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善子「影廊」ルビィ「夕暮れの迷宮から脱出」

1以下、名無しが深夜にお送りします:2019/04/05(金) 10:40:05 ID:9xbPbDTk
ラブライブ!SS

これはホラーゲーム「影廊 -Shadow Corridor-」のパロディSSです。


ゲームは有料版と無料版があります。

リンクは貼りません。興味のある方は各自で検索してください。


ゲームに関する過度なネタバレはなるべく避けるようにします。


それでもネタバレが気になる場合はお戻りください。


また、SS内では設定の一部改変があります。



この物語はフィクションです。

166以下、名無しが深夜にお送りします:2019/04/05(金) 13:15:57 ID:9xbPbDTk
善子「そして途中に勾玉があれば、それを拾って」

善子「もし本当に出口ならそのまま脱出できるわ」

ルビィ「うん……そうだね……」

ルビィ「そうだと信じて進もう……」

善子「ええ……」

167以下、名無しが深夜にお送りします:2019/04/05(金) 13:21:11 ID:9xbPbDTk
善子「コンパスの指すほうへ……」

善子「この棚には……」

善子「うーん……特にないわね」

ルビィ「うゆ」

168以下、名無しが深夜にお送りします:2019/04/05(金) 13:21:43 ID:9xbPbDTk
善子「このタンスには……ん?」

ルビィ「どうしたの?」

善子「青く光る石があるわ」

ルビィ「石?」

善子「袋にいくつか入ってる」

169以下、名無しが深夜にお送りします:2019/04/05(金) 13:22:16 ID:9xbPbDTk
ルビィ「なんだろうね、これ」

善子「分からないわ……」


ドタドタドタドタドタドタドタドタドタドタドタドタ


善子「相変わらずどこか走ってる音がするわね」

ルビィ「ろうそくの火が揺らめいてるよ」

善子「じゃあ近くにいるわね……隠れましょうか」

170以下、名無しが深夜にお送りします:2019/04/05(金) 13:22:50 ID:9xbPbDTk
ドタドタドタドタドタドタドタドタドタドタドタドタドタ

ヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイ


善子「プレッシャーすごいわね」

ルビィ「あ、ろうそくの火が消えた」

善子「真っ暗…………じゃないわね」

ルビィ「え……?」

171以下、名無しが深夜にお送りします:2019/04/05(金) 13:23:28 ID:9xbPbDTk
善子「この青い石の光……消えてないわ」

善子「敵が近づいてきても消えない光なのね」

ルビィ「どういう原理なのかな?」

善子「分からないけど、とにかく消えない光みたいね」


ドタドタドタドタドタドタドタドタドタドタドタドタ…………


善子「どこかに行ったわね……」

ルビィ「うゆ……」

172以下、名無しが深夜にお送りします:2019/04/05(金) 13:23:59 ID:9xbPbDTk
善子「……この石、使えるかもしれないわ」

ルビィ「え……?」

善子「これを使えば真っ暗な廊下でも迷わずに走れるわ」

ルビィ「でもこの光、そんなに強い光じゃないよ?」

ルビィ「あたりは真っ暗だよ?」

善子「いいえ、これは目印として使うのよ」

ルビィ「目印……?」

173以下、名無しが深夜にお送りします:2019/04/05(金) 13:24:33 ID:9xbPbDTk
善子「敵に追いかけられてるとき明かりが消えて真っ暗になるじゃない」

