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神様「神様だっ!」 神使「神力ゼロですが・・・」 5社目
102
:
◆8YCWQhLlF2
:2019/12/17(火) 00:55:32 ID:9mWHxeq2
狐神「持っているのだろ? その時の剣を」
村人A「何でそれを・・・」
狐神「神に隠し事などできぬぞ?」
村人A「そ・・・ その鬼とやらを、俺がその剣で・・・ いや、無理だろ・・・」
狐神「私には見える。 お前が鬼を討つ姿が」
村人A「・・・・・・」
狐神「そして、村を救った英雄として絶対的な力を手に入れる姿が」
村人A「!?」
狐神「あの剣は特殊でな、鬼は近づくことすら出来ぬほど極端に嫌う」
村人A「そういう事か・・・ それで10年前あんな小さなガキが鬼を退治できた訳か」
狐神「理解が早いな」
村人A「で、でもアンタは何で俺にそんな事を?」
狐神「これでも私は神だ。 鬼の悪行をほおって置けないのでな」
村人A「・・・分かった。 乗るぜ、その計画」
狐神「良い選択だ」ニヤッ
103
:
◆8YCWQhLlF2
:2019/12/17(火) 00:56:09 ID:9mWHxeq2
●社務所
狐神「どう? 上手くいったと思うんだけど」スタスタ
神様「お前、結構良い演技するじゃん」
猫神「狐神ちゃんって昔からああいうの上手だよね〜」
神使「神の神秘さ、畏れが滲み出ていて感銘しました」
狐神「別に・・・ 神なんてああいうのが仕事みたいなものだし///」モニョモニョ
少女「あの人が、おにゅの神剣を・・・」
猫神「10年前、混乱の中でこっそり持ち去ったみたいだね〜」
神様「その神剣を本殿に戻せば、おにゅは帰ってくる」
狐神「少女ちゃん、覚悟は出来た?」
少女「はい。 おにゅに会えるなら何だってします」
猫神「全力でよろしくね〜」
少女「今度は、最後まで絶対に役を果たしてみせます」
神様「よし、作戦は明日の朝。 気合い入れて行くぞ!」
一同「オー!」
104
:
◆8YCWQhLlF2
:2019/12/17(火) 01:00:15 ID:9mWHxeq2
●翌日・村の中心街
村人達「キャー 助けてー!」
村人達「あぁ・・・ 村が・・・ 俺達の村が・・・」
ズドーン メラメラ
猫神「ニャーハハハッ! どうした人間共! 弱い! 弱すぎるぞ!!」
ズドーン ズドーン
猫神「我を止めぬと村が滅んでしまうぞ? まぁ、抵抗しようが時間稼ぎにもならぬがな」ニタァ
猫神「ニャーハハハッ! ほれほれ〜っ!」
ズドーン ズドーン
神様「あ、あいつ本当に神かよ・・・ あんなの誰も倒せないだろ・・・」ブルブル
狐神「ね、猫神・・・ 怖い・・・ 怖いよ」ブルブル
猫神「破壊とはなんと愉快なり! 逃げ惑え! 愚かな人間共!!」
猫神「さぁ、最初に喰われたいヤツは誰だ! ニャーハハハッ!!」
105
:
◆8YCWQhLlF2
:2019/12/17(火) 01:01:30 ID:9mWHxeq2
神使「・・・・・・」ブルッ
少女「あの・・・ あれって本当に演技なんでしょうか?」ガタガタ
神使「たぶん・・・ 本当の猫神様はとても優しい方だったと思いますので・・・」
少女「でも、予定外の所まで破壊している気がします・・・」
神使「取り壊し予定だった建物なのでは・・・」
神様「お前は本当の猫神の怖さを知らないからそんな事を言えるんだ・・・」ブルブル
狐神「あんなの止めるなんて自殺行為よ・・・」ブルブル
神使「少女さん、ファイトです」
少女「・・・・・・。 私、あの中に入るのはちょっと・・・」
神様「なぁ・・・ 中止して皆でおうち帰らない? あれ無理だって・・・」ブルブル
狐神「怖い・・・ 怖いよ」ブルブル
猫神「ニャーハハハッ!」
ズドーン ズドーン
106
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2019/12/18(水) 17:21:55 ID:77HF1gYQ
やばいがな
107
:
◆8YCWQhLlF2
:2019/12/18(水) 22:02:04 ID:SPwjGhC.
村人A「まて!」スタッ
猫神「あ?」ギロッ
村人A「!?」ビクッ
猫神「何だ〜お前? 喰われたいのかぁ?」ニタァ
村人A「そ、そんな口叩いていられるのも・・・ い、今だけだ」ブルブル
猫神「ニャーハッハッ! 足をガクつせて何を言っているのかなぁ?」
村人A「う、うるさい。 勝負だ!」ブルブル
猫神「ほぉ〜 お前が我の相手をすると申すか。 人の分際で我を相手にすると〜?」ニャハハハ
村人A「コレを見てもそんな事が言えるのか?」
スッ
猫神「そ、それは!」ピクッ
村人A「形勢逆転ってな」ニヤッ
猫神「何故それを・・・ それは神に選ばれし者しか扱えぬ剣」グヌヌ
村人A(へっ、どうやら本当にあの目狐の言った通りに事が進みそうだな)
108
:
◆8YCWQhLlF2
:2019/12/18(水) 22:02:49 ID:SPwjGhC.
ジリジリ
猫神「ま、待て! 望みは何だ! お前が望むなら私の右腕に―――」
村人A「だれが、アンタみたいな化物の仲間になんかなるかよ!」タッタッタッ
猫神「くっ! ここまでか〜」
村人A「おら〜 くたばりやがれ!!」
猫神「」ニヤッ
スッ
村人A「え?(消えた!?)」
猫神「後ろだよ〜」ボソッ
村人A「またかよ!」クルッ
パンッ
村人「ぐあっ!」ズサー
109
:
◆8YCWQhLlF2
:2019/12/18(水) 22:03:33 ID:SPwjGhC.
猫神「おめでとう〜 神に選ばれし者よ〜」
村人A「痛つつ・・・ 何ビンタなんかしてん―――」
パンッ
村人A「痛っ! てめぇ!」
パンッ
村人A「ふざけやがっ―――」
パンッ
村人A「ぐぁ! いい加減にし―――」
パンッ
村人A「おま―――」
パンッ
村人A「ぐっ!」ドサッ
猫神「倒れるのはまだ早いんじゃないの〜? 神の怒りに触れ神罰を受ける者よ」グイッ
村人A「うっ・・・」
パンッ パンッ パンッ パンッ
110
:
◆8YCWQhLlF2
:2019/12/18(水) 22:04:06 ID:SPwjGhC.
狐神「うわ・・・ 猫神、完全に切れてるわね」
神使「猫神様・・・」
神様「・・・・・・」
村人A「」ドサッ
猫神「この神剣は返してもらうわね〜 あなたのような者が触れて良いものではないから」
村人A「ぅっ・・・」
猫神「今回はこの位で勘弁してあげる〜」
村人A「・・・・・・」グッタリ
猫神「ただし〜 二度とこの地を踏むんじゃないぞ。 分かったな?」ギロッ
111
:
◆8YCWQhLlF2
:2019/12/18(水) 22:05:04 ID:SPwjGhC.
