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武内P「担当Pの浮気に困っている?」
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まゆ「そうなんです……どうにかなりませんか?」
武内P「……あの、佐久間さん?」
まゆ「はい?」
武内P「そもそも、貴女と彼は付き合っていません……よね?」
まゆ「はい?」
武内P「あの、佐久間さん?」
まゆ「はい?」
まゆ「はい?」
武内P「……何でもありません」
-
黒龍拳士達「や、やつは……梁師範!?」
梁師範「大丈夫!? 怪我とかな〜い!?」アセアセ!
操船クルー達「……!」コクコク!
梁師範「ほーっ、良かった! 超焦った〜!」ホッ!
梁師範「気合入れすぎて、めっちゃドア吹っ飛ぶんだもん!」
梁師範「――フッ、やっぱりお前たちは修行が足りねえな」
梁師範「冷静さを欠いたヤツに、勝利は掴めねえ」キリッ!
操船クルー達「……!」だああーっ!
ガリ眼鏡「えっ、ええい! 相手は一人だ、ひるむな!」
ガシィッ!
ガリ眼鏡「ひぎっ!? くっ、苦し……!?」
お願いシンデレラマン「正義のヒーローは、一人とは限らねえぜ!」
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・ ・ ・
船上デッキ
『――操舵室は取り戻したぜ!』
『おい! 美人って、コイツ男じゃねえか!』
ターちゃん「……そうだったの?」
ヂェーン「最近じゃ、男の人も美人って言うみたいよ」
黒龍拳士F「ふっ! はっ! せやっ!」
ペドロ「あの、先生!? 戦ってください、先生――っ!」
ターちゃん「あわわ、ごめんよペドロ!」
ターちゃん「だが、数が多い……!」
ターちゃん「こんな時は――」
仁奈「動物パワーでごぜーます!」
ターちゃん「――なのだ〜!!」
-
ターちゃん「んんんっ……!」
ターちゃん「ハッ――」
シュンッ―
ヂェーン「そうよ! チーターの俊敏さで、敵に近づいて――」
ターちゃん「ああああっ!」ギロオッ!
黒龍拳士G「ひっ!?」
ヂェーン「ライオンの様に威圧! そこから――」
ターちゃん「アライグマの様に、丁寧に洗うのだ〜」キュルリンッ!
黒龍拳士G「あっ♡ ああんっ♡ もうだめぇ♡」
ヂェーン「真面目にやんなさいよね!!」
美波「ヤダ、凄い……! あんなの初めて……!」メモメモ
武内P「新田さん!? あの、何故メモをとっているのですか!?」
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・ ・ ・
ガリ眼鏡・黒龍拳士達「ぐがぁ〜っ! すぴぃ〜っ!」
…バタンッ!
ターちゃん「ねえ、ホントに縛らなくてよかったの?」
ヂェーン「あのまま、一週間は眠り続けるそうよ」
ペドロ「一週間も!?」
ヂェーン「なんでも、そういう不思議なお薬を使ったみたい」
アナベベ「本当に信用出来んのか?」
ヂェーン「……アナベベ、ちょっとこの瓶の匂い嗅いでみて〜♪」
アナベベ「ん? なんだこりゃ、香水――」クンクンッ!
アナベベ「――あっ、性欲が消えた」キラキラッ
ヂェーン「凄いわ、これ本物じゃないの」
ターちゃん・梁師範・ペドロ「……!?」ぞ〜っ…!
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仁奈「――ターちゃんっ!」
エテ吉「ウキキッ!」
ターちゃん「仁奈ちゃん。それに、エテ吉」
仁奈「もーっ! 早くしないと、LIVEが始まるですよ!」
ターちゃん「えっ!? もうそんな時間!?」
エテ吉「ウキーッ! ウキキッ!」
仁奈「エテ吉も、こう言ってやがります!」
エテ吉「ウキッ! ウッキーッ!」
仁奈「ねーっ♪」
ターちゃん「よ〜し! それじゃあ急ごうか!」
仁奈「はいっ♪」
ペドロ「あの……あの仁奈って子、エテ吉の言葉わかってないッスか!?」
ヂェーン「たまに居るのよね、ああやって動物の気持ちがわかる子が」
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梁師範「まっ、動物ってのは素直な生き物だからな」
ペドロ「……ですね! それに、あの二人を見てると――」
ターちゃん「動物パワー……プロングホーン!」ニョキッ!
仁奈「ふおおっ!? 髪が、角になりやがりました!」
ターちゃん「シカの仲間で、チーターの次に足が速いのだ〜!」ニョキッ!
