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神様「神様だっ!」 神使「神力ゼロですが・・・」 5社目

1 ◆8YCWQhLlF2:2019/12/06(金) 02:57:25 ID:f1i/L8eQ

巫女「ごめんなさい・・・ ごめんなさい・・・」グスッ

??「ありがとう」

巫女「なんで・・・ なんで謝ったりするの・・・?」

??「私はずっとこの村を・・・ そして・・・ これからもあなたを見守り続けます」ゴボッ

巫女「いや・・・ うそ・・・ いやだ・・・」

??「辛い思いをさせて・・・ ごめんね」ウッ

巫女「いやだ・・・ お願い・・・ 嫌だよ!」

??「笑って・・・ 笑顔を見せて・・・ そしたらまた私は・・・・・・」ニコッ

巫女「嫌ー!!!」

――――
―――
――

157 ◆8YCWQhLlF2:2020/04/21(火) 20:38:18 ID:XU8T3LeM

神様「この位パンチがないと今時神社なんかに誰も来ないって」

神使「神社に必要な物は古きを敬う心、それに見合う荘厳さと威厳です」

神様「そんな見た目とか過去ばっかり追い求め・・・・・・ ん?」チラッ


 ???「」コソッ


神使「どうされました?」

神様「いや・・・ 今、向こうの木の陰から誰かに見られていた気が」

神使「向こうって、バス停の先にある木ですか?」

神様「うん」

158 ◆8YCWQhLlF2:2020/04/21(火) 20:38:51 ID:XU8T3LeM

神使「村の人がバスを待っているのでは?」

神様「う〜ん・・・」

神使「そうやってバス停まで行って、来たバスに乗って帰ろうとする魂胆ですね?」

神様「お前いくら私でも・・・ いや、それ良いアイデアだな」

神使「ふざけてないで社務所の方へご挨拶に行きますよ」テクテク

神様「へいへい」トテトテ


 ???「・・・・・・」

159 ◆8YCWQhLlF2:2020/04/21(火) 20:39:25 ID:XU8T3LeM

――― 社務所


神様「ちわ〜」ガラガラ

神使「神様・・・ いきなり扉を開けちゃダメですよ」


 シーン


神様「・・・・・・」

神使「誰もいませんね。 お留守でしょうか?」

神様「よし、帰ろう」

神使「今来たばかりです」

神様「いや、今回は素直に帰った方が良い気がする」

160 ◆8YCWQhLlF2:2020/04/21(火) 20:40:05 ID:XU8T3LeM


 ??「何かご用でしょうか?」


神様・神使「?」クルッ

少女「参拝でしたら―――」

神様「ひゃー!!」

少女「!?」ビクッ

神使「お、落ち着いて下さい! 私たち怪しいものではございませんから!」

神様「殺さないで! 何でも言うこと聞く!! 私の隠しチョコあげるから!!」

少女「あ、あの・・・ どうされたんですか?」

神使「そ、その手に持っている刀を一度置いて下さい!」

少女「刀・・・? あっ」

神様「それ日本刀だよね!? スパッっといけちゃうヤツだよね!?」ブルブル

少女「すいません! あの・・・ これは違くて!」オロオロ

神様「まだ死にたくなーい」ギャー

161以下、名無しが深夜にお送りします:2020/04/21(火) 21:30:27 ID:XBBjRZ3I
まってました!

162以下、名無しが深夜にお送りします:2020/04/22(水) 07:29:42 ID:6fQruERc
神ちゃんおかえり

163 ◆8YCWQhLlF2:2020/04/23(木) 19:59:19 ID:sFR/SnE.

――― 社務所内


少女「驚かせてしまい本当に申し訳ありませんでした」ペコリ

神使「こちらこそ取り乱してすみません。 お恥ずかしい限りです・・・」

少女「害獣が忍び込んだので、追っ払っていたところで」

神使「害獣?」チラッ

神様「?」

神使「確かにうちの神様はよく間違えられますが、一応知性はありますので安心して下さい」

神様「何で私なんだよ! 猿とかイノシシとかだろ普通!」ゲシッ

神使「痛っ!」

164 ◆8YCWQhLlF2:2020/04/23(木) 20:00:13 ID:sFR/SnE.

少女「え〜と・・・ お社の方は参拝でしょうか?」

神使「私達こちらの神社の巫女さんに用がありまして」

少女「巫女?」

神使「申し遅れました。 私は神宮から派遣されました神使と申します」

神様「私は巫女の神ちゃん。 気兼ねなくかわゆい神ちゃんと呼んでね」

巫女「はあ」

神使「こちらの神社を管理されている巫女さんはご在宅でしょうか」

165 ◆8YCWQhLlF2:2020/04/23(木) 20:00:49 ID:sFR/SnE.

少女「お話しでしたら私の方で伺いますが」

神様・神使「?」

少女「この社の巫女で少女と言います」ペコリ

神様・神使「・・・・・・」

少女「何か?」キョトン

神使「少女さんがこの神社の?」

神様「巫女?」

少女「はい。 そうですが・・・」

166 ◆8YCWQhLlF2:2020/04/23(木) 20:01:45 ID:sFR/SnE.

神使「失礼ですがその制服は・・・ まだ学生さんですよね?」

少女「中学2年です」

神様「人手不足もここまで来たか」

少女「あっ、お茶も出さずにすみません。 今お持ちします」

神使「すぐ帰りますので、お気遣い無く」

少女「遠慮なさらず。 コーヒー・紅茶・ジュースがありますが」

神使「では、私はコーヒーを。 神様はいかがしますか?」

神様「・・・・・・」キョロキョロ

神使「神様?」

神様「ん? 私も同じで」

少女「分かりました。 少々お待ちください」スタスタ


 ガチャ

167 ◆8YCWQhLlF2:2020/04/23(木) 20:02:38 ID:sFR/SnE.


神使「神様どうしたんです? 落ち着かない様子ですが」

神様「別に? なんか古そうな物がいっぱいあるな〜 と思って」

神使「ブラウン管テレビに真空管ラジオ・・・ 黒電話までありますね」

神様「なんかタイムストリップ劇場した気分だ」


神使「しかし驚きましたね、神社を管理している巫女が中学生だなんて」

神様「・・・・・・。 で、何でここに来たの?」

神使「神宮からこの村で毎年行われるお祭りを調べるようにと」

神様「祭り?」

168 ◆8YCWQhLlF2:2020/04/23(木) 20:03:15 ID:sFR/SnE.

神使「はい。 神宮で神事内容が把握できないようでして」

神様「う〜ん、それは密祭って事?」

神使「簡単に言えば、そのようです」

神様「別に構わないだろ。 古そうな村だし、密祭なんて他の土地にも沢山あるし」

神使「そうなんですが、実は他にも―――」


 ガチャッ


少女「お待たせしました」テクテク

神様「おっ、ありがとさん」

169 ◆8YCWQhLlF2:2020/04/23(木) 20:03:58 ID:sFR/SnE.

少女「お口に合えば良いのですが」コトッ

神様「う〜ん、芳醇な香り。 これはブルーマウンテンかな?」グビッ

少女「ブランデーを混ぜた特製コーヒーです」

神様「ブゥーッ!」ゲホゲホ

少女「あっ! ごめんなさい。 やっぱりおかしかったですよね」フキフキ

神様「だ、大丈夫。 ちょっと驚いただけ」ハハハ

神使「何と言いますか・・・ その・・・ だいぶアルコール分も高めですね」ハハハ

少女「都会で流行っていると聞いたもので・・・ 本当にすいません」キッ


 ガタッ


神様・神使「?」

170 ◆8YCWQhLlF2:2020/04/23(木) 20:05:11 ID:sFR/SnE.