神使「」ブルッ
狐神「久しぶりに見たわね、猫神の本気」ゴクリ
神様「・・・・・・」
狐神「神ちゃん?」
神様「・・・・・・」
神使「あっ、これ神様失神してますね」
狐神「通りで静かだった訳ね・・・」
神様「」ジュワ〜
神使「神様・・・ 洗濯する方の身にもなって下さい」
狐神「少女ちゃん、怖いのは分かるけどそろそろ出番・・・ って」キョロキョロ
神使「あれ? 少女さんがいませんね」
狐神「まぁ、あんなの見せられちゃ無理もないか・・・」ハァ
112
:
◆8YCWQhLlF2
:2019/12/18(水) 22:05:46 ID:SPwjGhC.
猫神「さ〜て、次は誰が私の相手をしてくれるんだ〜い?」
少女「私がお相手いたします」ザッ
猫神「へぇ〜 その格好はこの村の巫女さんかなぁ〜?」
少女「あなたに名乗る必要はありません」キッ
猫神「ほぉ〜 若くて美味そうだ」ニヤッ
少女(怖い・・・)ゴクリ
113
:
◆8YCWQhLlF2
:2019/12/18(水) 22:06:20 ID:SPwjGhC.
狐神「へぇ、やるじゃんあの子」
神使「とても凜々しいですね」
村人「おい、あれは・・・」
村人「まさか、少女ちゃんか?」
村人「少女ちゃーん! また村を守ってくれー!」
村人「そうだー! やっぱり鬼遊神社の巫女さんはこの村の守り神だー!」
狐神「随分と勝手なものよね」
神使「少女さんへあれだけの仕打ちをしておきながら・・・」
狐神「でも、少女ちゃんよく耐えてるわね」
神様「・・・・・・」
村人「そんな鬼なんかその剣で一突きにしてしまえー!」
村人「あの時みたいに格好良く頼むぞー!」
114
:
◆8YCWQhLlF2
:2019/12/18(水) 22:07:02 ID:SPwjGhC.
少女「うるさいな・・・」ボソッ
村人達「・・・・・・」
少女「」ジリジリ
狐神「さぁどうした、人の子よ。 怖くて踏み出せぬか?」
少女「・・・・・・」ゲシッ ゲシッ
村人A「お、おい・・・ 何故俺を蹴るんだ・・・ けが人だぞ・・・」
少女「失礼。 そんなところで転がっているのでゴミかと思いました」
村人A「・・・・・・」
115
:
◆8YCWQhLlF2
:2019/12/18(水) 22:07:38 ID:SPwjGhC.
狐神「やっぱ少女ちゃんでも怒るよね」
神使「どことなく神様と似た雰囲気がするのは気のせいでしょうか?」
神様「・・・・・・」
少女「」スチャッ
猫神「ほぉ〜 随分と良い剣じゃないか」
少女「あなたへの餞です」
猫神「ニャハハ! その言葉、そのまま返してやろう」
116
:
◆8YCWQhLlF2
:2019/12/18(水) 22:08:27 ID:SPwjGhC.
猫神 「さぁ、勝負だ。 その神剣を我に向けよ」
おにゅ『さぁ、勝負だ。 その神剣を我に向けよ』
少女「!?」スチャッ
少女(あの時と同じ・・・ 剣が勝手に・・・)
猫神 「ふははっ! 良いぞ、では参る!」ザッ
おにゅ『ふははっ! 良いぞ、では参る!』ザッ
少女(体が勝手に!?)
タッタッタッ
猫神 「死ねー!」
おにゅ『死ねー!』
グサッ
117
:
◆8YCWQhLlF2
:2019/12/18(水) 22:08:59 ID:SPwjGhC.
―
――
――――
ドサッ
おにゅ「・・・・・・」
少女「お・・・にゅ・・・?」
おにゅ「さすが少女・・・ 素晴らしい立ち振る舞いでした・・・」ウッ
少女「ごめんなさい・・・ ごめんなさい・・・」グスッ
おにゅ「ありがとう」
少女「なんで・・・ なんで謝ったりするの・・・?」
118
:
◆8YCWQhLlF2
:2019/12/18(水) 22:09:35 ID:SPwjGhC.
おにゅ「私はずっとこの村を・・・ そして・・・ これからもあなたを見守り続けます」ゴボッ
少女「いや・・・ うそ・・・ いやだ・・・」
おにゅ「辛い思いをさせて・・・ ごめんね」ウッ
少女「いやだ・・・ お願い・・・ 嫌だよ!」グスッ
おにゅ「笑って・・・ 笑顔を見せて・・・ そしたらまた私は・・・・・・」ニコッ
少女「嫌ー!!!」
――――
――
―
119
:
◆8YCWQhLlF2
:2019/12/18(水) 22:10:09 ID:SPwjGhC.
少女「・・・おにゅ」
猫神「とても綺麗な立ち振る舞いでしたよ〜」ウッ
少女「猫神様!」ハッ
猫神「頑張って・・・ 少女ちゃん・・・」ゴボッ
村人「・・・勝ったのか?」
村人「やった・・・ やったぞ!!」
村人「これで村が守られたー!!」
120
:
◆8YCWQhLlF2
:2019/12/18(水) 22:10:46 ID:SPwjGhC.
少女「うるさい・・・」ボソッ
村人達「?」
少女「うるさい!! 私は今のこの村を守ったんじゃない!!」
村人達「・・・・・・」
少女「私は・・・ 私はおにゅが愛した10年前の村を守ったの! 勘違いしないで!!」グスッ
神使「少女さん・・・」
狐神・神様「・・・・・・」
少女「こんな村、わたし一人なら絶対に守ったりしない・・・」
少女「でも、おにゅが守ったから・・・ おにゅが居てくれれば私は一緒に・・・ もう一度」グッ
村人達「・・・・・・」
121
:
◆8YCWQhLlF2
:2019/12/18(水) 22:11:23 ID:SPwjGhC.
