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不良女「イメチェンしてみた」
-
不良女「じゃあな相棒」
不良女(転校初日の朝)
不良女(相棒の金属バットは押し入れに封印した)
不良女(この日を境にアタシは生まれ変わるんだ)
不良女(普通の女子高生として!)
"
"
-
不良女(昔のアタシは今よりほんのちょっとだけやんちゃな女の子だった)
不良女「うおおおおどけどけどけー! 門武乱総長、不良女の名前を知らねえのかー!」
ヤンキー1「不良女っていやあ……まさか!?」
ヤンキー2「『血染めの狂犬』!?」
不良女「てめえ……アタシをその名で呼ぶんじゃねええええ!!」ガスッ
ヤンキー1「ぎゃああああああ!」
ヤンキー2「た、助けてくれー!」
-
不良女(金属バット片手に、気の赴くままに喧嘩を繰り返す日々)
不良女(アタシ率いる不良グループ門武乱は他のグループを潰しては吸収して、潰しては吸収して……いつしか県内有数の一大勢力になっていた)
不良女(そして、アタシは『血染めの狂犬』の通り名で周りの人間から恐れられることになる)
-
不良女(ある日、そんなアタシの生き方を変える重大な出来事が起こった)
不良女(それは……)
「僕は付き合うなら普通の女の子がいいです」
不良女「……は?」
「ご、ごめんなさいっ」タタタッ
不良女「…………」
-
不良女「今まで欲しいものはなんでも手に入れてきたこのアタシが……」
不良女「ふられた……?」
ヒュ〜〜〜
不良女「ぐすっ……」
不良女「うわあああんっ」
不良女(初めての恋で、初めての失恋だった)
"
"
-
不良女(暴力では手に入らないモノ)
不良女(友達とおしゃれなカフェで長話したり、放課後に彼氏と手を繋いでデートしたり……)
不良女(そんな普通の高校生活への憧れは日を追うごとに強くなっていった)
-
一ヶ月後
不良女「アタシは門武乱を抜ける」
舎弟1「ええええっ!」
舎弟2「姉御がいなくなったらだれがグループをまとめるんですか!」
不良女「それは新総長に任せてある。おまえら今日まで世話になったな」
舎弟3「そ、そんな……」
舎弟4「行かないでくださいよ〜」
不良女「じゃあなっ」
舎弟たち「あ、姉御〜〜〜っ!!」
不良女(アタシは激闘の日々を捨てて普通の高校生活を選んだ)
-
不良女(それからのアタシの生活は180度変わった)
不良女(金髪を黒色に染め直して、服もなるべく女の子らしいものを着るようにして、他人に暴力をふるうのもやめて……)
不良女(猛勉強の末、普通レベルの高校に運よく編入することができた)
-
現在
担任「不良女さん、私があなたのクラスの担任よ。よろしくね」
不良女「押忍っ!」
担任「意外。体育会系なんだ〜」
不良女「……あ! じょ、ジョークっすよ! 場を和ませるための!」
担任「緊張してる?」
不良女「ちょっと」
担任「あはは、あなたって面白いわね」
不良女「ははは……」
不良女(ふぃーあぶね〜。うっかりボロを出さないように気をつけないとな)
-
教室
担任「はい、自己紹介して」
不良女「○○高校からきた不良女です。よろしくお願いします」
担任「不良女さんは女友さんの隣に座ってくれる?」
不良女「はい」
不良女(うぅ、緊張した〜……度胸は人一倍あると思ってたんだけどなアタシ)
女友「不良女さんよろしくね」
不良女「う、うん! よろしくね!」
不良女(おお、なんか普通の会話っぽい! うまくやっていけそうだ)
-
体育教師「女子はソフトボールで男子はサッカーな」
女友「うえ〜ソフトボールか〜。あたし運動音痴なのにー」
不良女「あはは」
女友「不良女さんは運動できそうだよね」
不良女「そうでもないよ」
不良女(金属バット……)
女友「大丈夫、不良女さん?」
不良女「え?」
女友「手が震えてるけど……」
不良女「!?」
-
不良女「き、気にしないで。ちょっと禁断症状が……」
女友「きんだ……なんて?」
不良女「あああああそうっ! 禁断少女! 禁断少女って本が面白くてさあ!」
女友「へ、へー」
不良女(あれ……アタシめっちゃ引かれてね? どうすんだよこの空気)
モブ女「不良女さん、次バッターお願いねー」
不良女(ナイスタイミング!)