ターちゃん「さっ、背中に乗って!」ニョキッ!
仁奈「はいっ!」
ターちゃん「それーっ!」ニョキッ!
仁奈「はえーっ! すっげーはえーでごぜーます!」
ターちゃん・仁奈「あははははっ!」ニコニコ!
ペドロ「――こっちまで、笑顔になっちゃいますよ!」ニコッ!
梁師範「――フッ、確かにそうだな」ニコッ!
アナベベ「おい、どうしてチンチンって存在してんだ?」
-
ヂェーン「それより、あたし達も行きましょ!」
ペドロ「はい!」梁師範「ああ!」
アナベベ「なあ、おい。タマタマも、必要なくねえか?」
仁奈「ターちゃん!」
ターちゃん「ん? どしたの仁奈ちゃん?」
仁奈「いつか……いつか、アフリカに遊びに行くです!」
仁奈「その時まで、ちゃんと待っててくだせー!」
ターちゃん「勿論さ! 絶対に忘れないし、歓迎するよ!」
ターちゃん「アフリカの大地と、緑豊かなジャングルと、動物達と――」
ターちゃん「ジャングルの王者、ターちゃんが!」
https://www.youtube.com/watch?v=bWybxiTB4-A
おわり
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明日は書けないと思います、申し訳ない
寝ます
おやすみなさい
-
乙
アニメターちゃん見たあと漫画見ると救いがなくて驚いたりする
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アナベベがアベナナに見えたり
-
アメリカハイスクールレモネードテロ事件の動画を見たが、ここで訓練を積んでいなかったらヤバかったね。
えっ、今日は全員レモネード飲んでいいのか!!
-
<strong>a</strong>
-
書きます
武内P「ネクタイ、ですか」
-
ちひろ「えっ!?」
武内P「……当たっているようですね」
ちひろ「あの……どうして、プレゼントの中身がわかったんですか?」
武内P「……」
武内P「日頃の感謝の気持ちだと、ネクタイを頂くのは……」
武内P「今日だけで……20回目ですから」
ちひろ「……」
ちひろ「はいっ!?」
-
ちひろ「それ、本当ですか!?」
武内P「ええ、まあ」
ちひろ「今日だけで……ネクタイを20本貰ったんですか!?」
武内P「はい、その通りです」
ちひろ「どうしてそんな事になってるんですか!?」
武内P「私にも……わかりません」
武内P「本当に、ただの偶然――」
武内P「――ちょっとした、奇跡が起きたのだ、と」
武内P「……そう、考えています」
ちひろ「……!?」
-
ちひろ「今日って、何か特別な日でしたっけ!?」
武内P「強いて言うなら……秋分の日の、振替休日です」
ちひろ「ですよね!」
武内P「千川さんは……何故、今日を選ばれたのですか?」
ちひろ「……」
ちひろ「……なんとなく、です」
ちひろ「その……本当に、なんとなくです」
武内P「……ですよね」
-
ちひろ「本当に、フッ……と、ですね」
武内P「……」
ちひろ「プロデューサーさんに日頃の感謝の気持ちをー、って……」
武内P「……」
ちひろ「何にしようかなぁ、ネクタイとか良いかなー、って……」
武内P「……」
武内P「全員、同じことを言っていました」
ちひろ「……」
ちひろ「……そう、なんですね」
-
武内P「途中から……ですね」
武内P「皆さん、何か相談をして今日にしたのか、と」
武内P「……そう、思ったのですが」
ちひろ「……」
武内P「私の見た限りでは、そのような感じは見られず……ですね」
ちひろ「……ええ」
武内P「今日は、何でもない日にも関わらず……」
武内P「……大変な事が起きてしまった、と」
武内P「……そう、考えています」
ちひろ「……ですよねぇ」
-
ちひろ「皆、他に何か言ってましたか?」
武内P「……千川さんは、何を言おうとしていましたか?」
ちひろ「えっ? 私、ですか?」
武内P「はい。差し支えなければ……お願いします」
ちひろ「え、ええと……」
ちひろ「……中身は、ネクタイです」
ちひろ「でも、プレゼントしたって皆に知られたら……」
ちひろ「……んんっ! まあ、そんな感じで、ですね?」
ちひろ「――内緒ですよ」
ちひろ「……って」
武内P「皆さんに、そう言われました」
ちひろ「……」
-
ちひろ「はあ……皆にも」
武内P「それで、終わりでしょうか?」
ちひろ「………………終わりですよ?」
武内P「千川さん」
ちひろ「……」
ちひろ「……もし、気に入ってくれたら」
ちひろ「明日、着けてきてくれると私も嬉しいと思います……って」
ちひろ「……言おうかなー……なんて……」
武内P「皆さんに、そう言われました」
ちひろ「……」
-
ちひろ「……」
武内P「……」
ちひろ「……もうっ、駄目じゃないですかプロデューサーさん!」
武内P「千川さん?」
ちひろ「皆には、内緒って言われたんですよね?」
武内P「はい、そうですね」
ちひろ「私に、言っちゃ駄目じゃないですか!」
武内P「20本の大台に乗り、心が折れてしまいました」
武内P「そして、とても一人では抱えきれない問題だ、と」
武内P「……そう、思いましたので」
ちひろ「……」
ちひろ「……ですよね」
-
シンクロニシティ…ッ!