少女「あっ、古い建物なので建て付けが悪くてたまに軋みが鳴るんです」

神使「そうですか・・・」キョロキョロ


少女「それで、お話しというのは?」

神使「えーと・・・ 失礼な質問で恐縮ですが、少女さん以外に他にどなたか?」

少女「私はこれでもこの社の巫女です。 信用できませんか?」

神使「いえ、そういう意味ではなく」

少女「両親は早くに。 ですから私がこの社を一人で切り盛りしています」

神使「すみません、変な聞き方をしてしまいまして」ペコリ

神様「少女ちゃんは歳の割にしっかりしてるね。 本当に中学生?」

少女「小さい頃から巫女としてお仕えしてきましたから・・・ 自然と」

神様「ふ〜ん」

少女「・・・・・・」

171 ◆8YCWQhLlF2:2020/04/23(木) 20:06:12 ID:sFR/SnE.

神使「早速ですが、こちらのお祭りの事でお話を伺ってもよろしいでしょうか?」

少女「祭り、ですか?」

神使「はい。 神宮の調査命令でして」

少女「祭りと言っても、特に変わったことはしていませんが」

神様「密祭って聞いたけど」

少女「社で祝詞を上げるだけで衆人環視でもないので、そういう意味では密祭ですね」

神使「予定では今週末に神事が執り行われると聞いておりますが」

少女「はい」

172 ◆8YCWQhLlF2:2020/04/23(木) 20:07:00 ID:sFR/SnE.

神使「その神事に私達も参加させてもらう事は可能でしょうか」

少女「・・・・・・」

神使「何か不都合でも?」

少女「いえ、そういう訳では・・・ その・・・ 私の一存では今すぐにお返事は難しく」

神使「神宮から必ず調査報告を上げるようにと言われております」

少女「・・・・・・」

神使「少女さん?」

少女「電話で確認してみます。 お時間の方は大丈夫ですか?」

神使「ありがとうございます。 私たちは大丈夫です」

少女「では、こちらで少々お待ちください」スタスタ


 ガチャッ

173 ◆8YCWQhLlF2:2020/04/23(木) 20:07:36 ID:sFR/SnE.


神様「なんか神使君、珍しく今回は強気じゃん」

神使「神様、何か違和感を感じませんか?」

神様「というと?」

神使「表現が難しいのですが・・・ 私たち以外に誰かの気配を感じて・・・」

神様「ん〜 気のせいじゃない?」ポチポチ

神使「そういえば、先程神様もバス停で誰かに見られていると言っていましたね」

神様「う〜ん」ポチポチ

174 ◆8YCWQhLlF2:2020/04/23(木) 20:08:11 ID:sFR/SnE.

神使「神様? 仕事中は携帯で遊ぶのは禁止で―――」

 ブーブー

神使「?(メール)」ゴソゴソ


FROM:神様
本文:それ以上喋るな


神使「!?」クルッ

神様「気にし過ぎじゃない?」

神使「そう・・・ ですね」

175 ◆8YCWQhLlF2:2020/04/23(木) 20:09:00 ID:sFR/SnE.


 ガチャッ


少女「お待たせしました」スタスタ

神様「お帰り〜」

神使「いかがでしたでしょうか?」

少女「はい。 問題ないそうです」ニコッ


 ガタン! ガタン!


神様「・・・・・・。 本当に?」

176 ◆8YCWQhLlF2:2020/04/23(木) 20:09:34 ID:sFR/SnE.

少女「どちらか宿はお取りになられていますか?」

神使「宿?」

少女「もしよろしければ、こちらに泊まっていかれては?」


 ガタンッ! ガタンッ! ガタンッ!


神様・神使「・・・・・・」

少女「すいません、建て付けが」フフッ

神様「もう建て付けってレベルの音じゃないよね?」

177 ◆8YCWQhLlF2:2020/04/23(木) 20:10:24 ID:sFR/SnE.

