8YCWQhLlF2
:2020/05/22(金) 02:39:17 ID:UJ8ner7w
少女「だって、ツグとこうして一緒に居られるのはその時のおかげでしょ?」
継姫「それは結果論であって!」
少女「因果でしょ?」
継姫「・・・・・・。 そう也な」フッ
少女「?」
継姫「ありがとう」
少女「そのお礼は誰宛?」
継姫「ご想像にお任せする也よ」ニコッ
335
:
◆8YCWQhLlF2
:2020/05/22(金) 02:39:49 ID:UJ8ner7w
少女「それよりツグ?」
継姫「?」
少女「神ちゃんさんから高級チョコってもらったの?」
継姫「・・・・・・。 あっ」
少女「追いかければまだ間に合うかもしれないわよ?」
継姫「あのタヌキめ! 我のチョコー!!!」ダッダッダッ
336
:
◆8YCWQhLlF2
:2020/05/22(金) 02:40:44 ID:UJ8ner7w
少女「ツグってば実体化して余計騒がしくなったわね」クスッ
継姫「少女! 一緒に来る也!」
少女「あら、どうして?」
継姫「どうしてって、我は少女から離れられない也よ!!」
少女「私の神力はこの村全体をカバーしてるのよ?」
継姫「?」
少女「試しに一人で鳥居から出てみたら?」
継姫「・・・・・・」ソー
337
:
◆8YCWQhLlF2
:2020/05/22(金) 02:41:54 ID:UJ8ner7w
少女「お先に失礼」ダッダッダッ
継姫「えっ!?」
少女「神ちゃんさんの高級チョコは私が全部もらいに行くわ」ダッダッダッ
継姫「卑怯也ー! 待つ也よ、少女ー!」ダッダッダッ
少女「ふふっ、私の早さにツグは付いてこられるかしら?」
継姫「負けない也よー!」
少女・継姫「せーの! チョコを寄越せー!!」タッタッタッ
神様「神様だ!」 神使「神力ゼロですが・・・」
〜 番外編 2020年春『継々乃社之領域』〜
おわり
338
:
◆8YCWQhLlF2
:2020/05/22(金) 02:45:27 ID:UJ8ner7w
終わったね
339
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/05/22(金) 05:56:41 ID:wHFjR.bE
面白かったよ
いつもありがとう
340
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/05/22(金) 17:47:37 ID:tgm.gH3I
乙也よ!
341
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/05/23(土) 12:21:29 ID:XBemi9l2
楽しかった、ありがとうナリー!
342
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/05/23(土) 19:49:01 ID:d1MwJn3Q
乙!
相変わらず面白かった
次も待ってる也
343
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/05/31(日) 20:51:29 ID:LyOhlMws
神ちゃんもう少しで田植えだよ
手伝ってよ
344
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/06/01(月) 01:28:21 ID:8IoRPalk
農家さん、今年も元気でやってるみたいで安心しました
345
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/06/03(水) 05:52:54 ID:lOtAJdYc
>>344
頑張ってるよ
346
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/06/12(金) 17:08:28 ID:eab6h2WQ
田植えと代掻きの毎日疲れるわ
神ちゃん手伝ってよ。牡蠣を沢山奢るよ
347
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/06/20(土) 19:57:17 ID:KCk64mDI
取り敢えず田植え終わったよ
神ちゃん元気かな
348
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/07/09(木) 16:21:07 ID:kBOj7HNk
皆さん雨は大丈夫ですか?
充分気をつけてください
349
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/08/05(水) 16:19:02 ID:bkYwdXBU
神ちゃんコロナになってないかな?
