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神様「神様だっ!」 神使「神力ゼロですが・・・」 4社目
655
:
◆8YCWQhLlF2
:2018/12/26(水) 02:32:02 ID:WOS73er2
神様「昔はあんなのゴロゴロあったぞ。 珍しくもないだろ」
神使「神様の言う昔というのはいつのことですか・・・」
神様「ん〜 平安とか?」
神使「それこそ今の時代に残っていたら国宝級じゃないですか」
少女「・・・・・・」チラッ
神様「あのボロっちい建物が気になる?」ニョキ
少女「え!?」
神様「」ジー
少女「い、いえ別に」
神様「ま、早く社務所へ行きましょ」トテトテ
少女「・・・・・・」
656
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2018/12/26(水) 05:56:20 ID:zgdU4R52
奇跡の番外編
乙なのよな
657
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2018/12/26(水) 06:14:43 ID:pjusIRGE
神ちゃん!!
658
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2018/12/26(水) 21:27:57 ID:kpgxjAHA
更新されてる!?
ありがとうございますありがとうございます
659
:
◆8YCWQhLlF2
:2018/12/27(木) 00:23:52 ID:i7pReU3c
─── 社務所
神使「社務所も年代物ですね」
神様「家具も電化製品も古いな」
神使「でも、一部最近の物も見られるようですが」
神様「誰か住んでたんじゃね?」
少女「・・・・・・」
神使「え〜・・・」
神様「あとは勝手にジモピーの老人会とかが会合開いてたとか」
神使「その可能性はありそうですね」
神様「ま、詮索してもしょうが無いし」
神使「そうですね。 電気とガスは事前に開通してもらっていますので最低限の生活は出来ると思います」
660
:
◆8YCWQhLlF2
:2018/12/27(木) 00:24:52 ID:i7pReU3c
神様「寒みーし、温かい物が飲みたい」
神使「では、お茶でも煎れてきますね」
神様「犬ころは掃除! お茶は少女ちゃんが煎れたのが飲みたい」
少女「え? 私ですか?」
神様「良いでしょ〜 少女ちゃ〜ん」スリスリ
少女「わ、分かりましたから離れて下さい」
神様「よろぴこ〜」
少女「はぁ〜・・・」スタスタ
661
:
◆8YCWQhLlF2
:2018/12/27(木) 00:25:25 ID:i7pReU3c
神使「あっ、買ってきたお茶っ葉───」
神様「神ちゃーんキィークッ!」ゲシッ
神使「痛い!」ガクッ
神様「しまっとけ」
神使「え? でもコレがないとお茶が・・・」
神様「いいから!」
神使「?」
662
:
◆8YCWQhLlF2
:2018/12/27(木) 00:26:16 ID:i7pReU3c
─── 数分後
少女「お茶、煎れてきました」スタスタ
神様「わ〜お、飲みたい飲みたい」ピョンピョン
神使「お茶位でそんなに興奮しないで下さい」
少女「どうぞ」コトッ
神使「ども〜」
少女「はい、どうぞ」コトッ
神使「ありがとうございます。 でも、良くお茶っ葉とかお分かりになりましたね」
少女「!?」ピクッ
神様「・・・・・・」ズズズ
少女「台所なんてどこも同じような物です」
神使「確かにそうですね」
663
:
◆8YCWQhLlF2
:2018/12/27(木) 00:27:13 ID:i7pReU3c
神様「さて、んじゃ仕事でもしますか。 神使君、この神社の事前情報を教えて」
神使「錆礼田神社、由緒や主神などの情報は不明です」
神様「これだけデカいのに?」
神使「はい、ただ平安時代の書物に記載があるようで建立はかなり古いと思われます」
神様「ずっと無人か?」
神使「100年ほど前まで巫女さんがおられたようですが」
神様「巫女?」
神使「錆礼田神社は、宮司や神職は置かず代々巫女が管理をしていたようです」
神様「ふ〜ん」チラッ
少女「・・・・・・」
664
:
◆8YCWQhLlF2
:2018/12/27(木) 00:29:37 ID:i7pReU3c
神様「後を継ぐ巫女はいなかったの?」
神使「それが・・・ 変なんです」
神様「あ?」
神使「当時こちらの神社から神宮に管理者変更の書類が届いたらしく、次の巫女の名前も記載されていたようです」
神様「それはどちら様?」
神使「それが、改めて書類を確認したら名前が消えていたそうで」
神様「・・・何言ってんの?」
神使「書類から書かれていた名前が消えたと言いました」
神様「あ〜 誰かがその書類を後から改竄したってこと?」
神使「いえ、改竄根はなかったそうで・・・ 綺麗に名前だけ空欄になっていたと」
神様「・・・・・・。 神使君、あなた疲れてるのよ」
神使「私は神宮から言われたことをお伝えしているだけですので・・・」
神様「それを真に受けるお前もおかしいし」
神使「そう言われましても」ポリポリ
665
:
◆8YCWQhLlF2
:2018/12/27(木) 00:30:33 ID:i7pReU3c
神様「少女ちゃんもこのクソ犬に言ったって! お前はやっぱりダメすぎィーヌだって」
少女「変・・・」
神様「ほら、少女ちゃんも私と同じ真っ当な思考の持ち───」
少女「なんで記憶が・・・」ボソッ
神様・神使「・・・・・・」ジー
少女「あっ! いえ、何でもないです」
神様「少女ちゃん? もしかして・・・」
少女「な、なんでしょうか」
神様「あなたも疲れているのよ」ポンポン
少女「そ、そうみたいですね」
神様「風呂だ! 風呂を沸かすのだ!! 疲れた体には風呂が効く!」
神使「・・・・・・」
666
:
◆8YCWQhLlF2
:2018/12/27(木) 00:31:50 ID:i7pReU3c
─── 30分後
神使「神様、お風呂湧きましたよ」
神様「ん。 バブある?」
神使「はい。 ラベンダーとゆず、森の香りと〜」ゴソゴソ
神様「森の香りって意味分かんないんだけど・・・」
神使「後は“唐辛子”と、オマケでもらった“檜風呂に浮かべた檜玉の香り”ですね」
神様「!?」
神様「季節的に“ゆず”ですかね」
667
:
◆8YCWQhLlF2
:2018/12/27(木) 00:32:29 ID:i7pReU3c
神様「神使君? 最後なんて言ったの?」
神使「? “檜風呂に浮かべた檜玉の香り”ですか?」
神様「何それ! 檜の香りに檜の香り!? ミックスする意味あんの?」
神使「さぁ? コレにします?」
神様「聞くまでもないじゃん!」
神使「それでは───」
神様「ゆずでお願いします」
少女「・・・・・・(唐辛子って何?)」
668
:
◆8YCWQhLlF2
:2018/12/27(木) 00:33:13 ID:i7pReU3c
─── 夜・台所
神様「ふぃ〜 良いお湯でした〜」ホクホク
神様「やっぱ風呂上がり後はカップラだよね〜」ゴソゴソ
神使「神様?」
神様「うわー!」ビクッ
神使「ダメですよ? 寝る前にカップ麺なんて」
神様「んだよ、ビックリしたなぁ〜 ラーメン落とすところだったよ」ホッ
神使「太りますよ?」
神様「うるせー。 文句あるなら普段から私に贅沢な飯を寄こせ」
669
:
◆8YCWQhLlF2
:2018/12/27(木) 00:33:54 ID:i7pReU3c
神使「あの、お聞きしたいことがあるのですが」
神様「なに」
神使「神様は少女さんの事をご存じなんですか?」
神様「あ?」
神使「急にバイトで雇うとか、先ほども少女さんを観察していましたよね?」
神様「」
神使「少女さんは一体・・・」
神様「さぁね、少なくとも私はあの子と会ったのは初めてだ」
神使「そうですか」
670
:
◆8YCWQhLlF2
:2018/12/27(木) 00:35:16 ID:i7pReU3c
神様「ただ、よく似た神を知っている」
神使「神・・・ 似てるというのは?」
神様「遙か昔に、私はある少女を神にした。 そいつによく似ている」
神使「容姿がですか?」
神様「容姿だけじゃない。 雰囲気もどこか似ている」
神使「その神は今もご存命なのですか?」
神様「100年以上前に、神から人に戻した」
神使「え?」
神様「たぶん、生きてはいない」
神使「その神と少女さんに何か関係があるのでしょうか?」
神様「・・・・・・。 アイツはとても不思議なヤツだった・・・ 私でも理解できない位」
神使「分かりました。 お答え頂きありがとうございます」ペコリ
神様「もう良いのか?」
671
:
◆8YCWQhLlF2
:2018/12/27(木) 00:36:07 ID:i7pReU3c
神使「神様もまだ考えている所なんですよね? 今はここまでで十分です」
神様「あっそ。 まぁ私にもよく分からないけど一応忠告だけしておく」
神使「?」
神様「流されるな。 自分を見失うな。 自分の行動を忘れるな」
神使「・・・はい」
神様「私のように完璧であれ。 じゃ」トテトテ
神使「あっ、神様! ラーメン忘れてます! あと、服着て下さい!」
キャー!
神使「少女さんに変なトラウマ植え付けないで下さい・・・」
672
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2018/12/28(金) 06:30:57 ID:D6X/Q6d2
おつ
来てくれてありがとう
673
:
◆8YCWQhLlF2
:2018/12/29(土) 00:14:57 ID:qW8GGYRo
─── 翌朝・社務所前
少女「あの・・・」
神様「うんうん。 よく似合う」
少女「私、こういう格好はあまり・・・」
神使「予備の巫女服なのですがサイズが同じで良かったです」
神様「神社でバイトするんだからその格好じゃなきゃダメ」
少女「そもそも私バイトするとは一言も・・・」
神様「いいから。 少女ちゃんは参道から本殿前までのお掃除お願い」
少女「・・・・・・」
神様「はい、箒」スッ
少女「まぁ、掃除位であれば」
神様「んじゃ、よろぴこ。 神使君は裏庭ヨロ」
神使「分かりました」
神様「それでは! 朝のお掃除スタートゥ」
674
:
◆8YCWQhLlF2
:2018/12/29(土) 00:15:48 ID:qW8GGYRo
─── 本殿
神様「さてと、一度ご神体でも覗いておきますかね」トテトテ
ギー
神様「うむ。 空っぽでござる」
神様「何か金目になる物はねーかな〜」キョロキョロ
神様「木箱・・・ はは〜ん、あれは宝箱じゃまいか?」
神様「♪〜」トテトテ
675
:
◆8YCWQhLlF2
:2018/12/29(土) 00:16:33 ID:qW8GGYRo
神様「どうする神ちゃん。 開けるのか? 開けてしまうのか?」
神様「迷う必要など無い! これで私は大金持ち!!」ウヒャヒャ
パカッ
神様「イヤッホ〜イ! 何も入ってな〜い」
神様「・・・・・・。 まぁそう都合良く宝箱なんてないよね」
神様「・・・・・・」ハァ
神様「さて、他には何もなさそうだし」
676
:
◆8YCWQhLlF2
:2018/12/29(土) 00:17:29 ID:qW8GGYRo
─── 1時間後
神使「神様、裏庭のほう終わりました」スタスタ
神様「ん」ジー
神使「こんな隅っこで何をジーと見ているんですか?」
神様「あれ、どう思う?」
神使「少女さんですか? 綺麗にお掃除されていますね」
神様「やっぱお前の目は節穴だな」
神使「特に変わったところはないように思えますが・・・ 箒の扱いが上手いですね」
神様「あれ、神社での掃除にかなり慣れているぞ」
神使「そうなんですか?」
677
:
◆8YCWQhLlF2
:2018/12/29(土) 00:18:34 ID:qW8GGYRo
神様「ゴミを集める箇所が理想的だ。 わたしもあの場所は賛成だ」
神使「それは・・・ 偶然じゃないですか?」
神様「あと、一度も本殿に向かってゴミを掃いていない」
神使「ゴミを?」
神様「神のいる本殿にに向かってゴミを掃かないのは神社掃除の基本」
神使「巫女のバイト経験でもあるんでしょうか?」
神様「気になるのは、本殿以外にもう一カ所ゴミを掃いていない箇所がある」
神使「どこです?」
神様「あそこ」クイッ
678
:
◆8YCWQhLlF2
:2018/12/29(土) 00:19:20 ID:qW8GGYRo
神使「倉庫? 年代物の古い倉庫ですか?」
神様「あぁ」
神使「まさかあの倉庫も神域・・・」
神様「あの子、この神社で働いていたのは間違いないな」
神使「少女さんがここで? しかし、もう100年近く無人なんですよ?」
神様「・・・・・・」
679
:
◆8YCWQhLlF2
:2018/12/29(土) 00:20:43 ID:qW8GGYRo
─── 昼・社務所
神様「はぁ〜 ちかれた」グテッ
神使「神様何もしてないじゃないですか・・・」
神様「コーラ飲みたい」
神使「ありませんよ」
神様「少女ちゃ〜ん、コーラ飲みたい〜」グイグイ
少女「ちょ、袴を引っ張らないで下さい」
神様「コーラ〜」グイグイ
少女「それ以上引っ張ると脱げちゃ、本当に脱げちゃいますから!」
680
:
◆8YCWQhLlF2
:2018/12/29(土) 00:21:22 ID:qW8GGYRo
神様「うひゃひゃー かわえ〜」ピョーン
少女「ちょ、本当に!!」ズルッ
神様「あっ」
少女「・・・・・・」
神使「ぶばっ!」ゲホゲホ
少女「キャー!!」
神使「み、見てないです。 私は見てないので!」プイッ
少女「・・・・・・」ジトー
神様「あ、いや・・・ その・・・ これは事故で」オロオロ
681
:
◆8YCWQhLlF2
:2018/12/29(土) 00:21:56 ID:qW8GGYRo
少女「分かっています、袴がハダけただけですので大丈夫です。 大声出してすみません///」
神様「うは〜 きゃわゆい〜」キラキラ
少女「からかわないで下さい」
神様「よし! 野球拳しよう! 絶対少女ちゃんを剥いてやる」ハァハァ
少女「!? わ、わたし飲み物買ってきます!」タッタッタッ
神様「・・・・・・」
神使「神様? 可愛いからってそんな事してたら嫌われちゃいますよ?」
神様「勘違いしてんじゃねーよ。 ちょっと調子に乗りすぎたけど・・・ 行くぞ」トテトテ
神使「ちょ、どちらへ?」スタスタ
682
:
◆8YCWQhLlF2
:2018/12/29(土) 00:22:30 ID:qW8GGYRo
─── 倉庫前
神使「ここは・・・ 倉庫ですよね」
神様「さっき、掃除中に本殿を見たけどもぬけの空だった」
神使「本殿にご神体がなかったのですか?」
神様「もぬけの空」
神使「まさか、この中に?」
神様「それを調べるんだよ。 少女ちゃんの反応を見る限り、この中に何かがあるはずだ」
神使「分かりました。 開けます」
683
:
◆8YCWQhLlF2
:2018/12/29(土) 00:23:22 ID:qW8GGYRo
ギー
神様「何もないな」キョロキョロ
神使「結構広いですね」
神様「上の方にも棚があるな。 犬ころ、調べて」
神使「ちょっと私でも手が届きそうにないです」
神様「そうだ。 本殿に丁度良い木箱があったからそれ持ってきて」
神使「木箱ですか?」
神様「それを踏み台にすれば届くかも」
神使「分かりました」タッタッタッ
684
:
◆8YCWQhLlF2
:2018/12/29(土) 00:24:06 ID:qW8GGYRo
─── 数分後
神使「持ってきました。 結構大きいですね」ヨイショ
神様「よし、それ足場にして上の棚調べて」
神使「はい」ゴソゴソ
神様「どう? 何かある?」
神使「特に何もないですね」
神様「ん〜 検討違いか・・・」
神使「そろそろ少女さん戻ってくるんじゃないですか?」
神様「そうだな。 取りあえず出るか」トテトテ
神使「箱は?」
神様「戻すの大変だし、置いておけ」
神使「はい」
685
:
◆8YCWQhLlF2
:2018/12/29(土) 00:24:59 ID:qW8GGYRo
─── 参道
少女(ペプシでも大丈夫かな?)テクテク
はやくー
少女「?」コソッ
神使「ちょ、待って下さいよ」タッタッタッ
神様「少女ちゃんが帰って来ちゃうだろ!」
少女(あの二人、今倉庫から・・・)キッ
686
:
◆8YCWQhLlF2
:2018/12/29(土) 00:26:05 ID:qW8GGYRo
─── 深夜・神様&神使の寝室
神様「zzz」グガー
神使「zzz」スヤスヤ
ギー
少女「」コソッ
神様「zzz」グガー
神使「zzz」スヤスヤ
少女「・・・・・・。 ごめんなさい」ボソッ
ポワポワ
687
:
◆8YCWQhLlF2
:2018/12/30(日) 05:40:17 ID:KjUZmOw2
─── 翌朝・社務所
神様「おふぁよ〜」トテトテ
神使「もうお昼近いですよ?」
神様「お腹すいた。 牡蠣フライ食べたい」
神使「何で寝起きでそんな重い物を・・・ 街まで出たら何か食べましょう」
神様「ん? 出かけるの?」
神使「何言っているんですか、次の場所に行くんですよ?」
神様「あ?」
神使「少し遠いので長旅になりますが」
神様「少女ちゃんは?」キョロキョロ
神使「少女さん? ここには昨日来たときから私と神様だけですが」
神様「・・・・・・」
688
:
◆8YCWQhLlF2
:2018/12/30(日) 05:41:25 ID:KjUZmOw2
─── 参道
神使「良いお天気ですね」テクテク
神様「なぁ」ピタッ
神使「どうしたんです? こんな所で立ち止まって」
神様「あれ」
神使「倉庫ですか?」
神様「あの中、知ってる?」
神使「鍵がかかっていて中には入れなかったじゃないですか・・・」
神様「そう」トテトテ
神使「?」
689
:
◆8YCWQhLlF2
:2018/12/30(日) 05:42:41 ID:KjUZmOw2
─── 電車内
ガタンゴトン
神様「・・・・・・」
神使「どうしたんです? 今日は随分とアンニュイですね」
神様「お前、財布は持ってるか?」
神使「財布ですか?」ゴソゴソ
神様「私に取られて───」
神使「ありますよ?」スッ
神様「・・・・・・」
神使「どうしたんです?」
690
:
◆8YCWQhLlF2
:2018/12/30(日) 05:43:19 ID:KjUZmOw2
神様「今からいくつか質問をする」
神使「質問?」
神様「少女という名に聞き覚えは?」
神使「先ほども仰っていましたね・・・ 私の記憶にはありません」
神様「スネを見せろ」
神使「スネ?」ゴソゴソ
神様「右足だ」
神使「あれ? 青あざが・・・ 」
神様「その青あざはどうして出来た?」
神使「これは・・・」
691
:
◆8YCWQhLlF2
:2018/12/30(日) 05:44:10 ID:KjUZmOw2
神様「流されるな。 自分を見失うな。 自分の行動を忘れるな」
神使「その言葉どこかで・・・」
神様「少女ちゃんのハダけた袴、そそられただろ?」ボソッ
神使「あれ、なんで顔が赤く///」
神様「神使君? コレ何か知ってる?」
神使「それは神様の神力が入ったお守りですよね」
神様「そう。 これを私の右手でギュッと握って」
神使「?」
692
:
◆8YCWQhLlF2
:2018/12/30(日) 05:44:50 ID:KjUZmOw2
神様「よーし、歯を食いしばれー!」
神使「え?」
神様「神ちゃーんスーパーパーンチ」
ドカッ
神使「痛い!」クラクラ
神様「アーンド! 神ちゃんスーパーキーック!」
ゲシッ ゲシッ ゲシッ ゲシッ
神使「痛痛痛痛! ちょ、神様それ以上蹴られるとまた気を失ってっ・・・ !!」ハッ
693
:
◆8YCWQhLlF2
:2018/12/30(日) 05:46:22 ID:KjUZmOw2
神様「少女という名に心当たりは?」
神使「少女さん・・・ 覚えています。 これは一体・・・ 何で忘れて・・・」
神様「間違いないな。 アイツと同じ力だ」
神使「これって・・・ まさか洗脳?」
神様「財布は?」
神使「あれ? 財布がない!?」
神様「・・・・・・」
神使「とにかく次の駅で降りて錆礼田神社に戻りましょう」
神様「いや、一旦神宮へ行く」
神使「神宮?」
神様「確認したいことがある」
694
:
◆8YCWQhLlF2
:2018/12/30(日) 05:47:13 ID:KjUZmOw2
良いお年を!