神使「えーと・・・ 神様、いかがしましょう?」

神様「どうせ宿なんか取ってないんだろ」

神使「・・・・・・まぁ」

少女「それではお部屋を用意してきますので」スタスタ


 ガチャ


神使「神様、あの―――」チラッ

神様「ビローン」ベー

神使「・・・急に変顔しないで下さい。 にらめっこなんかしませんよ」

神様「お前にやったんじゃねーよ」

神使「?」

神様「はぁ〜 帰りてーな〜 面倒くせーなぁ〜」

178以下、名無しが深夜にお送りします:2020/04/24(金) 00:38:27 ID:Brag4UEs
神ちゃんよく来てくれたなや

179以下、名無しが深夜にお送りします:2020/04/25(土) 09:14:50 ID:QtAsfzs.
おかえりー

180 ◆8YCWQhLlF2:2020/04/26(日) 01:38:10 ID:ELqHfEwQ

――― 客間


少女「滞在中はこちらのお部屋をお使い下さい」

神使「ありがとうございます。 正直助かりました」

少女「お手洗いは廊下を挟んで正面、洗面所は突き当たりに・・・・・・」

神様「」ジー

少女「・・・・・・」

神使「どうされました?」

少女「え? あっ、私お夕飯を買ってきます」

神使「私達もお供いたします」

少女「友達と一緒に行く約束をしているので」ニコッ


神様「私達が一緒の方が迷惑だろうよ」

少女「それではごゆっくり」スタスタ

181 ◆8YCWQhLlF2:2020/04/26(日) 01:38:49 ID:ELqHfEwQ


 シーン


神様「神使君」

神使「はい」

神様「帰ろう。 バックレて逃亡しよう。 職務の放棄を提言する」

神使「そんな事できる訳ないじゃないですか」

神様「ここはダメだ。 私の第六感、いや全感覚が滞在を拒絶している」

神使「この神社、普通ではない何かがあるという事だけは理解できます」

神様「おや、何かお心当たりでも?」

神使「大ありですよ。 何ですか、あのメールは」

神様「犬ころは何か気付いたこととかある?」

182 ◆8YCWQhLlF2:2020/04/26(日) 01:39:33 ID:ELqHfEwQ

神使「少女さんと私たち以外に誰かいるんですね? 私には見えない誰かが」

神様「いる。 いや、いるっぽいねぇ〜」

神使「こちらの神社の主神さまでしょうか?」

神様「う〜ん」

神使「違うのですか?」

神様「何でそう思ったの?」

神使「少女さんにいくつか違和感を感じました」

神様「ほぉ」

神使「神事は祝詞奏上だけなのに、誰の許可が必要なのでしょうか?」

神様「崇敬会とか?」

183 ◆8YCWQhLlF2:2020/04/26(日) 01:40:10 ID:ELqHfEwQ

神使「誰も参加しないのにですか?」

神様「まぁ変だよな」

神使「もう1つ、少女さんとお話をしているときの変な間が気になりました」

神様「間?」

神使「何と言いますか・・・ たまにワンテンポ遅れが合ったような気がするんです」

神様「あ〜」

神使「通訳を入れて話しているような、そんな感じを受けました」

神様「確かにちょっと違和感があったよな」

184 ◆8YCWQhLlF2:2020/04/26(日) 01:40:48 ID:ELqHfEwQ

神使「一体どうなっているのでしょうか?」

神様「さぁね〜」

神使「神様も分からないんですか?」

神様「う〜ん、どれから手を付けて良いか分からんのよ。 ちょっと考えさせて」

神使「承知しました」

神様「おっ、随分と物わかりが良いねぇ」

神使「この場では、ですが」


神様「それより、どうして神宮は急にここを調べろって言い出したんだ?」

神使「理由は二つ。 一つは以前からこの神社の神事内容が不明だったこと」

神様「それはさっき聞いたよな」

185 ◆8YCWQhLlF2:2020/04/26(日) 01:41:29 ID:ELqHfEwQ

神使「二つ目は、この神社の巫女です」

神様「巫女? 少女ちゃんのこと?」

神使「・・・今、詳細をお話ししても?」

神様「あ? あ〜 大丈夫みたい。 少女ちゃんと一緒に出て行ったぽい」

神使「何が大丈夫で何が出て行ったのかは知りませんが・・・ これを見て下さい」ドサッ

神様「何この書類」

神使「この神社の登記書類です」

神様「随分と量があるな」

神使「この神社から毎年提出された過去60年分の書類です」

神様「これが何か?」

186 ◆8YCWQhLlF2:2020/04/26(日) 01:42:04 ID:ELqHfEwQ

神使「この神社の代表管理者の欄を見て下さい」

神様「代表・・・ 今年の登記は少女ちゃんの名前だな」

神使「これが10年前の登記です」ペラッ

神様「ん? 少女ちゃんの名前だ」

神使「そして、60年前のものがこれです」ペラッ

神様「・・・・・・」

神使「変だと思いませんか?」

神様「何で神宮は今頃これに気がついたんだ?」

神使「田舎の神社は長いこと管理者が変わらない事も珍しくないですから」

神様「でも60年って・・・」

神使「そこです。 異常に長すぎるんです」

神様「つまり、ずっと変更されないから変だと思った訳か」

187 ◆8YCWQhLlF2:2020/04/26(日) 01:43:25 ID:ELqHfEwQ

神使「少女さんにお目にかかってビックリしました」

神様「まぁ、登記通りなら少女ちゃんはヨボヨボのお婆ちゃんのはずだしな」

神使「世襲で下の名前を代々受け継いだ、という可能性もありますが・・・」

神様「おっ、いいねそれ。 そうしておこうぜ」

神使「私が考えついたという事は、神宮だってその点は調べたと思いますよ?」

神様「バレたら、その時はごめんちゃい! で」

神使「それで済めば良いですが・・・」

神様「無理だよなぁ。 やっぱ調べる必要はあるかなぁ〜」

神使「それがよろしいかと」

神様「うへ〜 やっぱ面倒くせ〜」

188以下、名無しが深夜にお送りします:2020/04/26(日) 16:26:02 ID:4if7OJr6
今回もヤバいのか

189 ◆8YCWQhLlF2:2020/04/29(水) 04:45:17 ID:4hSEygD6

――― 翌日


神様「おはよ〜」トテトテ

少女「おはようございます」

神様「あれ? お出かけ?」

少女「学校に。 中学生ですから」ニコッ

神様「早いね〜」

神使「もう朝の8時です」

少女「ご飯はテーブルの上に用意しておきましたので適当に食べて下さい」

神様「うれし〜 後でチンして食べるね」

少女「すみません、うちには電子レンジがなくて・・・」

神様「・・・オッケ。 了解・・・」

少女「なんかすみません・・・」

神様「わ、私たちずっとここでウダウダしてるから心配しないで」アハハ

少女「そうして頂けると助かります。 それでは」スタスタ

190 ◆8YCWQhLlF2:2020/04/29(水) 04:45:48 ID:4hSEygD6


 シーン


神使「神様、この後はどうされますか?」

神様「ガサ入れ?」

神使「それは・・・ あまり気が乗りませんが」

神様「じゃあ気分転換に外にでも行ってみますか」

神使「お散歩ですか?」

神様「情報収集だよ」

191 ◆8YCWQhLlF2:2020/04/29(水) 04:47:21 ID:4hSEygD6


――― 田舎道


神様「しかし、本当に何もない村だな」トテトテ

神使「長閑で良いところじゃないですか」テクテク

神様「おっ、野生の爺さん発見」

爺さん「んぁ?」

神使「おはようございます。 精が出ますね」

爺さん「おんや? 二人とも見かけん顔じゃな」

神使「私たち継々神社の方へ用事がありまして」

爺さん「お〜 少女ちゃんの所かえ」

192 ◆8YCWQhLlF2:2020/04/29(水) 04:48:09 ID:4hSEygD6

神様「爺さん、それなに育ててるの?」

神使「アサガオ・・・ でしょうか? とても綺麗ですね」

爺さん「これから神社に奉納するんじゃよ」