少女「神勅! 三度鬼の出でしこの地へ“鬼之神おにゅ”と“おにゅ之神少女”が鎮座し、村の平穏を導く事とする!」
少女「以上! おにゅ之神少女から神勅を申し伝えた!」
狐神「中々様になってるじゃない」
神使「はい。素晴らしい神勅ですね」
神様「・・・・・・」
狐神「ったく、アンタはいつまで気を失ってるのよ」
神様「起きてるよ」
狐神「?」
少女(おにゅ、わたし役目を果たせたかな・・・)
122
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2019/12/20(金) 17:30:09 ID:bvDUM7pQ
立派だ
123
:
◆8YCWQhLlF2
:2019/12/21(土) 21:42:11 ID:rmse/uQo
●本殿
神様「さてと、んじゃ久しぶりにおにゅとご対面といきましょうか」
狐神「こら、その前に猫神でしょ」
神様「あの悪鬼は永久封印で良いんじゃないか?」
狐神「あんた・・・ 後で猫神に言いつけてやるから」
神使「猫神様にお仕置きしてもらった方が良いかもしれませんね」
神様「!? う、嘘だよ・・・ 嫌だなぁ〜」アハハ
狐神「少女ちゃん、猫神の神剣を貸して?」
少女「はい」スッ
神様「どうやって猫神を復活させるの?」
狐神「剣を本殿の祭壇に置いて、って知らないのかよ・・・」
神様「知ってる」
狐神「嘘くさいなぁ・・・」
神様「早くやれよ。 おにゅが待ってる」
124
:
◆8YCWQhLlF2
:2019/12/21(土) 21:43:15 ID:rmse/uQo
狐神「分かったわよ」コトッ
シュー
猫神「ハロ〜」
神様「なんかあっけないな。 つまんない」
神使「もう少し神秘的な感じを期待していましたが・・・」
猫神「え〜 折角のご対面でそんなこと言わないでよ〜」
少女「猫神様・・・ 先程は失礼しました!」ドゲザ
猫神「いやいや、気にしないで〜 私も久しぶりに暴れて楽しかったし〜」ツルン
神様「お前、村をあんなに破壊して本当は楽しんでたろ」
猫神「じゃぁ、神ちゃんもやってみる〜? 剣で刺されるのって痛いんだよ」ギロッ
神様「!?」ジュワー
神使「神様、一日に何度漏らせば気が済むんですか・・・」
神様「バ、バカ! 一滴だけチビッただけだよ!」
神使「全出しじゃないですか」
125
:
◆8YCWQhLlF2
:2019/12/21(土) 21:43:57 ID:rmse/uQo
狐神「はいはい。 それじゃぁ、メインイベントいきましょうかね」
猫神「久しぶりだなぁ〜 おにゅちゃんに会うの〜」
狐神「少女ちゃん、おにゅの剣を祭壇の上に」
少女「」コクリ
スタスタ
少女「おにゅ・・・」コトッ
ピカピカ
神様「うお〜 猫神の時と全然違う!」
神使「凄い光ですね」
シュー
おにゅ「・・・・・・」バタリ
少女「おにゅ・・・ おにゅ?」
126
:
◆8YCWQhLlF2
:2019/12/21(土) 21:44:31 ID:rmse/uQo
神様「おい、アレ大丈夫なのか?」
狐神「長いことコッチと離れていたからね」
猫神「大丈夫。 すぐ覚めるよ〜」
おにゅ「う〜ん・・・」ムクッ
少女「おにゅ?」
おにゅ「あれ? えぇと・・・」
少女「おにゅ!」ダキッ
おにゅ「うわぁ! あの・・・ どちら様です?」
少女「久しぶりだね・・・ おにゅ」ウルウル
おにゅ「そのツノの飾り・・・ もしかして少女?」
少女「うん・・・ ごめんね、遅くなって」ギュッ
おにゅ「・・・・・・」
127
:
◆8YCWQhLlF2
:2019/12/21(土) 21:45:30 ID:rmse/uQo
神様「よっ、久しぶり」
おにゅ「神ちゃん? それと・・・ お猫さんとお狐さんも・・・」
猫神「久しぶり〜」
狐神「大丈夫そうね」ホッ
おにゅ「・・・神ちゃん、なんかお股が濡れて―――」
神様「あんま心配させるなよ」
おにゅ「え? あっ、私・・・ そういえば・・・」ハッ
神様「ちょっとゴタゴタがあって神殺しの遂行が遅くなった」
おにゅ「・・・・・・。 どうして」
神様「お前、神殺し発動させるなら少女ちゃんにきちんと話しておけよ」
おにゅ「・・・・・・」
128
:
◆8YCWQhLlF2
:2019/12/21(土) 21:46:42 ID:rmse/uQo
狐神「少女ちゃんがあんたを助けてくれたのよ」
おにゅ「少女が?」
少女「私は何もしてない。 神ちゃんさまが」
おにゅ「どうして・・・ 私は消えるつもりで。 それより神ちゃんのお股が凄い事―――」
神様「少女ちゃんがこの10年間どんな思いで過ごしていたのか分かってんのか!」
おにゅ「!?」ビクッ
猫神「神ちゃん・・・」
狐神「おまた」ボソッ
神使「・・・・・・」
神様「少女ちゃんは・・・ 少女ちゃんは!」
少女「私は大丈夫です!」
129
:
◆8YCWQhLlF2
:2019/12/21(土) 21:47:28 ID:rmse/uQo
おにゅ「少女・・・ 私、すごく迷惑かけてみたいだね・・・」
少女「悪いことをしたら?」
おにゅ「ごめんなさい」ペコリ
少女「きちんと謝れる子は良い子です」ニコッ
おにゅ「うっ・・・」グスッ
神様「今回の件、きちんと罰は受けてもらうぞ」
おにゅ「・・・はい」
神使「神様・・・」
猫神「今回くらいは良いんじゃないの〜?」
神様「ダメだね。 こんだけ迷惑かけて、私たちだけでなく守るべき人にまで迷惑かけたんだから」
狐神「おまた」ボソッ
神様「」イラッ
130
:
◆8YCWQhLlF2
:2019/12/21(土) 21:48:12 ID:rmse/uQo
おにゅ「罰・・・ 何でも、何千年でもお受けします」
神様「お前、この地の主神を剥奪な」
少女「!?」
おにゅ「・・・・・・。 はい、承知いたしました」フカブカ
猫神「神ちゃ〜ん、それは厳しすぎるよ〜」
狐神「そんなにお漏らしの件が気に入らなかったの?」
神様「うるさい、これは最高神判断だ。 口出しするな」
猫神・狐神「・・・・・・」
神様「本日よりこの地の主神は少女。 巫女をおにゅとする」
おにゅ・少女「え!?」
131
:
◆8YCWQhLlF2
:2019/12/21(土) 21:48:42 ID:rmse/uQo
神様「明日は主神をおにゅ、巫女は少女」
一同「?」
神様「明後日は主神を少女、巫女を―――」
狐神「ちょ、ちょっとアンタ何言ってんの?」
猫神「なるほど〜 それは厳しい罰だねぇ〜」
神使「どういう事です?」
猫神「この大きさの神社だと神を二人も配置することが出来ないしね〜」
神様「日替わりで主神と巫女を2人で入れ替える。 間違いは即神法違反」
狐神「なるほどね」フッ
おにゅ「それが罰?」キョトン
神様「厳しいだろ? 少女ちゃんは耐えられる?」
少女「はい!」
132
:
◆8YCWQhLlF2
:2019/12/21(土) 21:49:15 ID:rmse/uQo
神様「おにゅはどうだ?」
おにゅ「・・・・・・」
神様「無理か?」
おにゅ「いや、その前に少女が神って? あと、神ちゃんのお股が気になって」
神様「少女ちゃんは神籍に入った」
おにゅ「神籍?」
少女「新米だけど///」
おにゅ「えー!?」
少女「神さまのお仕事を色々教えてね、おにゅ」ニコッ
おにゅ「少女・・・」
少女「2人でこの村を守っていこう? ずっと2人で・・・ 協力して」
おにゅ「ありがとう・・・ ありがとう少女」グスッ