不良女「じゃあ行ってくるねー」ブンブンブンブンッ
-
不良女「はあ……」
不良女(金属バットを見て手が震えてるなんて……アタシも末期だな)
不良女(いやいやいや! 暴力は二度とふるわないって決めたじゃねえか! これぐらいでへこたれてどうす……)
女友「不良女さーん! 前ー! ボールきてるー!」
不良女「え……うわっ!」ブンッ
-
カキーン
モブ女「ちょっ、どこまで飛んでいくのよ。あ、見えなくなった」
女友「すごいよ不良女さん! ホームランだよ!」
不良女「まぐれだよまぐれ」
女友「野球やってたの?」
不良女「そんなもんかな。バットの扱いには自信あるから」
不良女(これで人ぶん殴ってましたごめんなさい)
モブ女「こんなにうまいなら野球部入ればいいのに」
不良女「あはは」
不良女(お、いい感じにクラスに溶け込めてるっぽい。やったぜ!)
-
キーンコーンカーンコーン
女友「お昼だねー学食行こうよ」
不良女「行く! 行きたい!」キラキラ
<姉御ーー!!
不良女「……げ」
不良女(この声は……まさか)
舎弟たち「お久しぶりです姉御!!」
不良女(おまえらかー!!)
-
女友「えっ? このこわい人たち 、不良女さんの知り合いの人?」
不良女「し、知らない知らない! アタシはなにも知らない!」
舎弟1「おいそこの女ぁ、だれがこわい人たちじゃコラ」
舎弟2「ワイらをナメとんのか? ああ?」
女友「ひっ!」ビクッ
-
ドカバキボコスカッ
舎弟たち「ぎゃあああああ!!」
女友「…………」ポカーン
不良女「女友さん、悪いけど先行っててくれる?」
女友「え……え……?」
不良女「ごめん」
不良女(あーあ……これからどうすっかねー)
-
不良女「てめえら、新しい学校には来るなっつっただろうがああああ!! 脳みそニワトリかコラああああ!!」
舎弟1「すいやせんした姉御!」
舎弟2「でもオレたちにはどうしても姉御のお力が必要で」
不良女「あのなぁ……今のアタシはカタギの人間なんだ。無関係の人間をグループの争い事に巻き込もうとすんじゃねえよ」
不良女「困ったことがあったらリーダーに相談しろ。そのための新総長じゃねえか」
-
舎弟3「…………」
不良女「なにがあったんだよ。話してみな」
舎弟4「そ、それが……」
舎弟1「新総長は誘拐されたんです!」
不良女「なにいっ!? 」
-
不良女「一体どこのどいつがそんなことを!」
舎弟2「オレらが過去に潰していったグループの連中っすよ」
舎弟3「あいつら、表向きはこっちにシッポを振りながら姉御がカタギになった途端に一斉に反旗を翻しやがった!」
舎弟4「やつらこの機会に今までの積もり積もった怨みを晴らすつもりです! このままじゃオレたちの門武乱はおしまいですよ!」
不良女「…………」
不良女(アタシの門武乱が……?)
-
舎弟1「姉御、闘いましょう!」
舎弟2「オレたち門武乱の強さをやつらにもう一度思い知らせてやりましょうよ!」
舎弟3「今ならやつらはまだオレたちの溜まり場にいるはず。今から行けば間に合います、 さあ!」
不良女「…………」
不良女「アタシは行かない」
舎弟4「姉御!」
-
舎弟1「姉御は悔しくないんですか!? オレたちの門武乱のピンチなんですよ!」
不良女「…………」
舎弟1「姉御!」
不良女「言ったはずだ。今のアタシはカタギの人間」
不良女「門武乱を捨てたんだ」
-
舎弟1「見損なったぜ。アンタはそこまで腑抜けになっちまったのかよ」
不良女「…………」
舎弟1「アンタが闘わないならオレたちだけでも闘うぜ」
不良女「馬鹿か? おまえらだけでなにができる。骨の一、二本じゃすまないぞ」
舎弟1「ああ? 知るかよそんなこと」
-
舎弟1「どんなに不利な状況でも仲間を見捨てない。アンタが教えてくれたことだぜ」
舎弟1「オレはアンタのそういうところに惚れたんだがねえ」
不良女「…………」
舎弟1「ここにいても時間の無駄だ。急ぐぞ」
舎弟2「いいのかよ」
舎弟1「構わねえよ」
舎弟3「お、おい待てって」
舎弟4「すいません姉御。オレらはこれで失礼します」
-
不良女「くそっ……馬鹿どもが」
不良女(アタシが間違ってるような言い方しやがって)
不良女(正しいのはアタシだ)
不良女(間違ってない。間違ってないはずなのに)
不良女(なんでこんなに胸が痛むんだろう……)
不良女「…………」
-
敵ボス「だ〜か〜ら〜いいかげんに認めろっつーの。てめえは見捨てられたんだよ」
新総長「こ、断る」
敵ボス「ばーか。お仲間が逃げてく後ろ姿はてめえにも見えただろうが?」
新総長「あいつらは逃げたんじゃねえ。助けを呼びにいっただけだ」
敵ボス「強情だねぇ。だからこそ痛めつけがいがあるっていうもんだ」
敵ボス「まだ。楽しみたいんだ 。簡単に折れるんじゃねえぞ?」
新総長「うっ……」
敵ボス「やれ!」
<ちょっと待ったー!!