神様「ふ〜ん」

爺さん「神社があるのは逆側じゃぞ?」

神使「ご挨拶は済ませまして、暇なので村を散歩していたところです」

爺さん「そーか。 めんこい子じゃろ、村自慢の巫女様じゃ」

神様「少女ちゃんって生まれはこの村?」

爺さん「んぁ〜 そうじゃな」

193 ◆8YCWQhLlF2:2020/04/29(水) 04:48:47 ID:4hSEygD6

神様「中学生とは思えないほどしっかりしてるんだけど、あの性格って昔から?」

爺さん「んぁ〜 昔からあんな感じじゃった気がするのぉ」

神様「巫女はいつからやってんの?」

爺さん「いつからじゃったかの〜 もうずっとじゃ」

神様「前の巫女は?」

爺さん「前? 前〜・・・ はて、誰じゃったかのぉ」

神使「少女さんのご両親、お母様ではないのですか?」

爺さん「両親?」

神使「早くにお亡くなりになったと少女さんから伺いましたが」

爺さん「んぁ〜 両親・・・ そういえば少女ちゃんはいつから一人じゃったかのぉ〜?」

194 ◆8YCWQhLlF2:2020/04/29(水) 04:49:38 ID:4hSEygD6

神様「もう一個だけ教えて。 少女ちゃんが友達と遊んでいるの見たことある?」

爺さん「あの子にゃ同学年の子はいないで。 中学生は少女ちゃんだけじゃ」

神様「そうなんだ」

爺さん「じゃが、随分昔は仲の良い同級生と毎日のように遊んでおった気もするのぉ〜」

神使「小学生の頃とかでしょうか?」

爺さん「んぁ〜 いつじゃったかのぉ〜」

神様「なるほどね。 あんがと」

爺さん「この辺は日が落ちると真っ暗になるけぇ、早く帰るんじゃぞ」テクテク


神使「年のせいでしょうか? 話の内容が混乱していたような・・・」

神様「そうかな?」

神使「?」

神様「これ、ちょっとヤバいんじゃね」

195 ◆8YCWQhLlF2:2020/05/02(土) 01:48:28 ID:H7JdC4ZM

――― 継々神社・客間


神様「・・・・・・」

神使「さっきから何を考えているんですか?」

神様「ん〜 分かった」

神使「?」

神様「私もそう思う。 たぶん大丈夫だ」

神使「神様?」

神様「姿を現しても良いぞ」


 ?『それでは、失礼いたします』スー


神使「!?」

196 ◆8YCWQhLlF2:2020/05/02(土) 01:49:28 ID:H7JdC4ZM

神様「大丈夫、コイツは忍神。 私たち側」

忍神「ご挨拶遅れました、神使殿」ペコリ

神使「忍神・・・ 様?」

忍神「神様機構、諜報室の忍神と申します」

神使「諜報室!? 噂では聞いたことがありますが、本当に存在していたんですね・・・」

神様「まぁトップシークレットだしね〜」

忍神「私は、2年ほど前からこの神社で隠密の諜報活動をしております」

神使「そんなに前から・・・ 神様の指示でしょうか?」

神様「流石だろ。 私の手回しの早さを褒め称え、そして牡蠣を献上せよ!」ウヒャヒャ

忍神「私は60年ほど前から神様には進言しておりましたが・・・」

神様「ウヒャ・・・」ギクッ


神使「・・・・・・」ジトー

神様「・・・・・・」プイッ

197 ◆8YCWQhLlF2:2020/05/02(土) 01:50:17 ID:H7JdC4ZM

忍神「先程声を掛けるまで、私の存在にすら気付いていなかったようでしたが?」ズイッ

神様「・・・顔、近いっすね」


神使「神様・・・ 流石の私もドン引きなんですが・・・」

神様「ほ、ほら私も色々忙しいから」アハハ

神使「そんな理由で忍神様の助言を60年も放置したんですか?」

神様「いや、でもちゃんと諜報活動の許可は出てるって事で」ハハハ

忍神「結局長官さん経由での諜報任務ですが?」

神様「うん。 謝罪しますので、この場は何卒穏便に願います」ドゲザ

198 ◆8YCWQhLlF2:2020/05/02(土) 01:51:12 ID:H7JdC4ZM

神使「でも、どうしてこの神社が諜報対象に?」

神様「あれは、私がまだ幼かった頃―――」

神使「忍神様はどうしてこちらの神社をお調べになっているんですか?」

神様「・・・・・・」

忍神「元々、この地は神が入ることが許されない禁足地でした」

神様・神使「え!?」

忍神「・・・・・・。 そのように申したのは神様ではないのですか?」

神様「は!? そんな事いつ言った!?」

忍神「私は別の神経由で聞いたので。 神様が何千年も前に仰ったと」

神様「マジかよ! なんで?」

忍神「さぁ、私には・・・」

神様「全然記憶にないんだけど」

199 ◆8YCWQhLlF2:2020/05/02(土) 01:52:11 ID:H7JdC4ZM

神使「取りあえずその話は置いておきましょう」

神様「置いておいてもOK?」

神使「思い出せないようでしたら、後で良い薬がありますから試してみましょう」

神様「薬ってポラギノール的な? 私のお尻を狙うなんて神使君のへ・ん・た・い」

忍神「でしたら、私もかなり効く薬を持っておりますので」

神様「いや・・・ お前のはマズいだろ・・・」

忍神「ご安心を。 吹矢で一刺し、即効性です」

神様「・・・それって薬か? 日本薬局方にちゃんと載ってる?」

200 ◆8YCWQhLlF2:2020/05/02(土) 01:52:56 ID:H7JdC4ZM

神使「忍神様、話の続きをお伺いしてもよろしいでしょうか」

忍神「今から60年程前、特殊な歪みを感じたと近くの管理神から報告がありました」

神使「歪み?」

忍神「正体は不明。 それ以降、毎年決まった日に歪みを検出しています」

神使「決まった日って、まさか」

忍神「お察しの通り、この村の神事とされる日と一致します」

神使「神様、お心当たりは?」

神様「ない。 いや、今必死に思い出してるから吹矢はちょっと待って」

201 ◆8YCWQhLlF2:2020/05/02(土) 01:53:44 ID:H7JdC4ZM

神使「その神事と今回の件は何か関係があるのでしょうか?」

忍神「お二人も感じたかと思いますが、私達と少女さん以外に何者かの気配を感じます」

神使「確かに感じましたが、私が感じたのは忍神様の気配では?」

忍神「別のものかと思います」

神使「他にも誰かいるのですか?」

神様「気配は2つあるな」

神使「え!? あと二人も正体が分からない何かがいるって事ですか?」

忍神「一つは人の物。 この神社を監視している男がいます」

202 ◆8YCWQhLlF2:2020/05/02(土) 01:54:25 ID:H7JdC4ZM

神様「少女ちゃんはそれを?」

忍神「気付いております」

神様「なるほど。 日本刀・・・ か」

忍神「何度か刀を振りかざしながら、追い返している姿を確認しました」

神様「私がバス停で感じた気配はそいつだな。 で、その男の目的は?」

忍神「十中八九、この神社の宝物を狙っているのではないかと」

神使「宝物?」

忍神「太古の土器のようです」

神様「土器か〜 土器は興味ないなぁ」

神使「神様の興味は関係ございません」

神様「いや、経験上さぁ土器ってどこも買い取ってくれないんだよ」

203 ◆8YCWQhLlF2:2020/05/02(土) 01:55:02 ID:H7JdC4ZM

神使「・・・その土器というのは何か特殊な由来でもあるのでしょうか?」

忍神「神体クラスではありますが学術的価値はそれほど高くはないと思われます」

神様「ほらね」

忍神「ただ・・・ 少し変といいますか、気になる点がありまして」

神様「お前が曖昧な表現になるなんて珍しいな」

忍神「昨年はその土器は無かったのですが、今年は存在しているようです」

神使「どういう事でしょうか?」

忍神「ある日を境に土器が出現しました」

神様「パードゥン?」

忍神「今思えば、昨年本殿裏でその欠片を見たような気がいたします」

204 ◆8YCWQhLlF2:2020/05/02(土) 01:55:54 ID:H7JdC4ZM

神使「・・・つまり、去年は粉々だったけど今年は復活していると?」