ルビィ「うん、道が分からなくなるよね」

善子「だから、この消えない光の石を逃走経路に置くのよ」

善子「そうすれば逃げる時に迷わずに逃げられるわ」

ルビィ「なるほどぉ」

────
──

174以下、名無しが深夜にお送りします:2019/04/05(金) 13:25:05 ID:9xbPbDTk
善子「出口に向かいつつ、勾玉を探すわよ」

ルビィ「うゆ」

善子「コンパスはこっちを指してるわ」


善子「この部屋は……つづらがあるわね」

善子「何かあったらこの部屋に逃げてきましょう」

ルビィ「うん」

175以下、名無しが深夜にお送りします:2019/04/05(金) 13:25:36 ID:9xbPbDTk
善子「こっちの部屋は……」

善子「!?」

ルビィ「どうしたの善子ちゃん?」

善子「あれを見て?」

ルビィ「どれ?」

176以下、名無しが深夜にお送りします:2019/04/05(金) 13:26:08 ID:9xbPbDTk
善子「部屋の真ん中に勾玉が置いてあるわ」

ルビィ「すごいね!! あれを取れば5つ目だよ!!」

ルビィ「ここから出られるよ!!」


善子「待って!!……何かおかしいわ」

ルビィ「え……?」

177以下、名無しが深夜にお送りします:2019/04/05(金) 13:26:50 ID:9xbPbDTk
善子「この勾玉……罠ね」

ルビィ「え……罠?」

善子「ええ……どうぞ取ってくださいって感じで置いてあるわ」

善子「あれは取りに来たところを逆に捕まえるためのトラップよ」

ルビィ「そんな……」

178以下、名無しが深夜にお送りします:2019/04/05(金) 13:27:20 ID:9xbPbDTk
善子「部屋の奥を見て……まだ部屋がある」

ルビィ「うん……」

善子「あそこに徘徊者が隠れているんじゃないかしら?」

ルビィ「え……?」

179以下、名無しが深夜にお送りします:2019/04/05(金) 13:28:03 ID:9xbPbDTk
善子「もしそうならあの勾玉は取らないほうがいいわ」

ルビィ「うん……じゃあ他の探しに行く?」


善子「いいえ、それでもあれを取るわ」


ルビィ「え……? どうやって……?」

善子「これよ……さっきのひかり石」

ルビィ「ひかり石……?」

180以下、名無しが深夜にお送りします:2019/04/05(金) 13:28:36 ID:9xbPbDTk
ルビィ「これを逃げ道に置くの……?」

善子「ええ、廊下にいくつか設置するわ」

善子「それで、さっきのつづらのある部屋まで走って逃げるわ」

ルビィ「ええ……怖いよ……」

善子「でもやるしかないわ……」

善子「ひかり石を置いてくるわよ」

181以下、名無しが深夜にお送りします:2019/04/05(金) 13:29:25 ID:9xbPbDTk
善子「それともルビィは先に部屋に隠れてる?」

ルビィ「え……? でも一人で部屋にいるのも怖いかな……」

善子「それじゃあ一緒に走って逃げましょう」

善子「もしトラップじゃなくて追いかけられないのなら」

善子「それでいいんですもの」

182以下、名無しが深夜にお送りします:2019/04/05(金) 13:30:27 ID:9xbPbDTk
善子「ルビィ、走る準備はいい?」

ルビィ「うん……」

善子「石も設置した……行くわよ!!」


ザァァ……


バアアアァァァァァァァンンンンンン!!!!!!


扉を開けると善子の予想通り奥の部屋から扉を蹴破り徘徊者が飛び出してきた!!

183以下、名無しが深夜にお送りします:2019/04/05(金) 13:31:00 ID:9xbPbDTk
シャンシャンシャンシャンシャンシャンシャンシャンシャンシャン

シャンシャンシャンシャンシャンシャンシャンシャンシャンシャン 


善子「神楽鈴の徘徊者ね!!」

善子「このまま光をたどって部屋まで逃げるわよ!!」

ルビィ「うゆ!!」

184以下、名無しが深夜にお送りします:2019/04/05(金) 13:31:32 ID:9xbPbDTk
シャンシャンシャンシャンシャンシャンシャンシャンシャンシャン

シャンシャンシャンシャンシャンシャンシャンシャンシャンシャン 

シャンシャンシャンシャンシャンシャンシャンシャンシャンシャン  


善子「はあッ……はあッ……」

ルビィ「はあッ……はあッ……」

185以下、名無しが深夜にお送りします:2019/04/05(金) 13:32:03 ID:9xbPbDTk
善子「つづらよ!! 中に隠れるわ!!」

ルビィ「うゆ!!」


シャンシャンシャンシャンシャンシャンシャンシャンシャンシャン

シャンシャンシャンシャンシャンシャンシャンシャンシャンシャン 

シャンシャンシャンシャンシャンシャンシャンシャンシャンシャン

186以下、名無しが深夜にお送りします:2019/04/05(金) 13:32:35 ID:9xbPbDTk
シャンシャンシャンシャンシャンシャンシャンシャンシャンシャン

シャンシャンシャンシャンシャンシャンシャンシャンシャンシャン 

シャンシャンシャンシャンシャンシャンシャンシャンシャンシャン  


善子(まだ探してるわね……)

ルビィ(うん……)

187以下、名無しが深夜にお送りします:2019/04/05(金) 13:33:07 ID:9xbPbDTk
シャンシャンシャンシャンシャンシャンシャンシャンシャンシャン