350
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/08/23(日) 08:58:04 ID:1QXQ57bI
暑い
351
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/09/27(日) 00:26:07 ID:Vt2e3ESw
稲刈り終わった途端に急に寒くなったべや神ちゃん
352
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/09/27(日) 22:04:36 ID:CfsWK5yw
稲刈りお疲れ様
我が家は3日目で後25日くらいかかりそうだ
353
:
◆8YCWQhLlF2
:2020/10/05(月) 20:12:09 ID:DJXIjJjs
〓〓〓〓〓〓〓〓〓
――― 海ノ町・路地裏
隣町の主神「ふい〜 ちょっと飲み過ぎちゃったかなぁ〜」フラフラ
モクモク
主神「ん? 霧・・・ いつの間に」キョロキョロ
『この・・・ 町から・・・ 出て・・・』
主神「え? 誰かいるんですか?」
『あなた邪魔・・・ この町に必要ない・・・』
主神「ど、どこに隠れているんです? 悪戯にしてはタチが悪いですよ」キョロキョロ
『隠れてないよ。 上・・・』
主神「うえ?」クルッ
『あはははははは!』
主神「・・・ぁ」バタッ
354
:
◆8YCWQhLlF2
:2020/10/05(月) 20:13:05 ID:DJXIjJjs
〜あらすじ
神様「神宮の女神、神ちゃんです!」
神使「お付きの神使です」
355
:
◆8YCWQhLlF2
:2020/10/05(月) 20:14:06 ID:DJXIjJjs
――― 数日後・山ノ町神社
主神「本当なんです! 信じて下さいってば〜!」
神様「神使君、帰ろう」
主神「待って下さい! 私だって怖いんです!!」ガシッ
神様「別に怖い訳じゃねーし! もう秋だし! お化けは夏だし!!」
主神「話を聞いて頂けるまで離しません!!」
神様「話なら今聞いただろ! それモノノケだよ! 私の管轄外だ!!」
主神「400年生きてますがモノノケなんて見たことないですよ〜」
神様「目撃第1号おめでとさん! よかったね!」
主神「も〜 お願いですから助けて下さいよ神様〜」
神様「得体の知れない物に触って、何かあっても責任取れねーんだよ!」ゲシゲシ
主神「それを言ったら私だって! 隣の海ノ町は元々の管理地じゃないですし!」
356
:
◆8YCWQhLlF2
:2020/10/05(月) 20:15:12 ID:DJXIjJjs
神使「まあまあ、お二人とも取りあえず冷静に」
主神「神使さんは信じてくれますよね!」
神使「要約すると、霧の中で人影を見たという事ですよね?」
主神「あれは人ではありません、でも女の子でした」
神様「女の子なら人だろ・・・」
主神「人って浮きませんよね? それにカピチューが肩に乗ってたんです」
神様「・・・・・・。 えっと・・・ なに?」
主人「カピチューです。 こう、黄色くて丸っとした」
神様「・・・・・・」
神使「私の知る限り、カピチューはゲームのキャラだと思うのですが認識は合っていますか?」
主神「はい。 30センチくらいでしょうか、その子の肩にチョコンと」
357
:
◆8YCWQhLlF2
:2020/10/05(月) 20:15:56 ID:DJXIjJjs
神様「神使君、こいつに良い医者を紹介してやってくれ。 じゃバイバイ」
主神「神様〜 話はこれだけじゃないんですよぉ〜」ガシッ
神様「だから離せって!!」
主神「はい、話します。 実は―――」
神様「そっちの話せじゃねーよ!」
神使「神様も、ちゃんとお話を最後まで聞いたらお小遣い上げますから」
神様「うむ、その言葉をずっと待っていた。 話を続け給え主神君」
主神「ありがとうございます神使さん。 後で是非お礼をさせて下さい」
神様「私にしろよ…」
