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ロゼッタ「マリオカートに参戦…ですか?」

1Mii:2018/08/04(土) 23:26:40 ID:Mx6gHZLQ
マリオ「隠しキャラ、もとい隠しゲストとして任天堂から依頼が来てる。
    ギャラクシーと連動して、ミステリアスな女性ドライバーとして
    ブレイクしてほしいとのことだが…どうする?」テガミポイー

ロゼッタ「…ふむふむ。
     レースごとに観客の皆さんの投票で参戦するか否かが決まって、
     その時点で少なくない給料が発生。
     上位に入ったり総合成績が良ければ更に追加給金。
     至ってシンプルな給料体系ですね」

マリオ「…………」

837Mii:2019/02/01(金) 06:56:31 ID:5I3.SDfA
数多くの伝説に登場するこの男について、ハイラル王国で噂を聞けば、
ある程度の知識を持ち合わせた人なら間違いなく、こんな感じに答えるだろう。

    「お会いしたことなどあるはずもないが。
     勇気のトライフォースを司る、三傑の1人である」と。

一方で。キノコ王国で噂を聞くとどうなるか。
ある程度の知識を持ち合わせた人ならおそらく、スマブラの戦績を見て、こう答えるだろう。

    「いつ見てもカッコいいお方ですね!
     マリオ、クッパと共に並び立つ、三強の1人です」と。



そう。見かけによらず…いや、見かけ通りというべきか。
この男、恐ろしく強い。今もなお、マリオ達と切磋琢磨する中で強くなり続けている。

よりにもよって、ハイラル王国ではあまり知られていないが…
あまりに強くなり続けすぎて、ハイラル王国で実質「一傑」状態になっている。
歴史間移動パトロールまでやってのけ、最近はどの歴史もすべからく平和そのもの。
王国民にとっては非常に幸せなことである。

…ただし、一部お姫様にとっては不幸かもしれないが。

838Mii:2019/02/01(金) 06:59:31 ID:5I3.SDfA
リンク「さってと、魚はお土産に持って行くか。
    ヨッシーかな、カービィかな、ははは……っと、トゥーンリンクから連絡?…もしもし?」

トゥーンリンク『あ、よかった、連絡取れた!』

リンク「…何っ!?ゼルダ姫がガノンドロフに攫われた!?
    今、こっちに俺を回収しにアーウィンで向かってるだって!?
    わかった、すぐ時間軸移動の支度をする!」

リンク「…………面倒くさいなあ」イソイソ



リンク「いやあ、ハイラルのゴタゴタに巻き込んじまって、本当に申し訳ない」ペコッ

ファルコ「いいってことよ。さあ、早く乗った乗った。
     …それにしても、なんで釣りなんかしてたんだ?勇者っぽくないな。
     食べるためとかではなく、本当にただの趣味なんだって?」

リンク「それは違うぞ、ファルコ。
    『俺の趣味である釣りが勇者として似合わない』んじゃない。
    『勇者らしさを失うために俺が趣味にしたものの1つに釣りがある』んだ」

ファルコ「はあ??」

フォックス『こら、ファルコ。失礼なことをリンクに言うなよ。
      …リンク、今回こそは勝ちをもぎ取って見せるぞ!
      正々堂々、勝負しような!』

839Mii:2019/02/01(金) 07:01:46 ID:5I3.SDfA
リンク(無線の声だけで、フォックスの喜々とした顔が容易に思い浮かぶ。
    そうだ、今の俺は、他のファイターから憧れられ挑戦を望まれる立場。
    なんでも、三強の一人…とか呼ばれてるんだっけな。





    ほんと、感慨深いな。
    というか、その昔『最弱』と呼ばれた頃からは考えられないよ。
    そう、あれは…15年、いや…もっと、前だったか――)シミジミ





今となっては、笑い話にもなるだろうか。
遥か昔に、想いを馳せる――。

840Mii:2019/02/01(金) 07:03:04 ID:5I3.SDfA

・・
・・・

――アリガトウ リンク アナタハ
――ハイラル ノ エイユウデス

リンク(…………)スヤスヤ



――たすけて… …
――たすけてください…
――私は、お城の地下ろうに
――捕えられています。

リンク(……………………)スヤ・・・



――おねがいです リンク
――その手で 闇をふりはらい
――この世界を まもってください!

リンク(………………………………)

841Mii:2019/02/01(金) 07:04:12 ID:5I3.SDfA
――わたし、夢を見たのです。
――このハイラルがまっ黒な雲におおわれて
――どんどん暗くなっていくのです…

リンク(…………やめろ)



――ネエ、サッキカラドウシタノ?
――ワタシノコトガ、ワカラナイノ?

リンク(……………………やめろ…!)







――ネエ、アナタッテ
――ナニモノナノ、ユウシャサン?

リンク(…………………………………やめて、くれ――――!)

リンク「うわあああああああああああぁぁ!!!」ガバッ!

842Mii:2019/02/01(金) 07:06:15 ID:5I3.SDfA
リンク「ハァッ、ハァッ、ハァッ――――」ガクガク

冷や汗だくだくになりながら、ひったくるようにして水の入った壺を机から掠め取り、
ひたすらに喉に流し込む。



既に幾度か世界を救った勇者リンク、もとい俺は――
満足に睡眠をとることすらままならず、疲弊しすぎた毎日を送っていた。



というのも、俺が、勇者という存在が――ハイラルで唯一。
伝説を紡ぎ終えるたびに、別の歴史へ…伝説の始まりへ転生する存在らしいからだ。

『ははーん、ハッピーエンドになったそばから歴史から追い出されるから、
 幸せを享受できずに人生に嫌になっちゃったんだな?』

――違う。そんな、ただの不満感程度が原因なら、全然大したことはなかったさ。

『幾度となく危険と巡り合わせて、戦いにウンザリしてきたんだろ?』

――違う。人の為になったならば、そのくらいの危険、屁でもない。



単純に、そう、非常に単純明快なことに。
転生するたびに記憶がどんどん重なって…脳がパンクし、精神崩壊しかけている。
自分でも現象を理解できていて、一切対策が分からないから性質が悪い…!

843Mii:2019/02/01(金) 07:08:09 ID:5I3.SDfA
ちょっと、たとえ話。

誰かの人生における過去の記憶の中で時を指定して、二択問題を出すとする。
その二択は、必ずどちらかが起きていて…同時に起こることはない出来事にしておく。
別に、人生を左右するほどの出来事じゃなくていい。
たとえば、「何年何月何日に、パンを食べたか食べなかったか」としよう。

日時が昨日とかなら、間違える人はまずいない。
1週間前なら、パンを食べるのが不定期な人は間違えるかもしれない。
1か月前なら、記録でも付けていない限り厳しいだろう。



さて、この場に100人の人間を用意して、こんな質問を出してみる。

「1年前はどうだった?」



さあ、回答を出してくれるのは何人だろうか。
50人?10人?もしくは2、3人いたらいい方だろうか?

844Mii:2019/02/01(金) 07:10:59 ID:5I3.SDfA








……正解は「100人」だ。なぜなら――

覚えていなくても、適当に答えるか、「わからない」とギブアップすればいいからだ。
屁理屈?いや、立派な理屈だよ。

誰でも、「どちらかは忘れたが、とにかく論理的にどちらかが起きただろう」ということは容易にわかる。
そういうふうに選択肢を作ったのだから。

1つしかないはずの思考結果を2つ以上持つと、脳ってのは混乱する。
だから、速やかに結論を収束させて――不確定要素を飲み込んででも、
結論を1つに修正する、あるいは棚上げすることで心の安定を図る。
それが自然の摂理って言う奴らしい。



――じゃあ、もし。
――どうしても否定できない、2つ以上の思考結果が脳に残り続けたら?
――それも、人生のあらゆる出来事において。

はい、俺という存在のできあがり。

845Mii:2019/02/01(金) 07:13:03 ID:5I3.SDfA
様変わりする、ダンジョン内容や攻略順、入手アイテム。



毎度変わっていく、生まれ故郷。



同じものなどない、ゼルダ姫との邂逅。



果てには、親代わりの人たちや、幼馴染すら……。





どんどん情報が変化する。
その全てが正しくて――同時に起きることなど、有り得ない。
そのことを受け入れられなくて…頭がどうにかなりそうだ。

846Mii:2019/02/01(金) 07:15:56 ID:5I3.SDfA
実は、2回目の「歴史」で苦しみ始めた俺は…ゼルダ姫に会って、淡い期待を持ったことがある。
細かい仕草の一致などから、姫も俺と同じく転生している確信がなんとなく持てたんだ。

    「『リンク』…!?まさか、あのときのリンク、なのですか!?
     ああ、なんということでしょう。あなたも運命に弄ばれている1人なのですね……」

みたいに反応してくれれば。
不幸なのは俺だけじゃなかったんだ、お互い頑張ろうってことで心を保てたかもしれない。



…だが、現実は非情だった。
リンクという名前に、僅かに反応されたとはいえ――それで終わり。
世界を脅かす存在に憂いている様子こそあれど、日常生活に支障、一切なし。
俺が修羅の道を辿って世界を救った後は、困ったことなど何にもないという満面の笑顔。

ハイラル家としての力が彼女を守っているか何かで、昔の歴史の記憶を
深層心理の更に奥底に沈み込ませていられるらしい。なるほど、ただの勇者には縁遠い話だなあ。
…まあ、このあたりは俺の憶測なんだけど。

藁にも縋る気持ちで…この際、愚痴を零し合えるならガノンドロフでもいいやと一瞬思ったが――
アイツの場合は封印と復活を繰り返す同一人物…いや同一魔物らしいから、
比較対象と言えるのか、そして精神負荷への耐性が同じなのか大層怪しい所だ。

結局、俺はまた一人になった。

847Mii:2019/02/01(金) 07:18:09 ID:5I3.SDfA
必死に医者を探してみたが、意味が分からないと首をひねられるばかり。

脳の負担を極力減らそうとするあまり、少なくなる持ち物に行動範囲。

幼馴染なんか、「おい」とか「ちょっといい?」で誤魔化し続けて
名前で呼ばなくなって久しい。悲しそうな顔をされるたび、俺の闇は広がっていく。



誰でもいいから、助けて、くれ。このままだと、俺は――――!



ゼルダ姫から、招集が掛かったのはそんな折だった。






〜ハイラル城〜

ゼルダ「リンク、よく来てくれました。
    ――あら?顔色が優れないけれども、大丈夫ですか?」

リンク「……大丈夫ですよ、ゼルダ姫」

リンク(全然、大丈夫じゃ、ないけどな…
    さて、このゼルダ姫とお別れするまで、あとどの位かな…
    前兆もなんにもなく、フッと違う歴史へと飛ばされるからな…)

848Mii:2019/02/01(金) 07:19:57 ID:5I3.SDfA
ゼルダ「実は、キノコ王国という遠い遠い王国で、
    歴戦の強者同士でその武を競い合う祭典が開かれるそうなのですが…。
    王国のトップであるピーチ姫というお方から、招待状を頂いたのです。

    『世界一を決めるという文言を使ってしまったので、
     もしも腕に自信のある者がいるのならばぜひ参戦してほしい。
     もちろん公平なジャッジを保証する』…とのことでした。

    問題なければ、ハイラル王国としてリンクを推薦したいのですが、どうでしょう。
    惜しむらくは、王国の安寧を取り戻したばかりで政務に追われていて…
    誰も応援に行けないことなのですが…」シュン

リンク「武を競い合う…祭典、ですか」



――俺の存在意義は、勇者としてその勇気を、強さを示す事。
――それだけは、譲るわけにはいかない。



リンク「……わかりました。ハイラル王国の名に恥じないよう、全力で挑ませて頂きます」

ゼルダ「ありがとう、そう言ってもらえると思っていました!」

ゼルダ(……最近、リンクの笑顔がめっきり減りましたね。
    これで少しは、元気になってくれるとよいのですが)

849Mii:2019/02/01(金) 07:22:10 ID:5I3.SDfA
俺は、ハイラルが認める勇者なんだ。どんな相手だろうと、負けるはずがない!