忍神「確証はございませんが」

神様「イミフなんだけど・・・ 頭大丈夫?」

忍神「ある日を境に、突如土器が出現したのは事実でございます」

神使「もしかして・・・」

忍神「はい、神事とされる日です」

神様「またそれかよ・・・ 神事で何が起こってんだ?」

忍神「正確な報告には相当な時間を要するかと思われます」

神使「確かにその神事がトリガーになっているとしたら、1年に一度だけしか調べるチャンスがないですからね・・・」

205 ◆8YCWQhLlF2:2020/05/02(土) 01:56:33 ID:H7JdC4ZM

神様「もう一つの気配の方は?」

神使「少女さんには見えて、私達には見えない何か・・・ ですね?」

忍神「仰る通り」

神様「少女ちゃんがそれと喋ったりしている光景は見たのか?」

忍神「独り言のような感じでボソボソしているのは遠巻きで確認しております」

神様「会話の内容は?」

忍神「接近は避けておりますので」

神使「確かに感づかれると隠密活動が台無しになってしまいますからね」

忍神「私も相手が見えない分、余計慎重にならざるを得ず・・・」

神様「まぁ、相手さんは忍神の存在には気付いているだろうな」

忍神「私もそう思います。 会話は私が近づけない場所で行っている印象を受けましたので」

神様「両者監視の元での我慢比べ大会か・・・」

神使「どちらかが動く必要がある訳ですね」

206 ◆8YCWQhLlF2:2020/05/02(土) 01:57:24 ID:H7JdC4ZM

神様「他に気になる点は?」

忍神「実は・・・ こちらが一番不可解でして、少女さんは現在中学2年生なんです」

神様「若干大人びた感じはするけど、何も不審な点はないだろ」

忍神「去年も中学2年生でした」

神様「留年? 少女ちゃんてそんなに頭悪いの?」

神使「流石に中学で留年は無いのでは・・・ まさか、成長していないと?」

忍神「成長はしているようですが、神事の日を境に・・・ 少女さんだけが1年戻っています」

神様「村人の方は?」

忍神「特に影響は感じられません」

神使「村の人が気付かないなんて事あり得るんでしょうか?」

207 ◆8YCWQhLlF2:2020/05/02(土) 01:57:59 ID:H7JdC4ZM

神様「忍神さぁ、その日に何か感じなかった? 特に匂いとか」

忍神「匂いですか?」

神様「そう、お香とか甘ったるい匂いとか・・・ 煙たいとかそんな感じの」

忍神「そうですね、1年前ですので・・・ あっ、でも強烈な眠気を感じました」

神使「眠気?」

忍神「疲れがたまっていたのかと思いますが、少し異常とも思える眠気でした」

神様「・・・・・・」

208 ◆8YCWQhLlF2:2020/05/02(土) 01:58:38 ID:H7JdC4ZM

神使「やはり神事を見てみないと手の出しようがありませんね」

神様「忍神以外に私達まで参加したんだぞ? たぶん早々に行動してくるはずだ」

忍神「やはり私達の方から先に仕掛けるべきかと」

神使「神事まであと2日しかありませんね」

神様「そうだなぁ〜・・・・・・ ん?」

忍神「少女さんが学校から戻ってきたようですね」

神様「一旦解散だ」

忍神「はい」

神様「それと神使、忍神」

神使・忍神「何でしょう」

神様「吹矢だけはちょっと待って下さい!!」ドゲザ

209 ◆8YCWQhLlF2:2020/05/02(土) 01:59:17 ID:H7JdC4ZM

――― 社務所前


少女「・・・フッ」ニヤッ

少女「えぇ、分かってる」

少女「・・・そうね、予定通り今夜決行するわ」

少女「私達が先に・・・」


少女「殺してやる」キッ

210以下、名無しが深夜にお送りします:2020/05/02(土) 20:30:37 ID:ya1OJ1L.
逃げろ

211 ◆8YCWQhLlF2:2020/05/04(月) 13:46:25 ID:RBp42AdM

――― 夜・居間


神様「この煮物美味しい」モグモグ

少女「味、濃くなかったですか?」

神様「丁度良い。 私の好きな味」

神使「少女さんはお料理がお上手ですね」

少女「一人暮らしが長いので」

神使「いつからお一人で生活を?」

少女「そうですね・・・ もう60年くらいでしょうか」

神様・神使「・・・・・・」

212 ◆8YCWQhLlF2:2020/05/04(月) 13:47:21 ID:RBp42AdM

少女「冗談ですよ」フフフ

神様「・・・この神社って建立はいつ位なの?」

少女「私も社の成り立ちは詳しく知らないですが、相当古くからあるようです」

神様「変わった作りの神社だよね」

少女「ここ以外で同じ作りの社は存在しないと聞いたことがあります」

神様「へ〜」モグモグ


少女「ご飯よそりましょうか?」

神様「うん。 重めでお願い」

神使「重めって・・・ 少しは遠慮してくださいよ神様・・・」

213 ◆8YCWQhLlF2:2020/05/04(月) 13:48:12 ID:RBp42AdM

――― 客間


神様「・・・・・・」

神使「どうされたんですか? 神様」

神様「気になることがある」

神使「体重ですか?」

神様「ちげーよクソ犬」ゲシッ

神使「痛っ! では何が気になるんです?」

神様「ここって何?」

神使「神社・・・ 継々神社ですね」

神様「本当に?」

214 ◆8YCWQhLlF2:2020/05/04(月) 13:49:11 ID:RBp42AdM

神使「どういう意味です?」

神様「ここの正式名称って“つぎはぎのもりもり”だろ?」

神使「“つぐつぐのやしろのりょういき”です。 何一つ合っていませんが・・・」

神様「○○神社とか、大社とか宮とかではないんだよなぁ」

神使「そう言われれば、少し特殊ですね」

神様「社号でなくて俗称って線もあるけど、ちょっと名称が変なんだよ」

神使「しかし、どう見ても神社形式だと思いますが。 神宮にも登録されていますし」

神様「継々神社ってのは神宮が勝手に付けた称号じゃないのか?」

神使「可能性はありますが、それが何か?」

215 ◆8YCWQhLlF2:2020/05/04(月) 13:49:45 ID:RBp42AdM

神様「少女ちゃん一回もここの事を“神社”って言っていないんだよ」

神使「え?」

神様「もしかして、私たちが根本的に勘違いをしているんじゃ・・・」

神使「根本?」

神様「・・・・・・。 もう一つ、重要なことがある」

神使「何でしょう」

神様「隙間風が気になる。 寒くて寝られない」

神使「古い建物ですし・・・ それは我慢しましょう」

神様「う〜ん・・・」ゴロゴロ

216 ◆8YCWQhLlF2:2020/05/04(月) 13:50:31 ID:RBp42AdM

神使「あっ、神様また服を脱ぎっぱなしにして・・・ シワになってるじゃないですか」

神様「お前の布団の下に敷いておけば朝にはピシッとなるだろ」

神使「全く、私が寝相悪かったらどうするんですか・・・」

神様「私はシワシワでも気にならないけど」

神使「私が気になるんです。 あれ?」

神様「何々? ポッケにお金でも入ってた? それ、私のだから寄越せよ」ガバッ

神使「そんな物入ってませんよ・・・ それより、この壁見て下さい」

神様「あ? 何その穴」

神使「覗くと外が見えます」

神様「隙間風はそこから入っていたのか。 荷物置いて塞いでおけよ」

217 ◆8YCWQhLlF2:2020/05/04(月) 13:51:17 ID:RBp42AdM

神使「あっ、少女さん」

神様「どこ?」キョロキョロ

神使「外です。 この穴から本殿の裏手にいる少女さんが見えます」

神様「こんな時間に掃除か? ってか覗きかよ・・・」

神使「大量のアサガオを運んでいるようですね。 手伝いに行きましょうか」

神様「そういえば野生の爺さんが奉納するとか言っていたな」

神使「・・・・・・」

神様「どした?」

神使「少し遠くてよく分かりませんが、作業しながら誰かと話をしているようで・・・」

