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ロゼッタ「マリオカートに参戦…ですか?」

1Mii:2018/08/04(土) 23:26:40 ID:Mx6gHZLQ
マリオ「隠しキャラ、もとい隠しゲストとして任天堂から依頼が来てる。
    ギャラクシーと連動して、ミステリアスな女性ドライバーとして
    ブレイクしてほしいとのことだが…どうする?」テガミポイー

ロゼッタ「…ふむふむ。
     レースごとに観客の皆さんの投票で参戦するか否かが決まって、
     その時点で少なくない給料が発生。
     上位に入ったり総合成績が良ければ更に追加給金。
     至ってシンプルな給料体系ですね」

マリオ「…………」

102Mii:2018/09/23(日) 20:32:31 ID:0CPBUtO2
ブロロロロ…
ロゼッタ(ようやく走り出せましたが…よく考えると、なぜ、ワリオは初動が遅かったのでしょう?
      …ま、まさか最初から私の行動を読んでいて罠に嵌めるために!?
      だとしたらやっぱり、酷い話です…!こ、今後もマリオやデイジーがいないことを幸いに、
      罠を仕掛けられるのでしょうか…?)ビクビク

ピーチ(…なーんか、迷いがあるっぽいわね。あんまり考えあぐねていると命取りになるわよ、しっかりしなさい!)

103Mii:2018/09/23(日) 20:35:06 ID:0CPBUtO2
ドンキーコング「お、トリプルバナナ。俺のキャラには合ってるが、狭い道がないこのコースだと
          それほど旨みがないな。防御に使うのもいいが…アイテム交換率上げるために、
          ジャンプ台手前にテキトーにばら撒いとくウホ」



トン、トン、トン



ドンキーコング「…あちゃ、バカみたいに一直線に設置しちまった。誰が引っかかるんだよこんなバナナ…
          これならまだ、ジャンプ着地点に仕掛けといた方がよかったぜ…もっと精進せにゃ」ブロロロロ


ロゼッタ「あ、あからさまなバナナがあります。踏むと間違いなく即落下コース、避けなきゃ、絶対に避けなきゃ…!
      ドリフトをうまく利用して…」グググッ


グイイイィィ!

ロゼッタ(逆 ハ ン ド ル!?)



ロゼッタ「きゃあああああ!!」バナナフミー

フィッシングジュゲム(以下ジュゲム)「お、今回のレース初仕事か」

104Mii:2018/09/23(日) 20:39:12 ID:0CPBUtO2
ロゼッタ(…だいぶ、他の人たちと離されてしまいました。連続の加速アイテムに頼るしかありませんね…
      ただ、ピーチ姫にも
      
      『キノコ足場の連続地帯で加速するのは相当のドライビングテクニックがないと自殺行為よ!』
      
      と釘を刺されましたし…それ以外の平坦と言えなくもない地形で、できるだけ使っていくしかなさそうです)



ピロロロロロロ…パン!



ロゼッタ(あ…キラーです!これならば話は別、早速使っていきましょう!)


ゴオオオオオォォォォォ!
ロゼッタ(…なんだか、変な感覚、です。自分ではあまり制御できませんが、
      しっかりとコースに沿って颯爽と前進していく。キラーの殻に包まれていますが、
      周囲の状況が頭で分かる。ああ、星船に近いものがあるかもしれませんね)

105Mii:2018/09/23(日) 20:41:55 ID:0CPBUtO2
キノピオ「うわぁ、キラーが追いかけてきました!ロゼッタさんですね!
      吹っ飛ばされるわけにはいかない…使いますっ!」

ロゼッタ(…前方のキノピオがスターを使用。勢いそのままぶつかりましたが、
      お互い少し弾かれるだけで、キラーとなった私が吹っ飛ばされることはありませんでした。
      よし、きょだいキノコと違って、今度こそは身の安全は保証されていそうですね!

      かなりの距離があったはずですが、12位から11位に上がれました!
      ちっぽけな差かもしれませんが、ここから先はそれほど前との距離はありません!
      ビリにならないよう、少しでも追い抜いておきたいとこr)



キラー「あ、すまん、11位に追い付いた時点で距離有りすぎや。時間切れ」ポンッ



ロゼッタ「――ジャンプ台直前で放り出さないでほしいんですけれどもっ!!
      ば、バランスがっ!?」フラッ

106Mii:2018/09/23(日) 20:43:57 ID:0CPBUtO2
キノピオ「あっ」スター使用中

ロゼッタ(キノピオがスターで近づいてくる!…あ、でもピーチ姫に攻撃を躊躇する
      ジェントルマンなキノピオなら、同じくお姫様の私は見逃してもらえるかm)

キノピオ「そりゃ」

シグナルジュゲム
「キノピオくんの強引なタックル!ロゼッタくん…じゃなかったロゼッタ選手、吹っ飛ばされた―!」

ロゼッタ「なんでですかーっ!?(ギャラクシーでも親切にさせていただきましたよねー!?)」ドッカーン

キノピオ「忠誠を誓ってるのはピーチ姫だけですし。お、都合よく谷底に落ちていきましたね♪」




デイジー「あとでキノピオシメる(観戦中)」パキポキ

マリオ「待て待て俺がやる(観戦中)」ゴゴゴゴ

107Mii:2018/09/23(日) 20:48:25 ID:0CPBUtO2
ジュゲム「大丈夫っすか?」

ロゼッタ「グズッ…満身創痍、です、が。走り切って、見せますよ」ボロッ




そのとき、ロゼッタに、電流走る――!




ロゼッタ「かはっ」ゴボッ

ジュゲム(あ、復帰直後にサンダー落ちた)

ロゼッタ「…これは、ちょっと、ほんかく、てきに、まずい、かも…」ボタボタ

108Mii:2018/09/23(日) 20:50:20 ID:0CPBUtO2
シグナルジュゲム
「おーっと!現在8位で走るルイージ選手、アイテムルーレット停止早々!
やや勇み足でサンダーを使用しましたっ!たまらず他の選手、アイテムをドロップ!
しかし致命傷にはなっていない!平坦なエリアで攻撃を貰ったことで影響を最小限に抑えられたか!
しかしトップ集団でキノコ連続地帯に差し掛かるクッパ選手、ファンキーコング選手、ワリオ選手は流石に…



おおおおっ!?ワリオ選手、なんということだ!
サンダー、あるいはトゲゾーを見越しての作戦か、この順位までスターを温存していたぁ!
やや賭けであったかもしれませんが、今回ばかりは使用タイミングの采配、大成功といったところでしょう!
クッパ選手とファンキーコング選手がモロに大減速するのを尻目に、サンダーの影響を一切スルーし、
単独1位に躍り出たあ!」

ファンキーコング「チックショー、追いつけねえぞ!」

クッパ「くっ、おまけに落下を防ごうと思わずブレーキを掛けてしまうとは…!」

109Mii:2018/09/23(日) 20:53:03 ID:0CPBUtO2
ワリオ「へんっ!驚くのは――まだ早いってもんだぜぇ!」ドンッ!

シグナルジュゲム
「こ、これはー!?ワリオ選手、1位にとって入手確率の低いダッシュキノコを見事獲得、これは僥倖!
キノコ地帯を越えた先のゴール手前で、迂回すべき谷を絶妙な角度から飛び越えるファインプレイ!
このショートカットにより、ラスト1週にして更に大きなアドバンテージ!」

ファンキーコング「調子に…乗ってんじゃ、ねえ!」シュバッ

シグナルジュゲム
「ファンキーコング選手、改めて手にした赤甲羅を、無防備状態となったワリオ選手目指して投げる!」

ワリオ「あらよっと!」ギュン!

シグナルジュゲム
「なんとワリオ選手!赤甲羅の行動をバッチリ読めていたか!
一見すると不可解なドリフトを効かせながら、通り過ぎた、設置されていたバナナを見事盾にしてのけました!
衝突直前に超近距離のバナナの陰に隠れるならともかく、10メートル以上も後方のバナナを
視えないレール上に『仕掛ける』という芸当、これはうまい!

今回だけでなく、ワリオ選手のあるときは優美な、あるときは狡猾なアイテム活用・逆用法は
観客の皆さんもご存知のことでしょう!惜しみない拍手が送られています!」

110Mii:2018/09/23(日) 20:56:14 ID:0CPBUtO2
マリオ「ロゼッタの奴、コンディションが最悪に近くなっているのか…走りがフラフラだな。……こ、これは」

デイジー「ね、ねえ、マリオ。これ、もしかすると…」



1st WARIO 3 / 3 LAP LAST SPART !
12th Rosalina 2 / 3 LAP



デイジー「ロゼッタ、ワリオがゴールする時点で周回遅れにされちゃったりしない!?
      というか、前半エリアでモタモタしてるし、その可能性かなり高いわよ!?
      ワリオ、独走状態だし!ど、どうしよう!?」

マリオ「…ま、まさかぁ。は、ははは」

111Mii:2018/09/23(日) 20:59:09 ID:0CPBUtO2
ワリオ「よしよし、このコースは貰ったも同然だな…お、赤甲羅か。
     1位にしちゃ珍しいアイテムばっか引くな、できればトリプルバナナがいーんだけど。
     だがアイテム交換して防御アイテム掴み損ねたら嫌だし保持しとくか…

     ん?あれ、まさか…ロゼッタ、か?マジかよ、超おっせーな。
     ……うっし、会場を盛り上げるためにも、目標を『周回遅れの選手を作る』にランクアップさせてやるか。


     …そうと決まれば、この甲羅くんの使いどころも、ちと変わってくるってもんだな」グフフ

112Mii:2018/09/23(日) 21:01:36 ID:0CPBUtO2
ロゼッタ(体が、鉛のように重い。そして、意識を失いそうになるくらい、あちこち痛い。
      …しか、し。走り切って、みせますよ。既に、観客には、呆れ笑われているかも、しれませんが。
      レースを途中で棄権して、失望されることだけは、されたくない。
      
      私にも、多少なりとも誇りというものが、きっとある)

ブロロロロ・・・

ロゼッタ(マリオが教えてくれました。
     障害物が排除されているからこそ、私は走って来られたのだと。
     そして、障害物が一たび現れれば、酷く弱みを曝け出すのだと。
     …私に、状況を見て臨機応変にライン取りを選択する技量はまだまだない。
     とにかく今は、気付き次第先手先手で避けておくしかない!)