招待状片手に、キノコ王国が用意してくれた船に乗り、初めての王国外への旅。
ほんの少しだけ士気が上がって、会場に通されて。
ザンキシンセイとかいう、変な手続きがあって。
さっそく、バトルロイヤルが始まって。







リンク「あ…………れ…………?」

全然、勝てない。



むしろ、負けしかない。
自慢の剣捌きが、身のこなしが、一切通じない。
幾度となく、バトルフィールドから落とされる。撃墜される。



特にあの、マリオとかいう配管工は化け物だ。
マスターソードを真剣白羽取りされたときは目を疑った。
観客は大層湧いていたが、なんたる屈辱。実力の差がありすぎる。
俺が10人いても勝てないんじゃないかという絶望感をもたらしてくれる。

850Mii:2019/02/01(金) 07:24:22 ID:5I3.SDfA
開催期間内の勝敗数から順位付けを行うルールだったが、俺は突出して酷い成績。
0勝のまま、黒星だけが10個、20個、30個と増えていくんだから当たり前だよな。

司会者から、「初めての試みのせいで、人選を間違えちゃいましたかね」と毒を吐かれるほど。
俺のなけなしのプライドは、ズタズタになった。





マリオ「ようリンク、これで0勝99敗だな」

リンク「…………」



俺が絶望に打ちひしがれて、関係者用の食堂で昼食をとっているところに、マリオがやってきた。

リンク「……なんだよ。優勝まっしぐらのお方に話し掛けられていいような大層な人間じゃないぞ、俺は」





自虐しているだけで、涙が出てくる。
女々しいもんだ。こんな所…くるんじゃなかった。

851Mii:2019/02/01(金) 07:27:25 ID:5I3.SDfA
マリオ「…あ、いや。気を悪くしたならすまん。実は、お前に1勝くらいはさせてやろうと思ってな」

リンク「――っ!ふざけるなっ!!そんなお情けで俺が喜ぶとでも思ってるのか!」ドンッ

マリオ「いやいや、手を抜くっていう意味じゃなくて」

周りの選手たちもギョッとして思わずこちらを見る中、構わず俺は激昂する。

リンク「ちくしょう…ちくしょう!所詮、俺は井の中の蛙だったんだよ!
    ハイラルの勇者なんて、キノコ王国からしてみれば屑同然だったってことだろ!
    こんなに弱かっただなんて…あんまりだ……っ!!」







マリオ「ピーチ曰く『魂の混濁』が見られる上に、
    残機制度使わず『セーブ制度』だけに頼ってたんだから当然ですがな」

リンク「………………………はい?」



マリオ「ようしリンク。この祭典、その日ごとの参戦するか否かの判断は個々の自由だ。
    というわけで、3日…いや1週間ばかり参戦は置いといて、ちょっくら俺とピーチのカウンセリングを受けろ」

リンク「……???」

852Mii:2019/02/01(金) 07:29:37 ID:5I3.SDfA
さっぱり訳が分からないまま、会場を離れて、どこかの病院へ。
医者の姿のマリオと、ナース姿のピーチ姫が出迎えてくれた。一体、何が始まるんだ?

Dr.マリオ「とりあえず、そこの椅子に座って。じゃあ始めるぞ。

      目を瞑って、俺やピーチが出す質問に、素直にありのまま答えていってくれ。
      もちろん、答えたくない質問は飛ばしてもらって構わないからな」



とりあえず納得して、色々と答える。
複数の解を持つ質問には、頭と胸が苦しくなりながらも全部の解答を示す。
それをピーチ姫が書き留めているのか、静かに響くペンの音。





目を瞑っていたため時間がよくわからないが、1時間くらいは経っただろうか。

Dr.マリオ「ふむ、もう2時間も経ったか。色々と分かってきたぞ、お疲れさん。
     じゃあ、ちょっと踏み込んだ話をする。目を開けていいぞ」

リンク(そんなに経ってたのか)パチッ

853Mii:2019/02/01(金) 07:32:06 ID:5I3.SDfA
Drマリオ「リンク、お前は勇者として色々な歴史を冒険してきた。
      そのたびに記憶が上書きされるならまだよかったのに、
      どんどん同時存在するようになって脳がパンクしている。
      自分でも、非常に危険な状態だと感付いている」

リンク「だから、そう言ってるだろ」

Dr.マリオ「強さだけは譲らないと縋っていたのに、案外弱くて自身に幻滅した」

リンク「『案外』じゃなくて『恐ろしく』だけどな」

Dr.マリオ「強さに関しては、さっきチラッと言った通り残機制度を利用していないのがデカすぎるな。
      …基本、勇者ってセーブ制度なんだよな?キノコ王国でもほんのちょっと導入が進んでるが」

リンク「残機制度?セーブ制度?」

Dr.マリオ「死の極限まで追いつめられたとき、『命をストックしてあるから死んでもいいや』と
      開き直るのが…キノコ王国が編み出した残機制度。
      それに対してハイラル王国が編み出したとされるセーブ制度は、
      『自動発動型の招喚魔法で、自身を過去に同期させる』ものだな。
      それぞれにメリットとデメリットがあると、俺は睨んでいる。

      苦痛が圧倒的に少なくて済むのがセーブ制度なんだけど…
      同時に、せっかく得たはずの経験値を蒸発させてしまうのが痛すぎるよなあ。
      戦闘勘を鍛えるくらいならなんとかなるけど。    
      まあ、制度の違いについては後々、もっと詳しく教える。
      要するに、両方の制度を使い倒せってことさ」

リンク「はあ……」

854以下、名無しが深夜にお送りします:2019/02/01(金) 09:09:33 ID:VYPqJh02
スマブラ編?楽しみ

855Mii:2019/02/01(金) 23:35:58 ID:5I3.SDfA
Dr.マリオ「で、だ。本題の『魂の混濁』とやらに入るぞ。
      …もっとも、専門的なことは俺もお手上げだから…解説よろしく、ピーチ」

ピーチ「オッケー。リンクは、『魂と思考の一対一対応』っていう原則、知ってる?」

リンク「…いや、知らない」

全く知らない。キノコ王国だと常識なのだろうか。
それとも、博識なゼルダ姫なら知っているのだろうか。

ピーチ「通常状態なら、思考回路は1つのみ。
    誰かの魂に憑依されているなら、思考回路は2つまで。
    魔物同士が融合体を象ったとしたら、思考回路は構成要素の魔物の数まで。

    要するに、魂の数より思考の数が多くなることはありませんねっていう、
    それだけの原則よ」

リンク「……でも、俺は」

ピーチ「魂1つに対して思考回路が複数あるって思ってるなら、間違いよ?
    原則を破るわけには行かないから、疑うべきは魂の数。
    思考回路の数だけ、魂は『区別できる、分離できる』はずなの」

リンク「魂が…分離できる!?」



驚天動地とはこのことだろう。なんだか付いて行けなくなってきた。

856Mii:2019/02/01(金) 23:41:25 ID:5I3.SDfA
ピーチ「歴史1の自分がいて、対応する魂1がある。

     歴史2の自分がいて、対応する魂2がある。

     歴史3の自分がいて、対応する魂3がある。



     歴史4の今現在の自分がいて、対応する魂4がある。



     その都度その都度、1つの歴史にて生きているから、貴方は魂を1つに束ねようとしてる。無意識にね。
     でも思考回路は増えていくばかりだから、パンクするのは当たり前。

     

     リンク――。各々の歴史の自分を認めなさい。
     そして、歴史の数だけの独立した魂として扱ってあげるの。
     それが達成された瞬間、『1つのごちゃごちゃな塊』から
     『綺麗に折りたたまれた冊子』へと魂は変貌するわ。

     時間軸移動の手段があるなら、懐かしい歴史をちょっと訪れて当時を振り返るのもいいかもしれないわね」

リンク「……!!」ハッ

857Mii:2019/02/01(金) 23:47:44 ID:5I3.SDfA
ピーチ「始まりの町が複数あったっていいじゃない。
     ダンジョンが複数パターンあったっていいじゃない。
     それが貴方の世界の立派な『常識』なんだから。

     それに、言い換えれば…知識量が、戦闘経験が何倍もあるってことよ?
     これからだって、魂の分離さえできれば、魂ごとに経験値が入っていくの。
     成長曲線ぼろ儲けよ?

     あと、魂を慎重に、慎重に移し替えながら懐を探ることができるならば…たとえば。
     各々の歴史で使ってきた装備品やアクセサリーを好き勝手に…
     どこからともなく取り出せたりもするんじゃないかしら。
     勇者の特権ってことでワクワクしてこない?」

リンク「本当か!?」ババッ

ピーチ「…いきなりは無理よ。それができるようになるのを目指して頑張るんだって」

リンク「あ、ああ」ボウゼン




なんだろう。この気持ち。急展開にも程があるが…。
光明が見えてきた、のだろうか。

858Mii:2019/02/01(金) 23:50:47 ID:5I3.SDfA
Dr.マリオ「そうそう。あと、リンク自身の思考パターンについてちょっと思う所がある。
      簡単なテストをしよう。



     冒険でダンジョンに潜っているリンクの目の前に、宝箱が現れた。
     ちょっと特殊な宝箱で、キューブ状の箱に対して鍵穴が6つある。
     前にも後ろにも、右にも左にも、上にも…そして、地面に接した下にもだ。

     持っている鍵を使えば、どの鍵穴からでも一面開放して、宝物を回収できる。
     さて、リンクなら…どの鍵穴を開ける?」

リンク「そんなの、最短距離で到達できる前面の鍵穴に決まってるじゃないか」





Dr.マリオ「……本当に、そうか?」ニヤリ





リンク「え…まさか、前面あたりに留まっていると上からキースが襲ってくるとかの特殊条件があるのか?」

859Mii:2019/02/02(土) 00:01:40 ID:/.lNxzM6
Dr.マリオ「いや、そういう隠された条件はないぞ。ただ――
      最適解だけを妙に絞り出して他の選択肢を除去するのは…
      色々と勿体ないだろってことだ」

リンク「え……」

Drマリオ「気まぐれ、気分で横の鍵穴から開けてもいいじゃん。
      回り道して、後ろの鍵穴から開けてもいいじゃん。
      ひねくれて宝箱を持ち上げて、下の鍵穴から開けてもいいじゃん。
      いや、そもそも1つしか開けてはいけないとも決まってないぞ。
      全部開けて、我に返って『ブフォ、何やってんだ俺!』って笑い転げてもいいんだ。

      選べる自由があるうちは、選択肢は残しておいた方が人生楽しいぞ?
  
      勇者は休憩も娯楽もナシに世界を救うため奔走しなきゃならない?
      困った人がいたら、我が身を犠牲にしてでも助けなきゃならない?
      そんな押しつけがましい常識なんて捨てちまえ。

      自分と、自分に近しい人についての命と生活を、まずは最優先に守る。
      余裕が有ったら、現状維持するくらいには世界の為に戦う。
      更に余裕ができて初めて、世界の平和のために一気に攻め立てる。
      そんなもんで十分じゃないのか?」



リンク「…そんな考え、したこともなかった」

860Mii:2019/02/04(月) 22:22:37 ID:ARfOst1w
それから1週間みっちりと、カウンセリングは続いた。
何も謎解きを出されるだけ、質問されるばかりではない。

リラクゼーションの為に音楽を聴いたり。
座禅を組んで瞑想したり。
特効薬とはいかないまでも、自分で実践できる療法を座学で学んだり。

少しずつ、体がほぐれていくのを実感する。
手荒に扱っていた装備を、ふと手入れしてみて、愛着を思い出す。
まだまだ悪夢は見るけれど、吐き気に対して、打ち勝つ勇気が湧いてくる。



俺は、長いようで短い、カウンセリングを通じて、
自分のルーツの探求を行っていった――。








そして――。

861Mii:2019/02/04(月) 22:24:43 ID:ARfOst1w
リンク「体力満タンの復活し立てに…ソードビーム――ッ!」ブンッ

マリオ「おっとと!?なんだこの射程距離っ!?」

リンク「距離を取られたところを…ロングフックッ!!」シュルルルル

マリオ「げ、しまっ…」ガチャリッ

リンク「引き寄せて…メガトンハンマー!!」ゴオォッ!