……シャン……シャン……シャン………………


善子「見失ったようね……どこかに行ったわ」

ルビィ「はあ……」

188以下、名無しが深夜にお送りします:2019/04/05(金) 13:33:46 ID:9xbPbDTk
善子「これで勾玉を取りに行けるわね」

ルビィ「やっと5つ揃うね!」

善子「まだ近くにいるかもしれないから気をつけてさっきの部屋に戻るわよ」

────
──

189以下、名無しが深夜にお送りします:2019/04/05(金) 13:34:24 ID:9xbPbDTk
善子「さっきの部屋に戻ってきたわ」

ルビィ「うん」

善子「奥の扉が蹴破られて粉々になってるわね」

ルビィ「本当にすごい力だね」

善子「さあ、勾玉を取るわよ!」

190以下、名無しが深夜にお送りします:2019/04/05(金) 13:34:55 ID:9xbPbDTk
善子「ふう……これで5つよ!!」

ルビィ「やったね!! 出口を探そう!!」

善子「ええ!!」



だが……

191以下、名無しが深夜にお送りします:2019/04/05(金) 13:39:55 ID:9xbPbDTk
オ゛オ゛オ゛オ゛オ゛ア゛ア゛ア゛アアアァァァァァァ…………


善子「!?!?」

ルビィ「!?!?」


善子「何の声!?」

ルビィ「うゆ……なんかすごく嫌な予感がするよ……」


おぞましい殺気が近づいてくる……

192以下、名無しが深夜にお送りします:2019/04/05(金) 13:40:25 ID:9xbPbDTk
善子「そんな簡単には逃げさせてはくれないってことね……」

ルビィ「うゆ……今までで一番危ないかも……」



ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ああ゛ッ!!!!

あ゛あ゛あ゛あ゛あああああぁぁぁぁぁぁ!!!!!



善子「何か分からないけど、こっち来てるわね!!」

ルビィ「ピギィ!! なんか怖いよぉ!!」

193以下、名無しが深夜にお送りします:2019/04/05(金) 13:41:02 ID:9xbPbDTk
すぐそこにはおぞましい殺気を放ち憎悪を振りまく

着物を着た女の姿をした敵が浮遊しながら迫ってきていた

甲高い叫び声を上げながらまっすぐと二人に接近してくる

194以下、名無しが深夜にお送りします:2019/04/05(金) 13:42:27 ID:9xbPbDTk
善子「なんかヤバイわよアレ!!」

ルビィ「ぴぎゃぁぁぁぁぁあああああああ!!!!」

善子「逃げるわよルビィ!!!!」

195以下、名無しが深夜にお送りします:2019/04/05(金) 13:43:10 ID:9xbPbDTk
善子「走って!! そうしなければ命はないわ!!」

ルビィ「ハアッ!! ハアッ!! ハアッ!!」



ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ああ゛ッ!!!!

あ゛あ゛あ゛あ゛あああああぁぁぁぁぁぁ!!!!!

196以下、名無しが深夜にお送りします:2019/04/05(金) 13:43:40 ID:9xbPbDTk
善子「扉を閉めるわ!!」


善子「たぶんダメだろうけど!!」



バアアァァァァァンンンン!!!!



ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ああ゛ッ!!!!

あ゛あ゛あ゛あ゛あああああぁぁぁぁぁぁ!!!!!

197以下、名無しが深夜にお送りします:2019/04/05(金) 13:44:11 ID:9xbPbDTk
善子「ダメ!! 一撃で粉砕されたわ!!」

ルビィ「ハアッ!! ハアッ!!」


ルビィ「ふぇぇ……」


ルビィは恐怖のあまり後ろを振り向く……

すると……

198以下、名無しが深夜にお送りします:2019/04/05(金) 13:44:45 ID:9xbPbDTk
ルビィ「ううぅぅ……ああぁぁ……はあッ……はあッ……」

善子「どうしたの!?」

ルビィ「あの敵しゃん見てると……苦しくなってきて」

善子「見ちゃダメよ!! 命を持っていかれるわ!!」

善子「絶対に振り向いちゃダメ!!」

善子「前だけ見て走って!!!!」

ルビィ「うゆううううう!!!!」

199以下、名無しが深夜にお送りします:2019/04/05(金) 13:45:16 ID:9xbPbDTk
ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ああ゛ッ!!!!

あ゛あ゛あ゛あ゛あああああぁぁぁぁぁぁ!!!!!



