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少女「ポンコツロボと旅をする」
1
:
HAM
◆HAM.ElLAGo
:2018/08/14(火) 21:18:26 ID:C8TOX.xU
【水】
少女「あー、今日も暑いなあ」
ロボ「そうデスね」
少女「そうですね、って、あんたは別に暑くないでしょ」
ロボ「気温30度、湿度74%、アスファルト付近48度、デス」
少女「……」
ロボ「熱中症の危険がありマスので、十分な休息と水分補給をお勧めしマス」
少女「水分ね……」
少女「水分は貴重、貴重……」
2
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2018/08/14(火) 21:28:27 ID:C8TOX.xU
少女「Heyポンコ、ここから最も近い水分補給地点」
ロボ「ここから、ゼロ、メートル地点デス」
少女「は? ゼロ?」
ロボ「ご主人の背負っているリュックサックから、水の気配を感じマス」
少女「それ水筒じゃん! こないだ補給したやつじゃん!」
少女「ていうか『気配を感じます』ってなに!? あんたロボじゃん! 第6感ないだろ!」
ロボ「レーダーが反応していることを『気配』と表現してみマシタ」
少女「そんな人間らしくしなくていいから!」
3
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2018/08/14(火) 21:39:03 ID:C8TOX.xU
少女「あーもう、じゃあポンコ、ここから二番目に近い水分補給地点」
ロボ「ここからまっすぐ約4キロメートル地点、給水塔がありマス」
少女「それは素人が入っても水が出せる施設?」
ロボ「……データが不足していマス」
少女「行ってみないとわからない、ってこと?」
ロボ「そうデス」
少女「水は貴重、貴重、補給しとくか」
少女「まあ、4キロ程度なら1時間で行けるでしょ」
4
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2018/08/14(火) 21:52:06 ID:C8TOX.xU
ロボ「一般的な人間だと、4キロメートルを歩くのに約1時間かかりマス」
ロボ「ご主人の足の長さだと4キロメートルを歩くのに約1時間8分かかる計算デス」
少女「は!? なに!? わたしの足が短いって!?」
ロボ「一般的な人間の体格と比較した場合……」
少女「こらぁ! さっきの暴言は看過できないわよ!」
ロボ「女性ですので体力面でも……」
少女「言い訳すんな! 誰の足が短いって!?」コンコンコン
5
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2018/08/14(火) 22:07:31 ID:C8TOX.xU
……
ロボ「見えマシタ。給水塔、目的地周辺デス」
少女「あれかー、大きいね」
ロボ「音声案内を終了しマス」
ロボ「ふぅ……」
少女「今溜息つかなかった!?」
ロボ「ハテ」
少女「その聞き返し方も人間っぽい!!」
ロボ「失礼な。ワタシはロボットデス」
少女「いちいち嘘くさいのよ!!」
6
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2018/08/14(火) 22:22:49 ID:C8TOX.xU
ロボ「鍵がかかっていマスね」
少女「旧式の南京錠じゃん。これくらいなら……」
ジジッ
カラン
少女「ほら、焼き切れた」
ロボ「バーナーなんて持っていたんデスね、ご主人」
少女「燃料が少ないからあんまり使えないけどね」
ロボ「ワタシもできマスよ、そのくらい」
ジジッ
少女「対抗すんな」
7
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2018/08/14(火) 22:33:57 ID:C8TOX.xU
ゴウンゴウン
ロボ「これで、近隣の水道から水が出るはずデス」
少女「簡単ね」
ロボ「ただ、水質が飲料水として問題ないかどうかがわかりません」
少女「あ、そっか。古いかもしれないのか」
ロボ「調べてみましょう」
少女「ほいほい」
8
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2018/08/14(火) 22:46:59 ID:C8TOX.xU
少女「んん……この蛇口固い……」
ロボ「代わりましょう」
ロボ「ふんっ」ゴキッ
ロボ「外れましたね」ジョボジョボ
少女「ロボットもかけ声とか出すんだ……」
ロボ「ああ、見てクダサイこのきれいな水! 冷たい水!」
