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神様「神様だっ!」 神使「神力ゼロですが・・・」 4社目
1
:
◆8YCWQhLlF2
:2017/12/18(月) 00:50:43 ID:8s/TCYA6
神様「前スレだ!」
http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/internet/14562/1455635965/
http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/internet/14562/1471198434/
http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/internet/14562/1486059614/
神使「読まなくても良いと思います」
神様「長い!」
622
:
◆8YCWQhLlF2
:2018/09/17(月) 04:19:07 ID:/gkUaJus
神様「よっしゃ! んじゃ、早速明日から道場オープン!」
大神「まてまて」
神様「なんだよ、この期に及んで嫌だとか言うなよ?」
大神「言わんよ。 一つだけ条件がある」
神様「あ?」
大神「日が昇っている時間だけだ。 日が沈む前には皆この村から出ること」
神様「そんな事か。 おっけ〜 おっけ〜」
剣士「水を! 武神の水を60本下さい!」
神様「はい喜んで! 今汲んでくるからちょい待ちね」ウヒャヒャ
623
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2018/09/17(月) 08:50:44 ID:dERVajg6
神ちゃんにはどんでん返しの罰がまってるのね
624
:
◆8YCWQhLlF2
:2018/09/17(月) 21:09:57 ID:/gkUaJus
─── 1週間後
神様「見てみて! このお金!」
神使「今月の月謝が大人クラス30万円、キッズクラスと駄菓子屋の売り上げが5万円です」
神様「武神の水の売り上げも1万あるよ!」
神使「それは帳簿に載っていないですね。 そのお金渡して下さい」
神様「ぇ?」
狼娘「うわぁ〜 こんなに沢山のお金を見たの初めてです」
神使「これから毎月これだけの売り上げが入ってきますよ?」
狼娘「毎月!?」
神使「神社の修繕や備品購入もしやすくなりますね」
神様「ちょっと街出て鰻食いに行こうぜ〜」
大神「いや、生活に必要な分として毎月2万円だけを頂くことにする」
神様「それだけで暮らしていけんのかよ・・・」
神使「残りはどうされるんです?」
625
:
◆8YCWQhLlF2
:2018/09/17(月) 21:11:01 ID:/gkUaJus
─── 村の畑
村人「いや〜 今年もモロコシ残っちまったな」
村人「うちも猛暑の影響か作物不良でほとんど廃棄だよ」
神様「こんちわ〜」トテトテ
村人「ん? お〜 いつぞやの」
神使「先日はトウモロコシごちそうさまでした」
村人「美味かったろ。 今日も少し持ってい・・・ く・・・・・・」
大神「邪魔する」スタスタ
村人達「!?」
626
:
◆8YCWQhLlF2
:2018/09/17(月) 21:12:06 ID:/gkUaJus
大神「これは懐かしい顔だ。 お前子供の時に神社の祭儀で本殿までたどり着いた者だな」
狼娘「あ! 覚えてます。 確か私の渾身の変身で気絶した方ですね」
村人「・・・・・・」
神様「あ〜 知ってんだ」
大神「当たり前だ。 村の者は全員匂いで分かる」
村人「い、いつも見回りご苦労様です・・・」ペコリ
大神「気にするな、助けて貰っているのはこちらだ」
神様「?」
627
:
◆8YCWQhLlF2
:2018/09/17(月) 21:13:13 ID:/gkUaJus
村人「き、今日は何か・・・」
大神「その作物は廃棄するのか?」
村人「はい、出荷は出来ないので・・・」
大神「これから廃棄する作物は神社に持ってこい。 私が全て買い取らせて貰う」
村人「え!?」
大神「いいな?」
村人「そ、そんな・・・ 神社の方には新鮮な作物を持っていきますので」
大神「前にも言ったはずだ。 献上は受け付けない」
村人「・・・・・・」
大神「私に廃棄する物を売るのだ。 わ・かっ・た・な?」ズイッ
村人達「わ、分かりました!! すぐにかき集めて売りに行きます!!」タッタッタッ
628
:
◆8YCWQhLlF2
:2018/09/17(月) 21:14:15 ID:/gkUaJus
神様「ねぇ、皆ちょー怖がってたけど。 逃げちゃったけど」
大神「畏れは大事だろ?」
神様「廃棄する野菜なんか買い取ってどうするつもりだよ」
大神「食べるに決っている」
神様「マジかよ・・・」
神使「廃棄といっても市場の出荷規格に合わないだけで物は新鮮で問題ありませんからね」
神様「金あるんだからまともな方を買えよ」
大神「この地に住まわせてもらっているせめてもの恩返しだ」
神使「どういう事です?」
大神「私や狼娘、それに山に住む狼は村の民に守ってもらっているからな」
神様「え? 逆じゃないの?」
629
:
◆8YCWQhLlF2
:2018/09/17(月) 21:17:35 ID:/gkUaJus
大神「残念だが日本で野生の狼がいるのはこの地だけだ」
神使「言われてみれば確かに・・・」
神様「そうなの?」
神使「確かニホンオオカミはすでに絶滅しています。 他に出没事例も聞いたことありませんね」
神様「いやいや、いるじゃん。喧嘩売られたじゃん」
神使「まさか、それを知って村の人達は・・・」
大神「あぁ。 皆は何も言わないが、影ながら私達の存在を隠してくれている」
神使「それで代わりに村の作物を守っていたんですか」
大神「山の狼たちの命と作物の見張りでは釣り合わないがな」
神使「もしかして献上がないというのは・・・」
大神「そんなものを受け取れるわけないだろ」
神様「うへぇ〜 面倒くせー性格してますなぁ〜」
大神「何度も言うな・・・」
630
:
◆8YCWQhLlF2
:2018/09/17(月) 21:18:21 ID:/gkUaJus
神使「日が落ちるまでに道場の皆さんを帰らせているのも狼さん達を隠すためですか?」
大神「あまり知られたくはないからな」
神使「そうでしたか・・・ なんか私達が荒らしてしまったようですいません」