善子「ダメ!! 全然引き離せない!!」

ルビィ「うぅぅ……もうダメかも!!!」

善子「あきらめないで!!」

善子「頑張って走って!!」

ルビィ「はぁッ……はぁッ……」

200以下、名無しが深夜にお送りします:2019/04/05(金) 13:45:49 ID:9xbPbDTk
ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ああ゛ッ!!!!

あ゛あ゛あ゛あ゛あああああぁぁぁぁぁぁ!!!!!



あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!!!!!!!!!!



善子「ぐっ……」

ルビィ「もうダメだよ!! 追いつかれちゃう!!」

善子「はあッ……はあッ……!!」

201以下、名無しが深夜にお送りします:2019/04/05(金) 13:46:37 ID:9xbPbDTk
生存本能だとでもいうのだろうか

ルビィは後ろを振り向くと抵抗するように古びたカメラのシャッターを押した


パシャッッ!!!!



オ゛オ゛オ゛オ゛オ゛ア゛ア゛アアアアアアアァァァァァァ!!!!!!!

202以下、名無しが深夜にお送りします:2019/04/05(金) 13:47:07 ID:9xbPbDTk
目がくらむほどの強烈な光を浴びせると

その敵は叫び声を上げながら怯んだ

動きが止まっている今のうちなら逃げられるかもしれない

203以下、名無しが深夜にお送りします:2019/04/05(金) 13:47:42 ID:9xbPbDTk
善子「カメラのフラッシュが効いてるの!?」

ルビィ「はあッ……はあッ……」

善子「安心しないで! おそらく動きが止まるのはほんの十数秒程度よ!!」

ルビィ「ハァッ……ハァッ……」

善子「今のうちに遠くまで逃げるわよ!!」

ルビィ「う、うゆ……」

204以下、名無しが深夜にお送りします:2019/04/05(金) 13:48:15 ID:9xbPbDTk
善子「はあッ……はあッ……」

ルビィ「はあッはあッはあッはあッ……」


善子「ぐっ……」



ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ああ゛ッ!!!!

あ゛あ゛あ゛あ゛あああああぁぁぁぁぁぁ!!!!!

205以下、名無しが深夜にお送りします:2019/04/05(金) 13:49:00 ID:9xbPbDTk
善子「来てるわね!!」

ルビィ「はあッ……はあッ……振り向いてシャッター押したい……」

善子「ダメよ!! 使える回数はあと数回でしょ!!」

善子「それに振り向けば体力を持っていかれるわ!!」

善子「あの叫び声だけ聞いて近づいてきたその瞬間に振り向いてシャッターを押すのよ!!」

ルビィ「うゆ……怖すぎるよぉぉぉぉ!!!!」

206以下、名無しが深夜にお送りします:2019/04/05(金) 13:49:33 ID:9xbPbDTk
ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ああ゛ッ!!!!

あ゛あ゛あ゛あ゛あああああぁぁぁぁぁぁ!!!!!



ルビィ「ピギィ!! もうダメ!!!!」


ルビィが振り向くと敵は地を這いずりながら高速で接近してきていた


ルビィ「ぴぎゃぁぁぁぁああああああ!!!!!」

207以下、名無しが深夜にお送りします:2019/04/05(金) 13:50:21 ID:9xbPbDTk
ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ああ゛ッ!!!!

あ゛あ゛あ゛あ゛あああああぁぁぁぁぁぁ!!!!!



ルビィは恐怖のあまりシャッターを押す!!



パシャッッ!!!!



オ゛オ゛オ゛オ゛オ゛ア゛ア゛アアアアアアアァァァァァァ!!!!!!!



ルビィ「はあッ……はあッ……はあッ……!!!!」

善子「もっと遠くまで逃げるわよ!!」

208以下、名無しが深夜にお送りします:2019/04/05(金) 13:50:51 ID:9xbPbDTk
善子「はあッ……はあッ……!!!!」

ルビィ「はあッ……ぐっ……どこまで逃げればいいの!!」

善子「……ッ」

ルビィ「もう無理だよぉ!!」

209以下、名無しが深夜にお送りします:2019/04/05(金) 13:51:23 ID:9xbPbDTk
善子(正直、もうダメかもしれないわ……)

善子(カメラが使えなくなれば……私たちはおしまい……)

善子(ごめんねルビィ……守ってあげられなくて……)

善子(みんな……ごめんね……)

210以下、名無しが深夜にお送りします:2019/04/05(金) 13:51:53 ID:9xbPbDTk
ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ああ゛ッ!!!!