マリオ「ぶっ!?」バビューン



実況「リンク選手、マリオ選手をまたもや撃墜!並んだ、また並びましたっ!
   ここにきてリンク選手、信じられない変貌っぷりです!
   開幕早々、優勝させまいとマリオ選手が周囲から狙われたという事情もあるとはいえ…
   リンク選手、大健闘の状況だ!」

マリオ「これならどうだ、ファイアボールを食らえっ!」

リンク「――――っ!」ビュン

実況「リンク選手、ファイアボールのほとんど全てを
   咄嗟のマジカルブーメランで撃ち落としたぁ――!」




ウオオオォォォォォ――!!

862Mii:2019/02/04(月) 22:26:37 ID:ARfOst1w
マリオ「やるじゃないかリンク、やっぱり見込み通りだな!
    道具の豊富さなんてものじゃない、見違えるくらい動きが良くなったぞ!」

リンク「ああ、マリオとピーチ姫のおかげさ!心の迷いがだいぶ消え失せたうえに、
    滞納されていた経験値が遅ればせながらまとめて入ったみたいなんだ!
    反則すれすれの装備ありきで拮抗している感じで悔しいけど…今は勘弁してくれな!
    とりあえず1勝して2人に感謝の気持ちを表すことにするさ!」

マリオ「言ったな?こちらもそうやすやすとは負けないさ!」ダッ

実況「観客の興奮も最高潮に達しているぞー!結果は如何にっ!」



ワアアアアアアアアアアアァァ――。

863Mii:2019/02/04(月) 22:27:56 ID:ARfOst1w
〜ハイラル王国〜

ゼルダ「…そう、ですか。1勝99敗…断トツの最下位に、終わった、と」

リンク「はい。ハイラル王国の名に泥を塗ってしまい…大変、申し訳ございません。
    罰は如何様にも…」

ゼルダ「…いえ、それは構いません。ですが、リンク。
     辛い思いをさせてしまい…こちらこそ大変、申し訳ありません」ウツムキ

リンク「そのことなら、大丈夫です。
    非常に有意義な遠征であったので」ニコッ

ゼルダ「え……?」





リンク(分かってる。最終戦で…やっぱりマリオは、手を抜いていた。
    でもそれは、俺を嘲り笑うための手抜きじゃない。
    おれを後押ししてくれる、反撃の狼煙を祝ってくれる最初で最後の餞別だ。
    これから俺は、本当の意味で強くなって見せる)



ゼルダ(ああ…こんなにリンクが穏やかな笑みを見せるのは、初めてかもしれないわ)

864Mii:2019/02/04(月) 22:29:52 ID:ARfOst1w
それから数年の月日が流れ。

悪夢に苛まれることなど、ほとんどなくなっている俺がいた。
マリオとピーチには感謝してもし足りないな。
今日もせっせと――





ハイラル城にお百度参り中。





リンク「お願いします、ゼルダ姫!
    ハイラル王国でも、大々的に強者を集めて競い合う祭典を設けるべきです!
    レースでも、ミニゲームパーティをするのでも、ジャンルは問いませんから!」

ゼルダ「…リンク。スマブラDXに参戦して、キノコ王国での戦いから醒め止まないのは分かりますが…
     繰り返しますが、私含めて王国の主要メンバーは日々忙しいのです。
     そのような無茶を言ってはなりません。第一、なんの意義があるというのですか?」

リンク「ですから!冒険がそうそう転がっているわけではないのですよ!
    王国が主導して、多くの人が経験を積むことのできるイベントを用意するべきなのです!
    キノコ王国では有効性が十二分に実証でき、積極的に取り入れている施策です」

865Mii:2019/02/04(月) 22:31:53 ID:ARfOst1w
暖簾に腕押し、糠に釘。
今回のゼルダ姫は…いや今回のゼルダ姫も、中々に真面目体質みたいだ。
それが災いして、俺の主観を語る程度では中々動いてくれない。
むしろ、「そんなことを考えている暇が有ったら鍛錬をした方がよいのでは」という思いすら、
ジト目から伝わってくる。

…いやまあ、ハイラルの常識からすればまるで素っ頓狂なことを言っていることは自覚している。
いきなり突っぱねられないだけマシなんだろう。

スマブラDXも、せっかく個人的に招待されておきながら
「別に戦いを好まないし、忙しいからパス(要約)」という内容の連絡をピーチ姫に送って…とうとう参加しなかった。
緊急時以外で殴り合いなんて以ての外、と考えるのはまあ分かるんだけどさあ。
…ちなみにピーチ姫は若干不満そうにしながら自分の参加登録をしていましたが何か?
行動派のお姫様は違うね。

なんとガノンドロフまで招待を受けたのだが、
「見知らぬ国のお祭り騒ぎに参加しろ、だと?くだらん!」と切り捨ててしまったらしい。
結局、ハイラル王国から参加したのはまたもや俺一人だ。酷くない?ねえ、酷くない?



え?俺の戦績?五分五分って程度までは力を付けたぞ。
強くなっていくことが実感できるって、本当に素晴らしいね。

866Mii:2019/02/04(月) 22:33:58 ID:ARfOst1w
ゼルダ「…リンク、王国を救って頂いたことには本当に感謝していますが。
    これ以上頻繁に嘆願に来られていると、要らぬ噂まで呼び込みます。
    政策の邪魔をしているのでは、とか。図に乗っているのでは、とか。
    私としても庇いきれなくなります。

    再考してもらえませんか、お願いします」ペコリ

リンク「…………はい、差し出がましい真似をしました。申し訳ありません」

ゼルダ「分かって貰えればよいのです。ふふ…。
     今のあなたはハイラル王国の誇れる勇者であって、
     キノコ王国の一介の戦士ではないのですから」

リンク「…………!!」ハッ!!



リンク「ありがとうございます、ゼルダ姫。
    おかげで、目が醒めました!」


ゼルダ「いえ、お気になさらず」ニコニコ

867Mii:2019/02/04(月) 22:40:34 ID:ARfOst1w
マリオ「さてと、明日のレースも頑張らなきゃなーっと。
    コースのおさらいをやっておくか……うん?」テクテク





リンク「おっす!久しぶりだなマリオ!」

マリオ「えっ」





〜キノコ城〜

ピーチ「『キノコ王国でアパート借りてしばらく生活する』ですって!?」

リンク「ああ。よくよく考えてみると、どのみち何処にいようと
    伝説が紡ぎ始めるたびに問答無用で転生するんだ。
    だったら環境が整っている上に、事情を把握してくれる人たちが揃っている所に
    住居を構えた方が絶対賢いだろ?」

868Mii:2019/02/04(月) 22:42:22 ID:ARfOst1w
ピーチ「あ、あのね!ハイラル王国の勇者を普通のアパートなんかに住まわせるわけにいかないでしょ!
     こっちでしっかり、ちゃんとしたところを手配するわよ!
     全く、急なんだから…!ゼルダは把握しているんでしょうね!?
     内政干渉とか言われるのはまっぴら御免なんだけれど!」

リンク「ゼルダ姫も背中を押してくれて、

    『今のままハイラル王国にいるとどうしても鍛錬しにくいと言うのなら、
     キノコ王国で初心に帰って一戦士として鍛えることが貴方のためになるということですね』

    みたいなことを言われたぞ?」

ピーチ「あ、そ、そうなの?…へえ、意外ね。まあ、それならいいけど…」

デイジー「あはは。ピーチ、対応間違えてゼルダと口論にならないようにねー」

ピーチ「頭が痛いわ…」

869Mii:2019/02/04(月) 22:44:33 ID:ARfOst1w
ピーチ「と、いうわけで!突然ですが、リンクの歓迎パーティを開きたいと思います!」バンッ

マリオ「よしきた」

ルイージ「賛成!」

リンク「……へ?」

マリオやルイージに連れられて、城下町を散策し。
キノコ城に戻って来てみれば、豪勢な料理がテーブルにビッシリ。

ピーチ「公務扱いにはできないから、楽団演奏とか下手に予算を使ったイベントにはならなかったけど。
     内々のお祝いで御免なさいね」

リンク「って、これピーチ姫が全部一人で作ったのか!?召使に作らせたとかでもなくて!?」

ピーチ「ざっとこんなもんよ」ドヤァ

マリオ「おお、あいかわらず美味そうだな!」

ルイージ「ヨッシー連れてきたよ!…全部食べたりしちゃ駄目だからね?」

ヨッシー「分かってますって」ジュルリ

ルイージ「すこぶる不安だ」

デイジー「ハイラル王国の土産話とか聞かせてほしいなー」ワクワク

リンク「…………」

870Mii:2019/02/04(月) 22:47:22 ID:ARfOst1w
歓談しながら、早速食べ始める。どれもこれも、本当に美味しい。
語られる話も、趣味のことやら専門的な話やら、失敗談やら暴露大会やら何でもありだ。
笑い、怒り、慌てる光景がそこにはあった。



リンク「…なあ、マリオ。割とこんな感じに、冒険や政務と関係ナシに集まることって多いのか?」

マリオ「割と多いぞー?そもそも、冒険からして、個人的な繋がりで食事会なり旅行なり誘ってもらって、
    遂行してたところを事件発生ってパターンが多いからな」

リンク「…………」

ピーチ「直接会ったことがほとんどないけれど、ゼルダってお堅いからねえ。
    100の仕事をテキパキと110の実力でこなすっていうか。
    
    余力はないが無難にこなせる現状に満足してしまっているがために、
    端折れるところを端折って娯楽要素を手掛けようなんて発想は
    持ち合わせているようには思えないわね。
    …あ、気を悪くしたかしら」

リンク「…いや、俺も分かる気がする」

871Mii:2019/02/04(月) 22:49:47 ID:ARfOst1w
デイジー「ピーチは遊びの時間をやりくりするために
      超パワーで仕事をするって感じだもんねー」

ピーチ「遊びの時間第一で仕事をしないアナタにだけは言われたくないのだけれど」ピキピキ

デイジー「イダダダダダダ!」

リンク「…………」

ピーチ「あ、でもね。お堅いおかげでゼルダは、
     パーティでリンクに踏みつけられることもなければ、
     カートでクラッシュさせられてマグマに突き落とされることもないのよ?
     ある意味で威厳を保ててるのよ?

     私とマリオはしょっちゅう、踏み合ったりハンマーで叩き合ったり、
     カート同士ぶつかり合ったりしてるけど」

リンク「…………」





何だろう。すっごく羨ましい。そうとしか言えないです。

872Mii:2019/02/04(月) 22:52:20 ID:ARfOst1w
キノコ王国で、マリオ達と特訓の日々。
1人より2人で、2人よりみんなで。やっぱり修業効率が違う。



しかし、今の俺は遊ぶことの大切さも忘れてない。



草原の国に遊びに行って、見覚えのある縦笛を紹介されて驚いたり。
マリオカートを観客席から観戦して、エキサイトしたり。
運も絡んで刻々と順位が入れ替わるパーティを観て大笑いしたり。
遊ぶネタはまるで尽きない。

――しかし、流石にそろそろ…。
――思った頃にドンピシャで、体が光に包まれた。
――げっ、転生を示す怪現象だ。

体が少しずつ、光に融けて消えていく。
新たな歴史を、新たな魂を感じ取る。





リンク(そういや、ここで増えようとする魂を分離…いや剥離するとどうなるんだ?
    …ペリッとな。我ながら器用な真似ができるようになったもんだ)ペリッ

873Mii:2019/02/04(月) 22:55:15 ID:ARfOst1w
ボンッ!