大神「心配するな、いつかは話すつもりだ。 これも時代の流れだろう」
狼娘「・・・・・・。 申し訳ありません大神さま!」フカブカ
大神「?」
狼娘「私・・・ 色々誤解していたみたいです。 村の方達とか、見張りの件とか・・・」シュン
大神「変わることが出来なかった私の責任だ。 狼娘が気にすることではない」
神様「そうそう、ついでに人を怖がらせるのも辞めた方が良いと思うぞ? 時代に合わない」
大神「しかし、神には畏れを持って接して───」
神様「変わるんだろ?」
631
:
◆8YCWQhLlF2
:2018/09/17(月) 21:19:34 ID:/gkUaJus
大神「・・・・・・。 そうだな、これからはもう少し───」
剣士「名誉会長ー!」タッタッタッ
神使「名誉会長?」
剣士「ここにいましたか、名誉会長」ハァハァ
神様「バカ! 外に出てくるなっていっただろうが」ボソッ
神使「しかし完成したらすぐに知らせろと言ったのは名誉会長では・・・」
神使「神様? 剣士さん達に何をさせているんですか?」
神様「いやちょっとね・・・」アセアセ
大神「名誉会長ってのは何だ?」
神様「・・・・・・」
632
:
◆8YCWQhLlF2
:2018/09/17(月) 21:20:34 ID:/gkUaJus
神使「剣士さん、何が完成したんでしょうか?」
剣士「湧き水を汲み上げる大型の井戸が完成しまして───」
神様「うわー! 言うんじゃない!」
大神「井戸?」
神使「まさか“武神の水”を量産する井戸ではないですよね?」
神様「・・・・・・」
大神「剣士、急いで道場へ戻れ。 何があっても振り返るな」
剣士「え? あ、はい。 分かりました。 それでは名誉会長、先生、失礼します」タッタッタッ
大神「前言撤回だ」
神様「どの前言でしょうか・・・」
633
:
◆8YCWQhLlF2
:2018/09/17(月) 21:21:20 ID:/gkUaJus
大神「畏れは大事なようだ。 狼娘! お前の全力を見せてやれ!」
狼娘「はい!」
神様「ちょ、何する気? 言っておくけど狼娘ちゃんじゃ私に剣は敵わないよ?」
狼娘「ウゥ・・・」グルルル
神様・神使「!?」
狼娘「グォ グガーー!!」メキメキ
ボキボキ ミシミシ
狼娘「グギャーーー!!」グルルル
神様・神使「・・・・・・」ストン
狼娘「上手そうな匂いのする餌だ」ポタポタ
634
:
◆8YCWQhLlF2
:2018/09/17(月) 21:22:31 ID:/gkUaJus
神使「か、神様・・・ 謝って下さい」アワアワ
神様「」コテッ
神使「神様が失神した!?」
大神「お〜 これは怖いな。 100点だ!」
狼娘「初めての100点! ありがとうございます!!」
大神「やはり畏れは必要だな」ハハハ
神様「」
神使「神様! 神様ー!!」
神様「」ジュワ〜
神様「神様だ!」 神使「神力ゼロですが・・・」 番外編・2018年夏
おわり
635
:
◆8YCWQhLlF2
:2018/09/17(月) 21:23:21 ID:/gkUaJus
じゅわ〜
636
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2018/09/17(月) 22:50:56 ID:6ocRVHaI
じゅわ〜
ここ1年で一番わろた
637
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2018/09/19(水) 21:24:03 ID:3ZiwxIsc
やっぱりおもろいなぁ
だが暦では秋だ
638
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2018/09/20(木) 10:16:59 ID:Rjx8SiAE
おまるに跨った途端にどうなったんだ?
639
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2018/09/24(月) 09:37:50 ID:YB17levw
神ちゃんまた牡蠣のシーズンが始まりましたぜ
牡蠣の産地が皆悉く天災に遭って大変です
640
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2018/09/29(土) 16:01:16 ID:DPBfoQKk
神ちゃん台風が来る
641
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2018/10/17(水) 04:17:51 ID:n.U5TMMY
紅葉シーズンだ
642
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2018/11/27(火) 09:21:38 ID:Y7cvm5kc
もう少しで12月だな
643
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2018/11/29(木) 01:15:15 ID:vo7KMhcE
神ちゃん、おらほの神様も出雲からお帰りになっただ
一緒に来て貰えねべか?
ご馳走も用意するだはんで
644
:
◆8YCWQhLlF2
:2018/12/26(水) 02:20:58 ID:WOS73er2
スレが余ってるんだよ……
〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓
645
:
◆8YCWQhLlF2
:2018/12/26(水) 02:22:39 ID:WOS73er2
幼子「お母さん? どこ?」テクテク
ガタガタ
幼子「!?」ビクッ
?「幼子」
幼子「お母さん!」タッタッタッ
?「こんな所でどうしたの?」
幼子「あのね、お祭り見てたら迷子になっちゃったの」
?「沢山の人がいるものね。 でも、もう大丈夫よ」ニコッ
幼子「ねぇ、あのガタガタしてる箱は何?」
?「あれは、お母さんと幼子の宝物。 幼子が大きくなったら一緒に開けましょうね」
幼子「うん!」
?「お母さんちょっとお仕事があるから、先に帰っててね」
幼子「はい!」ニコッ
─────
───
─
646
:
◆8YCWQhLlF2
:2018/12/26(水) 02:23:57 ID:WOS73er2
■ 神様「神様だ!」 神使「神力ゼロですが・・・」 番外編・2018年冬
少女「お母さん・・・ お母さん!!」ハッ!