少女「問題は飲めるかどうかでしょう?」
ロボ「水質に問題ありません! ほらほら! 好きなだけ飲んで好きなだけ水筒に入れてクダサイ!」
少女「なんでロボットがテンション上げてんのよ……」
9
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2018/08/14(火) 22:58:10 ID:C8TOX.xU
ロボ「これでしばらく安心デスね」
少女「そうね」
ロボ「熱中症対策には塩分補給も重要デスよ」
少女「塩分ね……そろそろどっかの食品庫を拠点にしたいわね」
少女「ポンコ、ここから一番近い塩分補給地点」
ロボ「ここから、ゼロ、メートル地点デス」
少女「おい」
ロボ「ご主人の背負っているリュックサックから、塩の気配を感じマス」
少女「それわたしの塩分補給タブレットだっつーの!!」
10
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2018/08/14(火) 23:03:12 ID:C8TOX.xU
ゆるい終末系です
ではまた明日に ノシ
11
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2018/08/14(火) 23:20:46 ID:o8Xzh/m6
ロボのエネルギー源と整備はどうなってるんだ
12
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2018/08/15(水) 21:00:02 ID:NNVk1nGc
>>11
エネルギー源については今後の小話でちょっと触れる予定です
基本的に都市機能はダウンしているけれど、予備電力が生きているところもある、みたいな感じです
13
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2018/08/15(水) 21:10:24 ID:NNVk1nGc
【宿泊地】
少女「今日はどこで寝ようかしらねえ」
少女「たまには毛布じゃなくて、柔らかいベッドで寝たいぞ、と」
ロボ「ポーン」
少女「おお、どうしたの」
ロボ「付近のホテル情報をダウンロードしマシタ」
少女「へえ、便利な機能」
ロボ「ここから徒歩10分、ホテルプラスチック」
少女「プラスチック?」
ロボ「豊富なアメニティで、一泊なんと7900円!」
少女「おい」
14
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2018/08/15(水) 21:19:45 ID:NNVk1nGc
少女「今やお金とか機械以外に使えないから」
少女「ホテルで誰が受け取るのよ料金を」
ロボ「候補その2、駅近、ホテルニュー七瀬」
ロボ「駅からのアクセスが便利! 徒歩1分!」
少女「おい」
少女「誰が電車を動かすのよ誰が」
ロボ「候補その3!」
少女「聞いてよ」
15
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2018/08/15(水) 21:32:06 ID:NNVk1nGc
ロボ「夕焼けサンサンホテル」
少女「名前っ」
ロボ「スタッフの対応がクソ」
少女「クソなんかい!」
ロボ「しかしそれを補って余りある豪勢な朝食バイキングは圧巻!」
少女「誰が出すねん!! コックもおらんわ!!」
少女「……おっといけない、つい汚い言葉が」
16
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2018/08/15(水) 21:46:16 ID:NNVk1nGc
ロボ「候補その4!」
少女「まだあるんかい」
ロボ「ホテルぷりぷりプリンセス」
少女「また名前ふざけてる!」
ロボ「夜景がきれい」
少女「知らないわよ!」
ロボ「受付が美人」
少女「そのレビュー私情入りすぎ!!」
ロボ「隣室の喘ぎ声がうるさかったので☆1つデス」
少女「ただの苦情やんけ!!」
17
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2018/08/15(水) 21:53:25 ID:NNVk1nGc
ロボ「……」
少女「駄目ね、興奮すると関西弁が出るクセ、直さないと」
ロボ「関西に住んでいたのデスか?」
少女「小さいころね」
ロボ「関西弁にも対応して応答できマスよ?」
少女「いいのよ、落ち着いて話せば関西弁は出ないから」
ロボ「ではなぜ今日は……」
少女「あんたがボケ倒すからでしょーが!」
18
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2018/08/15(水) 22:00:59 ID:NNVk1nGc