―ヒュー


ロゼッタ(幸い、断トツの最下位なら後ろは気にしなくていい、だから…)

113Mii:2018/09/23(日) 21:06:04 ID:0CPBUtO2
――ヒュー

ロゼッタ(…え?なんの、音?)クルッ

ロゼッタ(!?)



赤甲羅「ヒュゴオオオォォォ!!」



ロゼッタ「!?…な、なんで?どうして!?」

114Mii:2018/09/23(日) 21:07:33 ID:0CPBUtO2
〜ピーチの解説〜
皆、知ってる?
赤甲羅はね、前方に撃たれてから1秒にもならないくらいのタイムラグを経てから、
ターゲットをロックオンして追尾をし出すの。

1位に肉薄している2位の人が撃ったり、1位の人が撃ったりして
追尾をしようとした頃に前方のレーサーを索敵できなかった赤甲羅はね、
目標を見失って闇雲に走り去ってしまうのよね。

トゲゾーなら1位が撃った場合でも問答無用で引き返してきて自爆するのに。


この時の軌道は、本当に追尾スタイルではなく、コース中央を走るだけ。
1周もしないうちにどこかに消えるといわれているわ。


ただし、その間も当たり判定はしっかりあるから、設置物と互いに相殺し合ったり
――長い旅路を経て下位グループの誰かにとばっちりで当たったり、するのよね。

繰り返すけど、追尾はしないから、コースの端に寄ってしまえば避けられることは
避けられるんだけど…当然、ロゼッタは知る由もなかったのよね。

115Mii:2018/09/23(日) 21:10:33 ID:0CPBUtO2
ロゼッタ(私の順位は、12位。これは間違いありません。赤甲羅が、追いかけてくるはずが、ない。

     げ、幻覚ですか!?なにが、なにや、ら…どうすれば!右、それとも左に!?)


――ドッカーン!!


ロゼッタ「…………っ!」ドサッ

ロゼッタ(……後ろから、誰か…ワリオ!?ああ……そういう、ことです、か。
     間抜けな私にもようやく呑み込めましたよ。どうやったのかは存じませんが、
     追尾しない赤甲羅を面白半分に当てられたのですね。なんて、酷い。


     そして…ワリオから見て、もはや私のカートは目と鼻の先。


     周回遅れに、される?


    それだけは、何としても、避けなければっ!)

116Mii:2018/09/23(日) 21:12:39 ID:0CPBUtO2
シグナルジュゲム
「ロゼッタ選手、流血具合から明らかにコンディションが悪いと思われますが、
なんとか持ちこたえて走り出しております!流石に周回遅れは御免被りたいという気持ちが強いか!
…しかし非情にも、ワリオ選手がどんどん差を詰めております!」


観客「オォイ!もっと真面目に走れよ、新人だからって何でも許されるわけじゃねえぞ!」

観客「そもそもそんなことくらいで怪我してるんじゃないわよ!」

観客「帰れー、帰れ!!」

ロゼッタ「…っ!」グサッ



デイジー「マリオ、止めないで!私、アイツラとちょっと拳で話を付けてくるだけだから!」ジタバタ

マリオ「気持ちは痛いほど分かるが我慢しろ!オーディエンスにとって、いまや怪我なんてしないのが
     常識になっちまってるだけなんだ!それでロゼッタが異常に虚弱だと錯覚しちまってるだけなんだ!
     誰も悪くない!」ガシッ

デイジー「はーなーせー!!」

117Mii:2018/09/23(日) 21:15:19 ID:0CPBUtO2
ワリオ(あーあー、雰囲気まで敵に回した絶望感で、俯いたまま走り出しちまったよ。
    視野広く持っとかねーと、思わぬアクシデントに見舞われるぜ?
   
    ――こんな風に、な!!)

シグナルジュゲム
「ワリオ選手、最後のキノコ地帯でとうとう…ロゼッタ選手を完全に捉えた!
ロゼッタ選手、ジャンプアクションが出せません!ライン取り自体がややふらついていたこともあり、
――とうとう横に並ぶに至ったぁ!

そして、なんと…跳ねて空中にいる間に、そのままカートを激しく接触させました!」

ワリオ「へへっ、重量級同士といえど、ここまで勢いに差がありゃ…」ガツン!



ロゼッタ「きゃああ!!」フラァ

ワリオ「…マジで?当たり負けが甚だしいなオイ」



シグナルジュゲム
「これはロゼッタ選手、どうしようもありません!
重心が安定していなかったところを大きく吹き飛ばされコースアウトだ!
必死の形相のロゼッタ選手、むしろカートから振り落とされないようにするので精一杯といったところか!
そして、ワリオ選手が颯爽とゴールに向かって行く!」

118Mii:2018/09/23(日) 21:17:11 ID:0CPBUtO2
――周回遅れに、されて、しまった。

ベテランと超初心者の差と言ってしまえばそれまでですが、
言いようのない無力感、絶望感に苛まれます。
滲み出てくる涙をゴシゴシと袖で拭い……



ファンキーコング「まだ勝負は、終わって、ねえぜ!!」 ビュン!

シグナルジュゲム
「これは2位のファンキーコング選手、強運!トリプル赤甲羅を確保、
最後の切り札になり得るかー!」

ワリオ「!!」



視界が、警戒が、明らかに疎かになりました。

119Mii:2018/09/23(日) 21:18:54 ID:0CPBUtO2
顔を上げ前を向いた私に、待っていたものは――
距離にして5 cmにも満たないところに広がる、一面の緑。



「えっ」と面食らう暇すらなく、一体何なのか認識することもできず。
全てがスローモーションに感じた後……



何かが砕ける鈍い音、耐えがたい激痛、そして浮遊感。
それらと共に、私は意識を失うことになりました。

120Mii:2018/09/23(日) 21:22:28 ID:0CPBUtO2
シグナルジュゲム
「こ、これはアクシデント!周回遅れとなったロゼッタ選手、
ワリオ選手がウイニングショットで後方に放った強烈な勢いの緑甲羅に顔を打たれたぁ!!
体勢を崩し、カートからも振り落とされてしまいました!無人のカートが、無情にも勢いそのまま去っていく!


…ロゼッタ選手、ど、どうやら意識がありません!
横を他のレーサーが通り過ぎて行っても、ピクリとも動かない!
深刻な状況である模様です!


――えっ。……た、たった今、大会運営から通達がありました!
運営判断で、ロゼッタ選手はコース棄権扱い!直ちにコース外へ搬送し、応急処置を施すとのことです!
救命チームが担架を持って、ロゼッタ選手のもとへ向かいます!
観客の皆さん、ロゼッタ選手はすぐに元気になりますのでご安心ください!」

121Mii:2018/09/23(日) 21:24:50 ID:0CPBUtO2
マリオ「…なにっ!?もう一度言ってみろ!」

運営「で、ですから。まさか、こんな怪我人が出るなんて最近は全く想像してなかったので、
    1UPキノコのストックがないんですよ…」

デイジー「何よ、それ!私たちだって、持ち込み禁止になってるから泣く泣く持ってこなかったのよ!?
      あんたたち、責任取りなさいよ!」

運営「ひええええ」

ピーチ「…ここで言い合っていても仕方ないわ。マリオ、とりあえず会場外から速攻で1UPキノコを持ってきて。
     私たちは私たちで、代案がないか考えてみるから!」

マリオ「よしきた!」ダッ

デイジー「ロゼッタぁ、死んじゃいやだよぉー!ウワーン!」

チコ「うわーん!」

チコ「うわーん!」

チコ「うわーん!」

122Mii:2018/09/23(日) 21:26:24 ID:0CPBUtO2
ピーチ(どうする。どうする、私。おそらく猶予は数分もない……ハッ!)

ピーチ「ねえチコ、貴方たち、観客席で観戦してた時、ロゼッタから魔法の杖預かってたりしてない!?」

チコ「…グズッ、こ、これのこと…?」スッ

チコ「でも駄目だよ、確かにママは回復魔法くらいこの杖で使えるけど、
   相当な高等魔法だし、だいいち杖は使用者を選ぶし…!
   誰かに、代わりに、使ってもらえばいいってものじゃないんだ…!
   だいたい、杖を携帯していいなら、こんな怪我だって負うことなかったのにぃ…」

ピーチ「いいから  貸 し な さ い 」バッ

チコ「!?」

123Mii:2018/09/23(日) 21:28:48 ID:0CPBUtO2
ピーチ「杖無しでも、できるはずなんだけどね。
     使うのは、ほんと、久しぶりだから…補助の魔法具が欲しいのよ」

ピーチ(スゥー…)



ピーチ「『みんなげんきになあれ』!!!」

クッパ「懐かしっ!」



ロゼッタの杖「えー、マスター以外の言うことききたくn」




ピーチ FP:9999 魔法Lv. 85

ロゼッタの杖「喜んで従わさせて頂きますぅ!!」パアアア

124Mii:2018/09/23(日) 21:30:25 ID:0CPBUtO2
FP 9995/9999
ピーチ「よし、問題なく魔法発動!これで…!」




ロゼッタには こうかがないみたいだ…▼




ピーチ「え、そんな…馬鹿な!?」

クッパ「あ、今の状態が戦闘不能だからじゃないか?」

ピーチ「そ、そっか。それなら…

    『おねがいカムバック』!!!」パアアア

ロゼッタ「」ピカーッ

125Mii:2018/09/23(日) 21:31:52 ID:0CPBUtO2
ロゼッタ「――っ!ハァッ、ハァッ!!あ、あれ?私…」

FP 9993/9999
ピーチ「やった、大成功!!苦労した甲斐があったわ!!」

クッパ「…苦労ってなんだろうな」

ピーチ「ロゼッタ、大丈夫?」

ロゼッタ「…そうです。たしか、ワリオに抜かされたと思ったら目の前に緑、甲羅、が…」ガクガクブルブル

126Mii:2018/09/23(日) 21:35:30 ID:0CPBUtO2
〜ピーチ談〜
体力的には回復したロゼッタでしたが、その後に待っていたのは信じられない光景でした。
壊れかけのロボットの如く、のろのろと震えながら顔に手をやり完治していることを理解してからも、