-
舎弟1「悪い遅くなったな!」
新総長「おまえら!」
舎弟2「助っ人は呼べなかったけど」
舎弟3「オレらも闘うぜ!」
舎弟4「ちょっと頼りないけどな」
-
敵ボス「ばーか。たった四人でなにができんだよ」
ワラワラワラワラ
敵ボス「おとなしく逃げておけばよかったのにな。こっちにはてめえらの何倍の人数がいると思ってんだ」
敵ボス「『血染めの狂犬』のいない門武乱なんてゴミ屑同然。話にならねえんだよ」
舎弟2「ぐっ、くそっ!」
敵ボス「くくく、覚悟しな。今までの借りをたっぷりと返させてもらうぜ」
-
<ぎゃああああ!
敵ボス「なんだあっ!」
手下「ぼ、ボス大変です! 『狂犬』です! 『血染めの狂犬』がき……」
ゴスッ
手下「たべっ!」ドサッ
敵ボス「ち、『血染めの狂犬』だとおっ!?」
-
不良女「おいおい、随分派手にやってくれてるじゃねえか。アタシも混ぜろよ」
舎弟たち「姉御!!」
新総長「あ、姉御、遅いじゃないっすか。来ないかと思いましたよぉ」
不良女「ばーか。アタシが仲間を見捨てるわけねーだろうが」
不良女「さてと、この雑魚どもをシバき倒してやろうぜ。二度と逆らう気が起きねえようにな!」
不良女「野郎どもいくぞおおおお!!」
舎弟たち「うおおおおおお!!」
-
手下「『血染めの狂犬』だー! 逃げろー!」
敵ボス「逃げるな! 逃げんじゃねえ! てめえらそれでも男か! キン○マついてんのか!」
敵ボス「くそっ、こうなりゃ今残ってるやつらで突っ込め! 数ではまだこっちが有利だぞ!」
ウォーッ
-
不良女「いててて……」
舎弟1「うわ、ひどい顔ですね姉御」
不良女「てめえも人のこと言えねえだろうが。ったく、アタシを頼るのはこれで最後にしてくれよな」
舎弟2「え〜そんなこと寂しいこと言わないでくださいよ〜」
不良女「ま〜超〜〜〜暇だったら面倒みてやらんこともない」
舎弟3「素直じゃないなあ姉御は」
不良女「うるせえ!」
不良女(なにが正しいとか、なにが間違ってるとか馬鹿なアタシにはわからないけど)
不良女(まだもうちょっとだけ迷ってもいいよな?)
-
翌日
コソコソ
不良女(あれだけ大暴れして全身傷だらけだったら噂になるのは当たり前か)
女友「あっ」
不良女「おはよう女友さん」
女友「ひっ!」ビクッ
不良女「…………」
不良女(普通の高校生活送れんのかなあ……無理かもしれないなぁ)
-
みてるよ
-
不良女(ここに転校してきて1週間が過ぎて)
不良女(ついに誰も話しかけてこなくなった。つか、アタシの周りだけ机の距離が二メートルぐらい空いてるし)
不良女「はあ……」
不良女(来週あたりにグループに戻ろうかな……猫かぶるのも疲れてきたしな)
<あの〜
不良女「ん?」
お嬢様「不良女さん、もしよろしかったら私とお昼ご飯ご一緒しませんか?」
不良女「!!」
不良女(マジで!?)
-
不良女「ほ、ほんとにもらっていいの?」
嬢「はい、私一人ではとても食べきれませんので。むしろお願いしたいぐらいなんです」
嬢「……それともお口に合いませんでしたか?」
不良女「ううん、すごくおいしい! こんなお弁当食べたのはじめてだよ!」
嬢「うふふ、不良女さんったら。お世辞がお上手ね」
嬢「金箔もたっぷりふりかけて召し上がってくださいね」
-
不良女(すげえなあ……最近の女子高生。進化してんなあ)
-
不良女「ごちそうさまでした!」
嬢「うふふ、おそまつさまでした」
嬢「ところで不良女さんに折り入ってお願いがあるのですけど……」
不良女「いいよ! アタシにできることならなんでもやるよ」
嬢「私を弟子にしてくださいっ!」
不良女「おい待てやコラ」
-
不良女「ちょっと言ってる意味がわからないんだけど……」
嬢「私ずっとあなたに憧れていたんです。不良女さんのようなかっこいい不良になりたいって」
嬢「ですから、私をあなたの弟子にしてくださいっ」
不良女「断る!」
-
嬢「そんな……なんでもお願いをきいてくれるって言ってたのに……」
不良女「できることとできないことがあるだろうが」
嬢「お願いです! 私あなたの迷惑にはなりませんから」
不良女「現在進行形で迷惑なんだよ」
嬢「こう見えて私戦力になりますよっ」
不良女(その根拠のない自信はどこからわいてくる?)