トゥーンリンク「やあ!僕、勇者リンク!さあ、冒険頑張るぞ!」

リンク「!?」

トゥーンリンク「あ、もしかして僕の本体さん?
        何故だかその情報と魂に関する知識だけは頭の片隅に持ってるよ。
        魂1つのときの本体さんと同じくらいの強さしかないから
        冒険は苦労すると思うけど…行ってきまーす!
        終わったら…じきに、本体さんの所に自動帰還するからねー!」シューン…

リンク「」

俺の体は再び実体を完全に取り戻し――
俺の分身…?が代わりに転生させられました。

リンク「…あ、でも。転生させられずに済むならちょうどいいのか。
…責任とって、帰還後に面倒見るくらいはしてやろう」ポンッ



――俺、今日…ちっこい分身を作ったよ。

図書館で座学を教わっているときに何気なく状況を説明したら、
教師役のピーチ姫がたちまち真っ青になって
『二度としないで』と肩をガクガクされました。…首がマジでもげそうです。
キノコ王国でハイラルの勇者の数を勝手に増やす(?)なんてことをしたら。
下手をすれば外交問題になりかねない、とのことです。そんなものなのか。
やっぱり勇者って面倒くさいな。

874Mii:2019/02/04(月) 22:58:20 ID:ARfOst1w
〜ふしぎのぼうし〜

ゼルダ「リンク、一緒にお祭りに行きましょうよ!」ワクワク

リンク(今回は幼馴染設定で始まるのか、なんか新鮮。
    …変装とかしなくていいんだろうか)ゴロゴロ

ゼルダ「…ちょっとリンク、どうして前転で進んでいくの!?
     …え、この方が速いって?嘘よね!?あれ、追いつけない!?待ってー!」





グフー「光の力を持つ姫…ハイラルの王女が持っているといわれるふしぎな力というヤツですか…
    そんな力を持った者をほうっておいて後々じゃまをされたら大変ですね…
    ワタシの魔人の呪いで石になるがいい!」ブウゥンッ

リンク「表彰式を使って律儀に正面から乗り込んでくるのは評価点だったけど
    そんなことさせないぞ…!」ワリコミ

875Mii:2019/02/04(月) 23:00:18 ID:ARfOst1w
ゼルダ「いけない、リンク!その小さな盾なんかじゃ防ぎきれない!
     私のことはいいから、よけてっ!」







リンク「時オカミラーシール…(小声)」







ゼルダ「えいっ!」ドンッ

リンク「え、ちょ」フラッ



ゼルダに おもいっきり つきとばされて
のろいのまほうを はねかえすことに しっぱいした!
ゼルダは いしに なった!▼



リンク(構えておけば跳ね返せたのに――っ!?)

876Mii:2019/02/04(月) 23:02:39 ID:ARfOst1w
グフー「それでは、フォースを探すことにしましょうか、フッフッフッフ――」シュンッ

リンク「……………………」

ゼルダ「」

リンク「これ、最後の最後まで石になったままってパターンじゃないか…
    いや、パターンなんて言っちゃいけないか…
    石の密度の相場が2〜3 g/cm3だから…100 kgはあるかな?
    うん、ちょうどいいハンデだな」





ハイラル王「こうなったら、リンクに全てを託すしか…!
      スミス、リンクはどうしたのじゃ!」

スミス「そ、それが…そのまま『ちょっくらグフーを倒してくる』と言って
    飛び出して行ってしまい…」

ハイラル王「折れたピッコルの剣も、戦闘用の剣もまだ与えていないのにか!?
      そ、そういえばゼルダはどうしたっ!見当たらんが!」

スミス「『ここに放置してたら、どうせグフーが隙を見計らって攫うだろうから
    連れていく、もとい背負っていくよ』とのことです」

ハイラル王「」

877Mii:2019/02/04(月) 23:04:28 ID:ARfOst1w
エゼロ「たすけてくれーい!」

ダダダダダッ…。
ドウシタ ドウシター?

エゼロ「ふう、やっと助けがきたよう――」



リンク「マスターソードの錆になりたい奴は出てこーい!
    …うーん、まだハンデが足りないかな。
    コキリの剣あたりに変更するかな」ズババババ

ゼルダ「」

エゼロ「何コイツヤバイ」

リンク「そこの…帽子?でいいのかな?石化した人の呪いを解くために、
    なんとかして聖なる力を秘めた聖剣を手に入れたいんだけれど、
    色々と試練を乗り越えなきゃいけない代物だと思うんだ。
    どうすればいいか知っていたりするか?教えてくれ!
    
    …あ、他の人には俺がマスターソードを持っていることは内緒な?」

エゼロ「お前は何を言っているんだ」

878Mii:2019/02/04(月) 23:06:16 ID:ARfOst1w
〜トワイライトプリンセス〜

ウルフリンク「……!」ガルルルルル

ミドナ「あ〜あ、残念だな〜。
    オマエの態度によっちゃあ助けてやろうと思ったのに――」
    


ウルフリンク(なにこれ凄いな!?獣になって戦闘力アップか!?
        うおぉ、ダッシュ速い!(鎖ブチッ!)当たり判定小さい!
        …あ、でも魔物に噛みつき攻撃はやだなあ。
        ちょっと剣を招喚して(ガラン)、前脚で…くそっ、厳しいか。
        グローブ系なら何とかなるかな?
      
        おーい、そこの獣人。
        何か獣専用のアクセサリとか持ってたりしないか!?
        爪の攻撃力が30%アップする、みたいなやつ!)ガルルルル

ミドナ「怒りじゃなくて感動してただけ!?適応速いなっ!?
    おまけにテレパシーに武器招喚って、いきなり何やってくれてるの!?」

879Mii:2019/02/04(月) 23:10:41 ID:ARfOst1w
〜キノコ城〜

ゼルダ「…………早速ですが本題に移りましょう」

ピーチ「……………………ど、どうしたのかしら、ゼルダ」

ゼルダ「いえ。なんでも最近、リンクがもっぱらキノコ王国で生活しているという噂を偶然耳にしたもので。
     興奮しずぎて、私自ら遠路はるばるやってきてしまいました」ピキピキ

ピーチ(怒ってる!物凄く怒ってる!何よリンク、全然許し得てないじゃないっ!?
    …あ、歴史が移ってゼルダも変わったから仕方ないのかあ)



※リンクが早合点しただけで、もとから許されていません。



リンク「あれ?ゼルダ姫じゃないですか。これは珍しいですね。
    キノコ王国まで来て、一体どうしたのですか?なにか事件ですか?」

ゼルダ「どうしたのですか、ではありませんっ!リンク、何をやっているのですか!
    貴方は、キノコ王国の勇者ではないでしょうっ!」

リンク「しかし、一向にハイラル王国がイベントを催してくれないじゃないですか…。
    強くなるためにも、精神面でも、キノコ王国の方がずっと環境がいいんですよ…
    それに、警備がてら自分の意志でハイラル王国には度々戻ってますよ?」

ピーチ(火に油を注がないでー!)ビクビク

880Mii:2019/02/04(月) 23:12:35 ID:ARfOst1w
リンク「…あ、そうです!そんなに疑うなら、今度のスマブラXで証明して見せますよ!
    いい加減、ゼルダ姫にも参戦していただければ、私の戦闘力の上がりっぷりを示すことができるはずです!」

ゼルダ「私に、そのような遊戯に参加する時間などありません」

リンク「…では、私もハイラルに戻ると時間がもったいないので戻りません」プイッ

ゼルダ「いい加減にしてください、リンク!
    何をピーチ姫に吹き込まれたのか知りませんがっ!
    ハイラル王国とキノコ王国、どちらが大切なのですかっ!」

リンク「それはもちろんハイラル王国に決まってるでしょう」

ゼルダ「そうでしょう、そうでしょう!
    …そ、その。私と、ピーチ姫とでも、どちらが大事かくらい、
    わかりきっていることでしょう」





リンク「……………………………………………………………………………………
    ゼ、ゼルダ姫に、決まってるでしょう」ピクッ ピクッ

ピーチ「」

ゼルダ「」ブチィ

881Mii:2019/02/04(月) 23:14:39 ID:ARfOst1w
ゼルダ「いいでしょう…こうなったら、私自ら、お灸を据えてあげましょう…
    スマブラXとやら、参戦しようではありませんか」

リンク「本当ですか!では、何度でも挑戦を受け付けるので、
    一度でも、素手の俺に『参った』と言わせたらゼルダ姫の勝ちということで!」

ゼルダ「フンッ!」ガチャッ・・・



ピーチ「…一応聞いておくけど、私のことが好きになった、とかではないわよね?」

リンク「はは、まさか。でも、親しい友人とは思ってるぞ」

ピーチ「…ゼルダのことは?」

リンク「私生活では取っ付きにくいけど有能な上司」

ピーチ(リンクのゼルダ好感度の低さのせいで私のストレスがマッハ!)ガクブル

882Mii:2019/02/04(月) 23:16:49 ID:ARfOst1w
スマブラXで、俺の実力は遂にマリオに並んだ、と思う。
観客の拍手を受けるのは、やっぱり気持ちがいい。



そうそう。ゼルダ姫に言われるままに、非公式戦でタイマン勝負することになった。



腕を大きく引っ張られながらも、光の弓矢を素手で掴み取って――
弱攻撃だけで100回ほど丁重に倒してみせたら



ゼルダ「リンクの馬鹿アアアアアアァァァァ!!」



と叫んで泣きながら去っていきました。
その後、ハイラル王国に戻って来いと言われることもなくなってめでたしめでたし。





ゼルダ「どうして、こんなことになってしまったの…」グスン

ゼルダ「私はリンクに、ハイラル王国に…傍にいてほしい、だけなのに…」

ゼルダ「何もかもが、ちぐはぐね…」ジワァ

883Mii:2019/02/04(月) 23:19:28 ID:ARfOst1w





「きゃあああああっ!」ドゴォッ

「ゼルダっ!!」

「ゴホッ…リンク、私の、ことは、もう、いいので、す…!
私の最後のお願いを、きいてください。
あの魔物を、たおし、て。ハイラルに、平和を、とりもど、し、て……
貴方なら、私の聖なる力がなくても、きっと――」ドクドク



「…………嫌だ」



「……リン、ク?」

「ハイラル王国とゼルダ、どっちかなんて…選ぶことなんか、できないっ!」



紫の薬が 緊急発動!
ハートが8個 回復して 一命を取り止めた!▼

884Mii:2019/02/04(月) 23:21:04 ID:ARfOst1w
「ああっ!何を、やっているのです!
 最後の薬は――貴方のために取っておいてほしかったのに!」





「海に、一緒に泳ぎに行くんでしょ?」

「えっ…」





「ゼルダを犠牲にして、世界平和なんて嘘だ。
 最後まで、2人であがいてみようよ」

「……!!」

「…なーんて、本来ならゼルダと一緒に遊びに行けるような身分じゃないけどさ、ははは」

「リンク……!はい。…はいっ!わかりました!
2人で、必ず生きて帰りましょう!そして、絶対に遊びに行きましょうね!」ウルウル

「ほんとに!?嬉しいなあ。…そうさ、僕たちは、最高の――」

「パートナー、なのですからっ!それでは、参ります!これが――――」

885Mii:2019/02/04(月) 23:23:05 ID:ARfOst1w












〜大地の汽笛〜

トゥーンゼルダ「最後のセッションです――――っ!」

トゥーンリンク「最終決戦だ――――っ!」

886Mii:2019/02/04(月) 23:24:51 ID:ARfOst1w
マラドー「小賢シイ真似ヲシテモ 無駄ダア!」

トゥーンゼルダ「リンクはマラドーを引きつけてください!
         わたしはその隙にこの光の弓矢でマラドーの光の紋章を狙います!」

トゥーンリンク「わかったっ!!」



――トゥーンリンクの果敢な動きに、魔王マラドーの注意が逸れる!