あ゛あ゛あ゛あ゛あああああぁぁぁぁぁぁ!!!!!



善子「来てるわ!! でも振り向かないで!!」

善子「もっと引き付けて!!」

善子「そうしないと逃げられる距離が短くなるわ!!」

善子「なんとしても出口にたどり着くのよ!!」

ルビィ「はあッ……はあッ……!!」

211以下、名無しが深夜にお送りします:2019/04/05(金) 13:52:23 ID:9xbPbDTk
ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ああ゛ッ!!!!

あ゛あ゛あ゛あ゛あああああぁぁぁぁぁぁ!!!!!



善子「今よ!! シャッターを押して!!」

ルビィ「うゆ!!」


パシャッッ!!!!



オ゛オ゛オ゛オ゛オ゛ア゛ア゛アアアアアアアァァァァァァ!!!!!!!

212以下、名無しが深夜にお送りします:2019/04/05(金) 13:52:55 ID:9xbPbDTk
善子「はあッ……はあッ……」


善子(あと何回使えるかしら……)

善子(5回だとしたらあと2回)

善子(でももし3回なら……いま3回使ったから終わり……)


善子(くっ……出口は見つからない……どうしたら……)

213以下、名無しが深夜にお送りします:2019/04/05(金) 13:53:25 ID:9xbPbDTk
ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ああ゛ッ!!!!

あ゛あ゛あ゛あ゛あああああぁぁぁぁぁぁ!!!!!



善子「ルビィ!!」

ルビィ「うゆ!!」


かちゃっ……かちゃかちゃ……


善子「え……?」

ルビィ「ぴぎぃぃ!?」

214以下、名無しが深夜にお送りします:2019/04/05(金) 13:53:58 ID:9xbPbDTk
善子「3回……」

善子「もうそのカメラは使えないわ!!」

ルビィ「うぇぇぇぇんんんん!! おねえちゃあああああああ!!!!」


善子「もうダメぇぇぇぇ!!!!」

215以下、名無しが深夜にお送りします:2019/04/05(金) 13:55:09 ID:9xbPbDTk
ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ああ゛ッ!!!!

あ゛あ゛あ゛あ゛あああああぁぁぁぁぁぁ!!!!!


あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!!!!!!!!!!


善子(ごめんね……)



ドオオオォォォォォォンンンン!!!!


……

216以下、名無しが深夜にお送りします:2019/04/05(金) 13:55:40 ID:9xbPbDTk
善子「……え?」

ルビィ「……え?」


ルビィ「敵しゃんの動きが……止まってる……」

善子「どういうこと……?」



??「オラが時を止めたずら」



善子・ルビィ「!?」

217以下、名無しが深夜にお送りします:2019/04/05(金) 13:56:13 ID:9xbPbDTk
善子「その声は……」


善子「ずら丸!!!!」


花丸「善子ちゃん、ルビィちゃん、大丈夫ずら?」


善子「どういうことなのよこれ」

花丸「話はあとずら……ここから離れるずら」

218以下、名無しが深夜にお送りします:2019/04/05(金) 13:56:48 ID:9xbPbDTk
ルビィ「うぇぇぇんんんんへなめるちゃぁぁぁあああ怖かったよぉぉぉ!!!」

花丸「ルビィちゃんよしよしずら……」

善子「はあッ……はあッ……」

善子「とにかくここから離れましょう」

花丸「うん、出口はこっちだよ」

────
──

219以下、名無しが深夜にお送りします:2019/04/05(金) 13:57:18 ID:9xbPbDTk
─影廊・出口─

花丸「ここが出口ずら」

花丸「その台座の上に勾玉を5つ置いて」

善子「ええ」

ルビィ「うゆ」

220以下、名無しが深夜にお送りします:2019/04/05(金) 13:58:09 ID:9xbPbDTk
花丸「あ、そのまえに……」



花丸「そして時は動きだす」



ドオオオォォォォォォンンンン!!!!


