[
板情報
|
R18ランキング
]
したらばTOP
■掲示板に戻る■
全部
1-100
最新50
|
1-
101-
201-
301-
401-
501-
601-
この機能を使うにはJavaScriptを有効にしてください
|
善子「影廊」ルビィ「夕暮れの迷宮から脱出」
1
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2019/04/05(金) 10:40:05 ID:9xbPbDTk
ラブライブ!SS
これはホラーゲーム「影廊 -Shadow Corridor-」のパロディSSです。
ゲームは有料版と無料版があります。
リンクは貼りません。興味のある方は各自で検索してください。
ゲームに関する過度なネタバレはなるべく避けるようにします。
それでもネタバレが気になる場合はお戻りください。
また、SS内では設定の一部改変があります。
この物語はフィクションです。
214
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2019/04/05(金) 13:53:58 ID:9xbPbDTk
善子「3回……」
善子「もうそのカメラは使えないわ!!」
ルビィ「うぇぇぇぇんんんん!! おねえちゃあああああああ!!!!」
善子「もうダメぇぇぇぇ!!!!」
215
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2019/04/05(金) 13:55:09 ID:9xbPbDTk
ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ああ゛ッ!!!!
あ゛あ゛あ゛あ゛あああああぁぁぁぁぁぁ!!!!!
あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!!!!!!!!!!
善子(ごめんね……)
ドオオオォォォォォォンンンン!!!!
……
216
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2019/04/05(金) 13:55:40 ID:9xbPbDTk
善子「……え?」
ルビィ「……え?」
ルビィ「敵しゃんの動きが……止まってる……」
善子「どういうこと……?」
??「オラが時を止めたずら」
善子・ルビィ「!?」
217
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2019/04/05(金) 13:56:13 ID:9xbPbDTk
善子「その声は……」
善子「ずら丸!!!!」
花丸「善子ちゃん、ルビィちゃん、大丈夫ずら?」
善子「どういうことなのよこれ」
花丸「話はあとずら……ここから離れるずら」
218
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2019/04/05(金) 13:56:48 ID:9xbPbDTk
ルビィ「うぇぇぇんんんんへなめるちゃぁぁぁあああ怖かったよぉぉぉ!!!」
花丸「ルビィちゃんよしよしずら……」
善子「はあッ……はあッ……」
善子「とにかくここから離れましょう」
花丸「うん、出口はこっちだよ」
────
──
219
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2019/04/05(金) 13:57:18 ID:9xbPbDTk
─影廊・出口─
花丸「ここが出口ずら」
花丸「その台座の上に勾玉を5つ置いて」
善子「ええ」
ルビィ「うゆ」
220
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2019/04/05(金) 13:58:09 ID:9xbPbDTk
花丸「あ、そのまえに……」
花丸「そして時は動きだす」
ドオオオォォォォォォンンンン!!!!
花丸「ここまで来れば大丈夫ずら」
殺気はどこかへと消え去った……
────
──
221
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2019/04/05(金) 14:01:00 ID:9xbPbDTk
☆ここまでに出現した敵☆
・神楽鈴の徘徊者
・走り廻る徘徊者
・泣き声の主
・憎悪を振りまく影
────
──
222
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2019/04/05(金) 14:01:33 ID:9xbPbDTk
花丸「台座に勾玉を5つ置くずら」
善子「ええ」
善子たちは台座に勾玉を置いた
<ギィィ……
奥の扉が開いた
223
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2019/04/05(金) 14:02:15 ID:9xbPbDTk
花丸「奥にある鏡で元の世界に帰れるずら」
善子「ええ、帰るわよ」
ルビィ「うゆ」
祭壇のような部屋を進み、3人は奥の部屋の鏡の前に来た
224
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2019/04/05(金) 14:02:46 ID:9xbPbDTk
善子「これで帰れるのね……」
花丸「うん……」
ルビィ「帰ろう……」
鏡が光を放つ
3人は元の世界に帰ることに成功した
225
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2019/04/05(金) 14:03:17 ID:9xbPbDTk
─元の世界─
善子「ここは……迷い込んだときのトンネルね……」
善子「ひどい目にあったわね」
ルビィ「うゆ……ごめんね善子ちゃん……」
花丸「二人とも無事でよかったずら」
226
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2019/04/05(金) 14:07:08 ID:9xbPbDTk
善子「それにしても驚いたわよ」
善子「どうやって徘徊者たちの動きを止めたのよ」
花丸「それなんだけど……」
ルビィ「……??」
227
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2019/04/05(金) 14:07:40 ID:9xbPbDTk
花丸「あの状況だと二人を助けることは不可能だった」
花丸「だから、人間をやめるしかなかった」
花丸「ごめんね二人とも……」
善子「どういう……こと……?」
228
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2019/04/05(金) 14:08:11 ID:9xbPbDTk
そう言うと花丸は
どこからか取り出した能面を
自らの顔につけるのだった……
シャン…………シャン…………
229
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2019/04/05(金) 14:08:44 ID:9xbPbDTk
どこかで鈴の音がした気がした……
おわり……?