-
武内P「千川さんの意見をお聞きたいのですが……」
ちひろ「……はい、どうぞ」
武内P「首に、ネクタイを20本全て巻く、というのは……」
武内P「有り、でしょうか?」
ちひろ「……無しです」
武内P「では……首にではなく、ですね」
武内P「全身の、いたる所に、こう……巻くというのは?」
ちひろ「……もっと無しです」
武内P「……」
ちひろ「……」
-
ちひろ「普通に……いつものじゃ、駄目ですかね?」
武内P「それは、当然考えました」
武内P「……ですが――」
武内P「――無理にとは言わない、と」
武内P「その、少し遠慮がちに……はい、全員……」
武内P「……」
武内P「もう、死ぬしか無いのでしょうか?」
ちひろ「!? プロデューサーさん!?」
ちひろ「諦めないでください! プロデューサーさん!」
-
偶然の女神がいたんだろ
-
武内P「今回の事態が――」
武内P「誰が贈ったネクタイを着けてくるか、と」
武内P「……皆さんで、話がついている場合」
武内P「その状況ならば、いくらでも道は開けます」
武内P「……ですが……完全に、善意なのです……!」
武内P「もう、死ぬ以外の道は、私には見えません……!」
ちひろ「待ってください! 結論が極端すぎます!」
武内P「皆さんの――善意と言う、まばゆい光」
武内P「……強すぎる光は、視界を奪ってしまいます」
武内P「それは、白と黒の違いはありますが、闇と同じなのです」
ちひろ「何言ってるんですか!?」
-
ちひろ「諦めず、何か道を探しましょう!」
武内P「いえ、ですが……」
ちひろ「しっかりしてください! プロデューサーさん!」
武内P「っ!……千川さん……」
武内P「では、どうしたら良いと思いますか?」
ちひろ「そんなの……」
ちひろ「……えっ、と……ですね……」
ちひろ「――笑顔です♪」ニコッ!
武内P「……良い、笑顔です」
武内P「……」
武内P「待ってください! 笑って誤魔化さないでください!」
-
ちひろ「それじゃあ、プロデューサーさんにアドバイスを」
武内P「えっ?」
ちひろ「お役に立つか、わからないですけど……」
武内P「っ、是非! 是非、聞かせてください!」
ちひろ「――何でもない、特別じゃない日」
ちひろ「そんな日に贈った、プレゼントの……ネクタイ」
ちひろ「プロデューサーさんが、明日それを着けてきたら――」
ちひろ「――明日は、ちょっと特別な日になります」
武内P「……」
武内P「待って……いえ、やめてください!」
武内P「千川さん、お願いします! やめてください!」
-
東京に死刑囚が集まるんです?
-
ちひろ「……きっと皆、期待してると思いますよ」
ちひろ「いえ、それだけじゃなく……不安も感じてます」
ちひろ「プロデューサーさん、着けてきてくれるかな、って」
ちひろ「私が贈ったネクタイ、気に入ってくれるかな、って」
武内P「っ……!?」
ちひろ「……それ。私も、私なりに頑張って選んだんです」
ちひろ「きっと、皆も同じ様に頑張って選んだと思います」
武内P「……」
-
ちひろ「だから……悲しいこと、言わないでください」
武内P「……千川さん」
ちひろ「もしも明日着けてこなくても、ですね!」
ちひろ「ちょっと、特別な日がずれるだけですから!」
ちひろ「あっ! 私は、20日後でも、良いですからね!」
ちひろ「だって、アシスタントですもの♪」ニコッ!
武内P「……ありがとう、ございます」
武内P「……はい……私も、覚悟を決めました」
武内P「とても、いたたまれない視線を向けられる、覚悟を……!」
ちひろ「頑張ってください、プロデューサーさん!」
-
・ ・ ・
コンコン、ガチャッ!
