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ガール「嘘のほうが優しいんだもん」

1以下、名無しが深夜にお送りします:2019/01/04(金) 21:21:52 ID:FJOZe/WE
あたしのお仕事は手紙屋さん

手紙の代筆代読はもちろん配送まで一人でやってるの

こっちでは字を読み書きできる人も少なくなったから

このお仕事をしていると色々な所にいけるし

どこにいっても歓迎してくれるし

手紙を受け取ってくれたほとんどの人達が大切な人からの

手紙を喜んでくれるし

あたしはこのお仕事が好きだと思う

2以下、名無しが深夜にお送りします:2019/01/04(金) 21:22:26 ID:FJOZe/WE
あたしの住む村からずーっと東に行ったところ

大きな街の残骸の端っこ、人工の島の上に村があるということは知っていた

手紙を届けてほしいってお仕事を依頼されることも無かったから

あたしの村とその村に人との繋がりは無いと思っていた

3以下、名無しが深夜にお送りします:2019/01/04(金) 21:23:39 ID:FJOZe/WE
「『ジジイが死んだ』以上」

葬儀の終わった次の日、バーちゃんはあたしが店じまいする少し前

夕方ごろにやってきて配達先である東の村に住む女性の名前と

代筆の内容だけを伝えると

慣れた手つきでパイプに火をつけ、口にくわえた

「それだけ?もっと他に…」

「それ以上言いたいことなんかないよ」

バーちゃんはパイプをとると、マズそうに煙をたっぷりと吐き出した

4以下、名無しが深夜にお送りします:2019/01/04(金) 21:24:29 ID:FJOZe/WE
「昔の知り合いなんでしょ?便せん一枚なら料金も変わらないし…」

「相手さんだって嫌だろうさね!男の取り合いに負けた奴からの手紙なんて」

「ただこっちにも義理があるし…あんなジジイでも好いてくれてた奴だから知る権利くらいある」

「釣銭はくれてやるからしっかり頼んだよ」

そう言い終えるとバーちゃんはまたパイプを口にくわえ、あたしの店を後にした

残されたのは短い短い手紙と甘ったるい煙とあたし

あ、あと料金ぴったりの銀貨だけ

5以下、名無しが深夜にお送りします:2019/01/04(金) 21:25:43 ID:FJOZe/WE
というのが三日前の話で、今あたしがいるのは大きな街の残骸の中でも

ひときわ目立つ赤の巨塔の足元

この塔はあたしが生まれるよりちょっと前

20年前くらいに折れちゃって高さが半分くらいになったらしいけど

それでもとてつもなく大きい、遠くからでも目立つので未だに旅人やあたし達手紙屋は目印にしたりする

もっと昔には赤の巨塔の倍近くある塔もあったらしい

6以下、名無しが深夜にお送りします:2019/01/04(金) 21:26:13 ID:FJOZe/WE
昔の人の技術は本当にすごい

ここまで来る計画を立てるのに使った地図もずっと昔に描かれたものなのに

縮尺がとても正確で本当に役に立っている

おかげでほぼ計画通り東の村につきそう


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