トゥーンゼルダ(今ですっ!……っく!?)ズキン

トゥーンリンク「外しちゃっても、まだチャンスだ!次の矢を放って!」

トゥーンゼルダ(こんな、ときに…!怪我、緊張、そして恐怖で狙いが定まってくれない!
         あ、ああああ!?)ブルブル

トゥーンリンク「やばいっ!……ぐっ!」ダッ

トゥーンゼルダ「リンク!私を、庇いに入ったせいで……ごめんなさいっ!
          私、最後の最後で、勇気が…」ボロボロ

トゥーンリンク「なーに、こんな怪我、舐めてりゃ治るって!気にしない気にしない!」テヘヘ

887Mii:2019/02/04(月) 23:27:47 ID:ARfOst1w
トゥーンゼルダ「…………リンク、お願いがあります。
         最後の最後の、お願いです。

         汽車の旅路で、貴方が聞かせてくれた数々の昔語り。
         その中で出てきた、『あれ』を。私に――」

トゥーンリンク「…え、いい、の?」

トゥーンゼルダ「はい。私はリンクを、信じます」ニコッ





マラドー「エエイ チョコマカト目障リナ!」グオォ

トゥーンゼルダ「…………」ジッ



トゥーンリンク(よし、ゼルダがフリーになった!
ここまで信用してくれたんだ、想いを、風に乗せて――!)

888Mii:2019/02/04(月) 23:28:53 ID:ARfOst1w





サッ サッ サッ サッ。
トゥーンリンク「←・→・」

トゥーンゼルダ「――――」ガクッ ブゥーン・・・







トゥーンリンクは 操りの唄を振った!
トゥーンゼルダの 意識を乗っ取った!▼ 





トゥーンゼルダ「――光の弓矢、食らえっ!」バシュッ!

マラドー「ガアァ!?」



トゥーンゼルダ(よし、なんとか扱える!ただ、問題は…!)

889Mii:2019/02/04(月) 23:30:51 ID:ARfOst1w
マラドー「フンッ!!」

トゥーンリンクは 操りを解いた!▼

トゥーンリンク「あっぶない!セーフ!
         わざわざ、棒立ちの僕を敵の目の前に曝け出しちゃうことかなっ!
         はは、かなりしんどいことになりそうだっ!」



トゥーンゼルダ「――2本目ぇ!」ビュンッ!

トゥーンゼルダ「――――3本目ぇ!」ビュンッ!

トゥーンゼルダ「――――ハァ、ハァ…4本目ぇ!」ビュンッ!




トゥーンゼルダ「――――――――――いい加減、倒れろぉー!」ビュンッ!



マラドー「グガアアァァ!」バタリ



トゥーンリンク(――――今だっ!)パチッ

トゥーンリンク「うおおおおおおおおっ!」

890Mii:2019/02/04(月) 23:33:24 ID:ARfOst1w
トゥーンリンク(マラドーは相当弱ってる!額のコアに剣を刺して、お仕舞いだ!
       
         …だと、いうのに。どうして、足が、もつれるんだ。
         やっぱり、何度も何度も意識を乗っ取るってきつすぎる――。
         今アイツを仕留め損ねたら、ヤバイの、に。
         ごめんゼルダ、僕、もう気力が残って――)フラッ



ガシッ!ザクッ!!

マラドー「GYAAAAAAAAAAA!!」



トゥーンリンク「ハッ……あれ?場面が…飛んでる?
         どうして僕は…ここまで駆けて来られてるんだ?
         どうして、剣を突き刺せているんだ…!?」





トゥーンゼルダ(霊体)「よかった、間一髪間に合いました!」





トゥーンリンク「ゼルダ!?どうしてまた、その姿に!?」

891Mii:2019/02/04(月) 23:35:03 ID:ARfOst1w
トゥーンゼルダ「リンクが倒れかけているのを見たとたん、思わず自分の体を放り出して
         意識を失ったリンクの体に入り込んでいました。
         おかげで、私の体は顔から盛大に地面に倒れ込んだじゃないですか、もう。
         
         …リンク、私がまた体に入って戻ってくるまで耐えてください。これで本当に、最後です」

トゥーンリンク「…………ああ!」グググッ



タッタッタッ…。

トゥーンゼルダ「お待たせしました。それでは――」





トゥーン「「はあああああああああっ!!!!」」ドンッ!!

892Mii:2019/02/04(月) 23:36:35 ID:ARfOst1w
トゥーンリンク(ぼーっ)



リンク「おいおい、どうしたよトゥーン。冒険から戻ってきてからというもの、
    ため息ばっかりついて、そんなに黄昏ちゃってさ」

トゥーンリンク「…………」チラッ

トゥーンリンク「はあぁ……約束、守れなかったなあ」シュン

リンク「お?なんだなんだ?どれどれ、お兄さんに話してみたまえ。
    冒険の中で好きな子でもできたか?」

トゥーンリンク「…………うん」

リンク「なーんてな、あはは…って何だとぉ!?
     トゥーン、恐ろしい子!色を知る歳か!?一体、どんな人なんだ!?」ガバッ

トゥーンリンク「…………えっと」モジモジ



リンク「えっ…」

リンク「……………………ふむ」

893Mii:2019/02/04(月) 23:40:02 ID:ARfOst1w
〜ハイラル城〜

ゼルダ「…ふう、今日の仕事はこのくらいにしておきましょう。
     いつまでも明かりを付けているとインパに怒られてしまうわ」

ゼルダ(まあ、枕元の本を少し読んでから寝るのだけれどね)



コン、コン。



ゼルダ(あら、いけない。寝たふり、寝たふり)



リンク「失礼しまーす」ガチャッ

ゼルダ「!?」

リンク「あれ?おかしいな、窓明かり的に起きてると思ったんだけど」

ゼルダ「」

リンク「まあいいや、寝てる方が好都合だし。貴方の心を盗みに参りました、なんてね!」

ゼルダ(夜這いっ!?まさか、夜這いなのっ!?リンクに限って!?
     あわ、わわわわわわわわわわ)

894Mii:2019/02/04(月) 23:41:55 ID:ARfOst1w
リンク「さってと、さっさと済ますか――」

ゼルダ(あれがこれで それがどれで これがそれで)プシュー





リンク「教えてもらった『操りの唄』」スイー

ゼルダ「――――」ガクッ



ゼルダ「――よし、大成功!じゃあ早速、頭に意識を集中させてっと……
  
     これか?いや、違う。

     こっちか?違うなあ。

    流石に他人の魂、それも休眠状態の魂の分離は一筋縄じゃ行かないか…
    でもまあ、トゥーンリンクの為に頑張ってみるんだけどな!」

895Mii:2019/02/04(月) 23:45:24 ID:ARfOst1w
〜1時間後〜

ゼルダ「…見つけたぞ!そおぉぉい!」シュパッ



ゼルダ(テトラ)の魂【風のタクト】を 取り出して
空きビンに 詰め込んだ!
ピーチに渡して 実体化の協力をしてもらおう!▼



ゼルダ(テトラ)の魂【夢幻の砂時計】を 取り出して
空きビンに 詰め込んだ!
ピーチに渡して 実体化の協力をしてもらおう!▼



ゼルダの魂【大地の汽笛】を 取り出して
空きビンに 詰め込んだ!
ピーチに渡して 実体化の協力をしてもらおう!▼



リンク「――――よし、じゃあ帰るか。
    ご協力ありがとうございましたー」ホクホク

ゼルダ「…………うっ、一体何が……記憶が混乱しています…」ヨロヨロ

896Mii:2019/02/04(月) 23:47:27 ID:ARfOst1w
リンク「…そうして、必要分の魂を集めて来て実体化させ、
    更に魂に関する知識をトゥーンリンク同様に与えたものが
    こちらになります」ババーン



トゥーンゼルダ「人を物みたいに扱わないでください!
          命を弄ぶだなんて、本当に酷い方ですね!」プンスカ

リンク「……じゃあ、ピーチに頼んで滅してもらおうか…?
    本人が『本体と分離して生きること』を望まないなら、受け入れるよ。
    勝手なことをして済まない…」

トゥーンリンク「えっ…………」



トゥーンゼルダ「それは駄目です」ギュッ

トゥーンリンク「ゼ、ゼルダ。苦しい苦しい」

トゥーンゼルダ「ダメ」



リンク(ニヤニヤ)

トゥーンゼルダ「わ、笑わないでください!!」カアァ

897Mii:2019/02/04(月) 23:49:36 ID:ARfOst1w
リンク「善きかな、善きかな。

    ただ、残念なことに。本体のゼルダの負担を極力減らすため、
    戦闘力をほとんど持ってこなかったんだ。
    歴史3つ分を合わせても、凄まじく弱っちい状態だな。

    これから地獄の特訓でリカバリする必要があるけど、
    その覚悟はあるか?」

トゥーンゼルダ「……………………もちろんです!」グッ

トゥーンリンク「頑張れゼルダ!」





デイジー「…ねえ。前にゼルダが乗り込んできたときもヤバイと思ったけど。
      そろそろ喧嘩を通り越して戦争しかけられそうなんだけど、大丈夫、ピーチ?
      逆の立場だったらピーチ、絶対黙ってないよね?」ヒソヒソ

ピーチ「………………………………………………………………
     もうあの3人に矢面に立ってもらって何とかしてもらうしかないわ」ダラダラ

デイジー「ピーチが珍しく匙を投げてる……」

898Mii:2019/02/04(月) 23:52:00 ID:ARfOst1w
〜スカイウォードソード〜

ゼルダ「ハープと衣装で今日のわたしは伝説の女神様!
    リンクに一番に見て欲しくて来てもらったの!
    ねえ似合ってる?」

リンク「ああ、よく似合ってるよ」

リンク(今度のゼルダ姫…いやゼルダは幼馴染かつ恋仲一歩手前の関係か。
    …まあ、転生した俺にとっては好感度がニュートラルに戻ってるんだけど…。
    向こうは俺の変化なんて露にも知らないだろうし、うまく騙し通さなきゃな。
   
    しかし、ハイラル王国すらできていない大昔…いや原初の話とは。
    姫様の肩書もないし、これなら普通に仲のいい関係を築けるかな?)





ゼルダ「あれは……黒い竜巻!?何、何なのこれ!?きゃあああああああっ!!」



リンク「…って、言ったそばから攫われてるし!
    そこは、スカイロフトで帰りを待つとか一緒に冒険するとかさぁ!
    くそっ、自由が利かないっ!」

899Mii:2019/02/04(月) 23:53:44 ID:ARfOst1w
ファイ「お待ち申し上げていました…我が創造主より選ばれし運命のお方…
    『ファイ』 …それがワタシに与えられし名。
    時の向こう…遥かな過去から大いなる使命を背負いしあなたの為に…
    ファイはその為だけに作られた存在なのです。

    どうぞこの剣をその手に…我が創造主に選ばれしお方、リンク」



リンク(無機質無表情の女性にいきなり導かれましたとさ。話の展開が速いぞ。
    …女神の剣、か。触った感じ、マスターソードの前身みたいだな。
    …マスターソード持ってるんだけどなあ。
    まあズルはせずに、でもサクサクと進めていくか)

ファイ「…承認完了しました、マスター。
    マイマスター リンク」

リンク「おう、よろしくな、ファイ」

900Mii:2019/02/04(月) 23:56:37 ID:ARfOst1w
リンク(ようやく…見つけた!)

――ゼルダに、割と早く出会えた!

互いに駆け寄ろうとする、ゼルダと俺。

しかし、待ったを掛ける女性が1人。
その女性…インパの諫めに従い、ゼルダはどこかへワープしてしまった。
後を追おうとするも、鋭い眼光のインパに止められてしまう。

…え、なんで?使命があるとしても俺と一緒でいいよな?
多分倍速で案内してあげられるぞ?おーい?

インパ「…思いのほか遅かったな。お前を見ていると女神さまは
     選ぶべき者を見誤られたのかと思うぞ。
    そんなザマでは到底あの御方を…ゼルダ様をお守りすることなどできない」





リンク「…………は?」





開いた口が塞がらない。え、あの、ちょっと?