133
:
◆8YCWQhLlF2
:2019/12/21(土) 21:50:12 ID:rmse/uQo
狐神「アンタにしては良い締め方ね」
猫神「流石神ちゃんだねぇ〜 年期が違うよ」
神様「褒めてないよね、それ」
神使「でも、神様らしいですね」
神様「
こうして、かわゆい神様はその大役を果たしこの地を去った。
おにゅと少女は互いに協力し、村の発展に尽力。
寂れた村は立派な町へ、そして市へ、県庁所在地にまで反映を遂げる。
街の中心には常に助言を与え続けた神ちゃんの功績を称え、立派な神ちゃん像が鎮座。
そして―――
」
神使「神様? 勝手に変な妄想を垂れ流さないで下さい」
狐神「言っておくけど、今回アンタ大して役に立ってないから。 お股濡らしただけだから」
猫神「どちらかというと〜 いちばんの功労者は私じゃないかなぁ〜」
神様「うるせーよ! このままの流れじゃヤバいんだよ!」
神使「・・・確かに」
狐神「どういう意味?」
134
:
◆8YCWQhLlF2
:2019/12/21(土) 21:51:45 ID:rmse/uQo
長官「こういう意味だ」
神様・神使「!?」ギクッ
長官「おや? 神ちゃん、お股が濡れているようだが」
神様「さっきオロミミンCこぼしたから」
猫神「長官く〜ん 久しぶり〜」
狐神「態々現地に出張るなんて珍しいわね」
長官「やぁ、久しぶりだね。 おにゅ」
おにゅ「お久しぶりです、長官さん」ペコリ
135
:
◆8YCWQhLlF2
:2019/12/21(土) 21:52:22 ID:rmse/uQo
長官「君が神籍に入った少女神だね?」
少女「少女神だなんてそんな・・・ 私なんかまだ・・・///」ゴニョ ゴニョ
長官「後で神籍証を発行するから、これからよろしくね」
少女「・・・はい。 おにゅのように立派な神になれるよう精進いたします」
おにゅ「はぅ・・・///」
長官「期待しているよ」ニコッ
狐神「間違ってもお漏らしするような神にはならないでね?」
猫神「威厳に関わるからね〜」
神様「さて、問題も解決したし私たちもお暇しようか」
神使「そ、そうですね神様。 まずは洗濯ですね」
神様「そうね」ハハハ
136
:
◆8YCWQhLlF2
:2019/12/21(土) 21:53:07 ID:rmse/uQo
長官「何故、私が来たのかは神ちゃんと神使君なら分かるよね?」
神様・神使「・・・・・・」
長官「分かるよね?」
神様「まぁ・・・ 何となく・・・ いつものような感じでしょうか?」
狐神「あんた達、まーた何か悪さしたんでしょ」ケラケラ
猫神「も〜 神ちゃんは相変わらずだなぁ〜」フフフ
長官「猫神君と狐神君にも話がある」
狐神・猫神「?」
長官「狐神君、君は何で今回の件に絡んだのかな?」
狐神「え?」
長官「君は最初の神勅取り消しで派遣を取り消されていると思うんだけど?」ニコッ
狐神「あ・・・ いや・・・ 何というか成り行きで・・・」オロオロ
137
:
◆8YCWQhLlF2
:2019/12/21(土) 21:53:47 ID:rmse/uQo
長官「猫神君は、村の破壊が規定の10倍になっているんだけど?」
猫神「・・・・・・」
長官「村が滅茶苦茶なんだけど? 保険金が凄いことになるんだけど?」
猫神「それは〜 あの位しないと迫力が〜」オロオロ
長官「神ちゃんと神使君は、それら全ての元凶。 つまり首謀者だ」
神様「ちょ、それは間違いだ! 今回私は何の役にも立っていない!」
神使「確かに。 神様は今回オシッコ漏らしていただけのような・・・」
神様「そう! それ!! 皆も証明してくれる」
狐神「まぁ、確かに今回は・・・」
猫神「そうだね〜 ほとんど失神してたし〜」
長官「と言うことは、首謀者は猫神君と狐神君という事で良いかね?」
猫神・狐神「・・・・・・」
長官「首謀者の分の罰も二人が負担すると?」
神様「すまんね、猫ちゃん。 狐ちゃん」ニタァ
138
:
◆8YCWQhLlF2
:2019/12/21(土) 21:54:23 ID:rmse/uQo
狐神・猫神「首謀者は神ちゃんです」
神様「ぇ?」
長官「だそうだ、神ちゃん」
神様「お前らふざけんなよ! 本当に私何もタッチしてないだろ!」
長官「神移しの神勅を出した張本人がそんなこと言っても説得力は無いよ?」
神様「うぐっ!」
長官「神ちゃん! 猫神君! 狐神君! そして神使君! 神宮で説教だ」
神様「ふーんだ! 今回は猫神と狐神が説教担当じゃないし怖くないよーだ」ベー
長官「説教担当は、神宮が誇るダメ巫女A子ちゃんだよ?」
神様「ぇ?」
139
:
◆8YCWQhLlF2
:2019/12/21(土) 21:55:00 ID:rmse/uQo
長官「A子ちゃんプレゼンツ、96時間耐久A子の面白い話を聞き続ける会」
神様「ヤダ! ヤダヤダ!!」
狐神「なんか大したことない気がするけど」
神様「お前はA子ちゃんの面白い話が本当に面白いと思っているからそんな事が言えるんだ!」
猫神「? それってつまらないって事〜?」
神様「そんな次元じゃない・・・ 私は5分で泡を吹く自信がある!」
神使「それはそれで逆に興味があるのですが・・・」
長官「それは神宮に帰ってのお楽しみだ。 さっ、行こうか」
おにゅ「あの、私は・・・ 私も罰を受ける必要が」
長官「おにゅちゃんも連れて行く予定だったけど、神ちゃんが先に罰を出しちゃったからね」
神様「マジかよ! じゃぁ私たちの罰は牡蠣食べ放題にする! 神ちゃん命令!」
長官「はいはい分かったから、行くぞ。 車を待たしてある」
140
:
◆8YCWQhLlF2
:2019/12/21(土) 21:55:36 ID:rmse/uQo
神様「うわ〜ん 嫌だよ〜 助けておにゅー! 少女ちゃーん!!」ズルズル
狐神「2人とも頑張ってね」ハハハ
猫神「何かあったら連絡してねぇ〜」
神使「お二人のご活躍を願っております。 良い村にして下さい」ニコッ
おにゅ「ありがとう!」ニコッ
少女「皆様、ありがとうございます」フカブカ
おにゅ「あっ! なんか少女ってば落ち着きがあって格好いい」ムスッ
少女「10年の歳月は長かったの。 私、成長したんだから」ボイン
おにゅ「!? 少女が嫌な子に育ってるー」
少女「おにゅってこんなに小さかったっけ〜?」ニヤッ
おにゅ「キー! 少女が鬼だ! 鬼畜だ!」ジタバタ
少女「そうよ、私は少女と同じ鬼。 頭にツノだってあるでしょ?」
おにゅ「・・・・・・」
141
:
◆8YCWQhLlF2
:2019/12/21(土) 21:56:51 ID:rmse/uQo
少女「おにゅ?」
おにゅ「・・・ありがとう。 それを付けてくれたとき本当に嬉しかった」
少女「当たり前じゃない、これはおにゅと共に歩む私の覚悟・・・ 友情の証なんだから」
おにゅ「少女大好き! 少女に神の加護を!」
少女「おにゅにも神のご加護を」
神様「その加護、私にも頂戴ー!」ズルズル
少女・おにゅ「ふふっ!」
少女・おにゅ「あはははは!」
神様「神様だ!」 神使「神力ゼロですが・・・」
〜 番外編 2019年冬『おにゅおにゅ神社』〜
おわり
142
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2019/12/22(日) 16:50:44 ID:ZoFTg8Ho
お疲れさま!神ちゃんは仕方ないなぁ…お布施の牡蠣鍋セットを寄贈します!