ちひろ「――おはようございます」
武内P「千川さん」
武内P「おはよう、ございます」
ちひろ「――!」
ちひろ「それ……そのネクタイ……!」
武内P「似合って、居ますか?」
ちひろ「――はいっ♪」ニコッ!
ちひろ「思った通り、とってもお似合いですよ♪」ニコニコ!
-
・ ・ ・
武内P「皆さん、おはようございます」
CPアイドル達「――!」
CPアイドル達「はいっ! おはようございます!」ニコッ!
武内P「……良い、笑顔です」
CPアイドル達「ふふふっ♪ はいっ♪」ニコニコ!
武内P「……」
武内P(全員、全く同じネクタイを選ぶという……奇跡……!)
武内P(……だが、それは誰にも言わないでおこう)
武内P(首を絞める結果になる)
おわり
-
相変わらずオチがうまい
乙
-
千川さんだけ秘密を打ち明けられるんだね
-
そこは墓まで持ってくだろ
ただし20日同じネクタイをしてることでバレる
-
ちっひ相手だと完全に役割が逆転するな。これもう勝負あったんじゃないかな
-
悩んでる武内Pを知ってるちひろさんとしては遠慮がなくなるから武内Pの婿養子先は確定
-
結局淡い期待を持っていた女子どもが「私って脈アリかも」と勘違いしただけじゃないか!
-
何でもない日に贈ったネクタイを翌日早速付けてきてくれて
自分だけがそれを知ってて他の人は何も知らない状況とか優越感すごそう
-
ムラムラってどういう事か美波に聞いちゃう年少組をください!
-
天高く、馬肥ゆる秋。
食欲の秋とも言われるこの季節は、魅力的な食べ物が多い。
夏の暑さも過ぎ去り、それまで食べる事が億劫になっていた反動もあるのかも知れない。
兎にも角にも、秋とは、食欲が増す季節だ。
「……」
私の眼の前に座る彼女も、多分に漏れず食欲が増していた。
カロリー制限を設けてはいるのだが、
お菓子を作っている時のつまみ食い等で、その制限を超過してしまう事も少なくない。
だが、あまり厳しく注意しすぎても、彼女の魅力を損なう恐れがあった。
甘い物を食べている時の彼女の笑顔は、それ程までに、魅力的だから。
「……」
しかし、ソファーに座る彼女の顔に、笑顔は無い。
俯きながら、ただ、無表情にバスケットの中からお菓子――スイートポテトを取り出し、
何かから逃げるように、口に運び、咀嚼、嚥下していた。
「……」
秋の味覚――サツマイモ。
放屁が放屁を呼び、その果てへと、彼女は既に到達していた。
-
「……」
きっかけは、小さな、可愛らしいとも言える放屁の音だった。
気の所為だと言ってしまえば、それで済んでしまう程度の、小さな音。
だが、それまで笑顔でスイートポテトを頬張っていた三人の内二人は、
その音を聞いて、一瞬だけ動きを止めてしまった。
「……」
丁度、会話が途切れた瞬間だったのも、要因の一つだろう。
海外では、こういった瞬間の事を「天使が通った」と表現するそうだ。
そう、
天使が、放屁をした。
言ってしまえば、ただ、それだけの事だったのだ。
その彼女は、しばしばファンの方達から「天使」と呼ばれる事がある。
私も、その表現には共感する部分もあるが、アイドルとは言え、生きた人間。
芋を食べれば、放屁の一つや二つ、するのが当たり前だ。
だが……それが悲劇の始まりを告げる銃声となったのは、紛れもない事実だろう。
-
「……」
この場に居たのが彼女達だけならば、笑い話で済んだのかも知れない。
そうだったならば、どれだけ良かっただろうか。
……いや、そんな仮定をしても、何の意味もないだろう。
この場には、彼女達だけでなく、私も居合わせてしまったのだから。
「……」
それは、本当に偶然だった。
私は、スイートポテトを食べる三人の微笑ましい姿を眺めていた。
時間にすれば、PCの画面から目を離した……五秒ほどだろうか。
その五秒の間に、天使の放屁。
慌てた天使の、焦燥と羞恥。
突き刺し合う事になってしまった、視線と視線。
慌てて視線を逸らしても、遅かった。
芋はもう、運命の下り坂を転がり始めてしまっていた。
-
「……美味しい〜」
などと、呑気なことを言っている場合では、断じて、無い。
本来ならば、今すぐにでも彼女を止めるべきだ。
カロリー制限などと、そんな、生易しいものが理由では無い。
彼女は、糞を漏らしているのだ。
スイートポテトではなく、悲しみのショコラ・ティアラ。
夢のティアラ、悪夢だから。
……駄目だ、私まで正気を失っては、いけない。
「美味しいから、大丈夫……大丈夫」
全然、大丈夫ではありません。
長いスカートとソファーで隠れているが、その中は、恐らく阿鼻叫喚。
甘い物を食べる幸せで、彼女はその地獄の中でも心を保っているのだ。
「……」
早く、食べ終わっていただけませんか。
そんな言葉が何度も口をついて出ようとしたが、異臭により、閉口せざるを得なかった。
-
「……」
羞恥に頬を染め、目に涙を溜める天使を救ったのは、一人の少女。
怠惰な人間だと皆は彼女を言うが、私はそうは思っていない。
彼女は、とても情に厚く、同じユニットのメンバーの二人を大切に想っている。
そんな彼女が取った行動、それは……
……――放屁。
最初に鳴った音よりも、大きな放屁の音が部屋に響いた。
続けて、
――おイモ食べたら、出るのは仕方ないよね〜。
と、あっけらかんと、笑顔で言い放ったのだ。
腹に力を込めて出したであろう屁の音と、
彼女のその様子を見て、他の二人は、クスクスと笑い声を上げていた。
――ドボンッ!