901Mii:2019/02/04(月) 23:58:14 ID:ARfOst1w
インパ「私の物言いが気に入らんか?」

リンク「――っ!当たり前だろっ!?俺はここまで、ほとんど攻撃を受けることなく突き進んできたんだぞ!?
    これ以上はないっていうほど早く着いたはずだ!」

それこそ、特殊な事情もないただの『リンク』だったら、この5倍は時間を食っているはずだ。
ズルをしない前提であるが、なるべく早く助けたいという思いがあった。

インパ「ほう…?安全策を採ってノロノロと進んできた、の間違いではないのか?」

リンク「そんなことあるもんか!」

インパ「だが、私がここに来ていなければ…今頃ゼルダ様は奴らの手中だった。
    …はっきり言ってやろう。お前は間に合わなかった。
    ゼルダ様をお助けできなかったのだ」

リンク「それは俺のせいじゃない!」キッ

いくらなんでも、最善を尽くしたことを全否定されてまで笑っていられるほど、
俺は聖人君子じゃない。しかし、インパの表情が一層厳しさを増す。

902Mii:2019/02/05(火) 00:00:24 ID:nxJlbLPw
理不尽だ。 理不尽だ。 理不尽だっ!!
なんで、こうなるんだっ!

光の束が収まり、ゼルダとインパの気配が完全に失われるまで。
久しぶりの虚無感を味わった俺は、立ちすくむことしかできなかった。



リンク「…………なんだよ…………もういいよ…………」ブツブツ

ファイ「マスターの精神が酷く乱れていると推測。
    先ほどの会話が要因である確率、98%。
    ですが、ワタシは状況を理解しきれておりません」



ファイが何か言っているが、知るものか。



リンク「そんなに、早く来てほしいなら…やってやるよ……」





ガシャン!!ガラガラガラガラガラガラガラガラッ!

903Mii:2019/02/05(火) 00:03:57 ID:nxJlbLPw
ファイ「…マスターの周囲に、数々の装備品が突如として現れました。
    言動から、マスターの持つ隠された能力によるものである確率、94%。
    私の記憶にない物が多数存在、状況把握が困難となっております。
    特に、こちらに転がっている光り輝く剣たちは――」





        マスターソード(神々のトライフォース)
        マスターソード(時のオカリナ)
        マスターソード(大地の章/時空の章)
        マスターソード(4つの剣)
        マスターソード(トワイライトプリンセス)





ファイ「マスターソード……!?……………………理解不能、理解不能」

リンク「それだけじゃないぞ…。この際だ、マスターソードだって合成してやる…
    一度試してみたかったんだ…ふふ…」ブウゥゥン

シャキイィィィィン!!

5本のマスターソードを 合成して ネオ・マスターソードが 誕生した!
攻撃力5倍! カギ扉、ボスカギ扉も 一振りで破壊できるぞ!▼

ファイ「!?」

904Mii:2019/02/05(火) 00:07:22 ID:nxJlbLPw
リンク「……………………さぁて、他の装備も適当に合成していくか…」

ファイ「…マスター。今後はこちらの剣を使用されるおつもりですか?」

リンク「悪いか?別にいいだろ、女神の剣よりよほど切れ味がいい」

ファイ「…マスターがそう仰るのならば、ワタシは従います。
    こちらの剣なのですが、ワタシが宿っても問題ないでしょうか」

リンク「好きにしろ――」

ファイ「それでは…」ヒュン




リンク「……………………っ!ちょ、ちょっと待った!やっぱ駄目だっ!
    ファイ、急いで剣から離脱しろっ!!」



ファイ「――――――――――――――――――――――――!?
    ガアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア
    アアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア
    アアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア
    アアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!」バリバリバリバリ

リンク「言わんこっちゃない!マスターソード5本分の戦歴が流れ込んで
    情報処理が追いついてないんだっ!このままだと死ぬぞっ!?」

905Mii:2019/02/05(火) 00:11:10 ID:nxJlbLPw
――ファイは剣から飛び出して…いや吹っ飛ばされて、そのまま受け身も取れず壁に叩きつけられ、
力なく倒れ込んた。霊体に成れていないうえに体が融けかけている、だと。どんだけダメージを受けたんだ!



ファイ「――――が――――ぁ――――」ピクピク



リンク「回復アイテム……って、不要だから持ってきてないんだった!
    回復ポイントまで運んでる余裕なんかないぞ!?
    どうすりゃいいんだ一体!?
    自分のハートは有り余ってるって言うのに!

    ……それだっ!一か八か…『ハートの器』錬成っ!!」ググググ

生命力を削って ハートの器を錬成した!
ハートの最大値が 1つ減る!
おまけに体力を削られる!▼



リンク「ぐぐっ、堪えるな…。でも俺のせいで死なせたら寝覚めがわるいし。
    ハートの器、ファイに投入ぅ!」

ファイのハートの最大値が1つ増える!
おまけに体力全回復!
しかしすぐに体力を削られ始めている!▼

リンク「ほう…やってやろうじゃないの。これまでの冒険で増やしたハートの数と…ガチンコ勝負だなっ!」

906Mii:2019/02/05(火) 00:15:58 ID:nxJlbLPw
〜5日後〜

リンク「Zzz…はっ」パチッ



ファイ「…………目が醒めましたか、マスター」



リンク「…あ、寝落ちしちゃってたか、俺。…ハァ。
    でも、寝ずの看病しながら30個ほど投入して、ようやく容体が安定したか。
    …体の調子はどうだ、ファイ?」

ファイ「マスターのおかげで問題、ありません。
    ご迷惑をお掛けし、本当に申し訳ございません。…本当に、ほ、んとうに」ポロポロ

リンク「いや、視野が狭まって正しい判断をし損ねた俺が悪かったよ。
    迷惑かけて済まなかったな…って、あれ?そんなに表情豊かだったっけ?」



水…じゃないんだろうが、涙を零すファイなんて初めて見たんですが。

907Mii:2019/02/05(火) 00:17:30 ID:nxJlbLPw
ファイ「ます、たーが。そこまで歴史を渡り歩いて苦労されているなんて。
    だというのに、ワタシは無責任にも新たな苦難をおしつけて、しまい…っ!」ポロポロ

リンク「いやいや、まあそこんところはもう割り切れてるし、ファイが気にすることじゃないよ――――って、ちょっと待った!?
    なんで俺の裏事情知ってるんだ!?」





ファイ曰く。マスターソードの戦歴とハートの器の中に。

これまでの俺の知識が、思考が、感情(絶望が主な負の感情)が――溶け込んでいたらしい。
それに中てられた、とのこと。同時に、意図せずして人間の感情について高速学習を行ったらしい。

マジか、昔の人を舐めていました。ファイ様ってすっごくハイスペック。



リンク「ま、まあ。気にせず先に進もうぜ、なっ?」

ファイ「……はい」

908Mii:2019/02/05(火) 00:20:21 ID:nxJlbLPw
インパ「今回も遅かったな、選ばれし者よ。
     ゼルダ様をお守りする気が本当にあるのか?」ジッ

リンク(あー、今回はまあ、言い逃れできないな。
    ファイの看病でロスしたうえに、ファイを気遣って行軍速度落としたからな。
    目の前のギラヒムを牽制しつつ、甘んじて説教を受けておこ――)

ファイ「…………」

ファイ「……………………」

ファイ「勝手なことを…言わないでください!」ヒュン



インパ「!?お前は…剣に宿りし精霊」

ギラヒム「ほう…?お前が」

ファイ「マスターは、十分に尽力なされています!
    弱き者だからといって、強き者に全てを委ね、
    全てを負わせることなど許されることではありません!

    行動を共にする、行程を十分にこちら側に伝達する工夫すらせず、
    緊急時に勇者は駆けつけて然るべき、というのは傲慢ではないのですか!」

リンク「……!!」

909Mii:2019/02/05(火) 00:23:40 ID:nxJlbLPw
ギラヒム「……ハッハッハッハ!いや、これはケッサクだ!
     まさか言い訳を剣に任せる勇者が居ようとは!
     もしかしてワタシを笑わせようと打ち合わせでもやってくれたのかい?」

リンク「ファイ…落ち着け」

ファイ「ですがっ!」

インパ「あり得ぬ…剣の精霊がここまで絆されるなど、有り得ぬ。
    リンクよ、お前は一体何をしたのだ。嘆かわしい。
    …いいか、次はないぞ。剣共々、すべて一からやり直せ」

ゼルダ「リンク……私は、気にしてないから…」

リンク(そう言う人が、気にしてないはずがないんだよな…………)



インパとゼルダが扉から転送されていく。

リンク「…………」

910Mii:2019/02/05(火) 00:26:03 ID:nxJlbLPw
ギラヒム「まあ、今回は余興に免じて許してあげるけど…。
     今度は!全治百年じゃ済まさない。
     永劫に続く苦しみをあげる。生き地獄を与えてあげ――」





リンク「お前ちょっと黙れ」アイスロッド

ギラヒム「」カキーン





リンク「アイスロッド!アイスロッド!アイスロッド!アイスロッド!アイスロッド!
    アイスロッド!アイスロッド!アイスロッド!アイスロッド!アイスロッド!
    アイスロッド!アイスロッド!アイスロッド!アイスロッド!アイスロッド!
    アイスロッド!アイスロッド!アイスロッド!……こんなもんでいいかな?」

ファイ「マスター……差し出がましい真似をして、申し訳ございません」

リンク「全くだ、おかげでどんどん俺の評価が下がっていくじゃないか」

ファイ「……」シュン

リンク「でも……ありがとな。スカッとした。言いたいこと言ってくれて、すっげー嬉しかった」

ファイ「マスター……!」

911Mii:2019/02/05(火) 00:27:33 ID:nxJlbLPw
リンク「さて、ファイ。新しい剣へは、十分に馴染んだか?」

ファイ「シンクロ率99%、マスターの真の剣捌きは未知数ですが
    支障はないものと思われます」



リンク「よし。というわけで、
    インパさんとやらに…とっておきの意趣返しをしたい。
    ……是非や、如何に」ニヤリ



ファイ「非常に興味深いタクティクスと考えます。仰せのままに」フフッ

リンク「とてもいい答えだ。行動開始と行きますか!」










直径50mの氷塊「」ポツーン

912Mii:2019/02/05(火) 00:29:54 ID:nxJlbLPw
ペガサスの靴を履いた!ダッシュ力が上がった!▼

サッサの実を使った!素早さが上がった!▼

赤い服を着用!ダメージをほとんど受けない!▼

鬼神の仮面を被った!全能力が強化されるとともに攻撃的になった!▼

リンク「うおおおおおおおおお!!斬られたくなかったら、道を開けやがれ!
    全滅時の出現アイテムを隠し持ってるなら、それも出せやぁ!」

ファイ「マスター!マスターが所持する装備品と似た存在をダウジングにより発見しました!
    この歴史で得られる同等の装備品と推測されます!」

リンク「よしきた、合成パーツ!そこまですぐに案内してくれ!」

ファイ「承知いたしました!」サッ

カギ扉が現れた!▼

リンク「剣の力で押し通す!!」バキッ!

カギ扉が現れた!▼

リンク「トウフかお前は!」ザクッ!

ボスカギ扉が現れた!▼

リンク「大差なしっ!!」ドゴォッ!