230
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2019/04/05(金) 14:09:15 ID:9xbPbDTk
231
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2019/04/05(金) 14:10:10 ID:9xbPbDTk
232
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2019/04/05(金) 14:10:42 ID:9xbPbDTk
233
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2019/04/05(金) 14:11:12 ID:9xbPbDTk
花丸「なんちゃってずら〜☆」
花丸「冗談ずらよぉ〜☆」
善子「〜〜っっ!!」ポコポコ
花丸「いたいずらよぉ善子ちゃん」
善子「びっくりしたわよ!!」
花丸「ごめんずら」
────
──
234
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2019/04/05(金) 14:11:53 ID:9xbPbDTk
善子「トンネルを抜けると照りつける光に目がくらんだ」
善子「夏の日差しは強烈に、私たちを日常へと引き戻した」
善子「あのとき彷徨ったあの場所は一体何だったのかしら」
善子「ずら丸は何か知っているみたいだったけど、それ以上は教えてはくれなかった」
────
──
235
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2019/04/05(金) 14:12:39 ID:9xbPbDTk
─後日・浦の星女学院─
花丸「おはよう善子ちゃん」
善子「おはようずら丸」
善子「……」
善子「今日もルビィは休み?」
花丸「うん……」
236
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2019/04/05(金) 14:13:12 ID:9xbPbDTk
善子「ここのところずっとね……」
花丸「仕方ないずら……あんなことがあったんだから」
善子「そうね……元気になるといいわね」
善子「……」
237
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2019/04/05(金) 14:13:51 ID:9xbPbDTk
善子(実を言うと私もあまり元気ではない)
善子(あれからというもの毎晩、鈴の音が聞こえる気がする)
善子(暗闇が怖いし、堕天使の話も控えているわ)
善子(どうしちゃったのかしら……)
善子「……」
花丸「……」
238
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2019/04/05(金) 14:14:29 ID:9xbPbDTk
善子「……」
花丸「ルビィちゃんのお見舞いに行かない?」
善子「……そうね、行きましょうか」
────
──
239
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2019/04/05(金) 14:15:57 ID:9xbPbDTk
─黒澤家─
ダイヤ「お二人ともルビィのお見舞いありがとうございます」
善子「ええ、当たり前じゃない」
花丸「……」
ダイヤ「こちらの部屋ですわ」
────
──
240
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2019/04/05(金) 14:16:30 ID:9xbPbDTk
─ルビィの部屋─
ルビィ「あ、二人とも……」
善子「ルビィ……大丈夫?」
ルビィ「うん……」
花丸「ダイヤさんにはあのこと話してないずらね?」
ルビィ「うん……話してない」
241
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2019/04/05(金) 14:17:01 ID:9xbPbDTk
善子「そうよね……」
ルビィ「まだ怖いよ……」
善子「ルビィ……よく頑張ったわね」なでなで
ルビィ「うゆ……」
242
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2019/04/05(金) 14:17:40 ID:9xbPbDTk
善子「私たち学校で待ってるから……元気になったら来なさいよ」
ルビィ「うん……ありがとう」
ルビィ「……あのね」
善子「……?」
243
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2019/04/05(金) 14:18:11 ID:9xbPbDTk
ルビィ「3人でお泊りしたいな……」
善子「ええ、そうね」
花丸「オラもしたいずら」
────
──
244
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2019/04/05(金) 14:18:41 ID:9xbPbDTk
善子(私もまだ怖かった……)
善子(でも3人でいられると聞いてほっとした)
善子(この3人でよかった……)
────
──
245
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2019/04/05(金) 14:19:18 ID:9xbPbDTk
善子「後日、あのトンネルを訪れると反対側は住宅街につながっていた」
善子「あの場所に行くことはもうないはずだ」
善子「これでよかったんだ……そう思うことにしよう」
花丸「……また、このトンネルに来ちゃったずらか?」
246
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2019/04/05(金) 14:19:48 ID:9xbPbDTk
善子「ずら丸……どうしてここに?」
花丸「なんとなく善子ちゃんの様子がおかしかったから」
花丸「ここにまた来るんじゃないかなって……」
善子「ええ……実はまだちょっと怖いわ」
247
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2019/04/05(金) 14:20:20 ID:9xbPbDTk
花丸「大丈夫……もう善子ちゃんやルビィちゃんがあの場所に行くことはないずら」
花丸「……たぶん」
善子「え……?」
花丸「分からないずら……もしかしたらまた呼ばれてしまうこともあるかもしれないから」
善子「そんな……」
248
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2019/04/05(金) 14:20:52 ID:9xbPbDTk