主神「実はこちらが本題なのですが・・・―――」
358
:
◆8YCWQhLlF2
:2020/10/05(月) 20:19:01 ID:DJXIjJjs
ゆっくりと進みたい
359
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/10/06(火) 11:52:52 ID:PmDw4ruI
待ってたよ
これで稲刈りも頑張れる
つ新米
360
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/10/07(水) 00:42:44 ID:FDbYAtys
神ちゃん待ってたよ
つ戻り鰹のタタキ
361
:
◆8YCWQhLlF2
:2020/10/07(水) 19:05:00 ID:Rszs7N36
〜 数日前・隣町(海ノ町)
主神「今日のお昼はホッケ定食にしようかなぁ〜♪ うん、そうしよう!」テクテク
「あの」
主神「ん? 私ですか?」クルッ
少女「この町へは何をしに?」
主神「何をって、ご飯を食べに。 そこの定食屋です」
少女「止めに来たんじゃないんですか?」
主神「止めに? 何をです?」キョトン
少女「そんな事も分からないなんて、神の力って大したことないんですね」ハァ
主神「!? あなた、何で私の正体を・・・」
少女「先日忠告をしたと思うんですが」
主神「忠告・・・ !? あなた、まさか先日のカピチュー!?」
362
:
◆8YCWQhLlF2
:2020/10/07(水) 19:05:51 ID:Rszs7N36
少女「・・・・・・」
主神「いえ、その・・・ すいません」
少女「警告です。 30分以内にこの町から出て下さい。 でないと・・・」
主神「・・・でないと?」ゴクリ
少女「この町に災厄が降ることになります。 あなたは望みますか?」ズイッ
主神「ひぃ!」ゾッ
少女「あはははははは」
主神「・・・・・・」バタリ
〜〜〜
〜〜
〜
363
:
◆8YCWQhLlF2
:2020/10/07(水) 19:06:35 ID:Rszs7N36
主神「という事がありまして」
神様「怖っ! っていうかお前気絶しすぎだろ」
神使「その少女さんは、最初にお話し頂いた子と一緒だったんですか?」
主神「ハッキリとは覚えてはいないのですが、そうみたいですね」
神様「お前取り憑かれたね。 やっぱり私の管轄外だし帰る」 トテトテ
神使「神様、取りあえず最後まで話を聞きましょう」
主神「そうですよ!」グイッ
神様「グヘェ! いや、聞いたってどうにもならないって!」ジタバタ
364
:
◆8YCWQhLlF2
:2020/10/07(水) 19:07:19 ID:Rszs7N36
神使「30分以内に町を出ろというのはどういう意味なのでしょう」
主神「それなんですが・・・ 実はその1時間後に事故があったんです」
神使「事故?」
主神「海ノ町の大通りで地盤沈下が」
神様「あっ、それニュースで見た。 3日くらい前だよな」
主神「タイミングが良すぎると思いませんか?」
神様「偶然じゃねーの?」
神使「確か奇跡的に巻き込まれた人はいなかったと聞きましたが」
主神「もしかしたら、あの子が防いだんじゃないかと」
神使「少女さんの言った“止める”というのは、地盤沈下による犠牲者・・・」
365
:
◆8YCWQhLlF2
:2020/10/07(水) 19:08:10 ID:Rszs7N36
神様「だったら普通地盤沈下の方を止めない?」
神使「神であれば止めることは出来るのでしょうか?」
神様「分かりもしない事故なんかどうやって止めんだよ。 預言者じゃあるまいし」
神使「それですと、少女さんは神以上の存在という事になりますが」
神様「やっぱモノノケだね。 よし帰ろう」
主神「これを見てもそう言えますか?」ペラッ
神使「これは・・・ お札(ふだ)ですか?」
神様「綺麗な字だね。 上手上手」
主神「どうぞ」スッ
神様「パードゥン?」
主神「どうぞ」ズイッ
366
:
◆8YCWQhLlF2