695
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2018/12/30(日) 14:18:53 ID:K9WTtdPk
続きがめっちゃ気になる
よいお年を!
696
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2018/12/30(日) 18:47:48 ID:r9m6DQjA
神ちゃん良いお年を!
ノロウイルスが流行りだしたから気をつけて!!
697
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2019/01/01(火) 00:20:38 ID:60KBK5SA
あけましておめでとう
良い年になりますように!
698
:
◆8YCWQhLlF2
:2019/01/04(金) 23:11:48 ID:TFg8nSx6
─── 神宮
ハロ〜
A子「あ、神ちゃんだ。 神使さんも」
神様「久しぶり」
神使「ご無沙汰しておりますA子ちゃん。 ちゃんと巫女のお仕事してますか?」
A子「もちろん! でも、お守りの売れた数と金額が合わないんだよね〜」
神様・神使「・・・・・・」
A子「神宮に用事?」
神様「ちょっと資料室で調べ物があって」
A子「ふ〜ん。 誰もいないと思うけど室長呼ぶ? あっ、でもさっき室長に怒られたから会いたくないなぁ」
神様「いや・・・ いない方が好都合だからよばなくてもいいや」
699
:
◆8YCWQhLlF2
:2019/01/04(金) 23:13:19 ID:TFg8nSx6
A子「みんな明日からの旅行準備で忙しいからね」
神様「旅行?」
A子「そう、まぁ形式的には研修旅行だけど」
神様「なにそれ! 私呼ばれてない!」
A子「え〜 神使さん経由でメール送ったよ?」
神様「え?」クルッ
神使「」プイッ
神様「おいクソ犬」
神使「丁度、錆礼田神社に行く日と重なっていたもので・・・」
A子「錆礼田神社?」
神使「はい。 私達、今錆礼田神社におりまして」
700
:
◆8YCWQhLlF2
:2019/01/04(金) 23:14:02 ID:TFg8nSx6
A子「私達が行く所と近いね」
神様「そうなの?」
A子「うん、甘利錆礼手内神社」
神使「大きくて立派な神社ですね」
A子「100人位で行くからねぇ。 広くないと入れないんだよ」
神様「近いなら私も行きたい〜」
A子「近いって言っても車で20分位かかるけど」
神様「仕事片づいたら合流しようよ」
A子「いいよ。 3日後には帰っちゃうからそれまでに連絡してね」
神様「分かった。 あとでメールするね〜」
A子「は〜い」
神使「それでは神様、時間もないですし」
神様「へいへい」
701
:
◆8YCWQhLlF2
:2019/01/04(金) 23:15:24 ID:TFg8nSx6
─── 資料室
神使「相変わらず凄い量の資料ですね」
神様「ここの資料は地域・管理神・年代・神社名の順で整理されている」
神使「さすが資料整理歴が長いだけあってよく知っていますね」
神様「普通は目的の資料を探すのに2日かかるが、私なら半日で探し出せる」ドヤッ
神使「今は神宮資料DBを使えば場所が数秒で分かりますから便利になりましたよね」
神様「は?」
神使「スマホの神宮アプリで“錆礼田神社 変更届”で検索っと」ポチポチ
神様「?」
神使「出ました。 N-45-386の棚です」テクテク
神様「ねぇ、それ何?」トテトテ
702
:
◆8YCWQhLlF2
:2019/01/04(金) 23:16:20 ID:TFg8nSx6
神使「え〜と・・・ あった。 これですね」スッ
神様「・・・・・・」
神使「神様?」
神様「・・・いつから?」
神使「は?」
神様「そんなものいつから実用化されたんだよ!」
神使「たしか10年ほど前から・・・」
神様「私の職人芸が・・・ また一つ消えた」ガクッ
神使「ま、まぁ今はそれよりも資料のチェックを先に」アセアセ
神様「うん」シュン
神使「どうぞ、100年近く前の書類なので丁寧に扱って下さいね」
神様「ん」ペラペラ
703
:
◆8YCWQhLlF2
:2019/01/04(金) 23:18:12 ID:TFg8nSx6
神使「あっ、それです」
神様「錆礼田神社管理者変更届・・・ 早く見つかって良かったね・・・」
神使「・・・・・・。 受付年が1906年ですね」
神様「1895年の当社代表巫女の失踪により新管理者のへの変更を届ける。 か」
神使「123年前に先代の巫女が失踪・・・」
神様「失踪してから届け出まで11年あるな」
神使「でも次の継承者の欄が空白になっていますね」
神様「本当に?」
神使「はい。 前管理者の欄も空白ですよね」
神様「私と神使君は別世界にいるのか?」
神使「どういう意味です? まさか、神様には何か見えるんですか?」
神様「んじゃ、試してみますか」スッ
神使「神様のお守り・・・ 神力を使うんですか?」
神様「私と犬ころだけ知れば良いからほんの少しだけ」
704
:
◆8YCWQhLlF2
:2019/01/04(金) 23:18:46 ID:TFg8nSx6
ポワポワ
神使「文字が!?」
神様「やっぱり」
神使「ど、どいういう仕掛けですか?」
神様「解除したんだよ」
神使「解除?」
神様「限定的だけど。 全てを解除するとどこまで影響するか分からないからな」
神使「ちょっと待って下さい。 この名前って・・・」
神様「さて、錆礼田神社に戻りますか」
705
:
◆8YCWQhLlF2
:2019/01/04(金) 23:19:48 ID:TFg8nSx6
─── 錆礼田神社・倉庫前
少女「・・・・・・」ボー
〜〜〜
幼女「お母さん?」テクテク
母「あら、どうしたの」
幼女「何してるの?」
母「・・・ちょっと昔のことを思い出してたの」
幼女「昔?」
母「お母さんね、昔ここである方に助けられたことがあるの」
幼女「ここで?」
母「そう。 あの時声をかけてもらえなかったらお母さん・・・」
幼女「そんな大事な場所なら大切にしないとね! 私、ここをずっと大切にするね」
母「ありがと」ニコッ
〜〜〜
706
:
◆8YCWQhLlF2
:2019/01/04(金) 23:20:54 ID:TFg8nSx6
少女「お母さん・・・」
神様「ハロ〜」トテトテ
少女「・・・・・・」チラッ
神様「言われなくても掃除をするなんて流石だねぇ〜」
少女「どこかでお会いしたことありましたでしょうか?」
神様「一昨日会ったじゃん〜 私のかわゆいバイト巫女ちゃん」
神使「ちなみに、私も覚えていますよ?」
少女「・・・・・・」
神様「いや〜 少女ちゃんにあげたダサい財布の中に私のポンタカード入れっぱなしだったの思い出してさぁ〜」
神使「神様のではなく私のポンタカードです」
神様「たまったポイントでお菓子を買うのが私の楽しみなの」
神使「私のポイントです」
707
:
◆8YCWQhLlF2
:2019/01/04(金) 23:21:46 ID:TFg8nSx6
少女「貴方たちは一体何者なんですか?」
神様「私は神宮のかわゆい女神、こいつはお付きの神使なのだ」フンスッ
少女「神・・・ やっぱり」フッ
神様「おや? 少女ちゃんは神の存在を信じる口?」
少女「昔聞いたことがあるんです。 この力は神には効かないって」
神様「昔って?」
少女「・・・・・・。 私をどうするんです? 捕らえて実験台にでもします?」
神様「・・・・・・」
少女「それとも・・・ 殺して力ごと封印しますか?」
神様「そんな事するわけない。 私はこれでも神、二度とそんな暴言を吐かないでもらいたい」
少女「・・・・・・」
708
:
◆8YCWQhLlF2
:2019/01/04(金) 23:22:37 ID:TFg8nSx6
神様「お母さんと同じ力を持っているんでしょ?」
少女「!?」
神様「少女ちゃんと同じ力を持つヤツを私は知っている」
少女「お母さんを知っているの!?」
神様「やっぱり」
少女「・・・もしかして、騙しました?」
神様「いいや、君のお母さんは古い古い私の大切な友人だ」
少女「・・・・・・」
神様「娘がいたなんてビックリしたけど」
神使「お話を聞かせてもらえないでしょうか」
神様「望むなら、私も隠さずアイツの話をすると約束する」
709
:
◆8YCWQhLlF2
:2019/01/04(金) 23:24:07 ID:TFg8nSx6
あけおめです
710
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2019/01/05(土) 06:49:18 ID:d58oOgZw
>>709
おめでとう
今年もよろしくね
毎回楽しんでるよ
711
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2019/01/05(土) 11:06:47 ID:8ziF.JGk
新年おめでとうございます。
今年も神ちゃんと神使
712
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2019/01/05(土) 11:10:04 ID:8ziF.JGk
途中で送っちまった
神ちゃんと神使君の二人の活躍を楽しみにしています。
713
:
◆8YCWQhLlF2
:2019/01/06(日) 00:31:58 ID:u8y5Okis
─── 社務所
神様「この神社を守っていた先代の巫女が123年前に失踪した事を少女ちゃんは知ってる?」
少女「」コクリ
神使「それ以降この神社は無人になっています。 間違いないでしょうか?」
少女「間違いありません」
神様「そして、その失踪したとされる巫女は少女ちゃんと関係がある」
少女「・・・・・・」
神使「神宮に保管されている管理者変更届で確認しました。 後継者の欄には少女さんの名前が記載されています」
神様「これは私とコイツしか知らないし、他に言うことは絶対にしない」
少女「・・・・・・。 失踪した先代の巫女は私の母です」
714
:
◆8YCWQhLlF2
:2019/01/06(日) 00:33:13 ID:u8y5Okis
神使「失踪の原因というのは?」
少女「分かりません。 ある日突然・・・」
神様「う〜ん・・・ だとすとると、おかしい点があるんだけど」
少女「何でしょう」
神様「少女ちゃんの年齢が合わないんだよ」
神使「お母様が123年前に失踪されたとすると、少女さんはそれ以上の年齢でないといけません。 ご子孫でしたら分かるのですが・・・」
神様「少女ちゃんはどう見ても10代」
少女「歳を・・・ 取れないんです」
神使「え?」
神様「少女ちゃん、生まれはいつ?」
少女「・・・・・・。 明治21年、西暦で言うと1888年です」
神様・神使「!?」
715
:
◆8YCWQhLlF2
:2019/01/06(日) 00:34:15 ID:u8y5Okis
神使「歳が取れないと仰っていましたが幼少期はあるんですよね?」
少女「はい」
神様「つまり、今の状態になるまでは成長していた」
少女「」コクリ
神使「神様、これは一体・・・」
神様「お母さんから何か詳しいことは?」
少女「私の持っている変な力・・・ たぶんそれが原因。 お母さんも持っていました」
神様「少女ちゃんのお母さんが神だったことは聞いてる?」
少女「お母さんが、神!?」
神様「最初からじゃない。 生まれは人だった」
少女「そんな・・・」
716
:
◆8YCWQhLlF2
:2019/01/06(日) 00:35:21 ID:u8y5Okis
神様「アイツの生まれは確か平安時代の後期」
少女「平安!? 人から神になったという事ですか?」
神様「そう。 でも、人に戻った。 最愛の伴侶と一緒になるために神から人へ」
少女「私の知っているお母さんは人に戻った後なんですか?」
神様「時代的にはそうだと思う」
神使「でも、神から人に戻ると神の力は使えなくなるんですよね?」
神様「あいつの力は生まれ持った物。 人に戻しても力は消えない」
少女「生まれ持った力・・・ 私と同じ」
神様「とても難しい力だったから・・・ アイツを人に戻したときに神力を少し残したんだ」
神使「人でありながら神の力を扱えるという事ですか?」
神様「いや、その力にだけ反応できる神力だけだ。 俗に言う神の力はない」
少女「・・・・・・」
717
:
◆8YCWQhLlF2
:2019/01/06(日) 00:36:20 ID:u8y5Okis
神様「少女ちゃんも出来るんでしょ? アイツと同じように時間移動が」
神使「時間移動!?」
神様「時を跨ぐことの出来る力。 神ですら犯すことの出来ない領域」
神使「洗脳とか催眠の類いではなかったんですか・・・」
神様「そんなトリックじみたモノじゃない」
少女「難しくて・・・ 私には完全に使いこなせないですが・・・」
神様「特に少女ちゃんは神力を持っていないから余計だろうね」
神使「時間移動って・・・ タイムトラベルって事ですよね?」
少女「はい。 厳密に言うと肉体を持っての時間移動と自身の意識共有の2パターンがあります」
神使「そんな力が人に・・・」
神様「私も最初にアイツから聞いた時はビックリした」
神使「それはそうですよね。 使い方を誤ればとても危険な力になります」
神様「あぁ。 アイツも力を使うときはいつも慎重だった」
神使「もし過去を改変してしまったら辻褄が合わなくなりますからね」
718
:
◆8YCWQhLlF2
:2019/01/06(日) 00:37:24 ID:u8y5Okis
神様「私が何度も宝くじのあたり番号を握りしめて泣いて頼みこんでも聞く耳を───」
神使「肉体の時間移動と意識共有というのは大きく違うのですか?」
少女「意識共有は現在の意識を過去の自分に上書きします。 過去の自分からすると突然未来の行動が頭の中に入ってくるんです」
神使「自分の意識だけが時間を超えて共有するということですか・・・」
少女「ただ、私の力だと効果があるのは2日前まで意識を移すのが限界です」
神使「肉体の時間移動も制限が?」
少女「いいえ。 制限無く過去未来へ肉体を持ったまま行くことが出来ます」
神使「タイムトラベルの方が簡単なんですか・・・」
少女「はい。 意識だけを過去に移す方が手間がかかるので」
719
:
◆8YCWQhLlF2
:2019/01/06(日) 00:38:12 ID:u8y5Okis
神使「ちなみに、その力は頻繁に?」
少女「意識干渉は昨日使いました」
神様「私達の行動を変えるため」
少女「昨日の私の記憶を1日前に移して、お二人に会わないように自分の行動を変えました」
神使「その結果、私達が少女さんと会っていない事になっていたのですね」
少女「お二人の一本前の電車に乗って先回りしてここへ来ましたので」
神様「なんでそんな事を?」
少女「・・・・・・。 あの場所に入ったから」
神使「あの場所?」
神様「倉庫」
少女「あそこは、私とお母さんの思い出の場所。 私が守るとお母さんと約束した場所だから」
神使「そんな大切な場所だったのですか・・・ 勝手に入って申し訳ありません」
720
:
◆8YCWQhLlF2
:2019/01/06(日) 00:39:28 ID:u8y5Okis
少女「私、過去にこの力を気付かれて何度も危険な目に遭いました」
少女「捕らえられ実験台にされて・・・ 殺されそうになったことも・・・」ガタガタ
神使「少女さん・・・」
少女「でも、お二人に先ほどお会いしたとき正直ホッとしました」
神様「?」
少女「心のどこかで、お二人なら気付いて助けてくれんじゃないかと思っていたのかも」
神様「この神社には頻繁に来てたの?」
少女「危険な目にあった時に。 ここに来るとお母さんに守ってもらえるような気がして・・・」
神使「という事は、最近も・・・」
少女「」コクリ
神様「・・・・・・」
少女「でも、今回が最後って決めていました」
神使「それはどういう・・・」
少女「少し疲れてしまったんです」ニコッ
神使「・・・・・・」
721
:
◆8YCWQhLlF2
:2019/01/06(日) 00:40:17 ID:u8y5Okis
神様「心配無用!!」
少女「!?」ビクッ
神様「この私が来たからには全て解決したも同然!」
少女「え?」
神様「辛い経験をした人はそれに見合う幸せが必要だ」
少女「幸せ・・・」
神様「じゃないと人はその辛さで押しつぶされちゃう」
少女「・・・・・・」