震えは一切止まらず、挙動もろくに定まらず。顔はゾッとするほど青白く。
ペタンと力なく座り込んで――ただ、泣く。ひたすら、泣く。

周りの私たちや、救護班が唖然とするのには一切お構いなしに、子供のように泣きじゃくる。
時に肩を抱えながら、時に顔を手で覆いながら、時に虚ろな目で天井を見つめながら。

あのときの最後の攻撃を食らったことで…辛うじて積み上げてきた意地が、意気込みが、
ポッキリ折れてしまったのでしょうか。

私は、ロゼッタを宥めることに最大限気を配った。
あと1戦、どんなノロノロ走行でもいいから走破してみなさい、と励ました。

127Mii:2018/09/23(日) 21:37:10 ID:0CPBUtO2
――なんて、愚かなことをしたのでしょう。


私が目にしたのは…
コース開始からハンドルを持つ手が震え続け、
あからさまな設置アイテムを避けきれず、

しまいには横を『通り過ぎた』緑甲羅を視界に収めてしまっただけで…
激しい動悸、発作を起こして走行不能となり、
観客の怒号が飛び交う中を救護班の肩を借りて弱々と会場を後にするロゼッタの姿だった。

128Mii:2018/09/23(日) 21:38:38 ID:0CPBUtO2
〜王国病院の一室〜

医師「ふうむ。とりあえず、もう外傷は全く見当たりませんな。……精神的にはかなり参っているようですが。
    何をするにも目が虚ろで、会話はおろか、碌に相槌すら打ってくれません」

デイジー「そう……」

マリオ「…どうする?俺たちが今すぐ見舞ったところで逆効果っぽいぞ?
    今はそっとしといてやろうってのが俺の意見なんだが」

ルイージ「しばらく面会拒絶状態にしてもらうってこと、兄さん?」

マリオ「ああ。ついでに俺たちも大反省会&対策会議、だな。ロゼッタを振り回しすぎた。
    後悔先に立たずではあるんだが」

129Mii:2018/09/23(日) 21:40:40 ID:0CPBUtO2
ピーチ「……一応、幸か不幸か、ロゼッタはしばらく登録抹消ということで話が付いたわ。
     観客にも『やめたいなら止めないよ』的な雰囲気が漂っていたから、
     利害の一致で丸く収まると思う。このまま、完全に選手登録を外す段取りに入るわ」

ルイージ「それはそれで、すごく寂しいなぁ…ピーチ姫はそれで納得してるの?」

ピーチ「…納得してるわけ、ないでしょう!!」バンッ!

マリオ「…だな」コクッ

ルイージ「ご、ごめん」

ピーチ「これ以上無理強いさせてたら、本当に精神を崩壊させてしまうから、仕方ないのよ!
     …でも結局、マリオカート初、途中棄権っていう汚点は嫌でも残る。
     ロゼッタに、取り返しのつかない重荷を背負わせ、ちゃった。
     私が、もっと、しっかり判断していれ、ば」ボロボロ

130Mii:2018/09/23(日) 21:42:37 ID:0CPBUtO2
医師「ま、まあまあ。彼女もそこまで、ヤワじゃないと信じていますよ。まあでも、そうですね。
    今日の所はお引き取り下さい。数日すれば、会話もできるようになるでしょう、きっと」

マリオ「だ、だがな……」

チョイチョイ
マリオ「…ん、どうしたんだピーチ」コソコソ

ピーチ「実はさっき、コッソリ扉の隙間から様子見てきたんだけど。
    
    『帰りたい!帰りたいの!!ほうき星の上にある わたしの家に帰りたいの!』とか
     涙でぐしゃぐしゃになった顔で叫んでたわ……」コソコソ

マリオ(……トラウマ再発しとる、これはヤヴァイ)ダラダラ

マリオ「みんな、撤収!」

ピーチ「…そうね、そうしましょう――」グスン

131Mii:2018/09/23(日) 21:44:37 ID:0CPBUtO2
――無機質な病室で。
――――電灯は付けず、ただあるのはわずかな窓明かり。
――――――そして、とあるインタビュー画面を映し出す、備え付けのテレビが1台。

視点すら覚束ない私の前で、映像は無情にも動き出す。



『いやあ、酷いもんですよ。まさか4コースごとき完走できないだなんて。
もう俺、ロゼッタ選手のファンやめます』

『特訓に特訓を重ねたらしいけれど、どんどんボロが出る感じだったのよねー』

『所詮、ピーチ姫やデイジー姫とは鍛え方がまるで違う、箱入りお嬢様だったんですよ。
ま、来るところを間違えたってことっすね』



ロゼッタ「…………」

――どうして、こうなってしまったのでしょうか。

132Mii:2018/09/23(日) 21:46:40 ID:0CPBUtO2
――私は、本当に、テレビを眺めているのでしょうか。
意識があるようで、思考が、意思が、行方不明。
絶望からの現実逃避?幼児退行?はたまた精神崩壊?

肉体は一応回復…したはずなのですが、今の私の体にはあちこち包帯が巻かれています。


世の中には、幻肢痛という症状があるそうです。
事故などが原因で腕や脚を切断しても、脳が部位を失ったことを追記できていないため、
存在しないはずの部位に痛みを感じるという、対処の難しい症状とのこと。


私の場合、どういうわけか、その逆の兆候が見られるという判断でした。
五体満足のはずなのに、各部位に激しい損傷を受けたことを恐怖と共に脳に焼き付けてしまったため、
処置されていない腕や体を見るだけで猛烈な嫌悪感と不安感に襲われパニックに陥る。


ガタガタ震えていたところに自分で巻くための包帯を持たされると発作が和らいだあたり、
その通りということなのでしょう。これについては、伝言ではありますが、
『1UPキノコ乱用し過ぎも明らかに原因の1つだ、本当にすまない』とマリオから謝罪されました。

133Mii:2018/09/23(日) 21:48:29 ID:0CPBUtO2
ロゼッタ「…………」

――――今後、どうなるのでしょうか。

ロゼッタ「…ふ、もうわかり切ったことでしたね」

ピーチ姫が既に動いてくれているようです。反対する気などありません。
実力も努力も碌にない新参者は用なし、戦場を去るのみです。

そもそも、私などには無理だったのです。
チコたちも大層心配してくれています、私たちの家に帰りましょう。
自業自得の汚名を背負いながらも、分相応の生き方をすればよいのです。

色々と投げやりになりながらも、そんな自分を気にも留めない。
どうして苦しみながら視ていたのだろうと若干苛つきながら、テレビを消す。

134Mii:2018/09/23(日) 21:50:14 ID:0CPBUtO2
ふと横を見ると、お見舞いの品。きっとマリオたちでしょう。
色とりどりのフルーツが入った籠に、少しだけ気が紛れます。
さらに視線を横にスライドさせ…。



ロゼッタ「ああ、これは」

『ソレ』を、乱暴に掴み。

ロゼッタ「汚れてしまいましたし、要りませんね。新調しましょう」



ポイ、と杜撰に投げつける。


――親切に畳んでおいてくれたのでしょうが、
元の蒼い色など見る影もなくなり血で汚れた、私のドレス。



ロゼッタ(ごめん、なさい)



我ながら素晴らしい軌道を描いて――やや大きめのゴミ箱に収まって、

ポスン、と音を立てました。

135Mii:2018/09/23(日) 21:51:46 ID:0CPBUtO2
壁に掛かった時計をみれば、既に日付が変わろうとしています。
一刻も早く元気になって、皆さんに安心してもらわなければ。
そのためには、やはり、十分に寝るに越したことはないでしょう。

簡単に身を整え、ベッドに横たわり、眼を閉じて眠りに入ろうとした、その時。


コンコン。


ロゼッタ(……!?)ビクッ

不気味な、ノック音が響き渡りました。

136Mii:2018/09/23(日) 21:53:30 ID:0CPBUtO2
もちろん、回診に来るような時間でないことは知っています。

マリオたちも、こんな夜中に改めて見舞いに来るわけがありません。

かといって、一般の方が探し当てられる病室というわけでもありません。
ピーチ姫が手を尽くしてくれたらしく、VIP扱いとなっているようですから。


――では一体、誰が?


扉の方を凝視するばかりで、身を隠すどころか、ベッドから起き上がることもままなりません。
金縛りのように体が動かない中、心拍数だけが上がっていきます。

そして。こちらの返答も待たず、ガシャッと扉が乱暴に開けられたとき。
私は、自分の運命を正直呪いました。

面会拒絶の札だなんてなんのその。そこに立っていたのは。



「うおっ、なんでいなんでい!お休み中でも着替え中でもなく、普通に起きてるじゃねえか!
とっとと返事しろよバーカ」


私の精神にトドメを刺した張本人の…ワリオ、だったのです。

137Mii:2018/09/23(日) 21:55:26 ID:0CPBUtO2
なるほど、無礼千万のこの来訪も、ワリオということなら納得ですね。


――みたいなことを考える余裕など、私にはありませんでした。


頭が、胸が、体の節々が、たちまち不調を訴えます。
顔がこの上なく青白くなっていることさえ、自分でわかってしまいます。
距離を取ろうにも、改めてベッドに寝転ぶことしかできません。
それが、何になるのでしょうか?