ガタンゴトン
少女「・・・・・・」ボー
「ねぇ」
少女「?」クルッ
「隣に座っても良い?」
少女「・・・・・・。 連れの方と一緒じゃないんですか?」
647
:
◆8YCWQhLlF2
:2018/12/26(水) 02:24:50 ID:WOS73er2
神様「あいつ寝ちゃってさぁ〜 暇だから誰かと喋りたいの」ヨイショ
少女「お小遣いをねだって、断られた腹いせにスネ蹴りして気絶させたように見えましたけど」
神様「見てたの!?」
少女「嫌でも聞こえる位に大きな声でしたから。 財布、返した方が良いですよ?」
神様「いいのいいの。 それより座っても?」
少女「・・・・・・。 もう座っているように見えますが」
ガタンゴトン
648
:
◆8YCWQhLlF2
:2018/12/26(水) 02:25:27 ID:WOS73er2
神様「♪〜」ニコニコ
少女「・・・あの」
神様「3つ先の駅にデカい神社があってさぁ〜」
少女「?」
神様「デカいくせにすげー田舎なもんで参拝者が全く来ないんだって」
少女「そう」
神様「あっ! 今、牛が見えた」
少女「・・・・・・」
神様「牛でけ〜」
649
:
◆8YCWQhLlF2
:2018/12/26(水) 02:26:07 ID:WOS73er2
少女「特に用がないなら、できれば一人にして頂きたいのですが」
神様「ひま?」
少女「そうですね。 あまり会話も弾みませんし」
神様「違うって。 ナウじゃなくてこの先ずっと暇? って聞いたの」
少女「・・・どういう意味ですか?」
神様「バイトしない?」
少女「え?」
650
:
◆8YCWQhLlF2
:2018/12/26(水) 02:27:08 ID:WOS73er2
─── 錆礼田神社前駅
プシュー
神様「いや〜 さすが神使君チョイス。 何もない所だね〜」トテトテ
神使「神様、酷いですよ・・・ 見て下さいよ、こんなに大きい青あざが・・・」スリスリ
神様「お付きの分際で私に楯突くからだ」
少女「お付き?」
神使「?」クルッ
神様「紹介しよう。 彼女は少女ちゃん」
少女「」ペコリ
神使「はじめまして」ニコッ
651
:
◆8YCWQhLlF2
:2018/12/26(水) 02:28:08 ID:WOS73er2
神様「電車の中で意気投合して仲良くなったのだ」
少女「私には意気投合した記憶がないですが」
神様「この出会いは何かの縁なのだよ。 そう、これから起こるであろ───」
神使「すいません、なんかご迷惑をおかけしたみたいで」
少女「はい。 結構」
神使「神様、可愛いからって他人を引きずり回すのは良くないですよ?」
神様「お前って本当に犬ころだな。 だから皆からダメすぎィーヌって呼ばれるんだよ」
神使「そんな風に呼ばれたの初めてなんですけど」
少女「それより私は何を? バイトって言ってましたけど」
神使「バイト!?」
神様「聞いて驚け、少女ちゃんを雇った」
神使「本当に驚きですよ。 雇うって、そんなお金───」
神様「金ならここにある」フリフリ
652
:
◆8YCWQhLlF2
:2018/12/26(水) 02:28:52 ID:WOS73er2
神使「それ私の財布に見えるのですが・・・」
神様「そう、これは神使君がワゴンセールで買ったダサい長財布」
神使「・・・・・・」
神様「これダサいから中身も含めて全部少女ちゃんにあげる」ポイッ
少女・神使「え!?」
神使「今月分の生活費が入っているのですが・・・」
神様「全部って言っても少し抜いてあるから大丈夫」
少女「・・・・・・(抜きすぎ)」ジャラ
653
:
◆8YCWQhLlF2
:2018/12/26(水) 02:30:13 ID:WOS73er2
神様「紹介しとくね。 これは私のお付きで犬ころ」
少女「えーと・・・ 執事とかそういう類いですか?」
神様「私は巫女さんで、この犬ころは雑用の召使いみたいなもん」
神使「神様、もう少しまともな紹介をして下さいよ・・・ それより私の財布───」
少女「もしかして、この神社の方なんですか?」
神使「いえ、私達神宮の者でして」
少女「神宮?」
神様「神社とか管理している営利団体」
神使「非営利です」
神様「宗教法人という隠れ蓑を使って労働基準法を無視しまくる極悪非道な───」
神使「少女さんは、こちらの神社へ来られる予定だったのですか?」
少女「私は・・・」
神様「ねー、寒みーし早く行こーぜ」
神使「そうですね」
654
:
◆8YCWQhLlF2
:2018/12/26(水) 02:31:14 ID:WOS73er2
─── 参道
テクテク
神様「しかし、相変わらず土地だけは広いなぁ〜」
神使「神様ここ知っているんですか?」
神様「神社だろ? 遊園地じゃないことくらい私でも見りゃ分かるわ」
神使「そういう意味でなく・・・ ん?」ピタッ
神様「ふがっ!」ドンッ
神使「すいません。 大丈夫ですか神様」
神様「急に止まるなよ」
神使「見て下さい、あの小屋」
神様「あ? ただの倉庫じゃん」
神使「あの形と作りは相当年代物ですよ?」
655
:
◆8YCWQhLlF2
:2018/12/26(水) 02:32:02 ID:WOS73er2
神様「昔はあんなのゴロゴロあったぞ。 珍しくもないだろ」
神使「神様の言う昔というのはいつのことですか・・・」
神様「ん〜 平安とか?」
神使「それこそ今の時代に残っていたら国宝級じゃないですか」
少女「・・・・・・」チラッ
神様「あのボロっちい建物が気になる?」ニョキ
少女「え!?」
神様「」ジー
少女「い、いえ別に」
神様「ま、早く社務所へ行きましょ」トテトテ
少女「・・・・・・」
656
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2018/12/26(水) 05:56:20 ID:zgdU4R52
奇跡の番外編
乙なのよな
657
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2018/12/26(水) 06:14:43 ID:pjusIRGE
神ちゃん!!
658
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2018/12/26(水) 21:27:57 ID:kpgxjAHA
更新されてる!?
ありがとうございますありがとうございます
659
:
◆8YCWQhLlF2
:2018/12/27(木) 00:23:52 ID:i7pReU3c
─── 社務所
神使「社務所も年代物ですね」
神様「家具も電化製品も古いな」
神使「でも、一部最近の物も見られるようですが」
神様「誰か住んでたんじゃね?」
少女「・・・・・・」
神使「え〜・・・」
神様「あとは勝手にジモピーの老人会とかが会合開いてたとか」
神使「その可能性はありそうですね」
神様「ま、詮索してもしょうが無いし」
神使「そうですね。 電気とガスは事前に開通してもらっていますので最低限の生活は出来ると思います」
660
:
◆8YCWQhLlF2