神様「だから少女ちゃんには、今までの辛さを帳消しにする位の幸せを私がプレゼントする」
神使「神様・・・」
神様「何も心配いらないから。 今まで一人でよく頑張った」ナデナデ
少女「・・・・・・」ウルウル
722
:
◆8YCWQhLlF2
:2019/01/06(日) 00:41:25 ID:u8y5Okis
神様「よし! まずは状況を整理しよう!」
神使「はい」
神様「・・・・・・」
神使「・・・・・・」
少女「・・・・・・」
神様「神使君、進めて」
神使「え!?」
神様「お前こういう厨二病っぽい案件好きだろ」
神使「神様、もしかして勢いだけで突っ走りましたね?」
神様「テヘッ!」
神使「はぁ〜・・・」ガクッ
723
:
◆8YCWQhLlF2
:2019/01/06(日) 23:33:47 ID:u8y5Okis
神様「早く進めろよ!」
神使「まず、問題点は二つあります。 一つはお母様の失踪、もう一つは少女さんの成長」
神様「そう、それ!」
神使「少女さん、時間移動の力はどの位の頻度で使っていますか?」
少女「意識共有は力のことが知らせそうになった時、何度か過去に飛ばして回避しました」
神使「それが原因という事は考えられませんか?」
少女「意識共有を安定して使えるようになったのは50年前からなので考えにくいと思います」
神使「タイムトラベルの方も頻繁に?」
少女「いいえ、タイムトラベルを最後に使ったのは私が18才の時です」
神様「100年以上前か・・・ その時アイツは?」
少女「私が7歳の時にはすでに行方が分からなくなっていましたから」
724
:
◆8YCWQhLlF2
:2019/01/06(日) 23:34:28 ID:u8y5Okis
神使「年齢的にそのタイムトラベルが少女さんの成長を止めた原因という可能性がありそうですね」
少女「」コクリ
神使「ちなみに、過去未来どちらへ?」
少女「両方行きました。 1回目はその時代から3日前」
神様「随分近いね」
少女「私が18歳になったらこの神社を継ぐことになっていたんです。 でも、私・・・」
神様「継ぐのを躊躇した」
少女「はい。 総代が神宮に提出した書類をすり替えました」
神使「それで、神宮の書類に名前が・・・ でも、最初は記載されていたと聞いていますが」
少女「私も昨日それを聞いて不思議に思いました」
725
:
◆8YCWQhLlF2
:2019/01/06(日) 23:35:06 ID:u8y5Okis
神様「その時近くに神でもいたんだろ。 アイツと違って少女ちゃんの力は不安定だから神には力が効きにくかった」
神使「神が側にいない所では改変の影響がでる・・・ しかし、それは二通りの時間の流れが発生していることに」
神様「アイツから聞いただけだけど限定的で小さいことなら結構あるらしいよ?」
神使「それは物理法則の書き換えが必要な位重大な事ですね・・・」
神様「未来の方は?」
少女「力の制御が不安定で・・・ たぶん暴走したんだと思います。 怖くてそれ以降使っていません」
神使「どの時代かも分からないですか?」
少女「はい、未来という事だけで。 気付いたら暗くて寒い森の中で・・・ 声がしたので怖くてすぐ戻りました」
726
:
◆8YCWQhLlF2
:2019/01/06(日) 23:35:43 ID:u8y5Okis
神様「どう? 解決した?」
神使「少女さんの成長に関して、一つだけ思い当たる節があります」
神様「聞いてやる」
神使「未来からの観測です」
少女「観測・・・」
神使「少女さんが未来に行ってその姿を誰かに見られた場合、その時間・その場所で少女さんが存在していたことが確定されてしまいます」
神様「どういう事?」
神使「例えば100年後に行って誰かの記憶に残った場合、少女さんは100年後に見られた状態でそこにいる必要があると言うことです」
神様「いないとどうなるの?」
少女「私を見た人の記憶に齟齬が発生する・・・」
神使「そうです。 ですから少女さんは未来で観測された状態と同じ状態になるまで歳を取れない」
神様「って事は、少女ちゃんが今の姿で1000年後まで行って誰かに見られたら1000年間年を取らないと?」
727
:
◆8YCWQhLlF2
:2019/01/06(日) 23:36:21 ID:u8y5Okis
少女「でも、先ほど複数の流れが存在することも可能と仰っていませんでしたか?」
神様「そうだよ。 人に見られた位、見間違いで済む可能性の方が高いし。 そんな未来に少女ちゃんなんか誰も知らないはずだし」
少女「私の記憶ですと長くても数秒しかその時代にはいなかった気がしますから見られても印象に強く残らない気が」
神使「複数存在できない位の重大な出来事だったのでは?」
神様「あ?」
神使「事象が複数存在する場合、分かれた事象がどこかで収束するんだと思います。 少女さんの場合収束できない事象だった」
神様「日本語でプリーズ」
神使「タイムパラドックスです」
神様「日本語で言えって言っただろーが! 厨二病!」ゲシッ
神使「痛い!」
神様「まぁ、何となく分かったけど」
728
:
◆8YCWQhLlF2
:2019/01/06(日) 23:37:01 ID:u8y5Okis
神使「少女さん」
少女「はい」
神使「未来にタイムトラベルしたのは18歳の時が最後と仰っていましたが、もっと若いときに行ったことは?」
少女「・・・・・・」
神使「あるんですね?」
少女「お母さんとは何度か。 でも遠くても2日程度でした」
神様「アイツが一緒なら問題は起こらないな」
神使「一人では?」
少女「ハッキリとは覚えていないんですが、私が7歳の時」
神使「過去未来どちらです?」
少女「分かりません・・・ 実際タイムトラベルしたのかも定かではないんですが、その直後に母がいなくなりました・・・」
神様「それが時間移動だったとしたらアイツの失踪に関係があると?」
少女「私がそう思い込んでいるだけかも知れないんですが」
729
:
◆8YCWQhLlF2
:2019/01/06(日) 23:37:37 ID:u8y5Okis
神使「何かその時のことで思い出すことはないでしょうか?」
少女「そうですね・・・」
〜〜〜
少女「お母さん!」タッタッタッ
?「こんな所でどうしたの?」
幼子「あのね、お祭り見てたら迷子になっちゃったの」
?「沢山の人がいるものね。 でも、もう大丈夫よ」ニコッ
〜〜〜
少女「お祭り・・・」
神様「祭り?」
少女「はい、お祭りの日だったと思います」
神使「こちらの神社はお祭りがあるのですか?」
少女「お母さんが亡くなってからは一度も」
730
:
◆8YCWQhLlF2
:2019/01/06(日) 23:38:12 ID:u8y5Okis
神使「他には?」
少女「あとは・・・」
〜〜〜
幼子「ねぇ、あのガタガタしてる箱は何?」
?「あれは、お母さんと幼子の宝物。 幼子が大きくなったら一緒に開けましょうね」
幼子「うん!」
〜〜〜
少女「たしか、宝がどうのって・・・」
神様「宝!?」グワッ
少女「え、えぇ。 大きくなったら一緒に開けようって」
神様「ほぉ〜」ニヤッ
731
:
◆8YCWQhLlF2
:2019/01/06(日) 23:38:51 ID:u8y5Okis
神使「神様?」
神様「何かな? 神使君」
神使「この状況で変なことを考えていませんよね?」
神様「私は神だぞ? 人の喜びが私のご飯。 失敬なことを言うな」
神使「目の瞳孔が開いてますが? 鼻が大きく膨らんでますが? 口が緩んでいますが?」
神様「うるせーよ」ゲシッ
神使「痛い!」ガクッ
少女「ふふっ」クスッ
神使「すいません、こんな時に神様が不謹慎で」
少女「そんな事無いです。 少し落ち着きました」ニコッ
732
:
◆8YCWQhLlF2
:2019/01/06(日) 23:39:29 ID:u8y5Okis
神使「お祭りですか・・・」フムッ
神様「お宝ですか・・・」フムッ
神使「・・・・・・」ジトー
神様「そんな腐ったミカンを見るような目で私を見るのを止めて下さい」
神使「ちなみにこの神社のお祭りというのは何月ですか?」
少女「確か・・・ 毎年1月7日だったと思います」
神様「明日じゃん」
神使「・・・将来この神社でお祭りが開かれるという事でしょうか?」
少女「沢山の人がいました。 境内を埋め尽くす位」
733
:
◆8YCWQhLlF2
:2019/01/06(日) 23:40:23 ID:u8y5Okis
神様「将来ここでそんな大祭なんか開かれるのかねぇ〜」
神使「今のままでは可能性は低そうですが・・・」
神様「だったらさぁ〜」
少女・神使「?」
神様「明日、祭りを開けば良いんじゃね」
神使「祭りを!? 私達がですか?」
神様「そう。 境内を人が埋め尽くす位の大きな祭りを開くんだよ」
少女「でも、そんな沢山の人この村には・・・ しかも明日だなんて」
神様「案がある」ニヤッ
神使「まさか神様・・・」
神様「神使君や、電話を繋いでくれたまへ」
734
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2019/01/07(月) 07:57:10 ID:NgFyEE8I
神ちゃん頑張れ
735
:
◆8YCWQhLlF2
:2019/01/09(水) 07:15:48 ID:9436ABs2
─── 翌日
プッ プッー
おーい、神ちゃ〜ん!
神様「A子ちゃ・・・」
神使「うわっ! 何ですかあの観光バスは!?」
A子「お祭り開くって言うからみんな連れてきたー」
神様「あっ、うん」
736
:
◆8YCWQhLlF2
:2019/01/09(水) 07:16:32 ID:9436ABs2
─── 境内
ガヤガヤ
少女「あの、これは・・・」
神様「えっと、先に紹介するね。 この子は神宮の巫女でA子ちゃん」
A子「神宮が誇るミス巫女、A子です」ペコリ
少女「・・・・・・。 少女です」ペコリ
A子「ここって広い神社だね〜」
少女「土地だけですが」
神様「ねぇ、なんで屋台とかまでいるの?」
A子「甘利錆礼手内神社も昨日までお祭りでさぁ。 話をしたら一緒に付いてくるって」
神様「そうなんだ・・・」
737
:
◆8YCWQhLlF2
:2019/01/09(水) 07:17:20 ID:9436ABs2
神使「まぁ、お祭りっぽくなりますし良いんじゃないですか? 神職と巫女だらけですが」
神様「そうね、100人位いるからそこそこ賑わってる感は出るかな」
A子「ここに来る途中でバスからスピーカーで宣伝しまくったから人いっぱい来ると思うよ?」
神様「さすがA子ちゃん、私の発想を超える大胆な行動・・・」
神使「よく捕まりませんでしたね」
A子「やだなぁ〜 警察に5回止められたよ」
一同「・・・・・・」
A子「でも正直に私は巫女で神のお告げが〜 って言ったら何も言わずに見逃してくれた」
神様「それは単に関わりたくなかっただけじゃ・・・」
神使「あまり神宮の評判を落とさないで下さいね」
738
:
◆8YCWQhLlF2
:2019/01/09(水) 07:17:53 ID:9436ABs2
─── 夕方
ピーヒョロ ピーヒョロ
ガヤガヤ
神様「すげーな・・・ どこから見てもお祭りじゃん」
A子「ふごいね〜」ペロペロ
神様「・・・・・・。 それ何?」ジー
A子「メロン飴、向こうで売ってた」
神様「へ、へぇ〜」ジュルリ
神使「A子ちゃん、巫女装束着たまま食べ歩きなんてダメですよ?」
A子「食べてないもん! ペロペロしてるんだもん。 高速ペロペロー!」ペロペロペロ
739
:
◆8YCWQhLlF2
:2019/01/09(水) 07:18:24 ID:9436ABs2
少女「この神社にこんなに人が来るなんて・・・」ウズウズ
神使「少し見てきたらどうです?」
A子・神様「いいの!?」
神様「私は少女さんに言ったんです」
少女「良いんですか?」
神使「もちろんです。日が落ちる頃に倉庫で待ち合わせしましょう」
A子「よっしゃ! 少女ちゃん行こう!」ガシッ
少女「え?」
A子「こっち! さっきすごい美味しそうなもの見つけたんだ」タッタッタッ
少女「あ、ちょ、一人で歩けますから」タッタッタッ
740
:
◆8YCWQhLlF2
:2019/01/09(水) 07:18:57 ID:9436ABs2
A子「じゃ〜ね〜 神使さーん」
神様「じゃ〜ね〜 クソ犬ー」
神使「神様はダメです」ガシッ
神様「がー! メロン飴が! メロン飴が私を呼んでいるんだー!!」ジタバタ
神使「呼んでませんから。 私達は倉庫の方に行きますよ」
神様「私も高速ペロペロしたいー!!」ズルズル
741
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2019/01/09(水) 08:34:01 ID:JwF/dldY
高速ペロペロ
変な想像したがな
742
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2019/01/09(水) 09:15:19 ID:AbUvjGLw
っ旬の牡蠣
743
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2019/01/09(水) 19:33:41 ID:9/cy0vWk
支援
744
:
◆8YCWQhLlF2
:2019/01/10(木) 02:46:55 ID:qSIVsP1Y
─── 倉庫前
神様「うー 寒ぶ」ブルブル
神使「まだ時間もありますし少し離れたところで監視しましょうか」
神様「こんな寒いのに外で監視とかありえないだろ。 本当に今日が過去の少女ちゃんが来る日かも分からないのに」
神使「そうですが・・・ では、一度社務所に戻ります?」
神様「ん〜・・・」
神使「神様?」
神様「・・・・・・。 中に入ろうぜー」
神使「倉庫の中にですか? 少女さんが来てからの方が良いのでは」
神様「いいから」トテトテ
神使「ちょ、神様」
745
:
◆8YCWQhLlF2
:2019/01/10(木) 02:47:45 ID:qSIVsP1Y
ギィー
神使「また勝手に入ったら少女さんに─── !?」
神様「よ、久しぶり」
少女母「お久しぶり、神ちゃん。 そして」
神使「は、初めまして。 神様のお付きで神使と申します」
少女母「こんにちは」ニコッ
神使「もしかして、少女さんのお母様ですか?」
少女母「はい」
神様「いつの時代から?」
少女母「今から123年前」
神様「やっぱり今日で合ってたか」
746
:
◆8YCWQhLlF2
:2019/01/10(木) 02:48:39 ID:qSIVsP1Y
少女母「もうじき7歳の時の娘が来るわ。 その子を戻さないとね」
神様「人が多いし結構見られちゃうから修正も必要だな」
少女母「子供一人が見られた位じゃ時間軸なんて変わらないわ。 特にこれだけ多ければね」
神様「そうなの? んじゃ私達も挨拶しようかな」
少女母「それは勘弁して欲しいかな。 さすがに二人に見られると事象が確定しちゃうし」
神使「印象が強すぎるという事ですね?」
少女母「もし会うんだったら過去を少し弄らせてもうらうけど」
神使「会うのは止めておきましょう」
少女母「よかった。 正直言うと時間移動できる力も残り少ないしね」
神様「そう言えば、お前元の時代に帰ってないだろ。 失踪したことになっているぞ」
少女母「この後少しやることがあってね」
神様「まさか戻れないのか?」
少女母「」ニコッ
神様「・・・・・」
747
:
◆8YCWQhLlF2
:2019/01/10(木) 02:49:16 ID:qSIVsP1Y
少女母「ねぇ神ちゃん、ここ覚えてる?」
神様「?」
少女母「私、ここで神ちゃんに初めて会ったの」
神様「ここが・・・ あの時は周りに何も無かったからな」
少女母「2000年以上前だものね。 でも、私にとってはとても大切な場所」
神様「そうか」
少女母「他の人にはない力を持って生まれて・・・ 神ちゃんに救われなかったら私・・・」
神様「あの時のお前、酷い状態だったもんな。 精神も体もボロボロで」
少女母「でも、そういう過去があったからこそ、今の私がいてあの子もいる」
神様「そうだな」
748
:
◆8YCWQhLlF2
:2019/01/10(木) 02:50:40 ID:qSIVsP1Y
少女母「あの子も私と同じ力を持ってしまって、もう少し側にいてやりたかったんだけど・・・」
神様「大丈夫。 良い子に育ってるよ」
少女母「ありがとう、神ちゃん」ニコッ
お母さーん?