――何を、されるのでしょうか。
この期に及んで、おぞましい乱暴でも、されるのでしょうか。


結局のところ、力のない私は。
「いっしょう、のおねがい、で、す。…これ以上、私を苦しめないで、ください…!」ボロボロ


震えて目を瞑りながら、全てを天に委ねて泣くことしかできなかったのです。

138Mii:2018/09/23(日) 21:56:29 ID:0CPBUtO2
しかし、それを聞いた彼は我関せずと、私の口に無理やり毒物を放り込み、
更には、あろうことか口を抑え息の根を止めようと…!


















ワリオ「ニンニクだ、食え」ガシッ

ロゼッタ「ぶふぅっ!?」ジタバタ

139Mii:2018/09/23(日) 21:58:22 ID:0CPBUtO2
ロゼッタ「きゅ、急に何するんですか!…って、途轍もなく息が臭いんですけれども!
      もしかして、ニンニクをまるごと1個、生で食べてしまったのですか!?嫌ああ!」

ワリオ「おうおう、元気になっただろ、ガハハハハ!俺が丹精込めて栽培した特級品だからな!」

ロゼッタ「……そういえば、少し体が軽くなったような(別な意味で死に掛けましたが)」

ワリオ「そうだろうそうだろう。マリオの野郎は馬鹿だから、弱ったら1UPキノコさえ使っときゃいい、
     みたいな発想をしてるみたいだが、気力アップにはガツンと刺激的な物を摂取しなきゃな!
     俺なんか、どうにもやる気が出なかったらニンニクに限るっていう生活を長らく続けているぜ!」

ロゼッタ「…でも今の場合って、継続的な摂取による効能およびブラシーボ効果とか関係なく、
      臭いで強制的に覚醒しているだけですよね!?」

ワリオ「……そうというかもしれないし、そうでないかもしれない」

140Mii:2018/09/23(日) 22:01:31 ID:0CPBUtO2
ロゼッタ「……あの。本当に、どうしてこんな時間に、来られたのですか?」

想定しない斜め上の驚きがあると、却って落ち着くとはこのことでしょうか。
すこし恐怖と緊張は解けましたが、この人の意図がよくわかりません。
――恐る恐る、聞いてみました。

ワリオ「いや、緑甲羅に運悪く当たって棄権したっていうんでな。
     流石に人として見舞わなきゃ駄目だろーと判断しただけだ、言わせんな」



――本来ならば。
頬を掻いて逸らし目で佇むワリオに対し、認識を改めて

『ああ、そうだったのですか。わざわざありがとうございます。
夜分の来訪とはいえ、失礼なことをしました』とでも言えばよかったのでしょうか。

しかし、私は聞き捨てならないワードを耳にしたことで、
怯えから一転、怒りが、激昂が沸き起こったのです。




――緑甲羅に、『運悪く』当たった?

141Mii:2018/09/23(日) 22:03:23 ID:0CPBUtO2
ロゼッタ「何が――」

ワリオ「ん?」

ロゼッタ「何が、運悪く当たった、ですかっ!」

一度火が付くと、私の口は止まることを知りませんでした。

ロゼッタ「あのタイミングで、あなたの1位は確定だった!
     
      後ろに緑甲羅を投げつける理由なんて、何もなかった!
  
      偶然ではありません、必然です!

      ワリオ、あなたの嗜虐心のせいで、私は心身共に深い傷を負うことになったのですよっ!
      ピーチ姫やマリオ達がいなければ、今頃本当に命を落としていたかも知れなかった!
      私があなたに、何をしたというのですか!」



ボロボロと再び泣きながら、喚きたてる。

142Mii:2018/09/23(日) 22:04:39 ID:0CPBUtO2
――ところが、ワリオは、というと。大層冷え切った目をしながら。




「…あぁん?そう解釈してんの、お前?だったら、見舞いに来るこたぁなかったかな、おい」

などと、言ってのけるのでした。

143Mii:2018/09/23(日) 22:05:46 ID:0CPBUtO2
ロゼッタ「そういう解釈って……他に、何があるっていうんですか!」


売り言葉に買い言葉。私が更に激しく怒りの言葉を口にすると、
ワリオは少し…10秒ほどでしたか、考え込んだ後…


ワリオ「……おいロゼッタ、今から話す事、二度としゃべらねえからよぉく聞いとけ」

ロゼッタ「……え?」





――改まって、驚くべき言葉を紡ぎ出しました。










ワリオ「俺は…マリオカートが大して上手くない」

144Mii:2018/09/23(日) 22:09:12 ID:0CPBUtO2
ロゼッタ「――はい?優勝候補の一角であるあなたが?何の冗談でしょうか?」

そう睨みつけると、ため息を吐いてワリオは淡々と語り出しました。



ワリオ「新入りのお前には分からんだろうがな。たとえば、マリオは俺の事、どう評価してたよ?
     どうせ何か聞いてるだろ?」

ロゼッタ「…『荒い運転だがのらりくらりとこなす、アイテム使用のエキスパート』との評価でした」

ワリオ「わりかし的を得てるな、くそぅ。…俺は、細かいライン取り計画とか、
    運転制御とかがどうも好きになれなくてな。優勝候補の中では断トツに運転が雑だ」

ロゼッタ「そうなのですか!?」

それは初耳、です。ワリオの様子は酷くバツが悪そうで、嘘を付いているようには思えません。

145Mii:2018/09/23(日) 22:10:59 ID:0CPBUtO2
ワリオ「分かりやすいのが、あくまで1人で走り抜いてタイムを競う、タイムアタック走行だな。
    悔しいことに、重量級ながらマリオに勝てた試しが一度しかない。
    それくらい走りに無駄があるってことだ。唯一勝ってた『ワリオスタジアム』のタイムアタックも、
    ショートカットの影響がデカすぎるってことで二度とコース候補に挙がらない始末」

ロゼッタ「ワリオ、スタジアム?」

ワリオ「おう、マリオカート64で初参戦が決まった時、有り金はたいてすっげぇコースを自分で用意して見せたんだぜ。
    本来のコースはかなり長いが、スタート直後のスーパーショートカットで1周10秒を切れるっていうトンデモなコースだ。

    …ネタがバレて出禁コースになった」

ロゼッタ「」

146Mii:2018/09/23(日) 22:12:58 ID:0CPBUtO2
ワリオ「ま、それはおいといて。前に言った通り、初参戦の頃から難しいコースにも果敢に立ち向かった俺だが、
    まあ戦績は悲惨なもんだった。だが、正しい走りとやらを身に付けようとする気はやっぱりなく、
    それでいて何が何でも勝ちたかった。いい順位をキープしたかった。

    だから俺は――打開勢になることを決心した」

ロゼッタ「だかい、ぜい?」

ワリオ「もともとは『走行テクそっちのけで、アイテム運ばかりに頼って苦境を打開しようとするセコイ奴ら』って
     意味合いだな。評判は悪い方に傾きがちだ。そこで俺は考えた。



     アイテム運すら凌駕するだけのアイテム捌きができれば、あとは走行テクが並程度まであれば、
     優勝争いに食い込める上に観客の受けも決して悪くないだろう…ってな」

ロゼッタ「……!」

147Mii:2018/09/23(日) 22:17:22 ID:0CPBUtO2
ワリオ「他人を叩き落とすってのは、俺のモチベーション的にも相性抜群だったみたいでな。
     どんな周囲状況で誰がどのコースを通りそうか、どんなアイテムを好むか、
     たちまち頭に描けるようになった。

     それに、どの順位でどのアイテムがどのくらいの確率で出るかって情報も、
     試行錯誤の上頭の中に保管済みだ。すげえだろ?」フフン

ロゼッタ「は、はい」アゼン

148Mii:2018/09/23(日) 22:19:13 ID:0CPBUtO2
ワリオ「今回の緑甲羅の場合を分かりやすく説明してやる。

    俺はゴール直前、あと3秒もあればゴールできる。
    一方、位置関係から、2位のファンキーコングが最後のアイテムボックスに
    到達した可能性が高いこともわかる。

    そして、2位の選手は、低確率ながら、トリプル赤甲羅を引くことができる。
    実際、引き当てていたみたいだしな」

ロゼッタ「待ってください。その状況ならば、やはり1位確定ではないですか。
     1発目の赤甲羅すら、届く前にゴールできる。
     おまけに防御アイテム所持状態なら、2発目が来なければ食らわないのでは」

ワリオ「ロゼッタよう、お前、全体を考えろ。下位がサンダー撃ってくるかもしれねぇだろうが。
     サンダーで減速食らいながら防御アイテム手放したところに、
     ファンキーコングがサンダー食らう直前にぶん投げてた赤甲羅が飛んで来たらギリギリ間に合っちまう」

ロゼッタ「…あ」

149Mii:2018/09/23(日) 22:21:29 ID:0CPBUtO2
ワリオ「サンダー、そして間隔を空けて放たれた3つの赤甲羅。あとは、サンダー食らったファンキーコングのリカバリ、運転技能次第。
     これらが噛み合うと、俺の頭の計算では、超低確率ながらも逆転されちまうんだなこれが。
     もっと言うと、サンダー食らった瞬間に手放したアイテムってな。ごくまれに自分に当たり判定持って追加クラッシュしちまうんだよ。

     つまり、『サンダー+赤甲羅2発までなら確実に逆転されない』って確信が持てた段階で…」

ロゼッタ「……手持ちの緑甲羅は僅かながらリスクを孕むので、速やかに自分の意志で捨てておきたい。
      それも、前に投げるのではなく、万が一の赤甲羅を1個相殺できるならそれに越したことはない。

      ――緑甲羅を後ろに投げるのが…『最適解』!?」

ワリオ「おお、よくできましたー」パチパチ

ロゼッタ「そ、そこまで深い読みがあったなんて。……微妙に屁理屈っぽいですが」

ワリオ(ま、レース中に手酷く攻撃してきた奴が後ろを走ってたら、腹いせにワザと当てたりはするけどな。
     観客も喜ぶし。流石に周回遅れの初心者には意図的にやらねーわ)

150Mii:2018/09/23(日) 22:23:46 ID:0CPBUtO2
ロゼッタ「…………」

ワリオ「で、どうするよ、お前」

ロゼッタ「……えっ?」

ワリオ「もうピーチが登録抹消に動いてるんだって?俺も賛成だわ。
    だが、勘違いするなよ。俺の場合、お前の体が心配とかいう話じゃない。
    無難に走ろう無難に走ろうという思いばかりで、
    ちっとも勝利欲がない奴は要らんというだけのことだ」

ロゼッタ「……」

ワリオ「逆に、どんなに下手な奴でも、死に物狂いで上位を目指そうとする奴がいたら俺は応援する。
    …まあ俺を追い抜かそうとしたら痛い目に遭わせるけどな」

ロゼッタ「上位を、目指す…」

151Mii:2018/09/23(日) 22:26:41 ID:0CPBUtO2
ワリオ「そうだな…例えば、俺が2コース目終了時にお前を焚き付けて、
     結果としてキノコキャニオンが選択されたじゃん?
    