:2018/12/27(木) 00:24:52 ID:i7pReU3c
神様「寒みーし、温かい物が飲みたい」
神使「では、お茶でも煎れてきますね」
神様「犬ころは掃除! お茶は少女ちゃんが煎れたのが飲みたい」
少女「え? 私ですか?」
神様「良いでしょ〜 少女ちゃ〜ん」スリスリ
少女「わ、分かりましたから離れて下さい」
神様「よろぴこ〜」
少女「はぁ〜・・・」スタスタ
661
:
◆8YCWQhLlF2
:2018/12/27(木) 00:25:25 ID:i7pReU3c
神使「あっ、買ってきたお茶っ葉───」
神様「神ちゃーんキィークッ!」ゲシッ
神使「痛い!」ガクッ
神様「しまっとけ」
神使「え? でもコレがないとお茶が・・・」
神様「いいから!」
神使「?」
662
:
◆8YCWQhLlF2
:2018/12/27(木) 00:26:16 ID:i7pReU3c
─── 数分後
少女「お茶、煎れてきました」スタスタ
神様「わ〜お、飲みたい飲みたい」ピョンピョン
神使「お茶位でそんなに興奮しないで下さい」
少女「どうぞ」コトッ
神使「ども〜」
少女「はい、どうぞ」コトッ
神使「ありがとうございます。 でも、良くお茶っ葉とかお分かりになりましたね」
少女「!?」ピクッ
神様「・・・・・・」ズズズ
少女「台所なんてどこも同じような物です」
神使「確かにそうですね」
663
:
◆8YCWQhLlF2
:2018/12/27(木) 00:27:13 ID:i7pReU3c
神様「さて、んじゃ仕事でもしますか。 神使君、この神社の事前情報を教えて」
神使「錆礼田神社、由緒や主神などの情報は不明です」
神様「これだけデカいのに?」
神使「はい、ただ平安時代の書物に記載があるようで建立はかなり古いと思われます」
神様「ずっと無人か?」
神使「100年ほど前まで巫女さんがおられたようですが」
神様「巫女?」
神使「錆礼田神社は、宮司や神職は置かず代々巫女が管理をしていたようです」
神様「ふ〜ん」チラッ
少女「・・・・・・」
664
:
◆8YCWQhLlF2
:2018/12/27(木) 00:29:37 ID:i7pReU3c
神様「後を継ぐ巫女はいなかったの?」
神使「それが・・・ 変なんです」
神様「あ?」
神使「当時こちらの神社から神宮に管理者変更の書類が届いたらしく、次の巫女の名前も記載されていたようです」
神様「それはどちら様?」
神使「それが、改めて書類を確認したら名前が消えていたそうで」
神様「・・・何言ってんの?」
神使「書類から書かれていた名前が消えたと言いました」
神様「あ〜 誰かがその書類を後から改竄したってこと?」
神使「いえ、改竄根はなかったそうで・・・ 綺麗に名前だけ空欄になっていたと」
神様「・・・・・・。 神使君、あなた疲れてるのよ」
神使「私は神宮から言われたことをお伝えしているだけですので・・・」
神様「それを真に受けるお前もおかしいし」
神使「そう言われましても」ポリポリ
665
:
◆8YCWQhLlF2
:2018/12/27(木) 00:30:33 ID:i7pReU3c
神様「少女ちゃんもこのクソ犬に言ったって! お前はやっぱりダメすぎィーヌだって」
少女「変・・・」
神様「ほら、少女ちゃんも私と同じ真っ当な思考の持ち───」
少女「なんで記憶が・・・」ボソッ
神様・神使「・・・・・・」ジー
少女「あっ! いえ、何でもないです」
神様「少女ちゃん? もしかして・・・」
少女「な、なんでしょうか」
神様「あなたも疲れているのよ」ポンポン
少女「そ、そうみたいですね」
神様「風呂だ! 風呂を沸かすのだ!! 疲れた体には風呂が効く!」
神使「・・・・・・」
666
:
◆8YCWQhLlF2
:2018/12/27(木) 00:31:50 ID:i7pReU3c
─── 30分後
神使「神様、お風呂湧きましたよ」
神様「ん。 バブある?」
神使「はい。 ラベンダーとゆず、森の香りと〜」ゴソゴソ
神様「森の香りって意味分かんないんだけど・・・」
神使「後は“唐辛子”と、オマケでもらった“檜風呂に浮かべた檜玉の香り”ですね」
神様「!?」
神様「季節的に“ゆず”ですかね」
667
:
◆8YCWQhLlF2
:2018/12/27(木) 00:32:29 ID:i7pReU3c
神様「神使君? 最後なんて言ったの?」
神使「? “檜風呂に浮かべた檜玉の香り”ですか?」
神様「何それ! 檜の香りに檜の香り!? ミックスする意味あんの?」
神使「さぁ? コレにします?」
神様「聞くまでもないじゃん!」
神使「それでは───」
神様「ゆずでお願いします」
少女「・・・・・・(唐辛子って何?)」
668
:
◆8YCWQhLlF2
:2018/12/27(木) 00:33:13 ID:i7pReU3c
─── 夜・台所
神様「ふぃ〜 良いお湯でした〜」ホクホク
神様「やっぱ風呂上がり後はカップラだよね〜」ゴソゴソ
神使「神様?」
神様「うわー!」ビクッ
神使「ダメですよ? 寝る前にカップ麺なんて」
神様「んだよ、ビックリしたなぁ〜 ラーメン落とすところだったよ」ホッ
神使「太りますよ?」
神様「うるせー。 文句あるなら普段から私に贅沢な飯を寄こせ」
669
:
◆8YCWQhLlF2
:2018/12/27(木) 00:33:54 ID:i7pReU3c
神使「あの、お聞きしたいことがあるのですが」
神様「なに」
神使「神様は少女さんの事をご存じなんですか?」
神様「あ?」
神使「急にバイトで雇うとか、先ほども少女さんを観察していましたよね?」
神様「」
神使「少女さんは一体・・・」
神様「さぁね、少なくとも私はあの子と会ったのは初めてだ」
神使「そうですか」
670
:
◆8YCWQhLlF2
:2018/12/27(木) 00:35:16 ID:i7pReU3c
神様「ただ、よく似た神を知っている」
神使「神・・・ 似てるというのは?」
神様「遙か昔に、私はある少女を神にした。 そいつによく似ている」
神使「容姿がですか?」
神様「容姿だけじゃない。 雰囲気もどこか似ている」
神使「その神は今もご存命なのですか?」
神様「100年以上前に、神から人に戻した」
神使「え?」
神様「たぶん、生きてはいない」
神使「その神と少女さんに何か関係があるのでしょうか?」
神様「・・・・・・。 アイツはとても不思議なヤツだった・・・ 私でも理解できない位」
神使「分かりました。 お答え頂きありがとうございます」ペコリ
神様「もう良いのか?」
671
:
◆8YCWQhLlF2
:2018/12/27(木) 00:36:07 ID:i7pReU3c
神使「神様もまだ考えている所なんですよね? 今はここまでで十分です」
神様「あっそ。 まぁ私にもよく分からないけど一応忠告だけしておく」
神使「?」
神様「流されるな。 自分を見失うな。 自分の行動を忘れるな」
神使「・・・はい」
神様「私のように完璧であれ。 じゃ」トテトテ
神使「あっ、神様! ラーメン忘れてます! あと、服着て下さい!」
キャー!