神様「やべ、小さい方の少女が来た!」アワアワ
神使「見ちゃうとまずいですね。 神様、箱! この箱に入りましょう」
神様「声は聞こえちゃうけど大丈夫か?」
少女母「はい、耳栓」スッ
神使「ありがとうございます」
神様「私は?」
少女母「1個しかないから、神ちゃんは耳を塞いでおいてね」
神様「マジっすか!?」
少女母「絶対に覗き見はしないでね?」
神様「しゃーねな。 急げ!」ゴソゴソ
749
:
◆8YCWQhLlF2
:2019/01/10(木) 02:51:20 ID:qSIVsP1Y
ギー
幼子「お母さん? どこ?」テクテク
ガタガタ
幼子「!?」ビクッ
少女母「幼子」
少女「お母さん!」タッタッタッ
少女母「こんな所でどうしたの?」
幼子「あのね、お祭り見てたら迷子になっちゃったの」
少女母「沢山の人がいるものね。 でも、もう大丈夫よ」ニコッ
750
:
◆8YCWQhLlF2
:2019/01/10(木) 02:53:58 ID:qSIVsP1Y
幼子「ねぇ、あのガタガタしてる箱は何?」
少女母「あれは、お母さんと幼子の宝物。 幼子が大きくなったら一緒に開けましょうね」
幼子「うん!」
少女母「お母さんちょっとお仕事があるから、先に帰っててね」
少女「はい!」ニコッ
少女母「この小屋の裏に光った穴があるから、そこからお帰り」
幼子「はーい!」タッタッタッ
ギー バタン
─── 外
幼子「♪〜」タッタッタッ
少女「あれ? 今だれか小屋から出てきたような・・・」
A子「少女ちゃん? どったの?」ペロペロペロ
少女「・・・・・・。 !?」タッタッタッ
751
:
◆8YCWQhLlF2
:2019/01/10(木) 02:55:20 ID:qSIVsP1Y
─── 小屋の中
神様「行った?」ニョキ
少女母「えぇ」
神様「ふ〜 危機一ぱ───」
ギー
神様「!?」バタン
少女「神様、神使さん、いますか? 今、だれかここから・・・ !?」ハッ
752
:
◆8YCWQhLlF2
:2019/01/10(木) 02:56:10 ID:qSIVsP1Y
少女母「久しぶり」
少女「お母・・・ さん・・・?」
少女母「」ニコッ
少女「本当に・・・ お母さん・・・」
少女母「未来のあなたに会いたくて、お母さんズルして見に来ちゃった。 な〜んて」ニコッ
少女「お母さん・・・ お母さーん!!」ダキッ
少女母「ふふふ。 小さいあなたより甘えん坊さんだこと」ナデナデ
少女「お母さーん! 会いた・・・ かった・・・」グスッ
少女母「ごめんね、あなたには辛い思いをさせてしまって」
753
:
◆8YCWQhLlF2
:2019/01/10(木) 02:57:03 ID:qSIVsP1Y
少女「そうなんだ、やっぱりこの時代に・・・ さっき出て行ったのって・・・」
少女母「7歳の時の少女」
少女「やっぱり・・・ ごめんなさい。 わたし力の使い方が分からなくて、気付いたらここに・・・」
少女母「お母さんだって最初はそうだった」
少女「でも、あの日以来お母さんは戻ってこなかった・・・ 私がお母さんを」グッ
少女母「心配しないで? それとこれとは別の事象だから。 あなたが心配することじゃないわ」
少女「・・・・・・。 ねぇ、お母さんって昔、神さまだったの?」
少女母「神ちゃんから聞いたの?」
少女「」コクリ
少女母「そうよ。 これでも“時の女神”なんて呼ばれてたすごい神さまだったんだから」
少女「時の女神・・・」
754
:
◆8YCWQhLlF2
:2019/01/10(木) 02:57:57 ID:qSIVsP1Y
少女母「お母さんの言う事が信用できない?」
少女「そんな事ない」
少女母「必ずまた会えるから」
少女「お母さん」
少女母「だから、ね?」
少女「うん」
ガタガタ
少女「?」
少女母「そうだ。 これ、覚えてる?」
少女「箱・・・ 昨日の朝はなかったのにいつの間に・・・」
少女母「あなたが大きくなったら開けるって約束したわね」
少女「私とお母さんの宝物・・・」
755
:
◆8YCWQhLlF2
:2019/01/10(木) 02:58:43 ID:qSIVsP1Y
少女母「開けてみましょうか」
少女「いいの?」
少女母「えぇ。 私の宝物、そしてあなたにも宝物になって欲しいな」
少女「」テクテク
パカッ
神様「ちっす。あなたの宝物です」
神使「すいません」
少女「・・・・・・」
756
:
◆8YCWQhLlF2
:2019/01/10(木) 02:59:40 ID:qSIVsP1Y
神様「お気に召しませんでしたか?」
少女「ふふっ、お母さんの宝物って───」
シーン
少女「お母さん?」キョロキョロ
少女「お母さん? お母・・・さん・・・」シュン
神使「少女さん・・・」
神様「・・・・・・」
757
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2019/01/10(木) 06:49:42 ID:0nVvcWdw
おつ
悲しくなってきた
758
:
◆8YCWQhLlF2
:2019/01/11(金) 20:34:34 ID:irKyNpU6
─── 参道
テクテク
神使「なんだか不思議な感覚ですね」
神様「あ?」
神使「100年以上前の方にお会いしたんですよ?」
神様「あ〜」
神使「過去・現在・未来ってどういう繋がりなんですかね」
神様「私は常に未来を見据えているから過去なんか気にしないけどね」
神使「過去を変えれば未来が変わる。 未来を変えれば過去が変わる・・・ よく分からないですね」
神様「本当は変わらないんじゃないか?」
神使「?」
神様「それを証明する手立てはないけどな」
神使「そうですね」
759
:
◆8YCWQhLlF2
:2019/01/11(金) 20:35:35 ID:irKyNpU6
ガサゴソ
神様「?」
神使「森の奥ですね。 狸さんでしょうか?」
神様「いや、あれって・・・」ジー
神使「誰かいる感じがしますね。 暗くてよく見えませんが」
神様「あれ少女ちゃんだよ。 何であんな所にいるんだ?」
少女「」キョロキョロ
神様「おーい! 少女ちゃ───」
少女「!?」ビクッ
シュンッ
神様・神使「!?」
神使「・・・・・・。 今消えませんでした?」
760
:
◆8YCWQhLlF2
:2019/01/11(金) 20:36:37 ID:irKyNpU6
少女「どうしたんですか? こんな所で」テクテク
神様・神使「え?」クルッ
少女「? 森に何かあるんですか?」キョロキョロ
神様「少女ちゃん? いま森の中に」
少女「私、参道から歩いてきましたけど。 やっぱりお母さんは見つかりませんでした・・・」
神様「あ、うん。 でも・・・ あれ?」
少女「お話しがあります。 後ほど社務所で」タッタッタッ
神様「・・・・・・」
761
:
◆8YCWQhLlF2
:2019/01/11(金) 20:37:21 ID:irKyNpU6
神使「神様、本当に森の中にいたのは少女さんなんですか?」
神様「間違いない。 私、これでも視力4.0あるから見間違うなんて事は絶対にない」
神使「4.0なんて数字あるんですか・・・」
神様「あれは間違いなく少女ちゃんだった」
神使「考えられるのは18歳の時の少女さんという事ですね」
神様「もんぺ穿いてた。 もんぺ」
神使「まさか、少女さんがこの時代までいる原因を作ったのは・・・」
神様・神使「・・・・・・」
神様「やべ、どうしよう」
神使「大変な事をしてしまったような気がします」
762
:
◆8YCWQhLlF2
:2019/01/11(金) 20:38:02 ID:irKyNpU6
神様「お前、過去の自分に意識を移して回避してこい」
神使「できるわけないじゃないですか・・・ それこそ神様はどうなんです?」
神様「私を誰だと思ってんだよ、そんな神っぽいこと出来る分けねーだろ! ふざけんな!」
神使「逆ギレしないで下さい・・・」
神様「どうする、逃げるか?」
神使「最低ですね・・・ きちんと少女さんにお話をしたほうが」
神様「そ、そうね。 私は終始土下座をするからお前から話を───」
カサカサ
神様「?」
神使「どうされました?」
神様「・・・・・・。 いや、私ちょっとコーラ買ってくる」トテトテ
神使「あ、ちょっと神様逃げないで下さいよ」
763
:
◆8YCWQhLlF2
:2019/01/11(金) 20:39:07 ID:irKyNpU6
─── 森の奥
神様「よ」
少女母「」ニコッ
神様「え〜と・・・ いつのお前?」
少女母「さっき会ったばかりの私」ペロッ
神様「あ〜 やっぱまだいたんだ。 っていうかなんでお前もメロン飴持ってるの?」
少女母「事象の収束って知ってる?」
神様「何だよ急に・・・ 確か、いくつかに分かれたメロン飴が最終的には1つになるって事だっけ?」
少女母「そう。 メロン飴じゃなくて時間だけどね」ペロッ
神様「・・・・・・。 それがどうした?」
少女母「あの子が狙われているって事も知ってる?」
神様「この前少女ちゃんから聞いた」
764
:
◆8YCWQhLlF2
:2019/01/11(金) 20:40:40 ID:irKyNpU6
少女母「あの子はこの先、生きている限り狙われる」
神様「あ? でもその度に回避したって・・・ まさか!?」
少女母「そう、事象の収縮。 あの子が狙われることは確定しているわ」ペロッ
神様「・・・・・・」
少女母「その先にあるのは・・・」
神様「まさか、お前それを回避するためにタイムトラベルを・・・」
少女母「勝手よね。 あれだけ時間移動はダメだって言っておきながら」ペロッ
神様「・・・・・・。 ねぇ、そのメロン飴───」
少女母「自分でも分かってる。 でも、母親としてあの子にしてやれることなんかこの位しかないから」
神様「そ、そうか」
少女母「虫のいい話よね」
神様「少女ちゃんが捕まって、力が悪用されたらもっと悲劇が起こるんだろ?」
少女母「・・・・・・」
765
:
◆8YCWQhLlF2
:2019/01/11(金) 20:43:02 ID:irKyNpU6
神様「回避できそうなのか?」
少女母「やっとたどり着けそう」
神様「分かった。 現在の少女ちゃんはどんな手を使ってでも私達が守る」
少女母「ありがとう」
神様「その代わり、回避出来たら知らせろよ?」
少女母「うん」フカブカ
神様「そんな畏まるな。 少女ちゃんが長いこと狙われ続けているのは私にも責任があるし・・・」
少女母「?」
神様「さっき、18歳の少女ちゃんを見ちゃったから」
少女母「違うわ。 神ちゃんのせいじゃないの」
神様「でも、間違いなくこの曇りなき眼に焼き付いてるけど・・・」
少女母「神が観測しても改変は起こらない。 神ちゃんならなおさら」
神様「あっ、そう言われれば・・・。 犬ころもハッキリ見たわけじゃないって言ってたし」
766
:
◆8YCWQhLlF2
:2019/01/11(金) 20:44:16 ID:irKyNpU6
少女母「あの子を観測したのは私、さっき私も影から一緒に見てたわ」
神様「どういう事だ? 何でお前がそんな事をする必要が?」
少女母「事象の収束を遅らせるため」
神様「なるほど・・・ すいません、私の頭は完全にオーバーヒートしました。 だからそのメロン飴下さい」
少女母「ふふっ」クスッ
神様「・・・・・・。 お前さ、何処まで未来を知ってるの?」
少女母「元“時の女神”だもん。 何でも知ってるわよ?」ニコッ
神様「ったく。 怖いね〜 時間を超えられるヤツは。 ま、後は任せておけ」
少女母「ありがとう神ちゃん」
神様「その代わり取引だ」
少女母「?」
神様「お願いですからそのメロン飴下さい」ドゲザ
767
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2019/01/12(土) 06:54:31 ID:salIEX5I
本当に面白いわ
768
:
◆8YCWQhLlF2
:2019/01/19(土) 21:13:01 ID:kHiKDmPI
─── 社務所
ガラガラ
神様「ただいま〜」ペロペロ
神使「神様、どこに行かれてたのですか?」
神様「ん? ちょっとそこまで」ペロペロ
神使「・・・まさかメロン飴を買いに?」
神様「おや〜 欲しくなっちゃった? ペロペロしたくなっちゃた? でも、あ〜げない」ペロペロ
少女「・・・・・・」ジー
神様「あげない!」ペロペロ
769
:
◆8YCWQhLlF2
:2019/01/19(土) 21:13:47 ID:kHiKDmPI
少女「・・・・・・」ジー
神様「・・・・・・。 ちょ、ちょっとだけならペロってもいいよ?」
少女「いりません」
神使「そんなドロドロになった飴なんかあげようとしないで下さい・・・」
少女「それより、お話しがあります」
神様「私がかわゆすぎる件について?」
少女「この神社の今後についてです」
神様「あ〜 真面目なパティーンね」
770
:
◆8YCWQhLlF2
:2019/01/19(土) 21:14:31 ID:kHiKDmPI
神使「実は私達も少女さんにお話しがありまし───」
神様「シャーラップ!」ゲシッ
神使「痛っ!」
神様「その件は片が付いたんだよ!」
神使「どういう事です?」
神様「私は悪くなかったという事」
神使「・・・・・・」ジトー
神様「そんなにメロン飴が欲しいならくれてやるよ! お口を開きやがれ!」ズボッ
神使「ふがっ!」
771
:
◆8YCWQhLlF2
:2019/01/19(土) 21:15:18 ID:kHiKDmPI
神様「さぁ、少女よ。 このかわゆい神ちゃんに悩みを打ち明けなさい」
少女「私、この神社を継ごうと思います。 いえ、継がせて頂けないでしょうか」
神様「・・・・・・」
少女「身勝手なお願いだっていう事は承知してます。 でも───」
神様「いいよ」
少女「え?」
神使「あの神様、せめて少女さんのお話を最後まで聞いてから結論を出すべきでは・・・」ペロペロ
神様「寂れて人も来ないような無人神社を継ぎたい、って人がいるのに断る理由なんかないじゃん」
神使「それはそうなんですが・・・」
神様「それじゃぁ神使君、この神社を廃社にして売っぱらったらいくらになる?」
神使「社務所や本殿の解体費用でマイナスになると思います」ペロッ
神様「だろ? っていうか、返せよ私のメロン飴!」ガシッ
神使「あっ」
772
:
◆8YCWQhLlF2
:2019/01/19(土) 21:15:57 ID:kHiKDmPI
少女「私、この場所が私とお母さんを繋ぐ唯一の場所だって分かったんです」
神使「そうでしたか」
少女「だから、私がお母さんが守ってきた神社を・・・ お母さんの意志を継いで───」
神様「ダメ」
少女「・・・・・・。 え?」
神使「あの神様、意味が分からないんですが・・・」
神様「アイツのために継ぐんだったらダメ。 いい? 少女ちゃんの人生は少女ちゃんが決めること」
少女「・・・・・・」
神様「継ぐと言うのは守ることだけじゃない。 進まないと行けないんだよ」
少女「進む・・・」
神様「少女ちゃんはこの神社を継いで進むことが出来る?」
少女「できます」
773
:
◆8YCWQhLlF2
:2019/01/19(土) 21:16:35 ID:kHiKDmPI
神様「んじゃ今日からこの神社は少女ちゃんに任せる」
神使「少女さん、頑張って下さいね」
少女「ありがとうございます」ペコリ
神様「その代わりと言っちゃ何だけど〜 お願いがあるんだよね〜」クネクネ
少女「私に出来ることでしたら」
神様「本当に?」
少女「えぇ、まぁ」
神様「んじゃ、神になって?」
少女「神!? 私がですか?」
神様「そう。 お母さんと同じ“時の女神”に」
774
:
◆8YCWQhLlF2
:2019/01/19(土) 21:17:44 ID:kHiKDmPI
─────
───
─
─── X年後
神様「いや〜 懐かしいね〜」トテトテ
神使「毎年来ているじゃないですか」テクテク
神様「参拝者もだいぶ増えたな」
神使「あっ、神様あそこ見て下さい。 少女さんです」
神様「ん? 隣に巫女服着たちっこいのがいるけど?」
神使「最近赴任した神使さんです。 彼女は去年神使学校を主席で卒業した優秀な子だと聞いています」
神様「へ〜 二人とも巫女服姿がきゃわゆい!」
神使「ご挨拶にいきましょうか」
神様「そうね」
775
:
◆8YCWQhLlF2
:2019/01/19(土) 21:19:10 ID:kHiKDmPI
新米神使「女神さま! お掃除終わりましたです!」ビシッ
少女「その女神さまっていうの恥ずかしいので止めて欲しいんですけど・・・」
新米神使「何を言っているんですか! 女神さまは私の憧れの神さまなんですから!」キラキラ
少女「憧れだなんて・・・」
新米神使「この神社に赴任し早1年、いつか私も女神さまのように立派な───」
少女「わ、分かりましたから。 それより本殿のお掃除をお願い出来ますか?」
新米神使「勿論です! でも・・・」
少女「?」
新米神使「どうして、この神社にはご神体がないんですか?」
少女「それは・・・」
新米神使「宮司も神職すらいないのも変だと思うんです。 衛士はいるのに」
少女「そう・・・ ですね・・・」
776
:
◆8YCWQhLlF2
:2019/01/19(土) 21:20:27 ID:kHiKDmPI
新米神使「あの衛士さん達って神宮の神付衛士ですよね?」
少女「よく知ってますね」
新米神使「学校で習いましたから。 神を守れる衛士は全国に5人しかいない精鋭さんだって」
少女「そうなんですか?」
新米神使「何か理由でも?」
少女「えーと・・・」
新米神使「新米とは言え私もこの神社の神使! ぜひ教えて下さい!」ズイッ
少女「・・・・・・。 そ、それよりお掃除済ませたらお昼は新米神使ちゃんの好きな鴨鍋にしましょう」
新米神使「か・も・な・べ!?」パァ
少女「頑張って下さいね」ニコッ
新米神使「はい! 喜んで!!」タッタッタッ
少女「・・・・・・」ハァ
777
:
◆8YCWQhLlF2
:2019/01/19(土) 21:21:24 ID:kHiKDmPI
お〜い! 少女ちゃ〜ん!