:2020/10/07(水) 19:08:50 ID:Rszs7N36
神様「・・・・・・。 ちょっとだけだぞ。 先っちょ触るだけだからな」ペトッ
神使「どうですか?」
神様「先っちょが濡れて・・・ いや〜ん、この温もり体が火照っちゃう」クネクネ
神使「神様?」ジトー
神様「うそうそ。 っていうか何だよこれ。 何か変なの感じるんですけど・・・」
主神「結界のような物じゃないかと。 事故があった現場の周囲に置かれていました」
神使「まさか、このお札のお陰で巻き込まれた人が出なかったと?」
主神「断言は出来ませんが」
神使「その少女さんというのは一体・・・」
トントン
一同「!?」ビクッ
367
:
◆8YCWQhLlF2
:2020/10/07(水) 21:13:01 ID:Rszs7N36
ガチャ
巫女「本日はようこそ」フカブカ
主神「巫女さんでしたか」ホッ
巫女「お飲み物をお持ちしました」スタスタ
神様「お、いいね〜 私はできれば気付けにシュワシュワしたものを」
巫女「コーラですがよろしいでしょうか」ニコッ
神様「ナイス! これが欲しかったの!」
巫女「こちらは濃いめの緑茶です」コトッ
神使「良い濁りですね。 ありがとうございます」
巫女「主神様はコーヒー牛乳ですね」コトッ
神使「いつもすみません。 頂きます」
巫女「何かございましたらお声を。 それでは、ごゆっくり」スタスタ
ガチャ
368
:
◆8YCWQhLlF2
:2020/10/07(水) 21:13:42 ID:Rszs7N36
神様「今の子は?」
主神「巫女です」
神様「そんなの見りゃ分かるよ。 あの格好で巫女じゃなかったら何なんだよ・・・」
神使「こちらの神社の巫女さんですか?」
主神「はい、確か高校を卒業してからすぐに。 しっかり者でとても良い子です」
神様「良いね〜 かわゆいし、一番脂がのってる時期だね」ジュル
神使「えーと・・・ お話しの続きなのですが、その少女さんの素性はお調べになったのですか?」
主神「はい。 隣町の中学2年生、聞いた限りでは普通の女子中学生のようですが」
神使「どうされますか神様」
神様「そうだね〜 この場合は経験上放置がベストな選択かな」
神使「まずは気付かれないように少女さんを詳しく調べる必要がありますよね」
主神「しかし、私は素性がバレているようですし」
369
:
◆8YCWQhLlF2
:2020/10/07(水) 21:14:17 ID:Rszs7N36
神様「んじゃ、解決したらメールだけ送っておいて。 話聞いたし私は帰る」
主神「待ってくだいさよ神様〜」ガシッ
神様「だから離せよ! そんなの神宮の調査部にやらせろって」
神使「それは少しマズいですね」
神様「は? 何でだよ」
神使「私達に報酬が入りません。 お金が欲しいんです」
神様「お前・・・ いつからそんなこと言う子になっちゃったの?」
神使「あっ! 良い方法を思いつきました」
神様「神使君の良い方法はいつも良くない気がします!」
神使「きっと神様も気に入ってくれると思いますよ?」
神様「どんな妙案でも私は100パーセント動かないからな」
370
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/10/09(金) 12:44:40 ID:.Nji9SfA
話を聞いた後速攻で走る神ちゃんの姿が見える
371
:
◆8YCWQhLlF2
:2020/10/09(金) 22:11:11 ID:6.fGVMeE
――― 翌日・隣町 海ノ中学校
教師「では、自己紹介をお願いします」
神様「三重の方にある何とかっていう学校から来た“神宮 御子(じんぐう みこ)”です」ペコリ
教師「神宮付属皇學院中学校だね。 他に挨拶とか抱負はある?」
神様「そうですね、まずはこの2年4組を私の配下に置くことが目標です」グッ
教師「ここは2年3組だよ。 まずは自分のクラスを覚えないとね」ハハハッ
神様「え?」
教師「じゃ、神宮さんはそこの空いている席に座って下さい」