ロボ「で、どのホテルにしマスか?」
少女「ベッドが柔らかいところ!!」
ロボ「なるほど……検索しマス……」
ロボ「さっきの中だと、ベッドの評価が高いのは『ぷりプリ』デスね」
少女「略すな!! なんかいかがわしい!!」
ロボ「で、どうしマスか?」
少女「もういいわよそこで!」
ロボ「では『ぷりプリ』までご案内しマース」
少女「え、あれ、もしかしてそういうホテルなの、それ……」
19
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2018/08/15(水) 22:10:06 ID:NNVk1nGc
こんな感じです ノシ
20
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2018/08/15(水) 23:25:01 ID:11I/x7Ds
少女終末旅行的な世界観ね
軽妙なノリがいいね
21
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2018/08/16(木) 00:09:57 ID:/GtpCyVw
ロボットの見た目が気になる
人型なのか、箱っぽいのか
22
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2018/08/16(木) 22:27:58 ID:/6MfCGrQ
【ネタバレ】
ロボ「そこで男はこう言ったそうデス」
ロボ「ここを通りたきゃ俺に倒されてからにしな、と」
少女「倒されたら通れないじゃん……」
ロボ「よくあるセリフのパロディデスね」
少女「なるほど、面白かったわ」
少女「便利ね、たくさんの情報にアクセスできるってのは」
ロボ「この世の情報はすべてワタシからアクセスできマスからね」
ロボ「知らないことはないのデス」
少女「はは、全知だ」
23
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2018/08/16(木) 22:35:44 ID:/6MfCGrQ
ロボ「こんな話もありマスよ。かの有名なスターウォーズep12からの引用デスが……」
少女「え、待って待って! 12まだわたし見てないから!」
ロボ「主人公の年金・未払いウォーカーが……」
少女「いないからそんなキャラ! ファンタジーで年金の話すんな!」
ロボ「ご主人はネタバレは嫌いなタイプデスか」
少女「うん、だめ」
ロボ「では大事なところだけ伏せて話しましょう」
ロボ「腰痛を患ったヨーダが……」
少女「いやいやいや! 見てない映画のストーリーまだ聞きたくないから!」
少女「1ミリたりとも話すな!」
少女「ていうかヨーダ出てんの!? ep12で!? は!?」
24
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2018/08/16(木) 22:43:18 ID:/6MfCGrQ
ロボ「ではご主人がすでに知っている物語の話なら問題ないデスね」
少女「そうね、昔話とかなら今更ネタバレも気にならないし」
ロボ「そういえば桃太郎のep7の結末デスが……」
少女「待って待って!! 桃太郎なんてep1しか知らないけど!?」
ロボ「おや、2から7は見てないデスか」
少女「存在してたことも知らないよ!」
ロボ「ep4でダークサイドに堕ちた桃太郎を犬が叱咤するシーンは感涙ものデスのに」
少女「なんか混ざってないそれ!? スターウォーズに引っ張られてない!?」
25
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2018/08/16(木) 22:53:27 ID:/6MfCGrQ
ロボ「『あなたは必ず騙される』という謳い文句を見ると絶対騙されたくなくなりマスよね」
少女「わかる」
ロボ「『二度読みたくなる』という小説も、意地でも一度しか読みたくないデスよね」
少女「わかる」
ロボ「『衝撃のラスト15分!』と言われると、直前でいったん止めて展開を予想しまくりマスよね」
少女「劇場でその手は使えないから!」
少女「……ていうかあんた本当にロボット?」
26
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2018/08/16(木) 23:00:35 ID:/6MfCGrQ
ロボ「しかし世の中にはネタバレを是とする人もいるのデスよ」
ロボ「びっくりしたくないから先に結末から読んでおく、といったような」
少女「え、そんな人もいるの?」