少女「?」クルッ
神様「久しぶり〜」
神使「ご無沙汰しております」ペコリ
少女「神様に神使様! もうそんな季節なんですね」
神様「ま〜ね〜」
少女「毎年気にかけてお越し頂きありがとうございます」フカブカ
神使「そんなに畏まらないで下さい」
神様「立派に神さまやっているみたいだね」
神使「可愛らしい神使さんも居るようで」
少女「神宮の方には何度も神使の配属は断ったんですが」
778
:
◆8YCWQhLlF2
:2019/01/19(土) 21:22:21 ID:kHiKDmPI
神様「まだ狙われてる?」
少女「はい。 でも神宮から派遣されている衛士さんたちがいるので」
神使「頼もしいですね」
神様「神社の方もそこそこ参拝者も来ているみたいだし」
神使「少女さんの神階も上がったそうで、おめでとうございます」
少女「私なんかまだまだです。 あの子と同じく右も左も分からない新米ですから」
神使「そんな事は無いですよ。 立派な主神様です」
神様「巫女服もよく似合ってる。 神だからってゴテゴテした服を着ないところが良し!」
少女「・・・・・・」
神様「少女ちゃん?」
少女「私、きちんとお母さんの後を継げているのかな?」
神使「立派に継げていると思いますよ?」
神様「そうそう、私が太鼓判を押してあげる」
779
:
◆8YCWQhLlF2
:2019/01/19(土) 21:23:03 ID:kHiKDmPI
少女「私、この神社のことを何も知らないんです。 お母さんから詳しく聞いた事なんて無かったので・・・」
神様「アイツも少し位は教えるなり残すなりしておけば良かったのにな」
神使「きっと力の存在を知られないように念を入れていたのではないですかね」
神様「でも、神体がないなんてちょっとおかしいよな」
?「だって、神よりも先に神体がある方がおかしくない?」
少女・神様・神使「・・・・・・」クルッ
?「この神社も主神様が付いたことだし、ご神体を用意しないとね」
少女「お母・・・ さん・・・ どうして・・・」
少女母「久しぶり」ニコッ
780
:
◆8YCWQhLlF2
:2019/01/19(土) 21:24:15 ID:kHiKDmPI
神様「よっ」
少女母「」フカブカ
神様「終わったのか?」
少女母「えぇ、全て」
神様「ご苦労様」
少女母「」ニコッ
神様「皆の者! 宴の準備だ!!」
おわり
781
:
◆8YCWQhLlF2
:2019/01/19(土) 21:26:40 ID:kHiKDmPI
ペロペロー!
782
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2019/01/20(日) 09:04:51 ID:N.5Vh8yI
おつ
犬コロは飴美味しかったのかな
神ちゃんのヨダレ付き
783
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2019/01/20(日) 09:22:12 ID:LBSKP.EA
乙です!
数年後の神ちゃんの返済が、少し楽になってますように
784
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2019/01/21(月) 15:53:28 ID:ZmT2.BVQ
おつおつ
785
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2019/02/03(日) 18:05:28 ID:sA6gPbHw
神ちゃん節分だ
786
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2019/02/18(月) 14:39:11 ID:VVKc4jjI
乙
787
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2019/03/03(日) 22:45:09 ID:sdwlN4Is
お雛様
788
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2019/03/26(火) 22:42:54 ID:R182Jsos
桜が咲くよ
789
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2019/04/02(火) 16:56:54 ID:rd/IVkls
神ちゃん、花見しようぜ!
790
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2019/04/05(金) 03:22:28 ID:8pbkSrWc
草餅つくったよ〜食べにおいでよ〜
791
:
◆8YCWQhLlF2
:2019/04/09(火) 21:59:49 ID:MwTzfhf.
ガタンゴトン
神様「♪〜」ニコニコ
神使「・・・あの、神様?」
神様「何かな? 神使君や」
神使「どうして今回は付いてくるんですか? いつもは嫌がるのに・・・」
神様「ふふふ。 それは犬ころが嘘をついているからだよ」ニヤッ
神使「・・・・・・」
神様「神使会なら、私を近場まで連れて行こうとする。 でも〜今回は違った!」
神使「うっ・・・」
神様「きっと私を連れて行きたくない場所、つまり楽しいところに行く気だ!」ドヤッ
神使「はぁ〜・・・」ガックリ
神様「私を騙すならもっと念入りにするべきだったな」ウヒャヒャ
ガタンゴトン
792
:
◆8YCWQhLlF2
:2019/04/09(火) 22:00:37 ID:MwTzfhf.
■ 神様「神様だ!」 神使「神力ゼロですが・・・」 番外編・2019年春
テクテク
神使「神様、約束してください」
神様「あ?」
神使「絶対に暴れない、絶対に問題を起こさない、絶対に言うことを聞く」
神様「お前さぁ、私を何だと思ってるわけ?」
神使「例えば、ものすごく可愛くて神様好みの少女さんがいたらどうします?」
神様「まぁペロるね」
神使「しかも・・・ その方が人とは少しだけ違う存在だとしたら?」
神様「そりゃ剥くよ。 そして全身をローアングルから舐め回すように―――」
神使「ダメです。 全て禁止です」
神様「はぁ? それじゃ私の存在意義がないじゃん」
793
:
◆8YCWQhLlF2
:2019/04/09(火) 22:01:14 ID:MwTzfhf.
神使「今回ばかりは神様がいつも通りに接すると国際問題になります」
神様「私は生物兵器か?」
神使「遠からず」
神様「おい」
神使「神様の身に何があっても責任取れませんので」
神様「それって何、どっかの国の王女様でも来るの?」
神使「そんな話はこちらサイドに話なんか回ってきませんから」
神様「こちらサイドと言うことは・・・」
神使「神宮の、いえ日本の恥だけはさらさないでくださいね」
神様「ん〜 よく分からないけど善処します!」ビシッ
794
:
◆8YCWQhLlF2
:2019/04/09(火) 22:02:06 ID:MwTzfhf.
――― キセキ野教会
神様「あれ? ここって・・・」
神使「キセキ野教会です」
神様「偽シスターのうさーがいるところだよな。 アイツと会うのは何百年ぶりかなぁ〜」
神使「去年お会いしてます」
神様「テヘッ」ペロッ
神使「いいですか神様、ここから先では大人しくしてくださいね。 約束ですよ?」
神様「わーてるって。 迷子の子ウサギみたいにかわゆくプルッてるから」
神使「では、入りましょう」
795
:
◆8YCWQhLlF2
:2019/04/09(火) 22:03:14 ID:MwTzfhf.
ギー
神様「レジース エンド ジェントルメン! 皆大好きかわゆい神ちゃんの登場だ! ドドン!!」
うさー「!?」ビクッ
神使「2秒前の約束も覚えていないんですか・・・」ハァ
うさー「げっ、神ちゃん!」
神様「げっ!って何だよ偽シスター」
うさー「本物のシスターだよ! なんで神ちゃんがここに・・・」
神使「申し訳ありません。 神様を巻くのに失敗しまして」ペコリ
うさー「う〜・・・ 終わった・・・」
神様「私を抜かして愉快な仮面舞踏会を開催するそうだな?」
うさー「そんなのしないよ! ここは教会! 修道院!」
796
:
◆8YCWQhLlF2
:2019/04/09(火) 22:04:00 ID:MwTzfhf.
神様「あれ? うさーだけか? 修道女ちゃんは?」キョロキョロ
うさー「あ〜 今パチカンの方に行ってて」
神様「パチカン!?」
神使「で、では神様。 温泉付のホテル取りましたから私達はそちらに行きましょうか」
ギー
一同「?」クルッ
少女「はじめまして、パチカンから参りましたウリエルと申します」ペコリ
うさー「は、はじめまして。 ず、随分早かったですね」
少女「遅れてはいけないと思いまして。 少し早すぎましたでしょうか、すみません」ペコリ
うさー「全然大丈夫だよ! 長旅で疲れたでしょう。 お部屋に案内するからこっちへ」スタスタ
神様「ぁ・・・ ぁ・・・」ワナワナ
神使「神様?」
神様「ワイのストライクゾーンにはまりマクリマクリスティー!」ピョーン
少女「キャー!!」
797
:
◆8YCWQhLlF2
:2019/04/09(火) 22:05:07 ID:MwTzfhf.
――― 数分後
神様「本当にすいませんでした。 ついテンションが・・・ 警察だけは勘弁を」ドゲザ
少女「気にしないでください。 熱烈な歓迎ありがとうございます」ニコッ
神使・うさー(良い子だ)
神使「神様、飛びつかないって約束しましたよね?」
神様「だって! こんな天使のようにかわゆい少女に抱きつかないなんて失礼だろ?」
神使「抱きつく方が失礼です」
神様「じゃぁ剥く? スポーンって」
神使「・・・・・・」ジー
神様「冗談だよ、人を剥くのは私の主義に反するから。 剥くのはこっち側のヤツだけ」
少女「あの〜・・・」
798
:
◆8YCWQhLlF2
:2019/04/09(火) 22:05:43 ID:MwTzfhf.
うさー「あっ、ごめんね紹介がまだだったね。 今土下座してるのが―――」
神様「私は、神宮に籍を置くとってもかわゆい巫女の神ちゃん!」
少女「巫女・・・ 聞いたことあります。 私達で言うところの修道女、シスターうさーと同じですね」ニコッ
うさー「まぁ、そんな感じだね。 いろんな意味で」ハハハ
神様「親しみを込めて皆はかわゆい神ちゃんと呼んでるから、そう呼んでもらって構わない」
少女「はい、かわゆい神ちゃん」ニコッ
神様「あんたが初めてや、そう呼んでくれたのは・・・」グスッ
少女「?」
神使・うさー(良い子だ)
799
:
◆8YCWQhLlF2
:2019/04/09(火) 22:06:20 ID:MwTzfhf.
うさー「そ、そしてこちらは神使さん」
神使「初めまして、神宮所属の神使と申します」ペコリ
少女「神使様!? 日本の神の使いですね! 仕える神は違えど私と同じですね」ニコッ
神様「ん?」
うさー「あ〜 彼女はパチカンの天使でウリエルちゃん」
少女「ウリエルと申します。 不束者ですがよろしくおい願いいたします」ペコリ
神様「天使なの?」
少女「はい。 でも、先日天使学校を卒業したばかりの未熟者でして」
神様「あ〜 こっち側なら剥いとく?」
神使「神様?」
神様「うそうそ」
800
:
◆8YCWQhLlF2
:2019/04/09(火) 22:06:55 ID:MwTzfhf.
神使「長旅ご苦労様です」
少女「初めての飛行機とても感動しました!」
うさー「さ、ウリエルちゃんお部屋に案内するね」
少女「その前に無事に着くことが出来た感謝を神に」
うさー「そだね、礼拝堂はこっち」スタスタ
少女「はい!」スタスタ
神様「・・・天使ねぇ〜」ボソッ
801
:
◆8YCWQhLlF2
:2019/04/09(火) 22:08:52 ID:MwTzfhf.
春だねぇ〜
802
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2019/04/09(火) 22:24:31 ID:jTwupuZs
神ちゃんまってたよーおかえりー
803
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2019/04/10(水) 09:28:27 ID:JmkRDRgY
神ちゃんktkr
乙!!!!11!1!!!
804
:
◆8YCWQhLlF2
:2019/04/11(木) 21:35:37 ID:7Jf3JPRU
――― 教会内・談話室
神様「交換留学?」
うさー「うん。 ウリエルちゃんは日本へ、修道女ちゃんはパチカンで研修」
神使「ウリエルさんはまだお若いのにしっかりされた方ですね」
うさー「さすが天使! とっても良い子だよね!」
神様「でも何でわざわざウリウリは日本へ?」
神使「また変なあだ名を勝手に付けて・・・」
うさー「ウリエルちゃんは将来日本の担当天使になりたいんだって」
神使「そこでウリエルさんの研修先として白羽の矢が立ったのがこのキセキ野教会なんです」
神様「ん〜 でも神宮は関係なくない?」
うさー「この教会は神宮の持ち物でもあるし、勝手にパチカンだけの判断って訳にもいかないみたいで」
神使「パチカンの方から神宮へ協力のお願いもありまして。 神宮としても、その・・・」
神様「めったにないチャンスだから監視したいと」
神使「まぁ、ストレートに言うとそうですね」
805
:
◆8YCWQhLlF2
:2019/04/11(木) 21:36:48 ID:7Jf3JPRU
神様「なるほどね〜 それでお守り役として私が選ばれた訳か」フム
神使「私と、うさーさんにです」
神様「どうして私がハブられるんだよ! そこは私だろ! 私が最優先だろ」
うさー「ウリエルちゃんはパチカンで100年ぶりの天使なんだよ? それだけ大切な存在なんだよ」
神使「100年ぶり?」
うさー「これウリエルちゃんの履歴書」スッ
神使「拝見します」
神様「ぱちかーの あんげー・・・」
神使「パチカン法王庁付属天使学校ですね」
神様「お前ヒンズー語読めるの?」
神使「これはラテン語です」
806
:
◆8YCWQhLlF2
:2019/04/11(木) 21:37:55 ID:7Jf3JPRU
うさー「天使学校は天使の養成を専門に行う特殊校で、ウリエルちゃんは100年ぶりの卒業生なんだって」
神様「そんなに通うの?」
うさー「違うよ、100年間天使生がいなかったんだよ」
神使「という事は、ウリエルさん一人のための学校という事ですか?」
うさー「うん。 彼女が卒業してまた休校になったみたいだけど」
神様「ふ〜ん。 新米天使ねぇ〜・・・」
神使「何か気になることでも?」
神様「ねぇ、あれ本当に天使なの?」
神使「どういう意味です?」
神様「う〜ん、私にはただの人にしか見えないんだけど」
うさー「あ〜 彼女はまだ正式には天使とは違うんだって」
神様「あ?」
うさー「正式な天使になるには、自ら困難な目標を立ててそれを達成した後に大天使の審査を経ないといけないんだよ」
神様「うわ〜 アチラさんが好きそうな仕組みだな」
うさー「ちゃんとした天使になったら輪っかも羽根も出せるらしいよ」
807
:
◆8YCWQhLlF2
:2019/04/11(木) 21:39:14 ID:7Jf3JPRU
神様「で、どこまで面倒見るの?」
うさー「輪っかでるまで」
神様「何その投げっぱなしジャーマン」
神使「私はその間、平穏に過ごせるように万全を期すようにと言われています」
神様「仕方ないな。 ウリウリは私が手塩にかけて立派なエンターテイナーに育て上げる!」
うさー「う〜 それが問題なんだってば〜」
神様「まずは人を引きつけるポーズ芸だな」
神使「神様、今回はお願いですから手を出さないで下さい。 何かあったら洒落になりません」
神様「あ? 私がこんなに面白いオモチャを見つけてそう簡単に諦め付くと思ってんの?」
うさー「諦めて!」
神使「ウリエルさんが日本にいる間、大人しくしていたらコーラ1年間フリーパス券をあげます」
神様「!?」ピクッ
神使「しかも前払いです」」
神様「宣誓! 明日より神ちゃんはひたすらニートになることを誓います! ラーメン」
うさー「神ちゃんの中でコーラの存在ってどれだけ大きいの? あと、アーメンね」
808
:
◆8YCWQhLlF2
:2019/04/11(木) 21:40:12 ID:7Jf3JPRU
神様「それより、ウリボーは?」
神使「ウリエルさんです」
うさー「シャワー。 すぐ来ると思うけど」
ガチャ
少女「遅くなりすみません」ホクホク
神様「うひょ〜 やっぱ辛抱たまらん! ウリウリちゃ〜ん」ピョーン
少女「うわっ!?」
神使「ちょっと神様! 約束をいきなり破らないで下さい!」
神様「バーカ、明日からって言ったし〜」
神使「うぐっ!」
809
:
◆8YCWQhLlF2
:2019/04/11(木) 21:41:00 ID:7Jf3JPRU
神様「高速スリスリー」スリスリ
少女「くすぐったいですよ神ちゃんさん」ウフフ
神使・うさー(良い子だ)
神様「ふおっっ〜っ!!」スリスリ
うさー「神ちゃんの目が完全にトランス状態なんだけど」
神使「30分もすれば飽きると思いますが・・・」
うさー「う〜 神使君、わたし明日からちょっと不安だよ」
810
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2019/04/12(金) 04:34:22 ID:KrqanyG6
おつ
嬉しいなぁ
811
:
◆8YCWQhLlF2
:2019/04/14(日) 23:28:31 ID:tF6njZkQ
――― 翌日
うさー「ふぁ〜」テクテク
少女「おはようございます、シスターうさー」ニコッ
うさー「おふぁよ〜 早いね〜」
少女「朝食の準備しておきましたから一緒に食べましょう」
うさー「ゴメンね、手伝わなくて」
少女「気にしないで下さい。 神ちゃんさんと神使様は?」
うさー「まだ朝の3時だしね。 寝かせておこうよ」
ガチャ
うさー・少女「?」クルッ
神様「ふぁ〜ぁ」ヨロヨロ
少女「神ちゃんさん! こんな早く・・・ もしかして、私達に合わせて・・・」
神様「ん? 私これから寝るところ」
812
:
◆8YCWQhLlF2
:2019/04/14(日) 23:29:25 ID:tF6njZkQ
天使「えー!? 今まで起きていたんですか!?」
うさー「もー ダメだよ? あんまり夜更かししちゃ」
神様「エンジェル・ワーにはまっちゃってさぁ〜」
うさー「エンジェル? 何それ?」
少女「!?(まさか神ちゃんさん、私のために天使の勉強を・・・?)」キラキラ
神様「かわゆい天使たちを手込めにして他の宗教を潰していくスマホゲーム」
うさー「それ“ワー”じゃなくて“ウォー”だね・・・」
少女「う〜・・・」ガクッ
うさー「と、取りあえず神ちゃんはお休み〜」
神様「おやふみ〜」トテトテ
うさー「さ、朝ご飯頂こうよ!」アハハ
少女「はい゛」グスン
813
:
◆8YCWQhLlF2
:2019/04/14(日) 23:30:27 ID:tF6njZkQ
――― 翌日
うさー「今日は良い天気だね〜」
神使「絶好のお掃除日和です」
少女「普段出来ないような細かいところもやってしまいましょう」
うさー「それじゃ、ウリエルちゃんは各お部屋のお掃除をお願い」
少女「はい!」
うさー「これ、お掃除セットね」
神使「あっ、こちらも一緒にお持ち下さい」スッ
少女「このスプレーは何ですか?」
神使「ダニよけ・・・ いえ、聖水です。 人体には無害ですので動かない布団にはそれで対処して頂ければと」
少女「動かない布団?」キョトン
814
:
◆8YCWQhLlF2
:2019/04/14(日) 23:31:29 ID:tF6njZkQ
――― 神様の部屋
コンコン
神様「あ〜い」
少女「ウリエルです。 お部屋のお掃除をしに来ました」
神様「どぞ〜」
ガチャ
少女「失礼しま・・・ す・・・」
神様「ん? どったの?」
少女「どうしたんですかこの惨状は!?」
神様「え?」
少女「こんなに散らかって」
815
:
◆8YCWQhLlF2
:2019/04/14(日) 23:33:16 ID:tF6njZkQ
神様「あ〜 私ニート生活中だから」
少女「そ、そうでしたか・・・ で、ではお掃除だけさせてもらいますね」ハハハ
神様「よろ〜」モソモソ
少女「・・・・・・。 あの〜」
神様「?」
少女「お布団を干したいのですが」
神様「いや〜 しばらく干さなくてジメった布団の匂いが好きでさぁ〜」クンクン
少女「・・・・・・」ガクッ
神様「後2週間くらいがベストかな? って、どったの?」
少女「」シュッ シュッ
神様「うわ〜!! 何これ! 染みるー!!」ピョン
少女「・・・・・・」
神様「目が〜 目が〜」タッタッタッ
少女(ダニよけってこういう事ですか?)