花丸「善子ちゃん……本当はまた行きたいんじゃないずら?」
善子「え……?」
花丸「怖いんじゃなくて……またあの場所に行きたいんじゃない?」
善子「そ、そんなはずないじゃない!!」
善子「あんなに怖い思いをしたのよ!!」
249
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2019/04/05(金) 14:21:23 ID:9xbPbDTk
花丸「じゃあ、なんでまたこのトンネルに来たの?」
善子「え……?」
花丸「本当に怖いならもうここには二度と来ないはずだよ?」
善子「それは……」
花丸「善子ちゃん……」
250
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2019/04/05(金) 14:21:55 ID:9xbPbDTk
花丸「またあの場所に行きたいの……?」
善子「そんなはずないわ……でも、なんでかしら……?」
善子「そう言われると……もやもやがスッキリした気がする」
善子「もしかして本当に行きたいのかしら?」
251
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2019/04/05(金) 14:22:29 ID:9xbPbDTk
善子「非日常的な体験が私を変えてしまったのかしら?」
善子「堕天使とかに憧れる私だから特別な何かに惹かれるのかしら?」
善子「でも危ないことだって分かってる」
善子「近づいちゃダメなんだって」
花丸「……」
252
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2019/04/05(金) 14:23:06 ID:9xbPbDTk
花丸「善子ちゃん、ここに能面があるけど……被ってみる?」
善子「え……?」
花丸「あの化け物たちはみんな能面を被ってたよね?」
善子「えぇ……」
花丸「特別な力が手に入るかもしれないよ?」
善子「……」
253
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2019/04/05(金) 14:23:36 ID:9xbPbDTk
善子「ずら丸……あんた何言ってるの?」
花丸「オラはあのとき時間を止めたよね?」
花丸「それがこの能面の力だとしたら?」
花丸「あの徘徊者たちと同じように」
花丸「人間を超越した力を手に入れられるとしたら?」
花丸「この能面を被る?」
善子「……」
254
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2019/04/05(金) 14:24:06 ID:9xbPbDTk
善子「……」
善子「……被らないわ」
花丸「……そうずらか」
善子「私は私だもの……」
花丸「分かったずら……たぶん善子ちゃんたちはあの場所には二度と行かないずら」
花丸「なんとなくだけど……」
255
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2019/04/05(金) 14:24:55 ID:9xbPbDTk
善子「ずら丸……あんたは何者なの?」
花丸「……オラはオラずら」
花丸「善子ちゃんとルビィちゃんの友達」
花丸「二人の味方……信じて欲しいずら」
善子「……分かったわ」
善子「あんたを信じる」
花丸「ありがとう、善子ちゃん」
256
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2019/04/05(金) 14:25:27 ID:9xbPbDTk
善子「じゃあ、あの場所はなんだったの?」
花丸「……それは答えられないずら」
善子「そう……私も深くは聞かないでおくわ」
257
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2019/04/05(金) 14:26:00 ID:9xbPbDTk
善子「じゃあ、その能面は何?」
花丸「オラがいま手に持ってるのは、何の力もないただの能面ずら」
善子「は?」
花丸「善子ちゃんをちょっとからかっただけずらよ」
善子「あんたねぇ……」
258
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2019/04/05(金) 14:26:36 ID:9xbPbDTk
花丸「それじゃあ一緒に帰るずらよ」
花丸「ルビィちゃんとお泊り会するずら」
善子「……はあ、そうね」
善子「……私も楽しみだわ」
────
──
259
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2019/04/05(金) 14:27:06 ID:9xbPbDTk
善子「あの後はずら丸とルビィとお泊り会をしたわ」
善子「私もルビィもすっかり元気になって、ルビィもまた学校に通うようになったわ」
善子「これでまたAqoursの活動ができそうね」
260
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2019/04/05(金) 14:27:37 ID:9xbPbDTk
善子「結局、いろいろなことが分からなかったけど」
善子「私たちは無事に脱出できたのだ」
善子「深い闇に鳴り響く、あの鈴の音はもう二度と聞こえることはなかった」
────
──
261
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2019/04/05(金) 14:28:09 ID:9xbPbDTk
─後日─
果南「1、2、3、4、1、2、3、4……」
果南「はい今日の練習はここまで!」
ダイヤ「皆さんお疲れ様です」
ルビィ「善子ちゃん!花丸ちゃん! 一緒に帰ろう!」
善子「えぇ」
花丸「ずら〜」
262
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2019/04/05(金) 14:28:40 ID:9xbPbDTk
曜「千歌ちゃん! 一緒に帰りましょうであります!!」
千歌「うん! 帰ろう!!」
千歌「はあぁ今日も練習疲れたね!!」
────
──
263
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2019/04/05(金) 14:29:10 ID:9xbPbDTk
千歌「……」
曜「そういえば千歌ちゃん!」
曜「……千歌ちゃん? どうしたの?」
千歌「あの路地が気になる」
曜「え……?」
264
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2019/04/05(金) 14:29:40 ID:9xbPbDTk
千歌「そう、この路地!!」
千歌「なんていうのかな、こう……」