-
不良女「とにかく無理なものは無理なんだ。わかったか」
嬢「でも……」
不良女「でももすともなし。じゃ、そういうことで!」ダッ
嬢「あ、ちょっと」
嬢「…………」
嬢「……むぅ」ムスッ
-
不良女(普通の子と友達になれると思ったのに……うまくいかないなあ)
舎弟1「姉御、なんか浮かない顔してますけどどうしたんです?」
不良女「ちょっと……な。同じクラスに変なやつがいるんだよ」
舎弟2「変なやつ、ですか?」
不良女「ああ。そいつアタシに弟子入りしたいんだってさ」
舎弟3「お〜いい心がけじゃないですか。オレらの仲間に入れてやりましょうよ」
不良女「…………」
舎弟4「なぜに黙るんです?」
-
ブオーンキキーッ
不良女(黒塗りのベンツ? こんなところになんの用……)
嬢「不良女さーん」ガチャッ
不良女「……あ〜」
舎弟1「知り合いなんすか?」
不良女「さっき言ってた例の変なやつ」
舎弟たち「……あ〜」
不良女「まあ適当に話つけてくるわ」
-
不良女「おっす」
嬢「不良女さん、さっきはごめんなさい!」ペコリ
嬢「あれからいろいろ考えてみて私自分の間違いに気づいたんです」
不良女「そうか、わかってくれたか」
ドサッドサササッ
不良女「」
嬢「他人に頼み事をするのにそれ相応の対価をお支払いしないなんて……私図々しいにも程がありましたね」
不良女「あ、あのなぁ……」
嬢「今用意したのは頭金で、不良女さんのご希望の額をお支払いします」
嬢「不良女さんのためなら都会の一等地に高層マンションだって建ててみせますわ!」キラキラ
不良女(アタシこの子にどんだけ高く買われてるんだろう……)
-
不良女「とにかくな! そういう問題じゃねえんだよ!」
不良女「大体そんな細い腕でなにができる? 今まで喧嘩もろくにしたことがないだろ」
嬢「……むぅ、失礼ですね。不良女さんほどではないですけど私にもそれなりの経験がありますよ」
不良女「口喧嘩じゃないぞ。正真正銘の殴りあいの喧嘩だぞ?」
嬢「はい!」ニコニコ
不良女「嘘だな」
嬢「し、信じてくださいよぉ〜」
-
嬢「聞いてください! 私一人で不良グループを何個も潰したんですよっ」
不良女「はいはいそうですか〜それはよかったですね〜」
嬢「なんで信じてくれないんですかぁ〜!」
不良女「信じたくなるような話をしてくれよ」
嬢「わかりました。長くなりますけどよろしいですか?」
不良女「どうぞ」
嬢「実は私二重人格なんですけど……」
不良女「帰っていい?」
-
不良女「冗談はいいからさ、真面目にやってくれね?」
嬢「私はいつでも真面目ですよ」ニコニコ
不良女(え……マジで言ってる? この子マジで言ってる?)
嬢「私喧嘩になると人格がもう一人の自分に入れ替わるんです」
嬢「それで意識が戻ったら辺り一面が血の海で……」
不良女「帰りまーす」
嬢「わ〜最後まで聞いてくださいよぉ〜!」
-
嬢(行ってしまいました……さすがに一筋縄ではいきませんわね)
嬢(でも……!)ギュッ
嬢(不良女さん、私は絶対に諦めませんからね!)
-
はよ
-
その日から嬢の猛攻が始まった……
嬢「不良女さーん」
不良女「…………」
〜〜〜〜
嬢「私を弟子にー」
不良女「…………」
舎弟たち「…………」
〜〜〜〜
嬢「してくださーい」ピンポーン
不良女(居留守。居留守)
-
嬢「不良女さーん」
不良女「」プルプル
不良女「いい加減にしろゴルア!! ぶっ飛ばすぞコノヤロー!!」
シーーーン
不良女(ぐあ〜〜〜ここ教室だった〜!! アタシの馬鹿〜〜〜!!)