神使「少女さんに変なトラウマ植え付けないで下さい・・・」
672
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2018/12/28(金) 06:30:57 ID:D6X/Q6d2
おつ
来てくれてありがとう
673
:
◆8YCWQhLlF2
:2018/12/29(土) 00:14:57 ID:qW8GGYRo
─── 翌朝・社務所前
少女「あの・・・」
神様「うんうん。 よく似合う」
少女「私、こういう格好はあまり・・・」
神使「予備の巫女服なのですがサイズが同じで良かったです」
神様「神社でバイトするんだからその格好じゃなきゃダメ」
少女「そもそも私バイトするとは一言も・・・」
神様「いいから。 少女ちゃんは参道から本殿前までのお掃除お願い」
少女「・・・・・・」
神様「はい、箒」スッ
少女「まぁ、掃除位であれば」
神様「んじゃ、よろぴこ。 神使君は裏庭ヨロ」
神使「分かりました」
神様「それでは! 朝のお掃除スタートゥ」
674
:
◆8YCWQhLlF2
:2018/12/29(土) 00:15:48 ID:qW8GGYRo
─── 本殿
神様「さてと、一度ご神体でも覗いておきますかね」トテトテ
ギー
神様「うむ。 空っぽでござる」
神様「何か金目になる物はねーかな〜」キョロキョロ
神様「木箱・・・ はは〜ん、あれは宝箱じゃまいか?」
神様「♪〜」トテトテ
675
:
◆8YCWQhLlF2
:2018/12/29(土) 00:16:33 ID:qW8GGYRo
神様「どうする神ちゃん。 開けるのか? 開けてしまうのか?」
神様「迷う必要など無い! これで私は大金持ち!!」ウヒャヒャ
パカッ
神様「イヤッホ〜イ! 何も入ってな〜い」
神様「・・・・・・。 まぁそう都合良く宝箱なんてないよね」
神様「・・・・・・」ハァ
神様「さて、他には何もなさそうだし」
676
:
◆8YCWQhLlF2
:2018/12/29(土) 00:17:29 ID:qW8GGYRo
─── 1時間後
神使「神様、裏庭のほう終わりました」スタスタ
神様「ん」ジー
神使「こんな隅っこで何をジーと見ているんですか?」
神様「あれ、どう思う?」
神使「少女さんですか? 綺麗にお掃除されていますね」
神様「やっぱお前の目は節穴だな」
神使「特に変わったところはないように思えますが・・・ 箒の扱いが上手いですね」
神様「あれ、神社での掃除にかなり慣れているぞ」
神使「そうなんですか?」
677
:
◆8YCWQhLlF2
:2018/12/29(土) 00:18:34 ID:qW8GGYRo
神様「ゴミを集める箇所が理想的だ。 わたしもあの場所は賛成だ」
神使「それは・・・ 偶然じゃないですか?」
神様「あと、一度も本殿に向かってゴミを掃いていない」
神使「ゴミを?」
神様「神のいる本殿にに向かってゴミを掃かないのは神社掃除の基本」
神使「巫女のバイト経験でもあるんでしょうか?」
神様「気になるのは、本殿以外にもう一カ所ゴミを掃いていない箇所がある」
神使「どこです?」
神様「あそこ」クイッ
678
:
◆8YCWQhLlF2
:2018/12/29(土) 00:19:20 ID:qW8GGYRo
神使「倉庫? 年代物の古い倉庫ですか?」
神様「あぁ」
神使「まさかあの倉庫も神域・・・」
神様「あの子、この神社で働いていたのは間違いないな」
神使「少女さんがここで? しかし、もう100年近く無人なんですよ?」
神様「・・・・・・」
679
:
◆8YCWQhLlF2
:2018/12/29(土) 00:20:43 ID:qW8GGYRo
─── 昼・社務所
神様「はぁ〜 ちかれた」グテッ
神使「神様何もしてないじゃないですか・・・」
神様「コーラ飲みたい」
神使「ありませんよ」
神様「少女ちゃ〜ん、コーラ飲みたい〜」グイグイ
少女「ちょ、袴を引っ張らないで下さい」
神様「コーラ〜」グイグイ
少女「それ以上引っ張ると脱げちゃ、本当に脱げちゃいますから!」
680
:
◆8YCWQhLlF2
:2018/12/29(土) 00:21:22 ID:qW8GGYRo
神様「うひゃひゃー かわえ〜」ピョーン
少女「ちょ、本当に!!」ズルッ
神様「あっ」
少女「・・・・・・」
神使「ぶばっ!」ゲホゲホ
少女「キャー!!」
神使「み、見てないです。 私は見てないので!」プイッ
少女「・・・・・・」ジトー
神様「あ、いや・・・ その・・・ これは事故で」オロオロ
681
:
◆8YCWQhLlF2
:2018/12/29(土) 00:21:56 ID:qW8GGYRo
少女「分かっています、袴がハダけただけですので大丈夫です。 大声出してすみません///」
神様「うは〜 きゃわゆい〜」キラキラ
少女「からかわないで下さい」
神様「よし! 野球拳しよう! 絶対少女ちゃんを剥いてやる」ハァハァ
少女「!? わ、わたし飲み物買ってきます!」タッタッタッ
神様「・・・・・・」
神使「神様? 可愛いからってそんな事してたら嫌われちゃいますよ?」
神様「勘違いしてんじゃねーよ。 ちょっと調子に乗りすぎたけど・・・ 行くぞ」トテトテ
神使「ちょ、どちらへ?」スタスタ
682
:
◆8YCWQhLlF2
:2018/12/29(土) 00:22:30 ID:qW8GGYRo
─── 倉庫前
神使「ここは・・・ 倉庫ですよね」
神様「さっき、掃除中に本殿を見たけどもぬけの空だった」
神使「本殿にご神体がなかったのですか?」
神様「もぬけの空」
神使「まさか、この中に?」
神様「それを調べるんだよ。 少女ちゃんの反応を見る限り、この中に何かがあるはずだ」
神使「分かりました。 開けます」
683
:
◆8YCWQhLlF2
:2018/12/29(土) 00:23:22 ID:qW8GGYRo
ギー
神様「何もないな」キョロキョロ
神使「結構広いですね」
神様「上の方にも棚があるな。 犬ころ、調べて」
神使「ちょっと私でも手が届きそうにないです」
神様「そうだ。 本殿に丁度良い木箱があったからそれ持ってきて」
神使「木箱ですか?」
神様「それを踏み台にすれば届くかも」
神使「分かりました」タッタッタッ
684
:
◆8YCWQhLlF2
:2018/12/29(土) 00:24:06 ID:qW8GGYRo
─── 数分後
神使「持ってきました。 結構大きいですね」ヨイショ
神様「よし、それ足場にして上の棚調べて」
神使「はい」ゴソゴソ
神様「どう? 何かある?」
神使「特に何もないですね」
神様「ん〜 検討違いか・・・」
神使「そろそろ少女さん戻ってくるんじゃないですか?」
神様「そうだな。 取りあえず出るか」トテトテ
神使「箱は?」
神様「戻すの大変だし、置いておけ」
神使「はい」
685
:
◆8YCWQhLlF2
:2018/12/29(土) 00:24:59 ID:qW8GGYRo
─── 参道
少女(ペプシでも大丈夫かな?)テクテク
はやくー
少女「?」コソッ