千歌「冒険心がくすぐられる……っていうのかな」
曜「たしかに……日本の夕暮れの景色って感じ」
曜「ノスタルジックっていうのかな?」
265
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2019/04/05(金) 14:30:13 ID:9xbPbDTk
千歌「ちょっと奥まで行ってみない?」
曜「え? 危ないよ?」
千歌「大丈夫だよ、ちょっとだけ」
曜「やめようよ」
266
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2019/04/05(金) 14:30:49 ID:9xbPbDTk
千歌「曜ちゃん♡ おねがい♡」
曜「もぉ〜しょうがないでありますなぁ////」
千歌「わぁい♡ 曜ちゃん大好き♡」
曜「えへへへ////」
267
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2019/04/05(金) 14:31:20 ID:9xbPbDTk
??「やめておいたほうがいいわよ?」
千歌「え?」
曜「……鞠莉ちゃん?」
鞠莉「その奥へ行くのはやめておきなさい」
268
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2019/04/05(金) 14:31:52 ID:9xbPbDTk
曜「鞠莉ちゃんがこんなところにいるなんて珍しいね」
千歌「たしかに」
鞠莉「嫌な予感がして来てみれば……」
千歌「嫌な予感……?」
269
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2019/04/05(金) 14:32:24 ID:9xbPbDTk
鞠莉「……さあ、ここには近づかないでマリーと一緒に帰りましょう!」
鞠莉「レッツゴーよ!!」
千歌「あ、待ってよぉぉ」
曜「待ってぇ、千歌ちゃん!」
────
──
270
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2019/04/05(金) 14:32:58 ID:9xbPbDTk
ある夏の日の夕暮れ時
あなた(ゲームのプレイヤー)はある路地の入口でふと足を止めた
夕立の後の蒸し暑い湿気の中
奥から冷たい風が吹き抜けてくる
ふと幼いころの夏の日を思い出し
心の奥にしまっていた冒険心をくすぐられたあなたは
さびれた路地へと足を踏み入れた……
────
──
271
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2019/04/05(金) 14:33:30 ID:9xbPbDTk
おわり
272
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2019/04/05(金) 14:34:00 ID:9xbPbDTk
以上で完結です。
ありがとうございました。
273
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2019/04/19(金) 09:32:23 ID:xGwU6Cwk
乙、面白かったわ
花丸・ザ・ワールド!
274
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2021/07/07(水) 09:59:42 ID:gdc9acus
前スレ
善子「影廊」ルビィ「再びあの迷宮へ」
ttps://fate.5ch.net/test/read.cgi/lovelive/1625275226/
※httpsのhを抜かしてあります。
約2年前に完結させた当スレのSSですが、今回、続きを書くことにしました。
ラブライブ!板にスレを立て続きを書いていたのですが、
現在、ラブライブ!板は規制が厳しく、書き込めなくなってしまったので、
このスレに続きを書くことにしました。
このスレのSSの続編です。
書き手は当スレおよび前スレと同じ人です。
ラブライブ!とホラーゲーム「 ShadowCorridor 」のSSです。
ラブライブ!のSSとして書きますが、シャドーコリドーのキャラも出てきますので注意してください。
またネタバレがかなりあるので読む場合は注意してください。
オリジナル要素もあります。注意してください。
あと影廊2(仮)の制作が開始されたと、昨日、制作者さんのTwitterにありました。楽しみです。
275
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2021/07/07(水) 10:03:54 ID:gdc9acus
ちょっと日本語がおかしいところがありました……が、とにかく書いていきます。
善子「影廊」ルビィ「再びあの迷宮へ」
276
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2021/07/07(水) 10:04:42 ID:gdc9acus
善子「ある夏の日の夕暮れ時、私とルビィはあの時の路地が気になりふと足を止めた」
善子「夕立の後の蒸し暑い湿気の中、あの時と同じように奥から詰めたい風が吹き抜けていた」
善子「そしてルビィはまた吸い込まれるように、この薄暗いさびれた路地に入って行ってしまった」
善子「私も後を追う形でその路地へと入って行った」
277
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2021/07/07(水) 10:05:52 ID:gdc9acus
─路地─
善子「どうしたのよルビィ……ここはあのときの路地じゃない」
ルビィ「うん……」
善子「あんた、また近づかないでおいたほうがいいんじゃない?」
ルビィ「そうだね……」
ルビィは路地を気にしている。
さびれた住宅街にある細い道だ。
路地は薄暗く建物の合間を縫って夕陽が差し込んでいた。
エアコンの室外機から生暖かい風が吹いている。
あの時とまったく同じ……悪夢への入り口……
278
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2021/07/07(水) 10:06:44 ID:gdc9acus
善子「ルビィ、大丈夫だとはいえ、念のためここには近づかない約束でしょ? 帰るわよ」
ルビィ「善子ちゃん、ちょっと奥まで行ってみない?」
善子「ヨハネよ」
ルビィ「善子ちゃんもついてきて!」
善子「あんたねぇ、また大変なことになっても知らないわよ!」
私とルビィは以前、この路地に入り
バケモノが徘徊する夕暮れの日本屋敷のような迷宮をさまようことになったのだ。
そして命がけで脱出した。
ルビィだって、あの時の恐怖を忘れているはずがない。
これはおかしい……まるで誘い込まれているようだ。
まだあの時の出来事は終わっていなかったの?