不良女「嬢さん、話があるから屋上まで来てくれるかな?」ニコニコ
嬢「まあ嬉しい! やっと私の思いが通じてくださったのですね!」キラキラ
不良「いいからさっさと来いや」グイッ
女友(カツアゲかな)
モブ女(カツアゲね)
-
不良女「この数日でおまえの真剣さはよく伝わったよ」
嬢「では私は晴れて不良女さんの弟子に……」
不良女「だがそれとこれとは話が別だ! いくら真剣でも使い物にならないやつはアタシのグループに必要ない!」
不良女「というわけで今からちょっとした試験を行う。これに合格したらおまえをアタシの仲間に入れてやる」
不良女「ただし不合格だったら今後アタシに一切関わらないこと。どうだやるか?」
嬢「もちろん受けてたちますわ!」
不良女(まあ合格させる気は微塵もないけどな〜)
-
不良女「まずはそうだなあ……」
不良女「今からアタシにガンを飛ばしてみろ。アタシに目をそらさせたら合格だ」
嬢「はい、やってみます!」
不良女(くくく、馬鹿め。アタシを誰だと思ってる。ガンの飛ばしあいは17831戦無敗だぞ。本気で勝てると思ってるのか?)
嬢「…………」ジーッ
不良女「どうした、そんなんじゃ睨んでるうちに入らないぞ。もっと眉間にシワを寄せるんだ、眉間にシワを」
嬢「うぅ〜〜〜」ギュッ
不良女「……ぐっ!?」サッ
嬢「あっ、今そらした! 今そらしましたよねっ!」
不良女(か、かわいい……)
-
不良女「次は瓦割りだ! 10枚割れたら合格だ!」
嬢「はいっ!」
不良女(くくく、馬鹿め。瓦割り10枚は男でも難しいのに、まして素人の女子高生ならよくて5枚程度)
嬢「いきます」
嬢「とりゃー!」
ペシッ
不良女「…………」
嬢「…………」
不良女(一枚も割れないのかよ!?)
-
嬢「い、痛いです〜」ヒリヒリ
不良女「はあ……しょうがねえなあ。ほら、見せてみろ」
嬢「骨……折れてないですか?」
不良女「ああ馬鹿か? この程度でそんな……」
バキャアッ
不良女「」
嬢「あっ、見てください不良女さん! 瓦が10枚割れてますよ〜!」
不良女(アタシが目をそらした一瞬に一体何が……?)
嬢「私の真剣な思いが瓦に伝わったんですね〜」
不良女「思いだけじゃ瓦は割れないから」
-
不良女「最後の試験だ。金属バットで素振り1000回だ!」
嬢「はいっ!」
不良女(くくく、馬鹿め。野球部の男子でも素振り1000回はキツいのに、まして素人の女子高生ならよくて100回程度)
嬢「不良女さーん」
不良女「ん、どした?」
嬢「バットが持ち上がらないんです〜!」
不良女(そっから!?)
-
不良女「残念だけど試験は不合格だ。約束は守ってくれよな」
嬢「はい、約束どおり私明日から不良女さんに一切関わらないように……グスッ」
不良女「!?」
嬢「関わらないように……ヒック、しますから……」ウルウル
不良女(ぐっ、クソ……涙は反則だろ。そんな潤んだ瞳で見つめられるとアタシ……)
-
不良女「あ〜〜〜……でもアタシは基本超〜〜〜暇だからな〜。話相手ぐらいにはなってやってもいいかもな〜」
嬢「え……よろしいのですか?」
不良女「喧嘩には混ぜてやれないけどな」
嬢「うわ〜ん、不良女さん! 不良女さん!」ギューッ
不良女「おいおい、泣くなよ。制服が濡れちまうだろうが」ナデナデ
不良女(ほんと甘いなあ……)
-
嬢「みなさんのためにお弁当を作ってきたんです。たっぷり召し上がってくださいね」
舎弟たち「うおおおおお!!」
不良女(あれから紆余曲折あって……嬢は門武乱のマネージャーになった)
嬢「なんでも言ってくださいね! 私みなさんのお役に立ちたいんです」
舎弟1「醤油とってくれ」
舎弟3「コンビニで飲み物買ってきてくれ」
舎弟3「あ〜んして食べさせてくれ」
舎弟4「こ、今度の日曜日オレと映画館でデートしませんか!」
嬢「いいですよ♪」
ドゴオッ
舎弟たち「ぎゃああああ!!」
不良女「てめえらなぁ……嬢が優しいからって調子にのるんじゃねえよ」
-
嬢「うふふっ」
不良女「なに笑ってんだよ?」
嬢「楽しいですね不良女さん! とっても楽しいです!」
不良女「……まあ」
不良女(最初に思い描いてた高校生活とは若干違うような気がするけど)
不良女(なんか、こういうのも悪くないかもと思ったりして……)
-
今から◯ヶ月前
ヤンキー1「……は?」
嬢「ですから、私と殴りあい喧嘩をしてほしいのです」
ヤンキー1「…………」
ヤンキー2「…………」
嬢「?」ニコニコ
ヤンキーたち「ぎゃははははは!!」
グイッ
嬢「きゃっ」
ヤンキー1「なにこれ新手の逆ナンなの? マジうけるんですけど」
ヤンキー2「ねえ、喧嘩よりもっと楽しいことしようよ。オレらがいろいろ教えてあげるからさ〜」