ロボ「推理小説では犯人を指摘するくだりを先に読んでおいてから事件編を読むそうデスよ」
少女「えー、わたしには考えられないなー」
ロボ「ワタシも理解できません」
少女「あんた、ロボットよね?」
ロボ「ええ、実は人間でした、なんてオチはありませんのでご安心クダサイ」
27
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2018/08/16(木) 23:06:55 ID:/6MfCGrQ
ロボ「特に衝撃のオチもどんでん返しもブラックな結末もありません」
少女「はあ」
ロボ「ワタシが人間に対し反逆を起こしたり、ご主人を嬲り殺したりするシーンもありません」
少女「はあ?」
ロボ「ご主人がワタシを破壊して高笑いするシーンもございません」
少女「え?」
ロボ「『二人の旅はこれからも続きマス』といった感じの終わり方をしマス」
少女「あ、なに、この話してんの?」
少女「わたしメタいの嫌いなんだけど!」
ロボ「では、今日はこの辺で失礼しマス」
少女「わたしメタいの嫌いなんですけどー!!」
28
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2018/08/16(木) 23:11:47 ID:/6MfCGrQ
また明日デス ノシ
29
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2018/08/17(金) 18:49:29 ID:29eCpbaQ
おつおつ
30
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2018/08/17(金) 21:02:37 ID:nlmf2lQE
【じゃんけん】
少女「じゃーんけーん、ぽん!」グー
ロボ「……」パー
少女「んがー! 勝てない!」
ロボ「これでも反射神経は人間の数倍デスので」
少女「くそー、悔しい!」
少女「…………………………」
少女「じゃんけんぽんっ!!」チョキ
ロボ「……」グー
少女「んがー!」
ロボ「不意打ちにも対応しマス」
31
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2018/08/17(金) 21:08:43 ID:nlmf2lQE
少女「あ、そうだ、大阪じゃんけんしよ、大阪じゃんけん」
ロボ「はい?」
少女「負けたら勝ちね! はい! じゃんけんぽんっ!!」パー
ロボ「!」チョキ
少女「はいわたしの勝ちー! やったー!」
ロボ「ワタシが勝ったから、ご主人の勝ち、ということデスか」
少女「そうそう! 不本意だけどこれでわたしの勝ち!」
32
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2018/08/17(金) 21:17:02 ID:nlmf2lQE
ロボ「しかしご主人が勝った、ということは、必然的にワタシの負けデスね」
少女「ええ、そうね」
ロボ「ということは、ワタシの勝ちということでは?」
少女「!?」
ロボ「しかしそうなると、今度はご主人が負けなので、またご主人が勝ちということに……」
少女「やめてやめて、わけわかんなくなるから!」
ロボ「ワタシたちは永久に勝ち負けが行ったり来たりし続けるのでは?」
少女「そんなややこしいルールじゃないから!」
33
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2018/08/17(金) 21:26:22 ID:nlmf2lQE
ロボ「やはりじゃんけんは普通のルールが一番わかりやすくていいデスね」
少女「……そうね」
ロボ「ではあらためて」
少女「……」
少女「じゃん、けん、ぽんっ!」グー
ロボ「……」パー
少女「……」
ロボ「では次の休憩地点まで荷物をお持ちクダサイ」
少女「……わかったわよー!! くそー!!」
34
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2018/08/17(金) 21:34:08 ID:nlmf2lQE
短いっ
しばらくお休みして来週半ばに再開しマス ノシ
35
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2018/08/17(金) 23:32:53 ID:/HWZNuZ6
絶対にジャンケンに勝つロボ思い出したわ
絶対に勝てない「勝率100%のじゃんけんロボット」がすごい - ねとらぼ
http://nlab.itmedia.co.jp/nl/spv/1410/23/news122.html
36