279
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2021/07/07(水) 10:08:05 ID:gdc9acus
ルビィ「やっぱり夕暮れの街ってなんかいいね」
善子「ノスタルジックっていうのかしら、前もこんな話しながら入っていったわね」
ルビィ「あれ? エアコンの室外機の上に新聞が置いてあるよ?」
善子「新聞? 何かしら?」
ルビィ「読んでみようよ」
善子「今日のかしら……まだ新しいわね」
280
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2021/07/07(水) 10:08:52 ID:gdc9acus
善子・ルビィ「……」
善子「ふむふむ、どうやら100年以上前の神隠し事件の記事ね」
ルビィ「神隠し事件?」
善子「ええ、そしてたくさんの人がいなくなったみたい」
善子「そしてみんなは、バケモノのしわざだ……と口をそろえて言ったみたいね」
ルビィ「神隠し事件……怖いね……でもルビィたちもこの前、神隠しみたいなことあったよね」
善子「ええ、思い出したくもないわ」
281
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2021/07/07(水) 10:09:31 ID:gdc9acus
ルビィ「とにかく先に進もう、善子ちゃん!」
善子「ヨハネ」
シャリン……
足元で鈴の音がした。
見ると黒い猫が私たちの前を横切っていた。
ルビィ「あ、猫しゃん!」
善子「黒猫ね」
ルビィ「追いかけようよ!」
善子「ルビィ、気をつけて」
ルビィ「あれ? 猫しゃんいなくなっちゃった」
善子「あら? さっきまでそこにいたのに」
ルビィ「でもあっちに行ったよね! 行ってみようよ!」
あっち……まさか……
282
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2021/07/07(水) 10:10:21 ID:gdc9acus
薄暗い路地の先には細長く狭いトンネルがあった。
例のトンネルだ。
黒猫は待っているかのように私たちのほうを向いて座っていた。
そしてその猫はトンネルの中へと入っていった。
ルビィ「ここって……」
善子「ええ、あのトンネルよ」
古びた小さなトンネルで中には明かりがない。
善子「相変わらず暗いわね」
善子「中の様子がやっぱり分からないわ」
ルビィ「このライターを使おうよ」
善子「ええ、火の扱いには気をつけるのよ」
283
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2021/07/07(水) 10:11:12 ID:gdc9acus
善子「これで明るくなったわね」
ルビィ「中に入って行こうよ」
善子(たしかに花丸はもう大丈夫だと言っていた……)
善子(疑うわけではないけど、本当に大丈夫かしら……)
ルビィ「善子ちゃん、花丸ちゃんも大丈夫って言ってたから大丈夫だよ!」
善子「そうね、花丸の言うことを信じましょう」
私とルビィはトンネルの奥へと入っていった。
284
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2021/07/07(水) 10:12:07 ID:gdc9acus
善子「さすがに奥までは照らせないわね」
善子「手元や足元が見える程度ね」
コツン……コツン……
善子「足音が反響してちょっと怖いわね」
ルビィ「うん……」
善子「このトンネル、レンガでできてるのかしら」
ルビィ「……」
285
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2021/07/07(水) 10:12:52 ID:gdc9acus
善子「以前はここで鈴の音がしたのよね……」
善子「それで気がついたらあの変な世界にいた……」
シャン……
善子「そう、あの時とまったく同じ……」
善子「まったく同じ……?」
ルビィ「善子ちゃん……」
善子「まさか……ルビィ、奥はどうなってる!?」
ルビィ「行き止まりだよ」
善子「戻るわよ!」
ルビィ「うん!」
私とルビィは引き返してトンネルを出た。
286
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2021/07/07(水) 10:13:23 ID:gdc9acus
善子「出口に来たわ……でも」
ルビィ「あの時と同じだ」
善子「出口が……」
善子「さっきと違う……」
ルビィ「善子ちゃん……」