神様「はあ」トテトテ
教師「神宮さんは来月までの限定的な転校なので、短い間だけど皆仲良く」
生徒達「はーい」
372
:
◆8YCWQhLlF2
:2020/10/09(金) 22:12:21 ID:6.fGVMeE
神様「よいしょ。 よろしゅうねお隣さん!」ニコッ
隣席の少女「よろしく」ニコッ
神様「私の事は親しみを込めて“かわゆい神ちゃん”って呼んで欲しいなぁ」クネクネ
少女「私は少女。 困ったことがあったら何でも言ってね」
神様「・・・ん? ごめん、もう一度名前教えて?」
少女「少女だよ?」
神様「・・・・・・。 え〜と・・・」
少女「どうかしたの?」
神様「いや、なんで同じクラスなのかなって」
少女「だって、同じクラスの方が都合が良いでしょ?」フフッ
神様「・・・・・・」
少女「神ちゃんて凄い後光だね。 何の神さま?」ニコッ
373
:
◆8YCWQhLlF2
:2020/10/09(金) 22:13:25 ID:6.fGVMeE
――― 30分後・校門
神使「急でしたが、これで無事に転入手続きは終わりです」
主神「しかし神様を転入させるなんて凄いアイデアですね」
神使「神様の性格上、絶対に快諾すると思いました」
主神「バレたりしないでしょうか?」
神使「少女さんとは別クラスで手配したので、神様がミスさえしなければ大丈夫かと」
主神「それが一番心配ですが」
神様「本当だよ」
神使・主神「!?」クルッ
神様「チャオ」
神使「神様! 学校はどうされたんですか!?」
神様「バレちゃいました」テヘッ
374
:
◆8YCWQhLlF2
:2020/10/09(金) 22:14:29 ID:6.fGVMeE
――― 昼・定食屋
神使「いくら何でもバレるのが早すぎますよ・・・」
神様「私のせいじゃないって! 大体何でクラスが同じなんだよ、話が違うだろ」
神使「え!? 同じクラスだったんですか?」
神様「2年3組。 しかも隣の席が少女ちゃんなんてあり得ないだろ」
主神「神使さん、これは一体・・・」
神使「おかしいですね。 確か神様は2年4組だったはずですが」
神様「いきなり“神ちゃんて後光が凄いね”って言われた」
神使「後光?」
主神「もしかして、少女さんは神力を察知出来る能力があるのでは?」
神使「いえ、その線は薄いと思います」
主神「?」
375
:
◆8YCWQhLlF2
:2020/10/09(金) 22:15:22 ID:6.fGVMeE
神使「神様は神力ゼロですから」
神様「そうそう、私って神力ないから気付かれない。ってうるせーよ」ゲシッ
神使「痛っ!」
主神「では一体どうして・・・」
神様「今回に限っては私は1ミリも悪くないからな」
店員「はいお待たせ。 牡蠣フライ定食に牡蠣フライ追加の方は?」
神様「あっ、私だ」
神使「凄い量ですね。 牡蠣フライばかりそんなに食べられるんですか?」
神様「余裕よ」パクパク
376
:
◆8YCWQhLlF2
:2020/10/09(金) 22:16:49 ID:6.fGVMeE
神使「しかし、なんでこんな手違いが・・・」
主神「バレてしまったからには別の方法を考える必要がありそうですね」
神使「神様はどう思います?」
神様「私に聞くなよ・・・ まぁ、私の後光が見えたってのはちょっと変だよなぁ」
主神「神様くらいでしたら神力ゼロと言っても、僅かに残っているのでは?」
神様「私だってバカじゃないよ。 今朝、学校へ行く前に神力は完全に抜いたし」
神使「ではどうして神様の正体が・・・」
神様「少女ちゃんは私達の事を以前から知っていた。 または知る機会があった」
主神「私がこの件を相談したのは昨日が初めてですし、とてもそんな時間は・・・」
377
:
◆8YCWQhLlF2
:2020/10/09(金) 22:17:33 ID:6.fGVMeE
神使「どちらにしろ別の調査方法を模索した方が良さそうですね」
神様「いや、このまま成り行きに任せて相手の出方を見た方が良いかもな」
主神「何か良い方法でも?」