143
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2019/12/23(月) 01:47:53 ID:OVmJPVwU
猫神様ってどんだけ厄災なの?w
144
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2019/12/23(月) 21:26:30 ID:vnSseQk6
おつ
神ちゃん最近お漏らしが酷いな
145
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2019/12/23(月) 22:00:48 ID:iMz878cM
おまるに跨がった話の続きを聞かせてほしい
146
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/01/04(土) 17:47:45 ID:bp45H/Sc
神ちゃんあけましておめでとうございます
氏神さまへお詣りしたら、畳とお賽銭箱が新しくなってたよ
147
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/01/27(月) 16:59:52 ID:tTthcvlI
神ちゃん寒いよ
148
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/02/12(水) 04:08:30 ID:NDixddug
肺炎になりませんように
149
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/02/25(火) 00:21:46 ID:Tb1vLfYw
神ちゃん、全国パニックだけど人はやっぱり逞しいもんだね
150
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/03/17(火) 18:31:53 ID:NFWXs/fA
神ちゃんコロナ神社が呼んでるよ
151
:
神ちゃん好き〜
:2020/03/20(金) 09:17:38 ID:zUoH.Kqk
神ちゃんはみんなにとって唯一の希望の光だよねぇ〜
152
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/04/21(火) 19:21:21 ID:eDNVHKHY
コロナ大丈夫かな?
153
:
◆8YCWQhLlF2
:2020/04/21(火) 20:35:21 ID:XU8T3LeM
〓〓〓〓〓〓〓〓〓
女「あら、参拝者かしら? 珍しいわね」
?「気をつける也や。 彼奴は人とは異なる存在」
女「へぇ〜 それはアンタと同じって事?」
?「あんなヤツと一緒になどするなど、我に対する侮辱であるぞ」
女「あらあら、そんな怖い顔なんかしてたら可愛い顔が台無しよ?」
?「無礼者め」
女「でも、これは楽しくなりそうね」フフッ
?「まさか、奴らを招き入れよう等とは考えてはおらぬよな?」
女「さぁ? でも・・・ その前に邪魔者を追っ払わないとね」
154
:
◆8YCWQhLlF2
:2020/04/21(火) 20:36:07 ID:XU8T3LeM
〜あらすじ
神様「かわゆい女神、神ちゃんがお付きの神使と旅をする!」
155
:
◆8YCWQhLlF2
:2020/04/21(火) 20:36:52 ID:XU8T3LeM
■ 〜 番外編 2020年春『継々乃社之領域』〜
神使「お疲れ様でした。 目的の神社に到着したようです」
神様「3時間も歩かされるとは思わなかったんだけど・・・」
神使「神様がバスを待ちたくないって言ったんじゃないですか」
神様「だって2時間待ちとか無理だろ!」
神使「途中でバスに追い抜かされましたし、待っていた方が良かったと思いますが」
神様「うるせーよ! クソ犬!」ゲシッ
神使「痛っ! いつも言っていますが、もう少し神宮の女神らしい振る舞いをですね」
神様「嫌だ! 無理!」
神使「全く・・・」
神様「それよりさぁ、疲れたしサボって温泉行こうぜ」
神使「また、そんな事を・・・ 仕事が終わったら連れて行ってあげますから」テクテク
神様「微塵も思ってねーだろ・・・ はぁ〜 仕事したくねぇな〜」トテトテ
156
:
◆8YCWQhLlF2
:2020/04/21(火) 20:37:39 ID:XU8T3LeM
――― 継々神社(継々乃社之領域)
神様「う〜ん・・・ つぎつぎじんじゃ?」
神使「つぐつぐじんじゃ、正式には“つぐつぐのやしろのりょういき”と言うようですです」
神様「センスねー名前だな」
神使「由緒のある立派な社名だと思いますが。 古い作りの神社のようですし」」
神様「マジメ過ぎなんだよ。 私なら“入拝即呪之社”とか付けるね」
神使「何でそんな近寄りがたい名前にするんですか・・・」
157
:
◆8YCWQhLlF2
:2020/04/21(火) 20:38:18 ID:XU8T3LeM
神様「この位パンチがないと今時神社なんかに誰も来ないって」
神使「神社に必要な物は古きを敬う心、それに見合う荘厳さと威厳です」
神様「そんな見た目とか過去ばっかり追い求め・・・・・・ ん?」チラッ
???「」コソッ
神使「どうされました?」
神様「いや・・・ 今、向こうの木の陰から誰かに見られていた気が」
神使「向こうって、バス停の先にある木ですか?」
神様「うん」
158
:
◆8YCWQhLlF2
:2020/04/21(火) 20:38:51 ID:XU8T3LeM
神使「村の人がバスを待っているのでは?」
神様「う〜ん・・・」
神使「そうやってバス停まで行って、来たバスに乗って帰ろうとする魂胆ですね?」
神様「お前いくら私でも・・・ いや、それ良いアイデアだな」
神使「ふざけてないで社務所の方へご挨拶に行きますよ」テクテク
神様「へいへい」トテトテ
???「・・・・・・」
159
:
◆8YCWQhLlF2
:2020/04/21(火) 20:39:25 ID:XU8T3LeM
――― 社務所
神様「ちわ〜」ガラガラ
神使「神様・・・ いきなり扉を開けちゃダメですよ」
シーン
神様「・・・・・・」
神使「誰もいませんね。 お留守でしょうか?」
神様「よし、帰ろう」
神使「今来たばかりです」
神様「いや、今回は素直に帰った方が良い気がする」
160
:
◆8YCWQhLlF2
:2020/04/21(火) 20:40:05 ID:XU8T3LeM
??「何かご用でしょうか?」
神様・神使「?」クルッ
少女「参拝でしたら―――」
神様「ひゃー!!」
少女「!?」ビクッ
神使「お、落ち着いて下さい! 私たち怪しいものではございませんから!」
神様「殺さないで! 何でも言うこと聞く!! 私の隠しチョコあげるから!!」
少女「あ、あの・・・ どうされたんですか?」
神使「そ、その手に持っている刀を一度置いて下さい!」
少女「刀・・・? あっ」
神様「それ日本刀だよね!? スパッっといけちゃうヤツだよね!?」ブルブル
少女「すいません! あの・・・ これは違くて!」オロオロ
神様「まだ死にたくなーい」ギャー
161
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/04/21(火) 21:30:27 ID:XBBjRZ3I
まってました!
162
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/04/22(水) 07:29:42 ID:6fQruERc
神ちゃんおかえり
163
:
◆8YCWQhLlF2
:2020/04/23(木) 19:59:19 ID:sFR/SnE.
――― 社務所内
少女「驚かせてしまい本当に申し訳ありませんでした」ペコリ
神使「こちらこそ取り乱してすみません。 お恥ずかしい限りです・・・」
少女「害獣が忍び込んだので、追っ払っていたところで」
神使「害獣?」チラッ
神様「?」
神使「確かにうちの神様はよく間違えられますが、一応知性はありますので安心して下さい」
神様「何で私なんだよ! 猿とかイノシシとかだろ普通!」ゲシッ
神使「痛っ!」
164
:
◆8YCWQhLlF2
:2020/04/23(木) 20:00:13 ID:sFR/SnE.