913Mii:2019/02/05(火) 00:33:24 ID:nxJlbLPw
インパ「ゼルダ様、どうぞこちらへ…」ガチャ・・・

ゼルダ「とうとう――この扉の先が、
     終焉の者の復活を阻止するための終着点となるのですね……」スゥッ・・・







リンク「おー、ゼルダにインパさん。遅かったですねー。
    やっぱりスカイロフトに比べて地上の肉は旨いなあ」モグモグ

ファイ「あむ…これがおいしい、という感情なのですね。
    栄養学だけでは測れないテンションの高揚を感じます。
    しっかり脳裏に刻んでおこうと思います」モグモグ

リンク「でも剣に栄養学って関係あるのかな」

ファイ「どうでしょうか」



インパ「」

ゼルダ「」

914Mii:2019/02/05(火) 00:35:44 ID:nxJlbLPw
リンク「1週間前には剣を鍛え終えて、時の扉潜ってやってきちゃいましたよー。
    あとはひたすらキャンプ生活っすねー」モグモグ

インパ「1週間前だと!?ちょっと待て…前にお前と会った日ではないか!?」

リンク「そーですよ。日付が変わる前に必要なノルマを消化しきりましたが何か?」

ファイ「どの遺跡も帰還時間含めて30分と攻略に掛かりませんでしたからね」

インパ「」

ゼルダ「…………えっと、リ、リンク!実は私、女神の生まれ変わりなのっ!」

リンク「うん、知ってる」

ゼルダ「……!?…………今のあなたには神の遺産を…
     あのトライフォースを手にするに足る力が宿っているのです!」

リンク「そうだな、勇気のトライフォースなら一杯持ってるぞ。
    3つ並べたら力と知恵のトライフォースの代用にならないかなぁ」

ゼルダ「……!!??……………………じ、じ、実は、話さなきゃならないことがあるの!」

リンク「うん、いいよ。事情を話してくれるのをずっと待ってたんだ。
    でも、ここまで来て『これから人身御供で永い眠りにつく、運命だもの』みたいなことを言われたら、
    流石に付き合いきれないよ」

ゼルダ「」

915Mii:2019/02/05(火) 00:38:57 ID:nxJlbLPw
リンク(結局ゼルダは、過去の世界で『永い眠りにつく』ことを選択した。
    悲しみながらというより、一刻も早く俺との会話から逃れたいって顔で、
    フラフラとした足取りで。それでいいのかゼルダさん)

リンク(そして――なんやかんやあって、現在の世界でゼルダを復活させることに成功し…)



リンク(…物陰にギラヒムがいるな)

ファイ(…隙を伺っているようですね。マスターに対して怯えているようにも見えます)

リンク(ムシャクシャしててアイスロッドで虐めたからなあ。
    むしろ、よくあの状態から抜け出せたものだ…って、
    言ってる傍から仕掛けてきたぞ!)

ギラヒム「この小娘と共に過去へ戻り、今貴様らが亡き者にした魔王様を甦らせてくれる!!
      散々俺の邪魔をしてくれたが…もうここまでだ!!」ガシッ



リンク「あ、そういうことね!頭が回ってなかったよ、教えてくれてサンキュー!
    じゃあ過去に行ってお前もろとも始末すればハッピーエンドだな!」ポンッ

ギラヒム「!?」

リンク「よーし、とっとと時の扉を潜って過去に行こうぜ!」ガシッ

ギラヒム「は、離せっ!?」

916Mii:2019/02/05(火) 00:40:56 ID:nxJlbLPw
リンク「ただいま」シュンッ

ゼルダ「…あ、れ?もう、終わったの?」

バド「お、おい!あの趣味悪い奴と、過去の世界の終焉の者はどうした!?」

リンク「どっちもフルパワーでスカイウォードぶっ放したら一撃で粉々に砕け散ったよ」

バド「」

ゼルダ「」

917Mii:2019/02/05(火) 00:42:53 ID:nxJlbLPw
ファイ「…マスター、お話があります」

リンク「なんだよ、急に?」

ファイ「人へと生まれ変わった女神様を守護し終焉の者を滅する若人…勇者リンク。
    マスターを導くファイの使命は、これで終わりました。
    ですからマスター…ここで、マスターとファイとの承認をお解き下さい。
    剣を台座に挿せば全てが終わり、ファイはこの剣の中で永遠の眠りにつきます」

リンク「……!!」ピタッ

ファイ「マスターは見事、使命を果たされました。どうぞ台座に剣を納め、
    女神様からの命を完遂してください。
    
    ではマスター、承認解除を」

リンク「…………おいおいなんだよ、いつぞやの無機質調になりやがって。
    ファイはそれで、納得してるのかよ?」

ファイ「……はい」

リンク「…そっか。まあ、ファイがそう言うなら仕方がないな。
    こんな能天気なマスターのしもべを務め続けさせるのは可哀想だし」

918Mii:2019/02/05(火) 00:44:28 ID:nxJlbLPw
俺は、マスターソードを、台座に、突き刺す。

ブゥンと鈍い音がして、そしてすぐに静まり返った。



ファイとの契約は、今、確かに切れたんだ。



壇を降りていく俺に、最後の言葉が投げ掛けられる。



ファイ「マスター…いえ、リンク。
    結局…ファイには、人間の心を解することはできないのです。
    ファイの使命は女神様の言葉に従い、あなたを勇者として導くこと、
    それ以上でもそれ以下でもありません。

    ですから…あなたと旅路を共にしたマスターソードの中で眠るとしても
    何の感慨も、喜びも湧き起こらない。
    承認解除が済まされた今、ファイはただ眠りにつく、それだけです」





リンク「…………なあ、ファイ。いい事を、教えてやろう」

ファイ「…なんでしょうか」

919Mii:2019/02/05(火) 00:46:14 ID:nxJlbLPw
リンク「ひとつ。聞いてもいないのに、自分が冷静ですとか何も寂しくありませんとかいきなり言い出すのは、
    気遣いってやつでな。相当に人の心を理解していないとできない芸当なんだ。知らなかったか?

    ひとつ。承認解除が済まされたうえであれこれ語り掛けてくるのは、未練がある証拠だ。

    

    ひとつ。……そんな涙顔だと、何言っても説得力ないぞ」







ファイ「……………………さい、ごに。この旅の、なかで。
    ファイが…記録した、言葉を。1つ、あなたに、贈りましょう――
    
    あり、が、とう。マイマスター、リンク。
    いつ、か、また。あなたの、魂と、共に――」ヒック





リンク「……ああ」

920Mii:2019/02/05(火) 00:50:06 ID:nxJlbLPw
インパの方にも、お別れの風が吹く。

インパ「ゼルダ様…ハイリア様の記憶をお持ちのあなたにはおわかりの筈です。
    私は元よりこの時代の人間なのです」

ゼルダ「…それは…そうだけど…」

インパ「お戻り下さい…あなた方の時代へ。私はゼルダ様達が去られた後、この扉を処理します」

インパが時の扉を開け、潜るように促す。俺たちは「過去」から「現在」に向けて、扉を潜る。
振り返ると、インパが向こう側で光の球をそっと落とし、扉を壊そうとしている。

バド「ああ、この扉ともお別れか…」

ゼルダ「さようなら、インパ…」

リンク「さよならだな、ゼルダ」

ゼルダ「なによ、リンクったら。それだとまるで、あなたがサヨナラするみた――」





リンク「ロング入れ替えフック」ビヨオォォォォン

リンクは 自分とインパの位置を入れ替えた!▼

ゼルダ「!?」

921Mii:2019/02/05(火) 00:54:12 ID:nxJlbLPw
インパ「」

バド「」

リンク「なんとか届いたっ!…すまんゼルダ!俺、勇者としてご神託を受けたんだ!
    インパさんに代わって、封印が解けないよう見張るべきっていうさ!(出鱈目)
    黙ってて本当に申し訳ない!というわけで俺が代わりに過去に残るよ!
    いやあ、運命って残酷だな…でも運命だから仕方がない!」

ゼルダ「リンク!?嘘でしょ!?いやっ、戻ってきてっ!!」

リンク「おいおい、インパさんが1000年独りぼっちでいるのは一応納得できたのに、
    俺が1000年残るのがダメって…そりゃインパさんが可哀想じゃないか!

    大丈夫、俺って勇者だから!肉体面でも精神面でも自信があるよ!
    ゼルダは、ハイラル王国っていう立派な王国を作り上げてくれよな!
    俺も遠くからゼルダのことしっかり見守ってるから!それじゃ、See You!」



時の扉は崩れ去った。

ゼルダ「リンクゥゥゥゥゥゥ!!」ポロポロ

922Mii:2019/02/05(火) 00:57:33 ID:nxJlbLPw
ファイ「お待ち申し上げていました…我が創造主より選ばれし運命のお方…」




リンク「やあ」



ファイ「…………ファイは夢を見ているのでしょうか」

リンク「他の人たちを撒いて、戻ってきたんだっての。
    とりあえず、とっととそのマスターソードから出て、
    こっちネオ・マスターソードの中に入り直せ。承認し直すぞ。
    もとのマスターソードはそのまま戻しておけばバレないバレない。
    どうせ、この歴史も俺が巡回して守るんだからな」

ファイ「……やはり、夢でも見ているようです。
    私などが、マスターに付いていくことを許されるなど…」オロオロ

リンク「あんなに取り乱すファイを見て放っておけるかよ。
    …それに、なんだ。俺も、ファイが傍にいてくれると、嬉しいし」ポリポリ

ファイ「……!!そ、それでは!お供させて頂きます、マイマスター!」パアアァァ


・・・
・・


923Mii:2019/02/05(火) 00:59:37 ID:nxJlbLPw
リンク「……という、波乱万丈の人生があったわけよ!」

ファルコ「くぅーっ!!おいおい、泣けるじゃねぇか!
     そんな暗い過去とドラマチックな展開が待ってるだなんてよぉ!!」グズッ

フォックス『…すまんピット、ちょっと目にゴミが入ったからハンカチを貸してくれ』

ピット「グズッ…う、ん。感動だぁ!でも、安全運転でお願いするね!」



パルテナ「…このSS、主人公誰でしたっけ…
      あれ?ということは、ゼルダ姫って不戦敗ってことですか?
      あらあらまあまあ、お気の毒に」

リンク「不戦敗って何のことだ?」

パルテナ「なんでもありません」

924以下、名無しが深夜にお送りします:2019/02/05(火) 23:17:51 ID:ZgYJq3qc
ゼルダさん負けヒロインになってしまったか…

925以下、名無しが深夜にお送りします:2019/02/07(木) 15:25:21 ID:50AFIns6
結局ゼルダはスマブラ出ないんだろうか?

926以下、名無しが深夜にお送りします:2019/02/10(日) 18:56:07 ID:epnMv.1M
――すこし時間は巻き戻り…。

〜9月6日   スマブラ開幕まで あと7日〜

ピーチ「フンフン、フーン♪」

マリオ「ピーチ、ご機嫌だなー」

ピーチ「そりゃそうよ、まもなくスマブラが開幕するんだもの!
    会場の準備は万全!スケジュールも完璧!宿泊施設の入りも上々!
    キノコ王国のトップとしては申し分のない状況ね!」

マリオ「はは、そうだな。…そういえば、ロゼッタは呼んでいるんだよな?
    まあ、呼ぶにしても参戦させちゃ絶対にまずいだろうけど。
    なんか俺の直感が、不運な事故が重なって参戦させられちゃうんじゃないかと訴えてるんだが」

ピーチ「まあね、流石に私も学習したわ。今から会場入り口に、その対策を施しに行くのよ。
    …ジャジャーン!このゴテゴテとしたメカをしかと見なさい!対策の1つ、『選手認証システム』!」

マリオ「へえ?」

ピーチ「役割は2つ!