     もしあの時、お前が
     
     『どれだけ挑発しようと、そんなこと知りませんよ。私、勝ちたいんで。
      地味で面白みがなかろうと、走り慣れたコースを選択させて頂きますよ』

     みたいなセリフを返していたら、むしろ評価を上げてたぜ」

ロゼッタ「……それは…ワリオらしい、ですね」フフ

ワリオ「さて、と。オレ的にも恥ずかしいし、内緒話はここまでだ。
    おそらく、マリオカートwiiシーズンで戦うことはもうないだろーな。
    そんでもって、オレが下しているお前の評価は最底辺だ。

    お前さんが気概を見せれば、次のシーズンはどうなるか分からんが。
    あんまり失望させてくれるなよー?んじゃ、バーイ」

ガチャッ。 バタン――。

152Mii:2018/09/23(日) 22:27:59 ID:0CPBUtO2
ロゼッタ「…………」

ロゼッタ「……私は、どうすれば」





私は、悩む。いつまでも。
でも…不思議と、窓に映る満月のように、気は晴れやかになっていました。

153Mii:2018/09/23(日) 22:29:15 ID:0CPBUtO2
ピーチ「本当に、大丈夫なのね?」

ロゼッタ「はい。お見送りありがとうございます」


久しぶりに手に取る、魔法の杖。周囲にはたくさんのチコたち。
見送ってくれるのは、ピーチ姫たち。



マリオ「今回は、本当に済まなかった。きっと心の傷はそう簡単には癒えないだろうが…」

ロゼッタ「そうかも、しれません。でも、きっと大丈夫」

そう、きっと。



デイジー「ほんとに、ほんとぉ!?もう少し、入院しておいた方がいいんじゃないの?
      なんだったら、キノコ城で静養するとかでもいいのよ!」

ピーチ姫も頷いてくれますが、そこまで甘えるわけにもまいりません。

ルイージ「誰がなんと言おうと、僕はロゼッタのファンさ!
      悪く言う奴は、僕がチョチョイとぶっ飛ばしてやる!」ブンブン

マリオ「ルイージにできるかなぁ」

ルイージ「酷いよ兄さん!」プンスカ

154Mii:2018/09/23(日) 22:31:31 ID:0CPBUtO2
…と、そこに。

ロゼッタ「ひゃっ!?」

ワリオ「あ、悪い、手が滑った」

ピーチ「アンタは、もーーーーっ!!ちっとも懲りてないみたいね!」



突然現れたワリオ、しでかした行為に怒り心頭のピーチ姫。



ワリオ「ガッハッハ、ロゼッタ喜べ。俺も見送りにきてやったぞ。感謝しろぃ」

ピーチ「マリオ、この不届き物、フォーメーション4-2でぶちのめすわよ」バッ

マリオ「よしきた」バッ

ワリオ「な、なんかヤバめな雰囲気…?」タジッ

155Mii:2018/09/23(日) 22:33:13 ID:0CPBUtO2
ロゼッタ「……あ、すいません。お二人とも、手を降ろして頂けないでしょうか」


――ちょっと、勇気を出してみます。


ピーチ「どうしてよ!?飽き足らず女性のヒップを触るような輩は消えてなくなればいいのよ!
     ロゼッタにトラウマまで植え付けておいて!!」

ロゼッタ「いえ、それには及びません」

ザッ。

ワリオの元に、ゆっくりと歩み寄る。

ワリオ「…なんだよ?」





ロゼッタ「私、絶対に、この戦場に帰ってきますから。
      そのとき、ぜひ勝負していただけますか?



      正々堂々と、『お返し』させていただきますので」

156Mii:2018/09/23(日) 22:35:31 ID:0CPBUtO2
一同(ポカーン)

ワリオ「……ハッハッハ、こりゃあいい!なかなかどうして、面白い奴じゃねぇか!
     いいぜ、その時は相手になってやるよ!」サッ

屈託ない笑みを浮かべ、握手のための手を差し伸べてくるワリオ。
彼も、決して悪人ではないのかもしれません。

ロゼッタ「はい、よろしくおねがい致し…」



グッ……ボキィっ!!!

ワリオ「あ」



ロゼッタ「」ダラダラ

ロゼッタ(うわぁい、手の甲の骨が折れたみたいです)

ロゼッタ「スーパーキノコでいいので1つくださぁい……」グズッ



前途多難ではありますが――頑張っていきたいと、思います。

157Mii:2018/09/23(日) 22:38:16 ID:0CPBUtO2
〜第2章〜




ロゼッタ、記憶喪失になる

158Mii:2018/09/23(日) 22:39:33 ID:0CPBUtO2
???「グハハハ…とうとう、この時がやってきたのだ――。

    さしものワガハイも、待ちわびていたところなのだ――!

    それでは皆の者、豪快で、恐ろしく、かつエレガントな進軍を期待しているぞ!
  
    かかれ!」



「「「「イエッサー!!!」」」」

159Mii:2018/09/23(日) 22:41:09 ID:0CPBUtO2
〜キノコ城〜

――マリオです。
ロゼッタ騒動の件から、やや時は過ぎ。
突然ルイージ、ヨッシーと共に、キノコ城にお呼ばれしました。
ヨッシーを呼ぶということは食べ物関連か?…安直か、流石に。


最奥の部屋に招かれてみれば、ドレス姿のままベッドにうつ伏せに寝転がり、
足をバタバタさせているお姫様が1人。

だらしない、ああだらしない、だらしない。


そして、腕をブンブン振り回しつつ、いきなりこんな爆弾発言をした。


ピーチ「野球大会に出るわよ!」

マリオ「そのセリフは色々とマズクナイ?」

160Mii:2018/09/23(日) 22:42:55 ID:0CPBUtO2
ルイージもヨッシーもポカーンとしてるじゃないか。というか、何故に野球?

ルイージ「どうして野球?」

ピーチ「だって!テニスもゴルフもバスケットボールも、おまけにバレーボールとかもやってきたけど、
     野球だけやってないんだもの!…あ、サッカーもだった!この2種をやらずして、
     スポーツ選手とは呼べないわ!」

ヨッシー「マリパのミニゲームとか」

ピーチ「あんなのノーカン!というわけで、野球場とサッカー場の建設を計画してるんだけど、
     耐久性バツグンのフィールド作成を業者に頼むとお金はともかく完成に何年もかかるのよ!



     というわけで私たちで造っちゃいましょう!」

マリオ「えっ」

ルイージ「ちょっ」

ヨッシー「わぁお」

161Mii:2018/09/23(日) 22:45:50 ID:0CPBUtO2
キノじい「先ほどから話を聞いていれば…姫様、いけませぬ!息抜きにマリオ殿たちと歓談されるくらいならともかく、
      長丁場工事に付きっ切りで公務を放置するなど以ての外でございますぞ!」

ピーチ「ふっふっふ、甘いわよキノじい。私がそんなヘマをすると思う?これを、見なさい!」バサッ

キノじい「…なんと!?」ペラッ ペラッ ペラッ

ピーチ「公務に縛りつかせようと、年単位のスケジュール表を先に渡したのが仇になったわね。

    この通り、数度の接見の場を除けば、向こう半年分のお仕事は処理済みなのよ!
    文句を言われる筋合いはないわ!このために一心不乱で頑張ったんだから!」ムフー

キノじい「それは物事の判断タイミング的に意味がないのでは…いえ、今回はじいの負けですな。
      好きになさってください、はぁ…」ガックリ

162Mii:2018/09/23(日) 22:48:29 ID:0CPBUtO2
マリオ「……まあ時間はあるし、別にいいけど。でも、せっかくなら、
     個人的にはちょっと行きたいところがあったんだがなぁ」

ピーチ「え?」

ルイージ「いやさ、久しぶりにロゼッタの様子を見に行かないかってことで、
      今回はヨッシーも交えて旅行計画練ってたんだけど。
      今日も、ピーチ姫を誘う話を持ち出そうとだね」

ピーチ「そういうことはまず私に話を通しなさいよ!着替えとかの準備してくるわ!」ダッ

マリオ(ズコーッ)

ルイージ「変わり身はやっ!」

ヨッシー「…お腹すいた」グゥゥ

163Mii:2018/09/23(日) 22:50:46 ID:0CPBUtO2
〜ほうき星〜

ロゼッタ(あれから、1年くらいになるでしょうか)

ロゼッタ(惑星との距離をものともしない通信網により、ときどきピーチ姫とのメールのやりとりは行えています。
      ありがたいことです。みなさん、お元気なようで。

      そして、嬉しいニュースが飛び込んできました。
      なんでも、3日後に皆さんが遊びにきてくださるそうで。
      本当に楽しみですね!