816
:
◆8YCWQhLlF2
:2019/04/14(日) 23:34:06 ID:tF6njZkQ
――― 数日後
神使「おはようございます。 うさーさん、ウリエルさん」
少女「おはようございます神使さん」ニコッ
うさー「おはよう神使君! 神ちゃんの様子はどう?」
神使「ニート生活を満喫しています。 たまにコーラとお菓子を買いに外へ出かけますが」
うさー「よくそんな生活飽きないね・・・」
少女「わ、私は朝の礼拝をしてきますね」ハハハ
うさー「そっか、じゃ私も一緒に――――」
ウリウリー! ウリウリーー!!
うさー「神ちゃん?」
神使「神様の部屋からですね」
少女「神ちゃんさん!?」タッタッタッ
817
:
◆8YCWQhLlF2
:2019/04/14(日) 23:35:45 ID:tF6njZkQ
――― 神様の部屋
バタン
少女「神ちゃんさん! どうされたんですか!?」ハァハァ
神様「うっ・・・ ウリウリが・・・ 私のウリウリが!!」プルプル
少女「わ、私ならここにいますが」
神様「大切に育て上げた私のウリウリが、堕天使にー!」
少女「・・・・・・」
うさー「どしたの?」
神使「何事ですか? 神様」
神様「昨日の夜は“おやすみ神ちおねーちゃん! 明日もキャッキャウフフしようね!”って言ってたのに」グスッ
神使「スマホゲーム?」
堕天ウリウリ『弱すぎるぞ人間ども! これから本当の地獄を見せてやる』ヒャヒャヒャ
少女「う〜・・・」ガクッ
818
:
◆8YCWQhLlF2
:2019/04/17(水) 04:27:48 ID:TcVHZDBA
――― 数日後
ガチャ
少女「ふ〜 難所の掃除がやっと終わりました・・・ 後はトイレ掃除だけですね」テクテク
少女「何であんなにバナナの皮が散らかっていたのでしょう・・・」
少女「日本の巫女さんはあんなにだらけていても大丈夫なのでしょうか?」
少女「信仰は違えど神に仕える者としていかがなものかと思いますが・・・」ハッ
少女「いけません。 天使たる私がこんな感情を抱くだなんて」
少女「もしかして、神ちゃんさんは私がこんな感情を抱かないように身をもって―――」
ジョー
少女「?」チラッ
819
:
◆8YCWQhLlF2
:2019/04/17(水) 04:29:44 ID:TcVHZDBA
神様「いや〜 オシッコが滝のように出るよ」ウヒャヒャ
少女「・・・・・・」パクパク
神様「ん? いや〜ん。 ウリウリに放尿シーン見られちゃった〜」クネクネ
少女「ど、ドアを閉めて用を足してください!」バタン
神様「メンゴメンゴ〜」
少女「まったく///」
うさー「ウリエルちゃーん」スタスタ
少女「シスターうさー!」ビクッ
うさー「どうしたの? お掃除終わった?」
少女「え? あ、はい。 一通り終わりました」
ガチャ
神様「ふぃ〜 沢山出たよ」
うさー「あ、神ちゃん。 丁度良かった」
820
:
◆8YCWQhLlF2
:2019/04/17(水) 04:30:45 ID:TcVHZDBA
神様「あ?」
うさー「暇ならお使い頼んでも良い?」
神様「え〜 面倒くせーな」
うさー「隣のはさまれ神社用の御神酒なんだけど」
神様「そんなの水でも良いだろ。 むしろ水じゃなきゃダメだろ」
うさー「う〜 一応体裁というか・・・ お駄賃あげるから」
神様「はい喜んで。 でも前金で頼むぞ」
うさー「分かったよ」
少女「・・・・・・」プルプル
うさー「どうしたのウリエルちゃん?」
神様「ウリボー顔赤いよ? 風邪でも引いた?」
少女「だ、大丈夫です。 それとウリボーでなくてウリエルです」ニコッ
神様「え〜 ウリボーの方が可愛いじゃん」
821
:
◆8YCWQhLlF2
:2019/04/17(水) 04:31:47 ID:TcVHZDBA
少女「シスターうさー、私がその御神酒というのを買ってきます」
うさー「え? でも大丈夫?」
少女「これも勉強ですから」
うさー「そうだね。 神ちゃんも付いていってあげてよ」
神様「お駄賃2倍な」
少女「私一人でも大丈夫です! トイレ掃除終わったら行ってきますので!」テクテク
うさー「う、うん。 じゃぁお願い」
神様「んじゃ、私ちょっとゲーセンで遊んでくる」トテトテ
うさー「分かった。 気をつけてね〜」
ガチャッ
少女「神ちゃんさん! トイレ使ったら流して下さい!!」
822
:
◆8YCWQhLlF2
:2019/04/18(木) 22:29:20 ID:BBAW.wKA
――― 商店街
テクテク
少女「まったく、神ちゃんさんときたら自分の信仰する神への献上品を買うのにお駄賃を要求するなんて」
少女「はっ! またこんな感情を・・・ 天使失格ですね」シュン
少女「あっ、お酒屋さん・・・ ここですね」
少女「すいません」
酒屋「いらっしゃい」
少女「御神酒を頂きたいのですが」
酒屋「御神酒ね、え〜と・・・ はい」スッ
少女「ありがとうございます。 お幾らでしょうか?」
神様「ちわ〜っす」トテトテ
少女「神ちゃんさん!?」クルッ
823
:
◆8YCWQhLlF2
:2019/04/18(木) 22:30:43 ID:BBAW.wKA
神様「ん? ウリボーじゃん。 ここで何してんの?」
少女「ウリエルです。 御神酒を買いに来たんです」
神様「あ〜」
少女「神ちゃんさんは何をしに?」
神様「私も買い物。 おっちゃん、いつもの5本」
酒屋「はいよ、コーラね」
少女「お酒屋さんでコーラ買うんですか?」
神様「この辺でビンのコーラはここしか売ってないんだよね〜」
少女「はぁ」
神様「御神酒ってそれ?」
少女「そうです」
神様「ん〜 15度かぁ〜 もう少し低いのある?」
酒屋「ここら辺か、あとは果実酒系かなぁ〜」
神様「あっ、その梅酒が良い」
酒屋「でも御神酒でしょ?」
824
:
◆8YCWQhLlF2
:2019/04/18(木) 22:31:41 ID:BBAW.wKA
神様「はさまれ神社用の献上用の神饌だから」
酒屋「はさまれ?」
神様「来週建立祭らしくて。 あそこに祀ってるの酒が苦手なヤツだから水でも良いと思ったんだけど」
酒屋「そっか〜 そう言う理由ならそれ持っていって良いよ」
少女「え?」
酒屋「氏神さまだしな。 金なんか取れないって」
少女「でも、それでは酒屋さんが」
神様「あんがと、お言葉に甘えてもらっていくわ」
少女「ちょ、神ちゃんさん?」
酒屋「神さんによろしくな」
神様「はいよ。 札作るように言っておくから後で届けに来る」
酒屋「ありがたいね」
神様「じゃぁね〜」トテトテ
酒屋「ちょっと待った。 そっちのコーラはお代もらうよ」
神様「チッ」
825
:
◆8YCWQhLlF2
:2019/04/18(木) 22:33:27 ID:BBAW.wKA
テクテク
少女「あの・・・ タダで頂いてしまっても良かったのでしょうか?」
神様「ん〜 タダじゃないよ? お札を代わりにあげるし」
少女「でもそれは・・・」
神様「特別に少し多めの神力入れたやつあげるし」
少女「日本の神はそんなに無差別に力を分け与えても大丈夫なんですか?」
神様「だからいっぱいいるんだよ。 一人じゃ無理だし」
少女「・・・・・・」
神様「?」
少女「あの・・・ 御神酒の件、ありがとうございました」ペコリ
神様「あ〜 いいって」
826
:
◆8YCWQhLlF2
:2019/04/18(木) 22:34:17 ID:BBAW.wKA
少女「私、何も考えずただ買うことばかり考えていて」
神様「まぁ、度数高いの買ってアイツをベロベロにさせるって手も面白そうなんだけど」ボソッ
少女「?」
神様「あ〜 気にしないで」
少女「私、神ちゃんさんのことを誤解して・・・ 先ほど水で良いといったのも理由が―――」
神様「まぁ、私もお駄賃と御神酒代が手に入ってウハウハだしね」ウヒヒ
少女「・・・・・・」ジトー
神様「んじゃ私はゲーセン行ってくるから! あとよろぴこー!」タッタッタッ
少女「う〜・・・」ガクッ
827
:
◆8YCWQhLlF2
:2019/04/18(木) 22:35:05 ID:BBAW.wKA
――― キセキ野教会
少女「ただいま戻りました」
うさー「あっ、お帰りウリエルちゃん」
少女「御神酒なんですが、これでも大丈夫でしょうか?」
うさー「梅酒? 美味しそうだね。 これなら私でも大丈夫かな」ボソッ
少女「?」
うさー「あ〜 ごめんごめん。 うん、凄く助かる。 ありがとね」ハハハ
少女「・・・・・・」
うさー「どうしたの?」
828
:
◆8YCWQhLlF2
:2019/04/18(木) 22:35:48 ID:BBAW.wKA
少女「シスターうさー・・・ 私、本当に天使になれるのでしょうか?」
うさー「だ、大丈夫だよ! ウリエルちゃんとっても頑張ってるし!」
少女「天使試験の課題もまだ見つけられませんし、私だんだん自信が・・・」
うさー「急ぐことないって。 大丈夫だから、ね?」
少女「・・・・・・。 そうですね、すいません弱音を吐いてしまって」
うさー「相談があったら何でも言ってね?」
少女「ありがとうございます。 少しお祈りしてきます」テクテク
うさー「う、うん」
うさー「・・・・・・」
829
:
◆8YCWQhLlF2
:2019/04/18(木) 22:38:00 ID:BBAW.wKA
――― 聖堂
少女「天にまします父なる神よ・・・」
ギイー
少女「?」クルッ
神様「いや〜 景品大量ゲッツ! 私、これで食っていけるんじゃね?」ホクホク
少女「・・・・・・」ジトー
神様「お〜 ウリボー、お務め?」
少女「ウリエルです。 凄い量のお荷物ですね」
神様「あっ、コレあげようか。 胴長ヌコのぬいぐるみ」
少女「!?(か、かわいい!!)」キュン
神様「これスペシャル版のレアでさぁ、普通のよりも胴が2倍長いんだよね〜」
少女「本当にもらっても良いんですか?」パァー
830
:
◆8YCWQhLlF2
:2019/04/18(木) 22:38:36 ID:BBAW.wKA
神様「御神酒代があって良かったよ。 あと100円足りなかったら取れなかったし」
少女「うっ・・・」
神様「いらないの?」
少女「先ほどの御神酒代で買われたんですか?」
神様「買ったというか勝った。 一か八かの賭けだったんだけどね〜 我の勝利なり!」
少女「・・・では神に献上した方が良いのでは? 勝負事で得た物というのが引っかかりますが」
神様「何で?」
少女「元は神に献上するための御神酒代ですし」
神様「ん〜 じゃ私がもらっとくか」
少女「いえ、神に・・・」
神様「さて、部屋に戻って“エンジェル・ワー”タイムだな」トテトテ
少女「う〜・・・」ガクッ
831
:
◆8YCWQhLlF2
:2019/04/18(木) 22:39:10 ID:BBAW.wKA
少女「はぁ〜・・・ 神ちゃんさんは悪い人ではないのですが、聖職者として・・・」
少女「神よ、私はどうしたら・・・・・・」
少女「!?」ハッ
少女「これだ!」
832
:
◆8YCWQhLlF2
:2019/04/21(日) 01:53:23 ID:fjPKYnzQ
――― 夜・神使の部屋
トントン
神使「はい」
うさー「うさーです」
神使「どうぞお入り下さい」
ガチャ
うさー「神使君、ちょっと良いかなぁ〜」モジモジ
神使「?」
833
:
◆8YCWQhLlF2
:2019/04/21(日) 01:55:03 ID:fjPKYnzQ
うさー「実は神ちゃんのことなんだけどね」
神使「大人しそうにしていたようですが、また何か悪さしましたか?」
うさー「いや、そうじゃないんだけど・・・」
神使「神様が台所で発見した隠しチョコの件ですね? さっきチョコを齧っているところを見ました」
うさー「・・・・・・。 無くなってたけど、その件とは違うかな」
神使「では、聖堂に隠していた大量のカップラーメンでしょうか? 神様が狙っているのは何度か見ましたが」
うさー「う〜 その件でもないよ。 でも何とかして欲しいな」
神使「では何でしょう?」
うさー「やっぱり神ちゃんにウリエルちゃんの教育係を手伝って欲しいなぁ〜って」
神使「え?」
うさー「ほら、神ちゃんって何だかんだいって長い間神や神使を育てたりしてるし・・・」
神使「確かに実績があることは間違いございませんが、どうして急に?」
うさー「私みたいな平凡なシスターじゃ荷が重いって言うか・・・」
834
:
◆8YCWQhLlF2
:2019/04/21(日) 01:55:59 ID:fjPKYnzQ
神使「うさーさんはシスターである前に立派な日本の神ではないですか」
うさー「う〜 立派じゃないよ。 大した功績もないし、現に神社の神としての役割なんてほとんど果たしてないから」
神使「お隣のはさまれ神社、先日参拝しました。 とても手入れが行き届いていて立派でしたよ?」
うさー「あれは、前に神ちゃんと約束したから・・・」モジモジ
神使「まぁ確かに、ここ数日の神様は完全にニート化して堕落しまくっていますからね」
うさー「引きこもっているだけでもインパクトが強いというか」ハハハ
神使「分かりました。 私から神様に教育係の件をお話しいたします」
うさー「本当!? 私も一緒にお願いするよ!」
神使「いえ、言い方を間違うと調子に乗るので私に任せて下さい」
うさー「そ、そうだね。 張り切りすぎると神ちゃん暴走しちゃうからね」ハハハ
神使「切り札の牡蠣食べ放題券を残しておりますので」
835
:
◆8YCWQhLlF2
:2019/04/21(日) 01:57:00 ID:fjPKYnzQ
トントン
神使・うさー「?」
ガチャ
少女「失礼します」ペコリ
うさー「ウリエルちゃん、どうしたの?」
少女「シスターうさーと、神使様にお話しがあります」
神使・うさー「話?」
836
:
◆8YCWQhLlF2
:2019/04/21(日) 01:57:43 ID:fjPKYnzQ
――― 神様の部屋
神様「よっしゃ! ミッションコンプリーツ!」
神様「課金無しでここまでするって、やっぱ私才能あるわ。これで食っていけるんじゃね?」
グー
神様「腹減ったな。 軽くカップラ食べるかな」ヨイショ
神様「確かうさーが隠してるヤツがまだあったよな」トテトテ
837
:
◆8YCWQhLlF2
:2019/04/21(日) 01:58:36 ID:fjPKYnzQ
――― 談話室
うさー「えー!!」
神使「本気なんですか!? ウリエルさん!」
少女「はい。 天使試験の課題として不足は無いと思います」
うさー「まぁ確かに超ハードだけど・・・」
神使「もう一度考え直した方が」
少女「いえ、もう決めました。 私、ウリエルは―――」
神様「ねぇ、隠しカップラの場所変えた?」トテトテ
少女「神ちゃんさんを立派な聖職者として迷える人達の役に立つよう導くことを誓います!」
うさー・神使「・・・・・・」
神様「何? 私をどうするって?」キョトン
838
:
◆8YCWQhLlF2
:2019/04/21(日) 01:59:31 ID:fjPKYnzQ
――― 数分後
神様「イ〜ヤ〜だ〜」ジタバタ
少女「ダメです。 神ちゃんさんには、これからたっぷりと聖職者の本分を教えて差し上げます!」
神様「私は巫女! シスターじゃなーい!」ジタバタ
少女「根底は同じようなものです」
神様「違うから! そもそも私は宗教とか興味ないし!!」
少女「巫女さんがそんな事を言ってはいけません。 やはりご自分の立場が分かっていないようですね」
神様「それに何でイスに縛られてるんだよー」ジタバタ
少女「今日のノルマが終わるまでは辛抱して下さい。神もお喜びなると思います」ニコッ
神様「イスに縛って喜ぶとかドSかよ!!」
839
:
◆8YCWQhLlF2
:2019/04/21(日) 02:00:10 ID:fjPKYnzQ
うさー「う〜 神使君どうしよう」
神使「教育係の役割が逆転してしまいましたね・・・」
うさー・神使「・・・・・・」
うさー「まぁ、良いっか!」ニコッ
神使「そうですね」ニコッ
神様「おい、そこの二人! 何意気投合してんだよ! 助けろー!!」ジタバタ
840
:
◆8YCWQhLlF2
:2019/04/21(日) 02:01:18 ID:fjPKYnzQ
――― 翌日
神使「様子はどうです?」
うさー「凄いスパルタだよ」
少女「では、エノク書からとても重要な最後の審判を紐解きます」
神様「自然のエノキって傘がデカいんだよね・・・」フフフ
神使「神様かなり弱ってますね・・・」
うさー「目に生気が無くなってるね」
841
:
◆8YCWQhLlF2
:2019/04/21(日) 02:02:35 ID:fjPKYnzQ
――― 夜
少女「お疲れ様でした。 今日はここまでにしましょう」
神様「メシア・・・ ラッパ・・・」ピクピク
少女「続きは明日の朝食後、朝4時から始めます」ニコッ
神様「あっ、あの光る箱は何だろう〜 まって〜 もう1回ラッパ聞かせて〜」フラフラ
神使「何か見えちゃいけない物が見えているようですね・・・」
うさー「神ちゃんラッパの音聞こえちゃったのかなぁ〜?」
842
:
◆8YCWQhLlF2
:2019/04/21(日) 02:04:17 ID:fjPKYnzQ
――― 深夜・神様の部屋
神様「はぁ〜 この宿題全然わかんねーよ・・・ 何だよ7章13節って・・・」
神様「・・・・・・。 しゃーねーな、本借りてくるか」トテトテ
――― ウリエルの部屋
トントン
神様「入るよ〜」ガチャッ
神様「ん? ウリボーいねーじゃん。 トイレか?」キョロキョロ
神様「うわ〜 部屋の中なんもないじゃん。 よくこんな部屋で生活できるな」
神様「・・・・・・。 机の上に置かれた1枚の手紙・・・」ニヤッ
神様「私へのラブレターですね。 分かります」ペラッ
神様「どんな愛のメッセージが―――」
神様「・・・・・・」
843
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2019/04/21(日) 17:44:28 ID:RmeDux5E
おつおつ
844
:
◆8YCWQhLlF2
:2019/04/22(月) 23:28:54 ID:kOwmecs.