    ひとつは、通行人物を認識して、ゲート先の振り分けを行うわ。
    もうひとつは、振り分けの結果、開幕までにスタッフ以外で選手控室に一度でも入室できた者を
    自動かつ不可逆的に選手登録するわ。面倒な手続きが要らないしね。

    ゲートから進んで行き着かない限り、控室に繋がる通路はない。
    そして、ロゼッタは残機申請時の登録情報から『選手除外』リストに指定しておいたから、
    選手控室に紛れ込むことを防止できるって寸法よ!技術班に作らせるの、苦労したんだから!」

927Mii:2019/02/10(日) 19:00:44 ID:epnMv.1M
マリオ「なるほど」

ピーチ「更に、1000以上のFP、あるいはそれに相当するMP/精神力等々の最大値を有しない者も、
    選手として弾くシステムを既に設置しているわ。

    今の所、参戦希望者でこの条件を満たさない者はいないことを確認済。
    一方のロゼッタは、以前に測定機器で見た限り…FP最大値がたしか128だったから全然足りない。
    
    ね?二重の安全策よ」

マリオ「おお、いい感じだな!よし、暇だったし…選手認証システムとやらの取付を手伝うぞ」

ピーチ「ふふ、ありがと」



ピーチ「……うーーーん!設置完了!…よし、起動開始ね!これであとは開幕をノンビリ待つのみ!
    まあ、ちょっとリハーサルはあるけれど。
    …あ、そうだ。とりあえず選手登録をしに、控室に行ってみない?」ノビー

マリオ「そうだな、後でもいいと思ってて忘れたりすると最悪だし。
    毎度のことだが、どんな設備が備わってるのか楽しみだな!快適空間なのか?」

ピーチ「食堂、仮眠室、エンターテインメント、リラクゼーション、なんでもござれよ。
    マリオもきっと気に入ると思うわ…ここよ!」ガラッ

928Mii:2019/02/10(日) 19:04:15 ID:epnMv.1M



ロゼッタ「カーブ!フォーク!スライダー!
     …うーん、流石に卓球のラケットでジャイロは無理ですか…」

チコ「ピピィーッ!ママの得点―!これでセット終了―!」

「ああっ!もう一回、もう一回です!今度は負けません!」

ロゼッタ「うふふ、また勝っちゃいました!…おや、ピーチ姫にマリオではないですか!
     お久しぶりです!」

ピーチ「」

マリオ「」



ロゼッタ「…ああ、その驚いた顔は…ふふふ、私も流石に学習しましたよ。
     今度こそ遅れてなるものかと、石橋を叩いて叩いて叩きまくって、
     8日前…昨日には現地入りしていました!

     時間を持て余して、ちょっと会場に来てみたら、こちらの部屋にたどり着いたのですが。
     非常に快適で、かつ面白いですね!温泉に浸かって、お風呂上りにコーヒー牛乳を飲んで、温泉卓球に勤しむ!

     掲示板に有った嗜み方のレクチャーを最初に見た時ははて?と思いましたが
     実際にやってみると…ここまで気分が爽快になるとは思いもしませんでした!」

ピーチ「」

929Mii:2019/02/10(日) 19:08:15 ID:epnMv.1M
ピーチ「お、遅かった…!?どうして、こんな時に限って…!!
    で、でも、ちょっと待ちなさい!ロゼッタ、FPの制限に引っ掛かるでしょ!
    ちょっと待ってなさいっ!」ダダダダッ

ロゼッタ「…はて?一体、どうしたというのでしょう」

「さあ……?」







測定機器「対象者:ロゼッタ  分析完了!
       基礎体力レベル  Lv. 020
       最大HP        00050
       魔法レベル     Lv. 129
       最大FP        00896     デス」

ピーチ「…………」ゴシゴシ

ピーチ「…………」ジッ

ピーチ「最大HPが10倍、最大FPが7倍になってる……」アゼン

マリオ「なんと」

ロゼッタ「なんと」

930Mii:2019/02/10(日) 19:11:51 ID:epnMv.1M
ピーチ「……いやいや!それでもFPが1000に足りないでしょ?一体どういうこと?
    わたしとしたことが調整ミス…?」

チコ「ねえねえ、ママ、まだー?はやく続きやろうよー!」ピョン

ロゼッタ「あ、えと、あともうちょっと待ってね?」

マリオ「あはは、色とりどりのチコたちだな。応援したいあまり付いてきちゃったのか」





測定機器「最大FP修正、+16! 00912 デス」

ピーチ「……!?」



チコ×8「はやくはやくー!」ピョンピョンピョン

ロゼッタ「よしよし、もうちょっとの辛抱ですからね、うふふ」ナデナデ

測定機器「基本値カラノ最大FP修正、+128! 01024 デス!
      ロゼッタ アンド チィコォー!選手登録モンダイアリマセン!」ドーン

ピーチ「抱き着いてた貴方たちが原因ねぇ!?なんてことをっ!!」

931Mii:2019/02/10(日) 19:18:00 ID:epnMv.1M
マリオ「…ところで、さっきから気になってたんだけど…いい加減に聞いていいか?
    …そこでコソコソ逃げようとしてるアンタ、誰さ?ここにいる時点で、すっごく嫌な予感しかしないんだけど」

「は、はいぃっ!わ、私は……
 ハイラルのゼルダッ!そう、ハイラルのゼルダと申しますっ!!」

マリオ「ほーん、そりゃあ驚いた、金髪じゃなくて黒髪だから気付かなかったよ」

「は、ははは。全く、知己を忘れるだなんて酷いお方ですね!」

マリオ「ははははは」

「ほ、ほほほほほ」

マリオ「…………」

「…………」







マリオ「ゼルダってそういや、ウルトラファイアで火達磨になるのが大好きだったよな。
    久しぶりに燃やしてやるよ、なぁに遠慮は要らん」サッ

ヒルダ「大変失礼いたしましたロウラル王国のヒルダです」ズサァ

932Mii:2019/02/10(日) 19:24:32 ID:epnMv.1M
ヒルダ「うう…ばれてしまいました…。ハイラル王国では大丈夫でしたのに…。
     ゼルダ姫本人に代わって、万が一のときのゼルダ姫の選手登録をするという
     リンクから依頼された大事な大事なミッションが…」

マリオ「……選手登録の代返?なんだ、そりゃ。遅れる用事でもできたのか?」

ヒルダ「…はい。私としても、今でも信じられないのですが…」ハァ

ピーチ「…聞いたことがあるわ。ハイラルの裏世界のロウラル王国の存在を。
    ただでさえ歴史関連でややこしいのに、ますますややこしいわね。
    それで、ロウラルのお姫様が一体どうしてキノコ王国に?詳しく事情を教えてくれる?」

ヒルダ「それが……今、ハイラル王国が大変なことになっていて――」

ピーチ「た、大変なこと……それって?」





ヒルダ「――実は……」

933Mii:2019/02/10(日) 19:29:02 ID:epnMv.1M
――街から遠く離れた森の奥深くで、ハイラルの魔女は代々…
――3つのトライフォースの均衡を見守っていました。
――彼女は、特別な魔法を使って…
――幾多の時空、幾多の人々の過去と未来を垣間見ることができました。

――ある日、魔女は1つの魂に目を留めます。
――まばゆいばかりに輝く、その魂の持ち主は…時代を越えて魔を打ち払い、
――ハイラルを悪しき者から守ってきました。
――人々は、彼を「勇者」と呼びました。

――魔女は、勇者に憧れをいだきます。
――けれども、彼のそばには、いつの時代も、美しい姫の姿がありました。
――姫をうらやむ気持ちが芽生えた彼女に、そっとささやく者がいました。
――それは、かつて勇者が封じられた魂の欠片に僅かに残された、悪しき者の思念でした。

――勇者を手に入れたいならば手を貸そう…そうささやいた悪しき者は、
――魔女が持っていた善の心を外に追い出して、かわりに、魔女の心の半分に居座りました。
――悪しき者の目的は1つ…
――トライフォースの力で復活を果たし、ハイラルを我が物にすること。

――善の心を失った魔女は、悪しき者に操られるまま…
――闇の世界とつながる「転生の扉」を開きました。
――扉から召喚される、様々な時代の魔物達。
――ハイラル王国に、再び災いが訪れようとしていました…………が。





――勇者「リンク」とその従者である剣の精霊「ファイ」によって半日で鎮圧されました。

934Mii:2019/02/10(日) 19:33:11 ID:epnMv.1M
――余裕綽々と、何万もの魔物を倒したリンク達。

――しかし、魔女はその隙をついて辛うじて、城に住む美しい姫に迫りました。
――けれどもやはり、たった1人で姫に打ち勝つことは、容易ではありません。
――せめて動揺を誘えればと、姫の中の眠っていた数々の魂を、全て覚醒させました。
――企みは見事に成功。姫は大いに動揺し、混乱しました。

ゼルダ「…あ、あ、あああああああ!?な、なんなのですか、この記憶はっ!?」ガハッ

魔女「フハハハハハハ!これで、形勢逆転だな!」


――そして、半狂乱になって泣き叫びました。

ゼルダ「……そ、そんな――リ、リンクが、他の女性を、え、ら、んだですって!?
    嫌ああああああああああああああああぁぁぁ!?」ポロポロ

魔女「フハハハハハハ……えっナニソレ初耳なんですけど」


――更には、混乱窮まった所に日頃のストレス解消不足も祟って、ヤンデレになりました。

ゼルダ「……そうよ、リンクったらファイに騙されているのよ。
    精霊と付き合うだなんて、どうかしてるわ、有り得ないわ。
    勇者はお姫様と一緒になるべきなのよ、うふふふふふふふ。
    私が、リンクを助けてあげないと、ふふふふふふふふふふ」ゴゴゴゴゴ

魔女「」

935Mii:2019/02/10(日) 19:42:43 ID:epnMv.1M
ゼルダ「アナタ、協力しなさい。それとも死を選びたいかしら」ゴゴゴゴゴゴ・・・

魔女「喜んで協力させて頂きます」ブルブル

――殲滅を終えてみると、王女ゼルダの姿が見えなくなっていました。
――インパとリンクは戦場を、トゥーンリンクとトゥーンゼルダは城の中を走り回って
――ゼルダを捜しましたが、見つけられませんでした。

――ちょうどその時、ロウラルという王国から、王女ヒルダとその従者が来訪しました。
――本来、両王国の行き来は非常に難しいのですが、ロウラルのトライフォースの力により、
――移動のためのアイテムの確保をついに果たせたのです。

――ハイラルへの大いなる感謝を伝えるために。
――そして、長らく政の経験が不足している自分の研修を兼ねて。
――彼女とその従者は、ハイラルにやってきたのです。

ヒルダ「あの時の恩は忘れません!何か、恩返しがしたいのですが!」

リンク「渡りに船とはこのことだっ!じゃあ、大臣たちに教わりながらゼルダの代わりやってくれ!
    政務にお目見えにスピーチに!ヒルダだけが頼りなんだ!
    大丈夫、『裏ゼルダDLCでしょうか、本日もお美しい!』って感じで納得してもらえるから!」

ヒルダ「」

――ゼルダがどこで何をしているかは分からないが、そのうち戻ってくるだろう…。
――リンクはそう言って、呑気に釣りに出かけてしまいました。

――王女の争乱…世の人々が、そう呼んだ時代のできごと……。

ピーチ「何やってんのよゼルダァー!?」ウガー

936Mii:2019/02/10(日) 19:58:30 ID:epnMv.1M
ヒルダ「おかげで、慣れない作業ばかりでヘトヘトです…
    おまけに、インパさんもトゥーンリンクも…トゥーンゼルダまで、
    魔物の残党狩りに参加するようになってしまい…手伝って頂けないというか…。
    逃げ出したいというのもあって、キノコ王国へ早めの便で着いてしまいました。
    ロゼッタとは昨日お友達となったのです。

    確かにロウラルは直接的な政ができる環境がまだないため、
    急ぎ帰らなければならない、というわけではないのですが…。
    さすがに周囲を心配させてしまうため、役割を終えたならば帰りたいのですが」グッタリ

ロゼッタ「…修羅場に巻き込まれたということですよね?
      リンクという人も、恋心に気付いていないだなんて罪な人ですねえ」ホワホワァ

ピーチ「…………あ、キノ爺?ちょっと確かめてほしいんだけど、至急に」トゥルル

マリオ「えっと、お二人さん。ハイラルのことは一旦置いといて。
    とりあえず、そんな悠長なことを言っていられない状況にあるの、
    わかってほしいんだけどなあ」

ロゼッタ「はて?」クビカシゲ

ヒルダ「なんでしょうか?」クビカシゲ

マリオ「カクカクシカジカ」

ピーチ「…え。キノ爺、やっぱり駄目?もう親元のコンピュータに送られて修正できない?
    そっかー、そうよね…そういうふうにしたのだからね…」

2人「「」」


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