花丸「ここまで来れば大丈夫ずら」


殺気はどこかへと消え去った……

────
──

221以下、名無しが深夜にお送りします:2019/04/05(金) 14:01:00 ID:9xbPbDTk
☆ここまでに出現した敵☆

・神楽鈴の徘徊者

・走り廻る徘徊者

・泣き声の主

・憎悪を振りまく影

────
──

222以下、名無しが深夜にお送りします:2019/04/05(金) 14:01:33 ID:9xbPbDTk
花丸「台座に勾玉を5つ置くずら」

善子「ええ」


善子たちは台座に勾玉を置いた


<ギィィ……


奥の扉が開いた

223以下、名無しが深夜にお送りします:2019/04/05(金) 14:02:15 ID:9xbPbDTk
花丸「奥にある鏡で元の世界に帰れるずら」

善子「ええ、帰るわよ」

ルビィ「うゆ」


祭壇のような部屋を進み、3人は奥の部屋の鏡の前に来た

224以下、名無しが深夜にお送りします:2019/04/05(金) 14:02:46 ID:9xbPbDTk
善子「これで帰れるのね……」

花丸「うん……」

ルビィ「帰ろう……」


鏡が光を放つ

3人は元の世界に帰ることに成功した

225以下、名無しが深夜にお送りします:2019/04/05(金) 14:03:17 ID:9xbPbDTk
─元の世界─

善子「ここは……迷い込んだときのトンネルね……」

善子「ひどい目にあったわね」

ルビィ「うゆ……ごめんね善子ちゃん……」

花丸「二人とも無事でよかったずら」

226以下、名無しが深夜にお送りします:2019/04/05(金) 14:07:08 ID:9xbPbDTk
善子「それにしても驚いたわよ」

善子「どうやって徘徊者たちの動きを止めたのよ」

花丸「それなんだけど……」

ルビィ「……??」

227以下、名無しが深夜にお送りします:2019/04/05(金) 14:07:40 ID:9xbPbDTk
花丸「あの状況だと二人を助けることは不可能だった」

花丸「だから、人間をやめるしかなかった」

花丸「ごめんね二人とも……」

善子「どういう……こと……?」

228以下、名無しが深夜にお送りします:2019/04/05(金) 14:08:11 ID:9xbPbDTk
そう言うと花丸は

どこからか取り出した能面を

自らの顔につけるのだった……



シャン…………シャン…………

229以下、名無しが深夜にお送りします:2019/04/05(金) 14:08:44 ID:9xbPbDTk
どこかで鈴の音がした気がした……



おわり……?

230以下、名無しが深夜にお送りします:2019/04/05(金) 14:09:15 ID:9xbPbDTk


231以下、名無しが深夜にお送りします:2019/04/05(金) 14:10:10 ID:9xbPbDTk


232以下、名無しが深夜にお送りします:2019/04/05(金) 14:10:42 ID:9xbPbDTk


233以下、名無しが深夜にお送りします:2019/04/05(金) 14:11:12 ID:9xbPbDTk
花丸「なんちゃってずら〜☆」

花丸「冗談ずらよぉ〜☆」


善子「〜〜っっ!!」ポコポコ

花丸「いたいずらよぉ善子ちゃん」

善子「びっくりしたわよ!!」

花丸「ごめんずら」

────
──

234以下、名無しが深夜にお送りします:2019/04/05(金) 14:11:53 ID:9xbPbDTk
善子「トンネルを抜けると照りつける光に目がくらんだ」

善子「夏の日差しは強烈に、私たちを日常へと引き戻した」


善子「あのとき彷徨ったあの場所は一体何だったのかしら」

善子「ずら丸は何か知っているみたいだったけど、それ以上は教えてはくれなかった」

────
──

235以下、名無しが深夜にお送りします:2019/04/05(金) 14:12:39 ID:9xbPbDTk
─後日・浦の星女学院─

花丸「おはよう善子ちゃん」

善子「おはようずら丸」

善子「……」

善子「今日もルビィは休み?」

花丸「うん……」

236以下、名無しが深夜にお送りします:2019/04/05(金) 14:13:12 ID:9xbPbDTk
善子「ここのところずっとね……」

花丸「仕方ないずら……あんなことがあったんだから」

善子「そうね……元気になるといいわね」

善子「……」

237以下、名無しが深夜にお送りします:2019/04/05(金) 14:13:51 ID:9xbPbDTk
善子(実を言うと私もあまり元気ではない)

善子(あれからというもの毎晩、鈴の音が聞こえる気がする)

善子(暗闇が怖いし、堕天使の話も控えているわ)

善子(どうしちゃったのかしら……)