神使「ちょ、待って下さいよ」タッタッタッ
神様「少女ちゃんが帰って来ちゃうだろ!」
少女(あの二人、今倉庫から・・・)キッ
686
:
◆8YCWQhLlF2
:2018/12/29(土) 00:26:05 ID:qW8GGYRo
─── 深夜・神様&神使の寝室
神様「zzz」グガー
神使「zzz」スヤスヤ
ギー
少女「」コソッ
神様「zzz」グガー
神使「zzz」スヤスヤ
少女「・・・・・・。 ごめんなさい」ボソッ
ポワポワ
687
:
◆8YCWQhLlF2
:2018/12/30(日) 05:40:17 ID:KjUZmOw2
─── 翌朝・社務所
神様「おふぁよ〜」トテトテ
神使「もうお昼近いですよ?」
神様「お腹すいた。 牡蠣フライ食べたい」
神使「何で寝起きでそんな重い物を・・・ 街まで出たら何か食べましょう」
神様「ん? 出かけるの?」
神使「何言っているんですか、次の場所に行くんですよ?」
神様「あ?」
神使「少し遠いので長旅になりますが」
神様「少女ちゃんは?」キョロキョロ
神使「少女さん? ここには昨日来たときから私と神様だけですが」
神様「・・・・・・」
688
:
◆8YCWQhLlF2
:2018/12/30(日) 05:41:25 ID:KjUZmOw2
─── 参道
神使「良いお天気ですね」テクテク
神様「なぁ」ピタッ
神使「どうしたんです? こんな所で立ち止まって」
神様「あれ」
神使「倉庫ですか?」
神様「あの中、知ってる?」
神使「鍵がかかっていて中には入れなかったじゃないですか・・・」
神様「そう」トテトテ
神使「?」
689
:
◆8YCWQhLlF2
:2018/12/30(日) 05:42:41 ID:KjUZmOw2
─── 電車内
ガタンゴトン
神様「・・・・・・」
神使「どうしたんです? 今日は随分とアンニュイですね」
神様「お前、財布は持ってるか?」
神使「財布ですか?」ゴソゴソ
神様「私に取られて───」
神使「ありますよ?」スッ
神様「・・・・・・」
神使「どうしたんです?」
690
:
◆8YCWQhLlF2
:2018/12/30(日) 05:43:19 ID:KjUZmOw2
神様「今からいくつか質問をする」
神使「質問?」
神様「少女という名に聞き覚えは?」
神使「先ほども仰っていましたね・・・ 私の記憶にはありません」
神様「スネを見せろ」
神使「スネ?」ゴソゴソ
神様「右足だ」
神使「あれ? 青あざが・・・ 」
神様「その青あざはどうして出来た?」
神使「これは・・・」
691
:
◆8YCWQhLlF2
:2018/12/30(日) 05:44:10 ID:KjUZmOw2
神様「流されるな。 自分を見失うな。 自分の行動を忘れるな」
神使「その言葉どこかで・・・」
神様「少女ちゃんのハダけた袴、そそられただろ?」ボソッ
神使「あれ、なんで顔が赤く///」
神様「神使君? コレ何か知ってる?」
神使「それは神様の神力が入ったお守りですよね」
神様「そう。 これを私の右手でギュッと握って」
神使「?」
692
:
◆8YCWQhLlF2
:2018/12/30(日) 05:44:50 ID:KjUZmOw2
神様「よーし、歯を食いしばれー!」
神使「え?」
神様「神ちゃーんスーパーパーンチ」
ドカッ
神使「痛い!」クラクラ
神様「アーンド! 神ちゃんスーパーキーック!」
ゲシッ ゲシッ ゲシッ ゲシッ
神使「痛痛痛痛! ちょ、神様それ以上蹴られるとまた気を失ってっ・・・ !!」ハッ
693
:
◆8YCWQhLlF2
:2018/12/30(日) 05:46:22 ID:KjUZmOw2
神様「少女という名に心当たりは?」
神使「少女さん・・・ 覚えています。 これは一体・・・ 何で忘れて・・・」
神様「間違いないな。 アイツと同じ力だ」
神使「これって・・・ まさか洗脳?」
神様「財布は?」
神使「あれ? 財布がない!?」
神様「・・・・・・」
神使「とにかく次の駅で降りて錆礼田神社に戻りましょう」
神様「いや、一旦神宮へ行く」
神使「神宮?」
神様「確認したいことがある」
694
:
◆8YCWQhLlF2
:2018/12/30(日) 05:47:13 ID:KjUZmOw2
良いお年を!
695
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2018/12/30(日) 14:18:53 ID:K9WTtdPk
続きがめっちゃ気になる
よいお年を!
696
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2018/12/30(日) 18:47:48 ID:r9m6DQjA
神ちゃん良いお年を!
ノロウイルスが流行りだしたから気をつけて!!
697
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2019/01/01(火) 00:20:38 ID:60KBK5SA
あけましておめでとう
良い年になりますように!
698
:
◆8YCWQhLlF2
:2019/01/04(金) 23:11:48 ID:TFg8nSx6
─── 神宮
ハロ〜
A子「あ、神ちゃんだ。 神使さんも」
神様「久しぶり」
神使「ご無沙汰しておりますA子ちゃん。 ちゃんと巫女のお仕事してますか?」
A子「もちろん! でも、お守りの売れた数と金額が合わないんだよね〜」
神様・神使「・・・・・・」
A子「神宮に用事?」
神様「ちょっと資料室で調べ物があって」
A子「ふ〜ん。 誰もいないと思うけど室長呼ぶ? あっ、でもさっき室長に怒られたから会いたくないなぁ」
神様「いや・・・ いない方が好都合だからよばなくてもいいや」
699
:
◆8YCWQhLlF2
:2019/01/04(金) 23:13:19 ID:TFg8nSx6
A子「みんな明日からの旅行準備で忙しいからね」
神様「旅行?」
A子「そう、まぁ形式的には研修旅行だけど」
神様「なにそれ! 私呼ばれてない!」
A子「え〜 神使さん経由でメール送ったよ?」
神様「え?」クルッ
神使「」プイッ
神様「おいクソ犬」
神使「丁度、錆礼田神社に行く日と重なっていたもので・・・」
A子「錆礼田神社?」
神使「はい。 私達、今錆礼田神社におりまして」
700
:
◆8YCWQhLlF2
:2019/01/04(金) 23:14:02 ID:TFg8nSx6
A子「私達が行く所と近いね」
神様「そうなの?」
A子「うん、甘利錆礼手内神社」
神使「大きくて立派な神社ですね」
A子「100人位で行くからねぇ。 広くないと入れないんだよ」
神様「近いなら私も行きたい〜」
A子「近いって言っても車で20分位かかるけど」
神様「仕事片づいたら合流しようよ」
A子「いいよ。 3日後には帰っちゃうからそれまでに連絡してね」
神様「分かった。 あとでメールするね〜」
A子「は〜い」
神使「それでは神様、時間もないですし」