      そして、今私は何をしているかというと…)



ロゼッタ「ふんっ……ハァ、ハァ、腕立て伏せ、終わりました!」

ロゼッタ(絶賛、体力増強のため筋トレ中です)

164Mii:2018/09/23(日) 22:52:36 ID:0CPBUtO2
ピーチから勧められるがまま行っていますが、中々大変ですね。
しかし、レーサー復帰のためには努力はしなければなりません!
……いまいち、効果を実感できていないのがちょっと悲しいですが…)

ロゼッタ(それだけではありません。

     かつてワリオは、勝利のために思い切って自分のコースを作ってしまったそうです。
     凄い、ですよね。そこで、ちょっとアイデアをもらうことにしました。

     ほうき星のあちこちにある、広大な氷の地面、複雑な地形。
     これを使って、私だけのコースを作ってみたい、と思い立ったのです。
     とりあえず、『ロゼッタプラネット』という名前にしておきました。

     幸い、魔法の杖さえ使えば、コースを掘ったり整えたりするのはそれほど苦ではありません。何百年と似たようなことはやってきていますからね。



ロゼッタ(簡単すぎず、難しすぎず、そして私の個性が出るコースにできたらいいですね)


まだ外観すらできていませんが、少しずつ、少しずつ形にしていこうと思います。

165Mii:2018/09/23(日) 22:55:17 ID:0CPBUtO2
と、その時。

外にいたチコたちが、なにやら騒いでいます。
気になって、私も外に飛び出してみました。

どこからともなく、いつしか見たような軍艦が、のっそりと上空に現れました。

ロゼッタ「ほ、砲撃されているのですか!?大変です!」

そして。よく見ると、本当に見覚えのある飛行船。



ロゼッタ「……クッパ、シップ?一体どういうことですか!?」

166Mii:2018/09/23(日) 22:57:55 ID:0CPBUtO2
ガッシャーン!!

キノピオ「何事ですか!?」

ルイージ「破壊音、そして地響き!どうせこういうのは、アイツの仕業だよ!」

ヨッシー(出されたクッキー爆食い中)パクパク

クッパ「ガッハッハ、マリオにルイー…じゃなかった、緑のヒゲ!
泣く子も黙るクッパ様が来てやったぞ!」

ルイージ「なんでわざわざ言い直したのさ!」ウガー



ヨッシー「マリオさんのお菓子も食べていいですか?」

マリオ「しょうがないな。そのかわりよく味わって食べろよ?ピーチのことだから、
    場合によっちゃ家ひとつ建つくらいの超高級菓子が混ざってることもあるからな?」

ヨッシー「わーい!」

クッパ「…………」

167Mii:2018/09/23(日) 22:59:34 ID:0CPBUtO2
マリオ「あ、クッパじゃないか。というか、なんか体がデカくないか」

クッパ「(反応が)おそいぞ マリオ!」

マリオ「キノコ城並みの大きさじゃなかっただろ、そりゃ。今度は何をしでかしたんだ?
    きょだいキノコか?カメックパワーか?はたまたスターの杖とかの封印されていた神器アイテムか?」

クッパ「ワガハイもついにスターのパワーを身に付けた!!ガーッハッハッハッハ!」

ピーチ(クッパの左手の上に立ちすくんでいる)

キノピオ「姫様!」

キノじい「これ、クッパ!姫様を放すのじゃ!」

クッパ「ワガハイが素直に返すはずがなかろう!ピーチ姫は頂いていく!」

168Mii:2018/09/23(日) 23:01:58 ID:0CPBUtO2
ピーチ「……………………」

ピーチ「巨大化には巨大化よね」ニヤリ


ムクムクムク…!



クッパ「ピーチ姫にはワガハイのために…っ!?」


ズドーン!!


マリオ「…あ、ペパマリの『巨大スター』」

ドット巨大ピーチ「クッパ、よくもお城を壊してくれたわねー?」

クッパ「ふ、ふん!これでもまだ、ワガハイの方が数倍大きい!
     力負けするワガハイではないわ!」ブンッ




ドット巨大ピーチ「こっちは『無敵補正』あるんだけどー?」キンッ

クッパ「すんませんでした」

169Mii:2018/09/23(日) 23:05:46 ID:0CPBUtO2
ピーチ「まったくもう!なんなのよ、時間が押してるときに!」ガミガミ

クッパ「いや、あの…ピーチ姫攫って、ワガハイのために
     スーパーサイズの誕生日ケーキを焼いてもらおうと…ハイ…」ボロッ

ピーチ「…なんだ、そういうこと。ケーキくらい、言ってくれれば焼いてあげるわよ」

クッパ「マジでか!?」

ピーチ「た・だ・し!人件費はキノコ王国、というか私が全部持つとして、
    材料費や設備費は折半だからね!」

クッパ「お、おう。洗剤ケーキとかいう落ちはないよな!?」

ピーチ「いや、さすがに誕生日ケーキでそこまで性根腐ってないわよ…」

クッパ「いやっほう!それはよかったのだ!」

170Mii:2018/09/23(日) 23:07:24 ID:0CPBUtO2
マリオ「よかったじゃないか、クッパ。でも今後はキノコ城襲うような大ごとにするなよ?」

クッパ「うむ、そうだな。今後は気を付けるとしよう。
    侵略行為がちょいと無駄になってしまったが、致し方あるまい」

マリオ「……侵略行為?」クワッ

クッパ「…あ」

マリオ「詳しく、教えてもらおうか」

クッパ「えー、えーとだな。こんなにスムーズに交渉が終わるとは思っていなかったから、
    人質というか王国質というか、クッパ軍団に適当に侵攻を任せておいたのだ。うむ」

マリオ「……はああああああぁぁぁぁぁぁぁ」

ルイージ「面倒事が増えただけじゃないか…」

ピーチ「よしんばその人質作戦が成功してケーキを私に作らせたとして、
     後で私やマリオ達に制裁食らうだけじゃないの」

クッパ「うぐぅ」

171Mii:2018/09/23(日) 23:09:35 ID:0CPBUtO2
ピーチ「…それで?どこに侵攻したというの?」

クッパ「ぶっちゃけ、ワガハイも把握しとらん。
     『ピーチ姫が慌てる程度には素早く広範囲に動け』とは言ってあったが…
    ちょいと確認してみるのだ」



クッパ「それで、カメック。一体、どこを攻撃したのだ?」

カメック「…申し訳ありません。他の業務に多忙でして、
     ハンマーブロス軍に全権委任しておりまして…
     ちょっとテレパシーで確認取ってみます」ホワンホワン

クッパ「そ、そうか」




カメック「応答せよ、ハンマーブロス軍隊長、ブロタロウ。
     今、どこにいる?状況を伝えよ」

ブロタロウ「それがですねえ…」

172Mii:2018/09/23(日) 23:10:21 ID:0CPBUtO2

・・
・・・
〜作戦決行前〜
ハンマーブロス「おいどうするよ、こんな短期間で暴れ回るのって難しくないか?」

ハンマーブロス「そうだよな、でもクッパ様の誕生日ケーキはぜひ完成してほしいし…」

ブロタロウ「やはり、ターゲットが決まらないよなぁ。相手側に地の利があると、あまりにも侵略しにくい」

ハンマーブロス「…あ!いい事考えた!この際、時間稼ぎさえできればいいんだからさ!
        一度侵攻した所を再侵攻すればいろいろと楽じゃないか?」

ブロタロウ「!!お前、天才だな!よし、じゃあもう一回宇宙侵略してみっか!」

ハンマーブロス「「はーい」」

・・・
・・

ブロタロウ「というわけで、またギャラクシーを荒らしてます」

カメック「…だそうですが」

クッパ「」

173Mii:2018/09/23(日) 23:12:22 ID:0CPBUtO2
〜ほうき星〜

ハンマーブロス「というわけで、またパワースター奪わせて頂きました」シレッ

ロゼッタ「ええっ!?ちょっと、困りますよ!!なんて勝手なことをするのですか!!」

ハンマーブロス「まーまー。あ、そうだ。ロゼッタ姫、こちらにどうぞ」

ロゼッタ「え、え、ええ?何処へ連れて行こうというのですか!!誰か、助けて下さーい!!」

チコ「あわわわわ……大変なことになった、どうしよう…!!」

174Mii:2018/09/23(日) 23:14:11 ID:0CPBUtO2
ロゼッタ「…………?」チョコン

ハンマーブロス「すいませんねー。今回の台本ですと、ロゼッタ姫にはここでマリオ達を出迎えて頂きたいんですよ。
          というわけで、マリオ達がやってくるまでに、ここの居心地をちょいと確かめてもらいたいなぁ、と」

ロゼッタ「はあ…?普通に出迎えてはいけないのですか?」

ハンマーブロス「『全部のパワースターを集めてくれてありがとう』とミッションコンプリートを宣言する支配人の役ですから。
           あ、もちろん、マリオ達に見つからない範囲でならこちらの特製ワープブロックでいつでも帰宅されて構いませんよ」

ロゼッタ(そんなまどろっこしいことをせず、普通に会いたいのですが…時間もすごく勿体ないですし、はぁ…)

175Mii:2018/09/23(日) 23:16:18 ID:0CPBUtO2
ブロタロウ「おーい!コースのスタート地点へのスターリングを設置しに行くぞ、早く持ってこーい!」

ハンマーブロス「すいません隊長、まだ休憩中なんであと5分だけ待ってくださーい!」

ブロタロウ「ならしかたない、しっかり休んどけー!」

ハンマーブロス「ありがとうございます隊長!…ふいぃ」



ロゼッタ「……なんだか、大変そうですね。私も手伝いましょうか?
      非力ですが、魔法なら結構自信があります」

176Mii:2018/09/23(日) 23:18:52 ID:0CPBUtO2
ハンマーブロス「いえいえ、我々のことはお気になさらず。
          ただ、間違っても、準備中のスターリングに触れないでくださいね」

ロゼッタ「スターリング…はて、どこかで見たような」

ハンマーブロス「飛翔物等『甲種』取扱者でないと、触れた瞬間に意思とは関係ナシに一方通行で大きく飛ばされてしまいますからね。
          おまけに今回のスターリングの行き先は…ブルル、考えただけで眩暈がする。本当に、絶対に触っちゃいけませんよ!」クルッ



ロゼッタ「あ、もしかしてこれのことですか?」ヒョイ



ハンマーブロス「」

シュルルルルルル……!!