善子「ルビィ、私たちはまたこの世界に来てしまったのかもしれないわね」
トンネルから出ると先ほどの住宅街ではなかった。
森の中だ。
あの時と同じように地面にはたくさんの彼岸花が咲いている。
287
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2021/07/07(水) 10:13:57 ID:gdc9acus
ふと見ると黒猫が地面に横たわっていた。
ルビィ「あ、猫しゃん!」
私とルビィが黒猫に近づこうとしたその時だった……
頭の中に何かの映像が流れた。
288
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2021/07/07(水) 10:14:29 ID:gdc9acus
氾濫する川……
怒号する人々……
手をつなぐ二人の少女……
来ちゃダメ……叫び声……
そして森の中で何かが……
289
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2021/07/07(水) 10:15:03 ID:gdc9acus
善子「……何、今のは」
ルビィ「善子ちゃん……いまの何なの?」
善子「分からないわ……」
ルビィ「あれ? 猫しゃんがいない」
善子「あっちを探してみましょう」
私とルビィは森の奥へと進んでいく。
290
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2021/07/07(水) 10:15:51 ID:gdc9acus
奥へと進むと丘の上に神社のような建物があった。
彼岸花が咲き乱れ、地面を赤く彩っている。
夕陽はオレンジで建物から地面に影を落としている。
そして赤い大きな鳥居があった。
善子「あのときと同じね」
ルビィ「うん……」
ギィィィィ……
神社の扉は私たちを誘導するようにひとりでに開いた。
善子「入るわよ、ルビィ」
ルビィ「怖いよ、善子ちゃん」
赤い大きな鳥居をくぐり、彼岸花の中を進み、神社の中へと入る。
中にはやはり台座の上に鏡が置いてあった。
291
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2021/07/07(水) 10:16:30 ID:gdc9acus
善子「いくわよ」
ルビィ「またあんなところに……」
善子「ルビィ……」
鏡は光り出し、まわりの景色が変わった……
─影廊─
そこは先ほどの路地でも神社でもなく古びた回廊であった。
あの時と同じだ。
その暗闇の回廊はどこまでも続いていた……
292
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2021/07/07(水) 10:17:50 ID:gdc9acus
善子「真っ暗で何も見えないわね」
善子「ルビィ、ライターで明かりをつけて」
ルビィ「うん」ボッ
善子「これでまわりが少しだけ見えるわね」
ルビィ「真っ暗だよ……」
サッ……サッ……
善子「畳を歩く音すらもやっぱり怖いわね……」
ルビィ「うん……」
善子「襖があるわね、開けるわよ」
サァァ…………
善子「音を聞くだけで怖いわ」
ルビィ「はぁ……はぁ……怖い……」
善子「あっちは木でできた廊下ね」
善子「壁はやっぱり土壁かしら」
293
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2021/07/07(水) 10:18:23 ID:gdc9acus
ドタドタドタ……
善子「足音……ルビィ! あいつが来る!」
ルビィ「隠れなきゃ!」
ドタドタドタドタ
善子「こっちに近づいて来てるわよ!」
あたりを見ると行李(竹で編まれたカゴ、つづら箱)があった。
善子「その中に入るわよ!」
ルビィ「またこの中に隠れるんだね!」
善子「早く入って! ライターの火も消して!」
294
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2021/07/07(水) 10:18:59 ID:gdc9acus
ドタドタドタドタドタドタドタドタドタドタドタ
善子(すごく大きな足音よね……おそらくあのバケモノが走ってるんだわ)
ルビィ(怖いよ……)
善子(ルビィ、我慢して)
ルビィ(ちょっとだけ外が見えるね……それが逆に怖いよ)
隠れながら外を見ると
能面をつけ、手や足がいくつも生えている巨大な化け物が猛スピードで走りまわっていた。
ルビィ「ぴ、ぴぎゃぁぁぁ、んんんんっ……」
善子(大きな声を出さないでルビィ! 見つかったら○されるわよ!)