神様「・・・・・・。 ちょっと変われ」

神使「どうぞ」

神様「ん〜・・・」ジー

218以下、名無しが深夜にお送りします:2020/05/04(月) 22:33:20 ID:kBNx5tVI
本当にヤバそう

219 ◆8YCWQhLlF2:2020/05/05(火) 22:22:30 ID:dRZoMmQw

――― 本殿裏


少女「うるさいなぁ、 何をそんなに怒っているのよ。 ちょっと小休止よ」グビッ

少女「・・・お酒くらい良いじゃない。 相変わらず面倒くさいなぁ」

少女「・・・そう? 私はイレギュラーな展開は大歓迎。 あなたは違うの?」フッ


神様「疲れを取るなら酒より睡眠! 食べて寝て、また食べて寝る!!」


少女「!?」クルッ

神様「中学生にお酒はまだ早いと思うなぁ〜」トテトテ

少女「こ、これは紅茶です! っていうかいつからそこに!?」

220 ◆8YCWQhLlF2:2020/05/05(火) 22:23:06 ID:dRZoMmQw

神様「少女ちゃんって普段はそんな大人な喋り方だったんだ〜」

少女「・・・・・・」

神様「何ていうか別人だよねぇ〜 でも、私は猫かぶり少女ちゃんも性格すり切れ少女ちゃんも両方好き」

少女「す、すり切れ!?」

神様「今、誰とお話ししてたの?」

少女「・・・私は見ての通り一人ですが」

神様「まぁいいや。 トイレってどこだっけ」

少女「神ちゃん様達のお部屋の真ん前です・・・」

神様「そういえばそうだった、あんがと」タッタッタッ


少女「・・・・・・」

221 ◆8YCWQhLlF2:2020/05/05(火) 22:23:47 ID:dRZoMmQw

――― 客間


神様「ただいま〜」

神使「いかがでしたか?」

神様「モリモリ出たね。 もうすんごい量」

神使「それは聞いておりません。 少女さんの方です」

神様「忍神、もし居るなら気配だけ出せ」


ポワッ


神様「居るようだな。 話だけ聞いてろ」

222 ◆8YCWQhLlF2:2020/05/05(火) 22:24:21 ID:dRZoMmQw

神使「こちらから先に動くのですか?」

神様「さっき仕掛けた。 いや仕掛けられたのかも知れないけど・・・ 近いうち動きがあるぞ」

神使「作戦は?」

神様「ない」

神使・忍神「・・・・・・」

神様「いや、どう出てくるのか分からないし。 まぁすぐ行動できるようにしておけ」

神使「分かりました」

神様「明日は忙しくなるぞ〜」

223 ◆8YCWQhLlF2:2020/05/05(火) 22:25:02 ID:dRZoMmQw

――― 深夜・寝室


モクモク


神様「・・・・・・」

神使「Zzz」スヤスヤ

神様「犬ころ、起きられるか?」

神使「Zzz」スヤスヤ

神様「・・・・・・。 忍神は意識あるか?」


シーン


神様「だいぶ強めに焚いてるみたいだし、無理か」ハァ

神様「忍神まで落とすなんてどんな調合だよ・・・ 仕方ない、私一人で行きますかね」

224 ◆8YCWQhLlF2:2020/05/05(火) 22:25:40 ID:dRZoMmQw

――― 本殿裏


少女「・・・・・・。 分かったわ、あなたが物音を立てたら突っ込む」

少女「大丈夫よ、覚悟は出来てる。 準備して」

少女「絶対に・・・ 絶対に殺してやる」シャキン


 神様「あれ〜 少女ちゃん、日本刀なんか持って何してるの〜?」トテトテ


少女「!?」クルッ

神様「お〜こわっ、そんな怖い顔見たら流石の私でもブルッちゃうよ」

少女「あなた・・・ どうしてここに・・・」キッ

225 ◆8YCWQhLlF2:2020/05/05(火) 22:26:17 ID:dRZoMmQw

神様「チョウセンアサガオで眠らせたと思った? あとでこっそり調合教えてよ」

少女「・・・・・・」

神様「まぁ私以外はグッスリだけど」ウヒャヒャ

少女「ちょ、大きな声を出さないで」


 盗人「!? ちっ、感づかれたか」タッタッタッ


少女「あっ!」クルッ

神様「おや、こんな遅くに参拝者かな?」

226 ◆8YCWQhLlF2:2020/05/05(火) 22:26:50 ID:dRZoMmQw

少女「待ちなさい! 逃がさな―――」

神様「追いつかないよ」グイッ

少女「離して! あいつを殺さないと!!」

神様「・・・・・・。 そんな事聞いたら余計離せないって」

少女「!」クッ

神様「歳のわりに良い目つきだ。 中学生には出せない重みがある」

少女「・・・・・・」

神様「おい、もう一人・・・ って言って良いのか分からんが誰かいるんだろ?」


 シーン


神様「この状況でも出てこないのか」ハァ

少女「・・・・・・」

227 ◆8YCWQhLlF2:2020/05/05(火) 22:27:35 ID:dRZoMmQw

神様「詳しい話をして欲しい」

少女「あなたに話しても信じてもらえないわ」

神様「そうかな? これでも結構その手の話には造詣が深いんだけど」

少女「今更話したところで・・・ もう、手遅れよ」

神様「じゃぁ、私から先に話をしよう」

少女「一人にして。 今はあなたと話をする気力は無いの」

神様「だったら、何で私達を招き入れたの?」

少女「え?」

神様「邪魔だったら泊めてくれるはずないよね? 普通は追い返す」

少女「・・・・・・」

228 ◆8YCWQhLlF2:2020/05/05(火) 22:28:33 ID:dRZoMmQw

神様「さっきだって、私に気付かれるような所で話をしてた」

少女「それは・・・ たまたま油断して―――」

神様「嘘だね。 うちの諜報が2年監視してても隙を見せなかったくせに」

少女「・・・・・・」

神様「私は神宮の神、この国で最高神の役を司っている」

少女「神?」

神様「神の存在は信じない口? んな訳ないよね?」

少女「そうね。 流石神宮の神さま、話の持っていき方が上手いわ」

神様「お褒めにあずかり至極光栄だね」

少女「そんな事思ってもないくせに」フッ

神様「お互い様。 じゃ本題、詳しい話を聞かせて欲しい」

少女「・・・・・・」

229 ◆8YCWQhLlF2:2020/05/05(火) 22:29:09 ID:dRZoMmQw

神様「たぶん私達は少女ちゃんの力になれる。 だから―――」

少女「・・・少し黙っててちょうだい」

神様「?」

少女「ごめんなさい、あなたに言ったんじゃないわ」

神様「可能なら、少女ちゃんの意思で話して欲しい」


少女「私・・・ 明日の夜に―――」

230 ◆8YCWQhLlF2:2020/05/06(水) 17:54:23 ID:D9Lav2yM

――― 寝室


神使「Zzz」スヤスヤ


 バンッ


神様「起床!!」ゲシゲシッ

神使「痛っ! 痛たた!!」


神様「敵襲!! 夜討だー!!」

忍神「何? 夜討!? 敵はどこだ!!」ハッ


神様「二人ともやっと起きたか」

神使・忍神「神様?」

神様「話がある。 付いてこい」トテトテ

神使・忍神「?」

231 ◆8YCWQhLlF2:2020/05/06(水) 17:55:57 ID:D9Lav2yM

――― 本殿前


神使「こんな所に連れてきて何があるんです?」

忍神「私は姿を現していても大丈夫なのでしょうか?」

神様「大丈夫。 お、居たいた」

神使「あれは・・・」

神様「お待たせ」トテトテ


少女「・・・・・・」クルッ


神使「少女さん?」

232 ◆8YCWQhLlF2:2020/05/06(水) 17:56:34 ID:D9Lav2yM

少女「こんばんは、神使さん。 それと・・・」

神様「紹介する。 こいつは忍神」

忍神「こうしてご挨拶するのは初めてになります。 忍神と申します」

少女「そう、あなたが。 初めまして忍神さん」フフッ

神使「少女さんの雰囲気がいつもと違う気がしますが・・・」

少女「どっちが本当かなんて忘れちゃったけど、こっちの方がしっくりくるわ」

神様「見た目とのギャップが萌え萌えで良いねぇ〜」