ロゼッタ「心配なさらずとも、スターリングはチコの化身。これまでも何度か触れたことがありますが、
      星の力が宿った杖を持つ私には影響ありま…」チラッ

ロゼッタ「…あれ?」

177Mii:2018/09/23(日) 23:20:55 ID:0CPBUtO2





〜天文台〜
筋トレの際に机の上に置かれた杖「」ポツーン

178Mii:2018/09/23(日) 23:22:05 ID:0CPBUtO2
ロゼッタ「きゃあああああああああああああ!!!」ドッカーーーーーン!!

ハンマーブロス「うわああああああああああ!?やべえええええええ!」

179Mii:2018/09/23(日) 23:24:35 ID:0CPBUtO2
ロゼッタ「嫌あああああああああああああ!?
どこまで、飛ばされるんですかーーーーーーーーー!!?」


――ケーコク! ケーコク!

ロゼッタ(な、何?何の音?)

――ステージセンタク シタモノニ ツグ!
――キノコオウコクノ データベースニテ ユウコウナ ショウゴウデータ ナシ!
――シッコウシテイルカ ミトウロク!
――『ザンキシンセイ』ガ カクニン デキマセン!

――セイトウナ チョウセンシャデハ ナイモノト ハンダンシマス!
――『ザンキセイド』ガ テキヨウ サレマセンノデ ゴリョウショウ クダサイ!

ロゼッタ(い、一体全体どういうことなのか…ザンキシンセイってなんですか!?…って、
      そう言っているうちに、みるみる地面が近付いてくるっ!?)


ドッシャーン!!!!!

ロゼッタ「」ベチィッ


〜チャンピオンシップギャラクシー〜
マスター オブ ギャラクシー

Wecome to the Galaxy!

180Mii:2018/09/23(日) 23:27:18 ID:0CPBUtO2
ロゼッタ「……ゴホッ、ゴホッ!!……結局こちらでも吐血沙汰ですか…!?」

ロゼッタ「……ゼェ、ゼェ…それで、一体ここは?」






ヒュウウウウウウゥゥゥ……
ロゼッタ「……なに、ここ」





ロゼッタ(狭い、狭すぎる足場。下を覗くと、地面すら確認できない眩暈のする高さ。
      思わず仰け反ってしまいました。

      ……私にも流石にわかります。落ちると…死ぬんだと。杖がなくては、浮遊することもできません。


ロゼッタ「どどどどうやら、難関コースの入口に来てしまったようで、すね。対策をかかか考えなければ。
      …あら?藁が敷かれてありますよ?なんでしょう?」


風吹く浮遊島の上を、足をガクガク震わせながら這って移動してみます。
その先にあったものは。

181Mii:2018/09/23(日) 23:29:39 ID:0CPBUtO2
カンペ「ここにヨッシーを待機させ、舌を使ったアクションで先に進ませるように。
 
    流石の超人マリオもヨッシー無しではこのセクションは死ぬしかないから仕方ない。

    逆にヨッシーがいると楽勝とか言われそうだがなアッハッハ!
                                                ブロタロウ」



ロゼッタ「…………………………………………………………………………………………
      ………………………ヨッシーさん、いないんです、が」ガクガクブルブル

182Mii:2018/09/23(日) 23:34:04 ID:0CPBUtO2
そして、今頃になって、先ほど聞こえた天の声(?)の重要性を察知する。


冷や汗が止まらない。確認したくない。認めてしまいたくない。


勘違いであってくれと願いながら、俯いた状態から、少しずつ、少しずつ、上を見上げる。





なぜ見えるのかは、さっぱりわかりませんが。その数字が、ハッキリと脳裏に焼き付き。


これは嘘の情報ではない、と頭が理解してしまい、私はたちまち放心しました。






Rosalina ×1
LIFE 1 キケン!!!


ロゼッタ(ママ。…本当に、終わってしまったかも、しれません)

183Mii:2018/09/29(土) 19:18:06 ID:qcpS.xR6
〜クッパシップ本艦〜

クッパ「ガハハ、どうだ速いだろう!ワガハイの最新鋭の軍艦ならば、こんなチンケな距離など1日で跨ぐのだ!
    お前らの旅行計画を2日も短縮してやるぞ!特別に乗せてやったことに感謝するのだ!」

ピーチ「はいはい、ありがとうね。でも着いたら真っ先にロゼッタ達に謝って、問題が起きてたら回復に努めるのよ?
     それまではケーキの話もなしだからね。パワースター集め直しは…
     さすがにあなたの誕生日まで間に合わないだろうし、深刻な問題になってない限り猶予してあげるから」

184Mii:2018/09/29(土) 19:19:57 ID:qcpS.xR6
クッパ「なーに、それならば楽勝なのだ!誕生日まで2週間も余裕はある!」

マリオ「それにしてもルイージ、よくビビらず戦艦に乗り込めたな?」

ルイージ「なんだか、躊躇してもクレーンで強制回収される未来が見えたんだもん…」

ヨッシー「ペロッ。この砲台は……っ!食べられる。

     ペロッ。この設備は……っ!食べられないことはないけど、まずい。

     ペロッ。この食事は……っ!青酸カリが入ってるけど、美味!いただきまーす!」

クッパ「待てい、特に最後、いやホントに」

185Mii:2018/09/29(土) 19:23:14 ID:qcpS.xR6
クッパ「…原因が分かったのだ。懐かしのゲドンコ星人の残党が現代に潜んでいて
    無差別テロを仕掛けていたのだ。とりあえず毒キノコの姿焼きの刑に処しておいたのだ」

ルイージ「そ、それって大丈夫なの!?」

クッパ「まあワガハイたちと奴らとでは、もはやレベル差甚だしいし大丈夫だろ。
    だからこその陰湿な作戦なのだろうが…

    まあ酸の沼に落ち慣れているワガハイたちを倒したければ仕込量がまるで足らん。
    せめて青酸カリ99%入りとかにしろ。下痢ぐらいは起こせるぞ」
    
ルイージ「それってただの青酸カリの山盛りだよね」

186Mii:2018/09/29(土) 19:25:30 ID:qcpS.xR6
ピーチ「やることが陰湿ねー(モグ)……ん、確かに美味しい。
     でもレディとしてトイレに篭りたくないから一口ずつに留めておきましょ」

マリオ「残すの勿体ないから(モグ)……ある程度俺たちで食って(モグ)……
    残りはヨッシーに食べてもらおうか」

ヨッシー「やれやれ、しょうがないですねー(パクパクパクパク)」

クッパ「なんかすまんな(パク)」

ピーチ「酸の沼に落ちるきっかけを作った第一人者が今更何を言っているのかしら」ウフ

マリオ「そうだそうだ」アハハ



ヨッシー「一応言っときますけど、私の場合はマリオさん笑ってられませんからね。
     今じゃ気にしてませんけど」パクパク

マリオ「あ、はい、乗り捨てまくってすいません」

187Mii:2018/09/29(土) 19:28:44 ID:qcpS.xR6
〜ほうき星〜

マリオ「…………」

ルイージ「…………」

ヨッシー「…………」

クッパ「…………」

ピーチ「……………………ロゼッタって」








ロゼッタ(スヤァ)








ピーチ「石畳の道の上で寝る趣味でもあるのかしら?」ユサユサ

188Mii:2018/09/29(土) 19:31:15 ID:qcpS.xR6
ロゼッタ「……ん」

ロゼッタ「…んーーー」ノビー

ロゼッタ「…あら?どうして私、こんなところで寝ていたのでしょう?」

マリオ「なんかあったのかな。…おい、大丈夫か?」

ロゼッタ「……?」パチクリ

ロゼッタ「きゃっ!?こ、これは失礼しました!こんなところで寝転んでいるのをお見せするなんて、恥ずかしい!」

ピーチ「寝転ぶというか寝入ってたけどね。どういう神経してるのよ、ロゼッタ」





ロゼッタ「……え?あ、チコたちからお聞きしたんですね、私の名前を。
     知らぬ間に仲良くなってくれたようでなによりです!」

ピーチ「……はい?」

189Mii:2018/09/29(土) 19:33:37 ID:qcpS.xR6
ロゼッタ「既にご存知のようですが、改めまして。

     私、このほうき星にてチコたちと共に暮らしております、ロゼッタと申します。
     宇宙飛行中に運命の巡り合わせで、立ち寄られたということでしょうか?