ドタドタドタドタドタドタドタドタドタドタドタ
295
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2021/07/07(水) 10:20:03 ID:gdc9acus
ドタドタドタドタドタドタドタドタドタドタドタ
善子(はあ……ッ はあ……ッ)
ルビィ(はあ…はあ…はあ…)
ドタドタドタドタドタドタ…………
善子「通りすぎたわね……」
ルビィ「はあ……はあ……怖いよぉ……」
善子「ルビィ、よく我慢したわね……」
ルビィ「うん……」
善子(本当は私だって怖いわ……でも私が冷静でいなきゃ……ルビィまでパニックになっちゃう……)
296
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2021/07/07(水) 10:20:35 ID:gdc9acus
善子「ルビィ、花丸から連絡ない?」
ルビィ「うん、ないみたい」
善子「前はあったのに……」
ルビィ「やっぱり圏外になってる……誰かに連絡するのは無理そうだよ」
297
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2021/07/07(水) 10:21:05 ID:gdc9acus
善子「いい? ルビィ、覚えているわね?」
ルビィ「この世界、影廊のことだよね」
善子「ええ、前回と同じならやることは同じ」
善子「まずこの永遠に続く暗闇の迷宮を探索する」
善子「あのバケモノに捕まったら○されてしまう」
善子「私たちは身を隠しながらこの迷宮のどこかにある勾玉を5つ探し出して出口にある祭壇の台座に納める」
ルビィ「またこの暗闇の中を……」
善子「ええ……」
298
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2021/07/07(水) 10:21:43 ID:gdc9acus
ギィィ……タッ……タッ……
善子「木の廊下だから音がするわね」
ルビィ「うぅ……」
善子「相変わらずどこまでも廊下が続いてる……」
善子「部屋もたくさんあるわ」
善子「この部屋に入ってみましょう」
サァァァァ…………サッ……サッ……
善子「廊下から畳の部屋に入って足音が変わるのすら嫌ね」
299
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2021/07/07(水) 10:22:15 ID:gdc9acus
善子「徘徊者は視覚や聴覚を使って私たちを探しているわ」
善子「なるべく足音に気をつけましょう」
善子「大きな声も出さないようにね」
ルビィ「うん……」
善子「私たちが知っている徘徊者はあの3種類……ともう1種類」
ルビィ「前に会ったよね……」
善子「ええ……」
300
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2021/07/07(水) 10:23:09 ID:gdc9acus
善子「まずは廊下のあちこちにある燭台に火を灯しましょう」
善子「このろうそくの火は道しるべになるし、徘徊者が近づいてくると点滅して消える」
善子「だからなるべく点けてまわりましょう」
ルビィ「うん、さっそく火をつけていくね」
善子「ええ……」
ボッ……
ルビィ「少し明るくなったね」
善子「ルビィ……この広い回廊を進むわよ」
善子「……」
ルビィ「善子ちゃん……」
善子「大丈夫よ、私たちならできるわ」
ルビィ「……うん」
301
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2021/07/07(水) 10:23:45 ID:gdc9acus
シャン……シャン……シャン……シャン……
善子「来たわね」
ルビィ「鈴の音だね」
善子「神楽鈴の徘徊者ね」
善子「おそらく索敵方法は視覚と聴覚」
善子「以前、拾った爆竹の音に反応していたもの」
ルビィ「近づいてくると廊下の明かりが点滅してる、ライターの火も」
善子「隠れるわよ、その台の裏に隠れましょう」
ルビィ「うん……」
302
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2021/07/07(水) 10:25:35 ID:gdc9acus
シャン……シャン……シャン……シャン……
善子「こっちに来てるわね」
ルビィ「ライターの火を消すよ」
善子「ええ、明かりが点いていたらバレてしまうわ」
シャン……シャン……シャン……シャン……
暗がりで身をひそめながら見ると
能面をつけ着物を着た徘徊者が神楽鈴を鳴らしながら歩いていた。
善子(神楽鈴の徘徊者……扉を蹴破るほどの力があることが分かっているわ)
善子(もし見つかれば、ただでは済まないはずよ)
ルビィ(善子ちゃん、あれ見て)
ルビィが指差すほうを見ると、燭台の火が消えていた
善子(やっぱり徘徊者が近づくと火が消えるみたいね)
善子(とにかくやり過ごしましょう)
善子(見つかったら襲い掛かってくるわ)
ルビィ(うん……)
303
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2021/07/07(水) 10:26:21 ID:gdc9acus
善子(はあ……はあ……)ドクン……ドクン……
ルビィ(はあ……はあ……)ドクン……ドクン……
シャン……シャン……シャン……シャン……
シャン……シャン……シャン……シャン……
…………
善子「どこかに行ったわね」
ルビィ「またろうそくの火がついたね」
善子「やっぱり近づいてくると火が消えるわね」
304
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2021/07/07(水) 10:27:00 ID:gdc9acus
善子「いまみたいにやり過ごしながら勾玉を5つ探すわよ」
ルビィ「うん……」
サッ……サッ……
私たちが歩いていると壁に貼り紙があるのを見つけた。
善子「何かしら? これ」
ルビィ「前はこんなの見なかったよね」
305
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2021/07/07(水) 10:27:43 ID:gdc9acus
貼り紙にはこう書かれていた。
あなたたちの身に何が起こったか理解できず混乱しているかもしれないけれど
どうか私の言うことを信じてちょうだい。
奴らに見つかる前に、すぐにそこから移動してほしいの。
もし見つかってしまえば、きっとあなたたちの命はないわ。
ここから脱出するためには、勾玉を集めて祭壇に納める必要があるわ。
勾玉は鍵の掛かった部屋や、泣き声の主の近くに置いてある可能性が高いわ。
そして、コンパスを探すのよ。
コンバスの針が指す方向に祭壇があるわ。
私はこの回廊の奥で、あなたたちを待っているわ。
私たちがこの世界から出るためにも、あなたたちの協力が必要なの。
あなたたちと生きて会えることを願っているわ。
─ K
306
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2021/07/07(水) 10:28:29 ID:gdc9acus
善子「私たち以外にもこの迷宮に迷いこんだ人がいるみたいね」
ルビィ「うん……それにヒントもくれたね」
善子「前回はそうなんじゃないかと考えながら進んでいたけど、これではっきりしたわね」
善子「勾玉とコンパスを探すわよ」
ルビィ「うん」
私たちは迷宮を進んでいくことにした。
307
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2021/07/07(水) 10:29:50 ID:gdc9acus
ドタドタドタドタドタドタドタ……
善子「また走ってるやつがいるわね」
ルビィ「相変わらず怖いよ」
善子「足音のバケモノ……足が速いから見つかったら終わりよ」
ドタドタドタドタドタドタドタドタ
善子「足音がするだけね」
善子「壁の向こう側の廊下を走っているのかしら?」
ルビィ「でもこっちに来てるよね」
善子「隠れましょう」
ルビィ「うん」
ドタドタドタドタドタドタドタドタ
バァァァァンンン!!!!