少女「え〜と・・・ お社の方は参拝でしょうか?」
神使「私達こちらの神社の巫女さんに用がありまして」
少女「巫女?」
神使「申し遅れました。 私は神宮から派遣されました神使と申します」
神様「私は巫女の神ちゃん。 気兼ねなくかわゆい神ちゃんと呼んでね」
巫女「はあ」
神使「こちらの神社を管理されている巫女さんはご在宅でしょうか」
165
:
◆8YCWQhLlF2
:2020/04/23(木) 20:00:49 ID:sFR/SnE.
少女「お話しでしたら私の方で伺いますが」
神様・神使「?」
少女「この社の巫女で少女と言います」ペコリ
神様・神使「・・・・・・」
少女「何か?」キョトン
神使「少女さんがこの神社の?」
神様「巫女?」
少女「はい。 そうですが・・・」
166
:
◆8YCWQhLlF2
:2020/04/23(木) 20:01:45 ID:sFR/SnE.
神使「失礼ですがその制服は・・・ まだ学生さんですよね?」
少女「中学2年です」
神様「人手不足もここまで来たか」
少女「あっ、お茶も出さずにすみません。 今お持ちします」
神使「すぐ帰りますので、お気遣い無く」
少女「遠慮なさらず。 コーヒー・紅茶・ジュースがありますが」
神使「では、私はコーヒーを。 神様はいかがしますか?」
神様「・・・・・・」キョロキョロ
神使「神様?」
神様「ん? 私も同じで」
少女「分かりました。 少々お待ちください」スタスタ
ガチャ
167
:
◆8YCWQhLlF2
:2020/04/23(木) 20:02:38 ID:sFR/SnE.
神使「神様どうしたんです? 落ち着かない様子ですが」
神様「別に? なんか古そうな物がいっぱいあるな〜 と思って」
神使「ブラウン管テレビに真空管ラジオ・・・ 黒電話までありますね」
神様「なんかタイムストリップ劇場した気分だ」
神使「しかし驚きましたね、神社を管理している巫女が中学生だなんて」
神様「・・・・・・。 で、何でここに来たの?」
神使「神宮からこの村で毎年行われるお祭りを調べるようにと」
神様「祭り?」
168
:
◆8YCWQhLlF2
:2020/04/23(木) 20:03:15 ID:sFR/SnE.
神使「はい。 神宮で神事内容が把握できないようでして」
神様「う〜ん、それは密祭って事?」
神使「簡単に言えば、そのようです」
神様「別に構わないだろ。 古そうな村だし、密祭なんて他の土地にも沢山あるし」
神使「そうなんですが、実は他にも―――」
ガチャッ
少女「お待たせしました」テクテク
神様「おっ、ありがとさん」
169
:
◆8YCWQhLlF2
:2020/04/23(木) 20:03:58 ID:sFR/SnE.
少女「お口に合えば良いのですが」コトッ
神様「う〜ん、芳醇な香り。 これはブルーマウンテンかな?」グビッ
少女「ブランデーを混ぜた特製コーヒーです」
神様「ブゥーッ!」ゲホゲホ
少女「あっ! ごめんなさい。 やっぱりおかしかったですよね」フキフキ
神様「だ、大丈夫。 ちょっと驚いただけ」ハハハ
神使「何と言いますか・・・ その・・・ だいぶアルコール分も高めですね」ハハハ
少女「都会で流行っていると聞いたもので・・・ 本当にすいません」キッ
ガタッ
神様・神使「?」
170
:
◆8YCWQhLlF2
:2020/04/23(木) 20:05:11 ID:sFR/SnE.
少女「あっ、古い建物なので建て付けが悪くてたまに軋みが鳴るんです」
神使「そうですか・・・」キョロキョロ
少女「それで、お話しというのは?」
神使「えーと・・・ 失礼な質問で恐縮ですが、少女さん以外に他にどなたか?」
少女「私はこれでもこの社の巫女です。 信用できませんか?」
神使「いえ、そういう意味ではなく」
少女「両親は早くに。 ですから私がこの社を一人で切り盛りしています」
神使「すみません、変な聞き方をしてしまいまして」ペコリ
神様「少女ちゃんは歳の割にしっかりしてるね。 本当に中学生?」
少女「小さい頃から巫女としてお仕えしてきましたから・・・ 自然と」
神様「ふ〜ん」
少女「・・・・・・」
171
:
◆8YCWQhLlF2
:2020/04/23(木) 20:06:12 ID:sFR/SnE.
神使「早速ですが、こちらのお祭りの事でお話を伺ってもよろしいでしょうか?」
少女「祭り、ですか?」
神使「はい。 神宮の調査命令でして」
少女「祭りと言っても、特に変わったことはしていませんが」
神様「密祭って聞いたけど」
少女「社で祝詞を上げるだけで衆人環視でもないので、そういう意味では密祭ですね」
神使「予定では今週末に神事が執り行われると聞いておりますが」
少女「はい」
172
:
◆8YCWQhLlF2
:2020/04/23(木) 20:07:00 ID:sFR/SnE.
神使「その神事に私達も参加させてもらう事は可能でしょうか」
少女「・・・・・・」
神使「何か不都合でも?」
少女「いえ、そういう訳では・・・ その・・・ 私の一存では今すぐにお返事は難しく」
神使「神宮から必ず調査報告を上げるようにと言われております」
少女「・・・・・・」
神使「少女さん?」
少女「電話で確認してみます。 お時間の方は大丈夫ですか?」
神使「ありがとうございます。 私たちは大丈夫です」
少女「では、こちらで少々お待ちください」スタスタ
ガチャッ
173
:
◆8YCWQhLlF2
:2020/04/23(木) 20:07:36 ID:sFR/SnE.
神様「なんか神使君、珍しく今回は強気じゃん」
神使「神様、何か違和感を感じませんか?」
神様「というと?」
神使「表現が難しいのですが・・・ 私たち以外に誰かの気配を感じて・・・」
神様「ん〜 気のせいじゃない?」ポチポチ
神使「そういえば、先程神様もバス停で誰かに見られていると言っていましたね」
神様「う〜ん」ポチポチ
174
:
◆8YCWQhLlF2
:2020/04/23(木) 20:08:11 ID:sFR/SnE.
神使「神様? 仕事中は携帯で遊ぶのは禁止で―――」
ブーブー
神使「?(メール)」ゴソゴソ
FROM:神様
本文:それ以上喋るな
神使「!?」クルッ
神様「気にし過ぎじゃない?」
神使「そう・・・ ですね」
175
:
◆8YCWQhLlF2
:2020/04/23(木) 20:09:00 ID:sFR/SnE.
ガチャッ
少女「お待たせしました」スタスタ
神様「お帰り〜」
神使「いかがでしたでしょうか?」
少女「はい。 問題ないそうです」ニコッ
ガタン! ガタン!
神様「・・・・・・。 本当に?」
176
:
◆8YCWQhLlF2
:2020/04/23(木) 20:09:34 ID:sFR/SnE.
少女「どちらか宿はお取りになられていますか?」
神使「宿?」
少女「もしよろしければ、こちらに泊まっていかれては?」
ガタンッ! ガタンッ! ガタンッ!
神様・神使「・・・・・・」
少女「すいません、建て付けが」フフッ
神様「もう建て付けってレベルの音じゃないよね?」
177
:
◆8YCWQhLlF2
:2020/04/23(木) 20:10:24 ID:sFR/SnE.