神使「あの・・・ これは一体・・・」

少女「私からも、もう一人紹介します」

神使「もう一人って、まさか・・・」

神様「どこにいるのかなぁ?」キョロキョロ

233 ◆8YCWQhLlF2:2020/05/06(水) 17:57:06 ID:D9Lav2yM

少女「あの子は、私以外に見ることが出来ないの。 だから私を媒介にするわ」

神様「媒介?」

少女「あの子と一時的に入れ替わる」

忍神「そんな事が・・・」

少女「入れ替わっている間は私の記憶が飛ぶ。 もし、私に戻す場合は3回手を叩いて」

神様「3回拍手をすれば良いって事?」

少女「そうよ。 じゃぁ入れ替わるわ」パンッ パンッ パンッ


 ポワッ


少女「」ガクッ

神様「入れ替わった・・・ のか?」

234 ◆8YCWQhLlF2:2020/05/06(水) 17:57:46 ID:D9Lav2yM

少女「・・・・・・」キッ

忍神「瞳が赤く・・・」ゴクリ

神使「失礼ですがあなた様は・・・」

少女「我に言葉を発するなど無礼にも程があるぞ貴様」ギロッ

神使「・・・・・・」

神様「お前は・・・」

少女「久しいな」ニヤッ

神様「・・・・・・」

少女「言葉も出ぬか。 まぁそれも仕方の無いこと、我を前にして―――」

神様「」パン パン パン

少女「ちょ、おま―――」


 ポワ ポワッ

235 ◆8YCWQhLlF2:2020/05/06(水) 17:58:24 ID:D9Lav2yM


少女「・・・ん・・・。 あの子と話は出来た?」

神使「ちょっと神様! 何で戻してしまったんですか!?」

神様「いや、だって生意気だったから」

神使「すいません少女さん。 まだ何も話しておらず・・・

少女「・・・・・・。 まぁ理由は大体察しが付くけど」

神様「すっげー嫌な感じだったんだけど、なにアイツ」

少女「あの子、いま神ちゃんさんを全力で蹴りまくっていますよ?」フフッ

神様「え〜・・・ マジかよ」

少女「あの子だと余計に話がこんがらがりそうだし、私から触りを話すわ」

236 ◆8YCWQhLlF2:2020/05/06(水) 21:49:04 ID:D9Lav2yM

――― 本殿内


神使「人守様?」

少女「本当はどういう名称だったか今となっては分からないけど」

神様「それって少女ちゃんしか認識できないの?」

少女「この子は私専用。 一人に対して一人の人守が付いていたそうよ」

神使「いた、という事は・・・」

少女「今は私だけみたいだけど」

神様「背後霊みたいのもの?」

少女「あの子が一番嫌っている呼び名だけど、簡単に言えばそうね」クスッ

237 ◆8YCWQhLlF2:2020/05/06(水) 21:50:32 ID:D9Lav2yM

忍神「神様はご存じで?」

神様「ん〜・・・ 私もそんな存在は初耳だなぁ」

少女「嘘つけこの女、耳齧るぞ! ってツグが叫んでるわ」

神使「ツグ?」

少女「さっき私を介して会った子よ。 本名は継姫って言うらしいけど、ツグで良いわ」

神使「継々神社でツグ様ですか・・・」

少女「“様”なんて付けるほど立派じゃな――― ちょっと、耳元で大声出さないでよ」シッシッ

神様「ツグちゃ〜ん、おイタしちゃダメよ〜」

神使「神様、あまりちょっかい出してはダメですよ」

神様「へいへい。 んじゃ聞きましょうか、特に少女ちゃんが明日殺されるって言う件を詳しく」

神使・忍神「え!?」

238 ◆8YCWQhLlF2:2020/05/06(水) 21:51:36 ID:D9Lav2yM

少女「私の家系は、代々ツグのような人守をもつ家だった」

神使「それが、この神社の巫女の勤めということですね?」

少女「その言い方は遠慮してもらえると助かるわ」

神使「?」

少女「私は何とも思っていないんだけど、ツグが嫌がるの」

神様「神社」

忍神「どういう事でしょうか」

神様「ここは神社じゃないんでしょ?」

少女「そうね。 ここには神なんかいないし、ご神体も無いから」

神使「しかし、本殿や鳥居も・・・ 社務所もあるようですが」

239 ◆8YCWQhLlF2:2020/05/06(水) 21:52:35 ID:D9Lav2yM

神様「時代の流れで一緒くたにされたんだろ」

忍神「失礼ながら、ツグ様は神とは違うのですか?」

少女「さぁ、ツグは一緒にされるのは嫌みたいね」

神使「ではどうして神社の形式に?」

少女「色々あってね。 神宮の管理下にしておいた方がこっちも助かるの」

神様「背に腹は代えられないって事か」

神使「?」

240 ◆8YCWQhLlF2:2020/05/06(水) 21:53:15 ID:D9Lav2yM

神様「毎年登記書類が提出されたって事は、神宮から補助金が支給されてる」

忍神「なるほど。 確かに神宮に運営困難神社補助制度がございますね」

少女「これでも維持にはお金がかかるの。 未成年である私の生活もあるし」

神様「わかる。 分かるよ、働かずもらうお金ほどありがたい物はないし」

神使「少女さんは中学生だから働けないだけです。 神様の不純な考えと一緒にしないで下さい」

忍神「しかし、よく今まで神宮にバレませんでしたね」

少女「こんな田舎の末端まで調べてたら切りが無いんじゃないかしら」

神様「まぁ今年は気付かれたみたいだけど」

少女「構わないわ。 私の命も明日で終わりだしね」フッ

241 ◆8YCWQhLlF2:2020/05/06(水) 21:54:51 ID:D9Lav2yM

神使「先程、その・・・ 少女さんが殺されると仰っていましたが」

少女「えぇ。 私は明日殺される」

神使「一体誰に?」

少女「この社にある土器を盗もうとしている男よ」

神使「そんな・・・ でも、何故そんな事が分かるんですか?」

少女「だって、もう60回も殺されてるんだもん」

神使「え・・・」

少女「何度繰り返してもダメだった・・・ 土器を予め壊しても、私がこの地を離れても・・・」

242 ◆8YCWQhLlF2:2020/05/06(水) 21:55:29 ID:D9Lav2yM

少女「必ず私はあの男に殺される・・・」

神様「そのツグとか言うヤツがその度に時間を戻しているって事?」

少女「そう。ツグの力で私が死んだ後に1年戻してくれているわ」

忍神「そんな事が・・・ 神である私達でさえ人の死は戻すことが出来ないのに・・・」

神様「・・・・・・。 ちょっとツグちゃんと話がしたいな」

少女「もう一度変わりましょうか?」

神様「いや、少女ちゃんも同伴で」

少女「でも、どうやって・・・」

神様「土器はある?」

243 ◆8YCWQhLlF2:2020/05/06(水) 21:56:09 ID:D9Lav2yM

少女「土器ならその隅っこに転がっているわ」

神様「あ〜 あれね・・・」

神使「扱いがあんまりですね・・・」

少女「何度もあれで殺されているし、正直あまり見たくないの」

神使「確かにそうですよね。 軽率な発言失礼しました」

少女「気にしないで。 はい、これが土器よ」スッ

神使「見たところ普通の土器のようですね」

忍神「特に神力が溜っているような事もございません」

神様「好都合だ。 忍神ちょっと手を出して私の手を握ってくれ」

忍神「?」

244 ◆8YCWQhLlF2:2020/05/06(水) 21:56:54 ID:D9Lav2yM

神様「お前の力が必要だ」キリッ

忍神「仰せのままに」スッ

神様「んじゃ、歯を食いしばって」ギュ

忍神「?」

神使「この流れはまさか・・・」

忍神「一体何をなさるつもりで―― ウギャギャギャー!!」


ポワポワ


神様「お前って結構神力持ってるのな。 頑張れ〜」

245 ◆8YCWQhLlF2:2020/05/06(水) 21:57:45 ID:D9Lav2yM

忍神「ウギャギャギャー!!」

神様「男を見せろ、お前なら出来る。 もっとだ、もっと土器に力を!」


ポワポワ


神様「よしっ」

忍神「ふへっ・・・」フラフラ

神様「あっ、ごめん。 ちょっと取り過ぎちゃった」テヘッ!