善子(!?)
ルビィ「うっ……」
善子(ルビィ、我慢して!!)
308
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2021/07/07(水) 10:30:27 ID:gdc9acus
ドタドタドタドタドタドタドタドタドタドタドタドタドタドタドタドタ
バァァァァンンン!!!!
バァァァァンンン!!!!
ドタドタドタドタドタドタドタドタドタドタドタドタドタドタドタドタ
善子(お願い……早くどこかに行って……)
ルビィ「ハアッ……ハアッ……」
ドタドタドタドタドタドタドタドタドタドタドタドタ…………
…………
309
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2021/07/07(水) 10:30:58 ID:gdc9acus
善子「……どこかに行ったわね」
ルビィ「はあッ……はあッ……」
善子「どこかの襖や扉を蹴破って走っているようね」
善子「やっぱり見つかれば命はないわ」
ルビィ「うう……」
善子(本当は私だって怖いわ……)
善子(ここから脱出するには……私がしっかりしなきゃ……)
善子(私がルビィを守らなきゃ……)
310
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2021/07/07(水) 10:31:36 ID:gdc9acus
善子「とにかく、タンスや棚を調べながら進みましょう」
ルビィ「うん……」
善子「タンスを開けるわよ」
サァ……
善子「これは……ひかり石ね」
ルビィ「前に使ったよね。 敵しゃんにはこの石の光が見えないんだよね」
善子「ええ、これは道しるべや目印、緊急時の光源として使えるわ」
ルビィ「うゆ、でも数に限りがあるよ」
善子「ええ、とりあえず通った場所で隠れられそうな場所に置いていきましょう」
311
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2021/07/07(水) 10:32:12 ID:gdc9acus
善子「次はこっちの棚ね……これは……手鏡ね」
ルビィ「これも前にも使ったよね。 どういうわけか他の場所に飛べるんだよね」
善子「ええ、他の部屋にワープできる……」
ルビィ「今回も使えるかな?」
善子「分からないわ……とにかく緊急時のために取っておきましょう」
ルビィ「こっちには爆竹があるよ」
善子「それも敵の気を引くためのものね。 取っておきましょう」
312
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2021/07/07(水) 10:32:45 ID:gdc9acus
善子「見てあれ」
ルビィ「また火が揺らめいてるね」
善子「あっちに何かいるみたいね」
ルビィ「それなら別の道を通ろうよ」
善子「そうね、他の道を探していきましょう」
善子「方角も現在地も分からないこの迷宮ではコンパスが必要よ、コンパスを探して勾玉を集めましょう」
ルビィ「うゆ」
313
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2021/07/07(水) 10:33:17 ID:gdc9acus
善子「広い部屋に出たわね」
グス……グス……
ルビィ(善子ちゃん!)
善子(ええ、分かってる……女の子の泣き声がするわ)
ルビィ(泣き声の主って子だね)
善子(ええ、近くに勾玉があるかもしれないわ)
善子(でも気をつけて、前に分かったことだけど、泣き声の主は耳が良いみたい)
ルビィ(うゆ、歩いて近づくと居場所がバレちゃうんだよね)
善子(ええ、慎重に近づくわよ)
グスン……グスン……
ルビィ(怖いよ、善子ちゃん)
善子(……)
新着レスの表示
名前:
E-mail
(省略可)
:
※書き込む際の注意事項は
こちら
※画像アップローダーは
こちら
(画像を表示できるのは「画像リンクのサムネイル表示」がオンの掲示板に限ります)
スマートフォン版
掲示板管理者へ連絡
無料レンタル掲示板