――― 数日後
ガチャ
神様「」トテトテ
神使「あっ、神様おはようご・・・ ざ・・・」
うさー「げっ!」
神様「皆様おはようございます」ニコッ
うさー「どうしたの神ちゃん! その格好!」
神様「何がですか?」
神使「それは、修道女の・・・」
神様「私、シスターかわゆーいカミーとして心を入れ替えまして」オホホ
うさー「う〜 神ちゃんが気持ち悪い!」
神様「シスターうさー? 朝からご冗談が過ぎますよ?」トテトテ
845
:
◆8YCWQhLlF2
:2019/04/22(月) 23:30:14 ID:kOwmecs.
ゲシッ
うさー「痛い!」
神様「あら、大丈夫ですか!? 足が当たってしましました。 申し訳ありません」
うさー「だ、大丈夫だよ」スリスリ
神使「?」
ガチャ
少女「おはようございます、皆さん」
神様「おはようございます。 天使ウリエル」
少女「まだ正式な天使ではないのでウリエルで良いですよ」ニコッ
神様「はい。 では朝食の準備でもいたしましょう」
少女「私もお手伝いします」
神様「皆様、準備が出来ましたらお呼びいたしますので」ペコリ
バタン
846
:
◆8YCWQhLlF2
:2019/04/22(月) 23:31:15 ID:kOwmecs.
神使・うさー「・・・・・・」
うさー「う〜 神ちゃん洗脳されちゃったのかなぁ?」
神使「まぁ、良いのではないでしょうか?」
うさー「え〜!? 良いの?」
神使「それよりうさーさん、明日ははさまれ神社の建立祭ですよね?」
うさー「あー、うん」
神使「ウリエルさんは?」
うさー「丁度、明日は本教会の方へ出かける用事があるみたい」
神使「そうですか。 では準備は私がしておきますので、明日は主神としてよろしくお願いします」
うさー「緊張するなぁ〜」
神使「大丈夫ですよ。 ウサ之神さま」ニコッ
うさー「わかった! がんばる!」
847
:
◆8YCWQhLlF2
:2019/04/22(月) 23:32:16 ID:kOwmecs.
――― 翌日
少女「それでは留守中よろしくお願いいたします」ペコリ
神様「特に犬こ・・・ 神使さま」ニコッ
神使「はぁ・・・ といいますか、神様も一緒にお出かけになるんですか?」
神様「私がいないと始まりませんので」オホホ
神使「口調が修道女というかお嬢さまキャラになってますが・・・」
少女「それでは、行って参ります。 帰りは遅い時間になると思いますので」
バタン
うさー「ウリエルちゃん行った?」コソッ
神使「はい、神様と一緒に出られました」
うさー「さすがにこの格好は見せられないしね」ハハハ
848
:
◆8YCWQhLlF2
:2019/04/22(月) 23:33:32 ID:kOwmecs.
神使「随分とご立派なご装束ですね」
うさー「う〜 猫神からお祝いにもらってんだけどゴワゴワして動きづらいよ〜」
神使「すぐ慣れますよ」
うさー「じゃ、建立祭の準備しようか」
神使「はい。 あっ、そういえば祓いで使う用具が見当たらなかったのですが」
うさー「あ〜 地下にあるよ。 今取ってくるね」テクテク
神使「私が取ってきますから、うさー様は御支度を」
うさー「大丈夫だって、ってうわー!」ゴロゴロ
ズドン
神使「うさー様!」
849
:
◆8YCWQhLlF2
:2019/04/22(月) 23:34:30 ID:kOwmecs.
――― 教会前
少女「それでは行きましょうか、シスターカミー」
神様「やべ、飴ちゃん忘れた」
少女「?」
神様「あっ、いえ・・・ 聖書を忘れてしまいまして! すぐ取って参ります」
少女「時間はありますから慌てなくても大丈夫ですよ」ニコッ
神様「すいません」タッタッタッ
ギー
神様「あぶね〜 素が出るところだった・・・」テクテク
う〜 う〜
神様「?」
850
:
◆8YCWQhLlF2
:2019/04/22(月) 23:35:21 ID:kOwmecs.
――― 教会内
神使「大丈夫ですか! うさー様!」
うさー「う〜・・・」
神様「おい、どうしたんだよ」スタスタ
神使「あっ、神様」
うさー「地下に行こうとしたら階段から落ちちゃって」
神様「大丈夫か?」
神使「お怪我は? 立てますか?」
うさー「足挫いちゃったみたい」
神使「今日の建立祭、延期にした方が良さそうですね」
神様「・・・・・・」
うさー「う〜」
851
:
◆8YCWQhLlF2
:2019/04/22(月) 23:36:10 ID:kOwmecs.
神様「おい、何か書くもの持ってるか? あと紙」
神使「祭儀で使う筆ペンと奉書紙でしたら」スッ
神様「詩人かよ、まぁ良いや貸せ」
神使「どうされるんです?」
神様「手紙だよ」カキカキ
神使「手紙?」
神様「ちょっと待ってろ、動くなよ! すぐ戻ってくるから!」タッタッタッ
神使「ちょ、神様!?」
852
:
◆8YCWQhLlF2
:2019/04/22(月) 23:37:11 ID:kOwmecs.
ギー
少女「シスターカミー、聖書はありましたか?」
神様「すみませんウリエル。 先に試験会場の方へ行って下さい」
少女「!? どうして試験だって事知っているんですか!? 誰にも言っていないのに!」
神様「この手紙をミカエルに」スッ
少女「!? 神ちゃんさんミカエル様を知っているんですか!?」
神様「詳しくは後で」
少女「・・・・・・。 何かあったのですか?」
神様「え〜と・・・ 私は神を助けないと」
少女「神!? でしたら私も―――」
神様「行って。 ウリウリが戻ったら神も心配するから」
少女「・・・・・・」
神様「大丈夫。 これはウリエル自身への神からの試練だと思って」
少女「・・・・・・。 分かりました。 では行って参ります」ペコリ
853
:
◆8YCWQhLlF2
:2019/04/24(水) 01:23:55 ID:eaEPLPf2
――― 本教会・天使試験会場
司祭A「それでは、天使試験の面接を始めます」
少女「よろしくお願いいたします」
司祭B「え〜と・・・ ウリエル一人ですか?」
少女「はい」
司祭A「確か、シスターも一緒に来ると聞いていましたが」
少女「申し訳ありません、シスターカミーは用事が出来てしまいまして」
ミカエル「シスターカミ〜?」
司祭B「確か、ウリエルの試練で更生させたシスターでしたよね?」
少女「はい」
ミカエル「・・・・・・」
854
:
◆8YCWQhLlF2
:2019/04/24(水) 01:24:39 ID:eaEPLPf2
司祭A「どうかされましたか? 大天使ミカエル」
ミカエル「いえ、何でもありませ〜ん」
司祭B「しかし、そのシスターを面接しないと更生具合が分かりませんね」
少女「シスターカミーはどうしても外せない用事が・・・」
司祭A「大天使ミカエルも忙しい中、時間を割いて来て頂いているのですよ?」
司祭B「あなたの今後がかかった試験でもありますし、連れてくることは出来なかったのですか?」
少女「・・・・・・。 申し訳ありません」
司祭A「仕方ありませんね」
司祭B「残念ですが規定に則り今日の天使試験は中止にします」
少女「えっ・・・」
855
:
◆8YCWQhLlF2
:2019/04/24(水) 01:25:31 ID:eaEPLPf2
――― 1時間後・大教会廊下
少女「あの、ミカエル様?」トボトボ
ミカエル「ウリエルですか。 まだいたので〜すか?」
少女「この手紙をお渡しするようにと」スッ
ミカエル「手紙?」
少女「シスターカミーからです」
ミカエル「・・・・・・。 そうで〜すか」
少女「ミカエル様・・・ 私、今回はダメでしたが・・・」
ミカエル「・・・・・・」
少女「いつか絶対天使になって、尊敬するミカエル様と同じこの日本の担当天使になります! 失礼いたします」タッタッタッ
ミカエル「・・・・・・」ペラッ
ミカエル「お〜 これは中々面白いで〜すね」
856
:
◆8YCWQhLlF2
:2019/04/24(水) 01:26:26 ID:eaEPLPf2
――― はさまれ神社・本殿
うさー「え〜!? 神ちゃんお芝居してたの!?」
神様「気付よ」
うさー「神使君は神ちゃんがお芝居してたこと知ってた?」
神使「えぇ、たまに素が出てましたから」
うさー「う〜 全然気がつかなかったよ〜」
神様「これでよし! っと」
うさー「よしって、これじゃ私動けないんだけど・・・」
神様「足挫いてるんだからどちらにしろ動けないだろ」
うさー「そうだけどさぁ〜 なにも天井から吊さなくても・・・」
857
:
◆8YCWQhLlF2
:2019/04/24(水) 01:27:16 ID:eaEPLPf2
神使「足浮いてますよ? もう少し下げた方が良いと思いますが」
神様「ま、微調整は後でやるとして。 ・・・変な衣装で良かったな、これなら気づかれない」
うさー「変な衣装って、猫神に怒られるよ?」
神様「・・・・・・。 とても素敵な装束だ。 私も着たいなぁー で、今日の式次第は?」
神使「こちらです」
神様「ん〜 祓いとか動きのある物は犬ころが代理でやるとして、このピョンピョン式って何?」
うさー「うさぎ舞!」
神様「は?」
うさー「私が考案した“うさぎ”をモチーフにした舞なんだけど、とっても可愛く―――」
神様「変な舞を勝手に作るな」
うさー「う〜」
858
:
◆8YCWQhLlF2
:2019/04/24(水) 01:28:12 ID:eaEPLPf2
神様「仕方ないな、舞は私が代わりにやろう」
うさー「え!? 神ちゃんやってくれるの!?」
神様「なんだよ、文句あるのか?」
うさー「うれしい! 神ちゃんの舞見るの久しぶりだから楽しみ〜」
神使「私、その時は下の観客席で拝見いたします」
うさー「私も〜」
神様「お前はここに固定だよ。 ぐるぐる周りで優雅に舞ってやるよ」
うさー「う〜」
859
:
◆8YCWQhLlF2
:2019/04/24(水) 01:28:50 ID:eaEPLPf2
――― 帰り道
少女「はぁ・・・」トボトボ
少女(シスターうさーや神使様・・・ そしてシスターカミーに会わす顔がないですね・・・)
♪ピ〜 ヒョロ ピ〜
少女「? 何の音でしょう・・・ とても幻想的な音色」
♪ピ〜 ヒョロ ピ〜
少女「あれはお隣の神社さん・・・ あんなに大勢の人が」タッタッタッ
860
:
◆8YCWQhLlF2
:2019/04/24(水) 01:29:31 ID:eaEPLPf2
――― はさまれ神社
ガヤガヤ
少女「フェスティバル・・・ いえ、ミサでしょうか?」キョロキョロ
参拝者「幻想的だったねぇ〜」
参拝者「あぁ、あんな綺麗な舞を見たの始めてだよ」
少女「あのすいません」
参拝者「はい?」
少女「何かやっているんですか?」
参拝者「あぁ、奥で巫女さんが舞をやっててね。 凄く綺麗だから見てきたら?」
少女「ありがとうございます。 行ってみます」ペコリ
861
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2019/04/24(水) 20:46:27 ID:ftJe3T5U
やばいのか?www
862
:
◆8YCWQhLlF2
:2019/04/24(水) 20:56:42 ID:eaEPLPf2
――― 本殿前
少女「これは、確か日本古来の踊り」
少女「あれ? あの巫女さんって・・・・・・」
♪〜
少女「神ちゃんさん!? シスターうさーも・・・ それに、あの格好・・・」
♪〜
少女「・・・・・・。 綺麗・・・」
ミカエル「そうで〜すね。 とても美しいで〜す」
少女「ミカエル様! どうしてここに!?」クルッ
ミカエル「一度、本物の“巫女舞”というのを見たくて来ま〜した」
少女「そ、そうでしたか」
863
:
◆8YCWQhLlF2
:2019/04/24(水) 20:57:35 ID:eaEPLPf2
ミカエル「心が洗われま〜すね」
少女「とても神聖な雰囲気なんですね・・・」
ミカエル「当然です。 日本の神が直接やっているのですから。 中々見られませ〜んよ?」
少女「日本の神!?」
ミカエル「はい。 彼女は日本の神で〜すよ」
少女「ま、またまた〜 ミカエル様は相変わらずご冗談がお上手ですね」ニコッ
ミカエル「主に誓って嘘ではありませ〜ん」
少女「・・・・・・」
ミカエル「しかも〜、最高神さまで〜す」
少女「え〜!? 最高神!?」
ミカエル「大きな声を出してはいけませ〜ん」シー
少女「うっ・・・ すいません///」
864
:
◆8YCWQhLlF2
:2019/04/24(水) 20:58:59 ID:eaEPLPf2
ミカエル「あの方は、とても立派な神さまで〜す」
少女「シスターうさーが日本の最高神・・・ それであんな格好を」
ミカエル「違いま〜す。 彼女も日本の神ですが、最高神はもう一人の方で〜す」
少女「もう一人って・・・ ま、まさか巫女の神ちゃんさん!?」
ミカエル「あのお方は巫女さんなんかではありませ〜ん。 日本の神の頂点、最高神様で〜す」
少女「・・・・・・」パクパク
ミカエル「ウリエルは、日本の神の頂点である方を聖職者として更生させたそうで〜すね」
少女「あ、いや・・・ あの・・・」アワアワ
ミカエル「日本の最高神を指導するとは見上げた根性で〜す」
少女「・・・・・・」サー
865
:
◆8YCWQhLlF2
:2019/04/24(水) 20:59:52 ID:eaEPLPf2
パチパチパチパチ
ミカエル「終わったようで〜すね」
少女「私の人生の事でしょうか・・・」ガクッ
ミカエル「ウリエル?」
少女「はい゛」
ミカエル「日本の神さま達があなたに用があるようですよ?」
少女「え?」
うさー「」ニコッ
神さま「」ニタァ
少女「うっ・・・」ブルブル
866
:
◆8YCWQhLlF2
:2019/04/24(水) 21:01:07 ID:eaEPLPf2
――― 本殿
少女「本当に申し訳ございませんでした!」ドゲザ
うさー「何してんのウリエルちゃん! 頭上げてよ!」
少女「お二人が日本の神とは知らず失礼を働いたことをお詫びいたします!」
うさー「私はただのシスターだから。 神って言っても底辺だし」
少女「いいえ、素で浮遊してしまう位の力をお持ちのようで!」
うさー「あ、これは天井から吊られてるだけで・・・」
神様「人だろうが天使だろうが神だろうが関係ないでしょ」
少女「何と慈悲深きお言葉! しかし、私のような者が対等に接するなど許されることではございません」
神様「ウリボーは人から崇められたいと思ってる?」
少女「私はただの見習いですから・・・」
867
:
◆8YCWQhLlF2
:2019/04/24(水) 21:02:45 ID:eaEPLPf2
神様「正式な天使になったら崇められたい?」
少女「そんな風には・・・ 天使は常に人と寄り添って分け隔てなく皆さんに祝福を届ける存在ですので」
うさー「私達も同じ。 だから普通に接してくれると嬉しいなぁ〜」
神様「それに、ウリボーの上司を見て?」
少女「?」クルッ
ミカエル「これは何で〜すか?」
神使「それは笏と言います」
ミカエル「どう使うのですか?」
神使「うちの神様は直接祝詞を書き込んでカンニング用として使っています」
ミカエル「なるほど〜 とても興味深いで〜す」
神様「私達を無視して勝手にうちの犬ころとくっちゃべってるあの態度!」
ミカエル「お〜 失礼しました。 ウリエルとおしゃべりは終わりましたか?」
少女「・・・・・・」
神様「ね? 尊敬も敬意も微塵もありませんわ」
868
:
◆8YCWQhLlF2
:2019/04/24(水) 21:04:03 ID:eaEPLPf2
ミカエル「お〜 失礼しました。 コーヒーでも飲みに行きますか? シニョリーナ」
神様「いかねーよ!」
ミカエル「残念で〜す」
神様「ったく。 で、ウリボーは無事天使になれたんでしょ? 輪っか見せてよ〜」
少女「・・・・・・」
うさー「まさか・・・」
神様「おい、ミカエルの坊さんよ。 もしかして不合格にしたのか?」
少女「ミカエル様は関係ありません。 私の力不足です・・・ 」
うさー「ウリエルちゃん・・・」
少女「日本の神に失礼を働いたのですから、天使失格・・・ いえ、聖職を名乗る資格もないです・・・」
ミカエル「誰が不合格だと言いま〜したか?」
少女「え?」
869
:
◆8YCWQhLlF2
:2019/04/24(水) 21:05:14 ID:eaEPLPf2
ミカエル「あなたは天使で〜す。 それ以外の何者でもありませ〜ん」
少女「でも、天使試験は・・・」
ミカエル「あんなのパチカンが勝手に作ったものですから天界はノータッチで〜す」
神様「あ?」
うさー「じゃあ何でウリエルちゃんは日本に?」
ミカエル「日本の担当天使になりたいウリエルを現地で研修させるのは当然で〜す」
一同「・・・・・・」
ミカエル「天使学校も必要ないんですが、一応パチカンの顔も立ててあげないといけませ〜んしね」
少女「私の学校生活の時間が・・・」ガクッ
ミカエル「お〜 でも、聖書とか日本語の勉強とかは役に立ったではずで〜す」
神様「自分で教えるのが面倒だからパチカンに振っただけだろ」
ミカエル「主のお導きで〜す」
870