神様「へいへい」
701
:
◆8YCWQhLlF2
:2019/01/04(金) 23:15:24 ID:TFg8nSx6
─── 資料室
神使「相変わらず凄い量の資料ですね」
神様「ここの資料は地域・管理神・年代・神社名の順で整理されている」
神使「さすが資料整理歴が長いだけあってよく知っていますね」
神様「普通は目的の資料を探すのに2日かかるが、私なら半日で探し出せる」ドヤッ
神使「今は神宮資料DBを使えば場所が数秒で分かりますから便利になりましたよね」
神様「は?」
神使「スマホの神宮アプリで“錆礼田神社 変更届”で検索っと」ポチポチ
神様「?」
神使「出ました。 N-45-386の棚です」テクテク
神様「ねぇ、それ何?」トテトテ
702
:
◆8YCWQhLlF2
:2019/01/04(金) 23:16:20 ID:TFg8nSx6
神使「え〜と・・・ あった。 これですね」スッ
神様「・・・・・・」
神使「神様?」
神様「・・・いつから?」
神使「は?」
神様「そんなものいつから実用化されたんだよ!」
神使「たしか10年ほど前から・・・」
神様「私の職人芸が・・・ また一つ消えた」ガクッ
神使「ま、まぁ今はそれよりも資料のチェックを先に」アセアセ
神様「うん」シュン
神使「どうぞ、100年近く前の書類なので丁寧に扱って下さいね」
神様「ん」ペラペラ
703
:
◆8YCWQhLlF2
:2019/01/04(金) 23:18:12 ID:TFg8nSx6
神使「あっ、それです」
神様「錆礼田神社管理者変更届・・・ 早く見つかって良かったね・・・」
神使「・・・・・・。 受付年が1906年ですね」
神様「1895年の当社代表巫女の失踪により新管理者のへの変更を届ける。 か」
神使「123年前に先代の巫女が失踪・・・」
神様「失踪してから届け出まで11年あるな」
神使「でも次の継承者の欄が空白になっていますね」
神様「本当に?」
神使「はい。 前管理者の欄も空白ですよね」
神様「私と神使君は別世界にいるのか?」
神使「どういう意味です? まさか、神様には何か見えるんですか?」
神様「んじゃ、試してみますか」スッ
神使「神様のお守り・・・ 神力を使うんですか?」
神様「私と犬ころだけ知れば良いからほんの少しだけ」
704
:
◆8YCWQhLlF2
:2019/01/04(金) 23:18:46 ID:TFg8nSx6
ポワポワ
神使「文字が!?」
神様「やっぱり」
神使「ど、どいういう仕掛けですか?」
神様「解除したんだよ」
神使「解除?」
神様「限定的だけど。 全てを解除するとどこまで影響するか分からないからな」
神使「ちょっと待って下さい。 この名前って・・・」
神様「さて、錆礼田神社に戻りますか」
705
:
◆8YCWQhLlF2
:2019/01/04(金) 23:19:48 ID:TFg8nSx6
─── 錆礼田神社・倉庫前
少女「・・・・・・」ボー
〜〜〜
幼女「お母さん?」テクテク
母「あら、どうしたの」
幼女「何してるの?」
母「・・・ちょっと昔のことを思い出してたの」
幼女「昔?」
母「お母さんね、昔ここである方に助けられたことがあるの」
幼女「ここで?」
母「そう。 あの時声をかけてもらえなかったらお母さん・・・」
幼女「そんな大事な場所なら大切にしないとね! 私、ここをずっと大切にするね」
母「ありがと」ニコッ
〜〜〜
706
:
◆8YCWQhLlF2
:2019/01/04(金) 23:20:54 ID:TFg8nSx6
少女「お母さん・・・」
神様「ハロ〜」トテトテ
少女「・・・・・・」チラッ
神様「言われなくても掃除をするなんて流石だねぇ〜」
少女「どこかでお会いしたことありましたでしょうか?」
神様「一昨日会ったじゃん〜 私のかわゆいバイト巫女ちゃん」
神使「ちなみに、私も覚えていますよ?」
少女「・・・・・・」
神様「いや〜 少女ちゃんにあげたダサい財布の中に私のポンタカード入れっぱなしだったの思い出してさぁ〜」
神使「神様のではなく私のポンタカードです」
神様「たまったポイントでお菓子を買うのが私の楽しみなの」
神使「私のポイントです」
707
:
◆8YCWQhLlF2
:2019/01/04(金) 23:21:46 ID:TFg8nSx6
少女「貴方たちは一体何者なんですか?」
神様「私は神宮のかわゆい女神、こいつはお付きの神使なのだ」フンスッ
少女「神・・・ やっぱり」フッ
神様「おや? 少女ちゃんは神の存在を信じる口?」
少女「昔聞いたことがあるんです。 この力は神には効かないって」
神様「昔って?」
少女「・・・・・・。 私をどうするんです? 捕らえて実験台にでもします?」
神様「・・・・・・」
少女「それとも・・・ 殺して力ごと封印しますか?」
神様「そんな事するわけない。 私はこれでも神、二度とそんな暴言を吐かないでもらいたい」
少女「・・・・・・」
708
:
◆8YCWQhLlF2
:2019/01/04(金) 23:22:37 ID:TFg8nSx6
神様「お母さんと同じ力を持っているんでしょ?」
少女「!?」
神様「少女ちゃんと同じ力を持つヤツを私は知っている」
少女「お母さんを知っているの!?」
神様「やっぱり」
少女「・・・もしかして、騙しました?」
神様「いいや、君のお母さんは古い古い私の大切な友人だ」
少女「・・・・・・」
神様「娘がいたなんてビックリしたけど」
神使「お話を聞かせてもらえないでしょうか」
神様「望むなら、私も隠さずアイツの話をすると約束する」
709
:
◆8YCWQhLlF2
:2019/01/04(金) 23:24:07 ID:TFg8nSx6
あけおめです
710
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2019/01/05(土) 06:49:18 ID:d58oOgZw
>>709
おめでとう
今年もよろしくね
毎回楽しんでるよ
711
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2019/01/05(土) 11:06:47 ID:8ziF.JGk
新年おめでとうございます。
今年も神ちゃんと神使
712
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2019/01/05(土) 11:10:04 ID:8ziF.JGk
途中で送っちまった
神ちゃんと神使君の二人の活躍を楽しみにしています。
713
:
◆8YCWQhLlF2
:2019/01/06(日) 00:31:58 ID:u8y5Okis
─── 社務所
神様「この神社を守っていた先代の巫女が123年前に失踪した事を少女ちゃんは知ってる?」
少女「」コクリ
神使「それ以降この神社は無人になっています。 間違いないでしょうか?」
少女「間違いありません」
神様「そして、その失踪したとされる巫女は少女ちゃんと関係がある」
少女「・・・・・・」