     恐縮ながら、皆さんを楽しませることができるような大したものはないかもしれませんが、
     ゆっくりしていってくださいね。私たちは歓迎いたします」


マリオ「!?」

ルイージ「!?」

ヨッシー「!?」

ピーチ「!?」

クッパ「あ、なんだか凄いヤバイ予感がする」

190Mii:2018/09/29(土) 19:35:45 ID:qcpS.xR6
ルイージ「えー!!記憶喪失ぅー!?」

ヨッシー「そうとしか、考えられませんよ!」

チコ「うわーん!」

チコ「うわーん、ママに何をしたのー!?」

ルイージ「い、いやいや。チコたちのことは覚えてるみたいだったじゃないか。
      とりあえず、主治医の診断結果を待とうよ、ねっ!」ナデナデ



バタン。



Dr.マリオ「診察終了っと」

ピーチ「…………」

ロゼッタ「……えっと、終わり、ました、けど?」

ルイージ「先生!ロゼッタの具合はどうなんでしょうか!」ガシッ

ヨッシー「先生!治るんでしょうか!」

191Mii:2018/09/29(土) 19:38:01 ID:qcpS.xR6
Dr.マリオ「こらこら、いっぺんに聞くんじゃない。ちゃんと説明するから落ち着け。

     まず、状況から。
     どうやら患者は、前回クッパがギャラクシーを侵攻しパワースターを奪った時以前の…というより、
     俺がロゼッタと初めて対面した時以前の記憶しか持っていないようだ。
     ごく最近住み着くようになった新入りチコのことなんかも忘れているみたいだな。

     ここ数年、あるいは10年くらいの記憶が完全に失われている」

ルイージ「なん…だと…!?」

Dr.マリオ「体調自体は全く問題なさそうだ。問診でも、特に痛みや辛さの発覚はなかった。
      あと、チコたちが言うには、昨日ハンマーブロスに連れ去られてからはロゼッタの姿を全く見なかったそうだ」

ヨッシー「げ、原因は?」

Dr.マリオ「うむ。実は先ほど、そのハンマーブロスたちに事情聴取もしてきた。
 
      その内容、万全な体調。記憶の喪失、そして俺たちが先ほど見た、地面で寝転んだ…いや、まるでどこかから『飛ばされてきた』ような姿。

      


      これらのことを総合すると…思い当たるものが、一つだけある」ビシッ

192Mii:2018/09/29(土) 19:39:31 ID:qcpS.xR6
クッパ「そ、それは!?」

Dr.マリオ「うむ。十中八九、ロゼッタが罹ってしまったものは…





  『ゲームオーバー症候群』だ」




ピーチ「なんて、こと」フラァ

193Mii:2018/09/29(土) 19:40:29 ID:qcpS.xR6
ルイージ「げーむおーばー、しょうこうぐん?ヨッシー、聞いたことある?」

ヨッシー「いえ、全くないです」

Dr.マリオ「そうだな…」ポンッ



マリオ「それを説明するためには、すこし昔話をする必要があるな。
    なにせ…知り得る唯一の患者が、俺自身だからな」


ルイージ「え…!?」

194Mii:2018/09/29(土) 19:42:44 ID:qcpS.xR6
マリオ「今は笑い話にもならない何十年も昔…あの頃の俺は、マリオカート参戦時のロゼッタみたいな状態だった。
    いや、お助け情報もないからそれ以上かもな。

    チビの状態でクリボーやノコノコに体当たりされると命を失うこと、
    奈落の底やマグマに落ちると命を失うこと、
    とにかく身の回りの致死要因に恐れおののいていた。
    正直、ピーチを助けるのを諦めかけた事だってあったさ。

    ダメージを受けると痛い。死ぬときはもっと痛い何かを感じる。
    なんか『自分の命はあと何個ある』ってことを理解できて、
    緑色のキノコを食べると命が増えることを知った時は驚いたうえで大層有難がったもんだ」

ルイージ「…ははは、よくわかるよ」

マリオ「だが、繰り返すが、当時の俺はちょっと運動神経がいい程度の男、それだけだ。
    クッパの仕掛ける罠が多く、激しくなるにつれ、どんどん命は削り取られた。
    …で、あるとき、全部の命がなくなった」

ルイージ「…!!」ゴクリ

195Mii:2018/09/29(土) 19:45:26 ID:qcpS.xR6
マリオ「そうしたら、どうなったと思う?…何故か、自宅前で寝てたんだよ。
    おまけに、クッパがピーチを攫ったこと、助けるために冒険に出た事、一切合財忘れていた。
    ぼけーっとしている俺を発見したキノピオの一人が、

    『こんなところで何をやっているんですか、ピーチ姫を助けに行ってくださいよ!!』と
    
    若干無責任にまくしたてるもんで、しどろもどろになりながらも冒険を再開したが」

クッパ「そう、だったのか…てっきり、難なく突破しているものだと」

マリオ「あはは、あの罠の量で、冗談きついぜクッパさんよ」

196Mii:2018/09/29(土) 19:57:10 ID:qcpS.xR6
マリオ「ただ…なにかがおかしい。そう思った俺は、キノピオを宥めつつ、あることを依頼した。
    
    『常に誰かに自宅前を見張らせて、異常があったら状況を書き留めておいてくれ。
    あと、声を掛けた時の俺の発言も記録に残しておいてくれないか』と。

    俺は、残りの命の数を注視しながら、冒険を続けつつ…
    だいぶ確信が持てたところで、最終実験をした。

    1-1から1-4まで突破した後、自分の意志で帰宅して、キノピオと会話をした。
    その後、今度は1-4であえてマグマに飛び降り続けて自宅に飛ばされてみた。
    ――マジで嫌な思い出だったけどな。
    というか、飛び降りている時点では自宅に飛ばされるトリガーなんてわかってなかったわけだから
    やっぱり博打もいいとこだったよなぁ。

    実は他に原因があって、『仮説を試してみたら本当に死んでマリオさよなら』の
    可能性も捨てきれなかったわけだし。

    自宅に飛ばされたとき…

    俺は――この地点でジャンプした、ダメージを受けた、立ち止まった…みたいな、自分の行動を、まるっきり忘れていた。
    キノピオに渡しておいたコースの注意点が書かれた紙を返してもらったところ、その通りの攻略ができた。
    あのときの衝撃は…忘れられん」

197Mii:2018/09/29(土) 19:59:35 ID:qcpS.xR6
マリオ「今俺たちが生活して、カートに乗って、スポーツで汗を流して、パーティを楽しんで…っていう空間を『現実空間』、
    ひとたび突入してみればワールド構成の冒険が待っている空間を『ステージ空間』と俺は勝手に呼んでる。

    前者の空間で命を失うと、本当に死んで二度と生き返らない。瀕死状態までなら1UPキノコでなんとかなるがな。

    後者の空間は、それよりは挑戦者に優しい。1UPキノコの事前ストックが効くし、
    ストックが切れて『ゲームオーバー』になっても現実空間に飛ばされるだけだ。

    ただ、そのときに少なくない記憶を失う。そのことを、俺はキノコ王国の住民で最初に理解した」

ルイージ「なんだって…!?」

クッパ「そんなことが…」

198Mii:2018/09/29(土) 20:02:19 ID:qcpS.xR6
ルイージ「……ってことは、兄さんは何回かぶんの冒険については、
      今でも一切記憶を持ってないんだ…悲しいなあ…」

マリオ「いや?持ってるぞ?」

ルイージ「え!?」

マリオ「というか、それに関連する今からの話がロゼッタの記憶を戻す特効薬だしな。

    
    …あるステージでゲームオーバーになった場合、
    一定期間の記憶を失って現実空間に飛ばされる。

    …そして、あるステージが原因で失った記憶は
    躓いたステージをクリアすることで完全に元に戻る。

    さっきの場合だと、キノピオに返してもらった攻略のためのメモ書きを利用して
    楽々1-4をクリアし直した瞬間、さきほど1-4でマグマに落ち続けた記憶が
    猛烈な勢いでフラッシュバックしてきたわけだ。さすがに軽く吐いた」

ヨッシー「こ、怖いですねえ…」ブルブル

199Mii:2018/09/29(土) 20:06:13 ID:qcpS.xR6
マリオ「ここまで判明したら、やることはただ一つだ。

    めんどくさいことこの上ないのは承知で、新しいステージを1つクリアするたびに
    傾向と対策を纏めて自宅に持って帰った。ついでに、飛ばされる自宅前にはご丁寧に
    『ゲームオーバーでこういうことが起こってるぞ、部屋の攻略本(自作)見ろや』と看板を立てておいた。

    この虱潰しな攻略法で、たびたびのフラッシュバックに悶え苦しみながらも、
    なんとかピーチ救出にこぎつけた訳だ」

ルイージ「で、でもそれだったら、僕に起こってもよさそうなものだけど…」

マリオ「ルイージは割と自宅待機が多かった。それこそ、今言ったような現象、
    立てられた看板にすら気付いていないほどの引きこもり状態でな。

    いざ冒険に出ても、難しいステージをこなすのは基本俺。
    おまけにマリオワールドで残機大量にくれてやっただろ。
    ここまでしたらさすがにゲームオーバーになる方が難しいっての」

ルイージ「本当にありがとうね、兄さん」グズッ

200Mii:2018/09/29(土) 20:09:15 ID:qcpS.xR6
ピーチ「…そして、『残機』っていう概念をマリオから初めて聞き、重要性をさんざん説かれて対策に乗り出したのは、
     クッパ城で囚われていた私よ」

クッパ「な、なに!?」

ピーチ「今のキノコ王国には、命のストックを管理する銀行みたいなもの…残機バンクが備わっているわ。
     マリオが余らせた残機は、私の魔法を駆使すれば価値を損なわずプールしておけるみたいなの。
     もちろん、余らせた人の提供意思があって初めてできることだけれどね。

     ステージに挑戦したい人は、残機制度を利用すれば、初期残機数がある程度与えられる。
     そのうえ、仮にゲームオーバーになったとしても、その直前にバンクから残機が補填されて、
     記憶の欠落がごくわずかで済む。つまり『本来の意味でのゲームオーバー』には成り得なくなったのよ。

     この素晴らしいシステムがなきゃ、ステージを一般公開して観光地化するなんてこと、絶対にできないわよ」

ルイージ「残機バンクって、残機が湧き出る打ち出の小槌じゃなかったの!?」

マリオ「ピーチと一部キノピオ以外は知らないトップシークレットだったとはいえ、勘違いも甚だしいな。
    俺の苦労あってこそなんだぞ」ポンッ

201Mii:2018/09/29(土) 20:11:27 ID:qcpS.xR6
Dr.マリオ「…で、残機申請の存在すらきっと知らなかったロゼッタは、
      残機バンクの保護から漏れたってことだ。
      失われた記憶の期間が長いのは、おそらくだが年齢に対して
      割合的に効いているからだろうな」←年齢2桁

ルイージ「あ」←年齢2桁

ヨッシー「え」←年齢2桁?

クッパ「ふぁ?」←年齢2桁

ピーチ「女性に年齢の話は禁句よ」←年齢2桁





ロゼッタ「ほとんど会話の意味はわかりませんでしたが、何か納得いきません」←年齢3桁


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