……と、三発目……三人目の彼女が、放屁をするまでは。
優しさは時に人を傷つけると言うが、それは、あまりにも盛大な自爆音だった。
-
「……甘〜い」
苦い思いが、胸の内で三三七拍子を軽快に刻む。
――二人にだけ、恥ずかしい思いをさせるのは、いけない。
確認してはいないが、彼女が放屁をしたのは、それが理由だろう。
ただ、その思いが強すぎただけ。
空砲ではなく、実弾が飛び出した。
リハーサルではなく、本番が始まってしまっただけなのだ。
「……」
友を想う心の在り方、そして、その結果を……どうして責められるだろう。
強いて注意するとしたら、作っている最中の、つまみ食いだけ。
かなりの量をつまみ食いしていなければ、あの威力は出ない。
音だけ聞いたなら、346プロダクションがテロリストに襲われたと勘違いする爆音だった。
「あっ……あと、残り一個しかない」
切なげな声を聞きながら、私は再度確認した。
ゴミ袋、よし。ウェットティッシュ、よし。ゴム手袋、よし。
-
この板でしかこのシリーズ読んでない人はこの展開について来られるのだろうかw
-
「……」
本来ならば、マスクも着用したい所ではある。
しかし、あまりにも重装備が過ぎると、相手を傷つけかねない。
必要最低限で、最大の効果をもたらしてくれる物だけを選び抜いた。
……お願いします、選ばせないでください。
「あと……一個……」
彼女は、どうしたのだろうか。
早く、最後の一つを片付けて頂き、片付けを始めたいのですが。
「あの……プロデューサーさん」
彼女は、そんな私の心情などいざ知らず、
「お一つ、いかがですか?」
笑顔で、信じられない言葉を口にした。
彼女の優しさが、サツマイモの牙となって私に襲いかかってきた。
-
「今日は、とっても上手に出来たんですよ」
彼女が、お菓子を作って持ってくるのは、自分が楽しむためだけではない。
作ったお菓子を食べた人が、
幸せそうな顔をしているのを見るのが好き……なのだそうだ。
「あっ、いえ……その……!」
確かに、私はスイートポテトを食べてはいませんでした。
そして、貴女が優しい方だと言うのは、十分に理解しているつもりです。
理解していますが……理解していますが!
「今、ですか……!?」
その申し出は、私の理解の範疇を越えています!
「美味しいから、大丈夫ですよ〜」
これ程薄っぺらい「大丈夫」は、聞いたことがなかった。
向けられたバスケットは、さながら砲身のよう。
プロジェクトルームは、異臭立ち込める戦場へと変わっていた。
-
「……!」
いくら彼女が大切な担当アイドルだとしても、
糞の臭いの充満する此処で甘味を食す気にはなれない。
この場合、危険手当を申請したら受理されるだろうか?
「そ……そう、ですか」
何とか、スイートポテトを躱しつつ、片付けたい。
サツマイモ、砂糖、牛乳、バターで構成された一個の砲弾。
貰ったら……食らったら、耐えきれるか自信が無い。
美味しいから大丈夫で無く、非常に不味い事になる可能性が高い。
「はい♪」
ボムンッ!