善子「……」

花丸「……」

238以下、名無しが深夜にお送りします:2019/04/05(金) 14:14:29 ID:9xbPbDTk
善子「……」

花丸「ルビィちゃんのお見舞いに行かない?」

善子「……そうね、行きましょうか」


────
──

239以下、名無しが深夜にお送りします:2019/04/05(金) 14:15:57 ID:9xbPbDTk
─黒澤家─

ダイヤ「お二人ともルビィのお見舞いありがとうございます」

善子「ええ、当たり前じゃない」

花丸「……」

ダイヤ「こちらの部屋ですわ」

────
──

240以下、名無しが深夜にお送りします:2019/04/05(金) 14:16:30 ID:9xbPbDTk
─ルビィの部屋─

ルビィ「あ、二人とも……」

善子「ルビィ……大丈夫?」

ルビィ「うん……」

花丸「ダイヤさんにはあのこと話してないずらね?」

ルビィ「うん……話してない」

241以下、名無しが深夜にお送りします:2019/04/05(金) 14:17:01 ID:9xbPbDTk
善子「そうよね……」

ルビィ「まだ怖いよ……」

善子「ルビィ……よく頑張ったわね」なでなで

ルビィ「うゆ……」

242以下、名無しが深夜にお送りします:2019/04/05(金) 14:17:40 ID:9xbPbDTk
善子「私たち学校で待ってるから……元気になったら来なさいよ」

ルビィ「うん……ありがとう」

ルビィ「……あのね」

善子「……?」

243以下、名無しが深夜にお送りします:2019/04/05(金) 14:18:11 ID:9xbPbDTk
ルビィ「3人でお泊りしたいな……」

善子「ええ、そうね」

花丸「オラもしたいずら」

────
──

244以下、名無しが深夜にお送りします:2019/04/05(金) 14:18:41 ID:9xbPbDTk
善子(私もまだ怖かった……)

善子(でも3人でいられると聞いてほっとした)

善子(この3人でよかった……)

────
──

245以下、名無しが深夜にお送りします:2019/04/05(金) 14:19:18 ID:9xbPbDTk
善子「後日、あのトンネルを訪れると反対側は住宅街につながっていた」

善子「あの場所に行くことはもうないはずだ」

善子「これでよかったんだ……そう思うことにしよう」


花丸「……また、このトンネルに来ちゃったずらか?」

246以下、名無しが深夜にお送りします:2019/04/05(金) 14:19:48 ID:9xbPbDTk
善子「ずら丸……どうしてここに?」

花丸「なんとなく善子ちゃんの様子がおかしかったから」

花丸「ここにまた来るんじゃないかなって……」

善子「ええ……実はまだちょっと怖いわ」

247以下、名無しが深夜にお送りします:2019/04/05(金) 14:20:20 ID:9xbPbDTk
花丸「大丈夫……もう善子ちゃんやルビィちゃんがあの場所に行くことはないずら」

花丸「……たぶん」

善子「え……?」

花丸「分からないずら……もしかしたらまた呼ばれてしまうこともあるかもしれないから」

善子「そんな……」

248以下、名無しが深夜にお送りします:2019/04/05(金) 14:20:52 ID:9xbPbDTk
花丸「善子ちゃん……本当はまた行きたいんじゃないずら?」

善子「え……?」

花丸「怖いんじゃなくて……またあの場所に行きたいんじゃない?」

善子「そ、そんなはずないじゃない!!」

善子「あんなに怖い思いをしたのよ!!」

249以下、名無しが深夜にお送りします:2019/04/05(金) 14:21:23 ID:9xbPbDTk
花丸「じゃあ、なんでまたこのトンネルに来たの?」

善子「え……?」

花丸「本当に怖いならもうここには二度と来ないはずだよ?」

善子「それは……」

花丸「善子ちゃん……」

250以下、名無しが深夜にお送りします:2019/04/05(金) 14:21:55 ID:9xbPbDTk
花丸「またあの場所に行きたいの……?」

善子「そんなはずないわ……でも、なんでかしら……?」

善子「そう言われると……もやもやがスッキリした気がする」

善子「もしかして本当に行きたいのかしら?」

251以下、名無しが深夜にお送りします:2019/04/05(金) 14:22:29 ID:9xbPbDTk
善子「非日常的な体験が私を変えてしまったのかしら?」

善子「堕天使とかに憧れる私だから特別な何かに惹かれるのかしら?」

善子「でも危ないことだって分かってる」

善子「近づいちゃダメなんだって」

花丸「……」

252以下、名無しが深夜にお送りします:2019/04/05(金) 14:23:06 ID:9xbPbDTk
花丸「善子ちゃん、ここに能面があるけど……被ってみる?」