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2018/08/22(水) 20:00:28 ID:4Iys0HX6
【犬】
ロボ「むむっ、前方約200メートル付近に生体反応がありマス!」
少女「!? え、そういうのすごいSFっぽい!!」
ロボ「近づいて来マス!」
少女「え、怖い怖い! ゾンビとかじゃないでしょうね!」
ロボ「生体反応なので、ちゃんと生きた生命体のはずデス」
少女「宇宙人とかじゃないでしょうね!」
ロボ「タイトルに答えが」
少女「メタいのやめんか!」
37
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2018/08/22(水) 20:22:39 ID:4Iys0HX6
犬「くんくん」
ロボ「犬デスね」
少女「予想通りすぎる!」
犬「わっふ」
ロボ「よく生き延びていましたね、この世界で」
少女「エサとかどうしてるんだろ」
犬「くぅん……」スリスリ
少女「可愛すぎる」
ロボ「エサをあげたくなりマスねえ」
38
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2018/08/22(水) 20:29:54 ID:4Iys0HX6
少女「エサって言っても、今は味の濃い缶詰しかないのよねえ」
ロボ「さすがに塩分がきつ過ぎるかと思いマス」
犬「くんくん」ペロペロ
少女「おーよしよし、すごい人馴れしてる犬ねえ」
ロボ「首輪をしているから飼い犬だったんでしょうね」
少女「飼い主はいなくなっちゃったのかなあ」
ロボ「こんな世の中デスしね」
少女「ねー」
39
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2018/08/22(水) 20:37:18 ID:4Iys0HX6
少女「あ、一緒に旅する?」
少女「そうしたらエサを見つけられるかもよ? 長持ちするパンとか固形フードとか」
ロボ「それは無理でしょう」
少女「なんで?」
ロボ「この犬は、飼い主を待っているようデス」
少女「あ……」
犬「わふん」
ロボ「この近辺でしか生活をしていないようデス」
少女「そっか……そうだよね……」
40
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2018/08/22(水) 20:53:24 ID:4Iys0HX6
少女「水とかエサは大丈夫かな……」
ロボ「あまり衰弱している感じではありませんし、自力でなんとかしているのでしょう」
少女「そっか……」
少女「じゃあ、せっかくの出会いだし、ちょっとだけお土産を貰っていこう」
ジャキン
ロボ「!? ご主人、そのハサミをどうするのデスか!?」
少女「ふふふ……」
ロボ「そ、そんな猟奇的なシーンを入れるのデスか!? こんなほのぼのしたところで!?」
少女「なに言ってんのよあんたは」
チョキン
41
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2018/08/22(水) 21:02:42 ID:4Iys0HX6
ロボ「夏毛……」
少女「そ、暑そうだし、ちょっとトリミングをね」
少女「で、この毛をちょちょいとまとめて……」
ロボ「筆デスね」
少女「違うわよ! ストラップにしてお守りにするのよ!」
ロボ「狩った獲物の一部を持ち歩くサイコキラーにも見えマスね」
少女「発想が怖い!!」
ロボ「ドクロでネックレスを作るような感じデスね」
少女「一緒にすんな!!」
犬「くぅうん……」
42
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2018/08/22(水) 21:10:27 ID:4Iys0HX6
ロボ「野生動物ではなく、明らかに飼われていた動物は初めて見ましたね」
少女「そうね……強く生きてほしいわね……」
ロボ「飼い主を健気に待っている忠犬でしたね」
少女「うーん」
ロボ「どうしました?」
少女「わかってる気がするんだよね、あの犬」
少女「わかってて、それでも待ってる、そんな気がする」
ロボ「それは……ワタシのようなロボットには理解しがたい感情デスね」
少女「そうかも」
43
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2018/08/22(水) 21:21:53 ID:4Iys0HX6
また明日デス ノシ
44
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2018/08/23(木) 01:48:30 ID:K/lIqYI.