「っ!?」
そんな、私の心の内を見透かしたような、威嚇射撃。
自然と足は止まり、縫い止められたように動かなくなった。
……まあ、あれだけ食べたら、また出ますよね。
-
「美味しいから、大丈夫ですよ〜」
待ってください。
待ってください、待ってください!
あの……本当に、今、食べなくてはいけませんか!?
――と、叫び声を上げそうになった時……見てしまった。
「っ……!」
バスケットを差し出す彼女の手が、震えているのを。
よく見れば、足先も微かに震えていた。
甘い物……スイートポテトを食べた幸せは、末端神経まで伝達しきっていなかったのだ。
「どうぞ♪」
だと言うのに……彼女は、私に最後の一個を差し出してきているのだ。
「……ありがとう、ございます」
……残念ながら、感謝の気持ちは一切籠められなかった。
-
・ ・ ・
「……」
私は、勝った。
彼女達が歩んできた道のりの記憶が、リバースをせき止めたのだ。
江戸切子職人の方の顔が浮かんだ時は危なかったが、耐えた。
吐き気をこらえつつ、脱糞の後処理をやり遂げたのだ。
「……」
彼女の言った通り、確かに、スイートポテトの出来は素晴らしかった。
あの様な状況でなければ、ただ、純粋に楽しむことが出来たのだろう。
そうならなかった事は悔やまれるが、仕方が無い。
――また作ってきますね〜。
彼女はそう言っていたが、食べる時は、どこかに隠れていよう。
そう、考えながら、沈みゆく夕日の美しさに、目を細めた。
私は……秋が、少し嫌いになった。
おわり
-
乙
糞まで食べてこそのP
-
沢山食べるから沢山出る
沢山出るから緩むんだよな
理屈は分かる
-
我慢しきれなかったんだな(下ネタをw)
-
この板の新規にいきなり大は刺激強すぎないか
年少組の小くらいから段階踏んだほうが良いのでは
-
今までと違って処理描写がさらっと流されてるのでセーフ
-
かな子の尿は甘い味と香りがしそう
-
肝臓どころか膵臓も逝ってんじゃねーか!
-
書きます
武内P「禁酒令、ですか」
-
楓「はい」
武内P「はあ……そう、ですか」
楓「ひどいと、思いませんか?」
武内P「あの……何故、それを私に?」
楓「……やっぱり、そうですよね」
楓「ひどいと、思いますよね」
武内P「……」
武内P「えっ!?」
-
武内P「待ってください! 私は、まだ何も!」
楓「えっ?」キョトン
楓「……?……?」オロオロ!
武内P「あの、事情を説明して頂けませんか!?」
楓「あっ、そうですよね……すみません、私ったら」
楓「一緒に、直談判してくださるのに」
楓「事情を説明しないと、困っちゃいますよね」
武内P「……」
武内P「えっ!?」
-
武内P「待ってください! 直談判、ですか!?」
楓「えっ?」キョトン
楓「……?……?」オロオロ!
楓「!」ポンッ!
武内P「いえ、あの! 何を納得なさったのですか!?」
楓「ふふっ! ビールは、浴びーるけど……」
楓「ブランデーは、かぶらんでー♪ うふふっ!」
武内P「……」
武内P「あの! それは今、全く関係の無いダジャレです!」
-
武内P「誰に、直談判しようと言うのですか!?」
楓「えっ?」キョトン
武内P「まさかとは、思いますが……」
楓「専務でーす♪」ニコッ!
武内P「……」
武内P「……良い、笑顔ですね」
楓「では、一緒に直談判してくださる、という事で」
楓「宜しくおねがいします」ペコリ
武内P「っ!? 待ってください!」
武内P「笑顔を褒めたのは、了承の返事ではありません!」
-
武内P「専務に、禁酒を言い渡されたのですね……」
楓「ひどいと、思いますよね」
武内P「その……何と言って良いものか、はい」
楓「私に、お酒を飲むなだなんて……」
武内P「……」
楓「そう言われると、何故か余計に美味しく感じちゃって」
楓「……駄目な大人ですね、私」
武内P「……」
武内P「いえあの! 全く禁酒出来ていませんね!?」
-
武内P「何か、あったのですか……!?」
楓「えっ?」キョトン
楓「ええ、と……特に、無いと思います」キッパリ!
武内P「成る程……そう、ですか」
楓「専務に言われたのは――」
楓「酔っ払って、奏ちゃんに迷惑をかけるのはいかがなものか、って」
楓「君は、25歳の良い大人なのだから……」
楓「……17歳の彼女を困らせるなら、お酒は控えなさい、って」
武内P「……」
武内P「それは……ぐうの音も出ない、正論ですね」
-
武内P「特に無い、という発言は一体……?」
楓「女はみんなLie♪ La♪ Lie♪ ほんの少し、嘘つき♪」
武内P「歌わないでください」
楓「……」スイスイッ
武内P「踊らないでください」
楓「……」
楓「……!」ムスッ!