忍神「・・・・・・」バタリ

246以下、名無しが深夜にお送りします:2020/05/07(木) 19:52:35 ID:URKiWvQg
忍神ちゃんかわいそう

247 ◆8YCWQhLlF2:2020/05/08(金) 22:13:02 ID:.WD6eC8k

――― 本殿前


神使「忍神様は本殿に置いたままで大丈夫でしょうか・・・」

神様「放っておけばすぐ回復するだろ。 アイツ忍びだし」

神使「神様の忍びのイメージってどうなっているんです?」

神様「そんな事より、サッサと始めるぞ」

少女「これから一体何をするの?」

神様「ツグちゃんを見えるようにする」

少女「ツグを?」

248 ◆8YCWQhLlF2:2020/05/08(金) 22:13:52 ID:.WD6eC8k

神様「この土器を一時的に神体にして神力を入れた」

神使「なるほど、その神力を継姫様が取り込むという事ですね?」

少女「さっきの拷問はそういう事・・・」

神様「拷問じゃないよ? 儀式」

少女「・・・物は言いようね」

神様「ツグちゃ〜ん、良い子だからこの神力をたんとお食べ〜」

神使「少女さん、継姫様のご様子は?」

少女「もの凄い勢いで拒絶してるわ」

神様「根性ねーな。 怖いんでちゅか〜」ベロベロ

神使「神様、あまり挑発しないで下さい」

少女「ツグ? 物は試し、やってみたらどう?」

249 ◆8YCWQhLlF2:2020/05/08(金) 22:14:49 ID:.WD6eC8k

神使「・・・・・・。どうですか?」

少女「ダメね」ハァ

神様「何かツグがノッて来る魔法の言葉ってないの?」

少女「・・・・・・。 ツグ? 言うこと聞いて実体化できたらチョコを沢山あげるわ」

神様「チョコ?」

少女「大好物なの。 まぁ食べられないから、いつもは匂いだけで我慢しているけど」

神様「私のピエーロマルコニーニを1個上げるぞ」

少女「・・・・・・。 全部寄越せですって」

神様「オッケーオッケ〜。 んじゃ神体の上に手をかざすように言って」

少女「もうかざしているわ」

神様「早いな・・・ よし、犬ころ私のお守り一つ出してくれ」

神使「お守りですか?」ゴソゴソ

250 ◆8YCWQhLlF2:2020/05/08(金) 22:15:38 ID:.WD6eC8k

神様「それを通して神力の波長を変換しながらツグに流し込む」

神使「そんな事出来るんですか?」

神様「知らないけど大丈夫だろ。 土器とツグの手の間に差し込む感じで持ってろ」

神使「継姫様の手が私には見えないのですが・・・」

少女「貸して。 私がやるわ」

神使「お手数おかけします。 よろしくお願いします」

神様「あっ、それは〜」

少女「私じゃダメだったかしら?」

神様「う〜ん・・・ 大丈夫、それで行こう。 少女ちゃんナイスアイデア!」グッ

少女「?」

251 ◆8YCWQhLlF2:2020/05/08(金) 22:16:09 ID:.WD6eC8k

神様「犬ころ、お守りもう一個もってる?」

神使「はい、ございますが」スッ

神様「こっちのお守りは少女ちゃんが握って持ってて」

少女「私が?」

神様「ただのお守りだから。 さっ位置について」


少女「・・・こんな感じで良いかしら?」

神様「グ〜。 んじゃいきますか」

252 ◆8YCWQhLlF2:2020/05/08(金) 22:16:54 ID:.WD6eC8k


神様「秘技、神力を移す何か良い感じの儀式!」


ポワポワ


神様「ツグの様子は?」

少女「・・・ツグって呼ぶなって騒いでます」

神様「大丈夫そうだな。 一気に行くから気を緩めるなよ〜」


神様「神力解放!」


ピカピカ


少女「くっ!」

神使「少女さん大丈夫ですか!?」

少女「ちょ、ツグ! 少し我慢しなさい! 私だって結構キツいんだから!」

神様「もう一息! 根性見せろ〜」

253 ◆8YCWQhLlF2:2020/05/08(金) 22:17:30 ID:.WD6eC8k


ピカピカ
バチバチッ


少女「うっ!」

神使「凄い光ですね。 目を開けていられません」

神様「あっ、目やられるからあんまり見るなよ」

神使「そういう事は先に言って下さい!」


シュー


神様「終わった。 目を開けて大丈夫」

少女「ん・・・ 何か不思議な感じが・・・ あっ」


継姫「・・・・・・」

254 ◆8YCWQhLlF2:2020/05/08(金) 22:18:15 ID:.WD6eC8k

神様「えっと・・・ 初めましてでオッケ?」

継姫「き、貴様・・・ さっきはよくも我を侮辱してくれたな・・・」ワナワナ


少女「すごい・・・ ツグがハッキリ見える・・・」

継姫「えっ? 本当也か!?」

神様「どうよ、私の実力は。 これが神宮きっての最強にかわゆい女神の力だナリ」ニヤッ

継姫「真似をするでない!」

神様「あれ? もしかして、ちょっとビビっちゃった? まぁ無理もない! 我の力を前に―――」

継姫「もー頭にきた也! 貴様を血祭りに上げてくれるわ!!」カッ

255 ◆8YCWQhLlF2:2020/05/08(金) 22:19:05 ID:.WD6eC8k


少女「ツグ!!」

 ゴツン

継姫「痛い! 痛い也ー!!」ジタバタ


少女「ダメよ、そんなに威張っちゃ」

継姫「うっ! うるさい! 彼奴とは決して相まみえる存在ではない也!」

少女「あの方は神宮の女神様なんでしょ? ツグよりも格上じゃないの」

継姫「ち、違うわ! 彼奴と我は全く別の存在であって―――」

神様「いや、本当に初対面で。 マジでどちら様です?」

継姫「この期に及んでまだそんな戯れ言を!」グヌヌ

神様「そ〜んな小学生みたいなかわゆい姿で言われても、ねぇ?」ニヤッ

少女「小学生」プッ

継姫「少女ー!」

256 ◆8YCWQhLlF2:2020/05/08(金) 22:19:53 ID:.WD6eC8k

神様「それに、随分と面白い格好をしてますなぁ」

継姫「我が装束をバカにする気か!」

神様「いや、それ私が卑弥呼してたときの時代くらいのヤツじゃね?」

継姫「貴様らが真似をしたのではないか! これは我らが先に考えたもの也!!」

神様「へー そうなんだー すごいねー」

継姫「もう完全に怒った也! 少女、此奴らをたたきのめす也や!」

少女「神ちゃんさんは最高神なんでしょ? ツグより偉いんじゃないの?」

継姫「我の方が先にこの地へ住み着いた也や! ヤツら一族は我よりも後に誕生した存在也!」

神使「え!?」

少女・神様「そうなの?」

継姫「あー! イラつく! イラつく也!!」ジタバタ


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