お疲れ様です
45
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2018/08/23(木) 20:01:06 ID:n1.fVD3M
おつおつ
46
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2018/08/23(木) 21:10:19 ID:WH3hSSYU
【球場】
ロボ「このまま進むと広大な球場に突き当たりマスね」
少女「球場?」
ロボ「野球などをするためのスタジアムデス」
少女「あー野球かあ、あんまりよく知らないけど」
ロボ「行ってみマスか?」
少女「うーん、野生動物の住みかになってない?」
ロボ「大丈夫デス。生体反応は付近を飛ぶ鳥くらいのものデス」
少女「じゃあ、まあ、行ってみよっか」
47
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2018/08/23(木) 21:22:34 ID:WH3hSSYU
ロボ「広いデスね、なんでもできそうデス」
少女「わー、誰もいなーい」
ロボ「収容人数10500人、この辺りではかなり大きい部類に入るのではいかと思いマス」
少女「1万人も入るんだ……満員で野球やったら気持ちいいだろうなあ……」
ロボ「やりましょうか、野球」
少女「え」
ロボ「ワタシの腕は150キロの速球と120キロのカーブが投げられるよう設計されていマス」
少女「む、無駄に高スペック……」
48
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2018/08/23(木) 21:32:35 ID:WH3hSSYU
少女「150キロって、プロ級だよね?」
ロボ「そうデスね、プロでも投げられる人は少ないデス」
少女「え、わたし完全なる素人だけど、パーフェクト・シロートだけど、150キロを打たせるの?」
ロボ「ご主人は意外と運動神経がいいので、練習すれば可能かと思いマス」
少女「意外って言うな」
ロボ「間違っても頭には当てませんのでご安心クダサイ」
少女「頭『には』!? 体には当たるの!?」
49
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2018/08/23(木) 21:39:15 ID:WH3hSSYU
ビュン!
少女「ひぃー!!」
ロボ「腰が引けていマスよご主人!!」
ビュン!
少女「ぎえー!!」
ロボ「目をつぶっていては打てるものも打てませんよご主人!!」
ビュン!
少女「お助けぇえー!!」スタコラ
ロボ「あ! そのボックスから出たら反則デスよご主人!!」
少女「知らんわ!!」
50
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2018/08/23(木) 21:53:14 ID:WH3hSSYU
少女「あのね、わたし、初心者。アイアム・ルーキー」
少女「ばりばりの素人、完璧な素人、パーフェクト・シロートなの」
少女「バットなんか初めて握ったし」
ロボ「おや、他のモノなら握ったことがあるかのような言い方デスね」
少女「茶化すなー!」
ロボ「わかりました、では150キロは無理なようなので、120キロのカーブを」
少女「それ曲がるやつでしょ!? 打てるか!!」
ロボ「大丈夫デス、さっきより30キロも遅くなりマスよ」
少女「わたしにとってはどっちもスポーツカーだっつの!!」
51
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2018/08/23(木) 22:20:29 ID:WH3hSSYU
少女「ていっ」シュン
ロボ「おお、なかなか筋がいい」パシッ
ギュンッ!
少女「ぎえー!」
ロボ「しかしキャッチングはまだまだデスね」
少女「手ぇちぎれるわ!」
ロボ「キャッチボールの機能を搭載しておいてもらえればよかったのデスが……」
少女「もう! 融通の利かないハイスペックね!」
52
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2018/08/23(木) 22:30:56 ID:WH3hSSYU
ロボ「人数が必要なスポーツというものは、もはや失われた文明と呼べそうデスね」
少女「伝えていく人がいなければ、なくなってしまうでしょうね……」
ロボ「ワタシはいつでも情報にアクセスできマスが」
少女「でもわたしが死んだら、あんたは誰に伝えるのよ」
ロボ「……」
少女「襲来した宇宙人とキャッチボールでもする?」
ロボ「150キロの速球でギタギタにしてやりマスよ」
少女「宇宙人も逃げてくかもね」
53
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2018/08/23(木) 22:39:08 ID:WH3hSSYU
少女「また球場を見かけたら、遊びましょ」
ロボ「了解デス」
少女「あんたはゆるいボールを投げられるようにしときなさいよ」
ロボ「精進しマス」
ロボ「ご主人も150キロを打ち返せるように」
少女「ならないわよ!」
54
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2018/08/23(木) 22:45:21 ID:WH3hSSYU
また明日デス ノシ
55
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2018/08/24(金) 20:30:45 ID:RY0QF5c2