善子「え……?」

花丸「あの化け物たちはみんな能面を被ってたよね?」

善子「えぇ……」

花丸「特別な力が手に入るかもしれないよ?」

善子「……」

253以下、名無しが深夜にお送りします:2019/04/05(金) 14:23:36 ID:9xbPbDTk
善子「ずら丸……あんた何言ってるの?」

花丸「オラはあのとき時間を止めたよね?」

花丸「それがこの能面の力だとしたら?」

花丸「あの徘徊者たちと同じように」

花丸「人間を超越した力を手に入れられるとしたら?」

花丸「この能面を被る?」

善子「……」

254以下、名無しが深夜にお送りします:2019/04/05(金) 14:24:06 ID:9xbPbDTk
善子「……」

善子「……被らないわ」

花丸「……そうずらか」

善子「私は私だもの……」

花丸「分かったずら……たぶん善子ちゃんたちはあの場所には二度と行かないずら」

花丸「なんとなくだけど……」

255以下、名無しが深夜にお送りします:2019/04/05(金) 14:24:55 ID:9xbPbDTk
善子「ずら丸……あんたは何者なの?」

花丸「……オラはオラずら」

花丸「善子ちゃんとルビィちゃんの友達」

花丸「二人の味方……信じて欲しいずら」

善子「……分かったわ」

善子「あんたを信じる」

花丸「ありがとう、善子ちゃん」

256以下、名無しが深夜にお送りします:2019/04/05(金) 14:25:27 ID:9xbPbDTk
善子「じゃあ、あの場所はなんだったの?」

花丸「……それは答えられないずら」

善子「そう……私も深くは聞かないでおくわ」

257以下、名無しが深夜にお送りします:2019/04/05(金) 14:26:00 ID:9xbPbDTk
善子「じゃあ、その能面は何?」

花丸「オラがいま手に持ってるのは、何の力もないただの能面ずら」

善子「は?」

花丸「善子ちゃんをちょっとからかっただけずらよ」

善子「あんたねぇ……」

258以下、名無しが深夜にお送りします:2019/04/05(金) 14:26:36 ID:9xbPbDTk
花丸「それじゃあ一緒に帰るずらよ」

花丸「ルビィちゃんとお泊り会するずら」

善子「……はあ、そうね」

善子「……私も楽しみだわ」

────
──

259以下、名無しが深夜にお送りします:2019/04/05(金) 14:27:06 ID:9xbPbDTk
善子「あの後はずら丸とルビィとお泊り会をしたわ」

善子「私もルビィもすっかり元気になって、ルビィもまた学校に通うようになったわ」

善子「これでまたAqoursの活動ができそうね」

260以下、名無しが深夜にお送りします:2019/04/05(金) 14:27:37 ID:9xbPbDTk
善子「結局、いろいろなことが分からなかったけど」

善子「私たちは無事に脱出できたのだ」


善子「深い闇に鳴り響く、あの鈴の音はもう二度と聞こえることはなかった」

────
──

261以下、名無しが深夜にお送りします:2019/04/05(金) 14:28:09 ID:9xbPbDTk
─後日─

果南「1、2、3、4、1、2、3、4……」

果南「はい今日の練習はここまで!」

ダイヤ「皆さんお疲れ様です」


ルビィ「善子ちゃん!花丸ちゃん! 一緒に帰ろう!」

善子「えぇ」

花丸「ずら〜」

262以下、名無しが深夜にお送りします:2019/04/05(金) 14:28:40 ID:9xbPbDTk
曜「千歌ちゃん! 一緒に帰りましょうであります!!」

千歌「うん! 帰ろう!!」

千歌「はあぁ今日も練習疲れたね!!」

────
──

263以下、名無しが深夜にお送りします:2019/04/05(金) 14:29:10 ID:9xbPbDTk
千歌「……」

曜「そういえば千歌ちゃん!」

曜「……千歌ちゃん? どうしたの?」

千歌「あの路地が気になる」

曜「え……?」

264以下、名無しが深夜にお送りします:2019/04/05(金) 14:29:40 ID:9xbPbDTk
千歌「そう、この路地!!」

千歌「なんていうのかな、こう……」

千歌「冒険心がくすぐられる……っていうのかな」

曜「たしかに……日本の夕暮れの景色って感じ」

曜「ノスタルジックっていうのかな?」

265以下、名無しが深夜にお送りします:2019/04/05(金) 14:30:13 ID:9xbPbDTk
千歌「ちょっと奥まで行ってみない?」

曜「え? 危ないよ?」

千歌「大丈夫だよ、ちょっとだけ」

曜「やめようよ」


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