神使「えーと・・・ 神様、いかがしましょう?」
神様「どうせ宿なんか取ってないんだろ」
神使「・・・・・・まぁ」
少女「それではお部屋を用意してきますので」スタスタ
ガチャ
神使「神様、あの―――」チラッ
神様「ビローン」ベー
神使「・・・急に変顔しないで下さい。 にらめっこなんかしませんよ」
神様「お前にやったんじゃねーよ」
神使「?」
神様「はぁ〜 帰りてーな〜 面倒くせーなぁ〜」
178
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/04/24(金) 00:38:27 ID:Brag4UEs
神ちゃんよく来てくれたなや
179
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/04/25(土) 09:14:50 ID:QtAsfzs.
おかえりー
180
:
◆8YCWQhLlF2
:2020/04/26(日) 01:38:10 ID:ELqHfEwQ
――― 客間
少女「滞在中はこちらのお部屋をお使い下さい」
神使「ありがとうございます。 正直助かりました」
少女「お手洗いは廊下を挟んで正面、洗面所は突き当たりに・・・・・・」
神様「」ジー
少女「・・・・・・」
神使「どうされました?」
少女「え? あっ、私お夕飯を買ってきます」
神使「私達もお供いたします」
少女「友達と一緒に行く約束をしているので」ニコッ
神様「私達が一緒の方が迷惑だろうよ」
少女「それではごゆっくり」スタスタ
181
:
◆8YCWQhLlF2
:2020/04/26(日) 01:38:49 ID:ELqHfEwQ
シーン
神様「神使君」
神使「はい」
神様「帰ろう。 バックレて逃亡しよう。 職務の放棄を提言する」
神使「そんな事できる訳ないじゃないですか」
神様「ここはダメだ。 私の第六感、いや全感覚が滞在を拒絶している」
神使「この神社、普通ではない何かがあるという事だけは理解できます」
神様「おや、何かお心当たりでも?」
神使「大ありですよ。 何ですか、あのメールは」
神様「犬ころは何か気付いたこととかある?」
182
:
◆8YCWQhLlF2
:2020/04/26(日) 01:39:33 ID:ELqHfEwQ
神使「少女さんと私たち以外に誰かいるんですね? 私には見えない誰かが」
神様「いる。 いや、いるっぽいねぇ〜」
神使「こちらの神社の主神さまでしょうか?」
神様「う〜ん」
神使「違うのですか?」
神様「何でそう思ったの?」
神使「少女さんにいくつか違和感を感じました」
神様「ほぉ」
神使「神事は祝詞奏上だけなのに、誰の許可が必要なのでしょうか?」
神様「崇敬会とか?」
183
:
◆8YCWQhLlF2
:2020/04/26(日) 01:40:10 ID:ELqHfEwQ
神使「誰も参加しないのにですか?」
神様「まぁ変だよな」
神使「もう1つ、少女さんとお話をしているときの変な間が気になりました」
神様「間?」
神使「何と言いますか・・・ たまにワンテンポ遅れが合ったような気がするんです」
神様「あ〜」
神使「通訳を入れて話しているような、そんな感じを受けました」
神様「確かにちょっと違和感があったよな」
184
:
◆8YCWQhLlF2
:2020/04/26(日) 01:40:48 ID:ELqHfEwQ
神使「一体どうなっているのでしょうか?」
神様「さぁね〜」
神使「神様も分からないんですか?」
神様「う〜ん、どれから手を付けて良いか分からんのよ。 ちょっと考えさせて」
神使「承知しました」
神様「おっ、随分と物わかりが良いねぇ」
神使「この場では、ですが」
神様「それより、どうして神宮は急にここを調べろって言い出したんだ?」
神使「理由は二つ。 一つは以前からこの神社の神事内容が不明だったこと」
神様「それはさっき聞いたよな」
185
:
◆8YCWQhLlF2
:2020/04/26(日) 01:41:29 ID:ELqHfEwQ
神使「二つ目は、この神社の巫女です」
神様「巫女? 少女ちゃんのこと?」
神使「・・・今、詳細をお話ししても?」
神様「あ? あ〜 大丈夫みたい。 少女ちゃんと一緒に出て行ったぽい」
神使「何が大丈夫で何が出て行ったのかは知りませんが・・・ これを見て下さい」ドサッ
神様「何この書類」
神使「この神社の登記書類です」
神様「随分と量があるな」
神使「この神社から毎年提出された過去60年分の書類です」
神様「これが何か?」
186
:
◆8YCWQhLlF2
:2020/04/26(日) 01:42:04 ID:ELqHfEwQ
神使「この神社の代表管理者の欄を見て下さい」
神様「代表・・・ 今年の登記は少女ちゃんの名前だな」
神使「これが10年前の登記です」ペラッ
神様「ん? 少女ちゃんの名前だ」
神使「そして、60年前のものがこれです」ペラッ
神様「・・・・・・」
神使「変だと思いませんか?」
神様「何で神宮は今頃これに気がついたんだ?」
神使「田舎の神社は長いこと管理者が変わらない事も珍しくないですから」
神様「でも60年って・・・」
神使「そこです。 異常に長すぎるんです」
神様「つまり、ずっと変更されないから変だと思った訳か」
187
:
◆8YCWQhLlF2
:2020/04/26(日) 01:43:25 ID:ELqHfEwQ
神使「少女さんにお目にかかってビックリしました」
神様「まぁ、登記通りなら少女ちゃんはヨボヨボのお婆ちゃんのはずだしな」
神使「世襲で下の名前を代々受け継いだ、という可能性もありますが・・・」
神様「おっ、いいねそれ。 そうしておこうぜ」
神使「私が考えついたという事は、神宮だってその点は調べたと思いますよ?」
神様「バレたら、その時はごめんちゃい! で」
神使「それで済めば良いですが・・・」
神様「無理だよなぁ。 やっぱ調べる必要はあるかなぁ〜」
神使「それがよろしいかと」
神様「うへ〜 やっぱ面倒くせ〜」
188
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/04/26(日) 16:26:02 ID:4if7OJr6
今回もヤバいのか
189
:
◆8YCWQhLlF2
:2020/04/29(水) 04:45:17 ID:4hSEygD6
――― 翌日
神様「おはよ〜」トテトテ
少女「おはようございます」
神様「あれ? お出かけ?」
少女「学校に。 中学生ですから」ニコッ
神様「早いね〜」
神使「もう朝の8時です」
少女「ご飯はテーブルの上に用意しておきましたので適当に食べて下さい」
神様「うれし〜 後でチンして食べるね」
少女「すみません、うちには電子レンジがなくて・・・」
神様「・・・オッケ。 了解・・・」
少女「なんかすみません・・・」
神様「わ、私たちずっとここでウダウダしてるから心配しないで」アハハ
少女「そうして頂けると助かります。 それでは」スタスタ
190
:
◆8YCWQhLlF2
:2020/04/29(水) 04:45:48 ID:4hSEygD6
シーン
神使「神様、この後はどうされますか?」
神様「ガサ入れ?」
神使「それは・・・ あまり気が乗りませんが」
神様「じゃあ気分転換に外にでも行ってみますか」
神使「お散歩ですか?」