:
◆8YCWQhLlF2
:2019/04/24(水) 21:06:05 ID:eaEPLPf2
神様「お前さぁ、天界とパチカンの付き合い考え直した方が良いんじゃね?」
うさー「という事はウリエルちゃんは天使合格って事?」
ミカエル「合格も何もウリエルは生まれたときから天使で〜す」
少女「でも、私まだ羽も輪っかも・・・」
ミカエル「出し方を知らないんで〜すか?」
少女「はい?」
ミカエル「神の姿を頭の中で思い描き、その力をおわけ下さ〜いと念じるだけで〜す」
少女「しかし、私まだ一度も主にお会いしたことが・・・」
ミカエル「そうなんで〜すか?」
神様「お前・・・」
871
:
◆8YCWQhLlF2
:2019/04/24(水) 21:08:38 ID:eaEPLPf2
少女「神の姿を思い描く・・・」
ピカー
少女「主よ、私に天使の力を」
ピカー
ミカエル「!?」
神様「うお! ウリボーが光ってる!」
シュー
少女「あれ、私・・・」
一同「・・・・・・」
少女「どうされたんですか、皆さん?」キョロキョロ
872
:
◆8YCWQhLlF2
:2019/04/25(木) 02:03:08 ID:DPrz/maA
神使「これは何というか・・・」
うさー「まぁ、羽根と輪っかは出てるから天使と言えば天使だけど・・・」
神使・うさー(なぜ巫女服姿)
神様「うひょー 巫女服きゃわゆい!!」
少女「あれ? なんですかこの格好!?」
ミカエル「ウリエル・・・ あなたは何の神を思い描いたので〜すか? 主とお会いしたことないんで〜すよね?」
少女「え〜と・・・」
神様「やーいやーい、主とやらに合わせないから私に取られてやんの」ウヒャヒャ
神使「これって・・・」
神様「さぁ、ウリボー。 私がママですよ?」チッチッチッ
神使・うさー(悪質な刷り込み)
873
:
◆8YCWQhLlF2
:2019/04/25(木) 02:03:48 ID:DPrz/maA
ミカエル「日本の神のイメージからでも天使の力が発動するとは思いませ〜んでした」
うさー「ミカエルさん、これってどうなっちゃうの?」オロオロ
ミカエル「羽根と輪っかはありますし・・・ 日本担当天使としては良いんじゃないでしょ〜か」
うさー「良いの!?」
少女「主よ、私に天使の力を与えてくれたことを感謝します。 アーメン」
神様「ウリウリ〜 それは君の主である私の方に向いて言って欲しいなぁ〜」クネクネ
874
:
◆8YCWQhLlF2
:2019/04/25(木) 02:04:49 ID:DPrz/maA
――― 翌日・教会内
少女「ちょっと神ちゃん様、くすぐったいですよ」フフ
神様「ん〜 そんなよそよそしい呼び方しないでさぁ〜」
神使「神様、ウリエルさんにご迷惑ですから離れて下さい」グイッ
神様「あ〜! だって羽根がフサフサで気持ちいいんだも〜ん」ジタバタ
うさー「でも、無事に天使になれて良かったね!」
少女「うさー様には大変感謝しております。 色々とご迷惑をおかけしました」ペコリ
うさー「水くさいよ。 今まで通りシスターうさーで良いって」
神様「私も今まで通り神おねーちゃんで良いって」
神使「そんな風に呼ばれたことないじゃないですか・・・」
少女「ふふっ」ニコッ
875
:
◆8YCWQhLlF2
:2019/04/25(木) 02:05:45 ID:DPrz/maA
神様「あ〜 本当きゃわゆいなぁ〜」ウットリ
神使「神様、鼻の下伸びすぎです」
神様「お前も女になって天使にジョブチェンしろ」
神使「何ですかそれ・・・」
神様「だって、あの羽根! あの輪っか! そして巫女装束!! 完璧すぎて鼻血でるわ」クハッ
ミカエル「そんなに天使が好きでしたら、私も羽根と輪っか出しましょ〜うか?」
神様「うっせーよ。 加齢臭天使はお呼びじゃない」
うさー「ゴメンね、ミカエルさん」ハハハ
ミカエル「全然〜 1ミリも気にしてませ〜ん」
神様「なんか、一々言い方がムカつくんですけど?」
876
:
◆8YCWQhLlF2
:2019/04/25(木) 02:07:06 ID:DPrz/maA
うさー「で、ミカエルさん達はこれからどうするの?」
ミカエル「私は一度パチカンに戻りま〜す」
神使「ウリエルさんが無事天使になれた報告ですね?」
ミカエル「違いま〜す。 これをパチカンに届けに行きま〜す」スッ
うさー「それは?」
神使「棒書のようですが?」
神様「おい、それ・・・」
ミカエル「は〜い。 日本の最高神様から頂いたお手紙で〜す」
神使「手紙って・・・ 先日神様が書いていたやつですか?」
ミカエル「『ウリエルを悲しませることしたら全力で潰す』というお言葉が書かれていま〜す」
少女「神ちゃんさま・・・ まさか私のために・・・」
神様「あ〜 いや何というか・・・ っていうか、その手紙をどうするつもりだよ!」
ミカエル「パチカンの法皇に渡しま〜す」
神様「おまっ、誤解招くようなことするなよ!」
877
:
◆8YCWQhLlF2
:2019/04/25(木) 02:08:26 ID:DPrz/maA
ミカエル「これは、日本の神からパチカンへの正式な手紙で〜すから」
神様「天使試験をどうにかしろって内容だろうが! パチカン宛じゃねーよ」
神使「経緯を知らない方が読んだらただの脅しですね・・・」
うさー「神ちゃん、パチカンに喧嘩売っちゃダメだよ・・・」
神様「売ってないから」
うさー「ミカエルさん、私を含め他の日本の神は無関係だからね」
神使「当然、神宮と神使一同も無関係です」
ミカエル「お〜 そうなのですか?」
神使「この場で破棄という事でお願い出来ないでしょうか?」
ミカエル「実はウリエルの試験を担当した司祭達にこの手紙を見せまして〜」
一同「・・・・・・」
878
:
◆8YCWQhLlF2
:2019/04/25(木) 02:09:45 ID:DPrz/maA
ミカエル「司祭達は血相を変えてパチカンと連絡を取り合っていま〜したね」
神様「それって・・・ おおごと?」
ミカエル「来週、神宮とパチカンで対策会議を開くそうで〜す」
神様「お前、何面倒くさいことしてくれてんだよ!!」
少女「神ちゃん様・・・ 私の事をそこまで心配してくれていたのですね・・・」ウルウル
神様「そ、そりゃ私のウリウリだからね。 全力の親心よ」キラッ
少女「神ちゃん様・・・」
ミカエル「ウリエル」
少女「はい」
ミカエル「あなたはしばらくここにいてもう少し日本の勉強を続けなさ〜い」
少女「良いのですか!?」
879
:
◆8YCWQhLlF2
:2019/04/25(木) 02:10:41 ID:DPrz/maA
ミカエル「あなたは今日から正式に日本の担当天使で〜す」
少女「ミカエル様・・・」
ミカエル「ですから〜 もっと深く日本のことを知る必要がありま〜す」
少女「はい!」
神様「お前・・・ この状況でウリボーを置いていく気かよ・・・」
ミカエル「ウリエルに手を出すと日本の最高神様に潰されてしまいま〜す。 怖いで〜す」
神様「お〜け〜 んじゃお望み通り潰してやるよ! かかって来いや! パチカン共!!」フンスッ
バン
一同「?」クルッ
880
:
◆8YCWQhLlF2
:2019/04/25(木) 02:11:26 ID:DPrz/maA
長官「神ちゃん! 今度は何をやったんだ!」
神様「あっ・・・ 長官君・・・」
長官「パチカンに喧嘩を売ったそうだな」
神様「いや・・・ そんなつもりは」オロオロ
長官「“かかって来いやパチカン共”と言ったのを聞いたぞ?」
神様「その前の下りは聞いていなかったのでしょうか・・・?」
長官「神宮に戻るぞ」ガシッ
神様「え? ちょ・・・ まって」ズルズル
長官「猫神君と狐神君も呼んである。今回は徹底的にお説教だ!」
神様「え!? 待って! イヤだ〜!!」ジタバタ
881
:
◆8YCWQhLlF2
:2019/04/25(木) 02:12:06 ID:DPrz/maA
神使「神様、ご武運を」
長官「君もだ! 神使君!」
神使「そうですよね。 失礼しました」トボトボ
神様「助けてウリウリー! 潰される〜!」
ピシャッ
うさー・少女「・・・・・・」
ミカエル「いや〜 最後まで楽しませてくれま〜すね」
うさー「神ちゃん大丈夫かなぁ〜?」
ミカエル「それではうさー様、ウリエルのことよろしくお願いいたしま〜す」フカブカ
うさー「う、うん・・・」
882
:
◆8YCWQhLlF2
:2019/04/25(木) 02:12:46 ID:DPrz/maA
ミカエル「ウリエル?」
少女「はい」
ミカエル「その姿に恥じないよう、この国のために頑張りなさ〜い」
少女「はい!」
ミカエル「では、失礼しま〜す」
シュン
うさー「うわ! ミカエルさんが消えた!?」
少女「私、神ちゃん様の優しさに救われました」
うさー「そだね。 私も神ちゃんに救われた身だから、分かるよ」
少女「私も神ちゃん様のように・・・」
うさー「でも、あんまり影響受けないでね?」
少女「そうですね」ニコッ
883
:
◆8YCWQhLlF2
:2019/04/25(木) 02:13:47 ID:DPrz/maA
ガチャ
修道女「只今戻りました」
うさー「あっ、シスターちゃん! お帰り!」
修道女「今、表で神ちゃんさまを見たんですが・・・」
うさー「あ〜 うん」
修道女「泣きわめいて車に押し込められていたのですが、大丈夫でしょうか?」
うさー「大丈夫だよ」
修道女「そ、そうですか。 あら? 天使さんですか?」
少女「はい! 日本担当天使のウリエルと申します! 日本の皆さんに祝福を届けるために赴任しました!」
修道女「そうでございましたか。 はじめまして、天使ウリエル」
884
:
◆8YCWQhLlF2
:2019/04/25(木) 02:14:44 ID:DPrz/maA
少女「・・・・・・」
修道女・うさー「?」
少女「どうぞ私のことは親しみを込めて“巫女天使ウリボー”とお呼び下さい!」ニコッ
神様「神様だ!」 神使「神力ゼロですが・・・」 番外編・2019年春
おわり
885
:
◆8YCWQhLlF2
:2019/04/25(木) 02:16:53 ID:DPrz/maA
お〜わ〜り〜だよ〜!
886
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2019/04/25(木) 02:37:36 ID:hVrK655U
車に押し込まれるのを抵抗する神ちゃん想像したらニヤける
887
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2019/04/25(木) 10:19:09 ID:8vMFFGwY
おつ〜
888
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2019/04/26(金) 23:37:46 ID:PCf.KCLs
神ちゃんに思いっきり影響されてるウリボー可愛い。
889
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2019/04/27(土) 09:29:10 ID:8rnCm3hg
おつ
神ちゃんかわいそう
890
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2019/06/02(日) 05:58:37 ID:y9iUwaQc
神ちゃん今月は田植えだよ
891
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2019/06/02(日) 13:02:01 ID:Wlj0WOJA
ずいぶん遅いな、うちの方はジャンボタニシで苦労してるみたいだ。
神ちゃん手伝いに来てよ。好きなだけ食べて良いから
892
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2019/06/03(月) 06:43:06 ID:DRuWJz92
>>891
10日から田植えだよ
170枚植えなきゃ
893
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2019/06/04(火) 15:24:47 ID:8J2gAFqc
>>892
お疲れ様です!
あなた達のおかげで美味しいお米が食べられます
体に気をつけて頑張ってね!!
894
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2019/06/04(火) 21:00:36 ID:LPTGaGbE
>>893
ありがとう
895
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2019/06/23(日) 16:09:03 ID:39SFrPHY
田植え終わった
896
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2019/06/25(火) 19:29:38 ID:fRi56ZRE
>>895
乙
すでに今から新米が楽しみだわ
炊きたてご飯に牡蠣フライ…
この国に生まれてよかった
897
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2019/06/29(土) 16:54:31 ID:ymeNQv3g
>>896
新米は本当に美味しい
牡蠣の産地でもあるから幸せだ
898
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2019/07/03(水) 15:22:32 ID:5V2nx.f.
新米の頃は何でも美味いよな!
だがお米だ、ご飯が美味しいから相乗効果でおかずの美味しさが更に引き立つ!!
>>895
何処の地方か知らないけど、この雨は心配だね…
899
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2019/07/06(土) 05:12:31 ID:5OyYK2jM
>>898
雨はほとんど降ってないよ
900
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2019/07/31(水) 22:00:22 ID:ypiU0JYs
毎日暑いね
901
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2019/08/15(木) 15:28:07 ID:1aC0ynuQ
神ちゃん台風が来たよ
902
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2019/08/16(金) 10:35:36 ID:CtUzUWF.
神ちゃん、この前四国に初めて行ったけど、もう新米出てるのね
903
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2019/09/22(日) 04:25:12 ID:Zxx/AGIg
今年の米は小さいな
来月から稲刈りが忙しくなるよ
神ちゃん食べに来てよ
904
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2019/10/07(月) 15:48:56 ID:dz9diCPU
神ちゃん先月の終わりから稲刈りしてるけどまだ終わらないよ
手伝いに来てよ
905
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2019/10/10(木) 21:22:12 ID:rWyfr2as
>>904
お前んち、汚い身なりで臭いお坊さんが訪ねて来なかったかい?
906
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2019/10/14(月) 20:50:57 ID:Gb/xZ6bU
残念ながら来てないな
907
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2019/11/06(水) 19:24:25 ID:2mmHohuU
神ちゃん稲刈りやっと終わったよ
908
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2019/12/05(木) 17:18:05 ID:qGRJgbuk
12月だよ
909
:
◆8YCWQhLlF2
:2019/12/06(金) 03:11:01 ID:f1i/L8eQ
神様「神様だっ!」 神使「神力ゼロですが・・・」 5社目
https://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/internet/14562/1575568645/
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