武内P「……高垣さん、待ってください」
武内P「今、私が怒られる要素はありましたか!?」
-
武内P「高垣さん」
楓「はい」
武内P「お話は……わかりました」
武内P「ですが……どうして、直談判に私を同行させようと?」
楓「一緒に、笑顔で♪」ニコッ!
武内P「……良い、笑顔です」
武内P「……」
武内P「高垣さん!? 理由を説明していただけますか!?」
-
武内P「……」
楓「……貴方と専務は平行線だ、と」
楓「そういったお話をされたと聞いています」
武内P「え、ええ……そうですね」
楓「つまり……専務が、禁酒派なら――」
楓「――貴方は、飲んだくれても良い派」
楓「……――違いますか?」キランッ!
武内P「違います」
楓「……」
楓「っ!?」
武内P「あの……驚かないで、頂けますか?」
-
楓「……!?……!?」オロオロ!
武内P「たっ、高垣さん!? 落ち着いてください!」
楓「たっ、高垣楓です! 高垣楓です!」
武内P「存じています! わかっていますから!」
楓「そんな……貴方まで、禁酒しろって言ったら……!」
楓「事務所に、味方が居なくなっちゃうじゃないですか……!」
武内P「……」
武内P「既に、思い切り孤立なさっているじゃないですか!」
-
楓「……すみません、取り乱してしまって」
武内P「ええ……はい」
楓「はい?」キョトン
武内P「……いえ、何の問題もありません」
武内P「ですが……そういう事なら、禁酒なさっては?」
楓「と、思いもしましたが」
武内P「まずは、一週間程度、試しに……」
楓「大人しく飲めたら、完全解禁で良いのでは……と」
楓「――なるほど♪」
武内P「待ってください!」
武内P「言葉を挟んで、都合の良い方向に進めないでください!」
-
・ ・ ・
専務「……ふむ、成る程」
楓「それなら、どうでしょうか?」
専務「少し待ち給え」
専務「……君も、彼女と同じ意見なのか?」
武内P「わ」
楓「お仕事に、大きいも小さいもありません」
武内P「……」
専務「高垣楓、その話は今関係無い」
-
専務「だが……完全解禁は、了承しかねるな」
専務「反動で、大きな問題を起こしかねない」
楓「その心配はありません」
専務「? 何故、そう言い切れる」
楓「……」ジッ
武内P「……」
武内P「えっ!?」
専務「ふむ……彼を見張りにつける、と」
武内P「えっ!?」
-
武内P「まっ、待ってください! あの……何故!?」
専務「良いでしょう、やってみなさい」
専務「それで、道が開けるというのならば」
楓「いいえ、もう……道は開けています」
楓「だって、大手を振ってお酒が飲めるんですもの」
専務「……呆れたものだな」
楓「はい。それが私、高垣楓です」
武内P「待ってください! あの、専務!? 高垣さん!?」
武内P「私を置いて、話をまとめないでくださいますか!?」
-
・ ・ ・
武内P「……話が、まとまってしまった」
武内P「……」
武内P「何故……こんな事に……!?」
奏「――あら?」
奏「シンデレラプロジェクトの、プロデューサーさんじゃない」
武内P「速水さん……」
奏「……」
奏「何かあったの?」
-
・ ・ ・
奏「……ふぅん、そんな事になってたんだ」
武内P「……」
奏「なんだか、ごめんなさいね。私のせいで」
武内P「あっ、いえ! そんな事は、決して!」
奏「それじゃあ、ご褒美のキスを貰おうかな」
奏「ふふっ! 私のおかげで、楓さんと飲みに行けるんだもの」
武内P「……」
奏「……もう! 冗談よ、冗談! ふふっ!」
-
奏「でも、これで酔った楓さんから電話は来なくなるのかしら」
奏「それはそれで、少し残念な気もするわね」
武内P「……」
奏「それじゃ、酔った楓さんの面倒を見るの、お願いね」
武内P「……頑張ります」
奏「だけど、禁酒令……ね」
武内P「……?」
-
武内P「速水さん……?」
奏「楓さんに禁酒させるのって、難しいと思わない?」
武内P「え、ええ……そう、ですね」
奏「無理に禁酒させて、あの人の笑顔が曇ったりしたら……ね」
武内P「はい……それは、私も考えました」
奏「そうよね」
奏「迷惑をかけないなら、禁酒までさせることはない」
奏「……そう、貴方も思ったんじゃないの?」
奏「だから……渋々だけど、申し出に同意した」
奏「……違う?」
武内P「……ええ、まあ」
-
奏「まあ、とにかく頑張ってちょうだい」
武内P「……ありがとうございます」
奏「貴方って、本当につれない人だものね」
武内P「えっ?」
奏「ううん、こっちの話」
奏「本当に、色々な意味で――」
奏「控えた方が良い」
奏「……ただ、それだけの話よ」
おわり
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楓さんに禁酒をさせる? 例の指輪が必要だな
-