神様「情報収集だよ」
191
:
◆8YCWQhLlF2
:2020/04/29(水) 04:47:21 ID:4hSEygD6
――― 田舎道
神様「しかし、本当に何もない村だな」トテトテ
神使「長閑で良いところじゃないですか」テクテク
神様「おっ、野生の爺さん発見」
爺さん「んぁ?」
神使「おはようございます。 精が出ますね」
爺さん「おんや? 二人とも見かけん顔じゃな」
神使「私たち継々神社の方へ用事がありまして」
爺さん「お〜 少女ちゃんの所かえ」
192
:
◆8YCWQhLlF2
:2020/04/29(水) 04:48:09 ID:4hSEygD6
神様「爺さん、それなに育ててるの?」
神使「アサガオ・・・ でしょうか? とても綺麗ですね」
爺さん「これから神社に奉納するんじゃよ」
神様「ふ〜ん」
爺さん「神社があるのは逆側じゃぞ?」
神使「ご挨拶は済ませまして、暇なので村を散歩していたところです」
爺さん「そーか。 めんこい子じゃろ、村自慢の巫女様じゃ」
神様「少女ちゃんって生まれはこの村?」
爺さん「んぁ〜 そうじゃな」
193
:
◆8YCWQhLlF2
:2020/04/29(水) 04:48:47 ID:4hSEygD6
神様「中学生とは思えないほどしっかりしてるんだけど、あの性格って昔から?」
爺さん「んぁ〜 昔からあんな感じじゃった気がするのぉ」
神様「巫女はいつからやってんの?」
爺さん「いつからじゃったかの〜 もうずっとじゃ」
神様「前の巫女は?」
爺さん「前? 前〜・・・ はて、誰じゃったかのぉ」
神使「少女さんのご両親、お母様ではないのですか?」
爺さん「両親?」
神使「早くにお亡くなりになったと少女さんから伺いましたが」
爺さん「んぁ〜 両親・・・ そういえば少女ちゃんはいつから一人じゃったかのぉ〜?」
194
:
◆8YCWQhLlF2
:2020/04/29(水) 04:49:38 ID:4hSEygD6
神様「もう一個だけ教えて。 少女ちゃんが友達と遊んでいるの見たことある?」
爺さん「あの子にゃ同学年の子はいないで。 中学生は少女ちゃんだけじゃ」
神様「そうなんだ」
爺さん「じゃが、随分昔は仲の良い同級生と毎日のように遊んでおった気もするのぉ〜」
神使「小学生の頃とかでしょうか?」
爺さん「んぁ〜 いつじゃったかのぉ〜」
神様「なるほどね。 あんがと」
爺さん「この辺は日が落ちると真っ暗になるけぇ、早く帰るんじゃぞ」テクテク
神使「年のせいでしょうか? 話の内容が混乱していたような・・・」
神様「そうかな?」
神使「?」
神様「これ、ちょっとヤバいんじゃね」
195
:
◆8YCWQhLlF2
:2020/05/02(土) 01:48:28 ID:H7JdC4ZM
――― 継々神社・客間
神様「・・・・・・」
神使「さっきから何を考えているんですか?」
神様「ん〜 分かった」
神使「?」
神様「私もそう思う。 たぶん大丈夫だ」
神使「神様?」
神様「姿を現しても良いぞ」
?『それでは、失礼いたします』スー
神使「!?」
196
:
◆8YCWQhLlF2
:2020/05/02(土) 01:49:28 ID:H7JdC4ZM
神様「大丈夫、コイツは忍神。 私たち側」
忍神「ご挨拶遅れました、神使殿」ペコリ
神使「忍神・・・ 様?」
忍神「神様機構、諜報室の忍神と申します」
神使「諜報室!? 噂では聞いたことがありますが、本当に存在していたんですね・・・」
神様「まぁトップシークレットだしね〜」
忍神「私は、2年ほど前からこの神社で隠密の諜報活動をしております」
神使「そんなに前から・・・ 神様の指示でしょうか?」
神様「流石だろ。 私の手回しの早さを褒め称え、そして牡蠣を献上せよ!」ウヒャヒャ
忍神「私は60年ほど前から神様には進言しておりましたが・・・」
神様「ウヒャ・・・」ギクッ
神使「・・・・・・」ジトー
神様「・・・・・・」プイッ
197
:
◆8YCWQhLlF2
:2020/05/02(土) 01:50:17 ID:H7JdC4ZM
忍神「先程声を掛けるまで、私の存在にすら気付いていなかったようでしたが?」ズイッ
神様「・・・顔、近いっすね」
神使「神様・・・ 流石の私もドン引きなんですが・・・」
神様「ほ、ほら私も色々忙しいから」アハハ
神使「そんな理由で忍神様の助言を60年も放置したんですか?」
神様「いや、でもちゃんと諜報活動の許可は出てるって事で」ハハハ
忍神「結局長官さん経由での諜報任務ですが?」
神様「うん。 謝罪しますので、この場は何卒穏便に願います」ドゲザ
198
:
◆8YCWQhLlF2
:2020/05/02(土) 01:51:12 ID:H7JdC4ZM
神使「でも、どうしてこの神社が諜報対象に?」
神様「あれは、私がまだ幼かった頃―――」
神使「忍神様はどうしてこちらの神社をお調べになっているんですか?」
神様「・・・・・・」
忍神「元々、この地は神が入ることが許されない禁足地でした」
神様・神使「え!?」
忍神「・・・・・・。 そのように申したのは神様ではないのですか?」
神様「は!? そんな事いつ言った!?」
忍神「私は別の神経由で聞いたので。 神様が何千年も前に仰ったと」
神様「マジかよ! なんで?」
忍神「さぁ、私には・・・」
神様「全然記憶にないんだけど」
199
:
◆8YCWQhLlF2
:2020/05/02(土) 01:52:11 ID:H7JdC4ZM
神使「取りあえずその話は置いておきましょう」
神様「置いておいてもOK?」
神使「思い出せないようでしたら、後で良い薬がありますから試してみましょう」
神様「薬ってポラギノール的な? 私のお尻を狙うなんて神使君のへ・ん・た・い」
忍神「でしたら、私もかなり効く薬を持っておりますので」
神様「いや・・・ お前のはマズいだろ・・・」
忍神「ご安心を。 吹矢で一刺し、即効性です」
神様「・・・それって薬か? 日本薬局方にちゃんと載ってる?」
200
:
◆8YCWQhLlF2
:2020/05/02(土) 01:52:56 ID:H7JdC4ZM
神使「忍神様、話の続きをお伺いしてもよろしいでしょうか」
忍神「今から60年程前、特殊な歪みを感じたと近くの管理神から報告がありました」
神使「歪み?」
忍神「正体は不明。 それ以降、毎年決まった日に歪みを検出しています」
神使「決まった日って、まさか」
忍神「お察しの通り、この村の神事とされる日と一致します」
神使「神様、お心当たりは?」
神様「ない。 いや、今必死に思い出してるから吹矢はちょっと待って」
201
:
◆8YCWQhLlF2
:2020/05/02(土) 01:53:44 ID:H7JdC4ZM
神使「その神事と今回の件は何か関係があるのでしょうか?」
忍神「お二人も感じたかと思いますが、私達と少女さん以外に何者かの気配を感じます」
神使「確かに感じましたが、私が感じたのは忍神様の気配では?」
忍神「別のものかと思います」
神使「他にも誰かいるのですか?」
神様「気配は2つあるな」
神使「え!? あと二人も正体が分からない何かがいるって事ですか?」
忍神「一つは人の物。 この神社を監視している男がいます」
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