神様「飯食い終わったら、私はもう一度学校に戻る」
神使「大丈夫でしょうか? 少し心配な気もしますが・・・」
神様「だって」
主神・神使「?」
神様「この制服かわゆいし、もう少し着ていたい」モグモグ
主神・神使「・・・・・・」
神様「すいませーん! 牡蠣フライおかわり!!」
378
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/10/10(土) 02:32:44 ID:6r1ZmDbM
牡蠣が無くなりそうだ
379
:
◆8YCWQhLlF2
:2020/10/12(月) 21:59:12 ID:NeT/D3MI
――― 放課後・教室
ガヤガヤ
生徒A「神宮さん、朝はどうしたの?」
生徒B「急に教室飛び出していったけど」
神様「あ〜 ちょっとね。 えーと・・・ 女の子なもので」アハハハ
生徒A「そ、そうだったんだ///」
生徒B「ごめんね、変なこと聞いちゃって///」
神様「変な心配させちゃって悪かったね」ハハハ
少女「でも、良かった。 もう学校に戻ってこないと思って心配しちゃったよ」
神様「私もそれなりに場数踏んでるから、あの位の事ではダメージゼロよ」ニッ
少女「・・・・・・」
380
:
◆8YCWQhLlF2
:2020/10/12(月) 21:59:54 ID:NeT/D3MI
神様「あっ、それと皆も私のことは神ちゃんって呼んで」
生徒A「うん。 そういえば、神ちゃんて神宮御子(じんぐうみこ)っていう名前だよね」
神様「そだね。 ちなみに最初の“じ”にアクセントね」
生徒A「・・・そうなんだ」
生徒B「何か御利益ありそうな名前だね」
神様「おみくじは必ず大吉を引けるしね」
生徒A「うそ!?」
生徒B「何か見分け方とかあるの?」
神様「神の力」ニヤッ
少女「・・・・・・」
神様「な〜んてね」ウヒャヒャ
381
:
◆8YCWQhLlF2
:2020/10/12(月) 22:00:36 ID:NeT/D3MI
少女「神宮の学校に通ってるって事は、将来は神主とか巫女にでもなるの?」
神様「え〜 少女ちゃん、それを私に聞いちゃうの〜?」
少女「・・・・・・」
神様「うそうそ。 ま、何を隠そう私は神宮で巫女をやってたしね」
生徒A「え!? 神ちゃんって巫女さんなの?」
神様「こう見えて私は優等生なのだよ」フンスッ
生徒A「少女ちゃんとどっちが成績が上なんだろうね」
生徒B「少女ちゃんはいつも成績トップだもんね」
少女「そ、そんな事ないよ///」
神様「おほほっ。 これはどちらが上か楽しみですな」カッカッカッ
少女「・・・・・・」イラッ
382
:
◆8YCWQhLlF2
:2020/10/12(月) 22:01:15 ID:NeT/D3MI
生徒A「あっ、でも中学生で巫女さんって凄いね」アタフタ
生徒B「う、うん。 格好いいよね」アセアセ
神様「巫女の御子ちゃん。 みこみこってダジャレかよオイ!」ウヒャヒャ
一同「・・・・・・」
神様「あっ、神宮巫女と神宮御子でダブルミーミングじゃん。 すげー」
少女「ミーニング。 神ちゃん英語は苦手みたいだね」ニコッ
生徒A・B「・・・・・・(少女ちゃんがキレてる)」タラタラ
生徒B「え〜と・・・ か、神ちゃんの家って海ノ町?」
神様「山之町、隣町だね。 転校期間中は山之神社に住んでる」
生徒B「神社に!?」
383
:
◆8YCWQhLlF2
:2020/10/12(月) 22:03:15 ID:NeT/D3MI
生徒A「少女ちゃんと同じだね」
少女「・・・・・・」
神様「?」
生徒B「ちょっとA子ちゃん」コソッ
生徒A「あっ、ごめん・・・」
少女「気にしないで」ニコッ
神様「少女ちゃんの家って神社なの?」
少女「神社の近くに住んでるだけだよ」
神様「ふ〜ん」
生徒A「そ、そうだ! 神ちゃん、まだここら辺って慣れてないでしょ」
生徒B「案内がてらこの後お茶でもしない?」
神様「だったら歓迎会してよ」
生徒B「え〜 それ自分から言うの〜?」アハハハ
384
:
◆8YCWQhLlF2
:2020/10/12(月) 22:03:48 ID:NeT/D3MI
神様「うちの神社大きいし、これから皆で来ない? もてなすよ」
生徒A「あっ、行ってみたーい」
神様「じゃ、決まり! 少女ちゃんも来てくれるよね?」
少女「私は用事があるから」
神様「え〜 来てよ〜 歓迎してよ〜」スリスリ
少女「わ、分かったから。 そんなにくっ付かないでよ」
神様「私、職員室に寄って行くから校門で待ち合わせね。 じゃ、また後で」タッタッタッ
生徒A「神ちゃんて変わってるね・・・」
生徒B「猪突猛進って感じだよね」
少女「なんか・・・ 調子狂うなぁ」ボソッ
385
:
◆8YCWQhLlF2
:2020/10/12(月) 22:04:20 ID:NeT/D3MI
――― 廊下
prrr prrr
神使『はい神使です』
神様「あっ、犬ころか? これから皆でそっち行くから」
神使『皆って、まさか少女さんもですか!?』
神様「そう。 少女ちゃん含めクラスメイト3人」
神使『何が事前に準備しておくことはございますでしょうか』
神様「お菓子、ケーキ、コーラ、間に合えばピザも。 後は〜」
神使『いえ、そういう意味ではなく・・・』
神様「いいか? 私のこれからの学生生活の立ち位置がかかっている。 手を抜くなよ」
神使『ちょ、かm―――』
ピッ
神様「さ〜て、どう出てくるかな?」ニヤッ
386
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/10/13(火) 06:28:20 ID:OeJtC9EE
犬ころの活躍が見られるか?
387
:
◆8YCWQhLlF2
:2020/10/15(木) 02:58:25 ID:7L0fanAA
――― 山之神社
神様「ささ、みんな上がって」
生徒A「ねぇ神ちゃん、ここって本殿って言うところでしょ?」
神様「よく知ってるね」
生徒B「本殿って神聖な場所だよね。 勝手に入っちゃっても良いの?」
神様「神聖? 金と欲にまみれた願いを聞くための穢れた場所だよ」
生徒A「そうなんだ・・・」
少女「・・・・・・」
神様「ま、立ち話も何だし早く中に入って」ニコッ
一同「お邪魔しま〜す」
388
:
◆8YCWQhLlF2
:2020/10/15(木) 02:59:20 ID:7L0fanAA
生徒A「うわ〜 凄い豪華」キョロキョロ
生徒B「壁がキラキラしてる」キョロキョロ
神様「こういうのにお金使わないと色々とうるさいんだって。 税金対策って言うの?」
トントン
神様「だれ?」
神使「私です。 お菓子をお持ちしました」
神様「お〜 サンキュ」
神使「皆さん、ようこそいらっしゃいました」ペコリ
生徒A・B(格好いい!!)キュン
389
:
◆8YCWQhLlF2
:2020/10/15(木) 03:00:19 ID:7L0fanAA
神様「おい犬ころ、ピザとケーキがないんだけど」ゴソゴソ
神使「そんな物すぐに用意できるわけないじゃないですか・・・」
神様「ったく、使えねーな」チッ
生徒A「ちょっと神ちゃん、こちらの方は?」コソッ
神様「ん? こいつは、え〜と・・・」
神使「神宮の神職で神使と申します」
神様「そうそう、私のお付きとして連れてきた犬ころ」
神使「お付きというかお守りですね。 皆さん、どうぞよろしくお願いします」ニコッ
生徒A・B(凄く格好いい!!)キュン
390
:
◆8YCWQhLlF2
:2020/10/15(木) 03:01:40 ID:7L0fanAA
神様「そうだ神使君、巫女ちゃんを紹介したいから呼んできて」
神使「それが、先程急用で主神さ・・・ お二人で一緒に外に出られました」
神様「そうなの?」
神使「戻りは遅くなるようです」
神様「ふ〜ん」チラッ
少女「」ホッ
神様「・・・・・・」
神様「よーし! それじゃ、神ちゃん歓迎会スタートゥ!」
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