-
<その汚い手を放しなさい下朗
ヤンキー1「だ、だれだあっ!」
ヒュッ
ヤンキー1「ぎゃっ!」ドサッ
ヤンキー2「ヤンキー1!」
ヒュッ
ヤンキー2「なに……がっ!?」ドサッ
メイド「…………」
-
嬢「う、う〜ん」パッチリ
ヤンキー1「」
ヤンキー2「」
嬢(ああ……またやってしまいました。私はなんて罪作りな女なのでしょう)
嬢(でもこれで、また一歩理想の不良女さんに近づけた気がしますわ!)キラキラ
〜〜回想おわり〜〜
-
嬢「不良女さん! 不良女さん聞いてください!」ピョンピョンッ
嬢「私昨日ついに……金属バットを3秒持ち上げることができたんですよ〜!」
不良女(そのペースだと1000回振れるようになるまで何年かかるんだろうな……)
不良女「そっか〜えらいな〜嬢は〜」ナデナデ
嬢「えへへ」
不良女(でもそんなのどうでもいいや〜。かわいすぎるだろコンチクショー)
-
不良女「嬢、前々から気になってたことがあるんだが……」
嬢「はい?」
不良女「おまえ誰かにつけられてないか?」
嬢「えっ、私の背中になにかついてますか?」キョロキョロ
不良女「ちがうちがう。誰かに後をつけられてないかってことだよ」
-
嬢「うーん……」
不良女「どうだ?」
嬢「黒い服を着た男の人が道に倒れてるのは何度も見かけたことがあるのですけど……」
不良女(なにそれこわい)
嬢「あ! 同じ学校の男の子が倒れてるのも見たことがあります!」
不良女(それ事件じゃね? 完璧になにかの事件じゃね?)
-
不良女「とにかく気をつけろよ。近頃は物騒だ。なにが起こるかわかったもんじゃない」
不良女「アタシの側からなるべく離れるんじゃねえぞ」
嬢「不良女さん……私を心配してくださるのですか?」
不良女「は、はあ!? 別に心配なんかしてねえよ!おまえはトロくさいし危なっかしくて見てられねえだけだ!」
嬢「嬉しい! 私一生不良女さんについていきますわ!」ギューッ
不良女「人の話を聞けーっ!」
メイド「…………」ギリッ
-
嬢『ごめんなさい不良女さん、私今日は家の用事がありますので!』
不良女(一人で帰るのも久しぶりだなぁ。どっか寄り道すっかな〜)
ギラッ
不良女(……殺気!?)
不良女「!!」ガシッ
メイド「ほぅ……私の手刀を受け止めるとはさすがは『狂犬』。血を嗅ぎ付ける嗅覚は特筆すべきものがあると見える」
不良女「ああ? 随分なご挨拶じゃねえか。何者だてめえ」
-
メイド「ご挨拶が遅れました。私はメイド。お嬢様の身の回りのお世話をさせていただいてる者です」
不良女「へ〜メイドね〜。客人に対する礼儀がなってないんじゃねえか? 主人からどういう教育を受けてんだコラ」
メイド「それは問題ありません。なぜならあなたは招かれざる客だからです不良女」
不良女「ああ? てめえから押しかけてきたんだろうがクソメイド」
-
不良女「で、嬢のメイドさんがアタシになんの用だ。まさか本当にアタシを闇討ちでもするつもりだったのか?」
メイド「あれはちょっとした余興です。本来の目的は別にあります」
不良女「本来の目的……?」
メイド「あなたを小馬鹿にして遊ぶことですよ不良女。それが私の唯一のストレス解消法です」
不良女「おいクソメイド仕事しろ」
-
メイド「あなたの目は節穴ですか不良女? これでも私は自分の職務を果たしています」
メイド「屋敷中至るところに仕掛けてある隠しカメラでお嬢様の様子は24時間私の監視下にあります」
不良女「うわあ……クソメイドのうえにストーカーとか手に負えねえな」
メイド「口を慎みなさい不良女。お嬢様の安全をお守りする私に最大限の敬意を払いなさい」
-
不良女「つーことは嬢をずっとつけ回してたのはアンタだったんだな」
メイド「その言い方は心外ですね。すべてはお嬢様のためを思ってのこと」
メイド「あるときは身代金目的にお嬢様の誘拐を企んでいる輩を成敗し……」
メイド「またあるときは下心をもってお嬢様に近づく性欲に取りつかれた汚らわしい狼どもを駆逐し……」
メイド「そしてお嬢様の周りには何者も近寄らなくなりました」
メイド「なにか問題でも?」
不良女「大いにあるわっ!」
-
メイド「私の考え方が間違ってるとでも言うのですか?」
不良女「間違ってるとかじゃなくてさ……人間、ときには社会の荒波にもまれるのも必要だろ」
メイド「あの純粋無垢なお嬢様にそんなたくましい生き方ができるとでも?」
メイド「他人に利用されて心身ともに傷つくだけです。そのことを考えると私は胸が張り裂けそうになる」
〜〜〜〜
悪い大人たち「わっはっはっは」
嬢「不良女さん助けて〜!」
〜〜〜〜
不良女(確かに)
不良女(……って、納得してどうする!)