【充電】
ロボ「ご主人、ここから先、予備電力が生きている地域が少ないようデス」
少女「……そっか」
少女「十分充電してから進もっか」
ロボ「ええ、そうしていただけるとありがたいデス」
少女「Heyポンコ、ここから最も近い充電できる施設は?」
ロボ「……」
ロボ「後方500メートル、大型商業施設デス」
少女「昨日泊まったとこか……」
少女「仕方ない、戻ろう」
56
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2018/08/24(金) 20:43:27 ID:RY0QF5c2
ロボ「ご面倒おかけしマス」
少女「いいのよ、わたしも話し相手がいないとつまんないしね」
ロボ「フル充電まで、11時間、デス」
少女「出発は明日にするかあ」
ロボ「すみません」
少女「謝んなくていいってば」
少女「さて、と」
少女「あんたが充電している間、なにしてよっかなあ」
ロボ「なにか今後の生活に便利なもの、ないデスかね」
少女「探しに行ってみるか」
57
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2018/08/24(金) 20:50:20 ID:RY0QF5c2
ロボ「動物などには十分ご注意クダサイ」
少女「わーかってるってば」
少女「バーナーもあるし、ナイフとかもあるし」
ロボ「いざというときは大声をあげてクダサイね。コードを引っこ抜いてでも駆けつけマスから」
少女「あはは、ありがと」
ロボ「ていうか昨日ご主人が寝ている間に充電しておきべきでしたよね」
少女「ほんまそれ」
58
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2018/08/24(金) 21:01:26 ID:RY0QF5c2
少女「さーてと、食料は今のところ十分あるし、サバイバル用品とかかなー」
少女「これより軽くていっぱい入るリュックとかあったら便利なんだけど」
少女「あ、それより服か」
少女「身軽で丈夫で可愛い服探してみよ」
少女「♪」
少女「……ん?」
少女「!?」
少女「きゃ、ぎゃああああああああああああああ!!!!」
59
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2018/08/24(金) 21:18:31 ID:RY0QF5c2
ロボ「む、あれはご主人の叫び声!?」
ロボ「すぐ駆けつけなくては!!」
グイグイ
ロボ「む、コードに手が……届かない……」
ロボ「む、むむ」
グイグイ
ロボ「む、これ以上は腕が取れマス……」
グイグイ
60
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2018/08/24(金) 21:26:01 ID:RY0QF5c2
……
ロボ「ご、ご主人、無事デスか……」ゼエゼエ
少女「遅いわ!!」
ロボ「なにがあったんデスか……」
少女「なにがあったかはこの際どうでもいいでしょ!!」
ロボ「そういう訳には……」
クマ「……」
ロボ「!?」
少女「……」モジモジ
ロボ「なるほど、このクマの剥製にビビって叫び声をあげたのデスね」
少女「言わなくていいし!!」
61
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2018/08/24(金) 21:33:27 ID:RY0QF5c2
ロボ「で、なにか収穫はありましたか?」
少女「あ、そうそう。どうこれ、ポケットいっぱい、身軽、しかも可愛い」
ロボ「おお、新しい服デスね」
ロボ「よくお似合いデス」
少女「あれ、そういうおべっかも言えるんだ」
ロボ「はい、プログラムされていマス」
少女「ぐぬぬ、それはそれでちょっと悔しいな」
ロボ「よく、お似合い、デス」
少女「繰り返すな! 嬉しくなくなった!」
62
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2018/08/24(金) 21:45:35 ID:RY0QF5c2
カチャカチャ
ロボ「これは?」
少女「あんたのためのカバン」
少女「これもポケットが多くていいでしょう?」
少女「ほら、こうやってカラビナで固定すれば……」
カチャン
ロボ「おお、ワタシもカバンが持てる、と」
少女「そ」
63
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2018/08/24(金) 21:52:50 ID:RY0QF5c2
ロボ「……つまりワタシも重い物が持てる、と」
少女「そ、わたし一人で水とか缶詰全部持つのは、やっぱり重いからね」
ロボ「……なるほど」
少女「さ、今日は休養!」
少女「明日は勢いよく出発するからね! しっかりフル充電しなさいよ!」
ロボ「了解デス」
64
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2018/08/24(金) 21:55:43 ID:RY0QF5c2
デスデス ノシ
65
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2018/08/24(金) 23:06:03 ID:iWJvWo12
人間くさいロボットて良いよね
乙
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