いっつも思うがあんた物書き系を本業にしとるじゃろ
じゃないとこんなにスラスラと毎日かけんわな
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妊娠したら禁酒したってネタがあったような
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そうか、妊娠させれば禁酒させることができるのか
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楓さんのオロオロが見れて最高だったけど
バシバシが無くて無念
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奏くんには映画を禁止・・・いやあんま効果ないな
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杏にはサボり禁止令を出して発狂してしそう
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楓さんかわいかった
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迷ったのでどっちか書きます
1、武内P「もみやで、ですか」
2、志希「アポクリン汗腺!!!」
>>717
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1
-
書きます
武内P「もみやで、ですか」
-
奏「……ええ」
武内P「速水さんのサインが、そう読まれてしまう、と」
武内P「……成る程、事情はわかりました」
奏「ねえ、貴方にはどう見える?」
武内P「……」
武内P「……申し訳、ありません」
奏「……いえ、良いのよ」
-
奏「……そうよね、もみやで、よね」
武内P「でっ、ですが! 良いサインです!」
奏「……解説されなくても?」
武内P「えっ?」
奏「パッと見て、良いサインだと思える?」
武内P「……」
武内P「…………すみません」
奏「……ううん、良いの」
-
奏「……だから、相談なんだけど」
武内P「相談、ですか?」
奏「新しく、わかりやすいサインを考えようと思って」
奏「貴方も、協力してくれないかしら?」
武内P「……成る程」
武内P「私で良いのでしたら……はい」
武内P「出来る限り、協力させていただきます」
奏「ふふっ、ありがとう」ニコッ!
武内P「……良い、笑顔です」
-
割り込むようだけど有名人のサインってだいたい読めないし、ちゃんと見れば読めるだけマシよ
-
武内P「そうですね……まず、普通に名前を書いて頂けますか?」
奏「あら、どうして? 私のフルネーム、知ってるでしょう?」
武内P「速水さんの、筆跡を見るためです」
武内P「そこから、サイン用の崩し方を考えていこう、と」
武内P「……そう、思いまして」
奏「なるほどね」
奏「……」
…サササッ
奏「これで、どう?」
『もみやで』
武内P「……」
武内P「えっ?」
-
武内P「あ、あの……速水さん?」
奏「ん? どうしたの?」
武内P「今のサインでなく、ですね……」
奏「……あっ」
奏「やっ、ヤダもう!/// サインの話をしてたから……つい///」
武内P「い、いえ……問題ありません」
奏「駄目ね……癖になってるみたい」
…サササッ
奏「ほら、これで問題ないでしょう?」
『もみやで』
武内P「……」
武内P「えっ?」
-
武内P「……速水さん?」
奏「? どうしたの?」
武内P「私を……からかって、おられるのでしょうか?」
奏「何よ、急に」
奏「……ふふっ! でも、それも楽しそうね」ニコリ
奏「でも、今は新しいサインを考え――」
『もみやで』
奏「――えっ!?」バッ!
武内P「……」
武内P「えっ!?」
-
武内P「はっ、速水さん!?」
奏「えっ、ちょっと……えっ!?」
武内P「お願いします! 演技だと仰ってください!」
奏「……待って……ちょっとだけ待って!」
武内P「……!?」
奏「……!」
…サササッ!
奏「……うっ……うううっ……!」プルプル!
『もみやで』
武内P「……」
武内P「これは……深刻な事態ですね」
-
奏「なんで……どうして……!?」
武内P「職業病の一種、でしょうか」
奏「職業病!?」
武内P「っ! 速水さん! 学校で、何かに名前を書きましたか!?」
奏「えっ? ええ、と……確か、この間受けたテストが……」
…ゴソゴソッ
奏「……そんなっ!? サインで名前が書かてる……!?」
『もみやで 26点』
武内P「待ってください!」
武内P「その、あっ、んんん……! んんんっ……!」
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