-
メイド「お嬢様にはこの世界の汚さを知ってほしくない。あの方にはいつまでもきれいなままでいてほしいのです」
不良女(こいつの話にも一理ある。それに嬢のことを心から思ってるのが伝わってくる)
不良女(でも……)
不良女「アンタが苦しいことから守ってやれば、あいつは確かに傷つかないかもしれないけど成長することもないんだぜ」
不良女「嬢が人生を選択する権利を奪ってもいいのか? そんな資格がアタシたちにはあるのか?」
不良女「アンタ……自分の気持ちを嬢に押しつけてないか?」
メイド「知ったような口を。あなたになにがわかるというのです。私は常にお嬢様のことだけを考えて最善の行動をしてきたのですよ」
メイド「…………」
メイド(でも……お嬢様を大切に思うあまり見失っていたことがあるのも確かなのかもしれない)
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メイド「あなたの話もいい退屈しのぎにはなりました。今日のところはおとなしく退きましょう」
不良女「また来るつもりなのかよ」
メイド「ええ、あなたの不快に歪む顔を拝むのが私の幸せであり生き甲斐なのですから」
不良女「二度と来んなクソメイド」
メイド「では」シュタッ
不良女「悪趣味な女だ……」
メイド(不良女……あなたを見ていると自分がいかに醜悪で矮小な存在であるかが痛いほど思い知らされる)
メイド(だからこそ私はあなたのことが憎らしくてたまらないのですよ)
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いいね
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嬢「今度の日曜日楽しみですね舎弟4さん」
舎弟4「日曜日……?」
嬢「ほら、いっしょに映画館に行こうっておっしゃってたじゃないですか」
舎弟4「…………」
嬢「?」ニコニコ
舎弟4「あ、ああーそうだったね! 思い出したよ!」
嬢「うふふ、舎弟4さんは忘れっぽいんですね」
舎弟4「ごめんごめん」
舎弟4(ほ、本気で行く気になってたんだ……)
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嬢「私男性のお友達とお出かけするのはこれが初めてなんです」
舎弟4「そうなんだ」
嬢「ですから、舎弟4さんにはご迷惑をおかけしてしまうかも……」
舎弟4「大丈夫! そこはオレがしっかりリードするからさ。嬢ちゃんは安心していいよ」
嬢「ありがとうございます! 当日楽しみにしてますね!」
舎弟4「任せてよ!」
舎弟4(ヤベ……口からの出任せ言っちゃったよ……)
舎弟4(オレ、一回も女の子とデートしたことないのに……)
メイド「…………」
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舎弟4(やっぱり断るか? でも一度OKしたのに断わったら嬢ちゃんが悲しむよな。でもなぁ……)
舎弟1「おっす舎弟4」
舎弟4「……あ」
舎弟2「おまえ嬢ちゃんとデートするんだって?」
舎弟3「やるじゃん」
舎弟4「聞いてくれっ!」ガシッ
舎弟1「な、なんだよいきなり」
-
舎弟4「おまえらにしかできない相談なんだ! 今までずっと隠してたけど実はオレ……」
舎弟4「童貞なんだっ!」
舎弟1「舎弟4……」
舎弟1・2・3「知ってる」
舎弟4「…………」
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舎弟4「で、デートにどんな服着ていったらいいのかな?」
舎弟1「おいおい、そんなの決まってるじゃねえか」
舎弟1「漢は黙って特攻服だ!」
舎弟4「だよな!」
舎弟2・3「おい」
-
舎弟2「真面目に答えてやれよ」
舎弟1「ああ? オレは至って真面目だ。考えてみろ。だってあの嬢ちゃんだぜ」
〜〜〜〜
舎弟4「ど、どうかなこの特攻服。似合ってるかな?」
嬢「はい! 男らしくてとっても素敵ですわ!」
〜〜〜〜
舎弟2・4「言いそう」
舎弟1「だろ?」
舎弟3「いや、そこは無難な服にしとけよ……」
-
舎弟1・2・3『いつものおまえらしく振る舞えば大丈夫だ!』
舎弟4(それができれば苦労しないって……)
ピンポーン
舎弟4(誰だろ?)