神使「神宮に保管されている管理者変更届で確認しました。 後継者の欄には少女さんの名前が記載されています」
神様「これは私とコイツしか知らないし、他に言うことは絶対にしない」
少女「・・・・・・。 失踪した先代の巫女は私の母です」
714
:
◆8YCWQhLlF2
:2019/01/06(日) 00:33:13 ID:u8y5Okis
神使「失踪の原因というのは?」
少女「分かりません。 ある日突然・・・」
神様「う〜ん・・・ だとすとると、おかしい点があるんだけど」
少女「何でしょう」
神様「少女ちゃんの年齢が合わないんだよ」
神使「お母様が123年前に失踪されたとすると、少女さんはそれ以上の年齢でないといけません。 ご子孫でしたら分かるのですが・・・」
神様「少女ちゃんはどう見ても10代」
少女「歳を・・・ 取れないんです」
神使「え?」
神様「少女ちゃん、生まれはいつ?」
少女「・・・・・・。 明治21年、西暦で言うと1888年です」
神様・神使「!?」
715
:
◆8YCWQhLlF2
:2019/01/06(日) 00:34:15 ID:u8y5Okis
神使「歳が取れないと仰っていましたが幼少期はあるんですよね?」
少女「はい」
神様「つまり、今の状態になるまでは成長していた」
少女「」コクリ
神使「神様、これは一体・・・」
神様「お母さんから何か詳しいことは?」
少女「私の持っている変な力・・・ たぶんそれが原因。 お母さんも持っていました」
神様「少女ちゃんのお母さんが神だったことは聞いてる?」
少女「お母さんが、神!?」
神様「最初からじゃない。 生まれは人だった」
少女「そんな・・・」
716
:
◆8YCWQhLlF2
:2019/01/06(日) 00:35:21 ID:u8y5Okis
神様「アイツの生まれは確か平安時代の後期」
少女「平安!? 人から神になったという事ですか?」
神様「そう。 でも、人に戻った。 最愛の伴侶と一緒になるために神から人へ」
少女「私の知っているお母さんは人に戻った後なんですか?」
神様「時代的にはそうだと思う」
神使「でも、神から人に戻ると神の力は使えなくなるんですよね?」
神様「あいつの力は生まれ持った物。 人に戻しても力は消えない」
少女「生まれ持った力・・・ 私と同じ」
神様「とても難しい力だったから・・・ アイツを人に戻したときに神力を少し残したんだ」
神使「人でありながら神の力を扱えるという事ですか?」
神様「いや、その力にだけ反応できる神力だけだ。 俗に言う神の力はない」
少女「・・・・・・」
717
:
◆8YCWQhLlF2
:2019/01/06(日) 00:36:20 ID:u8y5Okis
神様「少女ちゃんも出来るんでしょ? アイツと同じように時間移動が」
神使「時間移動!?」
神様「時を跨ぐことの出来る力。 神ですら犯すことの出来ない領域」
神使「洗脳とか催眠の類いではなかったんですか・・・」
神様「そんなトリックじみたモノじゃない」
少女「難しくて・・・ 私には完全に使いこなせないですが・・・」
神様「特に少女ちゃんは神力を持っていないから余計だろうね」
神使「時間移動って・・・ タイムトラベルって事ですよね?」
少女「はい。 厳密に言うと肉体を持っての時間移動と自身の意識共有の2パターンがあります」
神使「そんな力が人に・・・」
神様「私も最初にアイツから聞いた時はビックリした」
神使「それはそうですよね。 使い方を誤ればとても危険な力になります」
神様「あぁ。 アイツも力を使うときはいつも慎重だった」
神使「もし過去を改変してしまったら辻褄が合わなくなりますからね」
718
:
◆8YCWQhLlF2
:2019/01/06(日) 00:37:24 ID:u8y5Okis
神様「私が何度も宝くじのあたり番号を握りしめて泣いて頼みこんでも聞く耳を───」
神使「肉体の時間移動と意識共有というのは大きく違うのですか?」
少女「意識共有は現在の意識を過去の自分に上書きします。 過去の自分からすると突然未来の行動が頭の中に入ってくるんです」
神使「自分の意識だけが時間を超えて共有するということですか・・・」
少女「ただ、私の力だと効果があるのは2日前まで意識を移すのが限界です」
神使「肉体の時間移動も制限が?」
少女「いいえ。 制限無く過去未来へ肉体を持ったまま行くことが出来ます」
神使「タイムトラベルの方が簡単なんですか・・・」
少女「はい。 意識だけを過去に移す方が手間がかかるので」
719
:
◆8YCWQhLlF2
:2019/01/06(日) 00:38:12 ID:u8y5Okis
神使「ちなみに、その力は頻繁に?」
少女「意識干渉は昨日使いました」
神様「私達の行動を変えるため」
少女「昨日の私の記憶を1日前に移して、お二人に会わないように自分の行動を変えました」
神使「その結果、私達が少女さんと会っていない事になっていたのですね」
少女「お二人の一本前の電車に乗って先回りしてここへ来ましたので」
神様「なんでそんな事を?」
少女「・・・・・・。 あの場所に入ったから」
神使「あの場所?」
神様「倉庫」
少女「あそこは、私とお母さんの思い出の場所。 私が守るとお母さんと約束した場所だから」
神使「そんな大切な場所だったのですか・・・ 勝手に入って申し訳ありません」
720
:
◆8YCWQhLlF2
:2019/01/06(日) 00:39:28 ID:u8y5Okis
少女「私、過去にこの力を気付かれて何度も危険な目に遭いました」
少女「捕らえられ実験台にされて・・・ 殺されそうになったことも・・・」ガタガタ
神使「少女さん・・・」
少女「でも、お二人に先ほどお会いしたとき正直ホッとしました」
神様「?」
少女「心のどこかで、お二人なら気付いて助けてくれんじゃないかと思っていたのかも」
神様「この神社には頻繁に来てたの?」
少女「危険な目にあった時に。 ここに来るとお母さんに守ってもらえるような気がして・・・」
神使「という事は、最近も・・・」
少女「」コクリ
神様「・・・・・・」
少女「でも、今回が最後って決めていました」
神使「それはどういう・・・」
少女「少し疲れてしまったんです」ニコッ
神使「・・・・・・」
721
:
◆8YCWQhLlF2
:2019/01/06(日) 00:40:17 ID:u8y5Okis
神様「心配無用!!」
少女「!?」ビクッ
神様「この私が来たからには全て解決したも同然!」
少女「え?」
神様「辛い経験をした人はそれに見合う幸せが必要だ」
少女「幸せ・・・」
神様「じゃないと人はその辛さで押しつぶされちゃう」
少女「・・・・・・」
神様「だから少女ちゃんには、今までの辛さを帳消しにする位の幸せを私がプレゼントする」
神使「神様・・・」
神様「何も心配いらないから。 今まで一人でよく頑張った」ナデナデ
少女「・・・・・・」ウルウル
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