舎弟4「はーい」ガチャッ
メイド「私は怪しいものではありません」
舎弟4(めちゃくちゃ怪しいんですけど……)
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舎弟4「嬢ちゃんのメイドさんがオレになんの用ですか?」
メイド「あなた、今度の日曜日にお嬢様とお出かけになるそうですね」
舎弟4「そうですけど……」
メイド「本来ならばそのような下劣な輩はこの刀の錆にしてしまいたい」スチャッ
舎弟4(……日本刀ッ!?)
-
メイド「……と思っていたのですが」
メイド「あなたはお嬢様の大切なご友人。今回の件は大目に見ることにいたしました」パチン
舎弟4「そ、その刀本物なんですか?」
メイド「あなたの首で試してみますか?」
舎弟4「遠慮しときます……」
メイド「あら、今のは笑うところですよ?」
舎弟4(笑えねーよ……)
-
メイド「舎弟4様、一つ確認しておきたいことがあるのですが……」
舎弟4「なんですか?」
メイド「現時点では絶対にありえない……想像することすらおぞましいことですが」
メイド「万が一、お嬢様が舎弟4様に特別の好意を持たれてお二人が男女の関係になった場合」
メイド「あなたはお嬢様とご結婚され一生添い遂げると約束できますか?」
舎弟4「……え?」
舎弟4(嬢ちゃんとオレが結婚……!?)
メイド「まさか……お嬢様をたぶらかすおつもりで?」スチャッ
舎弟4「ま、まだなんにも言ってないじゃないですかっ!」
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舎弟4「そ、そんな先のことわかんないですよ。オレは嬢ちゃんのことをただの友達としか思ってないし……」
舎弟4「それにオレ、まだ女の子と付き合ったこともないし……」
メイド「…………」
メイド「あなたは運がいい」パチン
メイド「もし愚かにも軽々しく『約束できる』などと答えていたら、今頃は首と胴が離れていたことでしょう」
舎弟4(本物なのか!? その刀はやっぱり本物なのか!?)
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メイド「その言葉、ひとまずは信用しておきましょう」
メイド「お出かけの当日は私の監視の目があります。くれぐれも軽率な行動はなさいませんように」
舎弟4「肝に銘じます……」
メイド「本日のことは他言無用でお願いいたします。もし外部に漏れるようなことがあれば……」スチャッ
舎弟4「わ、わかりました! わかりましたからっ!!」
メイド「では」シュタッ
舎弟4「はあ……」
舎弟4(とんでもないのに目をつけられたなぁ……生きて帰れるのかなオレ……)
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>>1です予定が入ったので次の更新は来週になります
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はよ
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デート当日
舎弟4(昨日はいろんなことを考えて眠れなかったなあ……)
嬢「舎弟4さーん」
舎弟4「あ、嬢ちゃんおはよう」
嬢「おはようございます、本日はよろしくお願いしますねっ」
舎弟4「////」ポケー
舎弟4(うわ〜嬢ちゃんは私服姿もかわいいな〜!)
舎弟4(こんなかわいい子とデートできるって、偶然とはいえ超ラッキーじゃないか?)
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ブーブー
舎弟4(メール……?)
メイド『お嬢様をなめ回すように見るのはおやめなさい。その目を潰されたいのですか?』
舎弟4「!?」
舎弟4(なぜオレのメアドを知ってる!? ってか、どこから監視してる!?)
嬢「舎弟4さん?」
舎弟4「な、なんでもないよ。それじゃ行こうか」
舎弟4(まさかほんとに監視されてるとはなあ……)
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ガヤガヤ
嬢「わ〜人がいっぱいですね〜!」
舎弟4「だね〜。なんの映画観ようか?」
嬢「あれなんか面白そうですよ〜!」
『死霊のうごめき』
舎弟4(ホラー!?)
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舎弟4「……嬢ちゃんはホラー映画が好きなの?」
嬢「はい! スリルがあるのでとっても面白いです!」
舎弟4(そうだ、この子はちょっと変わってるんだった……)
嬢「あ……もしかして舎弟4さんはこういった映画がお好きではありませんでしたか?」
舎弟4「うーんそうだね〜。オレは……」
ブーブー
舎弟4「け、結構好きだよっ!」
嬢「まあ! それはよかったですわ」キラキラ
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舎弟4(オレほんとはホラー映画苦手なんだけどなあ……)
嬢「楽しみですね舎弟4さんっ」ニコニコ
舎弟4(嬢ちゃんが楽しそうにしてるなら……まあいいか)
ブーブー
メイド『どさくさにまぎれて手を繋ごうなどと考えてはいけませんよ?』
舎弟4(しませんってば……)
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まだか
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はよ
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書いてくれ
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